公開:2026年11月7日/出典:社会保障審議会 医療部会(第125回)資料1・健康保険法等の一部を改正する法律の概要
要点(3行)
- 健康保険法等の改正で、業務効率化・勤務環境改善に積極的・計画的に取り組む病院を厚生労働大臣が認定できる仕組みが設けられ、認定を受けた病院は「特定の表示」を行えることになりました。
- 地域医療介護総合確保基金には「業務効率化・勤務環境改善に関する事業」という新しい区分が置かれます。取組の例として、スマートフォンでの情報共有、見守りカメラ・スマートグラス、音声入力・バイタルの自動入力・生成AIによる文書の自動作成支援が挙げられています。
- 都道府県の医療勤務環境改善支援センターは、労務管理等の支援に加えて業務効率化の助言・指導等も行うよう努めることが明確になります。
この記事は、施行日を整理した「健康保険法等の改正法の施行日(項目ごとの一覧)」で一行だけ扱った「医療機関の業務効率化・勤務環境改善への支援」の中身を、医療部会の資料から詳しく見るものです。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 会議・資料 | 社会保障審議会 医療部会 第125回(令和8年3月9日)資料1「医療機関の業務効率化・勤務環境改善に関する法改正について(検討中の内容)(報告)」(厚生労働省 医政局) |
| 法律 | 健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号、令和8年6月5日公布)。概要では「業務効率化・勤務環境改善に取り組む医療機関を支援する新たな事業を地域医療介護総合確保基金に設けるほか、計画を作成し業務効率化・勤務環境改善を推進する病院を厚生労働大臣が認定する仕組みを設ける」 |
| ねらい | 2040年に向けて、医療従事者を安定して確保し、質が高く効率的な医療提供体制をつくるため |
4つの制度的対応
| 対応 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| ① 基金の新しい事業 | 今後も継続して支援できるよう、地域医療介護総合確保基金に、業務効率化・勤務環境改善の取組を支援する新たな事業を設ける。(参考)業務のDX化に取り組む医療機関を支援するため、令和7年度補正予算で200億円を計上 |
| ② 大臣の認定 | 業務効率化・勤務環境改善に積極的・計画的に取り組む病院を厚生労働大臣が認定できる仕組み。認定を受けた病院は特定の表示を行うことができる |
| ③ 支援センター | 都道府県の医療勤務環境改善支援センターの体制拡充・機能強化。労務管理等の支援に加え、業務効率化の助言・指導等も行うよう努める |
| ④ 管理者・保険医療機関の努力 | 医療法上、病院・診療所の管理者は、勤務環境の改善に加え、業務効率化にも取り組むよう努める。健保法上の保険医療機関の責務として、業務効率化・勤務環境改善に取り組むよう努める |
地域医療介護総合確保基金の区分と取組の例
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 基金の規模 | R8年度当初予算案 647億円(国負担:医療分 647億円、公費:医療分 960億円) |
| 今の対象事業 | Ⅰ-1 施設・設備の整備、Ⅰ-2 病床の機能・病床数の変更、Ⅱ 居宅等における医療の提供、Ⅲ 介護施設等の設備、Ⅳ 医療従事者の確保、Ⅴ 介護従事者の確保、Ⅵ 勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備(見直しを予定) |
| 新区分 | 業務効率化・勤務環境改善に関する事業 |
| 取組の例(1) | スマートフォンによる情報共有の効率化:チャット機能、ビデオ通話、ファイルの共有などで、1対1だけでなくグループで一斉に共有 |
| 取組の例(2) | 見守りカメラ・スマートグラスによる見守り業務の効率化:患者の同意のもと病室にカメラを置き、看護師が着けたスマートグラスから病室の状況を確認 |
| 取組の例(3) | 音声入力・バイタルの自動入力・生成AIによる文書自動作成支援 |
一次資料:第125回 医療部会 資料1(PDF)/第125回 医療部会 資料のページ/健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の概要(PDF)
病院・クリニックで確かめること
- 大臣の認定の要件・計画の書き方・「特定の表示」の中身は、資料にはまだ書かれていません。厚生労働省の今後の公表をご確認ください。
- 基金の新しい区分の募集・申請の方法は、所在地の都道府県の案内をご確認ください。院内で、スマートフォンでの情報共有・見守り・音声入力や文書作成の支援など、資料の例に近い取組の計画があるかを整理しておくと、案内が出たときに動きやすくなります。
- 勤務環境や業務効率化の相談先として、所在地の都道府県の医療勤務環境改善支援センターの窓口を確かめておきます。
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更新履歴:初版。認定の要件や基金の募集が示されたときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






