「地域密着型通所介護」は、小規模で地域に根ざしたデイサービスです。通常規模型との違いと運営のポイントを整理します。
地域密着型通所介護とは
利用定員18人以下の小規模な通所介護で、原則としてその市町村の住民が対象です。指定も市町村が行い、地域に密着した運営が求められます。
通常規模型との違い
- 定員……地域密着型は18人以下。通常規模型はそれより多い。
- 指定主体……地域密着型は市町村、通常規模型は都道府県等。
- 対象……地域密着型は原則その市町村の被保険者。
- 運営推進会議……地域密着型は、地域住民等が参加する運営推進会議の開催が求められる。
運営上のポイント
- 運営推進会議を定期的に開催し、地域とつながる
- 少人数の良さ(なじみの関係)を活かす
- 記録・報告などの事務を効率化し、ケアの時間を確保する
どんな方が対象になるか
- 要介護1以上の認定を受けている方(要支援の方は介護予防・日常生活支援総合事業の対象)
- 原則として、事業所と同じ市区町村に住民票がある方
- 少人数で、なじみの関係のなかで過ごしたい方
費用の考え方
| 費目 | 内容 |
|---|---|
| 介護サービス費 | 要介護度と利用時間に応じた額。原則1割(所得に応じて2〜3割)負担 |
| 食費 | 実費 |
| おむつ代等 | 実費 |
| 加算 | 入浴介助、個別機能訓練、口腔・栄養に関するものなど |
人員・設備の基準(事業者向け)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 利用定員 | 18人以下 |
| 指定権者 | 市町村(都道府県ではありません) |
| 管理者 | 常勤専従(一定の要件あり) |
| 生活相談員 | 提供時間に応じた配置 |
| 看護職員・介護職員 | 利用者数に応じた配置 |
| 機能訓練指導員 | 1名以上 |
| 運営推進会議 | 定期的な開催が求められます |
似たサービスとの違い
| 地域密着型通所介護 | 通常規模型の通所介護 | 認知症対応型通所介護 | |
|---|---|---|---|
| 定員 | 18人以下 | 19人以上 | 12人以下 |
| 指定 | 市町村 | 都道府県 | 市町村 |
| 利用できる方 | 原則 同一市区町村 | 制限なし | 原則 同一市区町村・認知症の方 |
| 運営推進会議 | 必要 | 不要 | 必要 |
| 特徴 | 少人数で顔なじみの関係 | 規模を活かした活動 | 認知症に特化した支援 |
確認しておきたいこと
- 他の市区町村の方は原則として利用できないこと
- 送迎の範囲
- 医療的なケアがどこまで受けられるか
- 入浴の可否と、その方法
- 個別機能訓練の内容と、担当する職種
- 運営推進会議への家族の参加
よくある疑問
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| 通常のデイサービスと何が違うか | 定員18人以下で、市町村が指定する点です。少人数での支援が特徴になります |
| 他市区町村から利用できるか | 原則できません。例外の可否は保険者にご確認ください |
| 要支援でも使えるか | 介護予防・日常生活支援総合事業の対象となります。市区町村にご確認ください |
| 認知症対応型との違いは | 認知症対応型は定員12人以下で、認知症の方に特化しています |
| 運営推進会議とは | 利用者・家族・地域住民・市町村等が参加し、活動状況を報告して意見を聞く場です |
※加算・減算の要件は改定のたびに見直されます。算定の可否は、最新の告示・通知および保険者(市区町村)の運用を必ずご確認ください。本記事は一般的な考え方を整理したものです。
事業者が押さえておくこと
- 指定は市町村——都道府県ではありません。手続きの窓口が異なります
- 原則、同一市区町村の方が対象——他市区町村の方を受け入れる場合は、その市町村の同意が必要になることがあります
- 運営推進会議の開催が必須——開催と、記録の公表が求められます
- 定員18人以下——超えると通常規模型になり、指定の種類が変わります
- 加算の要件はサービス種別ごとに異なる——通常規模型と同じとは限りません
少人数だからできること
- 一人ひとりの生活歴や好みを把握しやすい
- 変化に気づきやすい(表情、食事量、歩き方)
- 送迎の範囲が狭く、移動の負担が小さい
