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老健の栄養・口腔の加算7区分の要件|経口移行・経口維持・口腔衛生管理・療養食の対照表【出典つき】

介護老人保健施設(老健)で食事にまつわる加算を点検しようとすると、栄養マネジメント強化加算・経口移行加算・経口維持加算(Ⅰ)(Ⅱ)・口腔衛生管理加算(Ⅰ)(Ⅱ)・療養食加算という7つの区分が、それぞれ別の告示・通知に根拠を持って並んでいます。本記事は、この7区分について当社の加算データベース(一次資料の告示・通知を開いて収載したもの)の値だけを使い、「告示・通知の定め」を左に、「貴施設の登録・記録」を右に置いた突き合わせの形で整理しました。単位数・要件・根拠はすべて出典(告示・通知の名称)つきで示します。令和6年度改定時点の内容で、令和8年厚生労働省告示第87号による変更はない旨を当社データベースで確認しています。

本記事は要件の対照表であり、個々の入所者に対する医学的判断や栄養指導の内容には踏み込みません。また、貴施設での算定の可否をこの記事が判定するものではありません。左右を突き合わせたうえでの最終確認は、保険者(指定権者)にお願いします。

老健の栄養・口腔・食事に関わる加算7つ|1日型・1月型・1回型で見る単位数と職種の一覧

まず7区分の全体像です。老健の栄養・口腔・食事の加算は、算定の頻度で「1日につき」「1月につき」「1回につき」の3つの型に分かれます。この型の違いは、記録を残す単位(毎日の記録か、月単位の計画・会議記録か、食事1回ごとの提供記録か)に直結するため、最初に押さえておくと後の対照表が読みやすくなります。

7つの加算の単位数・頻度・届出・LIFE・関与職種(当社データベースの収載値)

単位数と頻度は、いずれも当社データベースが平成12年厚生省告示第21号 別表2(介護保健施設サービス)の本文を開いて収載した値です。「届出」「LIFE提出」の欄は、当社データベースの要件欄にその定めが収載されているかどうかを示しています(収載がない欄は「収載なし」と記載しました)。

区分 単位数(告示の値) 頻度 届出の定め LIFE提出の定め 定めに現れる主な職種
栄養マネジメント強化加算 1日につき11単位 1日につき 収載あり(告示21号 別表2 リ 注) 収載あり(告示95号 第65号の3 ニ) 管理栄養士、栄養士、多職種
経口移行加算 1日につき28単位(計画作成日から起算して180日以内) 1日につき 収載なし 収載なし 医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員、言語聴覚士、看護職員ほか
経口維持加算(Ⅰ) 1月につき400単位 1月につき 収載なし 収載なし 医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員ほか
経口維持加算(Ⅱ) 1月につき100単位 1月につき 収載なし 収載なし 医師(当該老健の配置医師を除く)、歯科医師、歯科衛生士、言語聴覚士
口腔衛生管理加算(Ⅰ) 1月につき90単位 1月につき 収載あり(告示21号 別表2 ヲ 注) 収載なし 歯科医師、歯科衛生士、介護職員
口腔衛生管理加算(Ⅱ) 1月につき110単位 1月につき 収載あり((Ⅰ)と同じ ヲ 注) 収載あり(告示95号 第69号ロ(2)) 歯科医師、歯科衛生士、介護職員
療養食加算 1回につき6単位(1日につき3回を限度) 1回につき(1日3回限度) 収載あり(告示21号 別表2 ワ 注) 収載なし 医師、管理栄養士、栄養士

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

算定の頻度で3つに分かれる|1日につき・1月につき・1回につき

同じ「栄養・口腔・食事」の加算でも、頻度の型が違えば、突き合わせるべき記録の粒度が変わります。1日型は「その日ごとの実施記録」、1月型は「その月の計画・会議・実施の記録一式」、1回型は「食事1回ごとの提供の裏づけ」が軸になります。

型 該当する区分 記録の軸になる単位 貴施設の記録の所在(記入欄)
1日につき型 栄養マネジメント強化加算/経口移行加算 日々の食事の観察・支援の記録 (          )
1月につき型 経口維持加算(Ⅰ)(Ⅱ)/口腔衛生管理加算(Ⅰ)(Ⅱ) 月ごとの計画・会議・実施回数の記録 (          )
1回につき型 療養食加算 食事1回ごとの提供と食数の記録(1日3回を限度とする定め) (          )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

加算ごとの突き合わせ表|左に告示・通知の定め、右に貴施設の記入欄(根拠つき47項目)

ここからが本体です。7区分それぞれについて、当社データベースに収載されている要件(合計47項目)を「定めの内容」「根拠」「貴施設の記入欄」の3点セットで並べます。右の記入欄に貴施設の現在の登録・体制・記録を書き込み、左の定めと見比べてください。この表は判定をするものではありません。左右が食い違って見える項目があれば、その項目を保険者(指定権者)への確認事項として書き出すのが使い方です。

栄養マネジメント強化加算|管理栄養士の常勤換算を軸にした定め7項目

1日につき11単位。軸になるのは管理栄養士の配置の数え方です。告示95号は「管理栄養士を常勤換算方法で、入所者の数を五十で除して得た数以上配置していること。ただし、常勤の栄養士を一名以上配置し、当該栄養士が給食管理を行っている場合にあっては、管理栄養士を常勤換算方法で、入所者の数を七十で除して得た数以上配置していること」と定めています。入所者数を分母に持つ定めなので、入所者数が変動すると充足の計算結果も動きます。

告示・通知の定め 定めの内容(当社データベース収載値) 根拠 貴施設の記入欄
届出 届出を行った介護老人保健施設において、入所者ごとの継続的な栄養管理を強化して実施した場合に加算する旨 平成12年厚生省告示第21号 別表2 介護保健施設サービス リ 注 届出年月日:(    )
管理栄養士の配置(常勤換算) 入所者の数÷50 以上。ただし常勤の栄養士を1名以上配置し当該栄養士が給食管理を行っている場合は入所者の数÷70 以上 平成27年厚生労働省告示第95号 第90号の2(第65号の3を準用) 入所者数:(  )人/管理栄養士 常勤換算:(  )人/常勤栄養士による給食管理:有・無
低栄養状態にある又はそのおそれのある入所者への対応 多職種共同で作成した栄養ケア計画に従い、定期的な食事の観察と食事の調整等を実施 平成27年厚生労働省告示第95号 第65号の3 ロ 栄養ケア計画の作成日:(    )/観察の記録の所在:(    )
その他の入所者への対応 食事の観察の際に変化を把握し、問題があれば早期に対応 平成27年厚生労働省告示第95号 第65号の3 ハ 変化を把握した際の記録の所在:(    )
栄養状態等の情報のLIFE提出 提出と活用の定めあり 平成27年厚生労働省告示第95号 第65号の3 ニ 直近の提出年月:(    )
人員基準欠如減算等 該当しないこと(通所介護費等算定方法第13号に規定する基準・老健の場合の読み替え後) 平成27年厚生労働省告示第95号 第90号の2 直近の確認日:(    )
栄養管理に係る減算(イ及びロの注7) 算定していないこと 平成12年厚生省告示第21号 別表2 リ 注 当該減算の算定:有・無

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

経口移行加算|経管栄養から経口摂取へ進めるための定め8項目

1日につき28単位で、計画作成日から起算して180日以内という期間の定めが単位数の欄に組み込まれています。対象は「現に経管により食事を摂取している入所者」。告示は「医師の指示に基づき、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、現に経管により食事を摂取している入所者ごとに経口による食事の摂取を進めるための経口移行計画を作成している場合であって」と続けており、計画の作成主体が多職種の共同であることが文言上明確です。

告示・通知の定め 定めの内容(当社データベース収載値) 根拠 貴施設の記入欄
対象者 現に経管により食事を摂取している入所者 平成12年厚生省告示第21号 別表2 介護保健施設サービス ヌ 注1 対象者名・入所者番号:(    )
医師の指示 必要とする定め 同 ヌ 注1 指示の記録の所在:(    )
経口移行計画の作成者 医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員その他の職種の者が共同 同 ヌ 注1 計画作成日:(    )/共同した職種:(    )
栄養管理の実施者 管理栄養士又は栄養士(医師の指示を受けた者) 同 ヌ 注1 実施者名・職種:(    )
支援の実施者 言語聴覚士又は看護職員 同 ヌ 注1 実施者名・職種:(    )
算定期間(計画作成日からの日数) 180日以内。ただし180日を超えても、経口摂取が一部可能で医師の指示に基づき継続が必要とされる者には引き続き算定できる旨の定めあり 平成12年厚生省告示第21号 別表2 ヌ 注2 計画作成日:(    )/180日目にあたる日:(    )/継続する場合の医師の指示の記録:(    )
人員基準欠如減算等 該当しないこと 平成27年厚生労働省告示第95号 第66号 直近の確認日:(    )
栄養管理に係る減算(イ及びロの注7) 算定していないこと 平成12年厚生省告示第21号 別表2 ヌ 注1 当該減算の算定:有・無

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

経口維持加算(Ⅰ)|誤嚥が認められる入所者の観察・会議・計画の定め11項目

1月につき400単位。対象は「現に経口により食事を摂取する者であって、摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる入所者」です。経口移行加算が「経管から経口へ進める」加算であるのに対し、こちらは「いま経口で食べている状態を保つ」加算で、対象者の定めの向きが逆です。要件は7区分の中で最も多い11項目が当社データベースに収載されており、食事の観察と会議、計画、体制整備までが一続きの定めになっています。

