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業務継続計画(BCP)と研修・訓練の記録の書き方|サービス種別38の比較表と記入例73例

業務継続計画(BCP)は、様式が国から一枚も配られていない書類です。ひな形は各所に出回っていますが、ひな形のまま出すと「自事業所の計画ではない」と読まれるという、他の帳票には無い性質を持っています。金沢市の集団指導資料には、施設防災計画について「計画が石川県の作成指針、本社のマニュアル、他事業者や他団体のホームページからダウンロードしたマニュアル等をそのまま活用したものになっていませんか?」という問いかけが置かれています。参考資料を使うこと自体が否定されているのではなく、利用者の特性と周辺地域の環境が計画に現れているかを見られている、ということです。

もうひとつ、BCPには「計画を作った日で終わらない」という性質があります。厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(介護保険施設等運営指導マニュアル)の「業務継続計画の策定等」の確認項目は、計画の存在だけを聞いていません。策定・周知・研修・訓練・見直しの5つを聞いています。そして確認文書として挙げられているのは、業務継続計画そのものと、研修及び訓練計画、実施記録の2つです。つまりBCPという帳票は、計画本体と記録が対になってはじめて成立します。

本ページは、別添1の全38サービスの節から「業務継続計画の策定等」の記載を横断的に集め、サービス種別38の比較表を作ったうえで、感染症編と自然災害編それぞれの記載項目ごとの完成文訓練の記録・研修の記録・見直しの記録の完成文を、そのまま貼れる形で合計73例掲載しています。悪い例と良い例の対比は30組、公表されている運営指導の指摘事例は出典自治体名つきで14件を収めました。

なお、研修・訓練の実施回数、記録の様式、見直しの間隔、要配慮者利用施設としての取扱いは、保険者(指定権者)および所管の消防機関により運用が異なります。本ページでは可否や充足の判定を示さず、「基準や公表資料に書かれている定め/貴事業所の状況(記入欄)/保険者にご確認ください」という対照表の形にしています。

1. この帳票が求められる根拠と、隣にある4つの計画との違い

BCPが求められる根拠は、各サービスの運営基準(指定基準の省令)に置かれた「業務継続計画の策定等」の条です。条番号はサービス種別ごとに違い、たとえば訪問介護では第30条の2、居宅介護支援では第19条の2、介護老人福祉施設では第24条の2、地域密着型サービスでは第3条の30という具合に散らばっています。別添1では、この条を根拠として次の確認項目が置かれています。

1-1. 別添1の「業務継続計画の策定等」に書かれている確認項目と確認文書

別添1に書かれている確認項目 その項目が実際に聞いていること 別添1に挙げられた確認文書 貴事業所の状況(記入欄)
感染症、非常災害発生時のサービスの継続実施及び早期の業務再開の計画(業務継続計画)の策定及び必要な措置を講じているか 計画が2本(感染症・非常災害)あるか。計画に沿った措置が実際に取られているか 業務継続計画 感染症編 策定日(  年 月 日)/自然災害編 策定日(  年 月 日)
従業者(訪問介護では訪問介護員等、介護予防支援では担当職員)に対する計画の周知を実施しているか 計画が管理者の引き出しの中で完結していないか。全員が自分の役割を言えるか 研修及び訓練計画、実施記録 直近の周知日(  年 月 日)/周知方法(      )/対象者(  名中  名)
研修及び訓練を実施しているか 研修(座学・知識)と訓練(動作・シミュレーション)が別々に行われ、それぞれ記録されているか 研修及び訓練計画、実施記録 直近の研修日(  年 月 日)/直近の訓練日(  年 月 日)
計画の見直しを行っているか 訓練の結果や組織の変更が、計画本体の改訂として現れているか 業務継続計画/研修及び訓練計画、実施記録 最終改訂日(  年 月 日)/改訂の版(第  版)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

1-2. BCPと混同されやすい4つの計画

現場で最も多い取り違えは、BCPと防災マニュアルの混同、そして感染症BCPと感染対策委員会資料の混同です。東京都の令和7年度集団指導資料(通所リハビリテーション)の主な指摘事例には「業務継続計画を感染症・災害のいずれのみしか作成していない」「感染症の業務継続計画と、その他の感染症対策資料とを混同している」が挙げられ、感染対策委員会資料や感染症関連の研修資料は業務継続計画とは別のものであり、必ず個別に作成するよう記載されています。宇都宮市の資料には「非常災害計画と水防法等に基づく避難確保計画の認識に誤りがある」という指導事例が置かれ、消防計画(消防法)・非常災害計画(介護保険法)・避難確保計画(水防法、土砂災害防止法)の関係を整理した表が掲載されています。

計画の名前 何に基づく計画か その計画が答えている問い 別添1で確認文書として挙がる場面 貴事業所の状況(記入欄)
業務継続計画(感染症編) 各サービスの運営基準の「業務継続計画の策定等」 感染者が出ても、サービスを止めずに、あるいは早く再開するにはどうするか 「業務継続計画の策定等」の確認文書=業務継続計画 有・無/策定日(  年 月 日)
業務継続計画(自然災害編) 同上 被災してライフラインが止まっても、優先する業務をどう続けるか 同上 有・無/策定日(  年 月 日)
非常災害に関する具体的計画(消防計画を含む) 各サービスの運営基準の「非常災害対策」(訪問系・福祉用具・居宅介護支援には別添1に項が置かれていない) 火災・風水害・地震が起きた瞬間、どう通報し、どう避難させるか 「非常災害対策」の確認文書=非常災害時対応マニュアル(対応計画)、運営規程、避難・救出等訓練の記録、通報、連絡体制、消防署への届出 有・無/最終更新日(  年 月 日)
避難確保計画 水防法・土砂災害防止法(市町村地域防災計画に定められた要配慮者利用施設) 浸水想定区域・土砂災害警戒区域にある場合、いつ、どこへ、どうやって逃がすか 別添1の確認文書としては掲げられていない(自治体資料では非常災害対策と併せて確認された事例が公表されている) 要配慮者利用施設に指定・非該当/確認日(  年 月 日)
感染症の予防及びまん延の防止のための指針 各サービスの運営基準の「衛生管理等」または「感染症の予防及びまん延防止のための措置」 平常時に何をして、発生時に誰が何をするか 「衛生管理等」の確認文書=委員会名簿、委員会の記録、指針、研修の記録及び訓練の記録 有・無/最終更新日(  年 月 日)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この5つは、書かれている紙が違うだけでなく問いが違います。防災マニュアルは「その瞬間どう動くか」、BCPは「そのあと業務をどう回すか」に答えます。避難が終わった翌日、職員が半分しか来られない状態で入浴と食事と服薬をどう配分するか——これはマニュアルではなくBCPが答える問いです。

2. サービス種別38の比較表——同じ「業務継続計画の策定等」が、種別でどう違うか

別添1の全38サービスの節から「業務継続計画の策定等」の記載を並べると、確認項目の文言はほぼ共通で、違いは4か所に集中していることが分かります。①根拠となる条番号、②周知・研修・訓練の対象として書かれた呼称、③その節に「非常災害対策」の項が置かれているかどうか、④感染症対策の委員会の開催間隔として書かれた確認項目です。特に③は決定的で、訪問系・福祉用具・相談支援系の節には「非常災害対策」の項そのものが置かれていません。だからこそ、これらの種別では自然災害への備えがBCPに一本化されます。

2-1. 全38サービスの横断比較

サービス種別 類型 別添1「業務継続計画の策定等」の項 計画を周知し研修・訓練を行う対象として書かれた呼称 別添1に「非常災害対策」の項があるか 感染症関係の項 感染症対策の委員会の開催間隔として書かれた確認項目
訪問介護 訪問系 第30条の2 訪問介護員等 項なし 衛生管理等 第31条 6か月に1回
訪問入浴介護 訪問系 第30条の2 従業者 項なし 衛生管理等 第31条 6か月に1回
訪問看護 訪問系 第30条の2 従業者 項なし 衛生管理等 第31条 6か月に1回
訪問リハビリテーション 訪問系 第30条の2 従業者 項なし 衛生管理等 第31条 6か月に1回
居宅療養管理指導 訪問系 第30条の2 従業者 項なし 衛生管理等 第31条 6か月に1回
定期巡回・臨時対応型訪問介護看護 訪問系 第3条の30 従業者 項なし 衛生管理等 第3条の31 6か月に1回
夜間対応型訪問介護 訪問系 第3条の30 従業者 項なし 衛生管理等 第3条の31 6か月に1回
介護予防訪問入浴介護 訪問系 第53条の2 従業者 項なし 衛生管理等 第53条の3 6か月に1回
介護予防訪問看護 訪問系 第53条の2 従業者 項なし 衛生管理等 第53条の3 6か月に1回
介護予防訪問リハビリテーション 訪問系 第53条の2 従業者 項なし 衛生管理等 第53条の3 6か月に1回
介護予防居宅療養管理指導 訪問系 第53条の2の2 従業者 項なし 衛生管理等 第53条の3 6か月に1回
通所介護 通所系 第30条の2 従業者 第103条 衛生管理等 第104条 6か月に1回
通所リハビリテーション 通所系 第30条の2 従業者 第103条 衛生管理等 第118条 6か月に1回
認知症対応型通所介護 通所系 第3条の30 従業者 第32条 衛生管理等 第33条 6か月に1回
地域密着型通所介護 通所系 第3条の30 従業者 第32条 衛生管理等 第33条 6か月に1回
介護予防通所リハビリテーション 通所系 第53条の2の2 従業者 第120条の4 衛生管理等 第121条 6か月に1回
介護予防認知症対応型通所介護 通所系 第28条の2 従業者 第30条 衛生管理等 第31条 6か月に1回
短期入所生活介護 短期入所系 第30条の2 従業者 第103条 衛生管理等 第104条 6か月に1回
短期入所療養介護 短期入所系 第30条の2 従業者 第103条 衛生管理等 第118条 6か月に1回
介護予防短期入所生活介護 短期入所系 第53条の2 従業者 第120条の4 衛生管理等 第139条の2 6か月に1回
介護予防短期入所療養介護 短期入所系 第53条の2 従業者 第120条の4 衛生管理等 第121条 6か月に1回
特定施設入居者生活介護 入所・入居系 第30条の2 従業者 第103条 衛生管理等 第104条 6か月に1回
介護予防特定施設入居者生活介護 入所・入居系 第53条の2の2 従業者 第120条の4 衛生管理等 第139条の2 6か月に1回
認知症対応型共同生活介護 入所・入居系 第3条の30 従業者 第82条の2 衛生管理等 第33条 6か月に1回
地域密着型特定施設入居者生活介護 入所・入居系 第3条の30 従業者 第32条 衛生管理等 第33条 6か月に1回
介護予防認知症対応型共同生活介護 入所・入居系 第28条の2 従業者 第58条の2 衛生管理等 第31条 6か月に1回
介護老人福祉施設 入所・入居系 第24条の2 従業者 第26条 衛生管理等 第27条 3か月に1回
介護老人保健施設 入所・入居系 第26条の2 従業者 第28条 衛生管理等 第29条 3か月に1回
介護療養型医療施設 入所・入居系 第25条の2 従業者 第27条 衛生管理等 第28条 3か月に1回
介護医療院 入所・入居系 第30条の2 従業者 第32条 衛生管理等 第33条 3か月に1回
地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護 入所・入居系 第3条の30の2 従業者 第32条 衛生管理等 第151条 3か月に1回
小規模多機能型居宅介護 多機能系 第3条の30 従業者 第82条の2 衛生管理等 第33条 6か月に1回
看護小規模多機能型居宅介護 多機能系 第3条の30 従業者 第82条の2 衛生管理等 第33条 6か月に1回
介護予防小規模多機能型居宅介護 多機能系 第28条の2 従業者 第58条の2 衛生管理等 第31条 6か月に1回
福祉用具貸与 福祉用具 第30条の2 従業者 項なし 衛生管理等 第203条 6か月に1回
介護予防福祉用具貸与 福祉用具 第53条の2の2 従業者 項なし 衛生管理等 第273条 6か月に1回
居宅介護支援 相談支援系 第19条の2 従業者 項なし 感染症の予防及びまん延防止のための措置 第21条の2 6か月に1回
介護予防支援 相談支援系 第18条の2 担当職員 項なし 感染症の予防及びまん延防止のための措置 第20条の2 6か月に1回

