訪問看護の看護体制強化加算は、その月に個々の利用者へ何をしたかではなく、直前の一定期間に、他の加算をどれだけの利用者について算定していたかという「割合」と「人数」で定めが置かれている加算です。つまり、当月の記録をいくら丁寧に書いても、前の6か月・12か月を数え直さないかぎり、定めと自事業所の状態を並べることができません。
この記事は、当社の加算データベースに登録している看護体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)の2件のレコードを、告示の根拠つきでそのまま対照表にしたものです。あわせて、割合の分子と分母を毎月どの欄に書き写せば追えるのかを、月次の集計シートの形で用意しました。数字の例を並べるのではなく、貴事業所が自分の数字を入れて使う欄として作っています。
なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。本記事は告示の定めと、貴事業所で記入していただく欄を並べた対照表であり、算定の可否を判定するものではありません。最終的な判断は保険者(指定権者)にご確認ください。
看護体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)|告示の定め6項目と、貴事業所の記入欄の対照表
当社データベースには、看護体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)それぞれについて6項目の定めが、根拠となる告示の条項つきで登録されています。まず区分・単位数・届出といった枠組みを1枚にまとめ、続いて(Ⅰ)(Ⅱ)ごとに6項目を並べます。右端は貴事業所が記入する欄です。
区分・単位数・届出|枠組みの対照表
| 項目 | 当社データベースに登録している告示の定め | 根拠として登録している告示 | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 看護体制強化加算(Ⅰ)の単位数 | 1月につき550単位 | 平成12年厚生省告示第19号 別表 3 訪問看護費 ト(1)・注 | 体制届に記載した区分(Ⅰ/Ⅱ/記載なし): /記入日: |
| 看護体制強化加算(Ⅱ)の単位数 | 1月につき200単位 | 平成12年厚生省告示第19号 別表 3 訪問看護費 ト(2)・注 | 体制届に記載した区分(Ⅰ/Ⅱ/記載なし): /記入日: |
| 算定の頻度 | 1月につき | 平成12年厚生省告示第19号 別表 3 訪問看護費 ト 注 | 請求データ上の回数を点検した人: /点検日: |
| 対象となる訪問看護費の区分 | イ、ロ | 平成12年厚生省告示第19号 別表 3 訪問看護費 ト 注 | 自事業所の区分(イ 訪問看護ステーション/ロ 病院又は診療所/ハ 連携して行う場合): |
| (Ⅰ)と(Ⅱ)の関係 | いずれか一方のみとする旨が告示に明記されている | 平成12年厚生省告示第19号 別表 3 訪問看護費 ト 注ただし書 | 同じ月に両方を記載していないかを点検した人: /点検日: |
| 都道府県知事への届出 | 定めの上では「済」であることが並んでいる項目 | 平成12年厚生省告示第19号 別表 3 訪問看護費 ト 注 | 体制届の提出日: /控えの保管場所: /受付が分かる書面の有無: |
| 大臣が定める基準の所在 | (Ⅰ)は第9号イ、(Ⅱ)は第9号ロに置かれている | 平成27年厚生労働省告示第95号 第9号イ・ロ | 原文を読んだ担当者: /確認日: |
| 改定の状況 | 令和6年度改定後の内容。令和8年厚生労働省告示第87号でも据置きと当社データベースに登録 | 令和8年厚生労働省告示第87号(新旧対照表) | 自事業所で改定内容を読み合わせた日: |
| 当社データベースの更新日 | 2026年7月23日 | — | 自事業所で最後に数え直した日: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
看護体制強化加算(Ⅰ)|6項目の定めと記入欄
(Ⅰ)の定めは、平成27年厚生労働省告示第95号 第9号イに置かれています。うち割合・人数に関する項目は3つ、体制に関する項目が1つ、区分と届出が各1つです。
| 定めの項目 | 告示の定め(しきい値) | 数える期間 | 根拠として登録している告示 | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|---|
| 対象区分 | イ、ロ | — | 平12厚告19 別表3 訪問看護費 ト 注 | 自事業所の区分: /確認日: |
| 利用者の総数に占める緊急時訪問看護加算の算定利用者の割合 | 100分の50以上 | 算定日が属する月の前6月間 | 平27厚労告95 第9号イ(1)(一) | 分母: 名/分子: 名/割合: %/数えた日: |
| 利用者の総数に占める特別管理加算の算定利用者の割合 | 100分の20以上 | 算定日が属する月の前6月間 | 平27厚労告95 第9号イ(1)(二) | 分母: 名/分子: 名/割合: %/数えた日: |
| ターミナルケア加算の算定利用者数 | 5名以上 | 算定日が属する月の前12月間 | 平27厚労告95 第9号イ(1)(三) | 実数: 名/元にした資料: /数えた日: |
| 従業者の総数に占める看護職員の割合(訪問看護ステーションの場合) | 100分の60以上。当社データベースには「病院・診療所にはこの要件は課されていません」と登録 | —(算定方法は告示に定めが置かれています) | 平27厚労告95 第9号イ(1)(四) | 分母: /分子: /割合: %/数え方の根拠にした資料: |
| 都道府県知事への届出 | 定めの上では「済」であることが並んでいる項目 | — | 平12厚告19 別表3 訪問看護費 ト 注 | 提出日: /控えの保管場所: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
