【令和8年度】介護テクノロジー補助金の申請を無償サポート|絶賛受付中です!

高齢者虐待の防止のための指針・委員会記録・研修記録の書き方|サービス種別38の比較表と記入例136例

高齢者虐待の防止について、事業所に求められているのは「気をつけること」ではなく4つの措置と、その4つが実施されたことが分かる記録です。運営指導で確認されるのは、職員の姿勢でも研修の熱量でもなく、指針という文書があるか/委員会の議事録があるか/研修の実施記録があるか/担当者を置いたことが分かる文書があるかという、きわめて即物的な4点です。

ところが、この4点は作ったつもりで中身が足りていないことが多い書類でもあります。堺市の集団指導資料は、虐待の防止のための指針で抜けていることが多い項目として「成年後見制度の利用支援に関する事項」「利用者等に対する当該指針の閲覧に関する事項」を名指しで挙げています。宇都宮市の資料は、委員会は開催されていたが結果が従業者へ周知されていないため指導を受けた事業所があったと記載しています。つまり、指針も委員会も「ある」のに指導の対象になっています。

本ページは、厚生労働省が公表している運営指導の確認項目・確認文書の一覧(別添1)から全38サービスの「虐待の防止」の節を横断して抜き出し、サービス種別によって条項・周知の対象者の呼称・確認項目の文言・運営規程の号番号がどう変わるかを1枚の比較表にしました。そのうえで、指針の9項目それぞれの完成文委員会記録の完成文研修記録の完成文虐待が疑われる情報を得たときの記録の完成文を、そのまま貼って使える形で掲載しています。

ひとつだけ、最初に置いておきたい前提があります。虐待に当たるかどうかを判断するのは市町村です。事業所が記録に書くのは判断ではありません。見た事実と、それを見た時刻と、市町村へ通報した事実と、通報した時刻です。本ページの通報の記録の完成文は、すべてこの形で書いてあります。

なお、委員会の開催頻度、研修の年間実施回数、記録の保存年数、体制に関する届出の取扱いは、保険者(指定権者)の条例・要綱により運用が異なります。本ページでは可否の判定を示さず、「公表資料に示されている定め/貴事業所の状況(記入欄)/保険者にご確認ください」という対照表の形にしています。

1. 虐待防止の記録が求められる根拠と、残す記録の全体像

運営指導の場で使われる確認項目・確認文書の一覧(別添1)は、サービス種別ごとに節が分かれています。その各節に「虐待の防止」という項目があり、確認項目が4つ、確認文書が4種類という構成は38サービスすべてで共通です。変わるのは条項の番号と、周知・研修の対象者をどう呼ぶかと、確認項目の文言が「研修」か「研修及び訓練」かです。

1-1. 別添1が「虐待の防止」で確認している4つのこと

別添1の確認項目は、どのサービス種別でも次の4行です。文言は種別により対象者の呼称だけが入れ替わります。

# 確認項目(別添1の文言) この項目が要求している成果物 成果物が無いときに起きること 貴事業所の記入欄
1 虐待の発生・再発防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催し、従業者に周知しているか 委員会の開催記録(議事録)と、周知したことが分かる記録 開催していても周知の記録が無いと、公表資料では指導の対象として挙げられている  
2 虐待の発生・再発防止の指針を整備しているか 虐待の発生・再発防止の指針(文書) 指針そのものが無い例、項目が不足している例の双方が公表されている  
3 従業者に対して虐待の発生・再発防止の研修を実施しているか 研修計画と実施記録(種別により「研修及び訓練」) 新規採用時の研修が抜けている例が公表されている  
4 上記の措置を適切に実施するための担当者を設置しているか 担当者を設置したことが分かる文書 担当者の指名を書面に残していない例が公表されている  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

別添1には、「運営規程」のうち虐待の防止のための措置に関する事項と「虐待の防止」について、令和6年4月1日より適用(令和6年3月31日までは努力義務)という注記が付されています。この注記は38サービスすべての節に付いており、種別による違いはありません。

1-2. 4つの措置と、それぞれが残す記録

4つの措置は、それぞれ別の書類を残します。ここを1つのファイルにまとめてしまうと、運営指導のときに「どれが委員会の記録で、どれが研修の記録か」が読み取れなくなります。松山市の資料は、各種研修を同日に実施する場合はそれぞれの内容について行ったことが分かるよう区別して記録すること(例として身体的拘束等の適正化と虐待の防止)を示しています。

措置 残す文書 その文書に必ず入る欄 ファイルの分け方 最終更新日(記入欄)
委員会の定期開催と周知 虐待防止委員会 議事録 開催日時・場所・出席者と職種・議題・報告事項・検討内容・決定事項・次回予定・周知の方法と時期 年度ごとに1冊。回ごとに通し番号  
指針の整備 虐待の防止のための指針 9項目(次章の一覧)・制定日・改定日・決裁者 1事業所1本。改定履歴を末尾に付す  
研修の実施 年間研修計画/研修実施記録 実施日時・対象者・講師・内容・使用資料・理解度の確認方法・参加者名簿・欠席者への対応 計画と実施記録を対で綴る  
担当者の設置 担当者の指名が分かる文書 氏名・職名・任期・職務内容・指名年月日・指名者 指針の別紙、または辞令の写し  
(関連)運営規程への記載 運営規程 虐待の防止のための措置に関する事項の条 規程本体。変更時は変更届の要否を確認  
(関連)事案発生時 通報・報告の記録 覚知の時刻・見た事実・報告先・通報の時刻・通報先・受理者 個別ファイル。委員会記録とは分ける  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

1-3. 指針が親、委員会記録と研修記録が子

3つの帳票は並列ではありません。指針に書いたことが、委員会記録と研修記録で実行されているという関係になっていて初めて、書類の束が一つの体制として読めます。逆に言うと、指針に「年○回開催する」と書いてあるのに議事録がその回数ぶん無い、という不整合がいちばん見つかりやすい状態です。

帳票 何を宣言/記録するか 親子関係 整合が崩れやすい箇所 点検の合図
虐待の防止のための指針 体制と方針の宣言 親。委員会・研修・相談体制の根拠を定める 指針に書いた開催回数・研修回数と、実際の記録の数が合わない 指針の条文と議事録の枚数を並べて数える
虐待防止委員会 議事録 指針で定めた委員会を開いた事実と中身 子。指針の第2条を実行した記録 周知の記録が無い/構成員が指針の記載と違う 議事録の末尾に周知欄があるか
研修記録 指針で定めた研修を実施した事実と中身 子。指針の第3条を実行した記録 新規採用時の実施が抜ける/欠席者の扱いが空欄 採用者名簿と研修受講記録を突き合わせる
運営規程 虐待の防止のための措置に関する事項 指針と同じ内容を規程の言葉で置く 指針は改定したが規程が古いまま 指針の改定日と規程の改定日を並べる
通報・報告の記録 事案を覚知したときの事実と時刻 指針の第4条・第5条を実行した記録 判断を書いてしまう/時刻が入っていない 記録に「〜と思われる」等の評価語が無いか

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

1-4. 「虐待の防止」と「身体的拘束等の適正化」を1つの記録にまとめない

この2つは別の確認項目です。別添1でも「身体的拘束等の禁止」と「虐待の防止」は別の行に分かれています。松山市の資料が同日実施の例として挙げているのが、まさにこの2つの組み合わせです。合同で開催すること自体を否定する記載ではありませんが、それぞれの内容について行ったことが分かるよう区別して記録することが求められています。

観点 虐待の防止 身体的拘束等の適正化 記録を分けるときの書き分け
別添1の項目名 虐待の防止 身体的拘束等の禁止 議題の見出しに項目名をそのまま使う
残す指針 虐待の発生・再発防止の指針 身体的拘束等の適正化のための指針 指針は2本。ファイル名を分ける
委員会 虐待の発生・再発防止のための対策を検討する委員会 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会 合同開催時は議事録に両方の議題番号を立てる
研修 虐待の発生・再発防止の研修 身体的拘束等の適正化のための研修 同日実施でも、内容・使用資料・時間帯を別に記す
公表資料の指摘 指針の項目不足・委員会の周知漏れが挙げられている 研修回数の誤認が挙げられている 点検表を2列に分けて持つ

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

2. サービス種別×記載項目の比較表

ここがこのページの中心です。同じ「虐待の防止」でも、根拠となる条項の番号周知と研修の対象者をどう呼ぶか確認項目の文言が「研修」か「研修及び訓練」か運営規程の何号に置くかが種別で変わります。指針や規程の文面をよそから借りてくると、ここが自事業所の種別と合っていないという形でずれます。

2-1. 全38サービスの条項・対象者・文言・運営規程の号

「条項」は別添1が各節の見出しに括弧書きしている条番号です。基準省令そのものが種別ごとに別の省令であるため、番号は省令が違えば当然変わります。「対象者の呼称」は確認項目の文中で周知・研修の相手として書かれている語で、これをそのまま指針・規程の文面に使うと種別に合った文になります。