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この表から読める分岐は3つです。第一に、入所・入居系のうち介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護療養型医療施設・介護医療院・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護の5種別だけ、感染症対策の委員会の開催間隔が「3か月に1回」と書かれています(他の33種別は6か月に1回)。第二に、訪問系11種別・福祉用具2種別・相談支援系2種別の計15種別には「非常災害対策」の項が置かれていません。第三に、周知の対象の呼称が訪問介護では「訪問介護員等」、介護予防支援では「担当職員」となっており、他の36種別は「従業者」です。呼称の違いは些細に見えますが、周知記録の宛先をどう書くかに直結します。

2-2. 記載項目は共通、埋まる中身が種別で変わる

BCPの記載項目そのものは、感染症編・自然災害編とも種別を問わず共通です。変わるのは、その項目に何を書くかです。前提の違いは3つに集約できます——入所系は利用者がその場に居続ける/通所系は送迎と休止の判断が発生する/訪問系は職員が移動する。この3つの前提が、そのまま計画の中身の違いになります。

記載項目 入所・入居系(居続ける前提) 通所系(送迎と休止の判断がある前提) 訪問系(職員が移動する前提) 相談支援系(居宅介護支援・介護予防支援)
目的 入所者の生活の場そのものを維持する。避難先でも生活が続く 在宅生活を支える機能を止めない。休止する場合も在宅側の穴を最小にする 訪問先に行けない場合でも、利用者の安否と最低限の医療・介護を切らさない 担当利用者の安否確認と、サービス調整の機能を維持する
推進体制・主管部門 施設長を統括、フロア/ユニット単位の責任者を置く 管理者を統括、送迎班・フロア班・連絡班に分ける 管理者(サービス提供責任者・所長)を統括、地区ごとの担当を置く 管理者を統括、担当ケアマネジャーごとに利用者を分担
リスクの把握 建物のハザードマップ該当区分、夜間の在館人数、垂直避難の可否 事業所のハザード区分に加え、送迎ルート上の冠水想定・通行止め想定 事業所所在地だけでなく担当地域全域のハザード区分と道路寸断 担当利用者の居住地のハザード区分と、独居・医療依存度の分布
優先業務の選定 食事・排泄・与薬・体位変換など生命維持に直結する介護 まず休止/縮小の判断、次に在宅で困る利用者への代替(安否確認・訪問) 医療依存度の高い利用者への訪問、次に独居・重度の利用者 安否確認、サービス調整、給付管理の期限管理
安否確認の対象 在館者は目視で完結。帰宅困難となった職員と家族の確認が中心 利用者は自宅にいる。送迎中に被災した車両の確認が最優先 訪問中の職員の位置確認と、担当利用者の在宅安否確認が同時並行 担当利用者の安否確認が業務の中心になる
職員の参集基準 震度と時間帯で自動参集。夜勤者の交代が来ない前提の延長シフト 参集より先に「開所するか」の判断基準を置く 参集せず、自宅から直行で担当地区を回る形も定める 参集より通信確保。電話が使えない場合の連絡手段を定める
備蓄品 在館者全員分の飲料水・食料・おむつ・簡易トイレ・医療材料等(何日分かを明記) 滞在中に被災した利用者が一晩留まる可能性を見込んだ数量 訪問車両に積む個人防護具・消毒剤・携帯トイレ・地図 事務所の通信手段と、担当利用者一覧の紙の控え
ライフライン停止時の対応 非常用電源、給水、暖房、医療機器のバックアップまで具体的に 入浴・食事の提供可否の基準を先に決める 事業所機能(記録・連絡)の代替。訪問そのものは電気に依存しない 記録システムが止まった場合の紙運用と、給付管理の代替手順
感染発生時の初動 ゾーニング、居室での隔離、フロア閉鎖の判断 当日の受入停止の判断と、同乗者・同席者の把握 訪問順序の組み替え(感染者を最後に回す)と防護具の追加 訪問による面談を電話に切り替える基準
感染拡大防止体制 保健所との連携、応援職員の受入、濃厚接触者の勤務可否 再開の基準、利用者・家族・居宅介護支援事業所への連絡 訪問先ごとの感染状況の共有と、事業所内での持ち込み防止 サービス事業所の休止情報の集約と、代替サービスの調整
職員が不足した場合 法人内の他施設からの応援、夜勤体制の縮小基準 定員の縮小、提供時間の短縮、送迎便数の削減 訪問回数・時間の短縮、複数名訪問の解除 担当の一時的な振替と、モニタリングの方法変更
他施設・地域との連携 同種施設との相互応援協定、地域住民の避難受入の可否 同一法人・同一地域の通所事業所との利用者の相互受入 同一地域の訪問事業所との訪問の分担 地域の事業所の稼働状況を集約し、保険者へ報告する役割
訓練で想定する場面 夜間に発災し、参集できたのが3名という想定 送迎車が冠水路で立ち往生した想定 訪問先で職員が発熱した想定 担当30名の安否確認を電話不通下で行う想定
記録の残り方 フロア別の対応記録、応援職員の受入記録 休止・再開の判断記録、利用者・家族への連絡記録 訪問可否の判断記録、代替対応(電話での安否確認)の記録 安否確認の一覧と、サービス調整の経過記録

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

2-3. 種別ごとに、訓練で想定する事態を変える

津山市の集団指導資料(令和5年度運営指導における指導・指摘事項)では、非常災害対策として避難訓練について同じ災害の想定が続いている事例が挙げられ、実施後の記録を残していない場合があったとも示されています。想定を毎回同じにすると、訓練は儀式になります。次の表は、種別ごとに想定を変えるための素材です。

類型 感染症編の訓練で想定する事態 自然災害編の訓練で想定する事態 その想定で明らかになりやすい弱点 貴事業所で次に想定する事態(記入欄)
訪問系 訪問先の利用者が発熱し、その日の残り4件の訪問順を組み替える 台風で警報が出て、当日の訪問可否を朝6時に判断する 判断者が不在のときに誰が決めるかが決まっていない (          )
通所系 送迎車の同乗者に陽性者が判明し、同乗した5名と運転職員を追跡する 送迎中に道路が冠水し、車両が事業所にも自宅にも戻れない 同乗者名簿が当日中に出てこない/車両との連絡手段が携帯電話1本 (          )
短期入所系 利用中の方に感染疑いが生じ、居室で隔離しつつ帰宅の可否を判断する 送り出し予定日に交通が寸断され、滞在が3日延びる 延泊時の食料・薬の手当てが計画に無い (          )
入所・入居系 夜間に入所者2名が発熱し、当直1名でゾーニングを開始する 震度6弱が夜間に発生し、参集できた職員が3名にとどまる 夜間の指揮系統と、応援要請の連絡先が机の中にしかない (          )
多機能系 通いの利用者から感染が判明し、宿泊中の利用者への波及を止める 停電により宿泊者の医療機器が使えなくなる 通い・訪問・泊まりで担当が分かれ、情報が1か所に集まらない (          )
相談支援系 担当利用者が入所するサービス事業所で集団感染が起き、代替を調整する 電話が不通の状態で、担当30名の安否を確認する 担当者以外が利用者一覧を出せない/紙の控えが無い (          )
福祉用具 納品・引取に伺う先での感染対策と、用具の消毒手順を確認する 被災により電動ベッドが使えない利用者への代替手段を届ける 在庫と搬送手段が止まったときの優先順位が無い (          )
共通(新規採用時) 入職1週間の職員が、感染疑い発生時の第一報を誰に入れるか 入職1週間の職員が、発災時にどこへ避難させるかを言える 新規採用時の実施が年間計画に組み込まれていない (          )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3. 感染症編の記載項目ごとの完成文16例

感染症に係る業務継続計画の記載項目は、宇都宮市の令和7年度の指導事例資料に「平常時からの備え、初動対応、感染拡大防止体制の確立」として整理されており、福井市の令和7年度集団指導資料にも同旨の整理が置かれています。ここでは総論を加えた4つのまとまりに分け、記載項目ごとに、そのまま貼って事業所名と人数を入れれば成立する完成文を示します。〇〇および( )は貴事業所の内容に置き換える箇所です。

3-1. 総論(目的・基本方針・主管部門)の完成文3例

記載項目 この項目で書くべきこと そのまま貼れる完成文 貴事業所の記入欄
目的 何を守るために計画を作るのか。守る対象を「利用者の生命と生活」まで具体化する 本計画は、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症が事業所内または地域で発生した場合においても、利用者の生命および生活を維持するために必要なサービスの提供を継続し、やむを得ず縮小または休止した場合には可能な限り早期に業務を再開することを目的として策定する。本計画は、〇〇(事業所名)が提供する〇〇(サービス種別)を対象とし、利用者〇名、従業者〇名を適用範囲とする。 対象サービス(    )/利用者( 名)/従業者( 名)
基本方針 判断に迷ったときの優先順位。抽象語だけで終わらせない 本計画は次の3点を基本方針とする。第一に、利用者および従業者の生命と健康を最優先とし、感染の拡大防止を他の業務に優先して行う。第二に、サービスを一律に停止するのではなく、生命の維持に直結する業務を優先業務として選定し、これを継続する。第三に、判断の根拠と経過を記録に残し、保健所および保険者への報告に用いる。判断に迷う場合は、〇〇(管理者の職名)が保健所に助言を求めたうえで決定する。 優先順位の決定者(職名    )/助言を求める先(    )
主管部門・推進体制 誰が統括し、誰が代行するか。役職名だけでなく代行順位まで書く 本計画の主管は〇〇(部署名)とし、統括責任者を〇〇(職名)、その代行を第1順位〇〇(職名)、第2順位〇〇(職名)とする。統括責任者は、感染症の発生時に対策本部を設置し、①保健所等との連絡、②利用者・家族への連絡、③従業者の勤務調整、④物資の調達、⑤記録の管理、の5つの役割を担当者に割り当てる。平常時は〇〇(職名)を感染対策の担当者とし、年1回以上、本計画の内容を点検する。 統括責任者(職名    )/代行第1順位(    )/代行第2順位(    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3-2. 平時からの備え(体制構築・整備、感染防止に向けた取組の実施、備蓄品の確保)の完成文3例

記載項目 この項目で書くべきこと そのまま貼れる完成文 貴事業所の記入欄
体制構築・整備 平常時に置いておく体制と、情報が集まる先。委員会・指針との関係も書く 平常時から、感染症の予防およびまん延の防止のための対策を検討する委員会を設置し、〇か月に1回以上開催して、その結果を従業者に周知する。委員会には〇〇(職名)、〇〇(職名)、〇〇(職名)が出席し、議事録を作成して〇年間保管する。感染症の予防及びまん延の防止のための指針は本計画とは別に整備し、本計画からは参照のみを行う。感染症に関する情報は〇〇(職名)が保健所および自治体の公表資料から週1回収集し、朝礼および〇〇(連絡手段)で全従業者に共有する。 委員会の開催間隔( か月に1回)/議事録の保管年数( 年)/保管場所(   )
感染防止に向けた取組の実施 手指衛生・換気・健康管理・面会・委託業者まで、日々の運用に落ちた形で 従業者は出勤前に体温を測定し、〇〇(記録の名称)に記入する。発熱その他の症状がある場合は出勤せず、〇〇(職名)に電話で報告する。利用者については、〇〇(時刻)に体温および全身状態を確認し、記録に残す。手指衛生は、利用者へのケアの前後、共用部の清掃前後、食事の配膳前に実施する。居室および共用部は〇時間ごとに〇分間の換気を行う。面会および委託業者の立入りについては、〇〇(職名)が受付簿に氏名・所属・体温・入退館時刻を記録する。 健康観察の記録名(    )/換気の間隔( 時間ごと)/受付簿の保管場所(   )
備蓄品の確保 品目・数量・保管場所・補充の担当・点検日まで。「必要数を確保する」で止めない 感染症の発生に備え、個人防護具その他の物資を次のとおり備蓄する。サージカルマスク〇枚、手袋〇組、ガウン〇枚、フェイスシールド〇枚、消毒用アルコール〇本、次亜塩素酸ナトリウム〇本、体温計〇本、ごみ袋〇枚、これらは〇〇(保管場所)に保管する。備蓄量は、事業所の全従業者〇名および利用者〇名が〇日間使用できる量を目安とする。〇〇(職名)が毎月〇日に在庫と使用期限を点検し、〇〇(記録の名称)に記入する。在庫が〇割を下回った場合は〇〇(調達先)に発注する。 保管場所(    )/点検日(毎月 日)/点検者(職名   )/調達先(    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3-3. 初動対応の完成文3例