このうち緊急時訪問看護加算の割合については、当社データベースに告示の文がそのまま登録されています。「算定日が属する月の前六月間において、指定訪問看護事業所における利用者の総数のうち、緊急時訪問看護加算…を算定した利用者の占める割合が百分の五十以上であること。」——分母が「利用者の総数」、分子が「当該加算を算定した利用者」であることが、この一文から読み取れます。
看護体制強化加算(Ⅱ)|6項目の定めと記入欄
(Ⅱ)の定めは第9号ロに置かれ、割合に関する3項目は第9号イの各項を引用する形になっています。ロに固有の条文として置かれているのが、ターミナルケア加算の算定利用者数です。
| 定めの項目 | 告示の定め(しきい値) | 数える期間 | 根拠として登録している告示 | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|---|---|
| 対象区分 | イ、ロ | — | 平12厚告19 別表3 訪問看護費 ト 注 | 自事業所の区分: /確認日: |
| 利用者の総数に占める緊急時訪問看護加算の算定利用者の割合 | 100分の50以上 | 算定日が属する月の前6月間 | 平27厚労告95 第9号ロ(1)(一)(イ(1)(一)を引用) | 分母: 名/分子: 名/割合: %/数えた日: |
| 利用者の総数に占める特別管理加算の算定利用者の割合 | 100分の20以上 | 算定日が属する月の前6月間 | 平27厚労告95 第9号ロ(1)(一)(イ(1)(二)を引用) | 分母: 名/分子: 名/割合: %/数えた日: |
| ターミナルケア加算の算定利用者数 | 1名以上 | 算定日が属する月の前12月間 | 平27厚労告95 第9号ロ(1)(二) | 実数: 名/元にした資料: /数えた日: |
| 従業者の総数に占める看護職員の割合(訪問看護ステーションの場合) | 100分の60以上。当社データベースには「病院・診療所にはこの要件は課されていません」と登録 | —(算定方法は告示に定めが置かれています) | 平27厚労告95 第9号ロ(1)(一)(イ(1)(四)を引用) | 分母: /分子: /割合: %/数え方の根拠にした資料: |
| 都道府県知事への届出 | 定めの上では「済」であることが並んでいる項目 | — | 平12厚告19 別表3 訪問看護費 ト 注 | 提出日: /控えの保管場所: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
(Ⅱ)のターミナルケア加算に関する条文も、当社データベースに原文が登録されています。「算定日が属する月の前十二月間において、指定訪問看護事業所におけるターミナルケア加算を算定した利用者が一名以上であること。」——ここでも数えるのは「利用者」であって、算定した月数や回数ではない、という形になっています。
割合の数え方|分子と分母を毎月書き写す集計シート(4つの数と9手順)
この加算で数えることになるのは、次の4つの数です。緊急時訪問看護加算の割合、特別管理加算の割合、ターミナルケア加算の算定利用者数、そして(訪問看護ステーションの場合)従業者の総数に占める看護職員の割合。前の3つは利用者を数えるもの、最後の1つは職員を数えるものです。数える対象も期間も違うので、同じ1枚のシートに混ぜないほうが追いやすくなります。
以下は、月ごとに数を書き写していくための欄です。数字の例は入れていません。例が入っていると、そのまま自事業所の数字だと誤解されることがあるためです。空欄を埋めていくことで、告示の定めと自事業所の数が横に並ぶ形になります。
数える順番|9手順の作業表
| 手順 | やること | 何を開くか | 書き写す先 | 実施者・実施日の記入欄 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 算定しようとする月(算定日が属する月)を決め、シートの表題に書く | 請求の予定表 | シート表題 | 実施者: /実施日: |
| 2 | その月から見た「前6月間」と「前12月間」が具体的に何年何月から何年何月かを書き出す | カレンダー | シート冒頭の期間欄 | 実施者: /実施日: |
| 3 | 前6月間の各月について、利用者の総数を数え、分母欄に書き写す | 月別の利用者一覧、給付費請求明細書の控え | 下記「緊急時訪問看護加算の割合」表の分母欄 | 実施者: /実施日: |
| 4 | 前6月間に緊急時訪問看護加算を算定した利用者を抽出し、分子欄に書き写す | 給付費請求明細書の控えの加算欄 | 同表の分子欄 | 実施者: /実施日: |
| 5 | 手順3と4から割合を出し、告示の定め(100分の50以上)と横に並べる | 電卓・表計算ソフト | 同表の割合欄と対照欄 | 実施者: /実施日: |
| 6 | 特別管理加算について手順3〜5を繰り返し、告示の定め(100分の20以上)と横に並べる | 同上 | 「特別管理加算の割合」表 | 実施者: /実施日: |
| 7 | 前12月間にターミナルケア加算を算定した利用者の人数を数え、(Ⅰ)5名以上・(Ⅱ)1名以上という定めと横に並べる | 給付費請求明細書の控え、訪問看護記録書Ⅱ | 「ターミナルケア加算の算定利用者数」表 | 実施者: /実施日: |
| 8 | 訪問看護ステーションの場合、従業者名簿から看護職員の割合を出し、100分の60以上という定めと横に並べる | 従業者の職種別名簿、勤務体制一覧表 | 「看護職員の割合」表 | 実施者: /実施日: |
| 9 | 各欄について、数えた人・数えた日・元にした資料名・保管場所を記入して綴じる | 本シート一式 | 各表の右端欄 | 実施者: /実施日: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