サービス種別 別添1の条項(虐待の防止) 周知・研修の対象者の呼称 確認項目の文言 運営規程の該当号 貴事業所の記入欄
訪問介護 第37条の2 訪問介護員等 研修 第7号  
訪問入浴介護 第37条の2 従業者 研修 第8号  
訪問看護 第37条の2 従業者 研修 第7号  
訪問リハビリテーション 第37条の2 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 研修 第6号  
居宅療養管理指導 第37条の2 従業者 研修 第6号  
通所介護 第37条の2 従業者 研修及び訓練 第10号  
通所リハビリテーション 第37条の2 従業者 研修 第9号  
短期入所生活介護 第37条の2 従業者 研修 第9号  
短期入所療養介護 第37条の2 従業者 研修 第7号  
特定施設入居者生活介護 第37条の2 従業者 研修及び訓練 第9号  
福祉用具貸与 第37条の2 福祉用具専門相談員 研修 第6号  
居宅介護支援 第27条の2 介護支援専門員 研修 第6号  
介護老人福祉施設 第35条の2 従業者 研修及び訓練 第8号  
介護老人保健施設 第36条の2 従業者 研修及び訓練 第7号  
介護療養型医療施設 第34条の2 従業者 研修及び訓練 第7号  
介護医療院 第40条の2 従業者 研修及び訓練 第7号  
介護予防訪問入浴介護 第53条の10の2 従業者 研修 第8号  
介護予防訪問看護 第53条の10の2 従業者 研修 第7号  
介護予防訪問リハビリテーション 第53条の10の2 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 研修 第6号  
介護予防居宅療養管理指導 第53条の10の2 従業者 研修 第6号  
介護予防通所リハビリテーション 第53条の10の2 従業者 研修 第9号  
介護予防短期入所生活介護 第53条の10の2 従業者 研修 第9号  
介護予防短期入所療養介護 第53条の10の2 従業者 研修 第7号  
介護予防特定施設入居者生活介護 第53条の10の2 従業者 研修及び訓練 第9号  
介護予防福祉用具貸与 第53条の10の2 福祉用具専門相談員 研修 第6号  
介護予防支援 第26条の2 担当職員 研修 第6号  
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 第3条の38の2 従業者 研修 第8号  
夜間対応型訪問介護 第3条の38の2 従業者 研修 第8号  
認知症対応型通所介護 第3条の38の2 従業者 研修及び訓練 第10号  
小規模多機能型居宅介護 第3条の38の2 従業者 研修及び訓練 第10号  
認知症対応型共同生活介護 第3条の38の2 従業者 研修及び訓練 第7号  
地域密着型特定施設入居者生活介護 第3条の38の2 従業者 研修及び訓練 第9号  
地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護 第3条の38の2 従業者 研修及び訓練 第8号  
看護小規模多機能型居宅介護 第3条の38の2 従業者 研修及び訓練 第10号  
地域密着型通所介護 第3条の38の2 従業者 研修及び訓練 第10号  
介護予防認知症対応型通所介護 第37条の2 従業者 研修及び訓練 第10号  
介護予防小規模多機能型居宅介護 第37条の2 従業者 研修及び訓練 第10号  
介護予防認知症対応型共同生活介護 第37条の2 従業者 研修及び訓練 第7号  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

2-2. 条項は5つのグループにまとまる

38種別の条項は、根拠となる省令が5系統あるためにばらつきます。自事業所がどの系統かが分かれば、指針や規程の冒頭に書く根拠条項の書き方が決まります。

系統 条項 この系統に入るサービス種別 種別数 貴事業所(記入欄)
指定居宅サービス 第37条の2 訪問介護/訪問入浴介護/訪問看護/訪問リハビリテーション/居宅療養管理指導/通所介護/通所リハビリテーション/短期入所生活介護/短期入所療養介護/特定施設入居者生活介護/福祉用具貸与 11  
指定居宅介護支援 第27条の2 居宅介護支援 1  
介護保険施設(施設ごとに別省令) 第35条の2/第36条の2/第34条の2/第40条の2 介護老人福祉施設/介護老人保健施設/介護療養型医療施設/介護医療院 4  
指定介護予防サービス 第53条の10の2 介護予防訪問入浴介護/介護予防訪問看護/介護予防訪問リハビリテーション/介護予防居宅療養管理指導/介護予防通所リハビリテーション/介護予防短期入所生活介護/介護予防短期入所療養介護/介護予防特定施設入居者生活介護/介護予防福祉用具貸与 9  
指定介護予防支援 第26条の2 介護予防支援 1  
指定地域密着型サービス 第3条の38の2 定期巡回・随時対応型訪問介護看護/夜間対応型訪問介護/認知症対応型通所介護/小規模多機能型居宅介護/認知症対応型共同生活介護/地域密着型特定施設入居者生活介護/地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護/看護小規模多機能型居宅介護/地域密着型通所介護 9  
指定地域密着型介護予防サービス 第37条の2 介護予防認知症対応型通所介護/介護予防小規模多機能型居宅介護/介護予防認知症対応型共同生活介護 3  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

気をつけたいのは、「第37条の2」が2つの系統に登場することです。指定居宅サービスの11種別と、指定地域密着型介護予防サービスの3種別は、番号は同じでも根拠となる省令が違います。指針の冒頭に条番号だけを書いて省令名を書かないと、この2つが見分けられません。

2-3. 「従業者」と書けない6つの種別

指針や委員会記録の文面で最も借り物が露見しやすいのが、ここです。別添1の確認項目は、種別によって周知・研修の相手を具体的な職種名で書いています。文面を「従業者」で統一していると、下表の種別では確認項目の文言と一致しません。

サービス種別 別添1が使っている呼称 指針・規程で使う文(そのまま貼れる完成文) 貴事業所の記入欄
訪問介護 訪問介護員等 事業所は、虐待の発生又はその再発を防止するための対策を検討する委員会を定期的に開催し、その結果について訪問介護員等に周知徹底を図る。  
訪問リハビリテーション 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 事業所は、虐待の発生又はその再発を防止するための対策を検討する委員会を定期的に開催し、その結果について理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士に周知徹底を図る。  
介護予防訪問リハビリテーション 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 事業所は、虐待の発生又はその再発を防止するための研修を、理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士に対して定期的に実施する。  
福祉用具貸与 福祉用具専門相談員 事業所は、虐待の発生又はその再発を防止するための研修を、福祉用具専門相談員に対して定期的に実施する。  
介護予防福祉用具貸与 福祉用具専門相談員 事業所は、委員会の結果を福祉用具専門相談員に周知徹底するとともに、虐待の発生又はその再発を防止するための研修を定期的に実施する。  
居宅介護支援 介護支援専門員 事業所は、虐待の発生又はその再発を防止するための対策を検討する委員会を定期的に開催し、その結果について介護支援専門員に周知徹底を図る。  
介護予防支援 担当職員 事業所は、虐待の発生又はその再発を防止するための対策を検討する委員会を定期的に開催し、その結果について担当職員に周知徹底を図る。  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

2-4. 確認文書は4点セット。ただし研修欄の名前が2通りある

別添1の確認文書は、どの種別でも次の4つです。3つ目の名称が、確認項目の文言に合わせて「研修計画、実施記録」と「研修及び訓練計画、実施記録」の2通りに分かれます。

# 確認文書(別添1の記載) 種別による表記の違い 実物として用意するもの 保管場所(記入欄)
1 委員会の開催記録 全38種別で共通 虐待防止委員会 議事録(回ごと)  
2 虐待の発生・再発防止の指針 全38種別で共通 虐待の防止のための指針(本体+別紙)  
3 研修計画、実施記録 21種別。通所介護・特定施設・4施設・地域密着型の多くは「研修及び訓練計画、実施記録」 年間研修計画/研修実施記録/参加者名簿/使用資料  
4 担当者を設置したことが分かる文書 全38種別で共通 担当者指名書、または指針の別紙に氏名・職名を記載  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

2-5. 開催頻度・実施回数について、公表資料が示していること

別添1の確認項目は「定期的に開催」「定期的に実施」としか書いていません。回数は自治体の公表資料が示している範囲でしか分かりませんので、断定せずに資料の記載/自事業所の状況/確認先の対照表にしておくのが安全です。

論点 公表資料に示されている記載 出典(自治体) 貴事業所の状況(記入欄) 確認先
虐待防止の研修の年間回数 「虐待の防止=年1回以上(GHは年2回以上)」と整理されている 堺市   保険者(指定権者)
認知症対応型共同生活介護の扱い 「認知症対応型共同生活介護は全て年2回以上となる」旨が注記されている 堺市   保険者(指定権者)
施設の研修回数 「虐待の防止のための研修が年1回(施設は年2回)以上実施されていない」が指摘事項として挙げられている 千葉県   保険者(指定権者)
研修の下限 「感染症の予防及びまん延の防止、虐待の防止、身体的拘束等の適正化の研修は年1回以上」と示されている 松山市   保険者(指定権者)
委員会の開催間隔 「虐待防止委員会は定期的に開催し、その結果を介護支援専門員に周知徹底する」と示されている(感染症対策委員会はおおむね6月に1回以上) 姫路市   保険者(指定権者)
新規採用時の研修 「新規採用時には研修を実施すること」と示され、中途採用者に実施できていない例が挙げられている 名古屋市   保険者(指定権者)
研修プログラム 「虐待の防止のための指針に基づいた研修プログラムの作成及び年1回以上の研修の実施を指導」と記載されている 新潟市   保険者(指定権者)
記録の保存期間 「サービスの『完結』の日から『5年間』と記載すべきところ、『サービス提供の日』『2年間』となっている例」が挙げられている(保存期間は条例で定められる) 福井市   保険者(指定権者)の条例

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

回数と保存年数は、指針の本文に書き込むほど改定の手間が増えます。指針には「定期的に」と書き、回数は年間研修計画という別紙に置くと、保険者の運用が変わったときに指針を改定せずに済みます。

3. 虐待の防止のための指針——9項目の完成文

宇都宮市の資料は、指針の整備について記載項目を「基本的考え方、委員会に関する事項、職員研修の基本方針、発生時の対応方法、相談・報告体制、成年後見制度の利用支援、苦情解決方法、指針の閲覧、その他の項目」と列挙し、指針の記載項目の漏れについて指導を受けた事業所があったと記載しています。堺市は、そのうち特に抜けやすい項目として「成年後見制度の利用支援に関する事項」「利用者等に対する当該指針の閲覧に関する事項」を挙げています。

3-1. 指針に置く9項目と、抜けやすさ

項目 この条で書くこと 公表資料での扱い 貴事業所(有無を記入)
第1条 虐待の防止に関する基本的考え方 虐待を許さない姿勢と、この指針の目的・適用範囲  
第2条 虐待防止委員会その他事業所内の組織に関する事項 委員会の名称・構成員・所掌・開催・周知・担当者 委員会の定期開催と結果の周知の欠落が挙げられている(宇都宮市)  
第3条 虐待の防止のための職員研修に関する基本方針 新規採用時と定期の研修、記録の残し方 新規採用時の研修未実施が挙げられている(宇都宮市・名古屋市)  
第4条 虐待等が発生した場合の対応方法 覚知から通報、事実確認への協力、再発防止まで  
第5条 虐待等に係る相談・報告体制 職員が誰に、どの経路で、いつまでに伝えるか  
第6条 成年後見制度の利用支援に関する事項 権利擁護の観点からの情報提供と関係機関への橋渡し 抜けていることが多い項目として挙げられている(堺市)  
第7条 虐待等に係る苦情解決の方法 苦情受付の窓口・記録・改善・第三者委員等  
第8条 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する事項 備置き場所、閲覧の求めへの応じ方、公表の方法 抜けていることが多い項目として挙げられている(堺市)  
第9条 その他虐待の防止の推進のために必要な事項 ハラスメント対策との関係、見直し、改定履歴  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3-2. 第1条 虐待の防止に関する基本的考え方(完成文)