告示・通知の定め 定めの内容(当社データベース収載値) 根拠 貴施設の記入欄
対象者 現に経口により食事を摂取する者であって、摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる入所者 平成12年厚生省告示第21号 別表2 介護保健施設サービス ル 注1 対象者名・入所者番号:(    )
医師又は歯科医師の指示 必要とする定め 同 ル 注1 指示者名・指示日:(    )
食事の観察及び会議等の実施者 医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員その他の職種の者が共同 同 ル 注1 直近の観察・会議の実施日と参加職種:(    )
経口維持計画の作成 必要とする定め 同 ル 注1 計画作成日:(    )
栄養管理の実施者 管理栄養士又は栄養士(医師又は歯科医師の指示を受けた者。歯科医師が指示する場合は、指示を受ける管理栄養士等が医師の指導を受けている場合に限る) 同 ル 注1 実施者名・職種/歯科医師の指示による場合の医師の指導の記録:(    )
摂食・嚥下機能の評価 医師の判断により適切に評価されていること 平成27年厚生労働省告示第95号 第67号ロ 評価の記録の所在:(    )
誤嚥等が発生した場合の管理体制 整備されていること 平成27年厚生労働省告示第95号 第67号ハ 体制を定めた文書名:(    )
誤嚥防止のための配慮 食形態に係る配慮など適切な配慮がされていること 平成27年厚生労働省告示第95号 第67号ニ 配慮の内容の記録の所在:(    )
多職種共同で実施するための体制 整備されていること 平成27年厚生労働省告示第95号 第67号ホ 体制を定めた文書名:(    )
人員基準欠如減算等 該当しないこと 平成27年厚生労働省告示第95号 第67号イ 直近の確認日:(    )
経口移行加算との関係 経口移行加算を算定している場合は算定しない旨の定め 平成12年厚生省告示第21号 別表2 ル 注1 経口移行加算の算定:有・無

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

経口維持加算(Ⅱ)|協力歯科医療機関と外部の専門職参加の定め3項目

1月につき100単位で、経口維持加算(Ⅰ)を算定していることが前提の上乗せです。告示は「協力歯科医療機関を定めている介護老人保健施設が、経口維持加算(Ⅰ)を算定している場合であって、入所者の経口による継続的な食事の摂取を支援するための食事の観察及び会議等に、医師(介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準第2条第1項第1号に規定する医師を除く。)、歯科医師、歯科衛生士又は言語聴覚士が加わった場合」と定めています。ここで括弧書きに注目してください。老健は人員基準上、医師が配置される施設です。その配置医師は、この加算でいう「医師」から除かれています。つまり老健では、施設の中にいる医師が会議に出席しただけではこの定めの文言に沿わず、外部の専門職(協力歯科医療機関の歯科医師、歯科衛生士、言語聴覚士、または施設の配置医師以外の医師)の参加が定めの軸になります。医師が常勤配置される老健ならではの読み方が求められる箇所です。

告示・通知の定め 定めの内容(当社データベース収載値) 根拠 貴施設の記入欄
経口維持加算(Ⅰ)の算定 算定している場合に加算する定め 平成12年厚生省告示第21号 別表2 介護保健施設サービス ル 注2 (Ⅰ)の算定月:(    )
協力歯科医療機関 定めていること 同 ル 注2 協力歯科医療機関名・取決めの文書名:(    )
食事の観察及び会議等への参加者 医師(当該老健の人員基準上配置される医師を除く)、歯科医師、歯科衛生士又は言語聴覚士 同 ル 注2 参加者の氏名・職種・所属:(    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

口腔衛生管理加算(Ⅰ)|歯科衛生士による月2回以上の管理の定め6項目

1月につき90単位。告示95号は「歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、入所者に対し、口腔衛生等の管理を月二回以上行うこと」と定めており、回数(月2回以上)と実施者(歯科医師の指示を受けた歯科衛生士)が文言で特定されています。計画の作成、介護職員への技術的助言・指導、介護職員からの相談対応までが一体の定めです。

告示・通知の定め 定めの内容(当社データベース収載値) 根拠 貴施設の記入欄
届出 届出の定めあり 平成12年厚生省告示第21号 別表2 介護保健施設サービス ヲ 注 届出年月日:(    )
口腔衛生等の管理に係る計画の作成 歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士の技術的助言及び指導に基づき作成 平成27年厚生労働省告示第95号 第69号イ(1) 計画作成日/助言・指導を行った者:(    )
歯科衛生士による口腔衛生等の管理(月あたり回数) 月2回以上(歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が実施) 平成27年厚生労働省告示第95号 第69号イ(2) 当月の実施日:(  )日・(  )日/実施者名:(    )
介護職員への技術的助言及び指導 歯科衛生士が具体的に実施 平成27年厚生労働省告示第95号 第69号イ(3) 助言・指導の記録の所在:(    )
介護職員からの相談対応 歯科衛生士が必要に応じ対応 平成27年厚生労働省告示第95号 第69号イ(4) 相談対応の記録の所在:(    )
人員基準欠如減算等 該当しないこと 平成27年厚生労働省告示第95号 第69号イ(5) 直近の確認日:(    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

口腔衛生管理加算(Ⅱ)|(Ⅰ)への適合とLIFEへの情報提出の定め4項目

1月につき110単位。告示95号 第69号ロは「イ(1)から(5)までに掲げる基準のいずれにも適合すること」に加えて、「入所者ごとの口腔衛生等の管理に係る情報を厚生労働省に提出し、口腔衛生の管理の実施に当たって、当該情報その他口腔衛生の管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること」を定めています。(Ⅰ)との差分は、入所者ごとの情報のLIFE提出とフィードバック情報等の活用です。

告示・通知の定め 定めの内容(当社データベース収載値) 根拠 貴施設の記入欄
口腔衛生管理加算(Ⅰ)の基準 イ(1)から(5)までのすべてに適合すること 平成27年厚生労働省告示第95号 第69号ロ(1) (Ⅰ)の6項目の点検日:(    )
口腔衛生等の管理に係る情報のLIFE提出 入所者ごとの情報を厚生労働省に提出する定め 平成27年厚生労働省告示第95号 第69号ロ(2) 直近の提出年月:(    )
フィードバック情報等の活用 必要な情報を活用していること 同 第69号ロ(2) 活用の記録の所在:(    )
(Ⅰ)との関係 同時には算定しない旨の定め 平成12年厚生省告示第21号 別表2 ヲ 注 当月に届け出ている区分:(Ⅰ)・(Ⅱ)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

療養食加算|食事箋と献立表と栄養管理の定め8項目

1回につき6単位、1日につき3回を限度とする定めです。告示は「食事の提供が管理栄養士又は栄養士によって管理されていること」「入所者の年齢、心身の状況によって適切な栄養量及び内容」であることを求め、留意事項通知(平成12年老企第40号)が、医師が疾病治療の直接手段として発行する食事箋、対象となる療養食の種類、献立表の作成を示しています。

告示・通知の定め 定めの内容(当社データベース収載値) 根拠 貴施設の記入欄
届出 届出の定めあり 平成12年厚生省告示第21号 別表2 介護保健施設サービス ワ 注 届出年月日:(    )
食事の提供の管理者 管理栄養士又は栄養士によって管理されていること 平成12年厚生省告示第21号 別表2 ワ 注イ 管理する者の氏名・職種:(    )
食事の内容 入所者の年齢、心身の状況によって適切な栄養量及び内容 平成12年厚生省告示第21号 別表2 ワ 注ロ 確認の記録の所在:(    )
1日あたり算定回数 3回を限度とする定め 平成12年厚生省告示第21号 別表2 ワ 注 提供食数の記録の所在:(    )
医師の食事箋 疾病治療の直接手段として医師が発行 平成12年老企第40号(療養食加算の項) 食事箋の発行日・病名・食種の記載:(    )
対象となる療養食の種類 告示・通知に列挙された食種(次章の9種類) 平成12年老企第40号(療養食加算の項)②③ 提供中の食種:(    )
療養食の献立表 作成されていること 平成12年老企第40号(療養食加算の項)① 献立表の保管場所:(    )
人員基準欠如減算等 該当しないこと 平成27年厚生労働省告示第95号 第35号 直近の確認日:(    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

経口維持加算(Ⅰ)の11項目を見渡すと、月次の記録として残るものは「食事の観察及び会議等」の記録に集約されていきます。誰が(共同する職種)、いつ(実施日)、何を見て(観察の内容)、何を決めたか(経口維持計画への反映)が一続きで追える形になっているかを、記入欄を埋めながら確認してください。(Ⅱ)を届け出ている月は、この同じ観察・会議の記録に外部の専門職の氏名・所属が加わっているかが、(Ⅰ)との差分の見どころになります。

経口移行加算と経口維持加算はどちらを見るか|対象者・指示者・計画・期間の告示文言くらべ

この2つ(3区分)は名前が似ているため、どちらの対照表を開くべきか迷いやすい箇所です。分かれ目は告示の対象者の文言にあります。経口移行加算は「現に経管により食事を摂取している入所者」、経口維持加算は「現に経口により食事を摂取する者であって、摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる入所者」。いま経管か、いま経口か、という現在の摂取方法で入口が分かれます。そのうえで、指示者・計画・期間・単位の頻度がそれぞれ次のように違います。

観点 経口移行加算 経口維持加算(Ⅰ)(Ⅱ) 根拠
対象者(告示の文言) 現に経管により食事を摂取している入所者 現に経口により食事を摂取する者であって、摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる入所者 告示21号 別表2 ヌ 注1/ル 注1
指示者 医師 医師又は歯科医師(歯科医師の指示による場合は、指示を受ける管理栄養士等が医師の指導を受けている場合に限る) 同上
作成する計画 経口移行計画(多職種共同で作成) 経口維持計画(食事の観察及び会議等を経て作成) 同上
単位数と頻度 1日につき28単位 (Ⅰ)1月につき400単位/(Ⅱ)1月につき100単位 告示21号 別表2 ヌ・ル
期間の定め 計画作成日から起算して180日以内。180日を超えても、経口摂取が一部可能で医師の指示に基づき継続が必要とされる者には引き続き算定できる旨の定めあり 期間の定めは当社データベースに収載なし(月単位の要件充足を毎月確認) 告示21号 別表2 ヌ 注2
両者の同時算定 経口維持加算側に「経口移行加算を算定している場合は算定しない」旨の定め 左に同じ(定めが置かれているのは経口維持加算の側) 告示21号 別表2 ル 注1