緊急時訪問看護加算の割合|前6か月の記入欄
告示の定めは100分の50以上(平27厚労告95 第9号イ(1)(一))。分母は「利用者の総数」、分子は「緊急時訪問看護加算を算定した利用者」です。緊急時訪問看護加算そのものの要件は本記事の対象外なので、ここでは数えるための欄だけを置きます。
| 対象月 | 年月(記入) | 分母:利用者の総数(名) | 分子:緊急時訪問看護加算を算定した利用者(名) | 元にした資料 | 数えた人・数えた日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 前6か月目 | 年 月 | 名 | 名 | / | |
| 前5か月目 | 年 月 | 名 | 名 | / | |
| 前4か月目 | 年 月 | 名 | 名 | / | |
| 前3か月目 | 年 月 | 名 | 名 | / | |
| 前2か月目 | 年 月 | 名 | 名 | / | |
| 前1か月目 | 年 月 | 名 | 名 | / | |
| 前6月間の合計(数え方は保険者にご確認ください) | 年 月〜 年 月 | 分母合計: 名 | 分子合計: 名 | 割合: % | 告示の定め:100分の50以上/並べた人: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
特別管理加算の割合|前6か月の記入欄
告示の定めは100分の20以上(平27厚労告95 第9号イ(1)(二))。期間は緊急時訪問看護加算の割合と同じ前6月間なので、分母は同じ数字を使えます。分子だけを入れ替えて数える形にすると、二度手間になりません。
| 対象月 | 年月(記入) | 分母:利用者の総数(名) | 分子:特別管理加算を算定した利用者(名) | 元にした資料 | 数えた人・数えた日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 前6か月目 | 年 月 | 名 | 名 | / | |
| 前5か月目 | 年 月 | 名 | 名 | / | |
| 前4か月目 | 年 月 | 名 | 名 | / | |
| 前3か月目 | 年 月 | 名 | 名 | / | |
| 前2か月目 | 年 月 | 名 | 名 | / | |
| 前1か月目 | 年 月 | 名 | 名 | / | |
| 前6月間の合計(数え方は保険者にご確認ください) | 年 月〜 年 月 | 分母合計: 名 | 分子合計: 名 | 割合: % | 告示の定め:100分の20以上/並べた人: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
ターミナルケア加算の算定利用者数|前12か月の記入欄
ここだけは割合ではなく実数です。(Ⅰ)は5名以上(第9号イ(1)(三))、(Ⅱ)は1名以上(第9号ロ(1)(二))と、当社データベースに登録しています。12か月分をさかのぼるため、月をまたいだ集計表を1枚持っておくと、翌月以降は1行足すだけで済みます。
| 対象月 | 年月(記入) | ターミナルケア加算を算定した利用者(名) | 元にした資料 | 数えた人・数えた日 |
|---|---|---|---|---|
| 前12か月目 | 年 月 | 名 | / | |
| 前11か月目 | 年 月 | 名 | / | |
| 前10か月目 | 年 月 | 名 | / | |
| 前9か月目 | 年 月 | 名 | / | |
| 前8か月目 | 年 月 | 名 | / | |
| 前7か月目 | 年 月 | 名 | / | |
| 前6か月目 | 年 月 | 名 | / | |
| 前5か月目 | 年 月 | 名 | / | |
| 前4か月目 | 年 月 | 名 | / | |
| 前3か月目 | 年 月 | 名 | / | |
| 前2か月目 | 年 月 | 名 | / | |
| 前1か月目 | 年 月 | 名 | / | |
| 前12月間の合計(同一の利用者を重ねて数えない扱いかどうかは保険者にご確認ください) | 年 月〜 年 月 | 合計: 名 | 告示の定め:(Ⅰ)5名以上/(Ⅱ)1名以上 | 並べた人: /並べた日: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
従業者の総数に占める看護職員の割合|職種別の記入欄
この項目は、訪問看護ステーションの場合に置かれている定めで、100分の60以上とされています(第9号イ(1)(四))。当社データベースには「病院・診療所にはこの要件は課されていません」と登録されています。分母・分子に誰を入れるかは告示に定めが置かれていますので、原文を確認したうえで下の欄に○×を記入し、判断の根拠にした資料名を残す形にしてください。
| 職種 | 自事業所の実数・常勤換算数(記入) | 分母(従業者の総数)に入れたか | 分子(看護職員)に入れたか | そう判断した根拠として置いた資料名 |
|---|---|---|---|---|
| 保健師 | ○/×/保険者に照会 | ○/×/保険者に照会 | ||
| 看護師 | ○/×/保険者に照会 | ○/×/保険者に照会 | ||
| 准看護師 | ○/×/保険者に照会 | ○/×/保険者に照会 | ||
| 理学療法士 | ○/×/保険者に照会 | ○/×/保険者に照会 | ||
| 作業療法士 | ○/×/保険者に照会 | ○/×/保険者に照会 | ||
| 言語聴覚士 | ○/×/保険者に照会 | ○/×/保険者に照会 | ||
| 看護補助者 | ○/×/保険者に照会 | ○/×/保険者に照会 | ||
| 事務職員 | ○/×/保険者に照会 | ○/×/保険者に照会 | ||
| 管理者(看護職員の資格を有する場合) | ○/×/保険者に照会 | ○/×/保険者に照会 | ||
| 管理者(看護職員の資格を有しない場合) | ○/×/保険者に照会 | ○/×/保険者に照会 | ||