- 地域との距離が近く、なじみの関係を保ちやすい
- 個別の活動を組みやすい
利用を検討するときに見ること
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| 送迎 | 範囲、時間帯、車両(車いすのまま乗れるか) |
| 入浴 | 個浴か大浴槽か、介助の体制、頻度 |
| 食事 | 形態への対応(きざみ、ミキサー、とろみ、禁忌食) |
| 機能訓練 | 誰が担当し、何を行うか。個別の計画があるか |
| 過ごし方 | 1日の流れ、レクリエーションの内容、自由に過ごせる時間 |
| 医療 | 看護職員の配置時間、服薬管理、急変時の対応 |
| 費用 | 介護サービス費のほか、食費・おむつ代などの実費 |
少人数の事業所は雰囲気が合うかどうかの影響が大きくなります。可能であれば見学や体験利用をしてから決めてください。
地域密着型サービスという枠組み
地域密着型サービスは、住み慣れた地域で暮らし続けられるようにという考え方でつくられた区分です。市町村が指定し、原則としてその市町村の住民が利用します。
- 地域密着型通所介護(定員18人以下)
- 認知症対応型通所介護(定員12人以下)
- 小規模多機能型居宅介護
- 看護小規模多機能型居宅介護
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 夜間対応型訪問介護
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
いずれも運営推進会議など、地域に開かれた運営が求められる点が共通しています。
運営推進会議のポイント
地域密着型通所介護では、利用者・家族・地域住民・市町村職員などが参加する運営推進会議をおおむね定期的に開催し、活動状況の報告や意見交換を行います。地域とのつながりをつくり、サービスの透明性を高める場です。議事録を残すことが大切です。
よくある質問(追加)
Q. 通常規模型から移行できますか?
A. 定員を18人以下にするなど要件を満たし、市町村の指定を受ける必要があります。事前に保険者へ相談しましょう。
小規模でも事務を効率化
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」の通所向け機能(通所介護マナ)は、少人数でも記録・計画書の作成を効率化します。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。
地域密着型通所介護と通常規模デイの違い
地域密着型通所介護(小規模デイ)は、利用定員18人以下の通所介護です。通常規模との違いを整理しました。
| 項目 | 地域密着型通所介護 | 通常規模の通所介護 |
|---|---|---|
| 利用定員 | 18人以下 | 19人以上 |
| 指定・監督 | 市町村 | 都道府県 |
| 利用者 | 原則その市町村の住民 | 地域の制限は緩やか |
| 特徴 | 少人数で顔なじみの関係 | 規模のメリット・多様な活動 |
よくある質問(FAQ)
地域密着型通所介護とは?
通常規模デイとの主な違いは?
誰が利用できますか?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
他市町村の人は使えない?
運営推進会議で、決めることと残すこと
運営推進会議は、開催したことと、公表したことの両方が確認されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催の頻度 | おおむね6か月に1回以上 |
| 構成員 | 利用者、家族、地域住民の代表、市町村の職員または地域包括支援センターの職員、知見を有する者 |
| 議題(活動状況) | 利用の状況、行事、取り組み |
| 議題(事故) | 発生した事故と、その後の対応 |
| 議題(苦情) | 受け付けた苦情と、対応 |
| 議題(要望) | 会議で出た意見 |
| 評価 | 会議からの評価を受ける |
| 記録 | 開催日時、出席者(所属)、議題、出た意見、決めたこと |
| 公表 | 記録を公表する |
| 反映 | 出た意見を、どう運営に反映したか |
| 次回の予定 | 日程の共有 |
| 欠席者への共有 | 記録の送付 |
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