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

期間について1点だけ補足します。経口移行加算の180日は「入所日」ではなく「計画作成日」から起算する定めです。当社データベースはこの起算点を告示21号 別表2 ヌ 注2の本文で確認して収載しています。計画をいつ作成したかが期間管理の起点になるため、対照表の記入欄には計画作成日と180日目にあたる日の両方を設けました。

療養食加算の対象になる食種|当社データベースに収載されている9種類(老企第40号)

療養食加算の対象となる食種は、留意事項通知(平成12年老企第40号・療養食加算の項)に列挙されています。以下は当社データベースに収載されている範囲であり、この9種類がすべてです(データベース外の食種をここに足していません)。摂取方法は経口・経管を問わない旨、胃潰瘍食から流動食が除かれる旨も、同じ通知の項に収載されています。

番号 食種(当社データベース収載値) 付記されている条件 貴施設での提供:有・無
1 糖尿病食 — 有・無
2 腎臓病食 — 有・無
3 肝臓病食 — 有・無
4 胃潰瘍食 流動食を除く 有・無
5 貧血食 — 有・無
6 膵臓病食 — 有・無
7 脂質異常症食 — 有・無
8 痛風食 — 有・無
9 特別な場合の検査食 — 有・無

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

対象外について、当社データベースには「高血圧症に対する減塩食は加算の対象とならない旨も通知に定められています」との収載があります。後述の福岡市の公表資料でも、この点がそのまま「誤りやすい算定例」として挙げられています。減塩食を提供しているという事実だけでなく、その減塩食がどの疾病の治療の直接手段として医師の食事箋で指示されたものかを、食事箋の記載で確認できる状態にしておくことが突き合わせの中心になります。なお、当社データベースの本レコードの確からしさは「medium」とされており、療養食の種類の列挙については通知の最新版での再確認を推奨する旨の注記が付いています。この記事もその注記を引き継ぎます。

運営指導の場面でそろえる記録|7つの加算の確認書類と、自治体が公表している実在の指摘4件

対照表の左右がそろっていても、それを示す書類が出てこなければ突き合わせは成立しません。ここでは当社データベースに収載されている確認書類(加算別・合計21点)を一覧にし、あわせて自治体が実名で公表している指摘・留意事例のうち、栄養・口腔・食事・人員の数え方に関わるもの4件を出典つきで引きます。

加算別の確認書類21点(当社データベース収載・保管場所の控え欄)

21点のうち、複数の区分に同じ性格の書類が現れる点に注目してください。LIFE提出記録は栄養マネジメント強化加算と口腔衛生管理加算(Ⅱ)の2か所に、医師(又は歯科医師)の指示の記録は経口移行・経口維持・口腔衛生管理・療養食の4系統に現れます。保管場所の控え欄を埋めるとき、同じ書類を区分ごとに別の場所に保管していないか(探すときに1か所で済むか)もあわせて見直すと、運営指導当日の提示が速くなります。

区分 確認書類(当社データベース収載値) 保管場所の控え(記入欄)
栄養マネジメント強化加算 栄養ケア計画 (      )
栄養マネジメント強化加算 食事の観察記録 (      )
栄養マネジメント強化加算 管理栄養士・栄養士の勤務実績が分かる書類 (      )
栄養マネジメント強化加算 LIFE提出記録 (      )
経口移行加算 経口移行計画 (      )
経口移行加算 医師の指示の記録 (      )
経口移行加算 栄養管理・支援の実施記録 (      )
経口維持加算(Ⅰ) 経口維持計画 (      )
経口維持加算(Ⅰ) 食事の観察・会議の記録 (      )
経口維持加算(Ⅰ) 摂食嚥下機能の評価記録 (      )
経口維持加算(Ⅰ) 医師又は歯科医師の指示の記録 (      )
経口維持加算(Ⅱ) 会議の出席者が分かる記録 (      )
経口維持加算(Ⅱ) 協力歯科医療機関との契約・取決め書類 (      )
口腔衛生管理加算(Ⅰ) 口腔衛生管理加算 様式(実施計画)(別紙様式3) (      )
口腔衛生管理加算(Ⅰ) 歯科衛生士の実施記録(月2回以上) (      )
口腔衛生管理加算(Ⅰ) 介護職員への助言・指導の記録 (      )
口腔衛生管理加算(Ⅱ) 口腔衛生管理の実施計画・実施記録 (      )
口腔衛生管理加算(Ⅱ) LIFE提出記録 (      )
療養食加算 医師の発行した食事箋 (      )
療養食加算 療養食の献立表 (      )
療養食加算 提供実績の記録 (      )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

公表されている実在の指摘と留意事例4件(自治体名・出典つき)

以下はいずれも自治体が公表している資料からの引用・要約で、出典と(資料に記載がある場合は)サービス種別を明記します。他サービス種別・他施設種別の事例も、老健の同名・同系統の加算の記録を点検する際の観点として引いています。

指摘・留意事例 サービス種別(資料上の記載) 内容の要点 出典
療養食加算を、高血圧症に対する減塩食療法の入所者に算定していた 施設系・居住系・短期入所等 資料では、高血圧症に対して減塩食療法を行っている入所者には「算定できない」とされているのに算定していた例、心臓疾患等に対する減塩食で病名の明確な記載がなかった例、食事箋で療養食の種類・塩分量が記載されていなかった例が挙げられている 福岡市福祉局高齢社会部事業者指導課「介護報酬算定に当たっての留意事項(誤りやすい算定例)【施設系・居住系・短期入所等】」令和7年3月14日改訂
口腔衛生管理加算で、計画が未作成/口腔衛生の管理が月2回以上行われていない 資料にサービス種別の明記なし(口腔衛生管理加算に関する指摘事例) 利用者ごとの口腔衛生等の管理に係る計画が作成されていない、必要な回数実施されていない、という不適正事例。対応のポイントとして、歯科医師又はその指示を受けた歯科衛生士の技術的助言・指導に基づく計画作成と、歯科衛生士による月2回以上の実施が示されている 久留米市介護保険課育成・支援チーム「近年の運営指導における主な指摘事例」(令和5年度作成)
口腔の健康状態の評価・歯科医師等による年2回の技術的助言が確認できない 介護老人福祉施設(特養) 令和6年度運営指導結果で「口腔衛生の管理等が不適切」が12件(8.3%)。入所時及び月1回程度の口腔の健康状態の評価が確認できない事例、歯科医師又はその指示を受けた歯科衛生士による年2回の技術的助言及び指導が確認できない事例が公表されている 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人福祉施設)」
業務委託契約により人員配置しているとする事案 介護老人保健施設(老健) 薬剤師について、業務委託契約(労働者派遣契約でない契約)により人員配置しているとする事案。「業務委託契約では、指揮命令権が及ばず、介護保険法上の人員配置とは認められません」と注記され、疑義があれば賃金台帳・労働者名簿・雇用契約・社会保険の事業主負担・勤怠管理から振込記録まで整合性を確認する旨が示されている 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項」(施設向け・令和7年4月7日修正)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

4件目は薬剤師に関する事案ですが、栄養マネジメント強化加算の管理栄養士の常勤換算に通じる観点を含んでいます。配置の頭数だけでなく、その人がどの契約形態で施設の指揮命令の下にあるのかまでが、老健の人員の数え方として自治体資料で言及されている、ということです。管理栄養士・栄養士の勤務実績が分かる書類が当社データベースの確認書類に入っているのも同じ文脈で読めます。

照会メモにする論点9件|併算定の定め・前提要件・配置の数え方

対照表を埋めていくと、告示・通知の文言だけでは貴施設の個別事情に当てはめきれない箇所が残ります。ここでは、当社データベースの留意点欄に収載されている論点を9件、保険者(指定権者)への照会メモとして使える形に並べました。右端の欄に、照会した日付と回答の要点を控えてください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

論点 当社データベースの収載内容 関係する区分 照会日・回答の控え(記入欄)
経口移行加算と経口維持加算の関係 経口維持加算側に「経口移行加算を算定している場合は算定しない」旨の定め 経口移行/経口維持(Ⅰ) (      )
療養食加算と経口移行・経口維持の関係 併算定は可能である旨が留意事項通知(介護福祉施設サービスの療養食加算の項)に示されています 療養食/経口移行/経口維持 (      )
口腔衛生管理加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の同月の扱い 同時には算定しない旨の定め(告示21号 別表2 ヲ 注) 口腔衛生管理(Ⅰ)(Ⅱ) (      )
リハビリテーションマネジメント計画書情報加算(Ⅰ)との関係 栄養マネジメント強化加算と口腔衛生管理加算(Ⅱ)は、いずれも同加算(Ⅰ)の前提要件である旨の収載 栄養マネジメント強化/口腔衛生管理(Ⅱ) (      )
栄養管理に係る減算(イ及びロの注7)を算定している期間 栄養マネジメント強化加算・経口移行加算・経口維持加算(Ⅰ)は、当該減算を算定していないことが定めに含まれる 栄養マネジメント強化/経口移行/経口維持(Ⅰ) (      )
管理栄養士の常勤換算と入所者数の変動 入所者数を分母に持つため、入所者数の変動で基準割れが起こり得る旨の収載 栄養マネジメント強化 (      )
経口維持加算(Ⅱ)の会議に出た「医師」の範囲 施設に配置されている医師が会議に加わっただけでは告示上の定めを満たさない旨の収載(配置医師は「医師」から除かれる) 経口維持(Ⅱ) (      )
医療保険の訪問歯科衛生指導料を算定している月 取扱いについて留意事項通知に制限の定めがある旨の収載 口腔衛生管理(Ⅰ)(Ⅱ) (      )
栄養・給食部門の人員を外部契約でまかなう場合の数え方 老健の人員配置について、業務委託契約では指揮命令権が及ばず介護保険法上の人員配置とは認められない旨の自治体注記(神戸市・前章参照) 栄養マネジメント強化ほか配置を要する区分 (      )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

