「介護のDXを進めたいのに、なかなか前に進まない」。そう感じている事業所は、決して少なくありません。設備を入れること自体より、それを日々の仕事に定着させることに難しさがあります。実際、公益財団法人介護労働安定センターの「令和6年度介護労働実態調査」では、介護ソフトなどのICTの利用は広がる一方、その効果を実感できている事業所は約半数にとどまっています(昼間の業務負担の軽減で49.4%)。これは「やる気がない」からではなく、現実に真摯に向き合っているからこそ生まれる悩みです。

段階の違いは介護のDXからAXへでまとめています。
DXが進まない3つの“あるある”
- 何から手をつければいいか分からない──情報は多いのに、自分たちの最初の一歩が見えない。
- 詳しい人が社内にいない──旗を振れる人がいないまま、話が立ち消えになる。
- 現場に余裕がない──日々のケアと書類で手いっぱいで、新しいことを始める時間がない。
この3つは、同じ調査で示された「人手が足りない」(仕事の負担についての悩みで最も多く49.1%)という現場の実感とつながっています。時間がないからDXに手が回らず、DXが進まないからさらに時間が生まれない——この循環を、どこか一点から切ることが出発点になります。
数字で見る「進んでいるところ」と「これからのところ」
「うちだけ遅れているのでは」と感じる必要はありません。公的な調査(令和6年度介護労働実態調査/公益財団法人介護労働安定センター・事業所調査)が示す介護現場のICTの現在地は、次のとおりです。
読み解くと、二つのことが見えてきます。一つは、記録の入力・転記という「いちばん重い作業」から着手している事業所が多いこと(75.4%)。もう一つは、導入しても効果の実感は約半数にとどまること。つまり差を生むのは「入れたかどうか」ではなく、「日々の仕事に馴染ませられたかどうか」です。だからこそ、次に述べる「小さく始める」が効いてきます。
※上記の割合は令和6年度時点の調査結果です。調査年度や集計方法により変わります。数値は原典をご確認ください。
突破口は「大きく変える」ではなく「小さく始める」
一気に全部を変えようとすると、現場の負担が増え、かえって続きません。おすすめは逆です。いちばん時間を奪っている作業を1つだけ、無理なく軽くすること。たとえば、何十分もかかる記録や支援経過の入力です。
ここを軽くできれば、生まれた時間を「利用者さんと向き合う時間」に戻せます。その手応えが、次の一歩の原動力になります。調査で効果の実感が約半数にとどまる背景には「入れて終わり」になりがちな現実があり、小さく始めて手応えを確かめる進め方は、その落とし穴を避けるやり方でもあります。
特定の製品に頼らない「最初の一歩」の打ち手
ツールを入れる前でも、今日から始められることがあります。どの事業所にも当てはまる汎用的な順番として、次の5つを挙げておきます。
- 「いちばん時間を奪う作業」を1つだけ選ぶ──記録の二度入力、シフト作成、請求前の突合など。全部ではなく1つに絞ります。
- 紙の作業を「電子化」から始める──いきなり高度な仕組みを目指さず、まずは紙・手書き・二重管理をなくすところから。多くの事業所がここを入口にしています。
- 今あるソフトの「使っていない機能」を洗い出す──新しく買う前に、既存の介護ソフトの標準機能(記録・帳票の出力など)を使い切れているかを点検します。追加費用ゼロで進むことも珍しくありません。
- 「決める人」を一人決める──詳しくなくて構いません。旗を振り、小さく試し、続けるかを判断する役割を明確にします。旗振り役の不在が「立ち消え」の最大の原因です。
- 公的な導入支援・補助を確認する──国や自治体には、介護ロボット・ICTの導入を後押しする「介護テクノロジー導入支援事業」やICT導入支援(地域医療介護総合確保基金)などがあります。対象・金額・要件は年度や自治体で変わるため、お住まいの都道府県・厚生労働省の原典をご確認ください。
ここまでは、どのメーカーの製品を選ぶかに関わらず有効な考え方です。そのうえで「記録の二度入力」を軽くしたい場合の一例として、次の方法があります。
記録の“二度入力”をなくすところから
介護記録AI「神マナ」は、録音や写真からアセスメント・支援経過・議事録を自動で下書きし、お使いの「カイポケ」にそのまま転記します。前掲の調査で最も多くの事業所が着手していた「記録の入力・転記」を軽くする一例で、二度入力(転記)がなくなることで、最初の一歩がぐっと軽くなります。まずは利用者さま1人分から、そっとお試しください。
記録をAIに読ませるときの注意:利用者さまの氏名や被保険者番号などの個人情報は、あらかじめ伏字(例:A様)にする、または事業所・法人の運用ルールに沿って扱うことをおすすめします。導入前に、個人情報の取り扱い方針を院内・所内で一度ご確認ください。

介護記録AI「神マナ」は3名まで期限なく無料でお試しいただけます
よくあるご質問
Q. DXは何から始めればいいですか?
A. 一気に全部を変えるのではなく、「いちばん時間を奪っている作業」を1つだけ選び、そこから軽くするのがおすすめです。多くの事業所は、記録・帳票の入力や転記など、負担の大きい定型作業から着手しています。
Q. 社内にITに詳しい人がいなくても進められますか?
A. 詳しい知識よりも、「試して続けるかを決める人」を一人決めることのほうが大切です。旗振り役がいないまま話が立ち消えになるのが、最も多い失敗の形です。まずは小さな範囲で試し、手応えを確かめてから広げていきます。
Q. 費用が心配です。補助はありますか?
A. 国や自治体には、介護ロボット・ICTの導入を後押しする支援(介護テクノロジー導入支援事業、ICT導入支援など)があります。対象・金額・要件は年度や自治体で異なるため、お住まいの都道府県や厚生労働省の最新情報をご確認ください。まずは今あるソフトの標準機能を使い切れているか点検すると、追加費用ゼロで進む場合もあります。
Q. 今使っているカイポケを、やめる必要はありますか?
A. いいえ。今の仕組みを土台に、負担の重い作業だけを軽くする進め方があります。詳しくはカイポケをやめなくていいをご覧ください。なお他社サービスの料金体系は変わることがあるため、契約内容は各社の最新情報でご確認ください。
Q. 記録をAIに読ませても大丈夫ですか?
A. 利用者さまの氏名・被保険者番号などの個人情報は、伏字(例:A様)にする、または事業所の運用ルールに沿って扱うことをおすすめします。導入前に、個人情報の取り扱い方針を所内で一度ご確認ください。
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出典:介護に関する統計は、公益財団法人介護労働安定センター「令和6年度介護労働実態調査」結果の概要(https://www.kaigo-center.or.jp/report/jittai/)によります。介護テクノロジーの導入支援に関する情報は、厚生労働省ウェブサイト「介護テクノロジーの利用促進について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/kaigo_technology.html)/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記の公表資料を当社が編集・加工したものであり、各機関の公式見解ではありません。制度・数値は改定により変わるため、最新の情報は必ず原典をご確認ください。
