特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)には、入所した日から退所した後まで、場面ごとに置かれた加算が並んでいます。ところが告示の別表では「ハ」「ニ」「ホ」「ヘ」「タ」と別々の場所に散らばっているため、「どの加算がどのタイミングの話なのか」が一覧では追いにくいのが実情です。
この記事では、特養の入所から退所までの流れに関わる加算を、当社の加算データベースに収録している9件だけを対象に、時系列の順に並べ直して整理します。ここに挙げる9件以外の加算名・サービス名をこの記事の中で足すことはしません。単位数・回数・期限は、いずれも平成12年厚生省告示第21号(別表1)および平成27年厚生労働省告示第95号に基づく当社データベースの登録値をそのまま掲げています。
また、本文の各表は「告示の定め」と「貴施設の記入欄」を左右に並べた対照表の形にしています。この記事は算定の可否を判定するものではありません。最終的な取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
入所から退所までを1本の時間軸に|9件の加算の場面マップ
まず、9件がそれぞれ「いつ」の加算なのかを1つの表に並べます。入所日を起点に、入所直後 → 退所の前 → 退所のとき → 退所の後、という順で読んでください。最後の1件(在宅復帰支援機能加算)だけは特定の1日を指す加算ではなく、退所者の実績の割合で見る「体制側」の加算です。
| 場面 | 加算名 | 単位数 | 算定回数・期間 | 根拠(告示) |
|---|---|---|---|---|
| 入所直後(入所日から30日) | 初期加算 | 30単位 | 1日につき(入所日から30日以内) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ハ |
| 退所の前(居宅を訪問) | 退所前訪問相談援助加算 | 460単位 | 入所中1回(入所後早期に必要と認められる場合は2回)を限度 | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注1 |
| 退所の前(事業者と調整) | 退所前連携加算 | 500単位 | 入所者1人につき1回を限度 | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注4 |
| 退所のとき(相談援助+市町村等への情報提供) | 退所時相談援助加算 | 400単位 | 入所者1人につき1回を限度 | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注3 |
| 退所のとき(医療機関に入院する場合) | 退所時情報提供加算 | 250単位 | 入所者1人につき1回 | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注5 |
| 退所のとき(栄養管理の情報を退所先へ) | 退所時栄養情報連携加算 | 70単位 | 1月につき1回を限度 | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ニ |
| 退所の後(退所後30日以内の訪問) | 退所後訪問相談援助加算 | 460単位 | 退所後1回を限度 | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注2 |
| 入院を経て再び入所するとき | 再入所時栄養連携加算 | 200単位 | 入所者1人につき1回を限度 | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ホ |
| 体制(退所者の実績割合で見る) | 在宅復帰支援機能加算 | 10単位 | 1日につき | 平成12年厚生省告示第21号 別表1タ・平成27年厚生労働省告示第95号 第70号 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
この表から読み取れるのは、「退所」と一口に言っても、告示は退所の前・退所のとき・退所の後で別々の行為を求めているということです。同じ460単位でも、退所前訪問相談援助加算は「退所の前に居宅を訪ねる」加算、退所後訪問相談援助加算は「退所の後30日以内に居宅を訪ねる」加算で、時点がまったく違います。以下、この時間軸の順に1件ずつ、告示の定めと貴施設の記入欄を並べていきます。
名称の似た加算が老健にもある|この記事が扱う範囲の宣言
介護老人保健施設(老健)にも、退所に関わる同名・類似名の加算が多数置かれています。しかし根拠となる告示の別表が違い、定め(単位数・回数・要件)も別です。検索で「退所時情報提供加算」などの加算名だけを調べると、特養の定めと老健の定めが混ざった状態で目に入りやすく、取り違えの本命になっています。
この記事に書いてあるのは、特養(介護老人福祉施設)に置かれた定めだけです。老健の同名加算の単位数・要件はこの記事には書きません。老健の一覧は当社の別記事(介護老人保健施設の加算一覧)をご覧ください。実際、後述のとおり長野県の運営指導結果(老健)では、退所先の施設種別の読み違いによる指摘が公表されており、施設種別ごとに定めを分けて確認することの重要性がうかがえます。
なお、この記事で扱うのは冒頭の表に掲げた9件だけであり、特養のその他の加算(体制系・栄養系・機能訓練系など)は、それぞれの別記事と特養の加算一覧記事の領分です。読み分けの目安を表にしておきます。
| 知りたいこと | この記事で扱うか | 扱わない場合の参照先(当社の別記事) |
|---|---|---|
| 特養の入所から退所までの9件の定めと対照表 | 扱う(この記事の本体) | — |
| 特養のその他の加算・減算の単位数の一覧 | 扱わない | 特養の加算・減算の一覧記事 |
| 老健の退所系を含む加算の一覧 | 扱わない(単位数・要件は書かない) | 介護老人保健施設の加算一覧記事 |
| 入退院のときの記録の書き方・文例 | 扱わない(この記事は要件と記入欄まで) | 入退院連携の記録の書き方の記事 |