加算の土台になる運営基準と減算|栄養管理に係る基準未実施減算の定め3項目と運営指導の確認文書6点

ここまでの対照表は「加算の要件」を並べたものでした。この章では一段下がって、7区分の加算すべての前提になる土台を確認します。老健の介護保健施設サービス費には、栄養管理の基準を満たさない場合の減算(告示21号 別表2 介護保健施設サービスの注7)が置かれており、栄養マネジメント強化加算・経口移行加算・経口維持加算(Ⅰ)は、いずれも「この減算を算定していないこと」が定めに含まれています。つまり、加算の対照表を埋める前に、減算側の定めに沿った体制と記録がそろっているかを見ておくと、突き合わせの順序が整います。

以下は、当社の加算データベースが告示21号と告示95号の本文を開いて収載した減算のレコード(令和6年度改定時点・令和8年告示第87号による変更なし)からの値です。単位数はデータベースの収載値をそのまま記載しています。

栄養管理に係る基準未実施減算|告示の定めと貴施設の記録の対照表

告示の定め 定めの内容(当社データベース収載値) 根拠 貴施設の記録(記入欄) ご確認ください
減算の単位数 栄養管理について、別に厚生労働大臣が定める基準を満たさない場合は、1日につき14単位を所定単位数から減算する旨 平成12年厚生省告示第21号 別表2 介護保健施設サービス 注7 現在の請求での当該減算の有無:有・無 減算の適用開始時期・解除の取扱いは保険者(指定権者)により運用が異なりうる旨がデータベースに付記されています
栄養士又は管理栄養士の員数 介護老人保健施設基準第2条に定める栄養士又は管理栄養士の員数を置いていること 平成27年厚生労働省告示第95号 第89号の3 栄養士:( )人/管理栄養士:( )人/勤務形態一覧表の該当月:(  ) 員数の数え方(兼務・常勤換算)の当てはめ
栄養管理の基準への適合 介護老人保健施設基準第17条の2に規定する基準に適合していること 平成27年厚生労働省告示第95号 第89号の3 栄養ケア計画の作成状況:入所者( )人中( )人 計画が無い入所者が出たときの扱い
加算との関係(栄養マネジメント強化加算) 当該減算(イ及びロの注7)を算定していないこと 平成12年厚生省告示第21号 別表2 リ 注 同月の当該減算:有・無 減算と加算が同じ月に並んでいないか
加算との関係(経口移行加算・経口維持加算(Ⅰ)) 当該減算を算定していないことが定めに含まれる 平成12年厚生省告示第21号 別表2 ヌ 注1/ル 注1 同月の当該減算:有・無 経口維持加算(Ⅱ)は(Ⅰ)を前提とするため、(Ⅰ)側の状況も併せて

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

当社データベースの減算レコードには、確認書類として「栄養士・管理栄養士の資格証と勤務形態一覧表」「栄養ケア計画」「入所者ごとの栄養状態の定期的な記録」の3点が収載されています。栄養マネジメント強化加算の確認書類(栄養ケア計画・食事の観察記録・管理栄養士・栄養士の勤務実績が分かる書類・LIFE提出記録)と見比べると、栄養ケア計画と勤務の記録が重なっています。加算のために別のファイルを作るのではなく、減算側の書類がそのまま加算側の書類の土台になる構造です。

厚生労働省の運営指導マニュアル(別添1)で老健について挙げられている確認項目

厚生労働省の運営指導マニュアルの別添1(介護老人保健施設の確認項目及び確認文書)には、栄養と口腔に関わる運営基準の確認項目が次のように並んでいます。加算の確認とは別に、運営基準そのものとして見られる項目です。別添1には、「栄養管理」「口腔衛生の管理」は令和6年4月1日より適用(令和6年3月31日までは努力義務)である旨も付記されています。

確認項目(運営基準の条) 別添1の確認内容 別添1の確認文書 貴施設での保管場所(記入欄) ご確認ください
栄養管理(第17条の2) 各入所者の状態に応じた栄養管理を計画的に行っているか 栄養ケア計画 (      ) 入所者全員分がそろっているか
栄養管理(第17条の2) 同上 栄養状態の記録 (      ) 計画と記録の日付がつながっているか
口腔衛生の管理(第17条の3) 各入所者の状態に応じた口腔衛生の管理を計画的に行っているか 口腔衛生の管理計画 (      ) 口腔衛生管理加算の計画(別紙様式3)と別に作っているか、兼ねているか
従業者の員数(第2条) 入所者に対し、従業者の員数は適切であるか 勤務実績表/タイムカード (      ) 管理栄養士・栄養士の勤務が日ごとに追えるか
従業者の員数(第2条) 必要な専門職が揃っているか 勤務体制一覧表 (      ) 兼務の時間の区分が書かれているか
従業者の員数(第2条) 専門職は必要な資格を有しているか 従業者の資格証 (      ) 管理栄養士と栄養士の資格の区別

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この表のうち「口腔衛生の管理計画」は、口腔衛生管理加算を届け出ていない施設でも運営基準として求められる書類です。加算を届け出ている施設では、加算の計画(口腔衛生管理加算 様式(実施計画))と運営基準の計画の関係を、施設としてどう整理しているかを一言で説明できるようにしておくと、当日の提示が滞りません。兼ねる運用が認められるかどうかは保険者(指定権者)によって見方が異なりうるため、整理の仕方そのものを照会事項に入れておくのも一つの方法です。

職種ごとの役割分担表|告示の文言に現れる9職種と、7区分で誰がどの記録を残すか(担当の控え21行)

栄養・口腔・食事の加算は、どれも1人の職種では完結しません。告示の文言を並べると、医師・歯科医師・管理栄養士・栄養士・看護師(看護職員)・介護支援専門員・言語聴覚士・歯科衛生士・介護職員の9職種が、加算ごとに異なる役割で現れます。ここでは、まず「告示の文言で各職種に何が割り当てられているか」を整理し、次に「その役割の結果として、どの記録を誰が残すか」を貴施設の担当者名で控える表を置きます。

役割を表にする目的は、運営指導の場で「この記録はどなたが書いたものですか」と聞かれたときに、告示の文言と記録の作成者が一致しているかを自施設で先に確かめておくことです。表は告示・通知の文言の整理であり、職種ごとの業務範囲を当社が定めるものではありません。

告示の文言に現れる職種と役割(当社データベース収載の要件から整理)

職種 文言に現れる区分 告示・通知での役割(当社データベース収載の文言) 貴施設の担当者(記入欄)
医師 経口移行・経口維持(Ⅰ)・療養食 経口移行の指示/経口維持の指示(又は歯科医師)/摂食・嚥下機能の評価(医師の判断)/疾病治療の直接手段としての食事箋の発行 (    )
医師(配置医師以外) 経口維持(Ⅱ) 食事の観察及び会議等への参加者。当該老健の人員基準上配置される医師は除かれる (    )
歯科医師 経口移行・経口維持(Ⅰ)(Ⅱ)・口腔衛生管理(Ⅰ)(Ⅱ) 経口移行計画の共同作成者/経口維持の指示(指示を受ける管理栄養士等が医師の指導を受けている場合に限る)/歯科衛生士への指示/計画作成の技術的助言及び指導 (    )
管理栄養士 栄養マネジメント強化・経口移行・経口維持(Ⅰ)・療養食 常勤換算で入所者の数÷50以上(給食管理を行う常勤栄養士がいる場合は÷70以上)の配置/栄養管理の実施者/食事の提供の管理者 (    )
栄養士 栄養マネジメント強化・経口移行・経口維持(Ⅰ)・療養食 給食管理を行う常勤の栄養士(配置の数え方に関わる)/栄養管理の実施者/食事の提供の管理者 (    )
看護師・看護職員 経口移行・経口維持(Ⅰ) 経口移行計画・食事の観察及び会議等の共同者(看護師)/経口移行の支援の実施者(看護職員) (    )
介護支援専門員 経口移行・経口維持(Ⅰ) 経口移行計画・食事の観察及び会議等の共同者 (    )
言語聴覚士 経口移行・経口維持(Ⅱ) 経口移行の支援の実施者/経口維持(Ⅱ)の会議等への参加者 (    )
歯科衛生士 経口維持(Ⅱ)・口腔衛生管理(Ⅰ)(Ⅱ) 経口維持(Ⅱ)の会議等への参加者/歯科医師の指示を受けて月2回以上の口腔衛生等の管理/介護職員への技術的助言及び指導/介護職員からの相談対応 (    )
介護職員 口腔衛生管理(Ⅰ)(Ⅱ) 歯科衛生士から技術的助言及び指導を受け、相談をする側として文言に現れる (    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

表を見ると、介護職員の位置づけが他の職種と違うことがわかります。口腔衛生管理加算の文言で介護職員は「助言・指導を受ける側」「相談をする側」として現れます。日々の口腔ケアを実際に行うのは介護職員であることが多い一方、加算の要件として書かれているのは歯科衛生士の行為です。そのため記録も「介護職員がケアをした記録」だけでは足りず、「歯科衛生士が介護職員に何を助言したか」「介護職員から何を相談されて、どう答えたか」が歯科衛生士側の記録として残っているかが突き合わせの対象になります。

記録ごとの作成者と確認者の控え(7区分・11種類の記録)