記載項目 この項目で書くべきこと そのまま貼れる完成文 貴事業所の記入欄
第一報(発生時の報告ルート) 誰が、誰に、何分以内に、どの手段で。夜間・休日の経路も分ける 利用者または従業者に感染症を疑う症状を認めた場合、発見した者は直ちに〇〇(職名)へ口頭または〇〇(連絡手段)で報告する。〇〇(職名)は、報告を受けてから〇分以内に統括責任者へ第一報を入れる。夜間および休日は、当直者が〇〇(電話番号を記載した連絡網の名称)に従い、統括責任者に直接連絡する。第一報では、①症状のある者の氏名と居室(担当地域)、②症状と発症時刻、③直近の接触者、④現在の対応、の4点を伝え、〇〇(記録の名称)に記入する。 第一報の宛先(職名   )/報告の期限( 分以内)/夜間の連絡網(    )
感染疑い者への対応 その人をどこへ移し、誰が付き、どこへ連絡するか 感染を疑う症状のある利用者は、直ちに〇〇(個室・区画の名称)へ移動し、対応する従業者を〇名に固定する。対応者は、サージカルマスク、手袋、ガウン、フェイスシールドを着用し、居室の出入口で着脱する。〇〇(職名)は、協力医療機関である〇〇(医療機関名の記入欄)および保健所に連絡し、受診または検査の指示を受ける。利用者の家族へは〇〇(職名)が同日中に電話で連絡し、経過を〇〇(記録の名称)に記入する。従業者に症状がある場合は出勤を停止し、〇〇(職名)が受診の状況を毎日確認する。 隔離する区画(    )/協力医療機関(    )/保健所(    )
消毒・清掃の実施 対象、薬剤、担当、頻度、記録。廃棄物の扱いまで 感染を疑う事例が生じた場合、〇〇(職名)の指示により、当該利用者の居室および共用部の高頻度接触面(ドアノブ、手すり、スイッチ、テーブル、車いすの握り部分、送迎車の座席と取っ手)を〇〇(消毒薬の名称)で〇時間ごとに清拭する。清掃を担当した者は、日時・場所・使用した薬剤・担当者名を〇〇(記録の名称)に記入する。使用した個人防護具および汚染物は、〇〇(保管場所)で二重に密閉したうえで〇〇(廃棄の方法)により処理する。 消毒薬(    )/清拭の間隔( 時間ごと)/廃棄の方法(    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3-4. 感染拡大防止体制の確立の完成文7例

記載項目 この項目で書くべきこと そのまま貼れる完成文 貴事業所の記入欄
保健所との連携 いつ、誰が、何を相談し、指示をどう記録に落とすか 感染者または感染を疑う者が生じた場合、〇〇(職名)が保健所に連絡し、①検査の対象と方法、②濃厚接触者の範囲、③事業所の運営の継続の可否、④消毒の方法、の4点について助言を求める。保健所から受けた指示は、受けた日時・担当者名・指示の内容を〇〇(記録の名称)に記入し、統括責任者が全従業者に共有する。指示の内容が本計画と異なる場合は、保健所の指示を優先し、その旨と理由を記録に残す。 保健所(    )/記録の名称(    )
濃厚接触者への対応 利用者側と従業者側を分けて、範囲の特定手順から書く 濃厚接触者の範囲は保健所の指示により特定するが、事業所としては、発症前〇日間に当該利用者のケアを担当した従業者、同一の食卓・同一の送迎便を利用した利用者、同室者を暫定的な範囲として直ちに一覧化する。一覧は〇〇(職名)が〇〇(記録の名称)に作成し、健康観察を〇日間、1日〇回行って記録する。濃厚接触者に当たる利用者へのケアは、担当者を固定し、他の利用者へのケアの後に行う。 健康観察の期間( 日間)/回数(1日 回)/一覧の作成者(職名   )
職員の確保 不足したときにどこから人を出すか。連絡先を計画内に置く 従業者が不足した場合、①法人内の他事業所(〇〇、〇〇)からの応援、②〇〇(職能団体・協議会等の記入欄)への応援要請、③保険者への相談、の順に対応する。応援を受ける場合は、〇〇(職名)が、受入日、氏名、所属、従事する業務、感染対策の説明の実施状況を〇〇(記録の名称)に記入する。応援が得られない場合の縮小の基準は、次項の勤務体制の調整による。 応援先1(    )/応援先2(    )/要請の判断者(職名   )
勤務体制・業務の調整 「優先業務」を実名で列挙し、止める業務も書く 従業者が通常の〇割を下回った場合、次の順に業務を縮小する。継続する優先業務は、①与薬および医療的ケア、②食事および水分の提供、③排泄の介助、④安否の確認、とする。縮小または休止する業務は、①行事およびレクリエーション、②入浴(清拭に代替)、③記録の様式のうち法令で求められないもの、④会議(書面開催に代替)とする。縮小を開始した日と再開した日、その判断者を〇〇(記録の名称)に記入する。 縮小開始の基準(通常の 割)/判断者(職名   )
情報共有 誰と誰の間で、何を、どの頻度で。居宅介護支援事業所や他サービスも入れる 感染症の発生時は、統括責任者が1日〇回、①感染者および健康観察の対象者の人数、②出勤可能な従業者の人数、③物資の残数、④保健所の指示の変更、を集約し、〇〇(連絡手段)で全従業者に共有する。担当の居宅介護支援事業所、併設・関連する〇〇(サービス名)、協力医療機関へは〇〇(職名)が連絡を担当し、連絡した日時と相手方を〇〇(記録の名称)に記入する。 共有の回数(1日 回)/連絡担当(職名   )
過重労働・メンタルヘルスへの対応 連続勤務の上限と、相談先。ここが無い計画が多い 感染症への対応が続く期間中は、連続勤務を〇日以内、1日の勤務時間を〇時間以内を目安とし、〇〇(職名)が勤務実績を毎日確認する。上限を超える見込みとなった場合は、応援の要請または業務の縮小により調整する。従業者の相談先として〇〇(産業医・相談窓口等の記入欄)を計画に明記し、休憩および仮眠の場所を〇〇(場所)に確保する。相談および調整の経過は〇〇(記録の名称)に記入する。 連続勤務の上限( 日)/相談先(    )/休憩場所(   )
利用者・家族・地域への情報発信 誰が、何を、どこまで伝えるか。個人が特定されない書き方も定める 利用者および家族への連絡は〇〇(職名)が担当し、①現在の状況、②サービスの提供の変更、③家族に依頼したいこと、④次回の連絡の予定、の4点を伝える。個人が特定される情報は伝えない。連絡の日時、相手方、内容は〇〇(記録の名称)に記入する。地域および関係機関への説明は統括責任者が行い、公表の要否および内容は保健所および保険者に確認したうえで決定する。 連絡の担当(職名   )/公表の判断者(職名   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

4. 自然災害編の記載項目ごとの完成文27例

自然災害に係る業務継続計画の記載項目は、宇都宮市および福井市の資料に「平常時の対応、緊急時の対応、他施設及び地域との連携」として整理されています。ここでは総論を加えた4つのまとまりで示します。自然災害編で最も差が出るのはリスクの把握です。宇都宮市の資料では、非常災害計画が現状に沿った内容となっていない事例、避難訓練を必要な回数実施していない事例が挙げられ、浸水想定区域・土砂災害警戒区域に該当する場合の避難確保計画との関係も整理されています。まず自事業所の立地を確かめるところから始まります。

4-1. 総論(目的・推進体制・リスクの把握・優先業務の選定・研修訓練の実施と検証改善)の完成文5例

記載項目 この項目で書くべきこと そのまま貼れる完成文 貴事業所の記入欄
目的 何をどこまで守るのか。復旧の目標時間まで書けると強い 本計画は、地震、風水害、土砂災害その他の自然災害が発生した場合においても、利用者の生命および生活を維持するために必要なサービスの提供を継続し、やむを得ず中断した場合には、優先業務について〇時間以内、通常業務について〇日以内の再開を目標として策定する。対象とする災害は、〇〇(想定する災害)とし、〇〇(事業所名)の全従業者に適用する。 優先業務の再開目標( 時間以内)/通常業務( 日以内)
推進体制 平常時に計画を回す体制。発災時の指揮系統とは分けて書く 平常時における本計画の推進体制は、〇〇(職名)を責任者とし、〇〇(職名)、〇〇(職名)を構成員とする。推進体制は、①年間の研修および訓練の計画の作成、②訓練の結果の検証、③計画の見直しの提案、④備蓄品の点検の管理、を担う。推進体制の会議は年〇回開催し、議事録を〇〇(保管場所)に保管する。発災時の指揮系統は「緊急時の対応」に定めるものによる。 推進体制の責任者(職名   )/会議の回数(年 回)
リスクの把握 ハザードマップの該当区分、被害想定、要配慮者利用施設に当たるかを実名で 〇〇(自治体名)が公表するハザードマップにより、当事業所の所在地は、洪水浸水想定区域(該当・非該当、想定浸水深〇m)、土砂災害警戒区域(該当・非該当)、津波浸水想定(該当・非該当)を確認した。確認日は〇年〇月〇日、確認者は〇〇(職名)である。市町村地域防災計画に定める要配慮者利用施設に当たるかどうかは〇〇(担当課)に確認し、当たる場合は避難確保計画を作成して報告し、これに定めるところにより避難訓練を行う。想定される被害は、電気〇日、水道〇日、ガス〇日、通信〇日の停止とする。 浸水想定( m)/土砂災害警戒区域(該当・非該当)/確認日( 年 月 日)
優先業務の選定 止められない業務を実名で列挙し、止める業務も同じ表に置く 被災時に継続する優先業務を次のとおり選定する。第1順位は与薬および医療的ケア、第2順位は水分および食事の提供、第3順位は排泄の介助、第4順位は利用者および従業者の安否の確認、第5順位は関係機関への連絡である。一方、行事、レクリエーション、入浴(清拭に代替)、法令で求められない様式の記録、対面での会議は、一時的に中断する。優先業務ごとに、必要な人員数(〇名)、必要な物資、代替手段を別表に定める。 優先業務の第1順位(   )/中断する業務(   )
研修・訓練の実施と、計画の検証・見直し 年間計画の位置づけと、訓練の結果を計画に戻す道筋 本計画に基づく研修および訓練は、年間研修計画に位置付けて実施する。研修は本計画の内容、各自の役割、連絡手段の使い方を対象とし、訓練は想定を毎回変えて実施する。訓練の終了後〇日以内に、推進体制の責任者が、①想定どおりに動けたこと、②動けなかったことと理由、③計画の記述で不足していた箇所、を整理し、計画の改訂案を作成する。改訂の要否と改訂日は〇〇(記録の名称)に記入し、改訂した場合は版数を更新して全従業者に周知する。 訓練後の検証の期限( 日以内)/現在の版数(第 版)