| 医療機関との連携加算のサービス種別をまたぐ比較 | 扱わない | 医療連携の加算の横断比較記事 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
初期加算|入所日から30日・1日につき30単位の定め
入所からの30日間に、1日につき30単位を算定する旨が定められている加算です。9件の中で唯一「入所」の側に置かれた加算で、退所系の加算とは向きが逆です。根拠は平成12年厚生省告示第21号 別表1ハの注です。
初期加算の対照表|30日の起算と再入所の扱い
| 項目 | 告示の定め | 貴施設の記入欄 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 単位数 | 30単位(1日につき) | 請求上の算定日数:( )日 | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ハ |
| 算定期間 | 入所した日から起算して30日以内 | 入所日:( 年 月 日)/30日目:( 年 月 日) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ハ注 |
| 再入所時の取扱い | 30日を超える病院又は診療所への入院後に再び入所した場合も同様 | 入院期間:( 日間)/再入所日:( 年 月 日) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ハ注 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
算定回数・期間の上限:1日につき(入所日から30日以内)。
運営指導で確認される書類:入所日と算定日数の突き合わせが軸になるため、入退所(入退院)台帳、施設サービス計画、請求明細など、入所日・入院日・再入所日が日付で読み取れる記録が対象になります(後掲の福岡市の資料でも、突合先としてこれらの書類が挙げられています)。
初期加算の30日の数え方|公表されている誤りの例4つ
福岡市福祉局高齢社会部事業者指導課「介護報酬算定に当たっての留意事項(誤りやすい算定例)【施設系・居住系・短期入所等】」(令和7年3月14日改訂)には、初期加算について次の誤りの例が挙げられています。
| 公表されている誤りの例 | 資料に示されている考え方 | 貴施設の確認欄 |
|---|---|---|
| 短期入所生活介護から引き続き入所となった場合に、直前の短期入所の利用日数を30日から控除していなかった | 入所直前の短期入所生活介護の利用日数を30日から控除する必要がある | 直前の短期入所利用:有・無/利用日数:( )日 |
| 同一敷地内の病院(医療保険適用病床)との間の入退院で、入退院日を含んで算定していた | 入退院日とも含まずに算定する必要がある | 同一敷地内の病院との入退院:有・無 |
| 同一敷地内・隣接・近接する敷地の介護保険施設等(職員の兼務や施設の供用等があるもの)から引き続き入所となった場合の控除をしていなかった | 当該施設間で引き続き入所となった場合は控除の対象になる | 該当する施設からの継続入所:有・無 |
| 30日を超える入院後に再入所した場合の取扱いが請求に反映されていなかった | 30日を超える入院後の再入所は告示の注に定めがある(上の対照表参照) | 入院期間30日超の再入所:有・無 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
同資料は、施設間の「隣接・近接」等の判断は保険者(自治体)により異なることがあるため、自施設の保険者に確認するよう促しています。30日の数え方は入退所台帳の日付だけでは決まらない場合があるということです。判断に迷う組み合わせ(短期入所からの継続、併設病院との入退院など)が生じたら、その都度、保険者への照会内容と回答を記録に残しておくと、後から数え方を再現できます。
退所前訪問相談援助加算|退所前に居宅を訪ねる460単位
退所に先立って、退所後に生活する居宅を訪問し、入所者と家族等に退所後のサービスについて相談援助を行った場合の加算です。告示には、他の社会福祉施設等に入所する場合に当該施設を訪問して連絡調整等を行ったときも同様に算定する旨が定められています。根拠は平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注1です。
退所前訪問相談援助加算の対照表|訪問する職種と回数
| 項目 | 告示の定め | 貴施設の記入欄 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 単位数 | 460単位 | 算定した月:( 年 月) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注1 |
| 入所期間の見込み | 1月を超えると見込まれること | 入所日:( 年 月 日)/見込みの根拠:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注1 |
| 訪問する職種 | 介護支援専門員・生活相談員・看護職員・機能訓練指導員又は医師のいずれか | 訪問した職員の職種:( )氏名:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注1 |
| 実施内容 | 退所後生活する居宅を訪問し、入所者及び家族等に対して退所後のサービスについて相談援助を行う | 訪問日:( 年 月 日)/相談援助の内容:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注1 |
| 回数の限度 | 入所中1回(入所後早期に必要と認められる場合は2回)を限度 | 算定回数:( )回/2回目の場合その必要性:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注1 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