使う場面 そのまま貼れる完成文
居宅サービス・地域密着型サービス全般 第1条(目的及び基本的考え方) この指針は、○○事業所(以下「事業所」という。)における高齢者虐待の発生及びその再発を防止するために必要な体制及び措置を定め、利用者の尊厳を保持し、その心身の状況に応じた支援を行うことを目的とする。事業所は、身体的虐待、介護・世話の放棄・放任、心理的虐待、性的虐待及び経済的虐待のいずれについても、これを行わない。また、虐待に至らない不適切な言動についても、虐待の芽として取り扱い、把握と改善の対象とする。
通所・短期入所(利用者と職員の距離が近い場面が多い種別) 第1条(目的及び基本的考え方) 事業所は、送迎、入浴、排泄、食事、移乗その他の直接的な介助の場面において、利用者の意思を確認せずに身体に触れること、急がせる声かけ、複数名の前で失敗を指摘することを、虐待につながる行為として取り扱う。事業所は、これらの行為を個人の資質の問題としてではなく、人員配置、時間設計及び手順の問題として検討し、委員会において改善策を決定する。
入所・入居系(施設・認知症対応型共同生活介護等) 第1条(目的及び基本的考え方) 事業所は、入居者の生活の場において支援を行うものであることを踏まえ、居室への立入り、私物の取扱い、金銭の管理、行動の制限その他生活に密接する場面について、入居者の意思の確認を支援の前提とする。事業所は、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律の趣旨に沿い、虐待の防止のための措置を講じ、その実施状況を記録する。
居宅介護支援・介護予防支援 第1条(目的及び基本的考え方) 事業所は、居宅を訪問して利用者及び家族と面接する立場にあることを踏まえ、事業所の従事者による虐待の防止に加え、養護者及び他のサービス事業者による虐待が疑われる状況を把握した場合の対応についても、この指針の対象とする。虐待に当たるか否かの判断は市町村が行うものであり、事業所は把握した事実を記録し、速やかに市町村へ通報する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3-3. 第2条 虐待防止委員会その他事業所内の組織に関する事項(完成文)

使う場面 そのまま貼れる完成文
基本形(構成・所掌・周知・担当者まで書き切る) 第2条(虐待防止委員会) 事業所に虐待防止委員会(以下「委員会」という。)を置く。委員会は、管理者、虐待の防止のための措置を適切に実施するための担当者、サービス提供責任者(又は計画作成担当者)、現場職員の代表及び必要に応じて外部の助言者をもって構成する。委員会は、次に掲げる事項を所掌する。一 指針の作成及び見直しに関すること。二 年間研修計画の作成及び実施状況の把握に関すること。三 虐待又は虐待が疑われる事案の報告及び再発防止策の検討に関すること。四 不適切な言動の把握及び改善策の検討に関すること。五 利用者及び家族からの相談・苦情の状況の把握に関すること。委員会は定期的に開催し、その結果は議事録により全従業者に周知する。
担当者を明記する条(別紙で名前を管理する形) 第2条の2(担当者) 管理者は、虐待の防止のための措置を適切に実施するための担当者を指名し、その氏名及び職名を別紙第1に記載する。担当者は、委員会の招集、議事録の作成、研修の企画及び記録の保管を行う。担当者を変更したときは、別紙第1を改め、変更年月日を記載する。
小規模事業所(委員会の構成員が少ない場合) 第2条(虐待防止委員会) 事業所の規模に鑑み、委員会は管理者、担当者及び全従業者をもって構成する。委員会は、他の会議と同一の機会に開催することができる。この場合においても、議事録には虐待の防止に係る議題、検討内容及び決定事項を他の議題と区別して記載する。
他の委員会と一体的に運営する場合 第2条の3(他の委員会との関係) 委員会は、身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会及び事故発生の防止のための委員会と同一の機会に開催することができる。この場合、議事録には、それぞれの委員会において検討すべき内容を議論したことが分かるよう、議題番号を分けて記載する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3-4. 第3条 虐待の防止のための職員研修に関する基本方針(完成文)

使う場面 そのまま貼れる完成文
基本形(新規採用時+定期+記録まで) 第3条(職員研修) 事業所は、虐待の発生又はその再発を防止するための研修を、次により実施する。一 新規に採用した従業者に対しては、採用後速やかに実施する。中途採用者についても同様とする。二 全従業者に対しては、年間研修計画に定める回数により定期的に実施する。三 研修の内容は、この指針の内容、虐待の類型、不適切な言動の具体例、通報の手順及び相談窓口を含むものとする。四 研修の実施ごとに、実施日時、対象者、講師、内容、使用した資料、理解度の確認方法及び参加者名簿を記録する。五 欠席者に対しては、資料の配付又は録画の視聴により内容を伝達し、伝達した年月日及び方法を記録する。
他テーマと同日に実施する場合(区別して記録する) 第3条の2(他の研修との関係) 虐待の防止のための研修を、身体的拘束等の適正化のための研修、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修その他の研修と同一の日に実施する場合は、研修ごとに実施時間帯、内容及び使用した資料を区別して記録する。
研修プログラムを指針にひもづける形 第3条の3(研修プログラム) 担当者は、この指針に基づく研修プログラムを作成し、委員会の承認を得るものとする。研修プログラムには、対象者の区分(新規採用者・全従業者・管理職)、到達目標、教材及び理解度の確認方法を記載する。
訓練を併せて行う種別(確認項目が「研修及び訓練」の種別) 第3条の4(訓練) 事業所は、研修に加えて、虐待が疑われる場面を想定した訓練を実施する。訓練では、覚知した職員が誰に、どの順序で報告するか、記録に何を書くか、市町村への通報を誰が行うかを、実際の様式を用いて確認する。訓練の実施記録には、想定した場面、参加者、所要時間及び振り返りで挙がった課題を記載する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3-5. 第4条 虐待等が発生した場合の対応方法(完成文)

この条は判断の手順ではなく、行動の順序を書く場所です。虐待に当たるかどうかは市町村が判断するため、指針に「虐待と認められる場合は」という条件分岐を置くと、事業所側で判断してから通報するという運用になってしまいます。

使う場面 そのまま貼れる完成文
基本形 第4条(発生時の対応) 従業者は、虐待又は虐待が疑われる状況を発見し、又はその情報を得たときは、直ちに利用者の安全を確保し、管理者又は担当者に報告する。管理者は、報告を受けたときは、虐待に当たるか否かの判断を事業所において行うことなく、速やかに市町村へ通報する。通報の後、市町村が行う事実確認及び調査に協力し、求めがあった記録を提出する。
安全確保を先に置く形 第4条の2(利用者の安全確保) 管理者は、報告を受けたときは、利用者と当該行為に関与したとされる者を離し、必要に応じて担当を交代させる。負傷が疑われるときは、受診の要否を看護職員又は主治の医師に確認し、確認した時刻、確認した者及び内容を記録する。
再発防止まで書く形 第4条の3(再発防止) 管理者は、通報後、委員会を招集し、発生に至った経過、勤務体制、手順及び環境の要因を検討し、再発防止策と実施期限を決定する。決定した内容は議事録に記載し、全従業者に周知する。実施状況は次回の委員会で確認し、その結果を議事録に記載する。
養護者による虐待が疑われる場合(居宅系) 第4条の4(養護者による虐待が疑われる場合) 従業者は、居宅において養護者による虐待が疑われる状況を把握したときは、把握した事実を記録し、管理者に報告する。管理者は、事業所において判断を行うことなく、速やかに市町村へ通報する。通報後も通常のサービス提供を継続し、訪問のたびに観察した事実を記録する。
従業者による行為が疑われる場合 第4条の5(従業者による行為が疑われる場合) 管理者は、従業者による行為について報告を受けたときも、前条と同様に速やかに市町村へ通報する。事業所内での事情聴取は、市町村の調査を妨げない範囲で行い、聴取した日時、聴取者、聴取内容を記録する。通報を行った従業者に対して、通報を理由とする不利益な取扱いを行わない。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3-6. 第5条 虐待等に係る相談・報告体制(完成文)

使う場面 そのまま貼れる完成文
基本形(経路と時限を書く) 第5条(相談・報告体制) 従業者からの相談及び報告の窓口は、担当者及び管理者とする。担当者が不在の場合は管理者、管理者が不在の場合はサービス提供責任者(又は計画作成担当者)が代わって受ける。相談及び報告は、勤務時間内外を問わず受け付ける。受けた者は、受付日時、相談者、内容及び対応を相談記録に記載する。
匿名・不利益取扱いの禁止を明記する形 第5条の2(相談者の保護) 相談及び報告は、氏名を明らかにしないで行うことができる。事業所は、相談又は報告を行ったことを理由として、解雇その他不利益な取扱いを行わない。相談記録は担当者が施錠できる場所に保管し、閲覧できる者を管理者及び担当者に限る。
外部の窓口も書く形 第5条の3(外部への相談) 従業者及び利用者は、事業所内の窓口のほか、市町村の高齢者虐待に関する相談窓口及び地域包括支援センターに直接相談することができる。事業所は、これらの窓口の名称及び連絡先を事業所内の見やすい場所に掲示する。
夜間・休日の経路を書く形(入所・入居系) 第5条の4(夜間及び休日の報告) 夜間及び休日に虐待が疑われる状況を把握したときは、当直責任者に報告し、当直責任者は管理者へ電話により報告する。管理者に連絡が取れない場合は、あらかじめ定めた連絡順位により連絡する。連絡順位、連絡先及び連絡した時刻は、当直日誌に記載する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3-7. 第6条 成年後見制度の利用支援に関する事項(完成文)

