公開:2026年11月8日/出典:厚生労働省 保険局長通知 保発0930第2号・保険局医療課長等通知 保医発0930第8号
要点(3行)
- 令和8年9月30日、一部保険外療養(OTC医薬品との代替性が特に高い医療用医薬品)の令和9年3月1日施行に合わせて、領収証・明細書の交付の通知(保発0930第2号)と「診療報酬請求書等の記載要領等について」の一部改正(保医発0930第8号)が出ました。
- 院内で対象医薬品を一部保険外療養として処方したときは、レセプトの「投薬」欄で医薬品名の後に「(類)」を書き、一部保険外療養に係る額を除いた薬価で点数を出します。
- 対象外として保険給付するときは、摘要欄の記載事項一覧(医科613番)の理由から1つを書きます。18歳年度末までの方・入院時の処方は理由の記載がいりません。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 出したところ・日付 | 厚生労働省保険局長(保発0930第2号)、保険局医療課長・歯科医療管理官(保医発0930第8号)。どちらも令和8年9月30日 |
| きっかけ | 令和8年厚生労働省告示第360号が告示され、一部保険外療養が令和9年3月1日から施行されることとされたこと |
| 領収証・明細書の通知 | 令和8年3月5日の保発0305第18号(旧通知)の一部を変え、令和9年3月1日から適用。旧通知は令和9年2月28日限りで廃止 |
| 記載要領の改正 | 医科・歯科・調剤のレセプトの記載方法と、別紙2「診療録等の記載上の注意事項」第5の7の(8)(処方箋の記載)に、一部保険外療養の書き方を加える。令和9年3月1日から適用 |
| 告示名の手当て | 「厚生労働大臣の定める評価療養、患者申出療養及び選定療養」の告示名が「評価療養、患者申出療養、選定療養及び一部保険外療養」になったことに合わせて、記載要領の中の告示名を直す |
| 摘要欄の一覧 | 別表1「摘要」欄への記載事項等一覧の(医科)613番・(歯科)192番に、一部保険外療養に関する取扱いを加える |
レセプトの書き方(医科の記載要領から)
| 場面 | 記載要領に書かれていること |
|---|---|
| 院内で対象医薬品を一部保険外療養として処方した(特別の料金の対象とする) | 処方箋を交付する場合を除き、「投薬」欄で当該対象医薬品名の後に「(類)」を書く。所定単位につき、一部保険外療養に係る額を除いた薬価を用いて算出した点数を書く。記載例は「●●●錠(類) 1錠」 |
| 対象医薬品を一部保険外療養の対象とせずに処方した | その理由を、別表Ⅰの項目を参照して「その他」欄に書く |
| 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの方・入院時の処方 | 一部保険外療養の対象とはならないが、理由の記載はいらない |
| 処方箋 | 対象医薬品を処方する場合、「一部保険外療養」欄に、特別の料金の対象なら「○」、対象外なら「―」を書く |
対象とせずに保険給付する理由(医科613番の一覧)
該当する理由が複数あるときは、いずれか1つを書けばよいとされています。
| 番号 | 理由(一覧の言葉) |
|---|---|
| ① | がん又はがん治療に関連して生じた状態への対応に処方する |
| ② | 指定難病若しくは小児慢性特定疾病(18歳から20歳までの者に限る)又はこれらに関連して生じた状態に使用する |
| ③ | 国の公費負担医療において処方する |
| ④ | 侵襲を伴う検査、処置又は手術に伴い処方する(当該検査等後、14日以内分の処方又は調剤に限る) |
| ⑤ | 医師が年間を通じた症状の持続と治療の継続性を確認し、長期の使用が医療上必要と認めた処方 |
| ⑥ | 類似の要指導医薬品又は一般用医薬品で承認されている効能・効果では対応できない状態への処方 |
| ⑦ | 妊婦、妊娠しているかもしれない方又は授乳婦が、代替性が特に高い要指導医薬品又は一般用医薬品を服用できない場合の処方 |
一覧には、理由ごとのレセプト電算処理システム用コードも並んでいます。
明細書の交付で、通知に並んでいること
| 項目 | 保発0930第2号に書かれていること |
|---|---|
| 領収証の様式 | 医科は点数表の各部単位で金額の内訳が分かるもの(別紙様式1が標準)。保険外負担の欄は「評価療養・選定療養・一部保険外療養等」 |
| 明細書の無償交付 | レセプト電子請求が義務付けられた保険医療機関(正当な理由を有する診療所を除く)は、領収証を交付するときに明細書を無償で交付する。公費負担医療などで一部負担金等の支払いがない患者にも無償で発行する |
| 院内掲示 | 明細書を発行する旨を院内掲示等で示し、会計窓口に、交付を希望しない場合は事前に申し出るよう掲示する(別紙様式7を参考)。院内掲示する事項は、原則としてウェブサイトにも掲載する(自ら管理するホームページ等がない場合を除く) |
| 「正当な理由」の診療所 | 明細書発行機能のないレセプトコンピュータを使っている、自動入金機の改修が必要、のどちらか。院内掲示と地方厚生(支)局長への届出が必要で、毎年8月1日現在の状況を報告する。「正当な理由」は令和10年以降の標準型レセプトコンピュータ提供が実施される時期を目途に廃止する予定と書かれている |
| 費用を取る場合 | 実費相当など社会的に妥当適切な範囲とし、例えば1,000円を超えるような額は実費相当としてふさわしくない、とされている |
| DPC | 診断群分類点数について明細書を求められたときは、入院中に使用された医薬品・行われた検査の名称を付記することが原則(別紙様式6を参考) |
一次資料:保発0930第2号 医療費の内容の分かる領収証及び個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書の交付について(PDF・厚生労働省)/保医発0930第8号「診療報酬請求書等の記載要領等について」の一部改正について(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定について(通知等の一覧・厚生労働省)
病院・クリニックで確かめること
- レセプトの「(類)」の記載、一部保険外療養に係る額を除いた薬価での点数計算、摘要欄613番の理由の選び方が、お使いのレセプトコンピュータ・電子カルテで令和9年3月1日に間に合うかを、メーカーの案内でご確認ください。
- 院内処方と院外処方で書く場所が違います(院内はレセプトの「投薬」欄、院外は処方箋の「一部保険外療養」欄)。医事課と診療科で、どちらの流れになるかを分けて確かめておくと迷いません。
- 対象外の理由(①〜⑦)は、医師が確認する項目です。理由を誰がどこに記録し、医事課へどう渡すかを院内で決めておくと、請求のときに慌てずにすみます。対象医薬品と対象外となる効能・効果の一覧は、国の公表をご確認ください。
- 領収証の様式(保険外負担の欄の名前)が変わります。明細書の院内掲示・ウェブサイト掲載の内容も、この機会に通知の別紙様式と見比べてください。
- 「正当な理由」の届出をしている診療所は、毎年8月1日現在の状況の報告をご確認ください。
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更新履歴:初版。対象医薬品の一覧や疑義解釈が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