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4-2. 平常時の対応の完成文9例

記載項目 この項目で書くべきこと そのまま貼れる完成文 貴事業所の記入欄
建物・設備の安全対策 点検の対象・頻度・担当。転倒防止と避難経路の確保まで 建物および設備について、〇〇(職名)が毎月〇日に、①家具・什器の転倒防止具の状態、②避難経路上に物が置かれていないこと、③非常口および防火扉の開閉、④窓ガラスの飛散防止、⑤医療機器および冷蔵設備の固定、を点検し、〇〇(記録の名称)に記入する。不具合を認めた場合は、その日のうちに〇〇(職名)へ報告し、修繕の予定日を記録する。 点検日(毎月 日)/点検者(職名   )
電気が止まった場合の対策 非常用電源の有無と稼働時間、優先して電気を回す機器 停電時は、〇〇(非常用電源・蓄電池・発電機の別)を使用する。稼働可能な時間は約〇時間であり、燃料は〇〇(保管場所)に〇日分を備蓄する。電力を優先して供給する機器は、①〇〇(医療機器名)、②冷蔵・冷凍設備、③照明(〇〇の区画)、④通信機器の充電、の順とする。非常用電源が無い場合または稼働時間を超える場合は、〇〇(職名)が〇〇(電力会社・自治体の窓口の記入欄)へ復旧の見込みを確認し、利用者の受入先の調整に移る。 非常用電源(有・無)/稼働時間(約 時間)/燃料の備蓄( 日分)
ガスが止まった場合の対策 調理と入浴の代替。カセットこんろの本数まで ガスの供給が停止した場合、調理は〇〇(カセットこんろ〇台・電気調理器〇台)により行い、ボンベを〇本備蓄する。加熱を要しない備蓄食料により〇日分をまかなう。入浴は中止し、清拭および部分浴に代替する。給湯が停止した場合の手指衛生は、消毒用アルコールおよび使い捨ての清拭材により行う。 こんろの台数( 台)/ボンベ( 本)/備蓄食料( 日分)
水道が止まった場合の対策 飲料水と生活用水を分けて数量を書く。給水の受け方も 断水時に備え、飲料水を1人1日〇リットル、〇日分、合計〇リットルを〇〇(保管場所)に備蓄する。生活用水は、〇〇(貯水槽・浴槽への貯水・雨水等)により確保し、トイレの洗浄および清掃に用いる。給水車による給水を受ける場合の受取場所は〇〇、運搬用の容器は〇〇(数量)を備える。給水の要請は〇〇(職名)が〇〇(担当課の記入欄)に対して行う。 飲料水(1人1日 L× 日分)/給水の受取場所(   )
通信が麻痺した場合の対策 第1・第2・第3の連絡手段を順位で。紙の連絡網の置き場所も 通信の手段は、第1に固定電話、第2に携帯電話、第3に〇〇(無線・災害用伝言サービス・電子メール等)とし、いずれも使用できない場合は、〇〇(職名)が〇〇(参集場所)へ移動して口頭で連絡する。従業者の連絡網および利用者の連絡先の一覧は、電子データのほかに紙の控えを〇〇(保管場所)および〇〇(保管場所)の2か所に保管し、〇か月に1回更新する。 第3の連絡手段(   )/紙の控えの保管場所(   /   )
情報システムが停止した場合の対策 記録・請求・連絡先の3つの代替。バックアップの頻度と保管場所 介護記録および請求に用いる情報システムが停止した場合、記録は〇〇(紙の様式名)に手書きで行い、復旧後に入力する。利用者の基本情報、服薬内容、緊急連絡先、居宅サービス計画の写しは、〇か月に1回、紙に出力して〇〇(保管場所)に保管する。データのバックアップは〇〇(方法)により〇日ごとに取得し、〇〇(保管場所)に保管する。復旧の窓口は〇〇(事業者名・連絡先の記入欄)とする。 紙の様式名(   )/出力の間隔( か月に1回)/バックアップ( 日ごと)
衛生面(トイレ等)の対策 排泄と廃棄物。数量と保管場所を必ず書く 断水または排水設備の停止に備え、簡易トイレ〇回分、凝固剤〇個、防臭袋〇枚、おむつ〇枚、清拭材〇箱を〇〇(保管場所)に備蓄する。使用後の汚物は、〇〇(保管場所)で密閉して一時保管し、〇〇(担当課の記入欄)の指示に従って処理する。感染症の発生と重なった場合は、感染症編の消毒・清掃の手順を併せて適用する。 簡易トイレ( 回分)/一時保管の場所(   )
必要品の備蓄 品目・数量・保管場所・点検日を一つの表にまとめて計画に添付する 備蓄品は、食料(〇日分)、飲料水(〇日分)、医薬品および衛生材料(〇日分)、個人防護具(〇日分)、簡易トイレ(〇回分)、燃料(〇日分)、乾電池(〇本)、懐中電灯(〇本)、携帯ラジオ(〇台)、毛布(〇枚)とし、品目・数量・保管場所・使用期限を別表に一覧化する。〇〇(職名)が毎月〇日に点検し、使用期限が〇か月以内のものは日常の業務で消費して補充する。 点検日(毎月 日)/別表の保管場所(   )
資金手当て 手元資金、通帳・印鑑の保管、支払の遅延時の連絡先 被災直後に必要となる手元の現金を〇〇(金額の記入欄)とし、〇〇(保管場所)に保管し、〇〇(職名)が管理する。通帳、印鑑、契約書類、指定に関する書類の写しは〇〇(保管場所)に保管し、可能な範囲で電子的な控えを別の場所に保管する。給与の支払、取引先への支払が遅延する見込みとなった場合は、〇〇(職名)が金融機関および取引先へ連絡する。災害時の融資および助成の情報は〇〇(職名)が自治体の公表資料により確認する。 手元資金(    )/保管場所(   )/管理者(職名   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

4-3. 緊急時の対応の完成文9例

記載項目 この項目で書くべきこと そのまま貼れる完成文 貴事業所の記入欄
BCPの発動基準 誰が、何を見て、いつ発動するか。自動発動の条件も置く 本計画は、①当事業所の所在地で震度〇以上を観測した場合、②〇〇(自治体名)から避難情報が発令された場合、③停電、断水、通信の途絶のいずれかが〇時間以上継続した場合、のいずれかに当たるときに発動する。発動の判断は統括責任者が行うが、統括責任者と連絡が取れない場合は、代行順位に従い、当直者の判断により自動的に発動したものとして行動する。発動および解除の日時と判断者は〇〇(記録の名称)に記入する。 発動の震度(震度 以上)/継続時間( 時間以上)
行動基準 発災から3時間・24時間・72時間で何をするかを時系列で 発災直後(〜30分)は、身の安全の確保、火気の停止、在館者の人数の確認を行う。30分〜3時間は、負傷者の応急手当、建物の被害の確認、利用者および従業者の安否の確認、優先業務の再開の可否の判断を行う。3〜24時間は、家族および関係機関への連絡、備蓄品の使用の開始、勤務体制の組み直しを行う。24〜72時間は、応援の要請、受入先の調整、復旧の見込みの確認を行う。各段階の担当は〇〇(職名)とし、実施した時刻を〇〇(記録の名称)に記入する。 各段階の担当(職名   )
対応体制・対応拠点 本部をどこに置き、置けない場合どこへ移すか 本計画の発動時は、〇〇(場所)に対策本部を設置する。当該場所が使用できない場合は、第2候補として〇〇(場所)、第3候補として〇〇(場所)に設置する。対策本部は、統括、安否確認、物資、連絡、記録の5つの班で構成し、各班の担当者および代行者を別表に定める。対策本部の設置および移転の日時は〇〇(記録の名称)に記入する。 本部の第1候補(   )/第2候補(   )
安否確認(利用者) 順序・手段・記録。訪問系と通所系は在宅の利用者が対象になる 利用者の安否確認は、①医療的ケアを要する方、②独居の方、③要介護度の高い方、④その他の方、の順に行う。手段は、在館の利用者は目視、在宅の利用者は電話、電話が不通の場合は訪問による。確認の結果は、氏名、確認の時刻、手段、心身の状況、生活上の困りごと、次の対応を〇〇(記録の名称)に一覧で記入する。確認できない方については、家族、居宅介護支援事業所、〇〇(担当課の記入欄)へ連絡し、その経過も記録する。 確認の対象( 名)/一覧の様式名(   )
安否確認(従業者) 誰から誰へ、どの順で。安否だけでなく出勤可否まで聞く 従業者の安否確認は、〇〇(職名)を起点とする連絡網により行う。各自は、①本人の負傷の有無、②家族の状況、③自宅の被害、④出勤の可否と見込みの時刻、の4点を報告する。連絡が取れない者については、〇〇(職名)が緊急連絡先へ連絡する。集約の結果は、発災から〇時間以内に対策本部で一覧化し、勤務体制の組み直しに用いる。 集約の期限( 時間以内)/起点の担当(職名   )
職員の参集基準 誰が、どの条件で、どこへ集まるか。集まらない選択も定める 震度〇以上を観測した場合、勤務時間外であっても、〇〇(対象とする職員の範囲)は連絡を待たずに事業所へ参集する。ただし、本人または家族が負傷している場合、居住する地域に避難情報が発令されている場合、参集の経路が危険な場合は参集せず、安全を確保したうえで〇〇(職名)へ連絡する。参集した者、参集できなかった者、その理由は〇〇(記録の名称)に記入する。 参集の基準(震度 以上)/対象者の範囲(   )
避難場所・避難方法 屋内退避と屋外避難、垂直避難の判断を分けて書く 避難は、①屋内での待機、②建物内の上階への垂直避難、③屋外の避難場所(〇〇)への水平避難、の3つに分け、いずれを選ぶかは、災害の種類、建物の被害、避難情報の内容により統括責任者が判断する。移動を要する利用者〇名のうち、車いす〇名、ストレッチャー〇名、歩行可能〇名であり、移動には従業者〇名を要する。夜間に発生した場合の移動の順序および担当は別表に定める。 避難場所(   )/移動に要する人員( 名)
重要業務の継続 優先業務ごとに、人員・物資・代替手段を対応させる 優先業務は、出勤可能な従業者の数に応じて次のとおり実施する。〇名以上の場合は優先業務のすべてを通常の方法で行う。〇名から〇名の場合は、入浴を清拭に、個別の記録を一覧の記録に代替する。〇名未満の場合は、与薬、水分および食事の提供、排泄の介助、安否の確認に限定し、〇〇(応援先)へ応援を要請する。適用した段階と適用した日時は〇〇(記録の名称)に記入する。 段階の人数( 名/ 名/ 名)
復旧対応 誰が被害を確認し、どこへ報告し、いつ通常運営に戻すか 被害の確認は〇〇(職名)が行い、建物、設備、備品、記録、情報システムの5つに分けて、被害の内容、復旧の見込み、必要な費用を〇〇(記録の名称)に記入する。復旧の状況は〇〇(担当課の記入欄)および保険者へ報告する。通常の運営への復帰は、①優先業務が通常の方法で行えること、②出勤可能な従業者が〇名以上であること、③ライフラインが復旧していること、の3点を満たした時点で統括責任者が判断し、その日時と根拠を記録に残す。 復帰の判断者(職名   )/必要人数( 名以上)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

