精神科訪問看護では、記録書Ⅱや報告書にGAF尺度の評点を記載することが求められます。「GAFの付け方がわからない」「精神科の記録は何が違う?」という方に向けて、必要な書類とGAF尺度、記録書Ⅱ・報告書の書き方のポイントを、記入例つきで整理します。
あわせて、訪問看護AIの選び方もご覧ください。
精神科訪問看護で必要な書類
精神科訪問看護でも、基本となる書類は通常の訪問看護と同じく、記録書Ⅰ・記録書Ⅱ、計画書、報告書です。大きく違うのは、主治医の精神科訪問看護指示書に基づくこと、そしてGAF尺度の評価が求められる点です。
GAF尺度とは
GAF尺度(機能の全体的評定尺度)は、精神疾患のある方の心理的・社会的・職業的な機能を0〜100点で評価する指標です。精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)を算定する際、その月の初回訪問時のGAF評点を、訪問看護記録書・報告書・訪問看護療養費明細書に記載することが要件化されています。
GAF評点のおおまかな目安
GAF評点のおおまかな目安です(右上ボタンからExcel/CSVにコピー可)。実際の評価は所定の基準と主治医の指示に基づいて行います。
| GAF評点 | 状態のおおまかな目安 |
|---|---|
| 91–100 | 症状がなく、幅広い活動に良好に機能している |
| 81–90 | 症状がほとんどなく、日常生活・社会生活も良好 |
| 71–80 | 症状は一時的で、心理社会的ストレスへの予期される反応の範囲 |
| 61–70 | 軽度の症状、または社会・職業機能に軽度の困難がある |
| 51–60 | 中等度の症状、または中等度の機能の低下がある |
| 41–50 | 重い症状、または社会・職業機能に重大な障害がある |
| 31–40 | 現実検討や意思疎通の障害、または複数領域での重大な障害 |
| 21–30 | 妄想・幻覚に相当影響される、またはほぼ全領域で機能できない |
| 11–20 | 自分や他人を傷つける危険、または最低限の身辺清潔の保持も困難 |
| 1–10 | 自分や他人への重度の危険が持続、または重度の行為 |
- 100〜81――症状はないか軽微。日常生活はおおむね良好。
- 80〜61――一過性・軽度の症状。社会生活に軽い支障。
- 60〜41――中等度〜重大な症状。対人・職業面に明らかな困難。
- 40〜21――現実検討や意思疎通に障害。行動が症状に大きく影響。
- 20〜1――自他を傷つける危険や、最低限の身辺自立が難しい状態。
実際の評価では、標準的なアンカーポイント(判定の目安)に沿って、機能の状態に合う範囲を選びます。判定に迷う場合はチーム内で基準をすり合わせておくと、月ごとのブレを防げます。
GAF尺度の付け方
- 月初めの訪問で評価する――その月の初回訪問時に評点をつけます。2回目以降は省略可。
- 状態が大きく変わったら再評価――月の途中でも、変化があれば評価・記載します。
- 根拠を残す――なぜその評点にしたのか、観察した事実を記録書に添えると説得力が増します。
GAF評点の根拠になる「観察した事実」の書き方
評点だけを書くと、なぜその点なのかが残りません。評点と一緒に、そう判断した事実を1〜2行添えると、記録として成り立ちます。以下は記載のイメージを示す(例)であり、実在の利用者ではありません。評価は所定の基準と主治医の指示に基づいて行ってください。
| 評点帯 | 記録に添える観察事実の例 |
|---|---|
| 91〜100 | 就労・家事・対人関係のいずれにも支障なく、本人からの困りごとの訴えもない |
| 81〜90 | 試験前の緊張など日常的な範囲の不安のみ。生活・対人関係は保たれている |
