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低栄養の看護計画|食べる量の減少・体重の変化・がんの治療中の食欲低下に備える訪問看護計画書 目標とO-P/T-P/E-P記載例223例

この数か月で食べる量が減ってきた、服やズボンのゆるみが目立ってきた、がんの治療を続けていて食欲が戻らない、物忘れが進んで食事をとったかどうかがはっきりしない、一人暮らしで買い物や調理が負担になってきた、入れ歯が合わなくなって硬いものを避けているといった、低栄養が心配な方の在宅の訪問看護計画書について、看護・リハビリテーションの目標、療養上の課題・支援内容(O-P・T-P・E-P)、評価をどう書くかを、記載例でまとめた記事です。読み手は訪問看護ステーションの看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理者を想定しています。病院の看護計画や看護学生の看護過程では、食事が決まった時刻に配られ、摂取量を職員が毎食記録し、体重測定や検査が予定どおりに行われることを前提に組み立てます。在宅の訪問看護計画書は、週に数回・限られた時間の訪問の中で何を見て何をするかと、看護師がいない時間の買い物・調理・食事・片付けを、ご本人・ご家族・訪問介護・配食・通所の職員がどう受け持つかを書く計画です。この記事は後者だけを扱います。

介護支援専門員が作るケアプラン(第1表・第2表)の文例は「低栄養・フレイルの方のケアプラン文例」の記事にまとめています。この記事では、訪問看護計画書の側からケアプランのどこに合わせるかだけを整理しました。計画書全体の総論は「訪問看護計画書の書き方と記入例」、評価欄の詳しい書き方は「訪問看護計画書の評価の書き方と記載例」、むせや飲み込みに関わる計画は「誤嚥性肺炎の看護計画」、胃ろうから栄養をとる方の計画は「胃ろうの看護計画」、物忘れが重なる方の計画は「認知症の看護計画」、食べられる量が少なくなっていく最期の時期の計画は「在宅の看取りの看護計画」の記事もあわせてご覧ください。

以下の記載例は、すべて架空の利用者を想定して当社が作成した記載のイメージです。体格を表す指数やその判定の区分・体重の減り方の割合と期間の目安・血液検査の値とその基準・一日に必要なエネルギーやたんぱく質や水分の量・栄養状態を点数で判定する尺度の基準・食事制限の内容・栄養を補う飲み物や食品の商品名と量・薬の名前と量・主治医へ連絡する目安や受診の基準など、数値と医学的な判断にあたる内容は、この記事には書いていません。これらは主治医と管理栄養士が一人ひとりに合わせて決めるものです。計画書には「主治医の指示のとおり」「管理栄養士の栄養ケアの計画のとおり」「処方のとおり」の形で書き、実際の内容は指示書・処方・管理栄養士からの情報から写してください。訪問で確かめた値を書く場所は「(記録した値)」と示しています。また、低栄養かどうか、どの程度かの見立ては主治医によるものとし、看護師の計画書の上で判定しない書き方にしています。

計画書の欄と通知の原文|食が細くなってきた方の計画書で、各欄に何を書くか(欄別対照表3つ)

医療保険の訪問看護の計画書の各欄に何を書くかは、「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)の第一の2(1)に、介護保険の訪問看護については「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日 老企第55号)の2(2)に示されています。低栄養が心配な方は、要介護認定を受けて介護保険の訪問看護として計画書を作る場面が多い一方で、がんの治療中などで医療保険の訪問看護として作る場面もあります。下の表の左から2列目は保医発0327第10号の原文、右の2列は低栄養が心配な方の計画書で書く中身と、貴事業所の運用を書き込む欄です。

欄 記載要領の定め(保医発0327第10号 第一の2(1)) 低栄養が心配な方の計画書で書く中身 貴事業所の記入欄
利用者氏名・生年月日・要介護認定の状況・住所 ①「必要な事項を記入すること」 入院で体力が落ちて退院し、区分の変更を申請中の方では、備考に申請の状況を書き、結果が出たら計画書を見直す日を決めておく。一人暮らしかどうか、食事を用意する人が誰かは記録書Ⅰと備考で分かるようにしておく 認定の状況の確認者:(    )
看護・リハビリテーションの目標 ②「主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて看護及びリハビリテーションの目標を設定し、記入すること」 「栄養状態が改善する」「低栄養を予防する」で止めず、食べることを通じて続けたい暮らし(好きなものを味わう、家族と食卓を囲む、自分で買い物に行く、通所で昼食をとる)を主語にする。体重や食事量の目標値は目標の文に入れず、主治医・管理栄養士の指示から写す欄を分ける 目標の主語の決まり:(    )
年月日 ③「計画書の作成年月日及び計画の見直しを行った年月日を記入すること」 入院と退院、がんの治療の開始や変更、入れ歯の作り直し、食事の形の変更、配食や通所の開始、主な介護者の交代、配偶者を亡くしたなどの暮らしの変化、体重の変化を主治医へ報告して指示が変わった日など、見直しのきっかけになった日を残す 見直しのきっかけの一覧:(    )
療養上の課題・支援内容 ④「看護及びリハビリテーションの目標を踏まえ、指定訪問看護を行う上での療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」 課題ごとに観察(O-P)・ケア(T-P)・ご本人とご家族への説明や相談(E-P)を分ける。課題の文には、食べた量の様子、体重(記録した値)と測った条件、口の中や入れ歯の様子、買い物と調理を誰がしているか、ご本人の言葉など、そう考えた根拠を添える 課題の根拠の書き方:(    )
評価 ④(同上)。介護保険の老企第55号の記載要領では、評価の欄について「初回の訪問看護サービス開始時においては、空欄であっても差し支えない」とされています 目標ごとに、記録書Ⅱと食事の記録表に残した事実(食べた量の様子、体重(記録した値)と測った日、口から食べられた食事の形、買い物や配食が予定どおりだったか、ご本人の言葉)で書く。「食事摂取良好」「著変なし」の一語で終わらせない 評価を書く時期:(    )
衛生材料等が必要な処置の有無・処置の内容・衛生材料等・必要量 ⑤「衛生材料等が必要になる処置の有無について○をつけること」「『処置の内容』及び『衛生材料等』について具体的に記入し、『必要量』については1ヶ月間に必要となる量を記入すること」 低栄養だけでは処置が無い方が多い欄。やせて骨の出ている所に傷ができた、口の中の手当てがあるなど、指示書に衛生材料を使う処置がある場合だけ、内容・種類とサイズ・1か月の必要量を指示書と主治医の医療機関の取扱いのとおりに写す 衛生材料の確認先:(    )
訪問予定の職種 ⑥「訪問予定の職種及びその訪問日について、利用者に分かるように記載すること」。看護職員のみによる訪問の場合には記載しなくても差し支えないとされています 言語聴覚士が食べ方や飲み込みの練習で、理学療法士・作業療法士が買い物や調理の動作、座る姿勢の練習で訪問する方では、職種と曜日を書く。管理栄養士の訪問は別のサービスなので、この欄でなく備考に書く 職種と曜日の伝え方:(    )
備考 ⑦「利用者に対する訪問の計画、特別な管理を要する内容、他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況、その他留意すべき事項等を記入すること」 訪問の曜日と時間帯(食事の時刻との関係)、管理栄養士・歯科の訪問の有無と曜日、配食の曜日と事業者、通所での昼食の有無、訪問介護の買い物・調理の援助の曜日、食事の制限がある場合はその出どころ(主治医の指示のとおり)、緊急時の連絡の順番など 備考に書く項目:(    )

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

介護保険と医療保険の通知で、低栄養が心配な方の計画書と記録に関わる定めを並べる

計画書の欄の名前と書く中身は両方の通知でほぼ同じ形ですが、介護保険の側にだけ書かれていること、記録書や管理者の側に書かれていることがあります。低栄養が心配な方は、食べる量や体重の変化が訪問の記録の積み重ねで初めて見えてくるため、記録書の定めとのつながりがとくに大きくなります。手元の通知の原文から並べました。

確かめる点 通知の原文 低栄養が心配な方で確かめること 貴事業所の記入欄
計画書の作り方の基本(介護保険) 老企第55号 1(1)「訪問看護計画書は、主治の医師の指示、利用者の希望や心身の状況等を踏まえ、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載して作成すること」 指示書の留意事項と、ご本人の「好きなものなら食べられる」「無理に食べさせられたくない」、ご家族の「もっと食べてほしい」という希望の両方が計画書に入っているか 希望を聞き取った日:(    )
居宅サービス計画との関係(介護保険) 老企第55号 1(1)「既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成するものであること」 ケアプランの食事と栄養の目標、配食・通所・訪問介護の買い物と調理の援助の曜日、管理栄養士や歯科の関わりを、計画書とそろえる ケアプランの受け取り日:(    )
欄の名前の変更(介護保険) 介護保険最新情報Vol.1213 別紙17の老企第55号の改正で、計画書④の欄は「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められています 古い様式のまま「問題点・解決策」の欄を使っていないか。「栄養摂取消費バランス異常」の名前だけの書き方を、課題と支援内容の形に見直す 様式の改訂日:(    )
主治医への提出(介護保険) 老企第55号 1(2)「主治医と連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため定期的に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を主治医に提出しなければならないこと」 がんの治療を行う病院の医師と在宅の主治医が別の方では、計画書と報告書を出す先と、体重や食べる量の変化を伝える先を決めておく 提出先と時期:(    )
記録書Ⅰに書く項目 保医発0327第10号 第一の2(3)②。記録書Ⅰには「療養状況、介護状況、訪問看護の依頼目的、緊急時の主治医・家族等の連絡先、指定居宅介護支援事業所等の連絡先、その他関係機関との連絡事項等」を記入すること 食事を用意する人と買い物の手段、配食の事業者、管理栄養士・歯科の連絡先、食事の制限の有無とその出どころを、初回の訪問で残しておく 連絡先の確認日:(    )
記録書Ⅱに書く項目 同 第一の2(3)②。記録書Ⅱには「病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容等」の必要な事項を記入すること 食べた量の様子、体重(記録した値)と測った条件、口の中と入れ歯の様子、むせの有無、便の様子、冷蔵庫や台所の様子、食事の記録表から写した内容を書く場所と順番を事業所で決めておく 食事と体重を書く欄:(    )
評価と見直し 同 第一の2(3)③「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」 評価の根拠になる事実(食べた量の変化、体重の推移(記録した値)、食べられた食事の形、続けられた買い物や配食、ご本人の言葉)を、訪問のたびに同じ順番で書く 記録の順番:(    )
計画書の見直しの記録 同 第一の2(3)②「訪問看護ステーションの管理者又は包括型訪問看護療養費を算定する日の指定訪問看護に対する責任者は、氏名と訪問看護計画書の確認や見直しを行った場合はその旨を訪問看護記録書に記録すること」 体重の変化を主治医へ報告して指示が変わったとき、食事の形や配食の内容が変わったときに、計画書を確かめたことと見直したことを記録書に残しているか 見直しの記録の担当:(    )
管理者の確認 同 第一の1(3)「訪問看護ステーションの管理者は、主治医からの訪問看護指示書(以下「指示書」という。)、計画書及び報告書並びに記録書の内容について、助言、指導、確認等十分な管理を行い」 主治医・管理栄養士の指示が変わったときに、計画書・ご家族に渡した食事の紙・訪問介護への依頼の内容が同じ内容に書き換わっているかを管理者が確かめる 確認の担当者:(    )