堺市が「抜けていることが多い項目」として挙げている条です。ここで書くのは制度の解説ではなく、事業所が何をするかです。手続きそのものの代行を約束する書き方にはしないでください。

使う場面 そのまま貼れる完成文
基本形 第6条(成年後見制度の利用支援) 事業所は、判断能力の低下により契約、金銭の管理その他の権利の行使に支援を要すると考えられる利用者について、成年後見制度に関する情報を利用者及び家族に提供し、希望に応じて市町村の担当課、地域包括支援センター又は権利擁護に関する相談窓口へつなぐ。つないだ年月日、つないだ先及び相手方の氏名は支援経過に記録する。
経済的虐待が疑われる場面と結びつける形 第6条の2(経済的虐待が疑われる場合) 利用料の滞納、年金の使途が不明であること、本人の預金の引出しについて本人の意思が確認できないことその他の経済的虐待が疑われる状況を把握したときは、事業所において判断を行うことなく市町村へ通報するとともに、成年後見制度の利用に関する相談先の情報を利用者及び家族に提供する。
後見人等が既に選任されている場合 第6条の3(後見人等との連携) 利用者に成年後見人、保佐人又は補助人が選任されている場合は、その氏名、連絡先及び権限の範囲を利用者台帳に記載し、契約、重要事項の説明及び金銭に関する事項について、権限の範囲に応じて連絡する。連絡した年月日及び内容は支援経過に記録する。
研修と結びつける形 第6条の4(周知) 事業所は、年1回以上、成年後見制度の趣旨及び相談先について従業者に周知する。周知は虐待の防止のための研修の一部として行うことができ、この場合は研修記録の内容欄に成年後見制度に関する項目を明記する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3-8. 第7条 虐待等に係る苦情解決の方法(完成文)

使う場面 そのまま貼れる完成文
基本形 第7条(苦情解決) 虐待に関する利用者及び家族からの苦情は、苦情受付担当者が受け付け、苦情受付書に受付日時、申出人、内容、申出の方法及び希望する対応を記載する。苦情解決責任者は、受付から改善までの経過及び申出人への回答内容を苦情解決記録に記載し、委員会に報告する。
第三者委員を置いている場合 第7条の2(第三者委員) 事業所は、苦情の解決について第三者委員を置く。第三者委員の氏名及び連絡先は重要事項説明書に記載し、事業所内の見やすい場所に掲示する。虐待に関する苦情を受け付けたときは、申出人の同意を得て第三者委員に報告し、報告した年月日を記録する。
市町村・国保連の窓口も案内する形 第7条の3(外部の窓口) 事業所は、苦情の申出先として、事業所の窓口のほか、市町村の担当課及び国民健康保険団体連合会の窓口があることを、重要事項説明書及び掲示により利用者及び家族に案内する。
苦情から再発防止へつなぐ形 第7条の4(苦情の活用) 苦情受付書及び苦情解決記録は、委員会において定期的に確認し、虐待の芽となり得る事象が含まれていないかを検討する。検討の結果は議事録に記載し、改善が必要と判断した事項は実施期限とともに決定する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3-9. 第8条 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する事項(完成文)

これも堺市が抜けやすい項目として挙げている条です。「閲覧できるようにする」ではなく、どこに置き、どう求めに応じるかまで書くと、掲示物の点検のときにそのまま使えます。

使う場面 そのまま貼れる完成文
基本形 第8条(指針の閲覧) この指針は、事業所の受付に備え置き、利用者、家族その他の関係者がいつでも自由に閲覧できるようにする。閲覧の求めがあったときは、担当者又は管理者が応じ、求めがあれば写しを交付する。この指針は事業所のウェブサイトにも掲載する。
掲示と併用する形 第8条の2(掲示) 事業所は、この指針を備え置いている旨及びその場所を、運営規程の概要、勤務体制、相談窓口その他の掲示事項とあわせて事業所内の見やすい場所に掲示する。
訪問系(事業所に来訪しない利用者が多い種別) 第8条(指針の閲覧) この指針は事業所に備え置くほか、契約時に写しを交付し、改定したときは訪問時に改定後の写しを交付する。交付した年月日及び交付した相手は、サービス提供記録に記載する。
入所・入居系 第8条(指針の閲覧) この指針は、事業所の玄関及び各階の共用スペースに備え置き、入居者、家族及び面会者がいつでも閲覧できるようにする。家族会の開催時には、指針の要旨を説明し、説明した年月日及び出席者を記録する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3-10. 第9条 その他虐待の防止の推進のために必要な事項(完成文)

使う場面 そのまま貼れる完成文
見直しの規定 第9条(指針の見直し) この指針は、委員会において年1回以上その内容を確認し、法令の改正、事業所の体制の変更又は事案の発生があったときは速やかに見直す。改定したときは、改定年月日及び改定の要点を末尾の改定履歴に記載し、全従業者に周知する。
ハラスメント対策との関係 第9条の2(職場環境) 事業所は、虐待の防止が職員の労働環境と密接に関係することを踏まえ、性的言動及び優越的な関係を背景とした言動による就業環境が害されることの防止に向けた方針と一体的に、勤務体制、休憩の確保及び相談体制を委員会において検討する。
記録の保管 第9条の3(記録の保管) この指針に基づき作成した委員会の議事録、研修の記録、相談記録及び通報の記録は、担当者が保管する。保管期間は、事業所の所在地の市町村が条例で定める期間による。
運営規程との関係 第9条の4(運営規程との関係) この指針に定める事項のうち、虐待の防止のための措置に関する事項は、運営規程に定めるところによる。運営規程を変更したときは、この指針との整合を確認する。
附則 附則 この指針は、令和 年 月 日から施行する。改定履歴:第1版(令和 年 月 日制定)/第2版(令和 年 月 日改定・第6条及び第8条を追加)/第3版(令和 年 月 日改定・担当者の変更)。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

4. 虐待防止委員会の記録——完成文

委員会記録でいちばん多い形は「議題:虐待防止について 内容:虐待防止について検討した 以上」です。これでは、開催した事実は残っても何を検討して何を決めたかが残りません。姫路市の資料は、議事録には委員会の記録であることを明記し、周知の時期・方法・対象者・内容等も記載するよう示しています。

4-1. 委員会記録に置く欄

書くこと 「実施した」で終わらないための最低条件 貴事業所の様式(記入欄)
表題 虐待防止委員会 議事録(第○回) 「委員会の記録である」と読める表題にする  
開催日時 年月日と開始・終了の時刻 開始と終了の両方。所要時間が読める  
場所 会議室名、オンライン併用の別 オンラインの場合は接続方法も  
出席者 氏名と職種。欠席者と代理出席 職種を書く。氏名だけだと構成が読めない  
議題 番号を付けた議題名 他の委員会と合同のときは議題番号で分ける  
報告事項 前回決定事項の実施状況、相談・苦情の件数、ヒヤリ事例 件数と期間を数字で書く  
検討内容 誰が何を発言し、どの選択肢を比べたか 賛否が分かれた点を残す  
決定事項 やること・担当・期限 3点セットで書く  
周知 周知の時期・方法・対象者・内容 姫路市の資料が記載を示している欄  
次回予定 次回の開催予定日と主な議題 年間計画とひもづける  
記録者・確認者 作成者と確認者の氏名 担当者が作成し管理者が確認  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

4-2. 年度はじめの回(指針と年間計画の確認)の完成文

そのまま貼れる完成文
表題・日時・場所 虐待防止委員会 議事録(令和 年度 第1回) 開催日時:令和 年4月 日( )14時00分から14時55分まで 場所:事業所2階 会議室(一部オンライン併用)
出席者 出席者:管理者(委員長)1名、虐待の防止のための措置を適切に実施するための担当者(生活相談員)1名、看護職員1名、介護職員2名、事務職員1名 計6名。欠席者:介護職員1名(夜勤明けのため。議事録の配付により内容を伝達)。
議題 議題1 虐待の防止のための指針の内容確認 議題2 令和 年度 年間研修計画(案) 議題3 担当者の指名の確認 議題4 前年度の相談・苦情の状況
報告事項 報告1 前年度の相談件数は3件(うち家族からの申出2件、職員からの申出1件)で、いずれも記録に残していることを担当者が確認した。報告2 前年度の研修は2回実施し、延べ参加者は14名、未受講者は0名であった。報告3 運営規程の虐待の防止のための措置に関する事項は令和 年 月改定のままであり、指針の第2版と内容が一致していることを確認した。
検討内容 指針の各条を読み合わせ、第6条(成年後見制度の利用支援)と第8条(指針の閲覧)の記載を確認した。第8条について、現在は事務室内の書棚に置いており、来訪した家族がすぐに手に取れる状態ではないとの意見が介護職員から出された。これに対し、受付カウンターに備え置き、備え置いている旨を掲示する案と、玄関の掲示板に全文を掲示する案を比較し、全文掲示は差し替えの手間が大きいことから前者とした。年間研修計画については、新規採用者が年度途中に入職する見込みがあるため、定例の集合研修とは別に、随時実施できる資料と確認テストを用意することとした。
決定事項 決定1 指針の写しを受付カウンターに備え置き、備え置いている旨を玄関に掲示する。担当:生活相談員 期限:4月 日。決定2 年間研修計画を別紙のとおり決定する(定例2回、新規採用時は随時)。担当:担当者 期限:4月 日。決定3 新規採用者向けの資料と確認テストを作成する。担当:看護職員 期限:5月 日。決定4 担当者は生活相談員○○とし、別紙第1を更新する。担当:管理者 期限:4月 日。
周知 周知:4月 日の全体朝礼で決定事項1から4を口頭で説明し、議事録の写しを休憩室のファイルに綴じ、欠席者1名には4月 日に個別に手渡した。周知対象:全従業者7名。周知方法:口頭説明+議事録の配付。
次回・記録者 次回予定:令和 年7月 日( )14時00分から 主な議題:不適切な言動の事例検討、第1回研修の実施結果 記録者:生活相談員○○ 確認者:管理者○○

