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訪問看護の複数名訪問加算(Ⅰ)(Ⅱ)|告示の要件対照表と同意・記録の完成文56例【出典つき】

訪問看護の「複数名訪問加算」は、1人の利用者に対して同時に2人以上で訪問した回に置かれている上乗せの定めです。告示上は、同行した相手が看護師等どうしなのか、看護師等と看護補助者なのかで、(Ⅰ)と(Ⅱ)に分かれています。単位数も別々に定められています。

この記事は、加算の要件を「読んで理解する」ためのものではなく、告示の定めを左に置き、貴事業所の状況を右の欄に書き込んで突き合わせるための対照表としてまとめたものです。あわせて、同意をどう得てどう残すか、複数名で訪問した回の記録に2人それぞれが何をしたかをどう書き分けるか、運営指導の場面で提示を求められる文書は何かを、そのまま貼れる完成文と記入欄の形で並べています。

要件の判断そのものは保険者(指定権者)の取扱いによって差があります。この記事は判断を代行するものではありません。左の列に告示の定めを、右の列に貴事業所の記入欄を置いていますので、書き込んだうえで保険者(指定権者)にご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

複数名訪問加算(Ⅰ)(Ⅱ)|告示の定めと貴事業所の記入欄(3表・27行)

下の2つの表は、加算データベースに登録している告示の要件(項目・値・根拠)をそのまま左側に並べ、右側を記入欄にしたものです。値は加算データベースの登録内容そのままで、こちらで言い換えたり要約したりしていません。根拠の欄に告示の番号を併記していますので、原典に当たるときの手がかりにしてください。

複数名訪問加算(Ⅰ)の対照表|複数の看護師等が同時に訪問した場合

項目 告示の定め(値) 根拠 貴事業所の記入欄
対象区分 イ、ロ 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6 (イ=ステーション/ロ=病院・診療所のどちらかを記入)
同時に訪問する者 複数の看護師等 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6 (同行した2人の職種を記入)
「看護師等」の範囲(注記) 保健師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6(注記) (該当する職種に印)
利用者又はその家族等の同意 あり 平27厚労告94 第5号 (同意を得た日・方法・受けた相手を記入)
同意の告示上の書きぶり 「同時に複数の看護師等により指定訪問看護を行うこと…について利用者又はその家族等の同意を得ている場合」 平27厚労告94 第5号 (この文言に対応する自事業所の説明文書名を記入)
該当事由 身体的理由により1人では困難、暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為等、これらに準ずると認められる状況 平27厚労告94 第5号 (どの事由に当たると考えているかと、その具体的な状況を記入)
該当事由の対応関係(注記) 平成27年厚生労働省告示第94号第5号のイ・ロ・ハに対応 平27厚労告94 第5号 (イ・ロ・ハのいずれかを記入)
所要時間区分 30分未満、30分以上 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6 (訪問開始時刻・終了時刻と、どちらの区分かを記入)
単位数 所要時間30分未満 254単位/30分以上 402単位(1回につき) 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6(1) (当月の回数と区分の内訳を記入)
頻度の単位 1回につき 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6 (当月の回数を記入)
同一の訪問で重ねない組み合わせ 複数名訪問加算(Ⅱ)と同一の訪問での重複 加算データベース登録内容 (同日・同時刻の請求が二重に立っていないかを確認して記入)
改定の状況 令和6年度改定後の内容。令和8年厚生労働省告示第87号でも改正はありません 令和8年厚生労働省告示第87号(新旧対照表) (自事業所で参照した資料の版を記入)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

複数名訪問加算(Ⅱ)の対照表|看護師等が看護補助者と同時に訪問した場合

項目 告示の定め(値) 根拠 貴事業所の記入欄
対象区分 イ、ロ 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6 (イ=ステーション/ロ=病院・診療所のどちらかを記入)
同時に訪問する者 看護師等+看護補助者 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6 (同行した看護師等の職種と、看護補助者の氏名・職名を記入)
利用者又はその家族等の同意 あり 平27厚労告94 第5号 (同意を得た日・方法・受けた相手を記入)
該当事由 身体的理由により1人では困難、暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為等、これらに準ずると認められる状況 平27厚労告94 第5号 (どの事由に当たると考えているかと、その具体的な状況を記入)
所要時間区分 30分未満、30分以上 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6 (訪問開始時刻・終了時刻と、どちらの区分かを記入)
単位数 所要時間30分未満 201単位/30分以上 317単位(1回につき) 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6(2) (当月の回数と区分の内訳を記入)
頻度の単位 1回につき 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6 (当月の回数を記入)
同一の訪問で重ねない組み合わせ 複数名訪問加算(Ⅰ)と同一の訪問での重複 加算データベース登録内容 (同日・同時刻の請求が二重に立っていないかを確認して記入)
看護補助者の範囲 加算データベースの調査時点では、看護補助者の資格要件や範囲は留意事項通知側の記載であり、告示本文からは確認していません 加算データベースの確度メモ(令和8年7月23日時点) (保険者に確認した内容と確認日を記入)
改定の状況 令和6年度改定後の内容。令和8年厚生労働省告示第87号でも改正はありません 令和8年厚生労働省告示第87号(新旧対照表) (自事業所で参照した資料の版を記入)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