4-4. 他施設および地域との連携の完成文4例

記載項目 この項目で書くべきこと そのまま貼れる完成文 貴事業所の記入欄
連携体制の構築 相手方を実名で。協定の有無と、無い場合の代替も 被災時に相互に応援を行う相手方として、〇〇(法人内の事業所名)、〇〇(同一地域の同種の事業所名)、〇〇(協議会・連絡会等の名称)を定める。協定書の有無(有・無)、締結日(〇年〇月〇日)、窓口となる職名と連絡先を別表に記載し、〇か月に1回、連絡先の変更の有無を確認する。協定が無い相手方については、平常時の会合の場で応援の可否を確認しておく。 連携先1(   )/連携先2(   )/確認の間隔( か月に1回)
連携先との調整・利用者の受入 受け入れる側と受け入れられる側の両方を書く 当事業所が被災し、サービスの提供を継続できない場合は、〇〇(職名)が連携先および担当の居宅介護支援事業所へ連絡し、利用者〇名の受入先を調整する。逆に、連携先が被災し、当事業所が利用者を受け入れる場合は、受入可能な人数(通常時〇名、夜間〇名)を平常時に見積もっておき、受入時には、氏名、要介護度、医療的ケアの内容、服薬、アレルギー、緊急連絡先を〇〇(記録の名称)により引き継ぐ。受入および送り出しの経過は記録に残し、保険者へ報告する。 受入可能人数(通常 名/夜間 名)/引継ぎの様式名(   )
地域への支援・職員の派遣 出せる人数と条件を先に決めておく 他の事業所または自治体から応援の要請を受けた場合、当事業所の優先業務の継続に支障が生じない範囲で、〇名を上限として従業者を派遣する。派遣の可否は統括責任者が判断し、派遣先、期間、業務の内容、派遣した者の氏名を〇〇(記録の名称)に記入する。派遣中の労務管理および安全の確保の方法をあらかじめ定め、派遣した従業者の勤務時間は通常の勤務と合算して管理する。 派遣の上限( 名)/判断者(職名   )
地域住民の避難場所となる場合の対応 受け入れるかどうかを先に決め、条件を書く 当事業所が地域住民の一時的な避難の場所となる場合に備え、受入の可否(可・不可・条件付き可)、受入可能な人数(〇名)、受け入れる区画(〇〇)、利用者の生活空間と分離する方法、受付および記録の担当(〇〇(職名))をあらかじめ定める。受け入れた場合は、受入の日時、人数、退出の日時を〇〇(記録の名称)に記入し、〇〇(担当課の記入欄)へ報告する。感染症が流行している時期に受け入れる場合は、感染症編の平時からの備えおよび初動対応を併せて適用する。 受入の可否(可・不可・条件付き可)/受入可能人数( 名)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

5. 研修・訓練・見直しの記録の完成文30例

別添1が確認文書として挙げているのは「業務継続計画」と「研修及び訓練計画、実施記録」です。計画と同じ重さで記録が求められているということです。広島市の令和7年度運営指導の指摘事項では、業務継続計画の策定等の項目として「必要な研修及び訓練が実施されていなかった。従業者に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修及び訓練を定期的に実施し、概要がわかるように明確に記録に残すこと。」が例示されています。「概要がわかるように」という言葉が示すのは、日付と署名だけの記録では読み手が中身を追えない、ということです。

また、松山市の資料では、感染症BCPの研修は感染対策研修と、災害BCPの訓練は防災訓練と一体的に実施可能とされ、その場合もそれぞれの内容について実施したことが分かるよう記録するとされています。一体で実施してよいが、記録は分けて読めるようにする——ここが実務の分かれ目です。

5-1. 訓練の記録の6欄——「実施した」で終わらせない

訓練の記録が薄くなる原因はほとんど同じで、「実施した」という結果だけが書かれ、想定・気づき・反映の3つが抜けることです。津山市の資料でも実施後の記録を残していない場合があったことが示されています。次の6欄が揃うと、記録は訓練の証明から、計画を改善した証拠に変わります。

その欄が答える問い そのまま貼れる完成文 貴事業所の記入欄
日時 いつ、どれだけの時間行ったか。時間帯の設定にも意味がある 令和〇年〇月〇日(〇)〇時〇分から〇時〇分まで(〇分間)、夜間帯を想定するため、日勤帯の終業後の時間に設定して実施した。 実施日( 年 月 日)/時間( 時 分〜 時 分)
参加者 誰が出て、誰が出ていないか。欠席者の扱いまで 参加者は、管理者〇〇、〇〇(職種)〇名、〇〇(職種)〇名の合計〇名(従業者〇名中〇名、参加率〇%)。欠席した〇名については、令和〇年〇月〇日に同一の内容を〇〇(職名)が個別に実施し、実施記録に追記した。 参加( 名/ 名)/欠席者への対応日( 年 月 日)
想定した事態 何を仮定したか。前回と変えたことも書く 想定した事態は「〇月〇日〇時、当事業所の所在地で震度〇を観測し、停電および断水が発生。参集できた従業者は〇名、うち〇〇(職種)は〇名」とした。前回(令和〇年〇月)は火災を想定したため、今回は前回と想定を変え、夜間の地震とライフラインの停止を組み合わせた。 今回の想定(   )/前回の想定(   )
実施した内容 何を、どの順で、誰がやったか。動作まで書く 実施した内容は次のとおり。①発災の合図から〇分以内に在館者〇名の人数確認を行った。②連絡網により従業者〇名へ安否確認を発信し、〇分で〇名から返信を得た。③非常用電源を起動し、〇〇(医療機器名)への給電を確認した。④備蓄品のうち飲料水と簡易トイレを保管場所から搬出した。⑤利用者〇名について、上階への垂直避難を〇分で完了した。 各手順の所要時間(① 分/② 分/⑤ 分)
気づいた課題 できなかったこと。原因まで書けると次につながる 気づいた課題は次の3点。①連絡網の電話番号のうち〇件が変更されており連絡が取れなかった(原因=連絡網の更新が〇か月間行われていなかった)。②非常用電源の起動に〇分を要した(原因=起動の手順を知る者が〇名に限られていた)。③備蓄品の保管場所の鍵を管理者しか持っておらず、夜間に搬出できない状態であった。 課題の件数( 件)/最も重い課題(   )
計画への反映 課題をどの記述に、いつまでに、誰が直したか 上記の課題を受け、本計画を次のとおり改訂した。①「通信が麻痺した場合の対策」に、連絡網を〇か月に1回更新することおよび更新の担当者を追記した(改訂日 令和〇年〇月〇日)。②「電気が止まった場合の対策」に、非常用電源の起動の手順書の掲示場所と、起動を行える者を〇名以上とすることを追記した。③備蓄品の保管場所の鍵を〇〇(場所)に複製して保管することとした。改訂後の計画は第〇版とし、令和〇年〇月〇日に全従業者へ周知した。 改訂日( 年 月 日)/版数(第 版)/周知日( 年 月 日)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

5-2. 種別別・訓練の記録の完成文8例

類型と対象 そのまま貼れる訓練記録の完成文(想定・内容・課題・反映を1文書にまとめた形) 貴事業所の記入欄
入所・入居系/感染症編 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分、参加者〇名(従業者〇名中)。想定は「夜間、〇階の入所者2名が発熱し、当直〇名で対応を開始する」。実施内容は、①発見者から当直責任者への第一報を〇分で実施、②居室での隔離と対応者の固定、③個人防護具の着脱の手順の確認(1人あたり〇秒)、④ゾーニングの表示物の掲示、⑤統括責任者および協力医療機関への連絡の模擬実施。課題は、防護具の在庫が〇〇(場所)に集中しており夜間に取り出せないこと、ゾーニングの表示物が未作成であったこと。反映として、防護具を各フロアに〇日分を分散配置することを「備蓄品の確保」に追記し、表示物を作成して〇〇(場所)に保管した(改訂日 令和〇年〇月〇日)。 実施日( 年 月 日)/参加( 名)
入所・入居系/自然災害編 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分、参加者〇名。想定は「夜間に震度〇の地震が発生し、停電と断水が同時に生じ、参集できた職員は〇名」。実施内容は、①在館者〇名の人数確認、②垂直避難の動線の確認(車いす〇名を〇分で移動)、③非常用電源の起動と医療機器への給電、④飲料水と簡易トイレの搬出、⑤連携先〇〇への応援要請の模擬連絡。課題は、避難経路の一部に台車が置かれていたこと、応援要請の窓口の担当者名が古いままであったこと。反映として、避難経路の点検を毎月〇日の設備点検に組み込み、連携先の一覧を更新した(改訂日 令和〇年〇月〇日)。 実施日( 年 月 日)/参加( 名)
通所系/感染症編 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分、参加者〇名。想定は「前日利用された方の陽性が朝〇時に判明し、同乗者〇名と当日の受入の可否を判断する」。実施内容は、①送迎便ごとの同乗者名簿の抽出(所要〇分)、②当日の受入停止の判断と、利用者・家族・担当の居宅介護支援事業所への連絡の分担、③車内および共用部の消毒の手順の確認、④保健所への連絡内容の整理。課題は、同乗者名簿が当日分しか出せず、前日分の抽出に〇分を要したこと。反映として、送迎の記録を〇か月分は即時に出力できる運用に変更し、「情報共有」の項に連絡の分担表を追記した(改訂日 令和〇年〇月〇日)。 実施日( 年 月 日)/参加( 名)
通所系/自然災害編 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分、参加者〇名。想定は「送迎中に大雨で道路が冠水し、車両〇台が事業所にも自宅にも戻れない」。実施内容は、①運転者から事業所への連絡と現在地の共有、②車内の利用者〇名の安全確保と家族への連絡、③迂回路および一時避難先の確認、④当日の営業の休止の判断と全利用者への連絡。課題は、車両に地図の紙の控えが無く、通信が不安定な状況で迂回路を確認できなかったこと。反映として、全車両に紙の地図と一時避難先の一覧を積載することを「必要品の備蓄」に追記した(改訂日 令和〇年〇月〇日)。 実施日( 年 月 日)/参加( 名)
訪問系/感染症編 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分、参加者〇名。想定は「訪問先で利用者に発熱があり、同日に残り〇件の訪問が予定されている」。実施内容は、①訪問先からサービス提供責任者への第一報、②当日の訪問順の組み替え(感染疑いのある利用者を最後に変更)、③携行する防護具の追加と、車内での着脱の場所の確認、④他の利用者・家族への連絡、⑤翌日以降の担当の固定の検討。課題は、車内に予備の防護具が〇セットしか無く、複数件が重なった場合に不足すること。反映として、車内の常備数を〇セットに増やし、補充の担当者を定めた(改訂日 令和〇年〇月〇日)。 実施日( 年 月 日)/参加( 名)
訪問系/自然災害編 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分、参加者〇名。想定は「早朝に台風の接近により避難情報が発令され、当日の訪問の可否を〇時までに判断する」。実施内容は、①管理者による判断と、判断できない場合の代行順位の確認、②医療的ケアを要する利用者〇名、独居の利用者〇名を優先とする訪問順の再編、③訪問できない利用者への電話による安否確認、④担当の居宅介護支援事業所への連絡。課題は、優先順位の一覧が担当者ごとの手控えにしか無く、他の職員が代われなかったこと。反映として、優先順位の一覧を事業所として1本にまとめ、紙の控えを〇〇(場所)に保管した(改訂日 令和〇年〇月〇日)。 実施日( 年 月 日)/参加( 名)
多機能系/感染症編・自然災害編を組み合わせた訓練 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分、参加者〇名。想定は「停電が続く中で、宿泊中の利用者〇名に発熱者が出る」。実施内容は、①通い・訪問・泊まりの各担当から1か所へ情報を集約する手順の確認、②宿泊者の居室での隔離と、通いの受入の停止の判断、③非常用電源による医療機器と冷蔵設備への給電の優先順位の確認、④家族および担当の居宅介護支援事業所への連絡。課題は、情報の集約先が定まっておらず、同じ連絡が二重に行われたこと。反映として、対策本部の連絡班に集約の担当を置くことを「対応体制・対応拠点」に追記した(改訂日 令和〇年〇月〇日)。 実施日( 年 月 日)/参加( 名)
相談支援系(居宅介護支援・介護予防支援) 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分、参加者〇名。想定は「大規模な地震により固定電話と携帯電話が不通となり、担当利用者〇名の安否を確認する」。実施内容は、①紙の利用者一覧の取り出し(所要〇分)、②医療的ケアを要する方・独居の方を優先とする確認の順序の決定、③訪問による確認の分担、④確認できない方についての家族・サービス事業所・自治体への照会、⑤結果の一覧化。課題は、紙の一覧が〇か月前のもので、〇名分の連絡先が古かったこと。反映として、一覧を〇か月に1回出力し直すことを「情報システムが停止した場合の対策」に追記した(改訂日 令和〇年〇月〇日)。 実施日( 年 月 日)/参加( 名)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

