公開:2026年11月7日/出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 11. 重点的な対応が求められる分野(精神医療)」、中医協 総-6・検-2「令和8年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の実施について」、中医協 総-1「個別改定項目について」
要点(3行)
- 令和8年度診療報酬改定で、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に貢献する医療機関を将来にわたって確保するため、「精神科地域密着多機能体制加算」(1日につき 加算1 800点・加算2 250点・加算3 50点)が新設されました。
- あわせて、精神病棟での多職種協働を評価する「精神病棟看護・多職種協働加算」、精神科救急急性期医療入院料等の新規入院患者割合の要件の見直し(「精神科救急等病棟必要性チェックリスト」)などが示されています。
- 中医協の資料では、改定の結果を検証する特別調査として「精神医療等の実施状況調査」を令和8年度に行うとされています。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 資料 | 厚生労働省の改定説明資料「11. 重点的な対応が求められる分野(精神医療)」のⅢ-5-4「質の高い精神医療の評価」 |
| 新設の理由 | 精神病床に入院する患者数が減少する中で、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に貢献する医療機関を将来にわたって確保する必要があること等を踏まえ、小規模医療機関又は病床数を削減する取組を行っている医療機関が、多職種の配置等による質の高い入院医療、地域定着に係る外来医療や障害福祉サービス等の提供等を一体的に行うことを評価する |
| 対象患者 | 精神病棟入院料(10対1・13対1・15対1入院基本料を算定するものに限る)、精神科急性期治療病棟入院料を算定している患者 |
| 通則(抜粋) | 許可病床数が350床以下で、精神病床の割合が65%以上/常勤の精神保健指定医が2名以上/地域の精神科救急医療体制の確保に協力する体制と実績/退院に係る支援の部門の設置 |
| 検証 | 中医協 総-6・検-2(資料の日付の表記は8.6.24)で、令和8年度の特別調査の一つに「精神医療等の実施状況調査」(附帯意見16)が挙げられている |
精神科地域密着多機能体制加算:加算1〜3の違い
| 項目 | 加算1 | 加算2 | 加算3 |
|---|---|---|---|
| 点数(1日につき) | 800点 | 250点 | 50点 |
| 病床数の要件(概要) | 精神病床100床以下 | 101床以上150床以下、又は151床以上250床以下で病床を削減する数値の要件を満たす | 精神病床250床以下で、3年前の入院料算定患者数と比べた数値などの要件 |
| 精神病床の平均在院日数 | 150日以下 | 150日以下 | 250日以下 |
| 新しく入院した患者のうち6割以上が、入院から6月以内に退院し自宅等へ移行 | ○ | ○ | - |
| 在宅の実績(直近3か月の算定回数のいずれか) | ○ | ○ | - |
| 障害福祉サービス事業所等の開設(市区町村内又は半径10km以内) | ○ | ○ | - |
| 常勤の精神保健福祉士・作業療法士・公認心理師 | 精神保健福祉士2名以上、作業療法士・公認心理師 各1名以上 | 加算1と同じ | 計2名以上 |
在宅の実績は、精神科訪問看護・指導料(Ⅰ)及び(Ⅲ)60回以上、又は訪問看護ステーションの精神科訪問看護基本療養費300回以上のどちらかと、精神科退院時共同指導料3回以上・在宅精神療法20回以上・精神科在宅患者支援管理料10回以上・在宅時医学総合管理料等10回以上のいずれか、と書かれています。
あわせて見直された主な項目
| 項目 | 資料に書かれていること(短く) |
|---|---|
| 精神病棟看護・多職種協働加算(新設) | 13対1入院基本料の場合357点、15対1入院基本料の場合196点。看護職員・作業療法士・精神保健福祉士・公認心理師の数、平均在院日数(13対1は60日以内、15対1は100日以内)などの施設基準 |
| 精神科慢性身体合併症管理加算(新設) | 700点。糖尿病や特定疾患療養管理料の対象疾患の患者に、精神科以外の医師による継続的な管理を行った場合、1月に1回に限り |
| 精神科救急急性期医療入院料等 | 新規患者のうち6割以上が措置入院等であることの要件を、「精神科救急等病棟必要性チェックリスト」で3点以上の患者が6割以上に見直す。令和8年5月31日までに新規に入院した措置入院等の患者は、3点以上とする経過措置 |
| 精神科救急医療体制加算 | 救急受入実績に基づく評価に見直し、加算2は590点から500点、加算3は削除 |
| 精神科リエゾンチーム加算 | 認知症又はせん妄の場合300点、それ以外の場合700点に分ける |
精神医療等の実施状況調査(令和8年度)
| 項目 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 調査客体 | 保険医療機関、患者 |
| 主な調査事項(抜粋) | 精神病棟の多職種配置と協働の状況/精神科地域密着多機能体制加算を算定する医療機関の外来・在宅医療の実績を含む診療状況/救急医療体制と急性期の病棟の退院支援/通院・在宅精神療法の実施状況/情報通信機器を用いた精神療法の実態 など |
| 令和8年度調査の予定 | 9〜11月に調査設計・調査票の検討、12月〜令和9年1月に調査実施(調査票の配付・回収・集計・分析)、2〜3月に調査結果の検討 |
一次資料:令和8年度診療報酬改定 11. 精神医療(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の実施について(中医協 総-6・PDF)/個別改定項目について(中医協 総-1・PDF)
病院・クリニックで確かめること
- 精神科地域密着多機能体制加算のどの区分を届け出るかは、告示・施設基準の通知の定めと、貴院の許可病床数・精神病床の割合・人員配置・在宅の実績によります。届出の様式と時期は、地方厚生(支)局の案内をご確認ください。
- 在宅の実績は「直近3か月の算定回数」で書かれています。精神科訪問看護・指導料や在宅精神療法などの算定回数を、医事課で月ごとに拾える形にしておくと、確かめるときに迷いません。連携する訪問看護ステーションの精神科訪問看護基本療養費の回数をどう確かめるかも、あわせて整理しておくと安心です。
- 精神科救急急性期医療入院料等の新規入院患者の割合は、チェックリストの点数で数える形に変わりました。入院時のチェックリストを誰がどこに記録するかを、病棟と医事課で決めておくと、届出の確認がしやすくなります。
- 特別調査の調査票が届いたときは、案内の期限と回答方法をご確認ください。
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更新履歴:初版。疑義解釈や特別調査の結果が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






