公開:2026年11月9日/出典:中央社会保険医療協議会 総会 総-1 個別改定項目について・厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 4. 包括期・慢性期入院医療」
要点(3行)
- 令和8年度診療報酬改定で、地域包括医療病棟入院料が、同じ病院に一般病棟入院基本料の病棟があるかどうか(入院料1・2)と、入院の形(緊急入院か予定入院か・手術の有無)で分かれる形に見直されました。
- 高齢者の中等症までの救急疾患等の幅広い受入を推進する観点から、平均在院日数・ADLが低下した患者の割合・重症度、医療・看護必要度の基準が、85歳以上の患者の割合なども踏まえて見直されています。
- 高齢者救急・在宅医療・介護保険施設の後方支援を更に充実させる観点から、200床未満の地域包括医療病棟・地域包括ケア病棟で算定する「包括期充実体制加算」(1日につき80点)が新設されました。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 資料 | 総-1 Ⅱ-1-1-⑨「地域包括医療病棟の見直し」、Ⅱ-2-1(在宅療養患者や介護保険施設等入所者の後方支援を担う医療機関の評価)と、厚生労働省の説明資料「4. 包括期・慢性期入院医療」 |
| 入院料の分け方 | 誤嚥性肺炎や尿路感染症の医療資源投入量その他の特徴を踏まえ、入院形態(予定入院/緊急入院)や手術の実施状況に応じて患者により異なる入院料を設定する。包括期の病棟のみで患者の診療を行う場合の救急受入等の負担を考慮し、急性期病棟の併設がない場合について更に評価する |
| 入院料1・2 | 同一病院内のA100一般病棟入院基本料算定病棟の有無に応じて、医療機関ごとに届け出る。入院料1はA100算定病棟なし、入院料2はA100算定病棟あり |
| 入院料1〜3(患者ごと) | 入院料1:緊急入院で、主傷病に対して手術を行わないもの/入院料2:入院料1にも3にも該当しないもの/入院料3:予定入院で、主傷病に対して手術を行うもの |
今まで/これから(点数・1日につき)
| 区分 | 現行 | 地域包括医療病棟入院料1(A100なし) | 地域包括医療病棟入院料2(A100あり) |
|---|---|---|---|
| 入院料1(緊急入院・手術なし) | 3,050点 | 3,367点 | 3,316点 |
| 入院料2 | 3,267点 | 3,216点 | |
| 入院料3(予定入院・手術あり) | 3,117点 | 3,066点 |
施設基準の見直し(説明資料から)
| 項目 | 改定前 | 改定後 |
|---|---|---|
| 平均在院日数 | 21日 | 20日を原則として、85歳以上の患者の割合が2割を増すごとに+1日(85歳以上が2割以上なら21日、4割以上なら22日、6割以上なら23日) |
| ADLが低下した患者の割合 | 5%未満 | 7%未満(85歳以上の患者の割合が2割未満の場合には5%) |
| 重症度、医療・看護必要度 | 必要度Ⅰ 16%/必要度Ⅱ 15% | 基準該当患者割合に係る指数(該当患者割合+救急搬送応需係数)として必要度Ⅰ 19%/必要度Ⅱ 18% |
| リハビリテーション・栄養・口腔連携加算 | 80点 | 加算1 110点・施設基準を緩和した加算2 50点(1日につき) |
在宅復帰率80%以上、救急搬送後の患者の割合15%以上などの項目は、表では変更のない項目として並んでいます。
包括期充実体制加算(新設)
| 項目 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 点数 | 1日につき80点。入院した日から起算して14日を限度 |
| 病院の条件 | 許可病床数が200床未満(人口の少ない地域は280床未満)/地域包括医療病棟入院料又は地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟を有する/急性期病院一般入院基本料及び急性期一般入院基本料を算定する病棟を有しない/協力対象施設入所者入院加算・入退院支援加算1の届出 |
| 施設後方支援の体制 | 原則3以上の施設の協力医療機関になること(近隣<半径10km以内>に協力医療機関を定めていない施設がない場合を除く) |
| 後方支援の実績 | 自宅等からの緊急入院が直近3か月で15件以上、かつ、在宅患者緊急入院診療加算1〜3が直近1年で12回以上又は協力対象施設入所者入院加算1・2が直近1年で4回以上 |
| 救急医療・入退院支援の実績 | 救急搬送及び下り搬送からの入院が全入院患者の8%以上/退院時共同指導料2と介護支援等連携指導料2の算定回数が直近3か月で合わせて3回以上 |
地域包括ケア病棟の在宅患者支援病床初期加算も、対象が「救急搬送された患者」から「緊急入院した患者」に広がりました(例:介護老人保健施設から緊急入院した患者 590点)。
一次資料:中医協 総-1 個別改定項目について(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定 4. 包括期・慢性期入院医療(PDF・厚生労働省)
病院・クリニックで確かめること
- 入院料1〜3は患者ごとに入院の形と主傷病の手術の有無で決まります。入院時に「緊急入院か予定入院か」を記録する方法を、病棟と医事課で揃えておくと、請求のときに迷いません。細かな定めは算定告示と留意事項通知でご確認ください。
- 平均在院日数とADL低下割合の基準は、85歳以上の患者の割合で変わります。貴院の病棟の85歳以上の割合を、施設基準通知の数え方で出せるかをご確認ください。
- 包括期充実体制加算は、協力医療機関になっている施設の数と、緊急入院・下り搬送などの実績が要件です。地域連携室で、協力医療機関の届出をしている施設の一覧と、介護支援等連携指導料2の算定状況を見ておくと整理しやすくなります。
- 経過措置がある項目には説明資料に印が付いています。期限は厚生労働省の「16. 経過措置」の資料と、最新の告示・通知でご確認ください。
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更新履歴:初版。疑義解釈や経過措置に新しい案内が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