| 71〜80 | 気分の落ち込みが一時的にあるが、家事と通院は継続できている |
| 61〜70 | 不眠が週2〜3回。日中の家事はできているが、外出の回数が減っている |
| 51〜60 | 中途覚醒が連日あり、入浴が週1回に減少。近隣との会話を避ける様子がある |
| 41〜50 | 幻聴の訴えが毎日あり、日中はほぼ臥床。食事は1日1回。服薬は声かけを要する |
| 31〜40 | 会話のつながりが乏しく、質問への返答が断片的。入浴・更衣ができていない |
| 21〜30 | 妄想的な内容の訴えが続き、指示が入りにくい。食事・服薬に全介助を要する |
| 11〜20 | 身の回りの清潔が保てず、自傷につながりうる言動がある。常時の見守りを要する |
| 1〜10 | 生命の維持に関わる状態で、直ちに医療的な対応を要する |
評点は月の初回訪問時に付け、月の途中でも状態が大きく変われば再評価して記載します。評点を変えたときは、変えた理由になる事実を必ず書き添えます。
精神科訪問看護記録書Ⅱの書き方
記録書Ⅱでは、訪問日を記号で区別して記載します。保健師・看護師・准看護師の訪問日は「○」、作業療法士による訪問日は「◇」、精神科特別訪問看護指示書に基づく訪問日は「△」、1日に2回以上訪問した日は「◎」、長時間精神科訪問看護加算を算定した日は「□」で囲みます。あわせて、心身の状態、実施した看護・支援の内容、本人・家族の反応を記します。
報告書での記載
報告書にも、月初回訪問時のGAF評点を記載します。あわせて、病状の経過、生活機能の変化、服薬や受診の状況、家族支援の状況などをまとめ、主治医へ報告します。書き方の基本は訪問看護報告書の書き方を参照してください。
精神科訪問看護の記録で気をつけること
- 本人の言葉をそのまま残す——要約すると、症状の変化が読み取れなくなります
- 解釈と観察を分ける——「妄想がある」ではなく、話された内容を事実として書き、評価は分けます
- 評価語を書かない——「拒否的」「攻撃的」は、あとから開示されたときに争点になります
- 変化の兆しを記録する——睡眠、服薬、生活リズム、金銭の使い方、対人関係
- 本人が読む可能性を意識する——診療記録の開示請求の対象になり得ます
観察したい項目
| 領域 | 見るところ |
|---|---|
| 睡眠 | 入眠、中途覚醒、日中の傾眠。悪化の最初のサインになることがあります |
| 服薬 | 飲み忘れか、自己判断での中断か。副作用の訴えの有無 |
| 生活 | 食事、入浴、掃除、洗濯。できていたことが落ちていないか |
| 対人 | 家族、近隣、支援者との関わり方の変化 |
| 金銭 | 急な買い物、支払いの滞り |
| 身体 | 体重、便通、口渇、ふらつき。薬の影響が身体に出ることがあります |
精神科訪問看護記録書Ⅱ|場面別のSOAP文例30例
以下はすべて記載のイメージを示すための(例)であり、実在の利用者ではありません。薬剤名・評点・対応は、実際の指示と記録に置き換えてご使用ください。
睡眠・不安(6例)
| 場面 | S(主観) | O(客観) | A(評価) | P(計画) |
|---|---|---|---|---|
| 入眠困難 | 「布団に入っても2時間くらい眠れない」 | GAF 55。表情はやや硬い。就寝は23時、入眠は1時ごろ。日中の傾眠なし | 入眠困難が続いているが、日中の活動は保たれている | 就寝前の過ごし方を一緒に確認。次回、頓服の使用状況を評価 |
| 中途覚醒 | 「夜中に3回起きてしまう」 | 睡眠時間は計4時間程度。日中に横になる時間が増えている | 睡眠が分断され、日中の活動量が低下している | 睡眠状況を主治医へ報告。日中の活動を一緒に組み立てる |
