公開:2026年11月9日/出典:社会保障審議会 介護給付費分科会(第271回)資料5・(第259回)資料5
これは審議の途中の「論点」です。決まった内容ではありません。決まったときはこの記事を更新します。
要点(3行)
- 令和8年10月19日の介護給付費分科会(第271回)に、資料5「居宅療養管理指導(改定の方向性)」が出されました。次の介護報酬改定に向けた「現状と課題及び論点」です。
- 論点は5つ。薬剤師について2つ(医療機関に勤務する薬剤師の算定回数上限、算定する日の間隔)、管理栄養士について2つ(指導時間、算定要件)、住まいの形態に合わせた報酬の在り方が1つです。
- 対応案には「30分未満の栄養管理に係る情報提供及び指導又は助言について、新たに評価を行ってはどうか」「算定対象として、医師の指示に基づく栄養スクリーニングの実施を追加してはどうか」などが並んでいます。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 会議 | 社会保障審議会 介護給付費分科会 第271回(令和8年10月19日・Web会議)。資料は訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、居宅介護支援の6つ |
| 資料 | 資料5「居宅療養管理指導(改定の方向性)」(厚生労働省 老健局) |
| 資料の構成 | 1.これまでの分科会における主なご意見/2.現状と課題及び論点/3.参考資料 |
| 前の回の資料 | 第259回の資料5「居宅療養管理指導」では、概況・令和6年度改定の内容・サービス提供等の状況を並べたうえで、「利用者の療養の場に応じ、多職種が連携しながら専門性を発揮する観点から、どのような方策が考えられるか」と問いが立てられていました |
論点と対応案の一覧
| 論点 | 資料に書かれた現状・課題 | 対応案(資料の書き方) |
|---|---|---|
| ①医療機関に勤務する薬剤師の算定回数上限 | 医療機関に勤務する薬剤師の居宅療養管理指導費は近年減少傾向。介護保険では実施回数の上限が月2回。診療報酬の在宅患者訪問薬剤管理指導料は、平成26年度診療報酬改定で月2回から月4回へ拡大され、末期の悪性腫瘍患者と中心静脈栄養法を実施している患者は月8回まで | 医療機関に勤務する薬剤師による居宅療養管理指導の実施回数の在り方について、診療報酬における取扱いも踏まえた評価を行ってはどうか |
| ②薬剤師の算定間隔など | 令和8年度診療報酬改定で、在宅患者訪問薬剤管理指導料の「算定する日の間隔を6日以上とする要件」が廃止され、週1回の算定に。介護保険は6日以上のままで、祝日や利用者都合で訪問日を変えた場合に算定していないケースがある。月の途中で麻薬調剤や無菌製剤処理等のために薬局を変える場合の取扱いが明確でないとの指摘 | 「算定する日の間隔を6日以上」とする要件について、医療保険と介護保険との整合性を図る観点から見直しを行ってはどうか。あわせて、高度な薬学管理等のために薬局変更が必要となる場合の取扱いについて必要な整理を行ってはどうか |
| ③管理栄養士の指導時間 | 医師の指示に基づき、栄養管理に係る情報提供及び指導又は助言を30分以上行うことが要件。管理栄養士による算定件数は極めて少ない。30分に満たないために算定していないケースが一定数ある。訪問に同行する他職種がいる割合は5割で、同行した職種は「医師」と「介護支援専門員」が最も多かった | 30分未満の栄養管理に係る情報提供及び指導又は助言について、新たに評価を行ってはどうか |
| ④管理栄養士の算定要件 | 算定の対象は、特別食を提供する必要がある者又は低栄養状態にある者。在宅の要支援者・要介護者に「低栄養のおそれあり」「低栄養」の方が一定数おり、医療専門職につながらないことで栄養介入の必要性が無いと判断されることがある | 管理栄養士の居宅療養管理指導の算定対象として、医師の指示に基づく栄養スクリーニングの実施を追加してはどうか |
| ⑤住まいの形態に合わせた報酬 | 同一建物等居住者へのサービス提供は、「単一建物居住者が1人の場合」「2~9人の場合」「10人以上の場合」の算定区分を設けて対応している | 「高齢者住まいに対するサービス提供の在り方に関する介護給付費分科会において説明及び議論を実施予定」 |
「これまでの分科会における主なご意見」に並んでいること
資料には「第256回以降の介護給付費分科会でいただいたご意見について事務局の責任で整理したもの」として、次のような意見が並んでいます(短くまとめています)。
| 見出し | 資料に並んでいる意見の中身 |
|---|---|
| 住まいの形態 | サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームで、居住系サービスと医療系サービスが連動したサービス提供について、減算や包括報酬等の新たな報酬体系も含めて検討すべき、という意見。一方で、医師の居宅療養管理指導の実施割合は、入居者の状態を踏まえると当然の結果、という意見 |
| 薬学的管理 | 認知症や心不全、末期の悪性腫瘍等の利用者や、中心静脈栄養・医療用麻薬の持続投与等の高度な薬学的管理を要する利用者に対し、短い間隔での確認も含めて継続的な薬学的管理は重要、という意見 |
| 栄養管理 | 低栄養又はそのおそれがある方を把握し、栄養スクリーニングを通じて医師の迅速な指示につなげられるよう、タスクシフト・タスクシェアの観点を踏まえた制度設計や教育の在り方を検討すべき、という意見 |
一次資料:
- 介護給付費分科会(第271回)資料5 居宅療養管理指導(改定の方向性)(PDF)
- 介護給付費分科会(第259回)資料5 居宅療養管理指導(PDF)
- 第271回社会保障審議会介護給付費分科会 資料(厚生労働省)
事業所で確かめること
- 対応案は審議の途中です。決まるまでは、今の告示の定めと、留意事項通知(老企36)の定めのとおりです。
- 薬剤師の算定回数・算定する日の間隔、管理栄養士の指導時間・算定対象などの今の要件は、告示の定めと留意事項通知でご確認ください。
- 居宅介護支援の事業所は、居宅療養管理指導を行う医師・薬剤師・管理栄養士などからの情報提供を、ケアプランにどう生かしているかを見直しておくと、改定の内容が出たときに話がしやすくなります。
- 医療保険の在宅患者訪問薬剤管理指導料の扱いは、診療報酬の告示・通知でご確認ください。改定の内容は、今後の分科会の資料と、告示・通知でご確認ください。
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更新履歴:初版。審議で方向性が決まったとき・告示や通知が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