算定回数・期間の上限:入所中1回(入所後早期に必要と認められる場合は2回)を限度。
運営指導で確認される書類:当社データベースにはこの加算の確認書類として「訪問日時・内容の記録」を登録しています。誰が(職種)・いつ(日時)・どこで(居宅か施設か)・誰に(入所者・家族等)・何を相談援助したかが、1枚の記録で読み取れる形が目安になります。
退所前訪問相談援助加算で残す記録の論点
- 職種の記載:告示は訪問する職種を5つに限定して列挙しています。訪問記録に職名の記載がないと、この列挙に当てはまるかを後から示せません。記録様式に職種欄を設けておくのが確実です。
- 「入所後早期」の2回目:2回を限度とする場合の「入所後早期に必要と認められる場合」に当たるかどうかの判断は、記録上にその必要性を書き残したうえで、取扱いを保険者(指定権者)にご確認ください。
- 訪問先が施設の場合:他の社会福祉施設等を訪問して連絡調整等を行った場合の取扱いが告示に定められていますが、訪問先の施設種別ごとの細部の運用は保険者により異なりえます。訪問先の名称・種別を記録し、迷う場合は照会結果を残してください。
退所後訪問相談援助加算|退所後30日以内の訪問・460単位
退所した後、30日以内に入所者の居宅を訪問して、入所者と家族等に相談援助を行った場合の加算です。単位数は退所前訪問相談援助加算と同じ460単位ですが、時点が「退所の後」で、限度は退所後1回です。根拠は平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注2です。
退所後訪問相談援助加算の対照表|訪問時期の期限
| 項目 | 告示の定め | 貴施設の記入欄 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 単位数 | 460単位 | 算定した月:( 年 月) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注2 |
| 訪問時期 | 退所後30日以内 | 退所日:( 年 月 日)/訪問日:( 年 月 日)/経過日数:( )日 | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注2 |
| 実施内容 | 入所者の居宅を訪問し、入所者及び家族等に対して相談援助を行う | 訪問した職員:( )/相談援助の内容:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注2 |
| 回数の限度 | 退所後1回を限度 | 算定回数:( )回 | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注2 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
算定回数・期間の上限:退所後1回を限度。
運営指導で確認される書類:退所日と訪問日の間隔が軸になります。退所日が読み取れる記録(入退所台帳など)と、訪問日・訪問先・相談援助の内容が書かれた訪問記録を、同じ利用者の綴りで突き合わせられる形にしておくと確認が速くなります。
退所後訪問相談援助加算の論点|退所前の訪問との仕分け
- 「30日以内」の日付管理:この加算の期限は退所日からの経過日数で決まります。訪問記録に退所日を併記する欄を設けておくと、期限内かどうかが記録単体で読み取れる形になります。数え方の細部(起算日の扱いなど)は保険者(指定権者)にご確認ください。
- 退所前訪問との混同:同じ460単位・同じ「訪問相談援助」の名を持つため、記録の綴りで前後が混ざりやすい組み合わせです。記録の表題に「退所前」「退所後」を明記し、それぞれの根拠(ヘ注1とヘ注2)に紐づけて保管してください。
- 在宅復帰支援機能加算との関係:後述の在宅復帰支援機能加算にも「退所後30日以内に従業者が居宅を訪問」という確認の定めがあります。1回の訪問記録を両方の目的で読む運用にする場合の取扱いは、保険者(指定権者)にご確認ください。
退所時相談援助加算|相談援助と2週間以内の情報提供・400単位
退所時に入所者と家族等へ退所後のサービスについて相談援助を行い、さらに退所の日から2週間以内に、退所後の居宅地を管轄する市町村と老人介護支援センターに対して、介護状況を示す文書を添えて情報提供を行った場合の加算です。「相談援助」と「情報提供」の2つの行為が1つの加算に束ねられている点が特徴です。根拠は平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注3です。
退所時相談援助加算の対照表|提供先と期限
| 項目 | 告示の定め | 貴施設の記入欄 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 単位数 | 400単位 | 算定した月:( 年 月) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注3 |
| 入所期間 | 1月を超えていること | 入所日:( 年 月 日)/退所日:( 年 月 日) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注3 |
| 相談援助 | 退所時に入所者及び家族等に対して退所後のサービスについて相談援助を行う | 実施日:( 年 月 日)/相手:本人・家族(続柄 )/内容:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注3 |
| 情報提供の期限 | 退所の日から2週間以内 | 情報提供日:( 年 月 日)/退所日からの日数:( )日 | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注3 |
| 情報提供先 | 退所後の居宅地を管轄する市町村及び老人介護支援センター | 提供先の市町村名:( )/センター名:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注3 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