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

4-3. 事例検討の回(不適切な言動の把握)の完成文

そのまま貼れる完成文
表題・日時・場所 虐待防止委員会 議事録(令和 年度 第2回) 開催日時:令和 年7月 日( )15時00分から16時10分まで 場所:事業所1階 相談室
議題 議題1 第1回研修の実施結果 議題2 不適切な言動に関する事例検討(3件) 議題3 前回決定事項の実施状況
報告事項 報告1 前回の決定事項1(指針の備え置きと掲示)は4月 日に完了し、写真により確認した。決定事項3(新規採用者向け資料)は5月 日に完成し、6月に入職した1名に対して6月 日に実施済みである。報告2 4月から6月までに提出された気づきの用紙は5件で、うち3件を本日の事例として取り上げる。
検討内容(事例1) 事例1 入浴介助の場面で、職員が「早くして」と繰り返し声をかけていたとの気づきが提出された。当該職員から状況を確認したところ、当日は入浴予定者が通常より2名多く、送迎の出発時刻に間に合わせようとしていたとのことであった。委員会では、発言そのものの是非に加えて、入浴予定の組み方と送迎時刻の関係を検討した。予定者数の上限を1日8名とし、超える日は送迎の出発を15分遅らせる運用に変更する案が示され、送迎担当から他の利用者の到着時刻に影響が出るとの指摘があったため、影響の有無を1か月試行して確認することとした。
検討内容(事例2) 事例2 居室に入る際にノックをせずに入室している場面があるとの気づきが提出された。委員会では、日中は実施できているが、夜間の巡視時に無言で入室していることが多いとの発言があった。夜間は入眠を妨げないよう声を出さない配慮であったが、入室前に一声かけるか否かは利用者ごとに希望が異なるため、利用者ごとの希望を確認して個別支援計画の備考欄に記載することとした。
検討内容(事例3) 事例3 利用者の私物であるお菓子を、他の利用者と分けて食べていた場面があったとの気づきが提出された。委員会では、本人の同意があったか否かが記録上確認できないことが問題であるとの意見が出された。私物の飲食物を他者に提供する場合は、本人の意思を確認し、確認した職員名と時刻を記録に残す取扱いとすることとした。
決定事項 決定1 入浴予定者の上限を1日8名とし、8月の1か月間試行する。担当:生活相談員 期限:8月末。決定2 居室入室時の声かけの希望を利用者全員に確認し、個別支援計画の備考欄に記載する。担当:計画作成担当者 期限:8月 日。決定3 私物の飲食物を他者に提供する場合の記録欄をサービス提供記録に追加する。担当:事務職員 期限:7月 日。
周知 周知:7月 日から3日間、各勤務帯の申し送り時に決定事項を説明し、議事録の写しを休憩室に掲示した。周知対象:全従業者7名(欠席者2名には7月 日・ 日に個別説明)。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

4-4. 合同開催の回(身体的拘束等の適正化と同一の機会)の完成文

そのまま貼れる完成文
表題 虐待防止委員会・身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会 合同議事録(令和 年度 第3回/第2回)※本議事録は、虐待防止委員会の記録及び身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会の記録を兼ねる。
議題の分け方 【虐待防止委員会】議題1-1 第2回研修の企画 議題1-2 気づきの用紙の集計 【身体的拘束等の適正化のための委員会】議題2-1 同意書の期限管理 議題2-2 解除に向けた検討状況 【共通】議題3-1 合同研修の日程
時間帯の分け方 15時00分から15時35分まで虐待防止に関する議題、15時35分から16時05分まで身体的拘束等の適正化に関する議題、16時05分から16時20分まで共通の議題を扱った。
検討内容(虐待防止の側) 議題1-1 第2回研修は10月に実施することとし、内容は虐待の類型と通報の手順、事例1から3の振り返りとした。講師は担当者が務め、資料は市町村が公表している手引きと自事業所の指針を用いる。理解度の確認は、通報の手順を空欄補充で答える確認テストにより行う。
検討内容(身体的拘束の側) 議題2-1 同意書の期限が到来する利用者2名について、期限前に再度の説明と同意の手続を行う日程を決めた。議題2-2 1名について、夜間の離床センサーの使用に切り替えたことにより拘束の必要がなくなったため、解除に向けた記録の整理を行うこととした。
決定事項 決定1(虐待防止) 第2回研修を10月 日に実施する。担当:担当者 期限:10月 日。決定2(虐待防止) 確認テストを作成する。担当:担当者 期限:9月 日。決定3(身体的拘束) 同意書の再手続を9月 日までに行う。担当:計画作成担当者。決定4(共通) 合同研修は行わず、テーマごとに時間帯を分けて実施する。
周知 周知:9月 日の全体会議で、虐待防止に関する決定事項と身体的拘束等の適正化に関する決定事項を、それぞれ分けて説明した。議事録は虐待防止委員会ファイルと身体的拘束等の適正化委員会ファイルの双方に同一の写しを綴じ、綴じた旨を各ファイルの目次に記載した。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

4-5. 年度末の回(1年間の点検)の完成文

そのまま貼れる完成文
議題 議題1 年間の実施状況の点検 議題2 指針の見直し 議題3 次年度の年間研修計画(案) 議題4 運営規程との整合の確認
報告事項 報告1 本年度の委員会は4回開催し、いずれも議事録を作成した。報告2 研修は定例2回( 月 日、 月 日)と新規採用時2回( 月 日、 月 日)を実施し、全従業者7名が受講した。報告3 気づきの用紙は年間12件提出され、うち9件を委員会で取り上げた。報告4 虐待又は虐待が疑われる事案として市町村へ通報した件数は0件であった。
検討内容 年間の実施状況を、指針の各条と突き合わせて点検した。第2条(委員会)、第3条(研修)、第5条(相談体制)、第8条(閲覧)は記録により実施が確認できた。第6条(成年後見制度の利用支援)については、本年度に該当する場面がなく、記録が残っていない状態であることが確認された。これについて、該当する場面がないこと自体を年度末の議事録に記載しておくことで、記録が無いことの理由が読み取れるようにするべきとの意見が出され、その取扱いとした。
決定事項 決定1 指針の第6条について、周知を研修の一部として行う旨(第6条の4)を追加する。担当:担当者 期限:3月 日。決定2 次年度の年間研修計画を別紙のとおりとする(定例2回、新規採用時は随時、成年後見制度の項目を第1回に含める)。決定3 運営規程の虐待の防止のための措置に関する事項について、指針の改定に伴う変更の要否を確認し、変更する場合の届出の要否を保険者に照会する。担当:管理者 期限:3月 日。
周知 周知:3月 日の全体会議で説明し、改定後の指針の写しを全従業者に配付した(配付簿に受領印)。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

なお、運営規程を変更した場合の届出の要否・期限・様式は保険者(指定権者)により異なります。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

5. 研修記録と通報の記録——完成文

5-1. 研修記録に置く欄

松山市の資料は、研修を実施した際に実施日時・参加者氏名・研修内容・使用した資料の記録や資料を残すことを示しています。ここに理解度の確認方法と欠席者への対応を足すと、「開いた」ではなく「伝わった」まで残る記録になります。

書くこと 空欄になりやすい理由 貴事業所の様式(記入欄)
実施日時 年月日と開始・終了の時刻 日付だけ書いて時間を書かない  
研修名 虐待の防止のための研修(第○回) 「研修」とだけ書いて主題が読めない  
対象者 全従業者/新規採用者/管理職の別と人数 対象を決めずに実施している  
参加者 氏名と職種(名簿を添付) 人数だけ書いて氏名が無い  
講師 氏名と職名(外部講師は所属も) 内部実施のときに書き忘れる  
内容 項目ごとの見出しと所要時間 「虐待について」とだけ書く  
使用資料 資料名と出所(実物を添付) 資料を保管していない  
理解度の確認方法 確認テスト、演習、質疑の内容 確認していない  
欠席者への対応 氏名、伝達の方法、伝達した年月日 欠席者の欄が無い様式を使っている  
振り返り 出た質問と、次回に反映すること 実施して終わりにしている  
記録者・確認者 作成者と確認者  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

5-2. 新規採用時の研修記録の完成文

そのまま貼れる完成文
表題・日時 虐待の防止のための研修 実施記録(新規採用時) 実施日時:令和 年6月 日( )10時00分から11時00分まで 実施場所:事業所1階 相談室
対象者・参加者 対象者:令和 年6月 日に採用した介護職員1名(中途採用) 参加者:介護職員○○(採用年月日 令和 年6月 日) 講師:虐待の防止のための措置を適切に実施するための担当者(生活相談員○○)
内容 内容:(1)当事業所の虐待の防止のための指針の読み合わせ(20分/第1条から第9条まで、特に第4条の発生時の対応方法と第5条の相談・報告体制)(2)虐待の5類型と、当事業所で過去に委員会で取り上げた不適切な言動の事例3件(20分)(3)虐待が疑われる状況を見たときの行動手順の演習(15分/様式に記入する形で実施)(4)質疑(5分)
使用資料 使用資料:当事業所「虐待の防止のための指針」第2版、当事業所「気づきの用紙」様式、当事業所「通報記録」様式、市町村が公表している高齢者虐待防止に関する手引き(写しを添付)
理解度の確認方法 理解度の確認:演習として「利用者の上腕に見慣れないあざを見つけた」という場面を提示し、気づきの用紙と通報記録の様式に記入してもらった。判断を書かず、見た事実と時刻を書くという点について、記入後に口頭で確認した。1回目の記入では「家族による虐待の可能性がある」と記載があったため、判断は市町村が行うことを説明し、事実の記載に書き直してもらった。
振り返り 質疑:「疑いの段階で通報してよいのか」との質問があり、判断は市町村が行うため、疑いの段階で管理者に報告し、事業所として速やかに市町村へ通報する取扱いであることを説明した。次回の定例研修でも、この点を全従業者向けに再度取り上げることとする。
記録者・確認者 記録者:生活相談員○○ 確認者:管理者○○ ※本記録は、身体的拘束等の適正化のための研修、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修、事故発生防止のための研修とは別に実施した記録である。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