| 介護予防訪問看護と一体的に運営している場合の取扱い | 算定方法が告示に定められている旨をデータベースに登録済み。原文を確認して記入 | 同左 | ||
| 合計 | 分母合計: /分子合計: | 割合: % | 告示の定め:100分の60以上 | 数えた人: /数えた日: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
(Ⅰ)と(Ⅱ)の分かれ目|8項目を突き合わせて、差が置かれているのは2項目
当社データベースに登録している2件のレコードを項目ごとに突き合わせると、割合に関する定めは(Ⅱ)が(Ⅰ)の条項を引用する形になっており、値そのものは同じです。差が置かれているのは、ターミナルケア加算の算定利用者数と、単位数の2点です。
| 定めの項目 | 看護体制強化加算(Ⅰ) | 看護体制強化加算(Ⅱ) | 共通か | 根拠として登録している告示 |
|---|---|---|---|---|
| 単位数 | 1月につき550単位 | 1月につき200単位 | 異なる | 平12厚告19 別表3 訪問看護費 ト(1)・ト(2)・注 |
| 緊急時訪問看護加算の算定利用者の割合(前6月間) | 100分の50以上 | 100分の50以上 | 共通(ロがイを引用) | 平27厚労告95 第9号イ(1)(一)/ロ(1)(一) |
| 特別管理加算の算定利用者の割合(前6月間) | 100分の20以上 | 100分の20以上 | 共通(ロがイを引用) | 平27厚労告95 第9号イ(1)(二)/ロ(1)(一) |
| ターミナルケア加算の算定利用者数(前12月間) | 5名以上 | 1名以上 | 異なる | 平27厚労告95 第9号イ(1)(三)/ロ(1)(二) |
| 従業者の総数に占める看護職員の割合(訪問看護ステーションの場合) | 100分の60以上 | 100分の60以上 | 共通(ロがイを引用) | 平27厚労告95 第9号イ(1)(四)/ロ(1)(一) |
| 対象となる訪問看護費の区分 | イ、ロ | イ、ロ | 共通 | 平12厚告19 別表3 訪問看護費 ト 注 |
| 都道府県知事への届出 | 定めの上では「済」であることが並んでいる項目 | 同左 | 共通 | 平12厚告19 別表3 訪問看護費 ト 注 |
| (Ⅰ)と(Ⅱ)の併記 | いずれか一方のみとする旨が告示に明記 | いずれか一方のみとする旨が告示に明記 | 共通 | 平12厚告19 別表3 訪問看護費 ト 注ただし書 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
差がターミナルケア加算の実績数の1点に集約されている、という構造を知っておくと、月次の集計シートも作りやすくなります。前6月間の2つの割合と看護職員の割合はどちらの区分でも同じ数を使えるので、区分ごとに別のシートを作る必要はありません。分岐するのは、前12月間の実数を書き写した最後の1行だけです。
分子・分母に入れるか迷う16場面|確認できたこと・確認できなかったこと・保険者への照会欄
割合の定めは短い一文ですが、実際に数えはじめると「この利用者は分母に入るのか」「この職種は分子に入るのか」という問いがすぐに出てきます。ここでは、当社が告示とデータベースの範囲で確認できたことと、確認できなかったことを分けて並べます。確認できていないものに答えを書くと、それはもう対照表ではなくなるためです。右端の欄は、保険者(指定権者)に照会した内容と回答を書き留めるための欄です。
| 迷いやすい場面 | 告示・当社データベースで確認できたこと | 本記事で確認できていないこと | 保険者への照会欄(照会日・回答・回答者) |
|---|---|---|---|
| 分母の「利用者の総数」に、月の途中で利用を開始した利用者を含めるか | 条文上の分母の語は「指定訪問看護事業所における利用者の総数」であること | 月途中の開始・終了をどう扱うかの取扱い | 照会日: /回答: /回答者: |
| 分母に、月の途中で契約が終了した利用者を含めるか | 同上 | 同上 | 照会日: /回答: /回答者: |
| 分母に、介護予防訪問看護のみを利用している方を含めるか | 看護職員の割合について、介護予防訪問看護と一体的に運営している場合の算定方法が告示に定められている旨 | 利用者の割合の分母に予防のみの利用者を含めるかどうかの取扱い | 照会日: /回答: /回答者: |
| 分母に、医療保険の訪問看護のみを利用している方を含めるか | 本加算の定めは介護給付費の算定基準に置かれていること | 医療保険のみの利用者の扱い | 照会日: /回答: /回答者: |
| 分子は「1か月でも算定があれば1名」なのか、月ごとの延べなのか | 条文の語が「算定した利用者の占める割合」であり、数える対象が利用者であること | 6か月の間に複数月で算定がある場合の重複の扱い | 照会日: /回答: /回答者: |
| 同じ利用者が前6月間の複数月で算定されている場合の数え方 | 同上 | 同上 | 照会日: /回答: /回答者: |
| 特別管理加算の割合で、(Ⅰ)と(Ⅱ)の区分を分けて数えるか | 条文の語が「特別管理加算…を算定した利用者」であり、区分の別を条文上の項目名としては登録していないこと | 区分ごとに分けて数える運用が求められるかどうか | 照会日: /回答: /回答者: |
| ターミナルケア加算の「算定した利用者」を、死亡月に算定した利用者として数えるか | 条文の語が「ターミナルケア加算を算定した利用者が一名以上であること」(Ⅱ)であること | 算定月と死亡月がずれる場合の数え方 | 照会日: /回答: /回答者: |
| 前12月間の起算点をいつに置くか | 条文の語が「算定日が属する月の前十二月間」であること | 算定日が属する月を含めるかどうかの具体的な数え方 | 照会日: /回答: /回答者: |
