公開:2026年11月8日/出典:社会保障審議会 介護給付費分科会(第259回)資料7・(第255回)資料1-3
これは審議の途中の「論点」です。決まった内容ではありません。決まったときはこの記事を更新します。
要点(3行)
- 令和8年6月29日の介護給付費分科会(第259回)に、資料7「福祉用具・住宅改修」が出されました。次の介護報酬改定に向けた「現状と課題及び論点」です。
- 論点は1つ。「選択制の運用のあり方や上限価格の仕組みの検討に加え、福祉用具を利用者に適時・適切に提供するという観点から、どのような方策が考えられるか」です。
- 現状として、選択制の対象種目の購入割合(固定用スロープが最も高く、歩行器が最も少ない)や、上限価格の見直しで事務作業が発生していることなどが書かれています。選択制導入後の調査研究の結果は、第255回の資料1-3で報告されています。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 会議 | 第259回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)。令和8年6月29日。資料1〜6は訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導・居宅介護支援・介護予防支援 |
| 資料 | 資料7「福祉用具・住宅改修」(厚生労働省 老健局) |
| 資料の構成 | 1.概況/2.令和6年度介護報酬改定の内容/3.関連する各種意見・サービス提供等の状況/4.現状と課題及び論点 |
| あわせて読む資料 | 第255回(R8.3.30)資料1-3「一部の福祉用具に係る貸与と販売の選択制の導入に関する調査研究事業(結果概要)」 |
令和6年度改定で入った選択制(資料のまとめ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の種目・種類 | 固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖 |
| 選ぶときの説明 | 福祉用具専門相談員又は介護支援専門員が、貸与と販売のいずれかを利用者が選択できることについて、メリット及びデメリットを含め十分説明し、必要な情報の提供と、医師や専門職の意見・利用者の身体状況等を踏まえた提案を行う |
| 貸与のあと | 福祉用具専門相談員が、利用開始後6月以内に少なくとも1回モニタリングを行い、貸与継続の必要性を検討 |
| 販売のあと | 特定福祉用具販売計画の目標の達成状況を確認。要請等に応じて使用状況を確認し、必要な場合は使用方法の指導、修理等を行うよう努める。商品不具合時の連絡先を情報提供 |
「現状と課題」に書かれていること
| 項目 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 給付の動き | 福祉用具貸与、販売の給付件数・給付費は年々増加、住宅改修は近年横ばい |
| 選択制の給付費 | 選択制種目の貸与・販売・居宅介護支援費の給付費は令和6年6月をピークに減少。貸与と居宅介護支援費の合計は微減、販売を含めた総計は概ね横ばい |
| 購入割合 | 最も高いのは「固定用スロープ」(令和6年度15.2%→令和7年4〜6月7.5%)、最も少ないのは「歩行器」(令和6年度1.6%→令和7年4〜6月1.2%) |
| モニタリング | 概ね4〜6ヶ月以内に利用者一律に期間を定めて実施している事業所が多かった |
| 選択制の広げ方 | 保険者の「貸与・販売を選択可能にした方が良いと考えられる用具」、貸与事業所・居宅介護支援事業所の「利用者から購入を希望する声があった用具」は、ともに「特になし」が最も多かった |
| 上限価格と同額の請求 | 上限価格と同額で請求される件数の割合は、全体として50%以下に分布し、特に10%以下に集中。ほぼ同額で請求される件数が多い製品の傾向は5%以下(3.8%→3.9%→4.1%→4.2%)で、大きな変化はない |
| 上限価格の見直し | 令和6年度改定では、上限価格が引き下げられる商品が全体の88.7%、引き上げられる商品が11.3%。見直しにより、介護支援専門員及び利用者への説明、説明に伴う文書作成、カタログの刷新、契約変更手続き、システム改修などの事務作業が発生している |
関連する意見(資料に載っている抄)
- 令和6年度介護報酬改定に関する審議報告(令和5年12月19日):選択制の導入やその他の見直しの効果・課題等について引き続き調査・検証を行う。上限価格の改定方法について、物価上昇に対応した特例的な仕組みを設ける等の見直しの必要性を含め検討するため、貸与価格の上昇等の実態を引き続き半年に1度程度把握する。
- 介護保険制度の見直しに関する意見書(令和7年12月25日 介護保険部会):特定福祉用具販売は、BCP未策定・高齢者虐待防止措置未実施の減算の対象とされていない。選択制の導入なども踏まえ、特定福祉用具販売の費用の額に関する所要の制度上の整備を行うことが適当。
第255回の調査研究(選択制)の調べ方
| 方法 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 介護DBの分析 | 令和5年4月〜令和7年6月(サービス提供月)の福祉用具貸与・特定福祉用具販売の請求データ |
| アンケート | 福祉用具貸与事業所(発出7,065・有効回収2,970・42.0%)、居宅介護支援事業所(発出6,000・有効回収2,146・35.8%)、保険者(1,574・有効回収1,040・66.1%) |
| ヒアリング | 貸与事業所・居宅介護支援事業所は各2事業所(大規模・中小規模)、保険者は2保険者(政令市・一般市) |
一次資料:
- 介護給付費分科会(第259回)資料7 福祉用具・住宅改修(PDF)
- 介護給付費分科会(第255回)資料1-3 一部の福祉用具に係る貸与と販売の選択制の導入に関する調査研究事業(結果概要)(PDF)
- 第259回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料(厚生労働省)
事業所で確かめること
- 論点は審議の途中です。決まるまでは、今の運営基準・告示の定めと貴事業所の届出のとおりです。
- 選択制の対象福祉用具を提供するときの説明・提案・モニタリングの記録が、今の運営基準の定めに沿っているかを、貴事業所の福祉用具サービス計画・記録でご確認ください。
- ケアマネジャーの方は、選択制の説明と提案の扱いを、居宅介護支援の運営基準の解釈通知でご確認ください。
- 上限価格の見直しがあったときの利用者への説明や契約の扱いは、指定を受けている自治体の案内をご確認ください。
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更新履歴:初版。審議で方向性が決まったとき・告示や通知が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