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号・老企第55号)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。様式と記載の取扱いは保険者(指定権者)や審査支払機関によって異なる場合があります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

指示書・処方・管理栄養士や歯科からの情報から計画書へ写す項目(内容は元の書類のとおり転記)

低栄養が心配な方の計画書で崩れやすいのは、体重の目標や食事の制限、栄養を補う飲み物の指示が、指示書や管理栄養士の書類、退院時の書類の中にだけあり、計画書にもご家族の手元の紙にも写されていないことです。逆に、一般的な目安や前の計画書、別の利用者の例から数値を書き写すと、持病による食事の制限と食い違うことがあります。次の表は、元の書類の記載を計画書のどの欄にどんな形で写すかの型です。「(指示書の内容)」の部分には、元の書類に書かれたとおりに写してください。

元の書類に書かれていること 写す先の欄 計画書の書き方の型 貴事業所の記入欄
指示書の主たる傷病名と留意事項 目標・備考 「主治医の指示書の留意事項(指示書の内容)を踏まえ、食べることを通じて自宅での暮らしを続けられることを目標の柱にする」 指示書の日付:(    )
体重を測る頻度と、報告してほしい変化 O-P・E-P・備考 「体重は主治医の指示のとおりの頻度と条件で測り(記録した値)、指示書に記載の報告の目安にあたる変化があれば主治医へ報告する」 体重計の置き場所と測る条件:(    )
食事の制限(塩分・水分・糖分・たんぱく質など)の有無と内容 T-P・E-P・備考 「食事の制限は主治医の指示のとおり(指示書の内容)とし、制限と食べる量の両立について気になることは管理栄養士と主治医へ相談する」 制限の出どころの書類:(    )
栄養を補う飲み物や食品の種類と量 T-P・E-P 「栄養を補う飲み物や食品は処方または主治医・管理栄養士の指示のとおり(指示書の内容)とし、飲みやすい時刻と温度をご本人と一緒に確かめる」 処方・指示の確認日:(    )
管理栄養士の栄養ケアの計画(居宅療養管理指導などを利用している場合) T-P・備考 「食事の内容と量の工夫は管理栄養士の栄養ケアの計画のとおりとし、訪問看護では食べた量の様子と体重を記録して管理栄養士と共有する」 計画の受け取り日:(    )
食事の形と、とろみの有無(飲み込みの評価の結果) T-P・訪問予定の職種 「食事の形ととろみは言語聴覚士・医療機関の評価のとおり(評価の記録)とし、ご家族と訪問介護が同じ形で用意できるよう手順を紙にする」 評価を受けた日と評価者:(    )
歯科の情報(入れ歯の調整や作り直しの予定、口腔のケアの方法) T-P・備考 「入れ歯と口の中の手入れは歯科から受けた指導のとおりとし、合わない・痛いなどの訴えがあれば歯科へつなぐ」 歯科の連絡先:(    )
処方の内容(食欲や味、口の渇き、便通に関わりうる薬を含む) O-P・E-P 「薬は処方のとおりとし、食欲・味・口の渇き・便通の様子を記録して、気になることは主治医と薬局へ伝える。薬を自己判断でやめない」 お薬手帳の確認日:(    )
血液検査などの結果と、主治医からの説明 課題・評価 「検査の結果と説明は主治医から受けた情報のとおり(書類の内容)とし、看護師の判断で結果を解釈して目標の数値にしない」 結果の受け取り方:(    )
主治医へ連絡する目安(食べられない日が続く、水分がとれない、急な体重の変化、意識の変化など) O-P・E-P・備考 「指示書に記載の連絡の目安(指示書の内容)にあたる様子があれば、当ステーションから主治医へ報告する。連絡の順番を紙にしてご本人とご家族に渡す」 報告の手段と時間帯:(    )
退院時の情報(入院中の食事の形と食べた量、体重の推移、退院時の指導) 課題・備考 「退院時の情報(書類の内容)を課題の根拠として書き、病院の食事と自宅の食事の違い(量・形・時刻・用意する人)をご家族と確かめる」 退院時の書類の保管:(    )
がんの治療の予定(治療の日と、その前後に出やすい症状についての説明) O-P・備考・年月日 「治療の予定は医療機関の情報のとおり(書類の内容)とし、治療の前後で食べた量と症状を記録して、治療を行う医療機関と在宅の主治医へ伝える」 治療の予定の受け取り方:(    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

食べた量と体重の変化を記録する型|訪問のたびに同じ順番で残す観察の記録(観察14項目)

低栄養は、ある日の訪問だけでは見えにくく、同じ項目を同じ順番で記録し続けたときに初めて変化として見えてくることが多い状態です。「食欲なし」「食事摂取まあまあ」のような書き方だと、前回と比べることができず、主治医や管理栄養士に伝えるときの材料にもなりません。下の表は、訪問のたびに見る項目と、記録書Ⅱへの書き方の型です。数値で書く欄は「(記録した値)」とし、何をもって変化とみるかの目安は主治医・管理栄養士の指示によります。

観察の項目 見る・聞く方法 記録書Ⅱへの書き方の型
食べた量 食事の記録表、ご本人とご家族の話、残った食事の様子、配食の容器の残り 「朝:パンを半分と牛乳(ご本人の話)。昼:配食の主菜を3分の1残す(容器で確認)。夕:家族と同じものを少量(妻の話)」のように、食事ごとに出どころを添えて書く
食べる回数と時刻 食事の記録表、ご本人の一日の流れの聞き取り 「起床が遅く、朝と昼が一緒になる日が週3日ある(ご本人の話)」と、回数と時刻のずれを書く
水分のとり方 湯のみやペットボトルの減り方、ご本人の話、口の中や皮膚の乾き 「湯のみで日中に数杯(ご本人の話)。夜はトイレを気にして控えている」と、量の様子と控える理由を書く。量の目安は主治医の指示による
体重 主治医の指示のとおりの頻度と条件で測る(同じ体重計・同じ時間帯・同じ服装など) 「体重(記録した値)。測った条件:朝食前・自宅の体重計・室内着」と、値と条件を一緒に書く。前回と条件が違う日はその旨を書く
体つきと服の様子 服やズボンのゆるみ、ベルトの穴、指輪や入れ歯の合い方、腕まわりの様子、ご家族の話 「ズボンのウエストを紐で締めるようになった(ご本人の話)。腕時計のベルトの穴が一つ内側になった」と、目に見える変化で書く
口の中と入れ歯 口の中の乾き・汚れ・傷・痛み、入れ歯の合い方と使っている時間、噛める物 「下の入れ歯が浮いて痛いため、食事のときに外している(ご本人の話)。右の歯ぐきに赤み」と、食べにくさにつながる事実を書く
飲み込み 食事や飲み物のときのむせ、食事にかかる時間、口の中に残る様子 「お茶でむせることが訪問中に1回。ご飯は口に残りやすく、一食に時間がかかる(妻の話)」と、場面と食べ物を書く
味やにおいの変化・食欲 ご本人の言葉、好んで食べる物と避ける物の変化 「『何を食べても味が薄い』『においで気分が悪くなる』(ご本人の話)。冷たい果物は食べられる」と、言葉と食べられる物を書く
お腹の具合と便 吐き気、お腹の張り、便の間隔と性状 「便は数日に1回で硬い(ご本人の話)。食後にお腹が張って食べられないと話す」と、食べる量とのつながりで書く
体の動きと疲れやすさ 立ち上がりや歩く様子、外出の回数、横になっている時間 「買い物に行くと帰ってから横になる。前は歩いて行けた店に、今は娘の車で行く」と、暮らしの中の変化で書く
皮膚 乾き、骨の出ている所の赤み、傷の治り方 「仙骨部に消えない赤みなし(訪問時確認)。すねの皮膚が乾いて粉をふく」と、場所と様子を書く
気分と眠り 表情、会話の量、「食べたくない」の背景、眠れているか 「夫を亡くしてから一人で食べる気がしないと話す。夜はよく眠れていない(ご本人の話)」と、食べる気持ちに関わる言葉を書く
台所と冷蔵庫 ご本人の同意のもとで、冷蔵庫の中身、賞味期限の切れた物、調理器具の使われ方 「冷蔵庫に同じ総菜が三つ。期限の切れた物あり(ご本人の同意を得て確認)。コンロは最近使っていないと話す」と、用意と管理の様子を書く
食事を用意する人と手段 買い物・調理・配膳・片付けを誰がしているか、配食や訪問介護の利用 「平日の昼は配食。夕食は娘が週2回作り置き。それ以外はご本人が菓子パンで済ませる日が多い」と、曜日ごとの分担で書く

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

食事の記録表をご本人・ご家族と作るときの欄(続けやすさを優先した8欄)

看護師がいない日の食事は、ご本人やご家族の記録でしか分かりません。ただ、細かすぎる記録表は続かず、書けなかった日に「ちゃんと食べなかった」と責められているように感じさせることもあります。次の表は、続けやすさを優先して欄をしぼった記録表の例です。何を書くかはご本人・ご家族と一緒に決め、書けない日があってよいことも伝えます。