| 看護職員の割合の分母に、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を含めるか | 項目名が「従業者の総数に占める看護職員の割合」であり、100分の60以上と定められていること | 分母に含める職種の範囲を、本記事では逐条で示していない | 照会日: /回答: /回答者: |
| 看護職員の割合の分母に、事務職員や管理者を含めるか | 同上 | 同上 | 照会日: /回答: /回答者: |
| 看護職員の割合を常勤換算で数えるか、実人数で数えるか | 当社データベースの登録は割合の値(100分の60以上)まで | 算出方法(常勤換算か実人数か)を本記事では逐条で示していない | 照会日: /回答: /回答者: |
| 介護予防訪問看護と一体的に運営している場合の看護職員の割合 | 算定方法が告示に定められている旨がデータベースに登録されていること | その算定方法の具体的な内容 | 照会日: /回答: /回答者: |
| 病院・診療所の場合に看護職員の割合の定めが置かれているか | 当社データベースに「病院・診療所にはこの要件は課されていません」と登録されていること | — | 照会日: /回答: /回答者: |
| 看護職員の離職等により割合を満たさなくなった場合の経過的な取扱い | 採用計画の届出に関する経過的な取扱いが改正告示の附則に置かれている旨がデータベースの留意点として登録されていること | 附則の条文は本調査で逐語確認していないため、参考情報として扱う必要がある | 照会日: /回答: /回答者: |
| 割合を確認する頻度と、確認記録の様式 | 複数の自治体が、割合の計算と記録を求める旨を公表資料に示していること(下記の指摘一覧を参照) | 本加算について頻度を定めた条文は本記事では示していない | 照会日: /回答: /回答者: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
運営指導で確認される書類|別添1の確認項目と、割合の裏づけとして残す資料
厚生労働省の運営指導マニュアル別添1には、訪問看護の確認項目と確認文書が示されています。看護体制強化加算そのものを名指しした項目は置かれていませんが、割合を数えるときに使う資料は、別添1が挙げている確認文書とほぼ重なります。加算のために新しく書類を作るのではなく、すでに確認文書として挙げられているものに集計の欄を足す、という組み立て方ができます。
別添1(訪問看護)の確認項目と、割合を数えるときに見る欄
| 確認項目(別添1・訪問看護) | 確認内容(別添1) | 確認文書(別添1) | 割合を数えるときに、この書類のどこを見るか |
|---|---|---|---|
| 従業者の員数(第60条) | 利用者に対し従業者の員数は適切であるか/専門職は必要な資格を有しているか | 勤務実績表・タイムカード、勤務体制一覧表、従業者の資格証 | 看護職員の割合の分母・分子に入れた職種と人数の根拠 |
| 管理者(第61条) | 管理者は常勤専従か、兼務している場合の兼務体制は適切か | 管理者の雇用形態が分かる文書、管理者の勤務実績表・タイムカード | 管理者を分母・分子のどちらに入れたかを記入した欄との整合 |
| 勤務体制の確保等(第30条) | サービス提供は事業所の従業者によって行われているか/研修の機会を確保しているか | 雇用の形態が分かる文書、研修計画・実施記録 | 職種別名簿の在籍期間と、割合を数えた月の対応 |
| サービス提供の記録(第19条) | 日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか | サービス提供記録 | 分子に数えた利用者について、その月の提供実態が読み取れるか |
| 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条) | 主治の医師の指示及び利用者の心身の状況等を踏まえて計画が立てられているか | 訪問看護計画、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書 | 分子に数えた利用者の計画・報告書がそろっているか |
| 緊急時等の対応(第72条) | 緊急時対応マニュアル等が整備されているか/速やかに主治の医師に連絡しているか | 緊急時対応マニュアル、サービス提供記録 | 分子の抽出元にした加算の裏づけとして、体制と記録が対応しているか |
| 利用料等の受領(第66条) | 利用者からの費用徴収は適切に行われているか/領収書を発行しているか | 請求書、領収書 | 加算を含む請求内容と、集計に使った請求データの一致 |
| 運営規程(第73条) | 指定訪問看護の内容及び利用料その他の費用の額などを定めているか | 運営規程 | 加算に関する記載と、体制届の内容の一致 |
| 内容及び手続の説明及び同意(第8条) | 重要事項説明書の内容に不備等はないか | 重要事項説明書、利用契約書 | 算定している加算に関する記載が実態と一致しているか |
| 受給資格等の確認(第11条) | 被保険者資格、要介護認定の有無、有効期限を確認しているか | 介護保険番号・有効期限等を確認している記録 | 分母に数えた利用者の範囲と、資格確認記録の範囲の対応 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
そろえておく書類と、保管場所・最終更新日の記入欄
当社データベースには、看護体制強化加算について「看護体制強化加算に係る届出書」「直近6か月・12か月の加算算定実績の集計」「従業者の職種別名簿・勤務体制一覧表」の3点が確認書類として登録されています。ここではそれを起点に、集計の元になる資料まで含めて一覧にしました。
| 書類 | 書いておく項目 | 保管場所(記入) | 最終更新日(記入) | 担当者(記入) |
|---|---|---|---|---|