算定回数・期間の上限:入所者1人につき1回を限度。
運営指導で確認される書類:相談援助の記録(日付・相手・内容)と、市町村・老人介護支援センターへ送った文書の控え(介護状況を示す文書を含む)の両方が対象になります。送付日が退所日から2週間以内であることを、控えの日付で示せる形にしておいてください。
退所時相談援助加算の論点|控えの日付と提供先の数
- 「2週間以内」は告示に明記された期限:当社データベースでも、この加算の留意点として「2週間以内」という期限が告示に明記されている点を登録しています。文書を作成した日ではなく、提供した日が読み取れる控え(送付記録など)を残す運用が軸になります。
- 提供先が2種類:告示の文言は「市町村及び老人介護支援センター」です。片方だけに送った場合の取扱いや、退所後の居宅地に老人介護支援センターが見当たらない場合の運用は、保険者(指定権者)にご確認ください。
- 「退所後の居宅地」の管轄:施設の所在地ではなく、退所後の居宅地を管轄する市町村が提供先とされています。施設所在地と退所先の市町村が違う場合は、どちらへ送ったかが控えで分かるようにしてください。
退所前連携加算|居宅介護支援事業者との調整・500単位
退所に先立ち、入所者が利用を希望する指定居宅介護支援事業者に対して、介護状況を示す文書を添えて必要な情報を提供し、かつ、退所後の居宅サービス等の利用に関する調整を行った場合の加算です。9件の中では単位数がもっとも大きい500単位で、情報提供だけでなく「調整」まで行うことが告示の定めになっています。根拠は平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注4です。
退所前連携加算の対照表|情報提供と調整の2要素
| 項目 | 告示の定め | 貴施設の記入欄 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 単位数 | 500単位 | 算定した月:( 年 月) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注4 |
| 入所期間 | 1月を超えていること | 入所日:( 年 月 日)/退所日:( 年 月 日) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注4 |
| 連携先 | 入所者が利用を希望する指定居宅介護支援事業者 | 事業者名:( )/希望の確認方法:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注4 |
| 実施内容 | 介護状況を示す文書を添えて必要な情報を提供し、かつ退所後の居宅サービス等の利用に関する調整を行う | 情報提供日:( 年 月 日)/調整の内容と日付:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注4 |
| 入所者の同意 | 取得 | 同意日:( 年 月 日)/同意の記録の保管場所:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注4 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
算定回数・期間の上限:入所者1人につき1回を限度。
運営指導で確認される書類:居宅介護支援事業者へ渡した文書の控え(介護状況を示す文書を含む)、入所者の同意の記録、そして「調整」を行った経過が分かる記録(連絡の日時・相手・内容)の3点が軸になります。
退所前連携加算の論点|「調整」をどう記録に残すか
- 情報提供と調整は別の要素:告示の文言は「情報を提供し、かつ……調整を行う」です。文書を送った記録だけでは前半しか示せません。退所後のサービス利用に向けて誰と何を調整したか(電話・面談・カンファレンス等の日時と内容)を、経過記録として残しておくのが確実です。
- 「利用を希望する」事業者であること:連携先は施設が選んだ事業者ではなく、入所者が利用を希望する事業者とされています。希望をいつ・どう確認したかが記録に残っていると、連携先の妥当性を後から示せます。
- 退所時相談援助加算との仕分け:同じ「退所の前後の連携」でも、退所時相談援助加算の提供先は市町村・老人介護支援センター、この加算の連携先は居宅介護支援事業者です。控えの綴りを提供先ごとに分けておくと突き合わせが速くなります。両者の関係の細部は保険者(指定権者)にご確認ください。
退所時情報提供加算|医療機関に入院する場合の紹介・250単位
入所者が退所して医療機関に入院する場合に、入所者の同意を得て、心身の状況・生活歴等の情報を提供したうえで紹介を行ったときの加算です。ここまでの退所系の加算が「居宅へ戻る」方向を向いているのに対し、この加算は「医療機関へ移る」方向の情報連携です。根拠は平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注5です。
退所時情報提供加算の対照表|事由・提供内容・同意
| 項目 | 告示の定め | 貴施設の記入欄 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 単位数 | 250単位 | 算定した月:( 年 月) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注5 |
| 事由 | 入所者が退所し、医療機関に入院する場合 | 退所日:( 年 月 日)/入院先:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注5 |
| 提供内容 | 入所者の心身の状況、生活歴等の情報を提供した上で紹介を行う | 提供した文書の名称:( )/提供日:( 年 月 日) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注5 |