記録表の欄 書き方の例 看護師が訪問時に見ること
日付と曜日 曜日も書く(配食・通所・訪問介護の曜日と照らし合わせるため) 食べる量が少ない曜日に、決まった理由(一人の日、通院の日)があるか
朝・昼・夕・間食 「全部」「半分」「少し」「食べない」の4つから丸をつける 丸のつき方の変化、間食で補っているか
食べた物(ひとこと) 「おかゆ・卵」「配食」「パン」など一言で 同じ物が続いていないか、食べやすい物が何か
飲んだ物 湯のみやコップの数を正の字で 夜に控えていないか、季節で変わっていないか
栄養を補う飲み物(指示がある方) 指示のとおりに飲めたかに丸、飲めなかった理由をひとこと 飲めない理由(味、量、時刻)と、管理栄養士・主治医への相談の必要
体重(指示がある方) 主治医の指示のとおりの頻度で(記録した値) 測った条件がそろっているか、報告の目安にあたる変化か
気になったこと 「むせた」「口が痛い」「便が出ない」「吐き気」など 食べる量が減った日との重なり
ご本人のひとこと 「今日はおいしかった」「食べたくない」など 食べる気持ちの変化、目標の評価に使える言葉

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

食べられなくなる理由を暮らしの中から探す|食事の形・口腔・飲み込み・服薬・独居・買い物・調理・気分(要因別の課題の文14例)

低栄養の看護計画では、「食べる量が少ない」という結果だけを課題にすると、支援内容が「食事摂取を促す」の一行になりがちです。在宅では、なぜ食べられないのかが暮らしの中にあることが多く、それによって手を打つ相手も、ご本人・ご家族・歯科・管理栄養士・訪問介護・配食・介護支援専門員と変わります。下の表は、要因ごとに課題欄の文と、そう考えた根拠、つなぐ先を並べたものです。病気による食欲の低下や体の消耗の見立ては主治医によるため、看護師が見た事実とご本人・ご家族の言葉で書く形にしています。

要因 課題欄の文 根拠として添える事実 つなぐ先
食事の形が合わない 硬い物や繊維の多い物を避けるうちに、食べられる物が限られ、一食の量が減っている 避けている食べ物、食べられる物、一食にかかる時間、ご本人の「噛むのが面倒」 言語聴覚士・管理栄養士・訪問介護
入れ歯が合わない 下の入れ歯が浮いて痛むため食事のときに外しており、やわらかい物だけで済ませている 入れ歯を外している時間、歯ぐきの赤み、最後に歯科を受診した時期 歯科・介護支援専門員
口の中の乾きや痛み 口の中が乾いて食べ物がまとまりにくく、食事の途中で疲れてやめてしまう 口の中の様子、水分のとり方、飲んでいる薬(処方の内容)、ご本人の話 主治医・薬局・歯科
飲み込みにくさ お茶や汁物でむせることがあり、むせるのが怖くて飲み物を控えている むせた場面と食べ物、控えている飲み物、熱や痰の有無 主治医・言語聴覚士
薬と食欲 薬の種類が多く、食前に薬を飲むとお腹がいっぱいになると話している 薬を飲む時刻と食事の時刻、お薬手帳の内容、ご本人の言葉 主治医・薬局
便秘やお腹の張り 便の出る間隔が空き、お腹が張って食事を途中でやめることが増えている 排便の間隔と性状、お腹の張りの訴えが出る時間帯、水分のとり方 主治医
一人暮らしで食べる気がしない 一人で食べる食事は簡単に済ませがちで、菓子パンや漬物だけの日が多い 一日の食事の内容(ご本人の話)、人と食べる機会の有無、ご本人の「一人だと作る気にならない」 介護支援専門員・通所・配食
買い物に行けない 足腰が弱って店まで歩けず、家にある物だけで食事を済ませている 外出の回数、店までの道のり、冷蔵庫の中身、買い物を頼める人の有無 介護支援専門員・訪問介護・理学療法士
調理が負担になった 立って料理をすると疲れるため、火を使う料理をしなくなっている 台所での動き、コンロを使った最後の時期、ご本人の話、調理の手順で困る所 作業療法士・訪問介護・配食
物忘れによる食べ忘れ・二重の食事 食事をとったかどうかを覚えておらず、食べない日と同じ物を何度も食べる日がある 冷蔵庫の残り方、配食の容器、ご家族の電話での確認の内容、ご本人の話の食い違い 主治医・介護支援専門員・訪問介護
気分の落ち込み 配偶者を亡くしてから食事の支度をする気持ちがわかず、食べる量が減っている ご本人の言葉、表情と会話の量、眠り、亡くなってからの期間 主治医・介護支援専門員・ご家族
食事の制限への思い込み 持病の食事の制限を気にするあまり、食べてよい物まで控えている ご本人が控えている物とその理由、主治医の指示の内容(指示書の内容)との違い 主治医・管理栄養士
お金や手間への遠慮 配食や買い物の援助の費用を気にして、利用の回数を減らしている ご本人の言葉、利用を減らした時期、食事の内容の変化 介護支援専門員
主な介護者の負担 夫の介護をしている妻が自分の体調を崩し、食事の用意が前のようにできていない 妻の体調と通院の様子、作り置きの量、妻の「もう手が回らない」 介護支援専門員・訪問介護・配食

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

「栄養摂取消費バランス異常:必要量以下」などの看護診断名を、在宅の課題欄の一文に直す(8例)

病院や看護学生の看護過程では、低栄養に関わる問題を「栄養摂取消費バランス異常:必要量以下」「嚥下障害」「セルフケア不足(摂食)」のような看護診断名で立てることがよくあります。在宅の訪問看護計画書では、介護保険の老企第55号の改正で欄の名前が「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められ、医療保険の保医発0327第10号でも「療養上の課題及び支援内容並びに評価を具体的に記入すること」とされています。名前よりも、暮らしのどの場面で何が起きていて、そう考えた根拠は何かを一文にすると、O-P・T-P・E-Pと評価がつながります。

病院・学生でよく使う表現 在宅の計画書の課題欄の文 根拠として添える事実
「栄養摂取消費バランス異常:必要量以下」 この2か月で食べる量が減り、服のゆるみが目立ってきたと娘が話している 体重(記録した値)と測った日、服の様子、食事の記録表、娘の話、主治医への報告の内容
「嚥下障害」 汁物でむせることが増え、むせるのが怖くて飲み物と汁物を控えている むせた場面と食べ物、控えている物、熱や痰の様子
「セルフケア不足(摂食)」 手の震えで箸が使いにくく、食事の途中で疲れて残すことが多い 箸やスプーンの使い方、一食にかかる時間、残した量、ご本人の言葉
「口腔粘膜障害」 口の中に痛みがあり、熱い物と味の濃い物が食べられなくなっている 口の中の様子(訪問時確認)、痛む食べ物、ご本人の言葉、治療の予定(医療機関の情報)
「便秘」 便の出る間隔が空き、お腹の張りで一食の量が減っている 排便の間隔と性状、お腹の張りの訴えの時間帯、水分のとり方
「活動耐性低下」 買い物と調理で疲れて横になる時間が長くなり、夕食を抜く日がある 一日の流れ、横になっている時間、夕食を抜いた日(記録表)
「非効果的健康管理」 持病の食事の制限を自分で厳しくしすぎて、食べてよい物まで控えている ご本人が控えている物とその理由、主治医の指示の内容(指示書の内容)との違い
「介護者役割緊張」 食べてほしい気持ちから妻が食事のたびに声をかけ続け、夫婦とも食事の時間がつらくなっている 食事の場面の様子、妻の「食べないと死んでしまう」、夫の「放っておいてほしい」

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

背景別|低栄養の看護目標の記載例(がん・認知症・独居など12の背景・長期と短期あわせて24例)

低栄養の目標は、「栄養状態が改善する」「体重が維持できる」「必要な栄養量を摂取できる」の一文で止まりやすい欄です。こうした文は看護の目的としては正しくても、ご本人が自分の目標として受け取りにくく、評価のときも「できていたか」を看護師の印象で書くことになりがちです。また、体重や食べる量の目標値を記憶や一般的な目安から書くと、持病の食事の制限と食い違うことがあります。下の表では、在宅でよく出会う12の背景について長期目標と短期目標を分け、評価のときに記録書Ⅱのどの事実を見るかを右端に置きました。数値の目標がある場合は、主治医・管理栄養士の指示から写す欄を別に設けてください。