| 不安の増強 | 「理由もなく胸がざわざわする」 | 落ち着かず室内を歩き回る。呼吸数やや増加。バイタルに異常なし | 不安が身体症状として現れている。誘因は特定できていない | 傾聴と呼吸を整える方法を一緒に実施。頓服の使用について主治医へ確認 |
| 不安の軽減 | 「最近は落ち着いて過ごせている」 | GAF 62。表情は穏やか。買い物へ週2回出かけられている | 不安が軽減し、生活範囲が広がっている | いまの過ごし方を続けられるよう確認。次回も活動状況を評価 |
| 昼夜逆転 | 「昼に寝てしまって夜が起きている」 | 訪問時(14時)は臥床中。声かけで起床。食事は1日1〜2回 | 生活リズムの乱れにより、食事と服薬が不規則になっている | 起床時刻を一緒に決める。日中の予定を1つ設定し、次回確認 |
| 過眠 | 「一日中眠くて動けない」 | 1日12時間以上の睡眠。ふらつきあり。前回受診で処方変更あり | 過眠とふらつきがあり、薬剤の影響の可能性も考えられる | 症状の経過を記録し、主治医へ報告。転倒予防の環境を確認 |
症状(6例)
| 場面 | S | O | A | P |
|---|---|---|---|---|
| 幻聴の訴え | 「誰かが悪口を言っているのが聞こえる」 | GAF 45。会話中に耳を傾ける動作あり。生活動作は一部介助 | 幻聴の訴えが続き、日常生活への影響がみられる | 訴えを否定せず傾聴。頻度と内容を記録し、主治医へ報告 |
| 幻聴の軽減 | 「前より気にならなくなった」 | GAF 52。会話が続き、家事の一部を再開している | 症状が軽減し、生活動作が改善している | 変化を本人と共有。継続して服薬状況を確認 |
| 妄想的な訴え | 「隣の人が私の物を盗っている」 | 戸締まりを繰り返し確認する行動あり。近隣とのトラブルは生じていない | 被害的な訴えがあるが、実生活での支障は限定的 | 訴えを否定も肯定もせず不安に寄り添う。経過を主治医へ報告 |
| 気分の落ち込み | 「何もする気になれない」 | GAF 42。臥床時間が長く、入浴は週1回。食事量は普段の半分 | 抑うつ症状により、セルフケアが低下している | できていることを一緒に確認。食事と入浴の状況を継続観察し主治医へ報告 |
| 気分の高揚 | 「調子がいいから寝なくても平気」 | 多弁で話題が飛ぶ。睡眠2時間。高額の買い物をしたとの話あり | 活動性の亢進がみられ、生活への影響が出始めている | 状況を速やかに主治医へ報告。金銭面の状況を家族と共有 |
| 希死念慮の訴え | 「もう消えてしまいたい」 | GAF 32。表情は硬く、視線が合いにくい。具体的な計画の語りはなし | 希死念慮の訴えがあり、安全の確保が必要な状態 | 直ちに主治医へ報告し指示を受ける。危険物の確認と家族への連絡を行い、次回訪問までの連絡手段を確認 |
服薬(5例)
| 場面 | S | O | A | P |
|---|---|---|---|---|
| 服薬の自己管理 | 「カレンダーを使えば忘れない」 | 服薬カレンダーの残数は指示どおり。飲み忘れなし | 服薬の自己管理ができている | 現在の方法を継続。次回も残数を確認 |
| 飲み忘れ | 「夕食後の分をよく忘れる」 | 夕食後分が3日分残っている。朝・昼は服用できている | 特定の時間帯の飲み忘れが続いている | 置き場所を夕食の場所へ変更。1週間後に効果を確認 |
| 自己判断での中断 | 「調子がいいからもう飲まなくていいと思った」 | 2日間の未服用。落ち着きのなさがみられる | 自己判断による中断があり、症状の再燃が懸念される | 中断の理由を傾聴。服薬の必要性を説明し、主治医へ報告 |
| 副作用の訴え | 「口が渇いて、手が震える」 | 手指振戦あり。飲水量は増加。前回受診で増量あり | 薬剤による影響の可能性がある症状がみられる | 症状の内容と出現時期を記録し、主治医へ報告 |