5-3. 定期研修の記録の完成文

そのまま貼れる完成文
表題・日時(第1回) 虐待の防止のための研修 実施記録(令和 年度 第1回) 実施日時:令和 年6月 日( )17時30分から18時30分まで 実施場所:事業所2階 会議室(オンライン参加2名)
対象者・参加者(第1回) 対象者:全従業者7名 参加者:6名(管理者1、生活相談員1、看護職員1、介護職員3) 欠席者:1名(介護職員○○・夜勤のため) 講師:生活相談員○○
内容(第1回) 内容:(1)指針の第1条・第4条・第5条の読み合わせ(15分)(2)虐待の5類型と、不適切な言動が虐待に連続していることの説明(15分)(3)成年後見制度の趣旨と相談先(10分)(4)グループ演習「この声かけは相手にどう聞こえるか」(15分)(5)質疑(5分)
使用資料(第1回) 使用資料:当事業所「虐待の防止のための指針」第2版、当事業所作成スライド「不適切な言動から考える」(12枚・写しを添付)、市町村が公表している成年後見制度の案内(写しを添付)
理解度の確認(第1回) 理解度の確認:確認テスト(5問/通報先、報告の順序、指針の備え置き場所、相談窓口、5類型)を実施し、参加者6名全員が提出した。誤答が多かったのは「指針の備え置き場所」(3名が誤答)であったため、その場で受付カウンターに備え置いている旨を再度説明し、翌週の申し送りでも周知した。
表題・日時(第2回) 虐待の防止のための研修 実施記録(令和 年度 第2回) 実施日時:令和 年10月 日( )17時30分から18時20分まで 実施場所:事業所2階 会議室
内容(第2回) 内容:(1)本年度に委員会で取り上げた事例3件の振り返り(20分/入浴介助時の声かけ、居室入室時の声かけ、私物の取扱い)(2)通報の手順の再確認と様式の記入演習(20分)(3)質疑(10分)
理解度の確認(第2回) 理解度の確認:通報記録の様式に、提示した場面(「夜間に大きな声が聞こえ、居室に行くと利用者が床に座っていた」)について記入する演習を行った。7名中5名が時刻を記入していなかったため、覚知した時刻・確認した時刻・報告した時刻・通報した時刻の4つを必ず書くことを再度説明した。
欠席者への対応(両回共通) 欠席者への対応:第1回の欠席者1名に対し、令和 年6月 日に資料一式を手渡し、指針の第4条・第5条について15分間の個別説明を行い、確認テストを実施した(提出済み・全問正答)。伝達日、方法、所要時間及び実施者を本記録に記載した。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

5-4. 通報の記録——判断を書かず、事実と時刻を書く

ここが、虐待に関する記録で最も書き方を間違えやすい書類です。虐待に当たるかどうかを判断するのは市町村です。事業所の記録に「虐待と思われる」「虐待には当たらないと考える」と書くと、判断を事業所が行った記録になってしまいます。書くのは次の4つだけです。

順序 書くこと 書き方 書いてはいけないこと
1 覚知 誰が、いつ(時刻)、どこで、何を見た・聞いたか 見ていないことの推測
2 確認した事実 身体の状態、発言、物の状態を、見えたとおりに書く 「虐待と思われる」等の評価
3 報告 誰に、いつ(時刻)、どの方法で報告したか 報告の要否を検討した経過(判断の記録になる)
4 通報 いつ(時刻)、どこへ、誰が、どの方法で通報し、誰が受けたか 通報しなかった理由

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

5-5. 通報の記録の完成文

場面 そのまま貼れる完成文
身体にあざを見つけた(訪問系) 令和 年 月 日 10時15分、訪問時、利用者○○様の右上腕内側に、直径約3センチメートルの紫色の変色を確認した。前回訪問( 月 日)の記録には同部位の記載はない。本人に「ここはどうされましたか」と尋ねたところ、「わからない」との返答であった。10時40分、訪問を終了し、10時50分、事業所に電話し管理者○○に上記の事実を報告した。11時05分、管理者が  市高齢福祉課へ電話し、上記の事実を通報した。受電者は  課○○氏。通報した事実及び時刻を本記録に記載した。
職員の言動を目撃した(通所・入所系) 令和 年 月 日 14時20分、1階浴室前廊下において、職員○○が利用者○○様に対し「何回言ったらわかるの」と大きな声で2回発言するのを、介護職員○○が目撃した。利用者は下を向いたまま返答しなかった。14時25分、目撃した職員が管理者○○に口頭で報告した。14時30分、管理者が利用者に付き添い居室へ移動し、外傷の有無を看護職員○○が確認したところ、外傷は確認されなかった(確認時刻14時35分)。15時00分、管理者が  市介護保険課へ電話し、上記の事実を通報した。受電者は  課○○氏。
家族から相談を受けた(居宅介護支援) 令和 年 月 日 16時00分、利用者○○様の長女○○様から電話があり、「同居の弟が母の年金を使っている。母の通帳を弟が持っていて、母は残高を知らない」との申出があった。申出の内容をそのまま記載した。16時20分、担当介護支援専門員が管理者○○に報告した。16時40分、管理者が  市高齢者支援課へ電話し、申出の内容を通報した。受電者は  課○○氏。長女には、事業所から市へ連絡した旨を16時50分に電話で伝えた。
夜間帯に覚知した(入所・入居系) 令和 年 月 日 2時40分、301号室から大きな声が聞こえたため夜勤者○○が入室したところ、利用者○○様が床に座っており、ベッド柵が床に外れて置かれていた。利用者は「立とうとした」と述べた。2時45分、外傷の有無を確認したところ、左肘に発赤を確認した。2時50分、当直責任者○○に内線で報告した。3時00分、当直責任者が管理者○○の携帯電話へ連絡した(通話時間3分)。同日8時35分、管理者が  市介護保険課へ電話し、上記の事実を通報した。受電者は  課○○氏。
他事業所の支援場面について情報を得た 令和 年 月 日 11時10分、利用者○○様から「デイサービスで職員に腕を強く引っ張られた」との話を聞いた。腕を確認したところ、右手首に長さ約4センチメートルの赤い線状の跡を確認した。本人の発言をそのまま記載し、確認した状態を記載した。11時30分、管理者○○に報告した。11時45分、管理者が  市介護保険課へ電話し、上記の事実を通報した。受電者は  課○○氏。同日中に、当該通所介護事業所へは事業所からの連絡は行っていない。
市町村の調査に協力した記録 令和 年 月 日 13時30分から15時00分まで、  市介護保険課職員2名(○○氏、○○氏)の来所を受け、令和 年 月 日の通報に関する事実確認に対応した。提出した記録は、サービス提供記録( 月 日から 月 日まで)、勤務表( 月分)、通報記録、委員会議事録(第 回)の写しである。聴取を受けた職員は管理者○○、介護職員○○の2名。市から求めのあった追加資料は、 月 日までに郵送することとした。
通報後の再発防止の記録 令和 年 月 日、通報した事案について虐待防止委員会を臨時に開催した(15時00分から16時00分)。出席者6名。当日の勤務は日勤2名・遅出1名で、入浴介助と送迎が重なる時間帯であったことを勤務表により確認した。再発防止策として、入浴介助の時間帯に送迎業務を割り当てない勤務表の作成を決定し(担当:管理者、期限:翌月分の勤務表から)、決定内容を 月 日の全体会議で全従業者に周知した。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

6. 悪い例/良い例の2列と、運営指導で見られる点

6-1. 指針の書き方(悪い例/良い例)

# 悪い例 良い例(そのまま貼れる完成文)
1 虐待をしてはならない。 事業所は、身体的虐待、介護・世話の放棄・放任、心理的虐待、性的虐待及び経済的虐待のいずれについても、これを行わない。虐待に至らない不適切な言動についても、把握と改善の対象とする。
2 委員会を設置する。 委員会は、管理者、担当者、看護職員及び現場職員の代表をもって構成し、指針の見直し、研修計画、事案の報告と再発防止策の検討を所掌する。委員会は定期的に開催し、結果は議事録により全従業者に周知する。
3 研修を行う。 研修は、新規採用時(中途採用者を含む)と、年間研修計画に定める回数により定期的に実施し、実施日時・対象者・講師・内容・使用資料・理解度の確認方法・参加者名簿を記録する。
4 虐待が起きた場合は適切に対応する。 従業者は、直ちに利用者の安全を確保し、管理者又は担当者に報告する。管理者は、虐待に当たるか否かの判断を事業所において行うことなく、速やかに市町村へ通報する。
5 相談窓口を設ける。 相談及び報告の窓口は担当者及び管理者とし、不在時の代替者を定める。受けた者は、受付日時、相談者、内容及び対応を相談記録に記載する。相談は氏名を明らかにしないで行うことができる。
6 (第6条が無い) 第6条(成年後見制度の利用支援) 判断能力の低下により支援を要すると考えられる利用者について、成年後見制度に関する情報を提供し、希望に応じて市町村の担当課又は地域包括支援センターへつなぐ。つないだ年月日及びつないだ先を支援経過に記録する。
7 (第8条が無い) 第8条(指針の閲覧) この指針は事業所の受付に備え置き、利用者、家族その他の関係者がいつでも自由に閲覧できるようにする。求めがあれば写しを交付する。備え置いている旨は事業所内に掲示する。
8 苦情には誠実に対応する。 苦情は苦情受付担当者が受け付け、受付日時、申出人、内容、申出の方法及び希望する対応を苦情受付書に記載する。解決までの経過と回答内容は苦情解決記録に記載し、委員会に報告する。
9 この指針は令和 年に制定した。 附則 この指針は令和 年 月 日から施行する。改定履歴:第1版(制定)/第2版(第6条・第8条を追加)/第3版(担当者の変更)。改定のつど、改定年月日と要点を記載する。
10 担当者を置く。 管理者は担当者を指名し、その氏名及び職名を別紙第1に記載する。担当者は委員会の招集、議事録の作成、研修の企画及び記録の保管を行う。変更したときは別紙第1を改め、変更年月日を記載する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

6-2. 委員会記録の書き方(悪い例/良い例)