背景 長期目標の記載例 短期目標の記載例 評価のときに見る事実
がんの治療を続けている方 治療を続けながら、食べられる物を見つけて、家族との食事の時間を保てる 治療の前後で食べやすかった物と食べにくかった物を記録表に書き、次の治療の時期の食事の用意に活かせる 治療の前後の食べた量、食べやすかった物、症状の記録、ご本人の言葉
がんが進み、食べられる量が少なくなってきた方 食べる量にとらわれず、好きな味を楽しむ時間を持ちながら、望む場所で穏やかに過ごせる 口にしたい物をご本人が選び、ご家族がそれを無理なく用意できる 口にできた物と量の様子、表情、口の中の様子、ご家族の気持ちの言葉
認知症があり、食べたかどうかを覚えていない方 決まった時刻に食事をとる流れを保ち、住み慣れた家で暮らし続けられる 配食と訪問介護の時刻に合わせて食事をとり、食べた量をご家族と訪問介護が同じ記録表に残せる 記録表の残り方、冷蔵庫と配食の容器の残り、体重(記録した値)
一人暮らしで、食事を簡単に済ませがちな方 一人暮らしを続けながら、主食とおかずのそろった食事を一日の中でとれる 週のうち配食と通所の昼食の日を決め、それ以外の日に食べる物をご本人と一緒に決められる 記録表の食べた物、配食と通所の利用の回数、ご本人の言葉
高齢の夫婦二人で暮らし、食事の用意が負担になってきた方 夫婦が無理をせずに食事をとり続け、二人での暮らしを続けられる 作り置き・配食・訪問介護の調理の援助のうち、続けられる組み合わせを夫婦と一緒に決められる 用意を受け持つ人の負担の言葉、記録表、作り置きの量
入院で体力が落ちて退院したばかりの方 退院前の暮らしの場面(買い物・通所・趣味)を一つずつ取り戻せる 退院時の情報にある食事の形と時刻を自宅に合わせて整え、毎食座って食べられる 食べた量、座っていられた時間、体重(記録した値)、退院時の情報との違い
入れ歯が合わず、噛める物が限られている方 好きな物を噛んで味わえる食事を取り戻せる 歯科を受診し、入れ歯の調整の結果に合わせて食事の形を見直せる 歯科の受診の有無と内容、食べられる物の変化、ご本人の言葉
飲み込みにくさがあり、むせを気にして控えている方 むせの心配を小さくしながら、食事と飲み物を楽しめる 言語聴覚士・医療機関の評価のとおりの食事の形と姿勢で、毎食をとれる むせた場面、食事にかかる時間、熱と痰の様子、控えている物の変化
配偶者を亡くし、気持ちが沈んで食べる量が減った方 人とのつながりを保ちながら、自分のペースで食事をとる暮らしを取り戻せる 人と一緒に食べる機会(通所・家族の訪問・地域の会食)を週に一度持てる 人と食べた回数、表情と会話の量、ご本人の言葉、眠り
持病の食事の制限があり、何を食べてよいか迷っている方 主治医の指示の範囲で、安心して食べられる物を増やせる 食べてよい物と控える物を、主治医・管理栄養士の指示のとおりに一枚の紙にして、ご本人が台所で見られる 紙の使われ方、控えすぎていた物の変化、記録表、ご本人の言葉
体を動かす機会が減り、食欲も落ちてきた方(フレイルが心配な方) 歩いて行ける場所を保ち、体を動かして食べる流れを続けられる 理学療法士と決めた体操や散歩を続け、その日の食べた量を記録表に書ける 体操や散歩の記録、外出の回数、食べた量、疲れの訴え
薬が多く、食前の服薬でお腹がいっぱいになる方 薬と食事の時刻の負担を小さくして、毎食を楽しめる 薬を飲む時刻と食事の様子を記録し、主治医と薬局に相談できる 服薬の記録、食べた量、主治医・薬局に相談した内容

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

ご本人・ご家族の言葉から目標欄の文をつくる(「好きな物なら食べられる」「無理に食べさせないで」等8例)

老企第55号の1(1)は、計画書を「利用者の希望や心身の状況等を踏まえ」て作成することとしています。低栄養が心配な方では、食べてほしいご家族と、無理に食べたくないご本人の気持ちが食い違うことがよくあります。聞き取った言葉を、目標欄に入る形に置き換えた例です。言葉が違う方向を向いているときは、両方を書き、どちらかに寄せて消さないようにしています。

聞き取った言葉 目標欄の文 課題欄につなぐ視点
ご本人「好きな物なら少しは食べられる」 好きな物を少しずつ味わう時間を、一日の中に持てる 好きな物の一覧、食べやすい時間帯、用意する人
ご本人「無理に食べさせないでほしい」 自分のペースで食べたい物を食べ、食事の時間を苦痛に感じずに過ごせる 食事の場面の声かけ、ご家族の気持ち、主治医と話し合った内容
娘「母が痩せていくのを見るのがつらい」 母の体の変化を家族と主治医で共有し、納得して食事の支えを続けられる 体重(記録した値)、主治医の説明の内容、娘の気持ちの受け止め方
ご本人「一人だとご飯を作る気にならない」 人と一緒に食べる機会を持ちながら、一人の日も食事をとれる 通所・配食・家族の訪問の曜日、一人の日の食べ物
妻「何を作っても夫が食べてくれない」 夫が食べやすい物と形を夫婦で見つけ、妻の負担が小さくなる 食べやすかった物の記録、妻の負担、管理栄養士への相談
ご本人「入れ歯が痛くて肉が食べられない」 入れ歯の痛みが和らぎ、好きな肉料理をもう一度味わえる 歯科の受診、入れ歯の様子、食事の形の工夫
ご本人「自分で買い物に行きたい」 近くの店まで自分で歩いて行き、食べたい物を選べる 歩く力と道のり、理学療法士の練習、買い物の付き添いの分担
息子「栄養の飲み物を毎日きちんと飲ませたい」 栄養を補う飲み物を、ご本人が飲みやすい形と時刻で続けられる 主治医・管理栄養士の指示の内容、飲めない理由、ご本人の好み

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

療養上の課題・支援内容|低栄養のO-P・T-P・E-P記載例(12課題・36例)

記載要領の④は、療養上の課題と支援内容を「具体的に記入すること」としています。下の表は、在宅の低栄養が心配な方でよく立てる12の課題について、観察(O-P)・ケア(T-P)・説明や相談(E-P)の記載例を並べたものです。病院の看護計画のように観察項目を網羅するのではなく、訪問の時間の中で見ること・すること・伝えることに絞り、看護師がいない時間に誰が何を見るかまで書いています。食事の量や内容の目安、栄養を補う飲み物、食事の制限、薬、連絡の目安は、すべて主治医・管理栄養士の指示と処方のとおりとする書き方です。

療養上の課題(課題欄の文) O-P(観察) T-P(ケア) E-P(説明・相談)
この2か月で食べる量が減り、服のゆるみが目立ってきた 食事の記録表と食べた物、体重(記録した値)と測った条件、服や体つきの様子、疲れやすさ、ご本人とご家族の話を、訪問のたびに同じ順番で見る 食事の記録表をご本人・ご家族と一緒に作り、訪問時に見返して記録書Ⅱに写す。記録をまとめて主治医へ報告し、指示を受けて計画を見直す ご本人とご家族に、記録表は書けない日があってよいことと、気になる変化があったときの連絡先を伝える
一人暮らしで、菓子パンや漬物だけで済ませる日が多い 一日の食事の内容(ご本人の話)、冷蔵庫の中身(ご本人の同意のもとで確認)、買い物の手段、人と食べる機会の有無を見る ご本人と一緒に、手間をかけずに用意できる物の一覧を作る。配食や通所の昼食の利用について介護支援専門員と相談する 一人の日に食べやすい物と組み合わせ方を、ご本人の好みに合わせて紙にして渡す
下の入れ歯が合わず、やわらかい物だけで済ませている 入れ歯の合い方と外している時間、歯ぐきの赤みや傷、噛める物と避けている物を見る 入れ歯と口の中の手入れを歯科から受けた指導のとおりに一緒に行う。歯科の受診や訪問歯科の利用を介護支援専門員と相談する 入れ歯が痛いときに我慢しないことと、歯科へつなぐ方法を伝える
汁物でむせることが増え、飲み物を控えている むせた場面と食べ物、食事にかかる時間、口の中に残る様子、熱と痰の様子、水分のとり方を見る 食事の形と姿勢は言語聴覚士・医療機関の評価のとおりとし、食事の場面を一緒に見て整える。評価を受けていない方は主治医へ相談する ご家族に、評価で決まった食事の形と姿勢を守ることと、むせや熱が出たときの連絡先を伝える
口の中が乾いて食べ物がまとまりにくく、途中で疲れてやめてしまう 口の中の乾き・汚れ・痛み、水分のとり方、飲んでいる薬(処方の内容)、一食にかかる時間を見る 口の中の手入れを一緒に行い、食事の前の口の準備をご本人と決める。薬との関係が気になるときは主治医と薬局へ伝える 口の手入れの方法と、食事の前にできる工夫を、ご本人とご家族に伝える
便の出る間隔が空き、お腹の張りで一食の量が減っている 排便の間隔と性状、お腹の張りの訴えの時間帯、水分のとり方、体を動かす機会、飲んでいる薬を見る 排便の記録をもとに主治医へ様子を報告する。お腹のマッサージや体を動かす工夫は主治医の指示に沿って行う 便の様子の書きとめ方と、お腹の張りが強いときの連絡の目安は指示書に記載のとおりであることを伝える
持病の食事の制限を気にするあまり、食べてよい物まで控えている ご本人が控えている物とその理由、主治医の指示の内容(指示書の内容)、食べた量の様子を見る 主治医の指示の内容を確かめ、制限と食べる量の両立について管理栄養士と主治医に相談する 食べてよい物と控える物を、主治医・管理栄養士の指示のとおりに一枚の紙にして、台所に貼る
栄養を補う飲み物の指示があるが、味に飽きて飲めない日が多い 飲めた日と飲めなかった日、飲めない理由(味・量・温度・時刻)、ご本人の好みを見る 飲み物の種類と量は処方または主治医・管理栄養士の指示のとおりとし、飲みやすい温度と時刻をご本人と一緒に試す。飲めない様子を主治医・管理栄養士へ伝える ご本人とご家族に、飲めないことを責めずに伝えてよいことと、相談の窓口を伝える
物忘れがあり、食べたかどうかを覚えていない日がある 冷蔵庫と配食の容器の残り、記録表の残り方、ご本人の話とご家族の話の食い違い、体重(記録した値)を見る 食事の時刻に合わせた声かけの方法を、ご家族と訪問介護で決める。食べた物を残す記録表を一つにまとめ、訪問時に確かめる ご家族に、食べたかを問い詰めず、記録と残り方で確かめる方法を伝える
買い物と調理で疲れて横になる時間が長くなり、夕食を抜く日がある 一日の流れと横になっている時間、台所での動き、外出の回数、夕食を抜いた日(記録表)を見る 座ってできる調理の工夫と、買い物の分担を作業療法士・訪問介護と考える。調理の援助や配食の利用を介護支援専門員と相談する 疲れやすい時間帯を避けた用意の仕方と、作り置きの使い方を伝える
配偶者を亡くしてから、食事の支度をする気持ちがわかない ご本人の言葉と表情、会話の量、眠り、食べた量、人と会う機会を見る 話を聴く時間を訪問の中にとり、気持ちの変化を記録する。気分の落ち込みが続く様子は主治医へ伝え、介護支援専門員と人と会う機会を相談する 食べられない日があっても責めなくてよいことを伝え、相談できる先を紙にして渡す
食べてほしい気持ちから妻が食事のたびに声をかけ続け、夫婦とも食事の時間がつらくなっている 食事の場面の様子、妻の言葉と体調、夫の言葉、食べた量を見る 妻の気持ちを聴き、食べる量よりも食べられた物に目を向ける記録の仕方を一緒に決める。主治医から受けた説明を夫婦で確かめる場をつくる 妻に、声のかけ方の工夫と、一人で抱えずに相談してよいことを伝える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

