公開:2026年11月6日/出典:中医協 総-1「個別改定項目について」・令和8年度診療報酬改定説明資料(外来医療の機能分化・強化等/経過措置)・疑義解釈資料(その12)
要点(3行)
- 令和8年度診療報酬改定で、医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算が廃止され、初診料・再診料・外来診療料と入院料の加算として「電子的診療情報連携体制整備加算」が新しくできました(初診時 加算1 15点・2 9点・3 4点、再診時 2点、入院初日 加算1 160点・2 80点)。
- 外来の加算は、オンライン請求・オンライン資格確認・マイナ保険証利用率30%以上などが共通の要件で、加算1・2では電子処方箋や電子カルテ、地域の医療情報ネットワークの活用が加わります。
- 情報通信機器を用いた診療で向精神薬を処方するときの重複投薬等チェックは、電子処方箋システムを持たない場合、令和10年5月31日までオンライン資格確認等で薬剤情報を確認してもよいとされています。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| どこで決まったか | 令和8年2月13日、中央社会保険医療協議会が厚生労働大臣に答申。個別改定項目「Ⅲ-3 医療 DX や ICT 連携を活用する医療機関・薬局の体制の評価-①」 |
| 考え方 | 医療 DX 関連施策の進捗状況を踏まえ、普及した関連サービスの活用を基本としつつ、更なる関連サービスの活用による質の高い医療の提供を評価する |
| 中身 | 医療情報取得加算及び医療 DX 推進体制整備加算を廃止し、診療録管理体制加算におけるサイバーセキュリティ対策に係る要件を見直した上で、初診料、再診料、外来診療料及び入院料加算として、電子的診療情報連携体制整備加算を新設する |
| 実施日 | 改定は令和8年6月1日より実施(疑義解釈資料その12の前文) |
今まで/これから(医科の点数)
| 場面 | 今まで | これから |
|---|---|---|
| 初診時(月に1回) | 医療DX推進体制整備加算1~6(12点~8点)、医療情報取得加算 1点 | 電子的診療情報連携体制整備加算1 15点/2 9点/3 4点 |
| 再診時 | 医療情報取得加算 1点(3月に1回に限る) | 電子的診療情報連携体制整備加算 2点(月に1回) |
| 入院 | 診療録管理体制加算1 140点・2 100点・3 30点 | 診療録管理体制加算は1 100点・2 30点に整理。入院基本料等加算として電子的診療情報連携体制整備加算1 160点/2 80点(入院初日)を新設 |
歯科は電子的歯科診療情報連携体制整備加算(初診時 9点/4点)、調剤は電子的調剤情報連携体制整備加算(8点)が新しくできています。
外来の加算の施設基準(説明資料から)
| 区分 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| (1)~(7)(加算1・2・3に共通) | オンライン請求/明細書の無償交付/オンライン資格確認の体制/取得した診療情報を診察室等で閲覧・活用できる体制/マイナ保険証利用率30%以上/マイナポータルの医療情報等に基づく健康管理の相談に応じる体制/明細書発行や医療DX推進の体制に関する事項の院内掲示とウェブサイト掲載 |
| (8) | 電子処方箋を発行する体制、又は調剤した薬剤の情報を電子処方箋システムに登録する体制 |
| (9) | 安全管理ガイドライン準拠・電子処方箋管理サービスと電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェースを持つ電子カルテ、又は厚生労働省が認証する電子カルテ製品 |
| (10) | 電子カルテ情報共有サービスで取得される診療情報等を活用する体制、又は地域の医療情報ネットワーク(参加する保険医療機関10以上・登録患者数1,000人以上又は新規登録が年間100人以上 など)を活用する体制 など |
| 区分の分け方 | 加算1は(1)~(10)の全て、加算2は(1)~(7)の全てかつ(8)~(10)のいずれか、加算3は(1)~(7)の全て |
入院の加算1には、専任の医療情報システム安全管理責任者の配置と年1回程度の研修、バックアップの複数方式での確保(一部はオフライン保管)、医療情報システムに関する業務継続計画の策定と年1回程度の訓練などが並んでいます。
疑義解釈と経過措置
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 疑義解釈(その12・問2) | 加算2又は3を届け出ている保険医療機関が加算1又は2を新たに算定したい場合、辞退の届出は不要だが、改めて届出を行う必要がある |
| 疑義解釈(その12・問3) | マイナ保険証利用率の要件を満たさなくなった場合、施設基準の辞退の届出は不要。ただし、この場合は当該加算を算定することはできない |
| 経過措置(初診料の注1) | 情報通信機器を用いた診療で向精神薬を処方するにあたり、電子処方箋管理サービスによる重複投薬等チェックを行うこと。電子処方箋システムを有していない場合は、令和10年5月31日までの間に限り、オンライン資格確認等システム又は医療機関間で電子的に医療情報を共有するネットワークのいずれかで薬剤情報を確認することとしても差し支えない |
一次資料:中医協 総-1 個別改定項目について(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定 説明資料 外来医療の機能分化・強化等(PDF)/令和8年度診療報酬改定 説明資料 経過措置(PDF)/疑義解釈資料の送付について(その12)(PDF)/令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省)
病院・クリニックで確かめること
- 加算1・2・3のどれに当たるかは、電子処方箋・電子カルテ・地域の医療情報ネットワークの導入状況で変わります。貴院の体制を、告示・通知の定めと見比べてご確認ください。
- マイナ保険証利用率は、要件を満たさなくなると辞退の届出なしで算定ができなくなる扱いです。利用率の確かめ方と、どの時点の数字を使うかは、通知と地方厚生局の案内をご確認ください。
- 上の区分へ移るときは改めて届出が要ります。区分を変える時期を決めたら、届出の締め切りを地方厚生局の案内でご確認ください。
- 入院の加算1を考える病院は、安全管理責任者の配置、オフラインのバックアップ、システム障害時の業務継続計画と訓練の記録を、通知の定めと照らしてご確認ください。
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更新履歴:初版。疑義解釈や届出の扱いが新しく出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