5-3. 研修の記録(新規採用時/定期)の完成文8例

福井市の令和7年度集団指導資料では、研修及び訓練について新規採用時にも実施することが示されています。定期の研修だけを回していると、年度途中に入職した職員が1年近く未受講のまま残ります。ここは年間計画の作り方で防げます。

場面 そのまま貼れる研修記録の完成文 貴事業所の記入欄
新規採用時(感染症編) 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分(〇分間)、対象者〇〇(氏名)、講師〇〇(職名)。内容は、①当事業所の感染症に係る業務継続計画の目的と基本方針、②感染を疑う症状を認めたときの第一報の相手と手段(〇〇(職名)へ〇分以内)、③個人防護具の保管場所と着脱の手順、④備蓄品の保管場所、⑤本人が担う役割(〇〇班)。理解の確認として、第一報の相手と防護具の保管場所を口頭で復唱させ、正しく答えられたことを確認した。使用した資料は〇〇(資料名)。 実施日( 年 月 日)/対象者(   )
新規採用時(自然災害編) 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分(〇分間)、対象者〇〇(氏名)、講師〇〇(職名)。内容は、①当事業所の所在地のハザードの区分(洪水浸水想定〇、土砂災害警戒区域 該当・非該当)、②避難場所(〇〇)と避難の経路、③発災時に本人が最初に行うこと、④参集の基準(震度〇以上)と参集しない場合の連絡先、⑤備蓄品と非常用電源の場所。理解の確認として、避難経路を実際に歩行し、集合場所を指し示せることを確認した。使用した資料は〇〇(資料名)。 実施日( 年 月 日)/対象者(   )
定期(感染症編) 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分(〇分間)、参加者〇名(従業者〇名中)、講師〇〇(職名)。内容は、①前年度の改訂点(〇〇の追記)、②直近の流行状況と、自治体および保健所の公表資料の要点、③初動対応の手順の再確認、④前回の訓練で明らかになった課題と、その後の改善の状況、⑤質疑(〇件)。感染対策研修と一体で実施したが、業務継続計画に係る内容として上記①〜④を〇分間扱い、その旨を本記録に明記した。使用した資料は〇〇(資料名)。 実施日( 年 月 日)/参加( 名/ 名)
定期(自然災害編) 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分(〇分間)、参加者〇名(従業者〇名中)、講師〇〇(職名)。内容は、①ハザードマップの更新の有無の確認、②優先業務と、人員が〇名を下回った場合の段階的な縮小の基準、③連絡網および連携先の変更点、④備蓄品の在庫と使用期限の状況、⑤前回の訓練の課題の改善の状況。防災訓練と同日に実施したが、業務継続計画に係る内容として上記①〜⑤を〇分間扱い、その旨を本記録に明記した。使用した資料は〇〇(資料名)。 実施日( 年 月 日)/参加( 名/ 名)
未受講者への対応 令和〇年〇月〇日実施の研修に欠席した〇名(〇〇、〇〇)について、令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分に、〇〇(職名)が同一の資料により個別に実施した。実施後、第一報の相手、避難場所、本人の役割の3点を口頭で確認し、いずれも正しく答えられたことを確認した。これにより、対象となる従業者〇名の全員が本年度の研修を修了した。 欠席者( 名)/補講日( 年 月 日)
研修と訓練を同日に一体で実施した場合 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分に研修(〇分間)を、引き続き〇時〇分〜〇時〇分に訓練(〇分間)を実施した。研修では本計画の内容と各自の役割を扱い、訓練では〇〇の想定により実際の動作を行った。研修と訓練は、目的、時間、内容、確認した事項をそれぞれ区分して本記録に記載しており、研修の記録および訓練の記録の双方として保管する。参加者は〇名(従業者〇名中)。 研修( 分)/訓練( 分)
外部の研修を受講した場合 令和〇年〇月〇日、〇〇(主催者名の記入欄)が実施した業務継続計画に関する研修に、〇〇(職名・氏名)が参加した(〇時間)。受講者は、令和〇年〇月〇日の内部の研修において、受講した内容のうち①〇〇、②〇〇を全従業者〇名に伝達した。受講の証明となる資料(受講証・配布資料)は〇〇(保管場所)に保管している。 受講者(   )/伝達日( 年 月 日)
年間の研修・訓練計画 令和〇年度の研修および訓練の計画は次のとおり。第〇四半期=感染症編の研修(〇月)、第〇四半期=自然災害編の訓練(〇月)、第〇四半期=自然災害編の研修(〇月)、第〇四半期=感染症編の訓練(〇月)。加えて、新規採用者に対しては採用後〇日以内に感染症編・自然災害編の研修を個別に実施する。各回の担当者、想定、対象者、記録の保管場所を本計画の別表に定め、実施のつど実績を記入する。 年間計画の作成日( 年 月 日)/作成者(職名   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

5-4. BCPを見直した記録の完成文8例

千葉県の令和7年度集団指導資料には「定期的に業務継続計画の見直しを行っていない。」が指摘事項として挙げられています。見直しは、日付を書き換える作業ではなく、何が起きて、どこを、なぜ直したかを残す作業です。見直しの契機は大きく4つ——訓練の結果、実際の発生、組織の変更、連絡先の更新です。

見直しの契機 そのまま貼れる見直し記録の完成文 貴事業所の記入欄
訓練の結果を受けた見直し 令和〇年〇月〇日に実施した訓練において、①連絡網の〇件が古いこと、②非常用電源の起動を行える者が〇名に限られること、の2点が明らかになった。これを受け、令和〇年〇月〇日、〇〇(職名)が計画の「通信が麻痺した場合の対策」および「電気が止まった場合の対策」を改訂し、連絡網の更新を〇か月に1回とすること、起動の手順書を〇〇(場所)に掲示し〇名以上が操作できるようにすることを追記した。改訂後の版数は第〇版、周知日は令和〇年〇月〇日、周知の方法は〇〇。 改訂日( 年 月 日)/版数(第 版)
実際に感染症が発生したことを受けた見直し 令和〇年〇月〇日から〇月〇日にかけて、当事業所において感染症の事例が〇件発生した。対応の経過を検証した結果、①第一報から統括責任者への連絡に〇分を要したこと、②濃厚接触者の暫定的な範囲の一覧の作成に〇時間を要したこと、が課題として確認された。令和〇年〇月〇日、計画の「初動対応」に夜間の連絡経路を明記し、「濃厚接触者への対応」に一覧の様式と作成の担当者を追記した。あわせて、対応の経過を〇〇(記録の名称)として保管した。 発生の期間( 月 日〜 月 日)/改訂日( 年 月 日)
実際に自然災害が発生したことを受けた見直し 令和〇年〇月〇日の〇〇(災害の種類)により、当事業所では停電が〇時間、断水が〇時間発生した。対応の経過を検証した結果、①備蓄していた飲料水が想定より〇割早く消費されたこと、②送迎の休止の判断が〇時にずれ込んだこと、が課題として確認された。令和〇年〇月〇日、計画の「必要品の備蓄」の数量を〇日分に改め、「行動基準」に判断の時刻の目安(〇時までに決定)を追記した。改訂後の版数は第〇版。 災害の発生日( 年 月 日)/改訂日( 年 月 日)
組織の変更を受けた見直し 令和〇年〇月〇日付けで、〇〇(職名)の交代および〇〇(部署)の再編が行われた。これに伴い、令和〇年〇月〇日、計画の「主管部門・推進体制」「対応体制・対応拠点」に定める統括責任者、代行順位、各班の担当者を改めた。あわせて、変更後の体制を記載した別表を差し替え、全従業者〇名に令和〇年〇月〇日に周知した。改訂後の版数は第〇版。 変更日( 年 月 日)/新しい統括責任者(職名   )
連絡先の更新を受けた見直し 令和〇年〇月〇日、〇〇(職名)が、従業者の連絡網(〇名)、利用者および家族の緊急連絡先(〇名)、協力医療機関、保健所、連携先の事業所、担当課、設備の保守業者の連絡先を点検した。その結果、〇件の変更を確認し、同日、計画の別表を更新した。更新後の別表は、電子データのほか紙の控えを〇〇(場所)および〇〇(場所)の2か所に保管した。次回の点検の予定は令和〇年〇月である。 点検日( 年 月 日)/変更件数( 件)/次回( 年 月)
定期の見直し(変更の必要が無かった場合) 令和〇年〇月〇日、〇〇(職名)ほか〇名により、計画の全項目について定期の点検を行った。ハザードマップの更新、備蓄品の数量、優先業務の内容、連携先、連絡先のいずれについても変更を要する事項は確認されなかった。したがって本文の改訂は行わず、点検を実施した事実、点検者、点検の対象とした項目を本記録に残す。次回の点検の予定は令和〇年〇月である。 点検日( 年 月 日)/点検者(職名   )
制度の改正・自治体の資料の更新を受けた見直し 令和〇年〇月、〇〇(自治体名の記入欄)が公表した集団指導の資料により、業務継続計画に関する取扱いの更新を確認した。令和〇年〇月〇日、〇〇(職名)が、当該資料の内容と本計画の記述を照合し、〇〇の項について記述を補った。照合の対象とした資料名、確認日、補った箇所を本記録に記載する。なお、取扱いは保険者(指定権者)により異なるため、疑義は担当課に確認したうえで反映する。 確認日( 年 月 日)/照合した資料名(   )
版数と改訂履歴の管理 本計画の改訂履歴は次のとおり管理する。第1版(策定 令和〇年〇月〇日)、第2版(令和〇年〇月〇日、訓練の結果を受け通信の項を改訂)、第3版(令和〇年〇月〇日、体制の変更を反映)。改訂のつど、改訂日、改訂した項、改訂の理由、周知の日を履歴の表に1行で追加し、旧版は〇〇(保管場所)に〇年間保管する。現行の版は〇〇(保管場所)に紙で1部、〇〇(保管場所)に電子データで保管する。 現行の版(第 版)/旧版の保管年数( 年)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

6. 悪い例と良い例の30組

BCPと記録が薄くなるときの型は決まっています。主語が無い/数量が無い/日付が無い/誰が決めるかが無いの4つです。左の列は、そのまま出すと読み手が「で、実際はどうするのか」と止まる書き方、右の列はその場で行動できる書き方です。右の列はすべて、事業所名・人数・場所を入れればそのまま使えます。