| 看護体制強化加算に係る届出書(データベース登録) | 届け出た区分、提出日、提出先 | |||
| 直近6か月の加算算定実績の集計(データベース登録) | 月別の分母・分子、割合、数えた人と日 | |||
| 直近12か月の加算算定実績の集計(データベース登録) | 月別のターミナルケア加算の算定利用者数、合計 | |||
| 従業者の職種別名簿(データベース登録) | 職種、資格、雇用形態、在籍期間 | |||
| 勤務体制一覧表(データベース登録) | 月別の勤務予定と実績、常勤・非常勤の別 | |||
| 出勤簿・タイムカード | 勤務時間、欠勤・休職の期間 | |||
| 資格証の写し | 資格の種類、氏名、確認日 | |||
| 月別の利用者一覧 | 利用開始日、終了日、保険の別 | |||
| 給付費請求明細書の控え | 月ごとの加算欄、返戻・過誤の履歴 | |||
| 訪問看護記録書Ⅱ | 分子に数えた利用者の提供実態 | |||
| 訪問看護報告書 | 期間中の状態と対応の経過 | |||
| 割合の月次確認記録(本記事の集計シート) | 数えた期間、分母・分子、割合、告示の定めとの対照、確認者 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
割合で決まる加算について自治体が公表している指摘12件|看護体制強化加算を名指しした指摘は当社の監査データベースでは確認できず
当社が保有する自治体公表の指摘353件(すべて出典つき)を「看護体制強化加算」で検索したところ、この加算を名指しした指摘は1件も確認できませんでした。そこで代わりに、割合や人数の要件で定めが置かれている加算について、割合の計算・記録・届出をめぐって公表されている指摘を12件引いています。加算の名前は違いますが、指摘の形は「割合を計算した記録が残っていない」「届出と実態が一致していない」に集中しており、看護体制強化加算の集計シートを作るときの観点として読めます。
| 公表されている指摘 | 資料に示されている内容 | 出典(自治体・資料名) | 自事業所の点検欄 |
|---|---|---|---|
| サービス提供体制強化加算の前年度平均による要件確認をしていない | 訪問看護・介護老人保健施設ともに、看護師等・介護職員の総数に占める一定の要件を満たす者の割合を常勤換算方法で算出した前年度(3月を除く。)の平均を用いて算定要件を満たしていることを確認していない事例が公表されている | 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(訪問看護)」 | 点検日: /点検者: |
| 日常生活継続支援加算の割合を毎月確認していない | 算定日の属する月の前6か月間又は前12か月間における新規入所者の総数における一定の者の占める割合が所定の割合以上であることを毎月確認していない事例が公表されている | 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人福祉施設)」 | 点検日: /点検者: |
| 中重度者ケア体制加算の常勤換算2以上の確保を歴月ごとに確認していない | 歴月ごとに、指定基準に規定する員数に加えて看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保していることを確認していない事例が公表されている | 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(通所介護)」 | 点検日: /点検者: |
| 特定事業所加算の研修計画が個別具体的でない・前年度平均の要件確認をしていない | 訪問介護員等の総数に占める一定の要件を満たす者の割合を常勤換算方法で算出した前年度(3月を除く。)の平均を用いて算定要件を満たしていることを確認していない事例が公表されている | 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(訪問介護)」 | 点検日: /点検者: |
| 割合要件を、算定日の属する月ごとに記録していない | 加算における職員・利用者の割合の計算について「所定の割合を満たしていることが明らかな場合も計算し、その記録を残すこと」と示され、記録の頻度の例として、利用者の割合は「算定日が属する月→毎月記録」とされている | 松山市「令和7年度第1回介護保険サービス事業者連絡会資料 運営指導での主な指摘事項及び周知事項について」 | 点検日: /点検者: |
| サービス提供体制強化加算:職員の割合を把握せず算定 | 「職員の割合について、要件を満たしていないにも関わらず算定していた。毎年度末に職員の割合を算出し、要件を満たすことを確認した上で算定すること。」と例示され、訪問看護については従業者ごとの研修計画・健康診断の未実施もあわせて示されている | 広島市「令和7年度運営指導の指摘事項等について」(同旨:大阪市 令和8年度集団指導資料 居宅サービス編) | 点検日: /点検者: |
| 前6月間の割合の判定結果を保険者に提出していない | 算定日が属する月の前6月間に提供したもののうち一定の割合が100分の90以上である場合には体制届により判定及びその結果を提出することとされているにもかかわらず、提出されていない実態が認められた旨が記載されている | 千葉市「令和7年度の運営指導における主な指導事項について」(令和7年度千葉市介護保険事業者説明会(集団指導)) | 点検日: /点検者: |
| 変更届出書・体制届出書を提出していない | 資料には、加算の算定要件を満たしていても期限までに体制届を提出しない場合は算定できない旨、算定要件を満たさなくなった場合は請求の有無に関わらず届出を要する旨が記載されている | 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 | 点検日: /点検者: |