記録の種類 関係する区分 文言から見た主な書き手 貴施設の作成者(記入欄) 貴施設の確認者(記入欄)
栄養ケア計画 栄養マネジメント強化(減算の基準にも関わる) 管理栄養士を中心に多職種共同 (   ) (   )
食事の観察の記録 栄養マネジメント強化/経口維持(Ⅰ) 管理栄養士・看護・介護など観察に入った者 (   ) (   )
経口移行計画 経口移行 医師・歯科医師・管理栄養士・看護師・介護支援専門員その他の職種の共同 (   ) (   )
経口移行の医師の指示の記録 経口移行 医師 (   ) (   )
栄養管理・支援の実施記録 経口移行 管理栄養士又は栄養士(栄養管理)/言語聴覚士又は看護職員(支援) (   ) (   )
食事の観察及び会議等の記録 経口維持(Ⅰ)(Ⅱ) 会議の記録者(出席者の職種・氏名・所属を含む) (   ) (   )
摂食・嚥下機能の評価の記録 経口維持(Ⅰ) 医師の判断による評価 (   ) (   )
経口維持計画 経口維持(Ⅰ) 会議等を経て作成 (   ) (   )
口腔衛生管理加算 様式(実施計画) 口腔衛生管理(Ⅰ)(Ⅱ) 歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士の助言・指導に基づき作成 (   ) (   )
歯科衛生士の実施記録・介護職員への助言の記録 口腔衛生管理(Ⅰ)(Ⅱ) 歯科衛生士 (   ) (   )
食事箋・献立表・提供実績の記録 療養食 医師(食事箋)/管理栄養士又は栄養士(献立表・提供の管理) (   ) (   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

「確認者」の欄は告示の要件ではなく、施設内の点検の担当を控えるために設けました。たとえば歯科衛生士が外部の協力歯科医療機関から来ている場合、実施記録が施設の書類として綴じられているか、月末に誰が回数を数えているかを決めておくと、月2回以上という数字の定めとの突き合わせを月内に済ませられます。誰を確認者にするかは施設の体制によって異なります。

LIFEに出す月と項目|栄養マネジメント強化加算・口腔衛生管理加算(Ⅱ)の提出頻度と提出項目21件(老老発0315第4号)

7区分のうちLIFEへの情報提出が要件に含まれているのは、栄養マネジメント強化加算と口腔衛生管理加算(Ⅱ)の2つです。提出の頻度と項目は、「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和6年3月15日 老老発0315第4号)に示されています。以下はこの通知の本文から引いたものです(別紙様式そのものは本文とは別ファイルのため、ここでは本文に列挙されている項目名だけを扱います)。なお、通知の令和6年3月15日以降の改正の有無は当社では確認できていないため、最新の通知・Q&Aもあわせてご確認ください。

提出の月と期限(栄養マネジメント強化加算・口腔衛生管理加算(Ⅱ))

通知は、栄養マネジメント強化加算(8)と口腔衛生管理加算(Ⅱ)(10)のいずれについても、提出頻度を「個別機能訓練加算(Ⅱ)と同様であるため、3(1)を参照されたい」としています。3(1)の本文は次のとおりです。

通知に定める提出の月(3(1)) 提出期限 提出する情報の時点(3(2)ウ) 貴施設の該当月(記入欄) ご確認ください
ア 新規に計画の作成を行った日の属する月 その月の翌月10日まで 当該情報の作成時における情報 (  )年( )月 栄養ケア計画・口腔衛生の計画のどちらの作成日を起点に数えるか
イ 計画の変更を行った日の属する月 その月の翌月10日まで 当該情報の変更時における情報 (  )年( )月 どの程度の見直しを「変更」として扱うか
ウ ア又はイのほか、少なくとも3月に1回 その月の翌月10日まで 前回提出時以降の情報 (  )年( )月 前回提出月から数えて3月目がいつになるか
栄養マネジメント強化加算:提出を行えない事実が生じた場合 直ちに届出を提出する旨 通知は「事実が生じた月のサービス提供分から情報の提出が行われた月の前月までの間について、利用者全員について本加算を算定できないこと」と記載 該当の有無:有・無 届出の様式と提出先
口腔衛生管理加算(Ⅱ):同上の段落 10(1)は「3(1)を参照」とする記載のみ 未提出時の扱いを述べた段落は10の項には置かれていない 該当の有無:有・無 未提出時の扱いを保険者(指定権者)に照会
令和6年4月〜8月サービス提供分の経過的な扱い 令和6年10月10日までの提出を可能とする旨 やむを得ない事情なく期限までに提出していない場合は遡り過誤請求を行う旨 当時の提出状況:(  ) 過去分の点検の要否

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3(1)の「計画」は、本文上は個別機能訓練計画を指す書きぶりです。栄養マネジメント強化加算・口腔衛生管理加算(Ⅱ)に読み替えたときに、どの計画の作成日・変更日を起点にするかは本文に明示がありません。表の右端に「どちらの作成日を起点に数えるか」を置いたのはそのためです。施設内で起点を決めて運用している場合も、その考え方を保険者(指定権者)に確かめた日付を控えておくと、担当者が替わっても判断の根拠が残ります。

栄養マネジメント強化加算で提出する項目(別紙様式4-1-1にある項目・11件)

通知8(2)は、施設における入所者全員について、「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」別紙様式4-1-1(栄養・摂食嚥下スクリーニング・アセスメント・モニタリング(施設)(様式例))にある次の項目を、やむを得ない場合を除き提出することとしています。経口維持加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定している入所者については、3項目が加わります。

番号 提出項目(通知8(2)の列挙) 対象 貴施設の記録のどこに書かれているか(記入欄) ご確認ください
1 要介護度 入所者全員 (    ) 認定更新後の値に変わっているか
2 実施日 入所者全員 (    ) 計画の作成日・変更日と食い違っていないか
3 低栄養状態のリスクレベル 入所者全員 (    ) 栄養ケア計画の記載と一致しているか
4 低栄養状態のリスク(状況) 入所者全員 (    ) 根拠になった観察の記録があるか
5 食生活状況等 入所者全員 (    ) 食事の観察の記録から転記できる状態か
6 多職種による栄養ケアの課題(低栄養関連問題) 入所者全員 (    ) 多職種の意見がどの記録に残っているか
7 総合評価 入所者全員 (    ) 評価した者・日付が追えるか
8 計画変更 入所者全員 (    ) 変更の有無と変更月のLIFE提出がつながっているか
9 摂食・嚥下の課題 経口維持加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)の算定者 (    ) 経口維持計画の記載と一致しているか
10 食事の観察 経口維持加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)の算定者 (    ) 観察の実施日・観察者が残っているか
11 多職種会議 経口維持加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)の算定者 (    ) 会議の開催日・出席者の記録と一致しているか

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

口腔衛生管理加算(Ⅱ)で提出する項目(口腔衛生管理加算 様式(実施計画)にある項目・10件)

通知10(2)は、留意事項通知(老企第40号)の別紙様式3(口腔衛生管理加算 様式(実施計画))にある次の項目を提出することとしています。最後の項目は歯科衛生士の行為と介護職員への助言の内容であり、前章の役割分担表で見た「歯科衛生士側の記録」がそのまま提出項目になっています。

番号 提出項目(通知10(2)の列挙) 主に関わる職種 貴施設の記録のどこに書かれているか(記入欄) ご確認ください
1 要介護度 相談員・介護支援専門員等 (    ) 栄養側の提出と同じ値か
2 日常生活自立度 看護・介護 (    ) 評価日の記録
3 現在の歯科受診について 看護・歯科衛生士 (    ) 医療保険の歯科受診との関係(次章参照)
4 義歯の使用 介護・歯科衛生士 (    ) 日々のケア記録と一致しているか
5 栄養補給法 管理栄養士・看護 (    ) 栄養ケア計画の記載と一致しているか
6 食事形態 管理栄養士・介護 (    ) 献立・食札の表記と一致しているか
7 誤嚥性肺炎の発症・既往 医師・看護 (    ) 診療録・看護記録のどこから拾うか
8 口腔の健康状態の評価・再評価(口腔に関する問題点等) 歯科医師・歯科衛生士 (    ) 評価日と評価者が残っているか
9 口腔衛生の管理内容(実施目標、実施内容及び実施頻度に限る) 歯科衛生士 (    ) 計画書の記載と提出内容が同じか
10 歯科衛生士が実施した口腔衛生等の管理及び介護職員への技術的助言等の内容 歯科衛生士 (    ) 月2回以上の実施記録と助言の記録がそろっているか

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

2つの表を並べると、要介護度・栄養補給法・食事形態のように、栄養と口腔の両方の様式に同じ性格の項目が出てくることがわかります。同じ入所者の同じ月の提出で、栄養側と口腔側の値が食い違っていないかを、提出前に1回並べて見るだけでも、記録の整合が取れているかの確認になります。通知の冒頭(第2)には、提出する情報について「記入者名や自由記載の箇所等については提出を求めない」とした旨も書かれています。提出対象外の欄であっても、施設内の記録としての記載が不要になるという趣旨ではない点には注意が必要です。

記録の悪い例と良い例|食事の観察・会議・口腔衛生の管理・食事箋・経口移行の場面別24例

対照表の右側を埋めるとき、いちばん差が出るのは「何が書いてあれば定めとつながるか」です。ここでは、告示・通知の文言に出てくる行為(食事の観察、会議等、口腔衛生等の管理、技術的助言及び指導、医師の指示、食事箋)ごとに、記録の悪い例と良い例を並べました。良い例は、主語(誰が)・日時(いつ)・観察の根拠(何を見て)・結論(何を決めたか)がそろった形にしています。氏名は伏せ字にしてありますので、貴施設の記録の書き方に合わせて置き換えてください。

なお、ここで扱うのは記録の書き方であり、個々の入所者に対する医学的判断や栄養量の決め方には踏み込みません。食事の量は「主食・副食の摂取の割合」といった観察の表現にとどめ、栄養量や体格の指標の数値は例に入れていません。

食事の観察と会議等の記録(経口維持加算(Ⅰ)(Ⅱ)・栄養マネジメント強化加算)