| 入所者の同意 | 取得 | 同意日:( 年 月 日)/同意の記録の保管場所:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ヘ注5 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
算定回数・期間の上限:入所者1人につき1回。
運営指導で確認される書類:退所先(入院先の医療機関名)が分かる記録、提供した情報の文書の写し、入所者の同意の記録が軸になります。退所先の種別が読み取れることが、次の論点との関係で特に重要です。
退所時情報提供加算の論点|退所先の種別(老健での公表事例から)
長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人保健施設)」では、老健の退所時情報提供加算について、入所者が退所して介護老人福祉施設に入所した場合に算定していた事例が公表されています。同資料では、当該加算(老健の定め)は退所後に居宅でなく他の社会福祉施設等に入所する場合も対象になるものの、「他の社会福祉施設」には介護保険施設は含まれないと説明されています。
これは老健側の定めに関する指摘であり、特養の定めにそのまま当てはめることはしません。ただ、この事例から持ち帰れるのは、退所先の種別の読み方を施設側の解釈だけで決めないという点です。特養のこの加算の告示の事由は「医療機関に入院する場合」です。退所先が医療機関かどうかが記録で確認できる形(入院先の名称・入院日が分かる記録)にし、判断に迷う退所先については保険者(指定権者)にご確認ください。
退所時栄養情報連携加算|管理栄養士による情報提供・1月につき1回70単位
厚生労働大臣が定める特別食を必要とする入所者、または低栄養状態にあると医師が判断した入所者が退所する際に、入所者の同意を得て、管理栄養士が栄養管理に関する情報を退所先へ提供した場合の加算です。提供先は退所先の種別によって分かれます。根拠は平成12年厚生省告示第21号 別表1ニの注です。
退所時栄養情報連携加算の対照表|対象者と提供先の分かれ方
| 項目 | 告示の定め | 貴施設の記入欄 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 単位数 | 70単位(1月につき1回を限度) | 算定した月:( 年 月) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ニ |
| 対象入所者 | 別に厚生労働大臣が定める特別食を必要とする入所者又は低栄養状態にあると医師が判断した入所者 | 該当区分:特別食・低栄養状態/医師の判断の記録:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ニ注 |
| 提供先(居宅に退所する場合) | 主治医の属する病院・診療所及び介護支援専門員 | 主治医の医療機関名:( )/介護支援専門員名:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ニ注 |
| 提供先(医療機関等に入院・入所する場合) | 当該医療機関等 | 入院・入所先の名称:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ニ注 |
| 情報提供の実施者 | 管理栄養士 | 実施した管理栄養士名:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ニ注 |
| 入所者の同意 | 取得 | 同意日:( 年 月 日) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ニ注 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
算定回数・期間の上限:1月につき1回を限度。
運営指導で確認される書類:当社データベースにはこの加算の確認書類として「栄養情報提供書の写し」「入所者の同意記録」を登録しています。あわせて、対象者の区分(特別食か低栄養状態か)の根拠となる医師の判断の記録が読み取れる形にしておいてください。
退所時栄養情報連携加算の論点|算定しない場合として定められているもの
- 栄養マネジメント強化加算との関係:当社データベースには、栄養マネジメント強化加算を算定している場合はこの加算を算定しない旨の定めを登録しています。両方の届出状況を並べて確認できる一覧を施設内に持っておくと、月ごとの点検が1行で済みます。
- 栄養管理に関する減算との関係:栄養管理の基準を満たさない場合の減算(注8)の適用を受けている場合は算定しない旨も定めとして登録しています。減算の適用状況は加算の点検と別の帳票になりがちなので、同じ月次点検表に載せてください。
- 提供先が退所先で分かれる:居宅へ戻る場合は「主治医の属する病院・診療所及び介護支援専門員」の2者、医療機関等へ移る場合は当該医療機関等です。提供先の数と種別が退所先で変わるため、控えの綴りに退所先の区分を明記しておくと突き合わせが楽になります。
再入所時栄養連携加算|入院を経て戻ってくるときの栄養ケア計画・200単位
入所者がいったん退所して病院・診療所に入院し、退院後に再び同じ施設に入所する場合の加算です。対象は厚生労働大臣が定める特別食等を必要とする方で、施設の管理栄養士が入院先の病院・診療所の管理栄養士と連携して栄養ケア計画を策定することが定めになっています。時系列でいえば「退所 → 入院 → 再入所」という往復の、戻ってくる側に置かれた加算です。根拠は平成12年厚生省告示第21号 別表1ホの注、および平成27年厚生労働省告示第95号 第65号の2です。
再入所時栄養連携加算の対照表|管理栄養士どうしの連携
| 項目 | 告示の定め | 貴施設の記入欄 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 単位数 | 200単位 | 算定した月:( 年 月) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ホ |