# 悪い例 良い例(そのまま貼れる完成文)
11 日時: 月 日 開催日時:令和 年7月 日( )15時00分から16時10分まで 場所:事業所1階 相談室(オンライン併用)
12 出席者:6名 出席者:管理者(委員長)1名、担当者(生活相談員)1名、看護職員1名、介護職員2名、事務職員1名 計6名。欠席者:介護職員1名(夜勤明け)。
13 議題:虐待防止について 議題1 第1回研修の実施結果 議題2 不適切な言動に関する事例検討(3件) 議題3 前回決定事項の実施状況
14 内容:虐待防止について検討した。 入浴介助の場面で「早くして」と繰り返し声をかけていたとの気づきが提出された。当日の入浴予定者が通常より2名多かったことを勤務表と入浴記録により確認し、予定者数の上限を1日8名とする案と送迎時刻を15分遅らせる案を比較した。送迎への影響を1か月試行して確認することとした。
15 特に問題はなかった。 本期間に提出された気づきの用紙は5件で、いずれも身体への接触を伴わない声かけに関するものであった。うち3件を本日の事例として取り上げ、2件は前回決定事項の運用で解消済みであることを確認した。
16 今後も注意していくこととした。 決定1 入浴予定者の上限を1日8名とし、8月の1か月間試行する。担当:生活相談員 期限:8月末。決定2 試行結果を第3回委員会で報告する。担当:生活相談員 期限:9月 日。
17 (周知欄が無い) 周知:7月 日から3日間、各勤務帯の申し送り時に決定事項を説明し、議事録の写しを休憩室に掲示した。周知対象:全従業者7名(欠席者2名には7月 日・ 日に個別説明)。
18 次回:未定 次回予定:令和 年10月 日( )15時00分から 主な議題:第2回研修の実施結果、試行の結果報告
19 虐待防止・感染症・身体拘束の委員会を開催した。 本議事録は、虐待防止委員会の記録及び身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会の記録を兼ねる。15時00分から15時35分まで虐待防止に関する議題(議題1-1、1-2)、15時35分から16時05分まで身体的拘束等の適正化に関する議題(議題2-1、2-2)を扱った。
20 (記録者の記載が無い) 記録者:生活相談員○○ 確認者:管理者○○ 作成日:令和 年 月 日

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

6-3. 研修記録の書き方(悪い例/良い例)

# 悪い例 良い例(そのまま貼れる完成文)
21 研修を実施した。 虐待の防止のための研修(令和 年度 第1回)を、令和 年6月 日17時30分から18時30分まで、事業所2階会議室で実施した(オンライン参加2名)。
22 参加者:6名 参加者:管理者1、生活相談員1、看護職員1、介護職員3 計6名(名簿を添付)。欠席者:介護職員○○(夜勤のため)。
23 内容:虐待について 内容:(1)指針の第1条・第4条・第5条の読み合わせ(15分)(2)虐待の5類型と不適切な言動の連続性(15分)(3)成年後見制度の趣旨と相談先(10分)(4)グループ演習(15分)(5)質疑(5分)
24 (使用資料の記載が無い) 使用資料:当事業所「虐待の防止のための指針」第2版、自作スライド「不適切な言動から考える」12枚(写しを添付)、市町村が公表している成年後見制度の案内(写しを添付)
25 (理解度の確認が無い) 理解度の確認:確認テスト5問(通報先、報告の順序、指針の備え置き場所、相談窓口、5類型)を実施し6名全員が提出。誤答が多かった「指針の備え置き場所」はその場で再説明し、翌週の申し送りでも周知した。
26 欠席者は後日実施予定。 欠席者への対応:介護職員○○に対し、令和 年6月 日10時00分から10時15分まで、資料一式を手渡して個別に説明し、確認テストを実施した(提出済み・全問正答)。実施者:生活相談員○○。
27 身体拘束と虐待防止の研修を行った。 本日は17時30分から18時00分まで身体的拘束等の適正化のための研修、18時10分から18時50分まで虐待の防止のための研修を実施した。使用資料はそれぞれ別に用意し、参加者名簿も研修ごとに作成した。
28 新入職員にも説明した。 新規採用時研修:令和 年6月 日採用の介護職員○○に対し、採用当日10時00分から11時00分まで実施した。中途採用のため、定例の研修とは別に個別に実施した記録である。
29 質疑応答を行った。 質疑:「疑いの段階で通報してよいのか」との質問があり、判断は市町村が行うため、疑いの段階で管理者に報告し、事業所として速やかに市町村へ通報する取扱いであることを説明した。次回研修で全従業者向けに再度取り上げる。
30 (年間の実施回数が把握できない) 本年度の実施状況:定例研修2回( 月 日、 月 日)、新規採用時研修2回( 月 日、 月 日)。全従業者7名の受講状況は別紙の一覧のとおりで、未受講者は0名。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

6-4. 通報・事実の記録(悪い例/良い例)

# 悪い例 良い例(そのまま貼れる完成文)
31 家族による虐待の疑いがあると思われた。 10時15分、右上腕内側に直径約3センチメートルの紫色の変色を確認した。前回訪問( 月 日)の記録に同部位の記載はない。本人に尋ねたところ「わからない」との返答であった。
32 虐待には当たらないと判断した。 確認した事実を管理者に報告し、管理者が  市高齢福祉課へ電話により通報した(11時05分)。虐待に当たるか否かの判断は市町村が行うため、事業所では判断を行っていない。
33 市に連絡した。 11時05分、管理者が  市高齢福祉課へ電話し、上記の事実を通報した。受電者は  課○○氏。通報に要した時間は約10分。
34 職員が不適切な言動をしていた。 14時20分、1階浴室前廊下において、職員○○が利用者○○様に対し「何回言ったらわかるの」と大きな声で2回発言するのを、介護職員○○が目撃した。利用者は下を向いたまま返答しなかった。
35 本人に確認したが、はっきりしなかった。 本人に「ここはどうされましたか」と尋ねたところ、「わからない」との返答であった。同じ質問を10時20分に再度行ったが、返答は同じであった。
36 後日、報告した。 2時50分、当直責任者○○に内線で報告した。3時00分、当直責任者が管理者の携帯電話へ連絡した(通話時間3分)。同日8時35分、管理者が  市介護保険課へ電話し通報した。
37 家族が興奮していたので落ち着かせた。 長女○○様から「同居の弟が母の年金を使っている。母の通帳を弟が持っていて、母は残高を知らない」との申出があった。申出の内容をそのまま記載した。
38 調査に対応した。 13時30分から15時00分まで、  市介護保険課職員2名の来所を受け、事実確認に対応した。提出した記録はサービス提供記録、勤務表、通報記録、委員会議事録の写しである。聴取を受けた職員は2名。
39 再発防止に努める。 当日の勤務は日勤2名・遅出1名で、入浴介助と送迎が重なる時間帯であったことを勤務表により確認した。再発防止策として、入浴介助の時間帯に送迎業務を割り当てない勤務表の作成を決定した(担当:管理者、期限:翌月分の勤務表から)。
40 あざがあったが、様子を見ることにした。 10時15分に変色を確認し、10時50分に管理者へ報告、11時05分に市へ通報した。経過観察の要否については、市の事実確認の結果を待つこととし、訪問のつど当該部位の状態を記録することとした。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

6-5. 公表資料で挙げられている指摘

以下は、自治体が公表している運営指導・集団指導の資料に実在する記載です。虐待の防止に関するものだけを抜き出しています。

# 公表資料に記載されている状況 出典(自治体) 手元で確認する書類 点検結果(記入欄)
1 虐待防止検討委員会が定期開催されていない。委員会は開催されていたがその結果の従業員への周知がされていない。指針の記載項目の漏れ。新規採用時に虐待防止のための研修を実施していない。研修に参加していない職員への伝達が確認できない。 宇都宮市 委員会議事録、指針、研修記録(新規採用時を含む)、伝達記録、担当者の指定が分かる文書、運営規程  
2 「身体拘束適正化のための指針」及び「虐待の防止のための指針」の項目に不足がある。抜けていることが多い項目として、虐待の防止のための指針では「成年後見制度の利用支援に関する事項」「利用者等に対する当該指針の閲覧に関する事項」が示されている。 堺市 虐待の防止のための指針、身体的拘束適正化のための指針、委員会議事録、研修記録  
3 研修や訓練回数を誤認している。虐待の防止=年1回以上(GHは年2回以上)と整理され、認知症対応型共同生活介護は全て年2回以上となる旨が注記されている。 堺市 年間研修計画、研修・訓練実施記録、参加者名簿、未受講者への対応記録  
4 虐待の発生又はその再発を防止するための措置のうち、委員会の議事録が作成されていなかった。感染症対策・虐待防止の措置(委員会の定期的な開催、指針整備、研修、担当者設置)が講じられていないとの指摘。 姫路市/大分市 虐待防止委員会の議事録、各指針、研修記録、周知記録、担当者の指名記録  
5 議事録には委員会の記録であることを明記し、周知の時期・方法・対象者・内容等も記載するよう示されている。 姫路市 委員会議事録(周知欄)  
6 虐待の防止のための対策を検討する委員会が定期的に開催されていない。指針が整備されていない。研修が年1回(施設は年2回)以上実施されていない。措置を適切に実施するための担当者が置かれていない。 千葉県 委員会議事録、指針、研修実施記録・受講者名簿、担当者の選任書、運営規程  
7 虐待の防止のための対策を検討する委員会が開催されていなかった。事業所における虐待防止のための指針を整備しなければならないにもかかわらず、整備されていない事例が認められた。 広島市 委員会議事録、指針、研修資料と受講記録、担当者を定めた文書  
8 虐待防止の指針が作成されておらず、委員会と研修が定期的に実施されていない事例。有料老人ホームの一般検査結果では「虐待防止の取組が不十分」が16件(11.0%)と公表されている。 長野県 虐待防止の指針・委員会議事録・研修記録  
9 研修を実施した際は実施日時・参加者氏名・研修内容・使用した資料の記録や資料を残すこと。各種研修を同日に実施する場合はそれぞれの内容について行ったことが分かるよう区別して記録すること(例:身体的拘束等の適正化と虐待の防止)。 松山市 研修計画(年間)、研修実施記録(日時・参加者・内容)、使用した研修資料、委員会議事録  
10 身体拘束廃止のための研修、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修、事故発生防止のための研修及び虐待防止のための研修について新規採用時には研修を実施すること。特に年度途中に採用した職員に関して新規採用時の研修が実施できていない事例が見受けられる。 名古屋市 研修計画、研修実施記録、受講者名簿、入職時チェックリスト、従業者名簿(採用年月日)  
11 運営指導において従業者に対する虐待防止のための研修の未実施が発覚。虐待の防止のための指針に基づいた研修プログラムの作成及び年1回以上の研修の実施を指導。速やかに改善計画の提出を行い、改善報告書を提出するまでの間の取扱いが記載されている。 新潟市 指針、委員会議事録、研修プログラム・研修の実施記録(参加者含む)、担当者の設置が分かる文書  
12 運営規程に「虐待の防止のための措置に関する事項」を定めていない。改善指導内容として、虐待の防止に係る組織内の体制(責任者の選定、従業者への研修方法や研修計画等)や虐待又は虐待が疑われる事案が発生した場合の対応方法等を定めるよう示されている。 静岡市/浜松市 運営規程、指針、委員会の記録、研修記録、変更届の控え  
13 運営規程に虐待防止の措置に関する事項が記載されていない。記録の保存期間について、サービスの「完結」の日から「5年間」と記載すべきところ「サービス提供の日」「2年間」となっている例が示されている。 福井市 運営規程、重要事項説明書、同意書、変更届の控え、市の条例  
14 運営規程の主な指摘事例として「運営規程に虐待の防止のための措置に関する事項が定められていない」が挙げられている。 東京都 運営規程、重要事項説明書、料金表、変更届の控え  
15 令和6年度の運営指導により指摘の多かった事項として「運営規程等に虐待の防止のための措置に関する事項が定められていない」が挙げられている。 熊本市 運営規程、重要事項説明書と同意記録、虐待防止指針、掲示物  
16 高齢者虐待防止措置未実施減算について「虐待の発生又はその再発を防止するため必要な措置が講じられていない」「虐待の防止のための指針が整備されていない」が主な指摘内容として挙げられている。 熊本市/神戸市 虐待防止委員会議事録、虐待の防止のための指針、研修記録  
17 必要な措置を講じていないが「基準型」で届出を行っている事例が挙げられている。委員会を開催していない、指針を整備していない等が「よくある事例」として示されている。 足立区 委員会議事録、指針、研修計画・研修記録、担当者の任命が分かる書類、体制等に関する届出書  
18 虐待防止・感染症・BCP・身体拘束適正化等の法定研修や委員会について、実施した記録(日時・参加者・内容・資料)が残っていない例が指摘されやすいとされている。 津山市(研修記録の不備として記載) 年間研修計画・研修実施記録・委員会議事録  
19 虐待防止の体制(委員会の定期開催、指針の整備、定期研修、担当者の設置)が未整備との指摘が挙げられている。 東京都 虐待防止指針・委員会議事録・研修記録  
20 他の委員会と一体的に運営している場合は、各委員会で検討すべき内容を議論したことが分かる記録になっているかを点検するよう示されている。 新潟市 合同開催時の議事録(議題番号を分けたもの)  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