場面 悪い例 良い例(そのまま使える完成文) つながる定め
昼食の観察 「昼食観察。特に問題なし。」 10月14日 12時10分〜12時40分、管理栄養士○○と介護職員△△が食堂で昼食を観察。主食は約5割、副食は約7割を摂取。汁物で2回むせ込みがあり、2回とも咳で自力で出せた。とろみの濃さは現行のまま、汁物の提供順を最後から最初に変えて次回観察する。 経口維持(Ⅰ):食事の観察(告示21号 別表2 ル 注1)
夕食の観察 「夕食時むせあり。注意して見守る。」 10月14日 18時00分、看護師○○が夕食に同席。副食(煮魚)を口に溜め込む様子が3回あり、声かけで嚥下を確認。疲労で姿勢が右に傾いてきた18時20分以降にむせが増えたため、介護職員に食事開始時の座位の調整と途中の姿勢確認を依頼した。 経口維持(Ⅰ):食事の観察/誤嚥防止のための配慮(告示95号 第67号ニ)
会議の記録 「多職種でカンファレンスを実施した。」 10月16日 14時00分〜14時25分、経口維持の会議を実施。出席:医師○○、管理栄養士△△、看護師□□、介護支援専門員◇◇、介護職員××。直近2週間の観察記録(むせ込みの時間帯・食形態ごとの摂取割合)を確認し、汁物のとろみの段階を据え置き、食事の提供順を変更する内容で経口維持計画を見直すことを決定。 経口維持(Ⅰ):会議等の実施者は多職種共同(ル 注1)
(Ⅱ)の会議の出席 「先生も参加。」 10月16日の会議に、協力歯科医療機関○○歯科の歯科医師△△が参加(所属・職種を記録)。義歯の適合と咀嚼の様子について意見があり、次回の歯科受診時に義歯の調整を依頼することを決定。当施設の配置医師□□も出席した。 経口維持(Ⅱ):会議等への参加者(配置医師を除く医師・歯科医師・歯科衛生士・言語聴覚士)
摂食・嚥下機能の評価 「嚥下評価済み。」 10月10日、医師○○が摂食・嚥下機能を評価(評価の方法と所見を診療録の該当日に記載)。評価結果を受け、経口維持計画の食形態の欄を変更せず継続とする判断を記録した。評価内容は管理栄養士△△が計画書に転記。 告示95号 第67号ロ:医師の判断により適切に評価
医師又は歯科医師の指示 「指示あり。」 10月10日、歯科医師○○より経口維持に係る指示(指示の内容と指示日を記録)。指示を受けた管理栄養士△△は、9月2日に医師□□から指導を受けている(指導の記録の所在:栄養ケア記録 9月分)。 経口維持(Ⅰ):歯科医師が指示する場合の医師の指導(ル 注1)
低栄養のおそれがある入所者の観察 「食欲低下。様子観察。」 10月8日〜10月14日の7日間、昼食・夕食の主食摂取が3割前後の日が5日あった(食事チェック表より)。管理栄養士○○が10月15日に本人へ聞き取り、「ご飯が固い」との発言を記録。主食を軟飯に変える案を栄養ケア計画の見直し案として多職種に回覧した。 栄養マネジメント強化:定期的な食事の観察と食事の調整等(告示95号 第65号の3 ロ)
その他の入所者の変化の把握 「全体的に変わりなし。」 10月14日 昼食、管理栄養士○○が食堂全体を巡回。4階の入所者2名で、前週より食べ終わるまでの時間が長くなっていることを介護職員から聞き取り、各個人の記録に観察内容を記載。うち1名は翌週の会議で検討する対象とした。 栄養マネジメント強化:変化を把握し早期に対応(第65号の3 ハ)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

口腔衛生の管理の記録(口腔衛生管理加算(Ⅰ)(Ⅱ))

場面 悪い例 良い例(そのまま使える完成文) つながる定め
歯科衛生士の実施(1回目) 「口腔ケア実施。」 10月3日 10時15分〜10時30分、歯科医師○○の指示を受けた歯科衛生士△△が居室で口腔衛生等の管理を実施。上顎の部分義歯を外して清掃し、義歯の内面に食物残渣が残っていた。歯肉の出血はなし。実施後、担当の介護職員□□に義歯の内面の洗い方を実演で説明した。 告示95号 第69号イ(2):月2回以上/イ(3):介護職員への技術的助言及び指導
歯科衛生士の実施(2回目) 「2回目実施。前回同様。」 10月17日 10時05分〜10時20分、歯科衛生士△△が口腔衛生等の管理を実施(当月2回目)。義歯の内面の残渣は前回より減っていた。舌の汚れが残っていたため、舌ブラシの使い方を夜勤帯の介護職員にも伝わるよう、申し送りノートに手順を3行で記載した。 第69号イ(2):月2回以上の実施回数
介護職員への助言 「職員に指導した。」 10月17日 10時25分、歯科衛生士△△が介護職員□□・××の2名に、就寝前の義歯の外し方と保管方法を助言。2名が実際に外す手順を行い、△△が確認した。助言の内容は口腔衛生管理の記録の助言欄に記載。 第69号イ(3):技術的助言及び指導を具体的に実施
介護職員からの相談 「相談あり、対応済み。」 10月9日、介護職員□□から「夕食後の歯みがきを嫌がって口を開けない」と相談(電話)。歯科衛生士△△が、声かけの順番と、開口しにくい時はスポンジブラシで頬の内側から始める方法を回答。回答内容と相談日を記録した。 第69号イ(4):介護職員からの相談に必要に応じ対応
計画の作成 「口腔ケア計画作成。」 10月1日、歯科医師○○の技術的助言及び指導(10月1日 協力歯科医療機関にて)に基づき、歯科衛生士△△が口腔衛生管理加算 様式(実施計画)を作成。実施目標・実施内容・実施頻度を記載し、入所者のご家族に説明した日付を余白に記録。 第69号イ(1):助言及び指導に基づく計画の作成
月末の回数確認 「今月も実施済み。」 10月31日、看護主任○○が10月分の歯科衛生士の実施記録を確認。対象者12名のうち11名が2回、1名が1回(10月18日〜31日入院のため)。1名については加算の請求の扱いを事務担当△△に伝え、照会が要るか相談した。 第69号イ(2):月2回以上(回数の確認)
(Ⅱ)のフィードバックの活用 「LIFEを確認した。」 11月6日、歯科衛生士△△がLIFEのフィードバック情報を確認し、施設内で義歯使用者の割合が前回より増えていることを把握。11月の計画見直しで義歯清掃の手順を全員の計画に加える案を、介護職員の会議で共有した。 第69号ロ(2):情報の提出と活用
医療保険の歯科受診との関係 「歯医者来ていたので記録不要。」 10月の訪問歯科(医療保険)の受診日と算定内容を、協力歯科医療機関○○歯科から月末に一覧で受け取り、口腔衛生管理の記録の欄外に転記。訪問歯科衛生指導料の算定回数を事務担当が確認した。 留意事項通知(老健は5の(31)を準用)⑥

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

食事箋・療養食と経口移行の記録(療養食加算・経口移行加算)

場面 悪い例 良い例(そのまま使える完成文) つながる定め
食事箋の病名 「減塩食。」 10月1日、医師○○が食事箋を発行。病名:○○(疾病名を記載)。療養食の種類:○○食。医師の指示内容(食塩の指示の有無を含む)を食事箋の所定欄に記載し、管理栄養士△△が受領日を記録した。 老企第40号(療養食加算の項):医師の食事箋
食種の変更 「食事内容変更。」 10月12日、医師○○が食事箋を再発行し、療養食の種類を○○食から○○食に変更。管理栄養士△△が10月13日朝食から献立表を切り替え、切り替えた食事の回を提供記録に記載した。 老企第40号:献立表の作成/告示21号 ワ 注
提供の回数 「療養食提供中。」 10月の療養食の提供実績を食事ごと(朝・昼・夕)に記録。10月20日は家族との外食で昼食を提供していないため、当日の提供は朝食と夕食の2回として記録した。 告示21号 ワ 注:1日につき3回を限度
食事の提供の管理 「栄養士が管理。」 療養食の献立表は管理栄養士△△が作成し、毎週月曜に調理担当(委託先)へ渡している。献立表の改訂日と、委託先から受け取った提供食数の報告書を月ごとに綴じている。 告示21号 ワ 注イ:管理栄養士又は栄養士による管理
経口移行の医師の指示 「経口へ移行予定。」 10月2日、医師○○が経口による食事の摂取を進めるよう指示(指示内容を診療録に記載)。同日、医師・歯科医師・管理栄養士・看護師・介護支援専門員で経口移行計画を作成し、計画作成日を10月2日として記録した。 告示21号 ヌ 注1:医師の指示/多職種共同の計画作成
経口移行の支援の実施 「ST訓練実施。」 10月9日 11時30分、言語聴覚士○○が昼食前に嚥下の練習を実施。ゼリーを3口、むせなく摂取。看護職員△△が同席し、実施内容と本人の様子を経口移行の実施記録に記載した。 告示21号 ヌ 注1:言語聴覚士又は看護職員による支援
180日の管理 「長期経過。」 経口移行計画の作成日10月2日から起算した180日目を、計画書の表紙に記載。180日を超えて継続する場合に備え、医師の継続の指示を記録する欄を設けた。 告示21号 ヌ 注2:計画作成日から起算して180日以内/継続の定め
経口移行から経口維持への切り替え 「経口へ移行済み。」 11月20日、経管による食事の摂取を終了(医師○○の判断を診療録に記載)。経口移行加算の対象となる最終日を記録し、経口維持の対象として検討するかを11月25日の会議の議題に入れた。 経口維持加算の側に「経口移行加算を算定している場合は算定しない」旨の定め(ル 注1)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

