公開:2026年11月9日/出典:中央社会保険医療協議会 総会 総-1 個別改定項目について・厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 3. 急性期・高度急性期入院医療」「16. 経過措置」
要点(3行)
- 令和8年度診療報酬改定で、病棟の急性期の患者割合ではなく、救急搬送の受入や手術など「病院の急性期機能」に着目した急性期病院一般入院基本料が新設されました。
- 急性期病院A一般入院料は1,930点、急性期病院B一般入院料は1,643点です。Aは救急搬送2,000件以上かつ全身麻酔手術1,200件以上(いずれも年間)、Bは4つの実績のいずれか、が施設基準に書かれています。
- 経過措置として、介護保険施設に入所中の患者の救急搬送も含めた搬送件数の算入(令和9年3月31日まで)、自宅等に退院するものの割合の従前の例(令和9年5月31日まで)などが示されています。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 資料 | 総-1 Ⅱ-1-1(患者のニーズ、病院の機能・特性、地域医療構想を踏まえた医療提供体制の整備)と、厚生労働省の説明資料「3. 急性期・高度急性期入院医療」「16. 経過措置」 |
| 新設の考え方 | 地域で病院が果たしている救急搬送の受入や手術等の急性期機能に着目し、地域ごとの急性期の病院機能を確保する観点から、病院の機能に着目した急性期病院一般入院基本料を新設 |
| 点数 | 急性期病院A一般入院料 1,930点/急性期病院B一般入院料 1,643点。精神病棟にも急性期病院A・B精神病棟入院料(例:Aの10対1入院基本料 1,519点)を新設 |
| あわせて新設 | 急性期病院B一般入院料と急性期一般入院料4の病棟には、看護職員と他の医療職種が協働する体制を評価する看護・多職種協働加算が設けられた(別の記事で整理) |
| 必要度の見直し | 重症度、医療・看護必要度の該当患者割合に「救急搬送応需係数」(病床当たり年間救急搬送受入件数×0.005)を加えた該当患者割合指数に見直す |
A・Bの主な施設基準
| 区分 | 資料に書かれていること(短く) |
|---|---|
| 共通 | データ提供加算に係る届出を行っている/DPC対象病院である/地域包括医療病棟の届出を行っていない。介護保険施設等からの救急搬送について、入院加療が必要な場合には、協力医療機関に情報提供を行うことが望ましい |
| 急性期病院A | 入院を要する(第二次)救急医療体制・救命救急センター等の設置、又は24時間の救急患者の受入れ/地域包括ケア病棟入院料の届出を行っていない/画像診断及び検査を24時間実施できる体制/救急搬送件数が年間で2,000件以上(夜間時間帯の受入が1割以上)かつ全身麻酔による手術件数が年間で1,200件以上 |
| 急性期病院B | 第二次救急医療機関・救急病院又は24時間の救急患者の受入れ/実績は次のいずれか:救急搬送件数が年間で1,500件以上、救急搬送500件以上かつ全身麻酔手術500件以上、人口20万人未満の二次医療圏で救急搬送件数が最大かつ年間で1,000件以上、離島からなる二次医療圏で救急搬送件数が最大/夜間時間帯(22時から翌朝8時まで)の受入が1割以上 |
| 看護職員配置など | Aは7対1以上(7割以上が看護師)・平均在院日数16日以内・在宅復帰・病床機能連携率8割以上。Bは10対1以上(7割以上が看護師)・平均在院日数21日以内 |
経過措置(説明資料「16. 経過措置」から)
| 期間 | 内容(短く) |
|---|---|
| 令和8年9月30日まで | 令和8年3月31日に現に急性期一般入院料1の届出を行い、旧算定方法の重症度、医療・看護必要度の基準を満たす病棟は、急性期病院一般入院基本料の必要度の基準を満たすものとみなす |
| 令和9年3月31日まで | 介護保険施設に入所中の患者の救急搬送は搬送件数に算入しないということにかかわらず、全ての救急用の自動車又は救急医療用ヘリコプターによる前年度の搬送件数を算入できる |
| 令和9年3月31日まで | 夜間時間帯の救急搬送件数の実績の年間の記録がない医療機関は、届出前直近1ヶ月の実績により届け出ることで差し支えない |
| 令和9年5月31日まで | 令和8年3月31日時点で急性期一般入院料1などの届出を行っている病棟は、自宅等に退院するものの割合の計算について、なお従前の例によることができる |
| 当分の間 | 令和8年3月31日に現に地域包括医療病棟入院料(Aでは地域包括ケア病棟入院料等も)の届出を行っている保険医療機関は、それらを届け出ていないこととする要件に該当するものとみなす |
| 令和10年3月31日 | 令和8年5月31日までに実施した全身麻酔による手術件数の実績は、改定前の点数表の「L008」の閉鎖循環式全身麻酔による手術件数の実績により届け出ることで差し支えない |
説明資料の各ページには、経過措置は今後変わることがあるので、最新の告示・通知と「施設基準届出チェックリスト」も参照するように、と書かれています。
一次資料:中医協 総-1 個別改定項目について(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定 3. 急性期・高度急性期入院医療(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定 16. 経過措置(PDF・厚生労働省)
病院・クリニックで確かめること
- 貴院の前年度の救急搬送件数・夜間時間帯(22時から翌朝8時まで)の受入件数・全身麻酔による手術件数を、施設基準の定めの数え方で数えた記録があるかをご確認ください。数え方は基本診療料の施設基準通知の定めによります。
- 介護保険施設からの救急搬送を件数に入れる扱いは、令和9年3月31日までの経過措置です。その後の数え方を、地域連携室と救急外来の記録の付け方とあわせてご確認ください。
- 共通の施設基準に、介護保険施設等からの救急搬送で入院が必要な場合に協力医療機関へ情報提供を行うことが望ましい、とあります。協力医療機関や施設との連絡の窓口を、地域連携室で整理しておくと動きやすくなります。
- 経過措置の期限が項目ごとに違います。届出の担当の方が、期限の一覧を院内で共有しておくと、更新の届出を忘れにくくなります。
関係する記事
- 看護・多職種協働加算が新設|病棟で多職種が協働
- 急性期総合体制加算が新設|経過措置は令和9年5月末
- 協力医療機関のカンファレンス要件|診療報酬側の見直し
- 令和8年度診療報酬改定の答申|在宅医療・訪問看護の項目
書き方・要件の記事 神マナでできることこの記事に関係するページ
書類づくりの文例を、LINEでお届けしています
公式LINEで、サービス別の文例集(PDF)と書き方のコツ(週1回)をお送りしています。売り込みはしません・いつでも解除できます。
更新履歴:初版。経過措置や疑義解釈に新しい案内が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