がんのある方の低栄養の看護計画|治療中・治療の休み・進行してからの時期で書き分けるO-P・T-P・E-P(8場面)

がんのある方では、治療の影響で食欲や味が変わる時期と、病気が進んで食べられる量が少なくなっていく時期とで、計画書の目標も支援内容も大きく変わります。治療中の時期は「食べられる物を見つける」ことが、進行してからの時期は「食べる量にとらわれず、好きな味を楽しむ」ことが柱になりやすく、同じ「食べる量が減った」でも、ご家族への伝え方が逆になることもあります。下の表は、場面ごとの書き分けの型です。治療の内容、症状を和らげる薬、点滴などの判断は、すべて主治医と治療を行う医療機関によります。

場面 O-P(観察) T-P(ケア) E-P(説明・相談)
治療が始まった時期 治療の日と前後の食べた量、吐き気・口の中の痛み・味の変化・便の様子、体重(記録した値)、ご本人の不安の言葉 治療の予定(医療機関の情報)と食事の記録表を並べ、症状の出る時期を一緒に振り返る。様子を治療を行う医療機関と在宅の主治医へ伝える 症状が出やすい時期の食事の用意の仕方と、症状が強いときの連絡先は医療機関から受けた説明のとおりであることを伝える
味やにおいが変わった時期 食べられる物と避けている物、においで気分が悪くなる場面、口の中の様子 食べやすかった物の一覧をご本人と作り、温度や味つけ、においを抑える工夫をご家族と試す 「前は好きだったのに」と落ち込むご本人とご家族に、食べられる物が変わるのは珍しくないことを伝え、一覧を更新していく
口の中に痛みがある時期 口の中の様子(訪問時確認)、痛む食べ物、口の手入れの様子、水分のとり方 口の手入れを医療機関から受けた指導のとおりに一緒に行い、痛みを和らげる手当ては主治医の指示のとおりとする 痛む物を避けた食事の形と、痛みが強いときの連絡先を伝える
治療の休みの時期 食べた量と体の動き、外出の回数、体重(記録した値)、ご本人がしたいこと 食べられる時期に好きな物を楽しむ予定と、体を動かす機会をご本人と一緒に考える 次の治療の時期に向けて、食べやすかった物の一覧と作り置きの準備を伝える
手術や入院から退院した時期 退院時の情報にある食事の形と量、食べた量、お腹の具合と便、傷の様子 食事の形と回数は退院時の指導と主治医の指示のとおりとし、自宅での用意の仕方をご家族と確かめる 退院時の指導の内容を紙にして台所に貼り、気になる症状の連絡先を伝える
病気が進み、食べられる量が少なくなってきた時期 口にできた物と量の様子、表情、口の中の乾き、だるさの訴え、ご本人とご家族の言葉 口にしたい物をご本人が選べるように用意を整え、口の中を潤す手入れを一緒に行う。ご本人の希望を主治医と共有する ご家族に、食べる量が少なくなっていくことについて主治医から受けた説明を一緒に確かめ、無理に食べさせなくてよい場面があることを伝える
点滴や栄養の方法についての話し合いが出てきた時期 ご本人の希望と気持ちの揺れ、ご家族の気持ち、主治医から受けた説明の内容 話し合いの場に向けて、ご本人とご家族の気持ちを聞き取り、記録して主治医へ伝える どの方法を選ぶかは主治医とご本人・ご家族で話し合って決めることを伝え、迷ってよいことを伝える
最期の時期が近づいてきた時期 口にできた物、口の中の様子、表情と苦痛の様子、ご家族の疲れと気持ち 口の中の手入れと、好きな味を少し含む工夫を一緒に行う。苦痛の様子を主治医へ伝える ご家族に、食べられないことをご家族のせいだと感じなくてよいことと、そばでできることを伝える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

背景別のO-P・T-P・E-P|認知症・独居・老老介護・退院直後・持病の食事の制限・通所の日・季節の変わり目(7場面)

がん以外でも、背景によって、看護師が見ることと、誰に伝えるかが変わります。下の表は、低栄養が心配な方でよく出会う背景ごとの書き分けの型です。食事の量や制限の内容、栄養を補う飲み物は、主治医・管理栄養士の指示のとおりとしています。

背景 O-P(観察) T-P(ケア) E-P(説明・相談)
認知症がある 冷蔵庫と配食の容器の残り、食事をとったかの話の食い違い、食べ方(手が止まる、食べ物で遊ぶ)、体重(記録した値) 食事の時刻に合わせた声かけと、手の届く所に食べ物を置く工夫をご家族と訪問介護で決める ご家族に、食べたかを問い詰めずに記録と残り方で確かめる方法と、気になる変化の連絡先を伝える
一人暮らし 一日の食事の内容、買い物の手段、人と食べる機会、冷蔵庫の中身(同意のもとで確認) 手間のかからない物の一覧をご本人と作り、配食・通所の昼食の利用を介護支援専門員と相談する 体調が悪くて用意できない日の連絡先と、買い置きしておくと助かる物を伝える
高齢の夫婦二人暮らし(老老介護) 食事を用意する人の体調と負担の言葉、作り置きの量、二人の食べた量 用意を受け持つ人の負担を聴き、配食・訪問介護の調理の援助の利用を介護支援専門員と相談する 用意する人が休むことは二人の暮らしを続けるために大切なことだと伝える
入院から退院した直後 退院時の情報との違い(食事の量・形・時刻)、座っていられる時間、体重(記録した値) 食事の形と時刻を退院時の指導と主治医の指示に合わせて整え、座って食べる場所と姿勢を一緒に決める 退院から最初の数週間に気をつけることと、気になる様子の連絡先を伝える
持病の食事の制限がある ご本人が控えている物とその理由、主治医の指示の内容(指示書の内容)、食べた量 制限と食べる量の両立について管理栄養士と主治医に相談し、受けた指示を計画書に写す 食べてよい物と控える物を一枚の紙にして台所に貼り、迷ったときの相談先を伝える
通所に行く日がある 通所での昼食の様子(連絡帳)、通所の日と行かない日の食べた量の違い 通所の職員と、食べた量の伝え方と食事の形を同じ紙で共有する ご本人の同意のもとで、通所の職員に食事で気をつけることを伝える
暑い時期や寒い時期の変わり目 水分のとり方、食欲の変化、外出の回数、台所の室温と食べ物の傷み 水分のとり方と、食べ物の保存の仕方をご本人と一緒に確かめる。水分の量の目安は主治医の指示による 季節によって食べやすい物の工夫と、食べ物の傷みに気をつけることを伝える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

買い物・調理・配膳・食べる場所を支援内容に書く例(台所から食卓までの9例)

在宅の低栄養では、体の観察と同じくらい、食べ物が食卓に届くまでの流れが課題になります。病院では職員が配膳までを受け持つため看護計画に書かれにくい部分ですが、在宅の訪問看護計画書では、どこで流れが止まっているかを書くと、介護支援専門員や訪問介護・配食との分担につなげやすくなります。

流れの場面 支援内容の欄に書く文 ご家族・訪問介護・介護支援専門員への伝え方
買い物 店までの道のりと歩く様子を理学療法士と確かめ、自分で行ける店と頼む物を分ける 訪問介護の買い物の援助の曜日と、頼む物の一覧を介護支援専門員と共有する
献立を決める 好きな物と食べやすい物の一覧をご本人と作り、迷ったときに見られる所に貼る 一覧をご家族と訪問介護に同じ紙で渡す
調理 立って行う手順のうち、座ってできる部分と道具の工夫を作業療法士と考える 調理の援助を受ける日と、ご本人が自分で行う部分を介護支援専門員と分ける
作り置きと保存 作り置きの量と保存の仕方、食べ物の傷みをご本人の同意のもとで一緒に確かめる 作り置きを受け持つご家族に、保存の容器に日付を書くことを伝える
配食 配食の内容が食事の形や制限(主治医の指示のとおり)に合っているかを確かめ、残り方を記録する 配食の事業者への伝え方を介護支援専門員と決める
配膳と食器 手の動きに合った食器とスプーン、盛りつけの量(少なめに盛って足す)をご本人と試す 食器の工夫をご家族と訪問介護に伝える
食べる場所と姿勢 座って食べられる場所と、足の着き方・テーブルの高さを一緒に整える。姿勢は言語聴覚士・医療機関の評価がある場合はそのとおりとする 福祉用具の相談を介護支援専門員に伝える
一緒に食べる人 人と食べる機会(家族の訪問・通所・地域の会食)をご本人と一緒に探す 人と食べる機会の利用を介護支援専門員と相談する
片付けとごみ 片付けの負担が食事を用意しない理由になっていないかを確かめる 片付けの援助の必要を介護支援専門員と訪問介護に伝える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

管理栄養士・歯科・介護支援専門員・訪問介護・配食・通所・薬局・主治医と分担するときの支援内容の記載例(10例)

低栄養が心配な方の暮らしは、訪問看護の時間よりも、看護師がいない時間の食事で大きく変わります。支援内容の欄に、誰が何を見て、どこへ伝えるかを書いておくと、計画書がそのまま分担表になります。管理栄養士や歯科の訪問は別のサービスとして利用するもので、利用するかどうかは介護支援専門員と主治医との相談によるため、計画書では決めず、相談する形で書いています。他の事業所や別居のご家族に様子を伝えるときは、ご本人の同意と、事業所の個人情報の取扱いの手順に沿って行う形にしています。