| 看護体制加算で併設ショートステイの看護職員を含めて計算している | ショートステイを併設している場合は別に必要な看護職員を配置する必要があり、併設事業所でも当該加算を算定する場合は本体施設の看護職員の配置とは別に必要な看護職員を配置する必要がある旨が注記されている | 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項」(施設向け・令和7年4月7日修正) | 点検日: /点検者: |
| 看護職員配置加算の看護職員が専従でなく介護職員を兼務していた | 配置看護師・准看護師が専従でなく介護職員を兼務している事例、常勤換算方法で1名以上配置していることが確認できない事例が挙げられている | 足立区「令和7年度 集団指導(小規模多機能型居宅介護)」 | 点検日: /点検者: |
| 重要事項説明書に、算定していない加算が記載されている | 重要事項説明書の記載内容が運営規程と異なっている、算定していない加算や徴収していない料金が記載されている例が見受けられた旨が示されている | 津山市環境福祉部高齢介護課「令和5年度 津山市 地域密着型サービス事業者 集団指導資料」 | 点検日: /点検者: |
| 運営規程と重要事項説明書の内容が一致していない/算定している加算の記載がない | 「算定している加算に関する記載(算定要件、料金等)がない」などが指導事例として公表され、内容を変更する場合は改めて説明し同意を得ることが適切とされている | 和歌山市 令和3年度 介護保険サービス事業者集団指導資料【Ⅰ共通資料(その1)】(令和4年3月・和歌山市指導監査課) | 点検日: /点検者: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
この12件を通して読むと、割合で定めが置かれている加算に共通しているのは、「満たしているつもり」ではなく「数えた記録」が求められているという点です。松山市の資料が「所定の割合を満たしていることが明らかな場合も計算し、その記録を残すこと」としているのは、その典型です。看護体制強化加算についても、月次の集計シートを1枚残しておくことが、そのまま裏づけになります。
記録の書き方|「体制を満たしている」で終わっている記載を、期間と数と根拠で残す(12組)
割合の確認記録は、書こうと思えば一行で終わってしまいます。ただ、一行で終わった記録からは、いつの何を数えたのかが読み取れません。左が書き足りない記載、右がそのまま貼って使える完成文です。数値は貴事業所の実数に置き換えてお使いください(◯の部分)。
| 場面 | 書き足りない記載 | そのまま貼って直せる完成文(◯を実数に置き換える) |
|---|---|---|
| 緊急時訪問看護加算の割合を確認したとき | 「要件を満たしていることを確認した。」 | 令和◯年◯月分の請求にあたり、前6月間(令和◯年◯月〜令和◯年◯月)の利用者の総数を月別に集計し延べ◯名、うち緊急時訪問看護加算を算定した利用者◯名、割合◯.◯%。集計元は各月の給付費請求明細書の控えの加算欄。管理者◯◯が令和◯年◯月◯日に確認し、集計表を加算関係ファイル(棚番◯)に綴じた。 |
| 特別管理加算の割合を確認したとき | 「特管も基準内。」 | 同じ前6月間について、特別管理加算を算定した利用者を抽出し◯名、分母は上記と同一の◯名、割合◯.◯%。抽出条件は請求明細書の加算欄で特別管理加算の記載がある利用者とし、区分(Ⅰ)(Ⅱ)の別は分けずに集計した。集計者◯◯、確認者◯◯、令和◯年◯月◯日。 |
| ターミナルケア加算の実績を数えたとき | 「ターミナルは足りている。」 | 前12月間(令和◯年◯月〜令和◯年◯月)にターミナルケア加算を算定した利用者を月別に書き出し、重複を除いた実人数◯名。内訳は令和◯年◯月◯名、同◯月◯名(以下同様)。元資料は各月の給付費請求明細書の控えおよび訪問看護記録書Ⅱ。数えた者◯◯、令和◯年◯月◯日。 |
| 看護職員の割合を数えたとき | 「看護職員の比率は問題なし。」 | 令和◯年◯月◯日時点の従業者名簿により、分母に算入した従業者◯名(内訳:看護師◯名、准看護師◯名、保健師◯名、理学療法士◯名、作業療法士◯名、言語聴覚士◯名、事務職員◯名)、うち看護職員◯名、割合◯.◯%。分母に算入する職種の範囲は告示の定めを確認したうえで整理し、判断の根拠として◯◯(資料名)を同ファイルに添付した。 |
| 数え方に迷い、保険者に照会したとき | 「県に確認済み。」 | 令和◯年◯月◯日、◯◯(指定権者名)◯◯課◯◯氏に電話で照会。照会内容は「前6月間の分母に、月の途中で契約が終了した利用者を含めるか」。回答内容は◯◯。回答をもとに当事業所の集計方法を◯◯と定め、集計表の欄外に記載した。記録者◯◯。 |
| 職員が退職し、割合が変動したとき | 「退職者が出たが継続。」 | 令和◯年◯月◯日付で看護師◯名が退職。同日時点で分母◯名・分子◯名・割合◯.◯%となったため、告示の定め(100分の60以上)と並べた比較表を作成。あわせて採用計画に関する取扱いについて、令和◯年◯月◯日に◯◯(指定権者名)へ照会し、回答内容◯◯を記録した。 |
| 体制届を出したとき | 「体制届提出。」 | 令和◯年◯月◯日、◯◯(提出先)へ看護体制強化加算に係る体制届を持参提出(受付印あり)。届け出た区分は( )、算定開始月は令和◯年◯月。控えは加算関係ファイル(棚番◯)に保管。提出者◯◯、確認者◯◯。 |
| 区分を(Ⅰ)から(Ⅱ)へ、または(Ⅱ)から(Ⅰ)へ見直したとき | 「区分変更した。」 | 前12月間のターミナルケア加算の算定利用者数が◯名となったため、令和◯年◯月◯日に管理者・事務担当で集計表を突き合わせ、届出区分の見直しについて◯◯(指定権者名)へ令和◯年◯月◯日に照会。回答内容◯◯を受け、令和◯年◯月◯日に体制届を提出した。 |