所要時間区分ごとの単位数を1つの表に並べる

(Ⅰ)と(Ⅱ)は、同じ「所要時間30分未満/30分以上」という区切りを共有していますが、単位数はそれぞれ別に定められています。請求を組み立てる前に、この4つの組み合わせのどれに当たるのかを、訪問の記録から決められる状態にしておくと、後から遡って確かめる手間が減ります。

加算 所要時間区分 告示上の単位数 頻度の単位 貴事業所の当月の回数(記入欄)
複数名訪問加算(Ⅰ) 所要時間30分未満 254単位 1回につき (  回)
複数名訪問加算(Ⅰ) 所要時間30分以上 402単位 1回につき (  回)
複数名訪問加算(Ⅱ) 所要時間30分未満 201単位 1回につき (  回)
複数名訪問加算(Ⅱ) 所要時間30分以上 317単位 1回につき (  回)
共通 区分の判断に使う記録 訪問の開始時刻と終了時刻 ― (記録の様式名と、時刻を書く欄の名称を記入)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

(Ⅰ)と(Ⅱ)の分かれ目|同行者の職種で変わるところ・変わらないところ(3表・33行)

加算データベースの落とし穴メモには、(Ⅰ)の側に「『同時に』訪問していることが要件です。看護補助者との同時訪問は複数名訪問加算(Ⅱ)の側の定めになります」、(Ⅱ)の側に「看護師等同士の同時訪問は複数名訪問加算(Ⅰ)の側の定めで、単位数が異なります」と登録しています。つまり分かれ目は同行者の職種ひとつで、同意も該当事由も所要時間区分も共通の書きぶりになっています。

ここを取り違えると、要件そのものは同じように整えているのに、参照している単位数の側だけがずれる、という形の食い違いが起きます。下の表は「どちらの側の定めを見ることになるのか」を、同行者の組み合わせから引けるようにしたものです。

同行者の組み合わせから、どちらの定めを見るかを引く

実際に同時訪問した2人の組み合わせ 告示上どちらの側の定めか 根拠となる注 貴事業所の該当件数(記入欄)
看護師+看護師 複数名訪問加算(Ⅰ)の側の定め 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6(1) (  件)
看護師+保健師 複数名訪問加算(Ⅰ)の側の定め 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6(1) (  件)
看護師+准看護師 複数名訪問加算(Ⅰ)の側の定め 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6(1) (  件)
看護師+理学療法士 複数名訪問加算(Ⅰ)の側の定め(理学療法士は告示注記の「看護師等」に列挙) 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6(1) (  件)
看護師+作業療法士 複数名訪問加算(Ⅰ)の側の定め(作業療法士は告示注記の「看護師等」に列挙) 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6(1) (  件)
看護師+言語聴覚士 複数名訪問加算(Ⅰ)の側の定め(言語聴覚士は告示注記の「看護師等」に列挙) 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6(1) (  件)
理学療法士+作業療法士 複数名訪問加算(Ⅰ)の側の定め(いずれも告示注記の「看護師等」に列挙) 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6(1) (  件)
看護師+看護補助者 複数名訪問加算(Ⅱ)の側の定め 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6(2) (  件)
准看護師+看護補助者 複数名訪問加算(Ⅱ)の側の定め 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6(2) (  件)
理学療法士+看護補助者 複数名訪問加算(Ⅱ)の側の定め(同時に訪問する者が「看護師等+看護補助者」に当たるかは保険者にご確認ください) 平12厚告19 別表3 訪問看護費 注6(2) (  件)
看護師+看護師+看護補助者(3人) 加算データベースの登録内容からは組み合わせが一意に決まりません。取扱いを保険者(指定権者)にご確認ください ― (確認日・確認先・回答を記入)
看護師+他事業所の職員 加算データベースの登録内容には自事業所以外の同行についての定めがありません。取扱いを保険者(指定権者)にご確認ください ― (確認日・確認先・回答を記入)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