高齢者虐待防止措置未実施減算という名称の定めがあることは、複数の自治体の公表資料に記載されています。ただし、その適用の有無・判断・改善確認の方法は保険者(指定権者)が行うものであり、本ページでは判定を示しません。次の対照表の形でご確認ください。

論点 公表資料に示されている定め 貴事業所の状況(記入欄) 確認先
委員会の定期開催 委員会を定期的に開催し、結果を従業者に周知することとされている   保険者(指定権者)
指針の整備 虐待の発生・再発防止の指針を整備することとされている   保険者(指定権者)
研修の実施 従業者に対して定期的に研修を実施することとされている   保険者(指定権者)
担当者の設置 措置を適切に実施するための担当者を置くこととされている   保険者(指定権者)
体制に関する届出の区分 実施の有無に応じた区分で届け出る取扱いが資料に記載されている   保険者(指定権者)
減算の適用範囲 居宅療養管理指導、特定福祉用具販売を除く旨が備考に示されている資料がある   保険者(指定権者)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。体制に関する届出の区分や、変更届の要否・期限・様式については、保険者(指定権者)の担当課にご確認ください。

7. 1年間の運用と、手元に残す記録

虐待防止の書類が薄くなるのは、たいてい「年度はじめに作って、そのまま1年触らない」からです。逆に言えば、いつ何をするかを月割りで決めてしまえば、記録は自然に溜まります。下表は、委員会・研修・点検の3つを1年に配置した型です。回数は保険者の運用に合わせて記入欄で調整してください。

7-1. 年間の流れ

やること その月に残る記録 実施日(記入欄) 担当(記入欄)
4月 指針の読み合わせ、年間研修計画の決定、担当者の指名の確認、運営規程との整合の確認 委員会議事録(第1回)、年間研修計画、担当者の指名が分かる文書    
5月 気づきの用紙の様式と提出先の周知、掲示物の点検(指針の備え置きの掲示を含む) 周知記録、掲示物の点検表    
6月 第1回研修の実施(指針・5類型・成年後見制度・通報の手順) 研修実施記録、参加者名簿、使用資料、確認テスト    
7月 委員会(第2回)。気づきの用紙の集計と事例検討 委員会議事録(第2回)、周知記録    
8月 決定事項の試行と経過の記録 試行の記録(勤務表・提供記録の写し)    
9月 委員会(第3回)。第2回研修の企画。合同開催の場合は議題を分ける 委員会議事録(第3回)、研修プログラム    
10月 第2回研修の実施(事例の振り返り・通報の様式の記入演習) 研修実施記録、参加者名簿、使用資料、演習の記入物    
11月 未受講者への伝達の完了確認 伝達記録、受講状況一覧    
12月 相談記録・苦情記録の棚卸し 相談記録一覧、苦情受付書・苦情解決記録    
1月 指針の各条と記録の突き合わせ(記録が無い条の理由を確認) 点検表    
2月 次年度の年間研修計画(案)の作成 年間研修計画(案)    
3月 委員会(第4回)。指針の見直し、運営規程との整合、次年度計画の決定 委員会議事録(第4回)、改定後の指針、配付簿    
随時 新規採用者への研修(中途採用を含む) 新規採用時研修 実施記録、入職時チェックリスト    
随時 事案を覚知したときの記録と通報 通報記録、臨時委員会の議事録、再発防止の記録    

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

7-2. 手元に残す記録の一覧

# 記録の名称 作る頻度 保管場所(記入欄) 最終更新日(記入欄) 次回予定(記入欄)
1 虐待の防止のための指針(本体) 制定・改定のつど      
2 指針 別紙第1(担当者の氏名・職名) 変更のつど      
3 指針の改定履歴 改定のつど      
4 虐待防止委員会 議事録 開催のつど      
5 委員会の周知記録(時期・方法・対象者・内容) 開催のつど      
6 年間研修計画 年度ごと      
7 研修プログラム(指針にひもづくもの) 年度ごと      
8 研修 実施記録(定期) 実施のつど      
9 研修 実施記録(新規採用時) 採用のつど      
10 参加者名簿・受講状況一覧 実施のつど      
11 使用した研修資料(実物) 実施のつど      
12 理解度の確認(確認テスト・演習の記入物) 実施のつど      
13 欠席者への伝達記録 該当のつど      
14 担当者の指名が分かる文書(指名書・辞令の写し) 指名・変更のつど      
15 気づきの用紙(不適切な言動の把握) 随時      
16 相談記録(従業者からの相談・報告) 随時      
17 苦情受付書・苦情解決記録 随時      
18 通報記録(覚知・確認した事実・報告・通報) 随時      
19 市町村の事実確認への対応記録 随時      
20 再発防止の決定と実施状況の記録 随時      
21 運営規程(虐待の防止のための措置に関する事項) 変更のつど      
22 重要事項説明書(相談窓口・苦情の申出先) 変更のつど      
23 掲示物の点検表(指針の備え置きの掲示を含む) 年1回以上      
24 成年後見制度に関する情報提供・連携の記録(支援経過) 該当のつど      
25 入職時チェックリスト(4つの研修の実施欄を含む) 採用のつど      

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

7-3. 保険者(指定権者)に確認する項目

本ページでは断定していない事項です。事業所の所在地の保険者が公表している資料と担当課の指示をご確認のうえ、記入欄に控えておくと、次の運営指導のときに探し直さずに済みます。

# 確認する項目 確認した内容(記入欄) 確認先・担当課(記入欄) 確認日(記入欄)
1 虐待防止委員会の開催頻度の取扱い      
2 虐待の防止のための研修の年間実施回数      
3 新規採用時研修の実施時期の目安      
4 他の委員会と合同で開催する場合の記録の求め方      
5 指針に記載を求められる項目(自治体の様式・例示の有無)      
6 記録の保存期間と起算日(条例の定め)      
7 運営規程を変更したときの届出の要否・期限・様式      
8 体制に関する届出の区分の取扱い      
9 通報の窓口(担当課の名称・電話番号・夜間休日の連絡先)      
10 市町村が公表している虐待防止の手引き・様式の有無      
11 成年後見制度に関する相談窓口(担当課・地域包括支援センター)      
12 改善計画・改善報告書の提出時期と様式      

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

最後にもう一度だけ。虐待に当たるかどうかを決めるのは市町村です。事業所の記録に求められているのは判断ではなく、見た事実と、その時刻と、報告と通報の事実と、その時刻です。指針・委員会記録・研修記録の3つは、その4つを迷わず書ける状態を、日ごろから用意しておくための書類だと考えると、書く中身が決まります。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

運営会社について お問い合わせ

介護のマナ|無料相談・デモ
気になったら、まず15分。担当が日程を確保してご案内します。
無料で相談・デモを予約資料を見る
補助金ナビ / 無料
ICT・DX導入に使える補助金・助成金を探せます。
ICT・DX導入の補助金を探す →
新着の補助金をメールで受け取る(無料)

最近の記事

「神マナ(介護のマナ)」は株式会社ライフシフトのサービスです

神マナはカイポケ(株式会社エス・エム・エス)と連携しますが、別のツールです無料体験期間・ご契約・料金・使い方など神マナに関するお問い合わせは、カイポケではなく株式会社ライフシフトへお願いいたします。

お電話 098-914-4339(平日 9:00〜17:00)/メール info@lifeshift-inc.comお問い合わせ