| 集計の元データを変えたとき | 「集計方法を変更。」 | 令和◯年◯月分から、分子の抽出元を介護記録システムの加算チェック欄から給付費請求明細書の控えへ変更。理由は、返戻・過誤の反映が請求明細書側にのみ残るため。変更前後の◯月分について両方の方法で集計し、差異◯名の内訳を欄外に記載した。変更決定者◯◯、令和◯年◯月◯日。 |
| 返戻・過誤が発生したとき | 「過誤処理済み。」 | 令和◯年◯月分について◯名の過誤申立を行い、令和◯年◯月に再請求。これに伴い、前6月間の分母・分子を再集計し、割合を◯.◯%から◯.◯%に修正。修正前の集計表は取り消し線を引いて残し、修正日と修正者◯◯を記載した。 |
| 重要事項説明書・運営規程との突き合わせをしたとき | 「書類は整合済み。」 | 令和◯年◯月◯日、体制届の届出内容と、運営規程および重要事項説明書の加算に関する記載を突き合わせた。相違点は◯件(内容:◯◯)。令和◯年◯月◯日に重要事項説明書を改訂し、利用者◯名に説明のうえ同意を得た(同意書は個別ファイルに綴じ込み)。突き合わせ実施者◯◯。 |
| 毎月の確認を習慣にするとき | 「毎月確認している。」 | 当事業所では、毎月◯日を割合の確認日と定め、前月分の請求確定後に集計表へ1行追記する運用としている。追記後は管理者が確認欄に押印し、確認日を記載する。令和◯年◯月分は令和◯年◯月◯日に◯◯が追記、同日◯◯が確認した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
よくある質問
看護体制強化加算の(Ⅰ)と(Ⅱ)は、何が違うのですか。
当社データベースに登録している範囲では、差は2点です。単位数が(Ⅰ)は1月につき550単位、(Ⅱ)は1月につき200単位。もう1点が、前12月間のターミナルケア加算の算定利用者数で、(Ⅰ)は5名以上、(Ⅱ)は1名以上と定められています。緊急時訪問看護加算の割合(100分の50以上)、特別管理加算の割合(100分の20以上)、訪問看護ステーションの場合の看護職員の割合(100分の60以上)は、(Ⅱ)が(Ⅰ)の条項を引用する形で共通しています。
割合は、いつの時点の何を数えるのですか。
告示の語では「算定日が属する月の前六月間」の「指定訪問看護事業所における利用者の総数」が分母、「緊急時訪問看護加算…を算定した利用者」が分子です。ターミナルケア加算だけは割合ではなく「算定日が属する月の前十二月間」の実数で定めが置かれています。分母・分子の細部(月途中の開始・終了の扱いなど)は本記事では逐条まで示していませんので、上記の照会欄をお使いのうえ、保険者(指定権者)にご確認ください。
単位数は、告示ではいくらと定められていますか。
当社データベースには、(Ⅰ)が1月につき550単位、(Ⅱ)が1月につき200単位と登録されています(平成12年厚生省告示第19号 別表 3 訪問看護費 ト・注)。令和6年度改定後の内容で、令和8年厚生労働省告示第87号でも据置きと登録しています。実際の請求額は地域区分による単価の違いを反映しますので、貴事業所の地域区分と併せてご確認ください。
訪問看護ステーション以外でも、看護職員の割合の定めは同じですか。
当社データベースには、従業者の総数に占める看護職員の割合(100分の60以上)について「病院・診療所にはこの要件は課されていません」と登録しています。一方で、緊急時訪問看護加算・特別管理加算の割合とターミナルケア加算の実績数は、対象区分がイ(訪問看護ステーション)・ロ(病院又は診療所)とされています。自事業所がどの区分に当たるかを、体制届の記載と合わせてご確認ください。
割合の確認は、どのくらいの頻度で記録すればよいのですか。
看護体制強化加算について頻度を定めた条文は、本記事では示していません。ただし複数の自治体が、割合で定めが置かれている加算について、計算と記録を残すよう公表資料で示しています。松山市の資料には「所定の割合を満たしていることが明らかな場合も計算し、その記録を残すこと」と記載され、長野県の運営指導結果では毎月・歴月ごとの確認をしていない事例が公表されています。頻度と様式の運用は保険者(指定権者)により異なりますので、指定権者の資料をご確認ください。
看護職員が退職して割合が変わったときは、どう扱われるのですか。
当社データベースの留意点には、看護職員の離職等により割合要件を満たさなくなった場合の経過的な取扱い(採用計画の届出)が改正告示の附則に置かれている旨を登録しています。ただしこの附則の条文は当社の調査で逐語確認できていないため、参考情報として扱う必要があります。実際の取扱いは、附則の原文と、保険者(指定権者)の指示をご確認ください。
(Ⅰ)と(Ⅱ)を同じ月に両方請求することはできますか。
平成12年厚生省告示第19号 別表 3 訪問看護費 トの注ただし書に、いずれか一方のみとする旨が明記されている、と当社データベースに登録しています。同じ月の請求データに両方が並んでいないかを点検する欄を、本記事の枠組みの対照表に置いています。
この加算について、自治体の公表事例はありますか。
当社が保有する自治体公表の指摘353件(すべて出典つき)を検索した範囲では、看護体制強化加算を名指しした指摘は確認できませんでした。そのため本記事では、割合や人数で定めが置かれている他の加算について公表されている指摘12件を、割合の計算・記録・届出という観点から引いています。出典は長野県、松山市、広島市、大阪市、千葉市、宇都宮市、神戸市、足立区、津山市、和歌山市の公表資料です。
届出書類の作成を代わりにお願いすることはできますか。
介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。当社は告示の定めと、貴事業所が記入する欄を並べた対照表をご提供する立場であり、算定の可否の判断や届出の代行は行いません。書類の作成・提出をご依頼になる場合は、社会保険労務士にご相談ください。
出典
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