担い手 計画書の支援内容に書く文 伝え先と記録先
ご本人 食事の記録表に、食べた量の丸と、ひとことを書く。書けない日があってもよい 台所の記録表・訪問時に看護師が確かめる
同居のご家族 食事の用意と記録表の記入を受け持ち、食べられない日が続く・むせる・吐くなどの様子があれば当ステーションへ連絡する 記録表・当ステーションへの電話
別居のご家族 週末の訪問のときに冷蔵庫の中身と作り置きの量を確かめ、少なくなっていれば買い足す 連絡ノート・当ステーション
管理栄養士 食事の内容と量、栄養を補う飲み物の工夫について栄養ケアの計画を立て、訪問看護の記録(食べた量・体重)と共有する 介護支援専門員を通じた情報共有・主治医への報告
歯科・歯科衛生士 入れ歯の調整と口の中の手入れの方法を受け持ち、食べられる物の変化を共有する 介護支援専門員・連絡ノート
訪問介護 買い物・調理・配膳の援助のときに、食べた量と残した物を連絡帳に書く 連絡帳・サービス提供責任者から当ステーションへ
配食の事業者 食事の形と制限(主治医の指示のとおり)に合った内容を届け、受け取りの様子で気づいたことを伝える 介護支援専門員を通じて当ステーションへ
通所介護・通所リハビリ 昼食の食べた量とむせの様子、体重を測った場合はその値(記録した値)を連絡帳に書く 連絡帳・通所の看護職員から当ステーションへ
薬局 薬の数と飲む時刻、飲み込みにくい薬の形について確かめ、食欲や口の渇きの訴えを受けて相談にのる お薬手帳・当ステーションへの連絡
介護支援専門員 食べた量と体重の推移、食事の用意の分担、介護者の様子を、短期目標の期間に合わせて共有し、サービスの見直しの相談に用いる サービス担当者会議の記録・照会への回答

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

悪い例と良い例|低栄養が心配な方の訪問看護計画書でありがちな一行の書き直し(20組)

左はよく見かける一行、中央はそのまま貼れる形に直した文です。悪い例には、一般的な目安や前の計画書から数値を書き写した文、看護師の印象だけで終わる言葉、食べないことでご本人やご家族を責めるように読める言葉が多く入っています。良い例に入れた体重の目標・食事の量・食事の制限・栄養を補う飲み物・薬・連絡の目安は、すべて「主治医の指示のとおり」「管理栄養士の栄養ケアの計画のとおり」「処方のとおり」の形にしています。悪い例の中の「〇〇」は、記憶や一般的な目安から数値を書き入れていた箇所です。

欄 悪い例 良い例(そのまま使える文) 直した点
目標 「栄養状態が改善する」 好きな物を少しずつ味わいながら、週2回の通所で仲間と昼食をとる楽しみを続けられる 看護の目的の言葉ではなく、ご本人が続けたい暮らしを主語にした
目標 「体重〇〇kgを維持する」 体重(記録した値)の変化をご本人・ご家族と主治医で共有し、指示を受けながら食事の工夫を続けられる 記憶の数値を目標に入れず、記録と主治医への報告の形にした
目標 「1日〇〇kcal摂取できる」 主治医・管理栄養士の指示の内容(指示書の内容)に沿って、朝・昼・夕の食事を一日の中でとれる 一般的な目安の数値を消し、指示から写す形と暮らしの場面にした
目標 「低栄養を予防する」 食べた量の変化にご本人とご家族が早めに気づき、主治医や管理栄養士に相談しながら自宅での暮らしを続けられる 起きないことを約束する形から、気づいて動ける形にした
目標 「全量摂取できる」 食べやすい物と形を見つけ、食事の時間を苦痛に感じずに過ごせる 病院の配膳を前提にした「全量」をやめ、ご本人の感じ方を目標にした
課題 「栄養摂取消費バランス異常:必要量以下」 この2か月で食べる量が減り、服のゆるみが目立ってきたと娘が話している 診断名だけの課題を、場面と根拠の入った一文にした
課題 「食欲不振」 配偶者を亡くしてから食事の支度をする気持ちがわかず、菓子パンだけで済ませる日が多い 症状の名前ではなく、食べられない理由と暮らしの様子で書いた
課題 「本人の意欲がない」 一人で食べる食事は簡単に済ませがちで、ご本人は「一人だと作る気にならない」と話している ご本人を責める書き方を避け、言葉と事実で書いた
課題 「家族の協力が得られない」 娘は仕事で平日の夕方に来られず、平日の夕食はご本人が一人で用意している ご家族を責める書き方を避け、来られない事情と分担の空白を書いた
O-P 「食事摂取量の観察」 食事の記録表と食べた物、配食の容器の残り、ご本人とご家族の話を、食事ごとに出どころを添えて記録書Ⅱに書く 何を、何から確かめるかを書いた
O-P 「体重測定」 体重は主治医の指示のとおりの頻度で、同じ体重計・同じ時間帯・同じ服装で測り(記録した値)、測った条件も一緒に書く 前回と比べられるよう、測る条件まで書いた
O-P 「Alb値〇〇以下に注意」 血液検査の結果と説明は主治医から受けた情報のとおりとし、訪問では食べた量・体つき・疲れやすさの変化を記録して主治医へ伝える 検査値の基準を看護師が書かず、主治医からの情報として扱う形にした
O-P 「口腔内の観察」 入れ歯の合い方と外している時間、歯ぐきの赤みや傷、口の中の乾き、噛める物と避けている物を確かめる 食べにくさにつながる見る点を書いた
T-P 「食事摂取を促す」 好きな物と食べやすい物の一覧をご本人と作り、少なめに盛って足す盛りつけ方と食べる場所をご家族と一緒に整える 「促す」の一語をやめ、訪問の中ですることを書いた
T-P 「栄養補助食品〇〇を1日〇本」 栄養を補う飲み物は処方または主治医・管理栄養士の指示のとおりとし、飲みやすい温度と時刻をご本人と一緒に試す 商品名と記憶の量を消し、指示から写す形にした
T-P 「高カロリー食を勧める」 食事の内容と量の工夫は管理栄養士の栄養ケアの計画と主治医の指示(持病の食事の制限を含む)のとおりとし、訪問では食べた量を記録して共有する 持病の制限と食い違うおそれのある一般論を書かず、出どころを示した
E-P 「しっかり食べるよう指導」 食べられない日があっても責めなくてよいことを伝え、食べやすかった物を記録表に書いて次の用意に活かす方法をご本人とご家族と決める ご本人を追い込む言い方を避け、続けられる工夫にした
E-P 「異常時は連絡するよう指導」 食べられない日が続く、水分がとれない、むせが増えた、吐いたなどの様子に気づいたときの連絡の順番を紙にして渡し、連絡の目安は指示書に記載のとおりであることを伝える 何を見て、どこへ連絡するかが分かる形にした
評価 「食事摂取良好」 記録表では昼と夕の丸が「半分」から「全部」に変わった日が増えた。通所の日は昼食を残さず食べている(連絡帳)。体重(記録した値)は前月と同じ条件で測った。夕食を抜く日が週1回残るため、作り置きの分担を見直す 記録の事実と、次の計画で変えることまで書いた
評価 「著変なし、継続」 入れ歯を調整してからは肉料理を少し食べられるようになったとご本人が話す。むせは記録に無い。一人の日の食事は変わっていないため、配食の曜日を介護支援専門員と相談し、目標を続ける できたこととできていないことを分け、続ける理由を書いた

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

ご家族への説明|「食べさせなければ」という気持ちに寄り添う伝え方とE-Pへの書き方(10場面)

低栄養が心配な方のご家族は、「食べないと弱ってしまう」という不安から、食事のたびに声をかけ続けたり、ご本人が食べないことで自分を責めたりしがちです。E-Pに「家族指導」とだけ書くと、何を伝えたのかが残らず、看護師によって伝える中身が変わってしまいます。下の表は、よくある場面ごとに、避けたい言い方と、伝え方の例、E-Pの欄への書き方を並べたものです。病気の見通しや、食べる量が減っていくことの意味についての説明は主治医が行うもので、看護師は主治医から受けた説明をご家族と一緒に確かめる立場で書いています。

場面 避けたい言い方 伝え方の例 E-Pの欄への書き方
食べる量が減って、ご家族が焦っている 「もっと食べさせてください」 「量より、食べやすかった物を一緒に見つけていきましょう。記録表に丸をつけておいていただけると、主治医にも伝えやすくなります」 食べやすかった物を記録表に書く方法と、主治医へ伝える流れを妻に伝える
食事のたびに声をかけ続けて、食事の時間がつらくなっている 「本人の好きにさせてください」 「声をかける回数を少し減らして、好きな物を手の届く所に置いておく方法を試してみませんか」 声のかけ方の工夫と、食べ物を置く場所を妻と一緒に決めたことを書く
ご家族が「私の料理が悪いから」と自分を責めている 「そんなことはないですよ」だけで終える 「食べられる量や物が変わるのは、作る人のせいではないことが多いです。何が食べやすかったかを一緒に振り返りましょう」 妻の気持ちを聴き、食べやすかった物の振り返りを一緒に行ったことを書く
栄養を補う飲み物を飲ませることにこだわっている 「飲まなくても大丈夫です」 「飲み物の種類や量は主治医と管理栄養士の指示のとおりにして、飲みやすい温度や時刻を一緒に試してみましょう。飲めないときは相談してください」 指示の内容を確かめ、飲みやすい温度と時刻を一緒に試すことと相談の窓口を伝える
体重の数字を毎日気にしている 「この数字なら問題ありません」 「体重は主治医の指示のとおりの頻度で、同じ条件で測りましょう。変化は記録を添えて主治医に伝えます」 測る頻度と条件は主治医の指示のとおりであることと、記録を主治医へ伝えることを伝える
一人暮らしの親を、離れて暮らす子が心配している 「ちゃんと食べていますよ」 「記録表と訪問の様子をお伝えします。週末に冷蔵庫の中をご本人と一緒に見ていただけると助かります」 ご本人の同意のもとで、別居の息子へ記録の様子を伝える方法と、週末に頼みたいことを伝える
持病の食事の制限と、食べてほしい気持ちの間で迷っている 「制限は気にしなくていいです」 「制限の内容と食べる量の両立について、主治医と管理栄養士に一緒に相談してみましょう」 制限の内容は主治医の指示のとおりであることと、管理栄養士・主治医への相談の流れを伝える
がんが進み、食べられる量が少なくなってきた 「もう食べられなくても仕方ないです」 「主治医から伺ったお話を、もう一度一緒に確かめましょう。口にしたい物があれば、少しでも用意できるよう考えます」 主治医から受けた説明を一緒に確かめ、口にしたい物を用意する方法を伝える
認知症で「食べていない」と何度も言う 「さっき食べたでしょう」と伝えるよう勧める 「食べたかどうかを確かめるより、少しつまめる物を出して落ち着いてもらう方法もあります。記録表で食べた物を残しておきましょう」 否定しない声かけの工夫と、記録表で食べた物を残す方法を伝える
主な介護者が疲れて、食事の用意が負担になっている 「頑張ってください」 「配食や作り置き、ヘルパーの調理を組み合わせる方法があります。ケアマネジャーさんに一緒に相談しましょう」 介護者の負担を聴き、介護支援専門員への相談につなぐことを伝える