| 頓服の使用 | 「不安なときに1回飲んだ」 | 当月の頓服使用は3回。使用後は落ち着いて経過 | 頓服を適切なタイミングで使用できている | 使用の状況を記録し、次回も評価 |
生活・セルフケア(6例)
| 場面 | S | O | A | P |
|---|---|---|---|---|
| 食事 | 「作るのが面倒で、パンばかり」 | 台所に調理の跡なし。冷蔵庫に総菜が数点。体重は前月比−1.2kg | 食事内容が偏り、体重減少がみられる | 簡単に用意できる食品を一緒に検討。体重を継続測定 |
| 入浴 | 「面倒でしばらく入っていない」 | 入浴は10日間なし。衣類の交換もされていない | セルフケアの低下がみられ、症状の変化のサインの可能性 | 入浴のハードルを一緒に下げる(シャワーのみ等)。経過を主治医へ報告 |
| 掃除・片づけ | 「片づけようとは思っている」 | 居室に物が積み上がり、動線が狭い。ゴミ出しは月1回程度 | 環境整備が難しく、転倒や衛生上のリスクがある | 一区画ずつ一緒に片づける。訪問介護の利用を担当と相談 |
| 金銭管理 | 「気づいたらお金がなくなっている」 | 今月の支払いが1件滞っている。使途の記憶があいまい | 金銭管理に支障が生じている | 相談窓口(社会福祉協議会等)の情報を提供。担当と支援を検討 |
| 身体面 | 「便が出にくい」 | 排便は3日に1回。腹部の張りあり。飲水量は少なめ | 薬剤の影響も含め、便秘が続いている | 水分と食事の工夫を一緒に確認。改善なければ主治医へ報告 |
| セルフケアの改善 | 「自分で洗濯できるようになった」 | GAF 58。洗濯・掃除を週2回実施。居室が整っている | セルフケアが回復し、生活が安定している | できていることを本人と共有。現在の生活リズムを維持 |
対人・社会参加・連携(7例)
| 場面 | S | O | A | P |
|---|---|---|---|---|
| 引きこもり | 「外に出るのがこわい」 | 2週間、自宅から出ていない。買い物は家族が代行 | 外出の回避が続き、生活範囲が狭まっている | 玄関まで出る等、段階を一緒に決める。次回、実施状況を確認 |
| 対人トラブル | 「近所の人ともめてしまった」 | 本人は興奮せず経過を説明できる。相手方との継続的な問題はない | 対人場面での摩擦があったが、振り返りができている | 本人の受け止めを傾聴。再発時の対応を一緒に確認 |
| 家族関係 | 「母に何を言っても否定される」 | 同居の母より「本人が何もしない」との訴えあり | 家族間の認識に差があり、双方に負担が生じている | それぞれの思いを個別に伺う。必要に応じて話し合いの場を提案 |
| デイケア・作業所 | 「行けたり行けなかったり」 | 今月の参加は4回(予定8回)。参加日は表情が明るい | 参加は継続できているが、日により変動がある | 行けた日の条件を一緒に振り返る。担当スタッフと状況を共有 |
| 就労への意向 | 「そろそろ働きたい」 | GAF 63。生活リズムが安定し、外出も週3回できている | 就労への意欲があり、生活の基盤も整いつつある | 意向を主治医と支援機関へ共有。段階的な準備を一緒に検討 |
| 受診の継続 | 「次の受診日を忘れそう」 | 前回受診は予定どおり。診察券と手帳は本人が管理 | 受診は継続できているが、日程の管理に不安がある | 次回の受診日を一緒にカレンダーへ記入。前日に確認 |
| 多職種連携 | — | ◯月◯日、相談支援専門員と電話で情報共有。担当医へ月次の報告書を提出 | 関係者間で状況が共有できている | 状況の変化があれば速やかに連絡。次回のケア会議で方針を確認 |