場面 悪い例(読み手が止まる書き方) 良い例(そのまま貼れる書き方)
目的 利用者の安全を守るために本計画を策定する。 感染症または自然災害が発生した場合においても、与薬・食事・排泄・安否確認を優先業務として継続し、中断した場合は優先業務を〇時間以内に再開することを目的とする。
基本方針 職員一丸となって対応する。 判断に迷う場合は、①利用者の生命、②感染の拡大防止、③サービスの継続、の順に優先し、決定は〇〇(職名)が行う。決定者が不在の場合は代行順位に従う。
推進体制 管理者を中心に全職員で取り組む。 統括責任者は〇〇(職名)、代行は第1順位〇〇(職名)、第2順位〇〇(職名)。統括・安否確認・物資・連絡・記録の5班を置き、各班の担当と代行を別表に記載する。
リスクの把握 当事業所は災害の危険性が低い地域にある。 ハザードマップにより、洪水浸水想定区域に該当(想定浸水深〇m)、土砂災害警戒区域に非該当であることを令和〇年〇月〇日に〇〇(職名)が確認した。要配慮者利用施設の指定の有無は〇〇(担当課)に確認する。
優先業務 必要なサービスを継続する。 継続する優先業務は、第1に与薬および医療的ケア、第2に水分および食事の提供、第3に排泄の介助、第4に安否の確認。中断するのは行事、レクリエーション、入浴(清拭に代替)、対面の会議。
備蓄品 必要な物資を備蓄している。 飲料水を1人1日〇L×〇日分(合計〇L)、食料〇日分、マスク〇枚、手袋〇組、ガウン〇枚、簡易トイレ〇回分を〇〇(場所)に保管。毎月〇日に〇〇(職名)が在庫と期限を点検し記録する。
備蓄品の点検 定期的に点検している。 令和〇年〇月〇日、〇〇(職名)が点検。飲料水〇L(期限〇年〇月)、食料〇食(うち〇食が〇月に期限を迎えるため日常の食事で消費し補充)、簡易トイレ〇回分。不足は〇〇へ〇月〇日に発注した。
停電時の対応 停電時は非常用電源を使用する。 非常用電源(〇〇)は約〇時間稼働し、燃料〇日分を〇〇(場所)に備蓄。給電の優先は①〇〇(医療機器名)、②冷蔵設備、③〇〇区画の照明、④通信機器の充電の順。起動の手順書は〇〇(場所)に掲示し、〇名以上が操作できる。
断水時の対応 断水時は給水を要請する。 飲料水を1人1日〇L×〇日分備蓄。生活用水は〇〇により確保。給水の要請は〇〇(職名)が〇〇(担当課)へ行い、受取場所は〇〇、運搬容器は〇〇を〇個備える。
通信の途絶 連絡が取れない場合は別の方法で連絡する。 第1に固定電話、第2に携帯電話、第3に〇〇(災害用伝言サービス等)。いずれも不通の場合は〇〇(職名)が〇〇(参集場所)へ移動して口頭で伝達する。紙の連絡網は〇〇と〇〇の2か所に保管し〇か月ごとに更新する。
発動基準 大規模な災害が発生した場合に本計画を発動する。 震度〇以上、避難情報の発令、ライフラインの〇時間以上の停止のいずれかで発動する。統括責任者と連絡が取れない場合は当直者の判断で発動したものとして行動する。発動と解除の日時・判断者を記録する。
参集基準 職員は速やかに参集する。 震度〇以上で〇〇(範囲)は連絡を待たず参集する。ただし本人・家族の負傷、居住地への避難情報、経路の危険がある場合は参集せず〇〇(職名)へ連絡する。参集の可否と理由を記録する。
安否確認(利用者) 利用者の安否を確認する。 ①医療的ケアを要する方、②独居の方、③要介護度の高い方、④その他の順に、電話→不通なら訪問で確認。氏名・時刻・手段・状況・次の対応を一覧に記入し、確認できない方は家族と〇〇(担当課)へ照会する。
安否確認(職員) 職員の安否を確認する。 〇〇(職名)を起点とする連絡網により、①本人の負傷、②家族の状況、③自宅の被害、④出勤の可否と時刻の4点を報告させ、発災から〇時間以内に一覧化する。
避難の方法 安全な場所へ避難する。 屋内待機・上階への垂直避難・屋外の〇〇への水平避難の3段階とし、判断は統括責任者。移動を要する利用者〇名(車いす〇名、ストレッチャー〇名)に対し従業者〇名を要する。夜間の順序は別表による。
第一報 異常を発見したら速やかに報告する。 発見者は直ちに〇〇(職名)へ報告し、〇〇(職名)は〇分以内に統括責任者へ第一報を入れる。第一報では、氏名と場所、症状と発症時刻、直近の接触者、現在の対応の4点を伝え、記録に残す。
感染疑い者への対応 感染が疑われる場合は隔離する。 直ちに〇〇(個室・区画)へ移動し、対応する従業者を〇名に固定。防護具を居室の出入口で着脱する。〇〇(職名)が協力医療機関〇〇と保健所へ連絡し、指示の内容を日時・担当者名とともに記録する。
消毒・清掃 消毒を徹底する。 高頻度接触面(ドアノブ、手すり、スイッチ、テーブル、車いすの握り、送迎車の座席と取っ手)を〇〇(薬剤)で〇時間ごとに清拭し、日時・場所・薬剤・担当者を記録する。
職員不足時の対応 職員が不足した場合は応援を依頼する。 出勤可能な人数が〇名を下回った場合、①法人内の〇〇、②〇〇(協議会等)、③保険者への相談の順に対応。受入時は日付・氏名・所属・従事する業務・感染対策の説明の実施を記録する。
業務の縮小 状況に応じて業務を調整する。 〇名以上=通常どおり、〇〜〇名=入浴を清拭に、記録を一覧形式に代替、〇名未満=与薬・食事・排泄・安否確認に限定。適用した段階と日時、判断者を記録する。
家族への連絡 家族へ適宜連絡する。 〇〇(職名)が、①現在の状況、②サービスの変更、③家族に依頼したいこと、④次回の連絡予定の4点を伝える。個人が特定される情報は伝えない。日時・相手方・内容を記録する。
他施設との連携 近隣の事業所と連携する。 相互応援の相手方は〇〇、〇〇、〇〇。協定の有無と締結日、窓口の職名と連絡先を別表に記載し、〇か月に1回変更の有無を確認する。受入可能人数は通常時〇名、夜間〇名。
訓練の記録(日時) 〇月に防災訓練を実施した。 令和〇年〇月〇日(〇)〇時〇分〜〇時〇分(〇分間)、夜間帯を想定するため日勤帯の終業後に設定して実施した。
訓練の記録(参加者) 職員が参加した。 参加者〇名(従業者〇名中、参加率〇%)。欠席〇名には令和〇年〇月〇日に〇〇(職名)が同一内容を個別に実施し、実施記録に追記した。
訓練の記録(想定) 地震を想定して訓練を行った。 想定は「〇月〇日〇時、震度〇を観測し停電と断水が発生、参集できた職員は〇名」。前回(令和〇年〇月)は火災を想定したため、今回は夜間の地震とライフライン停止に変更した。
訓練の記録(内容) 避難訓練を実施した。 ①発災の合図から〇分で在館者〇名の人数を確認、②連絡網で〇名へ発信し〇分で〇名から返信、③非常用電源を起動し〇〇へ給電、④備蓄品を搬出、⑤利用者〇名の垂直避難を〇分で完了。
訓練の記録(課題) おおむね円滑に実施できた。 課題は3点。①連絡網の〇件が変更済みで不通(原因=更新が〇か月間なし)、②非常用電源の起動に〇分(原因=操作できる者が〇名のみ)、③備蓄品の鍵を管理者のみが保持し夜間に搬出できない。
訓練の記録(反映) 今後の課題としたい。 令和〇年〇月〇日、「通信が麻痺した場合の対策」に連絡網を〇か月に1回更新することを追記、「電気が止まった場合の対策」に手順書の掲示場所と操作できる者を〇名以上とすることを追記。第〇版として〇月〇日に全員へ周知した。
研修の記録 BCPについて研修を行った。 令和〇年〇月〇日〇時〇分〜〇時〇分(〇分間)、参加〇名(〇名中)、講師〇〇。内容は①前年度の改訂点、②初動対応の再確認、③前回の訓練の課題の改善状況、④質疑〇件。感染対策研修と一体で実施したが、業務継続計画に係る部分を〇分間扱った旨を明記した。
計画の見直し 計画は定期的に見直している。 令和〇年〇月〇日に点検を実施(点検者〇〇)。訓練の結果を受けて〇〇の項を改訂し第〇版とした。変更を要しなかった項目についても、点検した事実と対象項目を記録に残した。次回の点検は令和〇年〇月。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

7. 運営指導で見られる点と、1年間の運用

BCPは、公表されている運営指導の指摘事例が比較的多く残っている分野です。しかも指摘の内容は自治体をまたいでよく似ています。未策定/片方しか無い/周知していない/研修と訓練の記録が無い/見直していない——この5つに集中します。以下は、自治体が公表している資料に実際に記載されている事例です。

7-1. 公表されている指摘・指導事例14件

指摘・指導の内容 公表資料に書かれていること 手元で確認すること 出典(自治体・資料名)
記載項目の不足・見直し・周知・研修訓練の回数・記録のすべてに指摘 業務継続計画に必要な項目が記載されていない、定期的に見直ししていない、従業者に周知徹底していない、係る研修及び訓練を必要な回数実施していない、実施内容が記録されていない、という指摘が挙げられている 計画の目次と、記載項目の一覧を突き合わせる。周知記録・研修記録・訓練記録・見直し記録の4点が別々に存在するか 福井市「令和7年度 介護保険制度等に係る集団指導」
計画が未策定、または研修・訓練を実施した記録が確認できない 業務継続計画を策定していない、または盛り込む内容が不足している。当該計画に従い必要な措置をしていない。令和7年度の運営指導において、計画が未策定、また研修及び訓練を実施した記録が確認できないため指導を受けた事業所があった旨が記載されている 感染症編に「平常時からの備え・初動対応・感染拡大防止体制の確立」、災害編に「平常時の対応・緊急時の対応・他施設及び地域との連携」が揃っているか 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1
非常災害計画と避難確保計画の認識に誤りがある 消防計画(消防法)・非常災害計画(介護保険法)・避難確保計画(水防法、土砂災害防止法)の関係を整理した表が掲載され、ハザードマップ該当区域では避難確保計画の作成と避難訓練の実施等が義務とされる旨が示されている。非常災害計画が現状に沿った内容となっていない事例、避難訓練を必要な回数実施していない事例も挙げられている 自事業所が浸水想定区域・土砂災害警戒区域に入るかを地図で確認し、確認日と確認者を記録に残しているか 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1(同旨は金沢市 令和7年度集団指導資料1)
感染対策の研修・訓練の記録がない/委員会の結果を周知していない 令和7年度の運営指導において、研修及び訓練を実施した記録が確認できないこと、担当者を定めていないことから指導を受けた事業所があった旨が記載されている。感染対策委員会の結果を従業員に周知していない事例も挙げられている 委員会の議事録・周知記録・研修記録・訓練記録の4点が、それぞれ別の記録として残っているか 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1
計画が未策定・内容不十分、研修及び訓練を定期的に実施していない 業務継続計画の策定等として「感染症に係る業務継続計画、災害に係る業務継続計画を策定していない、又は内容が不十分である」「研修及び訓練を定期的に実施していない」「定期的な計画の見直しや必要に応じた計画の変更が行われていない」との指摘が示されている 2本の計画が別ファイルとして存在するか。研修と訓練が同じ記録に混ざっていないか 大分市「令和7年度指導監査における主な指摘・指導事項(高齢)」
研修・訓練が未実施、記録が明確でない 業務継続計画の策定等の項目として「必要な研修及び訓練が実施されていなかった。従業者に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修及び訓練を定期的に実施し、概要がわかるように明確に記録に残すこと。」が例示されている 記録が日付と署名だけになっていないか。想定・内容・課題・反映が読めるか 広島市「令和7年度運営指導の指摘事項等について」(令和7年度広島市介護サービス事業者集団指導)
感染症・災害のいずれか一方しか作成していない/感染症対策資料と混同 「業務継続計画を感染症・災害のいずれのみしか作成していない」「感染症の業務継続計画と、その他の感染症対策資料とを混同している」が挙げられ、感染対策委員会資料や感染症関連の研修資料は業務継続計画とは別のものであり、必ず個別に作成するよう記載されている 感染症編が、感染対策の指針や委員会資料の綴じ込みで代用されていないか 東京都福祉局「令和7年度集団指導(通所リハビリテーション)」
策定・研修訓練が未実施(訪問看護) 感染症・災害それぞれの業務継続計画の策定、従業者への周知、定期的な研修・訓練、定期的な見直しが求められている旨が示されている 訪問系は非常災害対策の項が別添1に無い分、災害への備えが計画に一本化されている。訪問中の被災を想定した記述があるか 東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護)
計画が未策定、研修及び訓練が年1回以上実施されていない、見直しをしていない 「業務継続計画が策定されていない。」「業務継続計画に必要な研修及び訓練が年1回以上実施されていない。」「定期的に業務継続計画の見直しを行っていない。」が指摘事項として挙げられ、未策定の場合は業務継続計画未策定減算が適用される旨(居宅療養管理指導、特定福祉用具販売を除く)が備考に示されている 年間の研修・訓練の計画に、実績を書き込む欄があるか 千葉県「指導監査の状況について」(令和7年度介護保険指定事業者集団指導資料)
運営指導で未策定が確認され、過去に遡って取扱いが行われた事例 業務継続計画未策定減算の「実際にあった指摘事例(種別:通所系サービス)」として、運営指導において業務継続計画の未策定が発覚し、感染症及び自然災害に係る業務継続計画の作成を指導、令和6年4月から基準に満たない状況が解消されるに至った月まで利用者全員について減算、給付費の過誤調整及び利用者負担金は返還となった、と記載されている 策定日が分かる資料(決裁・議事録・版数の履歴)が残っているか 新潟市福祉部福祉監査課「介護サービス事業所への指導監査、加算・減算のポイント」(令和7年度 介護サービス事業所集団指導資料)
研修や訓練の回数を誤認している 【共通】研修や訓練回数を誤認している、が挙げられ、身体拘束適正化、業務継続計画の策定等、衛生管理等、虐待の防止のそれぞれについて必要な回数が整理され、認知症対応型共同生活介護は全て年2回以上となる旨が注記されている 自事業所のサービス種別について、指定権者の資料に書かれた回数を年間計画の表に転記しているか 堺市「令和8年度 集団指導 地域密着型編」
感染症及び災害に係る業務継続計画が策定されていない 「令和6年度における主な指摘事項及び助言事項」の主な指摘事項に、業務継続計画関連として「感染症及び災害に係る業務継続計画が策定されていない」が記載されている 2本のうち片方だけが作られている状態になっていないか 浜松市「令和6年度における主な指摘事項及び助言事項」(浜松市介護サービス事業者説明会(集団指導)参考資料)
避難訓練が同じ災害の想定に偏っている・実施後の記録がない 非常災害対策として、避難訓練について同じ災害の想定が続いている事例が挙げられ、実施後の記録を残していない場合があったとも示されている 過去3回分の訓練の想定を並べ、同じになっていないかを見る 津山市環境福祉部高齢介護課「令和5年度 津山市 地域密着型サービス事業者 集団指導資料」
計画が他団体のマニュアル等をそのまま活用したものになっている 施設防災計画について「計画が石川県の作成指針、本社のマニュアル、他事業者や他団体のホームページからダウンロードしたマニュアル等をそのまま活用したものになっていませんか?」との注意喚起が記載され、利用者の特性及び周辺地域の環境等を踏まえた計画を策定するよう求められている 計画の中に、自事業所の人数・場所・機器・連絡先といった固有名詞が何か所あるかを数える 金沢市「令和7年度 介護サービス事業者集団指導 資料1」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