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

評価から報告書・ケアプラン・多職種への連絡へ|低栄養が心配な方の評価文と報告書の欄別記載例

保医発0327第10号の第一の2(3)③は、「目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること」とし、「必要に応じて訪問看護計画書の見直しを行い、指定訪問看護の改善を図る等に努めなければならない」としています。低栄養が心配な方の評価は、体重が変わったかどうかだけでなく、食べられるようになった物と場面、食事の用意の分担が続いているか、ご本人とご家族の食事の時間の感じ方を書くと、次の計画で何を変えるかが決まりやすくなります。

評価の結論 評価欄の記載例 次の計画で変える欄
目標を達成した(一人暮らし・配食の開始) 平日の昼に配食を始めてから、記録表では昼の丸が「全部」の日が増えた。ご本人は「おかずを作らなくてよいので助かる」と話す。夕食は簡単に済ませる日が続く 目標を、夕食と人と食べる機会に進める
一部達成した(入れ歯の調整) 歯科で入れ歯を調整してからは、やわらかく煮た肉を食べられるようになった。硬い野菜は今も避けている 食事の形の工夫を管理栄養士と相談し、目標を続ける
一部達成した(がんの治療中) 治療の後の数日は食べた量が減るが、食べやすかった物の一覧を使って用意できるようになった。体重(記録した値)は治療を行う医療機関へ伝えた 次の治療の時期の作り置きの分担を、娘を交えて見直す
達成していない(食べる量の減少) 記録表の丸は「少し」の日が続いている。服のゆるみが目立ち、体重(記録した値)は前月より同じ条件で減っていた。主治医へ報告した 主治医の指示を受けて計画を見直し、管理栄養士の関わりを介護支援専門員と相談する
状態が変わった(むせと発熱) 汁物でむせる様子が増え、発熱があって主治医へ連絡した。受診し、飲み込みの評価を受ける予定になった 評価の結果に合わせて食事の形と姿勢の支援内容を作り直す。訪問予定の職種に言語聴覚士を加えるかを検討する
状態が変わった(入院から退院) 入院で体力が落ちて退院した。退院時の情報では食事の形が変わり、座っていられる時間が短い 計画書を作り直し、食事の形と時刻、座る場所と姿勢、配食の内容を退院時の情報に合わせる
一部達成した(認知症・食べ忘れ) 食事の時刻に訪問介護が声をかけるようになり、昼の食べ忘れは記録上で減った。夕方は落ち着かず食べない日がある 夕方の過ごし方と、つまめる物を置く工夫をご家族と訪問介護で見直す
目標を達成した(食事の制限の思い込み) 主治医・管理栄養士の指示を一枚の紙にしてから、控えすぎていた物を食べるようになった。ご本人は「食べてよい物が分かって安心した」と話す 目標を、買い物で自分で選ぶ場面に広げる
一部達成した(気分の落ち込み) 通所で昼食をとる日は表情がやわらぎ、会話も増えた。一人の日は食べる量が少ないままである 一人の日の食事と、人と会う機会の増やし方を介護支援専門員と相談する
介護者の状況が変わった 食事を用意していた妻が体調を崩して通院が増え、作り置きが難しくなった。娘が週末の作り置きを受け持つことになった 娘への伝え方と記録表の受け渡しを計画に加え、配食と訪問介護の調理の援助を介護支援専門員と相談する

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

訪問看護報告書の欄に、食べた量と体重の記録をどうつなぐか(低栄養の記載例7欄)

計画書で決めた観察とケア・説明の結果は、主治医へ出す訪問看護報告書に書くことになります。左から2列目は保医発0327第10号 第一の2(2)の原文です。低栄養が心配な方では、診察の場面では見えにくい、家での食事の様子と、食事を用意する人の負担を伝えることが、報告書の大きな役割になります。

報告書の欄 記載要領の定め 低栄養が心配な方の記載例
病状の経過 ③「利用者の病状、日常生活動作(ADL)の状況等について記入すること」 食事の記録表では昼の食べた量が増え、夕は少ない日が続く。体重は(記録した値)で、前月と同じ条件で測った。買い物は娘の付き添いで週1回
看護の内容 ④「実施した指定訪問看護の内容について具体的に記入すること」 体調と体重の確認、食事の記録表の確認、口の中と入れ歯の手入れ、食べる場所と姿勢の調整、食べやすい物の一覧の見直しを行った
家庭での介護の状況 ⑤「利用者の家族等の介護の実施状況、健康状態、療養環境等について必要に応じて記入すること」 娘が週2回作り置きをしている。平日の夕食はご本人が一人で用意している。台所の冷蔵庫に期限の切れた物があり、ご本人と一緒に整理した
衛生材料等の使用量および使用状況 ⑥「指定訪問看護における処置に使用した衛生材料等の名称、使用及び交換頻度、1ヶ月間における使用量を記入すること」 計画書の衛生材料の欄に書いた処置がある方だけ、名称・交換の頻度・その月に使った量を管理表と記録書Ⅱから写す(値は記録した内容のとおり)
衛生材料等の種類・量の変更 ⑦「衛生材料等の変更の必要性の有無について○をつけること」 処置がある方で、やせて骨の出ている所の保護に使う物の量が足りなくなった場合などに、量についてご指示をいただけますでしょうか(変更の必要性:有)と書く
特記すべき事項 ⑨「前記の②から⑧までの各欄の事項以外に主治医に報告する必要のある事項を記入すること」 ご本人から、薬を飲むとお腹がいっぱいになって食事が入らないとの話がある。飲む時刻について、ご指示をいただけますでしょうか。管理栄養士の訪問の利用について、介護支援専門員と相談している
報告書の簡略化 ⑪継続して訪問している方で、その月に1回しか訪問しなかった場合は「記録書Ⅱの複写を報告書として差し支えない」 入院で月の途中から訪問がなかった月などに、該当の記録書Ⅱを報告書として扱うかを事業所の手順で決めておく

※上記は厚生労働省の通知(保医発0327第10号)の記載要領を当社が編集・加工し、当社が作成した記載のイメージを並べたものです。厚生労働省の公式見解ではありません。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

主治医・管理栄養士・歯科・介護支援専門員・訪問介護への連絡文例(8例)

低栄養が心配な方の様子は、一つの職種だけでは見えにくく、連絡の文が「食欲がありません」の一行だと受け取った側が動けません。いつから、何が、どの記録で分かったか、何をお願いしたいかの順で書くと、返事をもらいやすくなります。他の事業所に伝えるときは、ご本人の同意と事業所の個人情報の取扱いの手順に沿って行う形にしています。

宛先 連絡の場面 連絡文の例
主治医 食べる量と体重の変化の報告 この1か月、食事の記録表では夕食の丸が「少し」の日が続き、ズボンのゆるみを本人が話しています。体重は(記録した値)で、前月と同じ条件で測りました。今後の観察と、体重を測る頻度について、ご指示をいただけますでしょうか
主治医 薬と食事の時刻の相談 食前の薬を飲むとお腹がいっぱいになって食事が入らないと本人が話しています(お薬手帳の写しを添えます)。飲む時刻について、ご指示をいただけますでしょうか
主治医 むせの増加の報告 この2週間、汁物とお茶でむせる様子が訪問中に見られ、妻の記録でも増えています。熱はありません(記録した値)。飲み込みの評価について、ご指示をいただけますでしょうか
管理栄養士 食事の記録の共有 訪問看護で付けている食事の記録表の写しをお送りします。昼は配食で食べられていますが、夕は菓子パンで済ませる日が多い様子です。一人でも用意しやすい物について、ご助言をいただけますと助かります
歯科 入れ歯の不具合の連絡 下の入れ歯が浮いて痛むため、食事のときに外していると本人が話しています。右の歯ぐきに赤みがあります。受診の調整について、介護支援専門員とも相談しています
介護支援専門員 サービスの見直しの相談 平日の夕食をご本人が一人で用意しており、記録表では食べる量が少ない日が続いています。配食の曜日の追加や、訪問介護の調理の援助について、サービス担当者会議でご相談させてください
訪問介護(サービス提供責任者) 記録の依頼 調理と配膳の援助のときに、食べた量(全部・半分・少し)と残した物を連絡帳に書いていただけますでしょうか。むせや吐き気に気づいたときは当ステーションへご連絡ください
通所の看護職員 昼食の様子の共有 通所の日の昼食の食べた量とむせの様子を連絡帳でお知らせいただけますと、家での食事との違いを主治医に伝えやすくなります。食事の形は言語聴覚士の評価のとおりです(評価の記録の写しを添えます)

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

ケアプランと計画書をそろえるときに、低栄養が心配な方で書いておくこと(6項目)

介護保険の訪問看護では、老企第55号の1(1)により、居宅サービス計画が作成されている場合は「当該計画の内容に沿って作成する」こととされています。低栄養が心配な方では、配食・通所・訪問介護の買い物と調理の援助が食事の大部分を支えていることが多く、計画書の内容のうち他のサービスにも伝えておくことをはっきりさせておくと、食い違いが起きにくくなります。

