公開:2026年11月7日/出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 12. 重点的な対応が求められる分野(がん・難病・感染症)」・「16. 経過措置」、中医協 総-1「個別改定項目について」、疑義解釈資料(その14)
要点(3行)
- 令和8年度診療報酬改定で、外来腫瘍化学療法診療料は「要件を見直すとともに、皮下注射を実施した場合についても評価を行う」とされ、抗悪性腫瘍剤を投与した場合の点数が「静注製剤等の場合」と「その他の場合」に分かれました。
- 外来腫瘍化学療法診療料1では、患者の急変時等の緊急事態等に対応するための指針の整備が「望ましい」から要件に変わりました。届出済みの医療機関は、経過措置で令和8年9月30日までこの基準を満たしているものとする、とされていました。
- 緩和ケア診療加算・外来緩和ケア管理料などの対象に、末期呼吸器疾患と末期腎不全の患者が加わりました。緩和ケア病棟入院料の対象には、終末期の末期腎不全の患者が加わっています。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 資料 | 厚生労働省の改定説明資料「12. 重点的な対応が求められる分野(がん・難病・感染症)」のⅢ-5-3「質の高いがん医療及び緩和ケアの評価」、「16. 経過措置」、中医協 総-1「個別改定項目について」 |
| 外来腫瘍化学療法診療料の考え方 | 悪性腫瘍の患者に対する外来における安心・安全な化学療法の実施を推進する観点から、要件を見直すとともに、皮下注射を実施した場合についても評価を行う |
| 具体的な内容 | ①必要な診療体制を整備した上で皮下注射により外来化学療法を実施した場合の評価を新設、②外来腫瘍化学療法診療料1について、急変時等の緊急事態等に対応するための指針等の整備を要件とする |
| 経過措置(No.55) | B001-2-12 外来腫瘍化学療法診療料1。令和8年3月31日時点で届出を行っている保険医療機関は、令和8年9月30日まで、急変時の緊急事態等に対応するための指針の整備に係る基準を満たしているものとする |
| 非がんの緩和ケア | 末期呼吸器疾患患者及び終末期の腎不全患者等に対する質の高い緩和ケアを評価する観点から、緩和ケアに係る評価の対象に末期呼吸器疾患患者及び終末期の腎不全患者を加える |
外来腫瘍化学療法診療料1:今まで/これから
| 区分(イ 抗悪性腫瘍剤を投与した場合) | 現行 | 改定後 |
|---|---|---|
| 初回から3回目まで | 800点 | 静注製剤等の場合 801点/その他の場合 351点 |
| 4回目以降 | 450点 | 静注製剤等の場合 451点/その他の場合 201点 |
| ロ イ以外の必要な治療管理を行った場合 | 350点 | 351点 |
| 急変時等の指針(施設基準) | 整備されていることが望ましい | 整備されていること |
診療料2・3も同じように分かれています(診療料2の初回から3回目までは 601点/261点、診療料3は 541点/241点)。施設基準の外来化学療法には、皮内、皮下及び筋肉内注射のうち「皮下注射」が新しく加わっています。
同じ資料では、無菌製剤処理料に「投与時閉鎖式接続器具使用加算」(150点)が新設され、その施設基準は外来腫瘍化学療法診療料1の届出を行っていることとされています。
非がんの緩和ケア:対象の広がり
| 項目 | 現行の対象 | 改定後の対象 |
|---|---|---|
| 緩和ケア診療加算・外来緩和ケア管理料 | 悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群又は末期心不全の患者 | 悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群、末期心不全、末期呼吸器疾患又は末期腎不全の患者 |
| 在宅麻薬等注射指導管理料の「3」 | 心不全又は呼吸器疾患の場合 1,500点 | 心不全、呼吸器疾患又は腎不全の場合 1,500点 |
| 緩和ケア病棟入院料 | 悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群の患者 | 終末期の末期腎不全の患者を追加。あわせて神経ブロックを包括範囲から除外 |
| 用語 | 資料に書かれた定義(要約) |
|---|---|
| 末期呼吸器疾患の患者 | ア 呼吸器疾患に適切な治療が実施されている、イ 在宅酸素療法やNPPVを継続的に実施している、ウ 過去半年以内に10%以上の体重減少、のいずれにも該当するもの |
| 末期腎不全の患者 | 腎不全に適切な治療が実施され、日本腎臓学会CKD重症度分類Stage G5以上で腎代替療法を必要とする状態であって、透析を実施しPPSが40%以下であるもの、又は透析療法の開始・継続が困難であるもの |
一次資料:令和8年度診療報酬改定 12. がん・難病・感染症(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定 16. 経過措置(PDF・厚生労働省)/個別改定項目について(中医協 総-1・PDF)
病院・クリニックで確かめること
- 外来腫瘍化学療法診療料1の急変時の指針の経過措置の期限(令和8年9月30日)は過ぎています。貴院の指針が整備されているか、施設基準の通知の定めと見比べてご確認ください。
- 「静注製剤等の場合」と「その他の場合」の区分の選び方は、留意事項通知と疑義解釈の定めをご確認ください。外来化学療法室と医事課で、静注製剤等と皮下注射の区別をどこに記録するかを決めておくと、請求のときに迷いません。
- 末期呼吸器疾患・末期腎不全の患者を緩和ケアの対象とするときは、資料の定義(体重減少、CKD重症度分類、PPSなど)を診療録のどこに書くかを、緩和ケアチームと整理しておくと安心です。
- 外来緩和ケア管理料の施設基準の研修の扱いは、疑義解釈資料(その14)(PDF・厚生労働省)の問1に問答があり、緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会(国立がん研究センター主催)の修了者は要件を満たす、と答えています。
関係する記事
書き方・要件の記事 神マナでできることこの記事に関係するページ
書類づくりの文例を、LINEでお届けしています
公式LINEで、サービス別の文例集(PDF)と書き方のコツ(週1回)をお送りしています。売り込みはしません・いつでも解除できます。
更新履歴:初版。疑義解釈など新しい案内が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