観察項目ごとの記載文例
「変わりありません」で終えず、見た事実を1つ書くための言い回しです。
| 領域 | 変化があるとき | 変化がないとき |
|---|---|---|
| 睡眠 | 入眠に2時間を要し、中途覚醒が連日みられる | 23時就寝・6時起床で、中途覚醒なく経過している |
| 服薬 | 夕食後分が3日分残っている | 服薬カレンダーの残数は指示どおりで、飲み忘れはない |
| 食事 | 1日1食となっており、体重が1.2kg減少している | 1日3食を摂取。体重は前月と同程度で経過 |
| 清潔 | 入浴が10日間なく、衣類の交換もされていない | 入浴は週2回、更衣も自分で行えている |
| 対人 | 近隣との会話を避けるようになっている | 家族との会話があり、支援者にも自分から話される |
| 金銭 | 今月の支払いが1件滞っている | 公共料金の支払いは期日どおりに行えている |
| 身体 | 手指振戦がみられ、口渇の訴えがある | ふらつき・振戦なし。便通は毎日あり |
| 活動 | 2週間、自宅から出ていない | 週3回の外出があり、通所も予定どおり参加できている |
| 症状 | 幻聴の訴えが毎日あり、生活への影響が出ている | 幻聴・妄想的な訴えはなく、疎通は良好 |
| 安全 | 希死念慮の訴えあり。直ちに主治医へ報告した | 希死念慮の訴えはなく、危険な行動もみられない |
月次の報告書に書き写せる欄別の例
| 欄 | 記載例 |
|---|---|
| 訪問日 | 7月:3日・10日・17日・24日・31日(計5回) |
| GAF評点 | 55(7月3日 初回訪問時に評価) |
| 病状の経過 | 中途覚醒が月前半は連日あったが、就寝前の過ごし方を調整した後、月後半は週2回程度へ減少。幻聴の訴えはなく経過 |
| 看護の内容 | 精神状態の観察、服薬状況の確認(カレンダーによる残数照合)、生活リズムの調整に関する助言、傾聴 |
| 家庭での療養の状況 | 同居の母が食事を用意している。母より介護負担の訴えがあり、傾聴した |
| 特記すべき事項 | 7月17日、自己判断による2日間の服薬中断を確認。同日主治医へ電話報告し、指示により経過観察。以降は服用を継続できている |
報告書の様式そのものの書き方は訪問看護報告書の書き方、日々の記録は訪問看護記録書Ⅱの書き方|SOAP文例で解説しています。
連携の記録
- 主治医への報告——いつ、何を伝え、どんな指示を受けたか
- 相談支援専門員・ケアマネジャーとの共有
- 家族への説明と、家族自身の負担
- 緊急時の連絡経路——誰が最初に動くかを明記しておきます
※本記事は一般的な考え方を整理したものです。算定の可否や要件は、最新の告示・通知および保険者(市区町村)の運用をご確認ください。
精神科の記録・GAFの負担を軽くする
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よくある質問
Q. GAF尺度はいつ評価しますか?
その月の初回訪問時に評価し、訪問看護記録書・報告書・療養費明細書に記載します。状態が大きく変われば月の途中でも再評価します。
Q. 精神科訪問看護の記録は何が違いますか?
GAF評点の記載に加え、訪問した職種や指示書の種類を記号で区別して記載する点が特徴です。
Q. GAFは誰がつけますか?
訪問した看護師等が、標準的なアンカーポイント(目安)に沿って機能の状態を評価します。判断がぶれないよう、チームで基準をすり合わせておくと安心です。
関連サービス
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訪問看護の記録・書類ガイド
場面別|精神科訪問看護の記録の文例