| 経緯 | 入所者が退所して病院又は診療所に入院し、退院後に再度当該施設に入所 | 退所日:( 年 月 日)/入院先:( )/再入所日:( 年 月 日) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ホ注 |
| 対象入所者 | 別に厚生労働大臣が定める特別食等を必要とする者 | 特別食等の内容:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ホ注 |
| 栄養ケア計画の策定 | 施設の管理栄養士が病院・診療所の管理栄養士と連携して策定 | 自施設の管理栄養士名:( )/入院先の管理栄養士との連携の記録:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1ホ注 |
| 定員超過利用・人員基準欠如 | 該当しないこと | 該当の有無:有・無 | 平成27年厚生労働省告示第95号 第65号の2 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
算定回数・期間の上限:入所者1人につき1回を限度。
運営指導で確認される書類:策定した栄養ケア計画そのものに加えて、入院先の管理栄養士と「連携して」策定したことが分かる記録(連絡・面談・カンファレンスの日時と相手方の氏名)が軸になります。退所日・入院先・再入所日は入退所台帳と突き合わせられる形にしておいてください。
再入所時栄養連携加算の論点|初期加算の再入所の定めとの並び
- 「連携して策定」の証明:計画書の完成品だけでは、入院先の管理栄養士との連携の過程は読み取れません。誰と・いつ・どんな手段で連携したかを計画書の備考欄か経過記録に残しておくのが確実です。
- 初期加算との時系列の重なり:この記事の冒頭で見たとおり、初期加算の注には30日を超える入院後の再入所に関する定めがあります。同じ「入院を経た再入所」という場面に、初期加算(ハ注)とこの加算(ホ注)の2つの定めが別々に置かれているため、再入所の1件について両方の対照表を同時に点検する運用にしておくと漏れが出にくくなります。両者の関係の細部は保険者(指定権者)にご確認ください。
- 算定しない場合として定められているもの:当社データベースには、栄養管理の基準を満たさない場合の減算(注8)の適用を受けている場合は算定しない旨の定めを登録しています。
在宅復帰支援機能加算|退所者の割合と確認記録・1日につき10単位
ここまでの8件が「1人の入所者の1つの場面」に対する加算だったのに対し、この加算だけは施設の実績の割合で見る加算です。前6月間の退所者(入所期間が1月間を超えていた方に限る)に占める、在宅で介護を受けることとなった方の割合が20%を超えていること、そして退所後30日以内の確認と記録を行っていることなどが定めになっています。単位数は1日につき10単位です。根拠は平成12年厚生省告示第21号 別表1タ、および平成27年厚生労働省告示第95号 第70号です。
在宅復帰支援機能加算の対照表|割合の分子・分母と確認の記録
| 項目 | 告示の定め | 貴施設の記入欄 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 単位数 | 10単位(1日につき) | 算定を開始した月:( 年 月) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1タ |
| 退所者に占める割合 | 前6月間の退所者に占める在宅で介護を受けることとなった者の割合が20%を超えること(入所期間が1月間を超えていた退所者に限る。在宅・入所相互利用加算を算定している者を除く) | 集計期間:( 年 月〜 年 月)/分母:( )人/分子:( )人/割合:( )% | 平成27年厚生労働省告示第95号 第70号イ |
| 退所後の確認 | 退所後30日以内に従業者が居宅を訪問するか、指定居宅介護支援事業者から情報提供を受け、在宅生活が1月以上継続する見込みであることを確認し記録している | 確認の方法:訪問・情報提供/確認日:( 年 月 日)/記録の保管場所:( ) | 平成27年厚生労働省告示第95号 第70号ロ |
| 入所者の家族との連絡調整 | 行っていること | 直近の連絡調整の記録:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1タ注イ |
| 居宅介護支援事業者への情報提供・利用調整 | 行っていること | 直近の情報提供・調整の記録:( ) | 平成12年厚生省告示第21号 別表1タ注ロ |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
算定回数・期間の上限:1日につき。
運営指導で確認される書類:当社データベースにはこの加算の確認書類として「退所者一覧(退所先・入所期間)」「退所後の訪問記録又は居宅介護支援事業者からの情報提供記録」を登録しています。割合の計算は退所者一覧が土台になるため、退所先と入所期間の2列が埋まった一覧を6か月分いつでも出せる状態が目安です。
在宅復帰支援機能加算の論点|前6月間の集計をどう残すか
- 分母から外す人・分子に入れない人:告示の定めでは、割合の対象は入所期間が1月間を超えていた退所者に限られ、在宅・入所相互利用加算を算定している方は除かれます。退所者一覧に「入所期間」「除外の該当」の列を設けておくと、集計のたびに判断をやり直さずに済みます。個別の数え方は保険者(指定権者)にご確認ください。
- 「確認し記録している」まで が定め:在宅生活が1月以上継続する見込みであることを確認するだけでなく、記録していることまでが定めの文言に含まれています。確認の方法(訪問か、居宅介護支援事業者からの情報提供か)と確認日を書式に載せてください。
- 個別の退所系加算との重なり:退所後30日以内の訪問という行為は、退所後訪問相談援助加算の場面と時期が重なります。1回の訪問をどちらの記録として扱うか、両方に読む場合の整理は、保険者(指定権者)にご確認ください。
9件の加算で手元に残す記録の突き合わせ一覧|保管場所の記入欄つき