24例に共通する直し方は、「誰が・いつ・何を見て・何を決めたか」の4点です。悪い例はどれも誤りを書いているわけではありませんが、記録を見た第三者が告示の文言(多職種の共同、月2回以上、医師の指示、食事箋の病名など)とつなげられません。良い例のように数字(時刻・回数・日付)と職種を入れておくと、前章までの対照表の右欄にそのまま転記できるようになります。

自治体が公表している記録まわりの指摘(前章の4件とは別の3件)

前章で引いた4件のほかに、栄養・口腔に関わる「記録」と「配置の形」について自治体が公表している指摘を3件引きます。いずれも老健以外のサービス種別の事例ですが、記録と算定の突き合わせという観点は老健の加算にも通じるため、点検の観点として並べます。

指摘・留意事例 サービス種別(資料上の記載) 内容の要点 老健の点検に置き換えた観点 出典
実際に提供した口腔ケアの提供記録が確認できなかった 地域密着型通所介護 サービス提供票の実績と提供記録が一致していない事例の一つとして、「実際には提供した『口腔ケア』について、サービスの提供の記録が確認できませんでした」と公表されている 歯科衛生士の実施日と、請求に用いる実績の記録が同じ日付になっているか 豊島区「地域密着型通所介護事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について(令和5年度・18件)」
登録型派遣の看護職員を配置して口腔機能向上加算を算定していた 通所系(居宅サービス指導係 所管サービス) 口腔機能向上サービスは事業者に雇用された言語聴覚士・歯科衛生士・看護職員(紹介予定派遣を含む)が行うもので、業務を委託することは認められない旨が留意点として示されている 加算の文言に現れる職種(管理栄養士・歯科衛生士・言語聴覚士など)の雇用形態と、契約書類の所在 仙台市介護事業支援課「令和6年度 運営指導方針・令和5年度 運営指導結果等【居宅サービス指導係 所管サービス】」(令和6年6月 集団指導)
兼務の看護職員について業務時間を分けずに加算を算定していた 通所介護・地域密着型通所介護 看護職員が機能訓練指導員を兼務している状況で、時間を区分せずに個別機能訓練加算及び口腔機能向上加算を算定していた事例。管理者は兼務している従業者の各業務配分を明確に管理するよう記載されている 管理栄養士が他の業務を兼ねている場合、常勤換算の計算に用いる時間が勤務表で区分されているか 千葉市「令和7年度の運営指導における主な指導事項について」(令和7年度千葉市介護保険事業者説明会(集団指導))

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

月をまたぐ記録の流れ|入所月から退所月までの14工程と、留意事項通知で加わる論点5件

栄養・口腔の加算は、1日型・1月型・1回型が同じ入所者に重なって動きます。さらにLIFEの提出は「翌月10日まで」、経口移行は「計画作成日から180日」と、それぞれ別の時計で期限が進みます。ここでは、ある入所者の入所月から退所月までを1本の流れとして並べ、どの月にどの記録が生まれ、どの期限が動くかを工程表にしました。月の名前は例示であり、貴施設の実際の月に置き換えて使ってください。

入所から退所までの工程表(栄養・口腔・食事の記録)

工程 時期(例) 生まれる記録・行為 関係する定め 貴施設の担当・実施日(記入欄)
1 入所月 栄養ケア計画の作成(入所者全員) 運営基準第17条の2/減算の基準(告示95号 第89号の3) (   )
2 入所月 口腔衛生の管理計画(運営基準)と、加算を届け出ている場合の口腔衛生管理加算 様式(実施計画)の作成 運営基準第17条の3/告示95号 第69号イ(1) (   )
3 入所月 療養食の対象者は医師の食事箋の発行・献立表への反映 老企第40号(療養食加算の項) (   )
4 入所月〜毎月 歯科衛生士による口腔衛生等の管理(月2回以上)と介護職員への助言の記録 告示95号 第69号イ(2)(3)(4) (   )
5 入所月の翌月10日まで 栄養マネジメント強化加算・口腔衛生管理加算(Ⅱ)のLIFE提出(計画作成月の分) 老老発0315第4号 8・10(3(1)ア) (   )
6 経管の入所者で経口移行を始める月 医師の指示・経口移行計画の作成(この日が180日の起算日) 告示21号 ヌ 注1・注2 (   )
7 経口で誤嚥が認められる入所者がいる月 医師又は歯科医師の指示・食事の観察及び会議等・経口維持計画 告示21号 ル 注1/告示95号 第67号 (   )
8 経口維持(Ⅱ)を届け出ている月 会議等への外部の専門職の参加の記録(所属・職種) 告示21号 ル 注2 (   )
9 毎月末 歯科衛生士の実施回数・療養食の提供回数・経口移行の経過日数の確認 第69号イ(2)/ワ 注/ヌ 注2 (   )
10 計画を変更した月 栄養ケア計画・口腔の計画・経口維持計画の変更と、変更月のLIFE提出 老老発0315第4号 3(1)イ (   )
11 前回提出から3月目 LIFEへの定期の提出(前回提出時以降の情報) 老老発0315第4号 3(1)ウ・3(2)ウ (   )
12 計画作成日から180日目が近い月 経口移行を継続するかの医師の判断・継続の指示の記録 告示21号 ヌ 注2 (   )
13 医療機関へ入院する月 入院中の加算の扱い、再入所後に向けた医療機関との栄養に関する連携の記録 老企第40号(老健は5の(24)を準用する再入所時栄養連携加算の項) (   )
14 退所月 退所先への栄養管理に関する情報の提供の記録/口腔・栄養の計画の終了日の記録 老企第40号(老健は5の(23)を準用する退所時栄養情報連携加算の項) (   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

工程9の「毎月末」の確認は、3つの数字の定めを同じ日にまとめて見る工程です。歯科衛生士の月2回以上は月をまたぐと数え直しになり、療養食の1日3回限度は日ごとの記録、経口移行の180日は暦の日数で進みます。月末に1枚の確認表で3つを並べておくと、翌月の請求の前に照会事項を拾い上げられます。工程13・14の2つの加算は、本記事の7区分の対照表には含めていない別の加算です。当社データベースには老健の単位数のレコードを収載していないため、ここでは単位数を書かず、留意事項通知の本文にある要件の骨格だけを次の表で扱います。

月末の1枚確認表|数字と期限で書かれた定め18項目

工程9の月末確認を、そのまま1枚にした表です。左の2列は当社データベースと通知の本文に書かれている定めで、右端は月末に数えた結果を書き込む欄です。数えた結果が定めと食い違って見える行は、その月の照会事項の候補として書き出してください。この表は判定のためのものではありません。

区分 確認する項目 定め(当社データベース・通知の収載) 月末の記入欄
栄養マネジメント強化 管理栄養士の常勤換算 入所者の数÷50以上(給食管理を行う常勤栄養士がいる場合は÷70以上) 月末の入所者数:( )人/常勤換算:( )人
栄養マネジメント強化 常勤栄養士による給食管理 ÷70の数え方の前提になる定め 給食管理の担当者:(  )
栄養マネジメント強化 LIFE提出の対象月 計画の作成月・変更月・少なくとも3月に1回、翌月10日まで 今月が対象の入所者:( )人
経口移行 計画作成日からの日数 180日以内(継続の定めあり) 対象者ごとの経過日数:(  )
経口移行 180日を超える場合の医師の指示 経口摂取が一部可能で医師の指示に基づき継続が必要とされる者についての定め 指示の記録日:(  )
経口移行/経口維持(Ⅰ) 同じ入所者への重なり 経口維持加算の側に、経口移行加算を算定している場合は算定しない旨の定め 重なっている入所者:有・無
経口維持(Ⅰ) 当月の食事の観察及び会議等 多職種共同で実施 実施日:(  )/参加職種:(  )
経口維持(Ⅱ) 会議等への参加者 配置医師を除く医師・歯科医師・歯科衛生士・言語聴覚士 参加者の所属・職種:(  )
口腔衛生管理(Ⅰ)(Ⅱ) 歯科衛生士の実施回数 月2回以上 2回に満たない入所者:( )人
口腔衛生管理(Ⅰ)(Ⅱ) 介護職員への助言・相談対応 歯科衛生士が具体的に実施/必要に応じ対応 当月の助言の記録:有・無
口腔衛生管理(Ⅰ)(Ⅱ) 訪問歯科衛生指導料の算定回数 3回以上(緩和ケアを実施するものの場合は7回以上)算定された月の扱いの定め 当月の算定回数:( )回
口腔衛生管理(Ⅰ)(Ⅱ) 同月の区分 (Ⅰ)と(Ⅱ)は同時には算定しない旨の定め 当月の区分:(Ⅰ)・(Ⅱ)
口腔衛生管理(Ⅱ) LIFE提出の対象月 3(1)と同様 今月が対象の入所者:( )人
療養食 食事箋の記載 疾病治療の直接手段として医師が発行 病名・食種の記載漏れ:( )件
療養食 1日あたりの提供回数 1日につき3回を限度 提供しなかった回の記録:有・無
療養食 献立表 作成されていること 直近の改訂日:(  )
減算の基準 栄養士又は管理栄養士の員数 介護老人保健施設基準第2条に定める員数 当月の配置:( )人
減算の基準 栄養ケア計画 介護老人保健施設基準第17条の2に規定する基準への適合 計画の無い入所者:( )人

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

留意事項通知(老企第40号)の令和6年度改正で、老健の栄養・口腔に加わった論点

老企第40号の令和6年度改正の新旧対照表(介護保険最新情報 Vol.1213 別紙2)では、介護保健施設サービスの栄養マネジメント強化加算・経口移行加算・経口維持加算・口腔衛生管理加算・療養食加算の各項(6の(28)〜(32))は、いずれも介護福祉施設サービスの同じ項(5の(28)〜(32))を準用する形になっています。同じく退所時栄養情報連携加算(6の(22))は5の(23)を、再入所時栄養連携加算(6の(23))は5の(24)を準用しています。準用先の5の各項のうち、新旧対照表で本文が示されている部分から、老健の記録に関わる論点を拾うと次のとおりです。