精神科訪問看護の記録は訴えの内容を否定せず、話された言葉のまま残します。「消えてしまいたい」などの発言は、そのまま記録してただちに主治医へ報告します。
| 場面 | 記録の文例 |
|---|---|
| 訪問時の様子 | 玄関で出迎えられる。表情はやや硬い。前回より発語が少ない。 |
| 睡眠 | 21時就寝、3時に覚醒しその後眠れないとのこと。日中の臥床が5時間。 |
| 食事 | 1日2食。「作るのが面倒」と話される。体重は前回から0.5kg減。 |
| 服薬 | 処方どおり内服できている。残薬なし。副作用の訴えなし。 |
| 服薬(飲み忘れ) | 夕食後の薬が3日分残っている。「忘れてしまう」と話される。 |
| 副作用 | 日中の眠気が強いと話される。主治医へ報告した。 |
| 気分 | 「気持ちが沈む」と話される。前回と変わらず。 |
| 意欲 | 入浴が週1回に減っている。「面倒」との理由。 |
| 不安 | 「人に見られている気がする」と話される。内容を否定せず傾聴した。 |
| 幻聴 | 「声が聞こえる」と話される。内容は「悪口を言われる」とのこと。頻度は1日2〜3回。 |
| 被害的な訴え | 「隣の人が嫌がらせをする」と話される。事実の確認はせず、つらさに焦点を当てて聞いた。 |
| こだわり | 決まった順番で物を並べる行動がみられる。生活に支障はない。 |
| 対人関係 | 近所づきあいは避けている。訪問時は落ち着いて会話される。 |
| 日常生活 | ごみ出しができておらず、室内に袋が3つある。一緒に1つ出した。 |
| 金銭管理 | 公共料金の支払いが遅れている。地域包括支援センターへ相談することを提案。 |
| 外出 | 週1回の通院以外は外出なし。 |
| 作業所 | 通所を2回欠席。「行きたくない」との理由。 |
| 家族との関係 | 母より「どう接してよいか分からない」と相談あり。 |
| 家族への支援 | 母へ、無理に励まさず、そばにいることの意味を伝えた。 |
| 危機のサイン | 「消えてしまいたい」との発言があった。そのままの言葉を記録し、ただちに主治医へ報告した。 |
| 受診 | 2週に1回の通院を継続。次回は◯月◯日。 |
| 医師への報告 | ◯月◯日、主治医へ電話。睡眠と食事の状況を報告した。 |
| 多職種連携 | 相談支援専門員と、日中の過ごし方について情報を共有した。 |
| 本人の強み | 絵を描くことが好きで、訪問時に見せてくださる。 |
| 次回の計画 | 服薬カレンダーの導入を提案し、次回に一緒に設定する。 |
関わり方で気をつけること
| 場面 | どうするか |
|---|---|
| 幻聴・妄想の訴え | 内容の真偽を議論しない。つらさに焦点を当てて聞く |
| 励まし | 「頑張って」は避け、いまできていることを言葉にする |
| 沈黙 | 急いで埋めず、そばにいる時間をつくる |
| 約束 | できることだけを約束し、必ず守る |
| 訪問時間 | 毎回同じ時間帯にすると安心につながる |
| 生活の乱れ | 一度に全部を直そうとせず、1つに絞る |
| 家族への助言 | 家族も支援の対象と考える |
| 危機のサイン | 言葉をそのまま記録し、すぐ主治医へ |
| 記録の共有 | 本人が見る可能性を意識した書き方にする |
| 多職種 | 相談支援専門員・作業所・行政と、伝える範囲を本人と確認する |
訪問看護の記録をAIで作成する仕組みは訪問看護×AIで記録時間を短縮するでご紹介しています。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
監修:嶺井 美幸(看護師・訪問看護ステーション「訪問看護ようき」代表・株式会社ライフシフトCSO)