ここまでの各対照表に出てきた記録を、1枚に集めます。運営指導の直前ではなく、算定した月のうちに「保管場所」の列を埋めておく使い方を想定しています。
| 加算名 | 軸になる記録 | 日付で示すこと | 保管場所の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 初期加算 | 入退所(入退院)台帳・施設サービス計画・請求明細 | 入所日と算定日数の対応、入院・再入所の日付 | ( ) |
| 退所前訪問相談援助加算 | 訪問日時・内容の記録(職種の記載つき) | 訪問日が退所より前であること | ( ) |
| 退所前連携加算 | 居宅介護支援事業者への文書の控え・調整の経過記録・同意の記録 | 情報提供日と調整の日付 | ( ) |
| 退所時相談援助加算 | 相談援助の記録・市町村と老人介護支援センターへの文書の控え | 提供日が退所の日から2週間以内であること | ( ) |
| 退所時情報提供加算 | 入院先が分かる記録・提供文書の写し・同意の記録 | 退所日と入院の対応 | ( ) |
| 退所時栄養情報連携加算 | 栄養情報提供書の写し・入所者の同意記録・医師の判断の記録 | 提供日と退所の対応(1月につき1回の限度) | ( ) |
| 退所後訪問相談援助加算 | 訪問記録(退所日を併記) | 訪問日が退所後30日以内であること | ( ) |
| 再入所時栄養連携加算 | 栄養ケア計画・入院先の管理栄養士との連携の記録 | 退所日・入院・再入所日の並び | ( ) |
| 在宅復帰支援機能加算 | 退所者一覧(退所先・入所期間)・退所後の訪問記録又は情報提供記録 | 前6月間の集計期間と確認日 | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
この一覧を眺めると、9件のうち7件が「日付の対応」を軸にしていることが分かります。30日(初期加算・退所後訪問・在宅復帰支援機能の確認)、2週間(退所時相談援助)、前6月間(在宅復帰支援機能の割合)——期限の形は違っても、退所日を正しく記録することがすべての起点です。入退所台帳の退所日欄を最初に固めるのが、9件まとめての近道になります。
なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。この記事の記入欄は施設内部の自己点検のための欄であり、届出書類の様式ではありません。
退所の予定が立ってから退所後30日まで|4つの時点で開く点検表
9件を個別に覚えるより、「いま、どの時点にいるか」で開く対照表を決めておくほうが実務では回しやすくなります。1人の入所者について、退所の話が出てから退所後30日までを4つの時点に区切り、各時点で開く対照表と埋める欄を並べます。
| 時点 | 開く対照表(この記事の該当箇所) | この時点で埋める欄 | 期限の目印 |
|---|---|---|---|
| 退所の話が出たとき | 退所前訪問相談援助加算/退所前連携加算 | 入所期間(1月を超えるか)・訪問する職種・連携先の事業者名・入所者の同意 | 訪問と調整は退所より前に行う |
| 退所日が決まったとき | 退所時情報提供加算(入院する場合)/退所時栄養情報連携加算(特別食・低栄養の該当者) | 退所先の種別(居宅か医療機関等か)・提供先の名称・管理栄養士名・同意日 | 退所先の種別で開く表が変わる |
| 退所日から2週間 | 退所時相談援助加算 | 相談援助の実施日・市町村と老人介護支援センターへの提供日 | 情報提供は退所の日から2週間以内 |
| 退所後30日まで | 退所後訪問相談援助加算/在宅復帰支援機能加算(確認の記録) | 訪問日又は居宅介護支援事業者からの情報提供・在宅生活が1月以上継続する見込みの確認と記録 | 訪問・確認は退所後30日以内 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
再入所(退所 → 入院 → 再入所)の場合は、この4時点の外側にもう1周が付きます。再入所日が決まった時点で、初期加算の対照表(30日を超える入院かどうか)と再入所時栄養連携加算の対照表(特別食等の該当・入院先の管理栄養士との連携)の2枚を同時に開いてください。時点ごとに開く表を決めておくと、「退所してから2週間の期限に気づいた」「訪問はしたが記録の欄が足りなかった」という後追いを減らせます。
公表されている指摘と9件の突き合わせ|引用できたもの・できなかったもの
当社が収集している自治体等の公表指摘353件(すべて出典つき)の中から、この記事の9件を名指しした指摘を探しました。結果は次のとおりです。
| 加算名 | 名指しした公表指摘 | 出典(この記事で引用した資料) |
|---|---|---|
| 初期加算 | あり(30日からの控除・入退院日の扱いなど誤りの例4つ) | 福岡市福祉局高齢社会部事業者指導課「介護報酬算定に当たっての留意事項(誤りやすい算定例)【施設系・居住系・短期入所等】」令和7年3月14日改訂 |
| 退所時情報提供加算 | あり(ただし老健の定めに関する指摘。退所先の種別の読み違い) | 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人保健施設)」 |
| 退所時相談援助加算・退所前連携加算・退所前訪問相談援助加算・退所後訪問相談援助加算・再入所時栄養連携加算・退所時栄養情報連携加算・在宅復帰支援機能加算 | 当社の収集範囲353件の中には、名指しした指摘は見当たりませんでした | 代わりに、告示(平成12年厚生省告示第21号・平成27年厚生労働省告示第95号)の定めの文言のみを根拠として本文の対照表を作成しています |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
「指摘が見当たらない」ことは「指摘されない」ことを意味しません。当社の収集範囲に入っていないだけの可能性が常にあります。名指しの指摘が見つからなかった7件についても、本文の対照表の右列(貴施設の記入欄)を埋める形での自己点検をおすすめします。
