公開:2026年11月6日/出典:中央社会保険医療協議会 総会 総-1 個別改定項目について・厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 1. 賃上げ対応」・ベースアップ評価料に係る特設ページ
要点(3行)
- 令和8年度診療報酬改定で、病院・診療所のベースアップ評価料の対象職員が広がりました。事務職員と、40歳未満の医師・歯科医師・薬局薬剤師も対象です(経営者・役員等は除く)。
- 外来・在宅ベースアップ評価料は、継続的に賃上げを実施している保険医療機関とそれ以外で別の点数になり、全てのベースアップ評価料が令和8年度・令和9年度の段階的な評価になります。
- 入院では、入院基本料等が引き上げられる一方、令和6・7年度に賃上げを実施していない等の保険医療機関について、入院基本料等の減算規定が新設されました。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 資料 | 総-1 Ⅰ-2-1「医療従事者の処遇改善」①「賃上げに向けた評価の見直し」と、厚生労働省の説明資料「1. 賃上げ対応」 |
| 賃上げの目標 | 現行は令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%。改定後は令和8年度に3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)、令和9年度にさらに3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%) |
| 対象となる施設 | 保険医療機関、保険薬局、訪問看護ステーション(現行は保険医療機関、訪問看護ステーション) |
| 対象となる職員 | 現行の「主として医療に従事する職員」から、改定後は「当該保険医療機関に勤務する職員」へ。40歳以上の医師・歯科医師・薬局薬剤師、業務委託により勤務する者を除き、経営者・法人役員を含まない |
| 評価体系 | 外来・在宅ベースアップ評価料などは、継続的に賃上げを実施している保険医療機関とそれ以外の保険医療機関で異なる評価。全てのベースアップ評価料を令和8年度及び令和9年度において段階的な評価とする |
| 夜勤手当 | 看護職員処遇改善評価料及びベースアップ評価料による収入を、夜勤手当の増額に用いることを可能とする。恒常的に夜間を含む交代制勤務をとっている職場の職員に支払われる夜勤手当は、毎月支払われる手当に準じて基本給等に含めて差し支えない |
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の点数
| 区分 | 現行 | 令和8年6月〜令和9年5月 新たに賃上げを行う施設/継続的賃上げ実施施設 |
令和9年6月〜 新たに賃上げを行う施設/継続的賃上げ実施施設 |
|---|---|---|---|
| 初診時 | 6点 | 17点/23点 | 34点/40点 |
| 再診時 | 2点 | 4点/6点 | 8点/10点 |
| 訪問診療時(同一建物居住者等以外) | 28点 | 79点/107点 | 158点/186点 |
| 訪問診療時(同一建物居住者等) | 7点 | 19点/26点 | 38点/45点 |
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)は、区分が8から12に広がり(区分12は初診又は訪問診療で96点・再診時等で12点)、令和9年6月以降は24区分まで拡大する、と書かれています。継続的賃上げ実施施設の区分12は、令和8年6月〜令和9年5月が160点・20点、令和9年6月〜が128点・16点です。
入院の見直し
| 項目 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 入院ベースアップ評価料 | 区分が165から250に。令和9年6月以降は500区分まで拡大する |
| 入院料の引上げ(例) | 急性期一般入院料1が1,688点から1,874点 |
| 減算規定の新設(例) | 急性期一般入院料1の場合、121点減算(1日あたり) |
| 減算にならない保険医療機関 | 次のいずれかを満たすもの:令和8年3月31日時点で入院ベースアップ評価料の届出を行っている/令和6年3月と比較して継続的に賃上げを行っている/令和8年6月1日以降に新規開設した |
区分の決め方(賃金改善算定基礎額)
入院ベースアップ評価料と外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)では、届出のときに区分を決めるため「賃金改善算定基礎額」の算出が必要です。外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)では算出は不要、と書かれています。資料の式では、医師・歯科医師以外は月額賃金総額に定められた率(令和8年6月〜令和9年5月は1.29×3.2%、看護補助者・事務職員は1.29×5.7%)を掛け、40歳未満の医師・歯科医師は人数に定められた額(常勤27,021円/人・非常勤9,244円/人)を掛けて合計します。これを算定回数で割って、届け出る区分が決まります。
一次資料:中医協 総-1 個別改定項目について(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定 1. 賃上げ対応(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について(特設ページ・厚生労働省)
病院・クリニックで確かめること
- 貴院が「継続的賃上げ実施施設」と「新たに賃上げを行う施設」のどちらで届け出ているかを、届出の控えでご確認ください。区分の基準は施設基準告示(令和8年厚生労働省告示第71号)と施設基準通知の定めによります。
- 入院料の減算については、特設ページの「入院料減算免除について」に、基本診療料の施設基準告示(第70号)と通知の抜粋が並んでいます。貴院がどの条件にあたるかは、その定めでご確認ください。
- 対象職員に事務職員や40歳未満の医師が加わりました。人事・給与の担当と医事課で、対象職員の名簿の作り方を合わせておくと、届出の様式の記入が進めやすくなります。
- 特設ページでは、入院診療のみを実施し外来診療がゼロ件の医療機関で、入院ベースアップ評価料の区分が正しく表示されない様式の誤りがあり、更新した(2026/05/27付)と案内されています。該当する場合は、案内の再提出の手順をご確認ください。
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更新履歴:初版。令和9年6月の切り替えや報告書について新しい案内が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