論点 通知の本文(準用先の5の項) 老健での準用 貴施設の記録(記入欄) ご確認ください
経口移行・経口維持の計画の作り方 当該加算に係る計画の作成に当たっては別途通知(「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」)を参照する旨(5の(29)⑤・5の(30)⑤・新設) 6の(29)(30)が5の(29)(30)を準用 計画書の様式の出所:(    ) 別途通知の様式例をどの範囲で用いているか
医療保険の歯科との関係 口腔衛生管理加算について、「医療保険において歯科訪問診療料が算定された日の属する月であっても算定できるが、訪問歯科衛生指導料が算定された日の属する月においては、訪問歯科衛生指導料が3回以上(令和6年6月以降、(中略)緩和ケアを実施するものの場合は、7回以上)算定された場合には算定できない」旨(5の(31)⑥) 6の(31)が5の(31)を準用 当月の訪問歯科衛生指導料の算定回数:( )回 協力歯科医療機関から算定回数をいつ受け取るか
療養食と経口移行・経口維持 経口による食事の摂取を進めるための栄養管理及び支援が行われている場合は、経口移行加算又は経口維持加算を併せて算定することが可能である旨(5の(32)) 6の(32)が5の(32)を準用 併せて請求している入所者:( )人 それぞれの記録が別々にそろっているか
退所時栄養情報連携加算の骨格 特別食を必要とする入所者又は低栄養状態にあると医師が判断した入所者が退所する場合に、施設の管理栄養士が退所先(主治の医師の属する病院又は診療所及び介護支援専門員、又は入院・入所先の医療機関等)に栄養管理に関する情報を提供したときの加算。退所した日の属する月に1月に1回を限度とする旨。栄養管理に関する情報とは、提供栄養量、必要栄養量、食事形態(嚥下食コード含む)、禁止食品、栄養管理に係る経過等をいう旨(5の(23)) 6の(22)が5の(23)を準用 情報提供の文書の控えの保管場所:(    ) 老健での単位数・届出の要否は告示本文で別途確認
再入所時栄養連携加算の骨格 入所していた者が医療機関に入院し、医師が特別食又は嚥下調整食を提供する必要性を認めた場合で、退院後直ちに再度入所(二次入所)した場合を対象とする旨。施設の管理栄養士が入院先の医療機関を訪問のうえ、栄養に関する指導又はカンファレンスに同席し、医療機関の管理栄養士と連携して二次入所後の栄養ケア計画を作成する旨。同席はテレビ電話装置等の活用が可能で、本人又は家族が参加する場合はその同意を得る旨(5の(24)) 6の(23)が5の(24)を準用 同席の記録・同意の記録の所在:(    ) 老健での単位数・届出の要否は告示本文で別途確認

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

表の4行目と5行目の「特別食」の範囲について、通知の本文は、療養食加算の対象食種とは範囲が異なる旨を示しています。具体的には、心臓疾患等に対する減塩食や、通知に列挙された疾患に対する潰瘍食・低残渣食・治療食などが特別食に含まれること、そして高血圧の者に対する一定の減塩食と嚥下困難者のための流動食は、療養食加算の場合と異なり、これら2つの加算の特別食には含まれることが書かれています。療養食加算の対象9種類(前章)と同じ一覧で管理していると、この違いが見えなくなります。対象食種の一覧を加算ごとに分けて控えておくと、取り違えを防げます。数値を含む細かな範囲は、通知の原文でご確認ください。

また、表の「新旧対照表で本文が示されている部分」以外の各項の本文(①〜④などで「(略)」とされている部分)は、改正されていない従前の本文がそのまま生きている扱いですが、当社はその従前の本文を本記事の根拠としては引いていません。各加算の従前からの留意事項(対象者の考え方、計画の見直しの頻度など)は、保険者(指定権者)が示す最新の通知・Q&Aでご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

この追記の根拠資料:平成12年厚生省告示第21号 別表2 介護保健施設サービス(注7・リ・ヌ・ル・ヲ・ワ)/平成27年厚生労働省告示第95号(第65号の3・第67号・第69号・第89号の3)(いずれも当社加算データベースの収載値・令和6年度改定時点)/平成12年老企第40号の令和6年度改正の新旧対照表(介護保険最新情報 Vol.1213 別紙2)/令和6年3月15日 老老発0315第4号(LIFE関連加算の基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例)/厚生労働省 運営指導マニュアル 別添1(介護老人保健施設)/各自治体の公表資料(豊島区・仙台市・千葉市。表中に資料名を記載)。本追記は上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省および各自治体の公式見解ではありません。

よくある質問(老健の栄養・口腔・食事の加算)

Q. 常勤の栄養士が給食管理を行っている場合、管理栄養士の配置の数え方はどう変わる定めですか。

告示95号(第90号の2が準用する第65号の3)は、管理栄養士を常勤換算方法で「入所者の数を五十で除して得た数以上」配置することを原則としつつ、「常勤の栄養士を一名以上配置し、当該栄養士が給食管理を行っている場合にあっては、管理栄養士を常勤換算方法で、入所者の数を七十で除して得た数以上」と定めています。分母が50から70に変わるのは管理栄養士の数え方であり、栄養士の配置が管理栄養士の配置に置き換わるわけではない、という文言の構造です。貴施設の常勤栄養士が「給食管理を行っている」と言える実態があるかを含め、数え方の当てはめは保険者(指定権者)にご確認ください。

Q. 経口移行加算の期間は、入所した日から数えるのですか。

告示21号 別表2 ヌの単位数の定めは「計画作成日から起算して180日以内」です。入所日ではなく経口移行計画の作成日が起算点になる書きぶりです。また同 注2には、180日を超えても、経口摂取が一部可能で医師の指示に基づき継続が必要とされる者には引き続き算定できる旨の定めがあります。継続する場合の医師の指示の記録の残し方は、保険者(指定権者)にご確認ください。

Q. 経口維持加算(Ⅱ)だけを単独で算定する定めはありますか。

当社データベースに収載されている告示の文言では、(Ⅱ)は「経口維持加算(Ⅰ)を算定している場合であって」に続く形で定められており、(Ⅰ)の算定が前提になる構造です。加えて協力歯科医療機関を定めていること、食事の観察及び会議等に外部の専門職(当該老健の配置医師を除く医師、歯科医師、歯科衛生士又は言語聴覚士)が加わったことが定めの内容です。貴施設の会議の出席記録と突き合わせたうえで、保険者(指定権者)にご確認ください。

Q. 口腔衛生管理加算を(Ⅰ)から(Ⅱ)に変えるとき、新たに増える定めは何ですか。

告示95号 第69号ロの構造では、(Ⅰ)の基準(イ(1)から(5))にすべて適合したうえで、入所者ごとの口腔衛生等の管理に係る情報を厚生労働省(LIFE)に提出し、フィードバック情報等を活用することが加わります。歯科衛生士の月2回以上の管理という(Ⅰ)の軸はそのまま残ります。単位数は(Ⅰ)が1月につき90単位、(Ⅱ)が1月につき110単位という告示の値です。

Q. 減塩食を提供している入所者は、療養食加算の対象に入りますか。

当社データベースには、高血圧症に対する減塩食は加算の対象とならない旨が通知に定められている、との収載があります。福岡市の公表資料(誤りやすい算定例・施設系等)でも、高血圧症に対する減塩食療法の入所者に「算定できない」のに算定していた例と、心臓疾患等に対する減塩食で病名の記載がなかった例が並べて挙げられています。同じ「減塩食」でも、医師の食事箋にどの疾病の治療の直接手段として記載されているかで扱いが分かれる書きぶりですので、食事箋の病名・食種・塩分量の記載を確認のうえ、最終的には保険者(指定権者)にご確認ください。

Q. 経管栄養で提供している療養食はどう扱われますか。

当社データベースには、対象となる療養食について「摂取方法は経口・経管を問わない」旨が留意事項通知(老企第40号・療養食加算の項)に付記されている、との収載があります。あわせて胃潰瘍食からは流動食が除かれる旨も同じ項の収載です。個別の食形態がどちらに当たるかの当てはめは、保険者(指定権者)にご確認ください。

Q. 7区分のうち、どの記録から手を入れると突き合わせが早く進みますか。

この記事の対照表の並びでいえば、まず全区分に共通して現れる「計画」(栄養ケア計画・経口移行計画・経口維持計画・口腔衛生の管理に係る計画・献立表)の作成日と作成者をそろえるのが起点になります。次に、回数・期間の定めが数字で書かれている項目(歯科衛生士の月2回以上、経口移行の180日、療養食の1日3回限度、管理栄養士の入所者数÷50)を、実施記録・勤務実績と突き合わせます。数字の定めは左右の食い違いがそのまま見えるため、照会事項の洗い出しが速く進みます。順序はあくまで整理のための提案であり、確認の観点は保険者(指定権者)により異なります。

この記事の根拠資料(告示・通知の名称)

本記事の単位数・要件・食種は、すべて当社の加算データベースが以下の一次資料を開いて収載した値に基づきます(令和6年度改定時点。令和8年厚生労働省告示第87号による変更なしを確認済み。療養食加算の食種の列挙のみ、通知の最新版での再確認を推奨する注記つき)。

  • 平成12年厚生省告示第21号 別表2 介護保健施設サービス(リ・ヌ・ル・ヲ・ワの各項および注)
  • 平成27年厚生労働省告示第95号(第35号、第65号の3、第66号、第67号、第69号、第90号の2)
  • 平成12年老企第40号 留意事項通知(療養食加算の項ほか)
  • 各自治体の公表資料(福岡市・久留米市・長野県・神戸市。本文中に資料名を明記)

本ページは上記の告示・通知および各自治体の公表資料を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省および各自治体の公式見解ではありません。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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