よくある質問|入所から退所までの加算9件について
Q. 退所前訪問相談援助加算と退所後訪問相談援助加算は、何が違うのですか?
時点が違います。前者は退所に先立って退所後の居宅を訪問する加算(入所中1回、入所後早期に必要と認められる場合は2回を限度)、後者は退所後30日以内に居宅を訪問する加算(退所後1回を限度)です。単位数はどちらも460単位ですが、根拠の注が別(ヘ注1とヘ注2)で、記録に残すべき日付の関係も逆向きです。
Q. 退所時相談援助加算の「2週間以内」は、何の日付から数えるのですか?
告示の定めでは「退所の日から2週間以内」です。情報提供先は退所後の居宅地を管轄する市町村及び老人介護支援センターとされています。数え方の細部(起算日の扱いなど)は保険者(指定権者)にご確認ください。
Q. 初期加算の30日は、単純に入所日から数えればよいのですか?
告示の定めは「入所した日から起算して30日以内」ですが、福岡市の公表資料には、直前の短期入所生活介護の利用日数の控除、同一敷地内の病院との入退院日の扱いなど、単純な日数計算とずれる例が4つ挙げられています。本文の表をご覧のうえ、判断が分かれる組み合わせは保険者(指定権者)にご確認ください。
Q. 栄養に関する2つの連携加算は、どちらも管理栄養士が関わるのですか?
はい、どちらも管理栄養士が定めの中に登場しますが、場面が逆向きです。退所時栄養情報連携加算は退所するときに管理栄養士が退所先へ情報提供する加算(1月につき1回を限度・70単位)、再入所時栄養連携加算は入院を経て再入所するときに施設の管理栄養士が入院先の管理栄養士と連携して栄養ケア計画を策定する加算(入所者1人につき1回を限度・200単位)です。
Q. 在宅復帰支援機能加算の20%は、退所した人全員で計算するのですか?
告示の定めでは、割合の対象は前6月間の退所者のうち入所期間が1月間を超えていた方に限られ、在宅・入所相互利用加算を算定している方は除かれます。分母・分子に誰を入れたかを退所者一覧に残しておくことが、集計の再現性の鍵になります。個別の数え方は保険者(指定権者)にご確認ください。
Q. 老健の退所系の加算と、この記事の内容は同じですか?
同じではありません。老健には名称の似た退所系の加算が別の告示の定めで置かれており、単位数・回数・要件が異なります。この記事は特養(介護老人福祉施設)の定めだけを扱っています。老健については当社の老健向けの一覧記事をご覧ください。
Q. 退所して医療機関に入院する場合、この記事のどの表を開けばよいですか?
まず退所時情報提供加算の対照表(事由が「入所者が退所し、医療機関に入院する場合」)を開いてください。あわせて、その方が特別食を必要とする方または低栄養状態にあると医師が判断した方に当たる場合は、退所時栄養情報連携加算の対照表(医療機関等に入院・入所する場合の提供先は当該医療機関等)も対象になります。さらに、退院後に再び入所する見込みがあるなら、再入所時栄養連携加算と初期加算の再入所の欄を再入所の時点で開くことになります。1つの退所に複数の表が重なる典型例です。
Q. 「入所期間が1月を超える」という条件は、どの加算に付いているのですか?
この記事の9件のうち、退所前訪問相談援助加算(入所期間の見込みが1月を超えること)、退所時相談援助加算・退所前連携加算(入所期間が1月を超えていること)に、それぞれ告示の定めとして登場します。また、在宅復帰支援機能加算の割合の計算でも、対象となる退所者は入所期間が1月間を超えていた方に限られます。同じ「1月」でも、見込みで判断するものと実績で判断するものがあるため、入退所台帳の日付とあわせてご確認ください。
Q. 入所者の同意は、どの加算で定めに含まれていますか?
この記事の9件のうち、当社データベースで「入所者の同意:取得」を定めとして登録しているのは、退所前連携加算・退所時情報提供加算・退所時栄養情報連携加算の3件です。いずれも施設の外へ入所者の情報を渡す場面の加算であり、同意をいつ・誰から・どう得たかの記録が対照表の1行になっています。同意の取り方の様式は保険者(指定権者)や施設の運用により異なるため、自施設の様式をご確認ください。
最後に、この記事の使い方をまとめます。①冒頭の場面マップで「いま、その入所者はどの時点か」を確かめる、②該当する加算の対照表を開き、右列(貴施設の記入欄)を実際の記録の日付・氏名・名称で埋める、③埋まらない欄があれば、その欄がこれから作るべき記録であり、判断が分かれる欄であれば保険者(指定権者)への照会事項です。この記事は要件の判定を代わりに行うものではなく、照会と点検の材料を1枚に揃えるためのものです。
この記事の出典(告示・公表資料)
- 平成12年厚生省告示第21号(指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準)別表1 ハ・ニ・ホ・ヘ・タ
- 平成27年厚生労働省告示第95号 第65号の2・第70号
- 福岡市福祉局高齢社会部事業者指導課「介護報酬算定に当たっての留意事項(誤りやすい算定例)【施設系・居住系・短期入所等】」令和7年3月14日改訂
- 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人保健施設)」
出典:厚生労働省ウェブサイト(平成12年厚生省告示第21号・平成27年厚生労働省告示第95号)/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。
出典
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