7-2. 業務継続計画未策定減算に関する対照表

ここでは判定を行いません。公表資料に書かれている定めを左に、貴事業所の状況を書き込む欄を中央に、確認先を右に置いた対照表として示します。適用の範囲、適用の開始時期、改善が確認される方法は保険者(指定権者)により異なりますので、右列の確認先にお尋ねください。

公表資料に書かれている定め 貴事業所の状況(記入欄) 確認先
感染症に係る業務継続計画と、災害に係る業務継続計画の双方を策定すること(東京都・宇都宮市・大分市の各資料の記載) 感染症編(有・無/策定日  年 月 日)/自然災害編(有・無/策定日  年 月 日) 指定権者の担当課
従業者に対し計画を周知すること(別添1の確認項目。訪問介護では訪問介護員等、介護予防支援では担当職員と記載) 直近の周知日(  年 月 日)/方法(   )/対象( 名中 名) 指定権者の担当課
計画に基づく研修及び訓練を実施すること(別添1の確認項目。回数の整理は堺市・福井市の各資料に記載があり、サービス種別により異なる) 直近の研修日(  年 月 日)/直近の訓練日(  年 月 日)/年間計画(有・無) 指定権者の担当課
計画の見直しを行うこと(別添1の確認項目) 最終改訂日(  年 月 日)/版数(第 版)/見直しの記録(有・無) 指定権者の担当課
減算の対象となるサービスの範囲について、千葉県の資料には居宅療養管理指導、特定福祉用具販売を除く旨が、松山市の資料には令和7年度から訪問系サービス・居宅介護支援・福祉用具貸与に適用される旨が記載されている 貴事業所のサービス種別(     )/指定権者の資料に記載された取扱い(     ) 指定権者の担当課
適用の期間の考え方について、新潟市の資料には、基準に満たない状況が解消されるに至った月までを対象とした事例が記載されている 策定日を証する資料(決裁・議事録・版数の履歴)(有・無/保管場所   ) 指定権者の担当課

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。本ページは計画と記録の書き方を示すものであり、届出や申請の代行を勧めるものではありません。

7-3. 1年間の運用——12か月に割り付ける

BCPが止まる最大の原因は、年度末にまとめてやろうとすることです。研修・訓練・点検・見直しを12か月に割り付けると、1か月あたりの作業が30分から1時間に収まります。次の表は割り付けの雛形です。月は貴事業所の都合で入れ替えて構いません。

その月にやること 手元に残る記録 実施日(記入欄)
4月 年間の研修・訓練の計画を作る。担当者・想定・対象者・記録の保管場所まで決める 年間研修・訓練計画 ( 月 日)
5月 従業者・利用者・関係機関の連絡先を点検し、紙の控えを2か所に更新して置く 連絡網の更新記録 ( 月 日)
6月 感染症編の研修(新任者を含む)。前年度の改訂点と初動対応を扱う 研修実施記録 ( 月 日)
7月 ハザードマップの更新の有無を確認。要配慮者利用施設の指定の有無を担当課に確認 リスクの把握の確認記録 ( 月 日)
8月 備蓄品の在庫・使用期限の点検と補充。期限が近いものは日常の業務で消費する 備蓄品点検記録 ( 月 日)
9月 自然災害編の訓練。前年と想定を変える(例=夜間の地震+停電) 訓練実施記録・課題一覧 ( 月 日)
10月 9月の訓練の課題を計画に反映し、版数を更新して全従業者へ周知する 見直し記録・周知記録 ( 月 日)
11月 自然災害編の研修。改訂後の内容と、各自の新しい役割を確認する 研修実施記録 ( 月 日)
12月 感染症編の訓練。流行期に合わせ、初動対応とゾーニング(訪問系は訪問順の組み替え)を扱う 訓練実施記録・課題一覧 ( 月 日)
1月 12月の訓練の課題を計画に反映。連携先との連絡先・受入可能人数を再確認する 見直し記録・連携先一覧 ( 月 日)
2月 年度内に採用した職員の受講状況を点検し、未受講者へ個別に実施する 未受講者への対応記録 ( 月 日)
3月 全項目の定期点検。変更が無かった項目も「点検した事実」を記録に残す。次年度の計画を起案 定期点検記録・次年度計画 ( 月 日)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

7-4. 手元に残す記録の一覧

別添1が挙げる確認文書は「業務継続計画」と「研修及び訓練計画、実施記録」の2つですが、実際に運営指導の場で開かれるのは、その周辺にある記録です。次の表を印刷して、保管場所・最終更新日・次回の予定を書き込んでおくと、当日に探す時間が消えます。

記録の名称 そこに書かれているべきこと 保管場所(記入欄) 最終更新日(記入欄) 次回の予定(記入欄)
業務継続計画(感染症編) 目的・基本方針・主管部門/平時からの備え/初動対応/感染拡大防止体制の確立 (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
業務継続計画(自然災害編) 目的・推進体制・リスクの把握・優先業務・研修訓練/平常時の対応/緊急時の対応/他施設及び地域との連携 (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
改訂履歴の表 版数・改訂日・改訂した項・改訂の理由・周知の日 (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
年間の研修・訓練計画 月・種類(研修/訓練)・対象・担当・想定・記録の保管場所・実績の記入欄 (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
研修実施記録 日時・時間・参加者と欠席者・講師・内容・使用資料・理解の確認の方法 (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
訓練実施記録 日時・参加者・想定した事態・実施した内容・気づいた課題・計画への反映 (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
未受講者への対応記録 欠席者の氏名・個別に実施した日・内容・理解の確認 (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
周知記録 周知した日・方法・対象者数・受領の確認(署名・回覧・電子的な確認) (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
見直し(点検)記録 点検日・点検者・点検の対象とした項目・変更の有無・変更の内容と理由 (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
連絡網・関係機関の連絡先一覧 従業者・利用者と家族・協力医療機関・保健所・連携先・担当課・保守業者 (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
備蓄品の一覧と点検記録 品目・数量・保管場所・使用期限・点検日・点検者・補充の記録 (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
リスクの把握の確認記録 ハザードマップの該当区分・確認日・確認者・要配慮者利用施設の指定の有無 (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
非常災害に関する具体的計画(消防計画を含む) 通報・連絡体制・消防署への届出・避難救出等の訓練の記録(別添1の「非常災害対策」の確認文書) (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
避難確保計画と訓練結果の報告(該当する場合) 避難の判断基準・避難経路・訓練の実施日・市町村長への報告の写し (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
感染対策委員会の議事録と指針 開催日・出席者・検討事項・結果の周知(BCPとは別の文書として整備) (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)
相互応援の協定書・連携先一覧 相手方・締結日・窓口の職名と連絡先・受入可能人数(通常時/夜間) (    ) ( 年 月 日) ( 年 月)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

7-5. 保険者(指定権者)に確認しておく10項目

本ページで断定を避けている箇所は、いずれも保険者により運用が分かれる箇所です。集団指導の資料に書かれていることが多いので、まず自事業所の指定権者の資料を開き、書かれていない項目だけを担当課に尋ねると早く済みます。

確認する事項 なぜ分かれるか 回答(記入欄) 確認日・確認先(記入欄)
自事業所のサービス種別における、業務継続計画に係る研修および訓練の回数の考え方 サービス種別により整理が異なり、堺市の資料では認知症対応型共同生活介護は全て年2回以上と注記されている (    ) ( 年 月 日/   )
研修と訓練を一体で実施した場合の記録の残し方 松山市の資料では一体的な実施が可能とされ、それぞれの内容が分かるよう記録するとされている (    ) ( 年 月 日/   )
新規採用時の実施の取扱い 福井市の資料では新規採用時にも実施することが示されている (    ) ( 年 月 日/   )
計画の見直しの間隔の考え方 別添1は「計画の見直しを行っているか」とのみ記載しており、間隔は資料により示され方が異なる (    ) ( 年 月 日/   )
記録の保存年数 記録の保存年数は保険者の条例等により異なる (    ) ( 年 月 日/   )
要配慮者利用施設に指定されているかどうか 市町村地域防災計画に定められるため、地域により異なる (    ) ( 年 月 日/   )
避難確保計画の様式と、訓練結果の報告先・報告様式 報告先も地域防災計画によって異なる (    ) ( 年 月 日/   )
消防計画に定めた消火・避難訓練の回数 北海道後志総合振興局の資料では、自らの消防計画に定めた回数を下回っていないかの確認が求められている (    ) ( 年 月 日/   )
業務継続計画未策定減算の適用の範囲と時期の取扱い 千葉県・松山市・新潟市の各資料で示され方が異なる (    ) ( 年 月 日/   )
感染症対策の委員会の開催間隔(別添1では33種別が6か月に1回、施設系5種別が3か月に1回と記載) サービス種別により記載が分かれ、他の会議体と一体的に運営できるかの取扱いも資料により異なる (    ) ( 年 月 日/   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

最後に一つだけ。BCPは、書き上げた瞬間が完成ではなく、最初に訓練で失敗した日が完成の始まりです。連絡網が古かった、鍵が開かなかった、起動の手順を知る人が1人しかいなかった——その1件を計画の本文に書き足した記録こそが、この帳票がいちばん強く求めているものです。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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