合わせる点 計画書の側で書いておくこと 訪問介護・通所・配食・介護支援専門員に伝えること
目標と期間 ケアプランの短期目標の期間と、計画書の評価の時期をそろえる 評価の結果(食べた量と体重の推移)を、短期目標の期間の終わりに合わせて介護支援専門員へ伝える
食事の時刻とサービスの時間 食事の時刻と、訪問看護・訪問介護・配食・通所の時間帯の関係を書く 配食の届く時刻と訪問介護の時間が食事の流れに合っているかを、介護支援専門員と確かめる
食事の形と制限 食事の形(評価の記録のとおり)と食事の制限(主治医の指示のとおり)を書く 訪問介護・通所・配食の事業者に、同じ形と制限で用意してもらえるよう同じ紙で伝える
食べた量の記録 記録表の欄と、誰がどこに書くかを書く 訪問介護と通所の連絡帳に、同じ書き方(全部・半分・少し)で書いてもらう
口の中と入れ歯 口の中の手入れを受け持つ人と方法、歯科の関わりを書く 口の中の手入れの手順をそろえ、入れ歯の不具合に気づいたら連絡帳に書いてもらう
いつもと違う様子 食べられない日が続く、水分がとれない、むせが増えた、吐いたなどの変化と、指示書に記載の連絡の目安を書く 気づいたときの連絡先を当ステーションにそろえる

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

運営指導で低栄養が心配な方の計画書について見られる点と、手元に残す記録の一覧

厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)では、訪問看護の「訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条)」と「サービス提供の記録(第19条)」について次の確認項目が示されています。第70条の確認文書としては、主治の医師の指示及び居宅サービス計画に基づく訪問看護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書が挙げられています。右の列は、低栄養が心配な方の計画書で確かめる点の例です。

別添1の確認項目(訪問看護) 低栄養が心配な方の計画書で確かめる点 貴事業所の確認欄
(第19条)訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか 記録書Ⅱに、計画書で決めた食事の記録表の確認・体重の確認・口の中の手入れ・食べる場所の調整を行ったことが書かれているか 確認日:(    )
(第19条)日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか 食べた量・体重・口の中・むせの様子が、「食事摂取良好」「食欲なし」の一語でなく、出どころを添えた事実で書かれているか 確認日:(    )
(第70条)居宅サービス計画に基づいて訪問看護計画が立てられているか ケアプランの食事と栄養の目標・配食や通所の曜日と、計画書の目標・訪問の計画が食い違っていないか 確認日:(    )
(第70条)主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか 指示書の留意事項と食事の制限が計画書に写されているか。一人暮らし・買い物・調理などの暮らしの環境と、ご本人の希望が課題に反映されているか 確認日:(    )
(第70条)サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか O-P・T-P・E-Pが「食事摂取量の観察」「食事摂取を促す」「栄養指導」の一語で止まっていないか。訪問の曜日と時間帯が分かるか 確認日:(    )
(第70条)利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか 説明した相手と日付、同意と交付の記録が残っているか。ご本人とご家族に渡した記録表や食事の紙の内容が計画書と同じか 確認日:(    )
(第70条)目標の達成状況は記録されているか 評価欄と記録書Ⅱに、食べた量の変化、体重の推移(記録した値)、食べられるようになった物などの事実が書かれているか 確認日:(    )
(第70条)達成状況に基づき、新たな訪問看護計画が立てられているか 入院と退院、がんの治療の変更、入れ歯の作り直し、食事の形の変更、主な介護者の交代の後に、計画書が見直されているか 確認日:(    )
(第70条)訪問看護報告書は作成されているか 計画書の評価と、報告書の病状の経過・家庭での介護の状況の欄がつながっているか 確認日:(    )

※上記は厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(確認項目及び確認文書)を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

自治体の公表資料にある訪問看護の計画書・指示書・記録の指摘(5件)

低栄養が心配な方に限った指摘ではありませんが、計画書の書き方と、食事と体重の記録の積み重ねで関わりの深い、指示書と記録の保存に関わる公表事例です。

自治体 公表されている指摘の内容 低栄養が心配な方の計画書で見直す点
長野県(令和6年度運営指導結果の概要・訪問看護) 居宅サービス計画の内容に沿った計画となっていない、訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例等 ケアプランの食事と栄養の目標・配食や通所の曜日との対応、説明・同意の記録、O-P・T-P・E-Pの具体性
神戸市(介護保険サービス事業運営上の留意事項・令和7年3月) 訪問看護指示書の有効期限切れ・受領遅れ、計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない、計画書に利用者の同意署名がない等 指示書の期間の管理、食事の制限など主治医の指示の転記、「無理に食べたくない」などご本人の希望の反映
東京都(運営指導における主な指摘事項・訪問看護) 計画書を作成していない、計画書がケアプランの内容と相違している、内容が不十分 入院から退院して訪問を始めるときに、訪問開始前に計画書があるか
東京都(同) サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、文書による指示なく訪問していた、訪問内容が指示書と相違している等 指示書の留意事項と、計画書の支援内容が食い違っていないか
東京都(同) 指示書・計画書・報告書・提供記録などの記録の整備と保存が不十分な例 体重と食べた量の推移の根拠になる記録書Ⅱ・食事の記録表の写しを、利用者ごとに整理して保存しているか

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

低栄養が心配な方の計画書について手元に残す記録(記入欄つき)

保存の年限は、介護保険では各自治体の条例で定められているため、ここでは記入欄にしています。

記録 何のために残すか 保管場所 最終更新日
訪問看護指示書(特別訪問看護指示書を含む) 留意事項・食事の制限・体重を測る頻度・連絡の目安・指示期間の出どころ (    ) (    )
処方の内容とお薬手帳の写し 栄養を補う飲み物や薬の支援内容の出どころ、処方の変更日の確認 (    ) (    )
退院時の情報・治療を行う医療機関からの情報 入院中の食事の形と量、治療の予定、課題欄の根拠 (    ) (    )
管理栄養士の栄養ケアの計画と報告(利用している方) 食事の内容と量の工夫の出どころ (    ) (    )
言語聴覚士・医療機関の飲み込みの評価の記録 食事の形と姿勢の支援内容の出どころ (    ) (    )
歯科からの情報 入れ歯と口の中の手入れの方法の出どころ (    ) (    )
食事の記録表(ご本人・ご家族がつけたもの) 課題と評価の根拠、主治医と管理栄養士への報告に添える資料 (    ) (    )
体重の記録(測った条件つき) 体重の推移の根拠、主治医への報告に添える資料 (    ) (    )
居宅サービス計画の写し 計画書がケアプランに沿っていることの確認 (    ) (    )
訪問看護計画書(説明・同意・交付の記録つき) 説明した相手と日付、同意と交付の事実 (    ) (    )
訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ 初回の状態、訪問ごとの観察・ケア・説明の実施と評価の根拠 (    ) (    )
訪問看護報告書(主治医への提出の記録つき) 評価と家での食事の様子を主治医へ伝えた事実 (    ) (    )

※上記は当社が作成した記載のイメージです。実際の記載は主治医の指示書と利用者の状態、事業所の様式に従ってください。

よくある質問

低栄養の看護計画に、体重の目標や一日に必要なカロリーを数値で書いてもよいですか?

体重の目標、一日に必要なエネルギーやたんぱく質や水分の量、栄養状態を判定する基準、食事の制限の内容は、主治医と管理栄養士が一人ひとりの持病や体の状態に合わせて決めるものです。計画書には「主治医の指示のとおり」「管理栄養士の栄養ケアの計画のとおり」のように出どころが分かる形で書き、実際の内容は指示書や管理栄養士からの情報から写すと、指示が変わったときに計画書の見直しにも気づきやすくなります。訪問で測った体重は、測った条件と一緒に記録書Ⅱに記録した値として残します。

病院の看護計画や看護学生の看護過程と、在宅の訪問看護計画書は、低栄養の書き方で何が違いますか?

病院の看護計画は、食事が決まった時刻に配られ、食べた量を職員が毎食記録し、体重測定や検査が予定どおりに行われることを前提に組み立てます。在宅の訪問看護計画書は、主治医の指示書と訪問による療養状況を踏まえて目標を設定し、限られた訪問の時間の中で行う観察・ケア・説明を書くものです。低栄養が心配な方では、買い物・調理・配膳・片付けを誰が受け持つか、看護師がいない日の食事をどう記録するかまで書いておくと、在宅の計画として使いやすくなります。

がんのある方の低栄養の看護計画は、どう書き分ければよいですか?

治療を続けている時期は、治療の前後で食べやすかった物と食べにくかった物を記録し、食べられる物を見つけて次の治療の時期の用意に活かすことが目標の柱になりやすくなります。病気が進んで食べられる量が少なくなってきた時期は、食べる量にとらわれず、好きな味を楽しむ時間や口の中の手入れ、ご家族の気持ちへの支えが中心になります。治療の内容や栄養の方法の選び方は主治医と治療を行う医療機関が判断するもので、計画書では主治医から受けた説明をご本人・ご家族と一緒に確かめる形で書きます。

「栄養摂取消費バランス異常」などの看護問題の名前は、計画書の課題欄にどう書けばよいですか?

介護保険の老企第55号では、令和6年の改正で計画書の欄の名前が「問題点・解決策」から「療養上の課題・支援内容」に改められています。課題欄には、暮らしのどの場面で何が起きていて、そう考えた根拠は何かを、看護師が見た事実とご本人・ご家族の言葉で一文にすると、支援内容と評価につながりやすくなります。低栄養が心配な方では、食べられない理由(入れ歯、飲み込み、一人暮らし、買い物、気分など)を課題の文に入れると、つなぐ先がはっきりします。

ご本人が「食べたくない」と話し、ご家族は「もっと食べてほしい」と話すときは、計画書にどう書きますか?

老企第55号では、計画書を利用者の希望や心身の状況等を踏まえて作成することとされています。ご本人とご家族の言葉が違う方向を向いているときは、目標欄や課題欄に両方の言葉を書き、どちらかに寄せて消さないようにします。支援内容には、食べやすかった物を記録して用意に活かすこと、声のかけ方の工夫、主治医から受けた説明を一緒に確かめる場をつくることなどを書くと、ご本人とご家族の両方を支える計画になります。

低栄養が心配な方の訪問看護計画書は、どんなときに見直しますか?

計画書の年月日の欄には、作成年月日と計画の見直しを行った年月日を記入することとされています。低栄養が心配な方では、入院と退院、がんの治療の開始や変更、体重の変化を主治医へ報告して指示が変わったとき、入れ歯の調整や作り直し、食事の形の変更、配食や通所の開始、主な介護者の交代、配偶者を亡くしたなどの暮らしの変化、目標の達成状況を評価したときなどが見直しのきっかけになります。

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出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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