要件の項目ごとに、(Ⅰ)と(Ⅱ)を並べて見る

同行者の職種と単位数以外は、加算データベースに登録している要件の値が(Ⅰ)と(Ⅱ)で同じ書きぶりになっています。「同意」と「該当事由」は共通、「誰と行ったか」と「いくらか」が違う——この理解の形にしておくと、様式や手順を2つ作らずに済みます。

要件の項目 複数名訪問加算(Ⅰ) 複数名訪問加算(Ⅱ) (Ⅰ)と(Ⅱ)で
対象区分 イ、ロ イ、ロ 同じ
同時に訪問する者 複数の看護師等 看護師等+看護補助者 違う
利用者又はその家族等の同意 あり あり 同じ
該当事由(身体的理由により1人では困難) 掲げられている 掲げられている 同じ
該当事由(暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為等) 掲げられている 掲げられている 同じ
該当事由(これらに準ずると認められる状況) 掲げられている 掲げられている 同じ
所要時間区分 30分未満、30分以上 30分未満、30分以上 同じ
単位数(30分未満) 254単位 201単位 違う
単位数(30分以上) 402単位 317単位 違う
頻度の単位 1回につき 1回につき 同じ
同一の訪問で重ねない相手 (Ⅱ) (Ⅰ) 互いに指し合う
加算データベース上の確度 告示本文および大臣が定める基準(94号)第5号を直接確認 告示本文を直接確認。看護補助者の範囲は留意事項通知側の記載であり本調査では未照合 (Ⅱ)に未照合の論点が残る

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

該当事由の3区分と、書き込む欄

該当事由は、平成27年厚生労働省告示第94号第5号のイ・ロ・ハに対応する3つの区分として加算データベースに登録しています。(Ⅰ)(Ⅱ)のどちらでも同じ3区分です。区分の名前だけを転記しても、その回に何があったかは伝わりません。区分を選んだうえで、その回の具体的な状況を右の欄に書くという二段構えにしてください。

区分 告示の定め(値) この区分を選んだときに書き添えること 貴事業所の記入欄
イに対応 身体的理由により1人では困難 体格・姿勢の保持・移乗の状況など、1人での実施が難しいと考えた具体的な事実 (      )
ロに対応 暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為等 いつ・どのような行為があり、どのように対応したかという事実の記載 (      )
ハに対応 これらに準ずると認められる状況 イ・ロのどちらにも直接当てはめていない理由と、準ずると考えた状況の記載。判断は保険者(指定権者)にご確認ください (      )
共通 ― その状況が続いているのか、その回限りなのかの別 (継続/単発)
共通 ― 訪問看護計画書のどの欄に、この事由を書いているか (欄名:    )
共通 ― 訪問看護記録書Ⅱのどの欄に、この事由を書いているか (欄名:    )
共通 ― 居宅サービス計画に複数名での訪問がどう位置づけられているか (第2表・第6表の記載:    )
共通 ― 状況が変わったときに、事由の記載を見直す時期 (  月ごと)
共通 ― 事由の記載を最後に見直した日 (令和 年 月 日)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

同意をどう得て、どう残すか|そのまま貼れる完成文(3表・34行)

加算データベースには、(Ⅰ)(Ⅱ)のどちらにも「利用者又はその家族等の同意:あり」が要件として登録されています。(Ⅰ)の側には告示の書きぶりもそのまま登録していて、「同時に複数の看護師等により指定訪問看護を行うこと…について利用者又はその家族等の同意を得ている場合」となっています。同意の対象は「訪問看護を受けること」ではなく、「同時に複数名で訪問すること」だと読める書きぶりです。

また、必要書類として「複数名での訪問についての利用者・家族等の同意の記録」「看護補助者との同時訪問についての同意の記録」が登録されています。同意そのものではなく、同意の記録が求められているという形です。ここから逆算すると、整えるものは3つになります。①説明するときに何を言うか、②同意をどの様式のどの欄に残すか、③口頭で得た場合に誰がいつ何を記録するか。

なお、静岡市が集団指導資料「介護サービス事業者の指導監督((3)運営指導における主な指摘・助言事項等一覧)」の訪問看護の欄で示しているのは、理学療法士等による訪問について「口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない」という状況に対し、「同意の方法は問いませんが、口頭の場合には、同意を得た旨を記録等に残してください」というものです。これは複数名訪問加算を名指しした記載ではありませんが、同意の記録という論点そのものは共通ですので、複数名での訪問の説明・同意にも引き写して読める内容です。

説明するときの言い方|書き足りない例と、そのまま読み上げられる完成文(10組)

左の列は、実際に説明の場でよく出るが記録に落としたときに何も残らない言い方です。右の列は、そのまま読み上げてよい完成文です。「同時に2人で行くこと」「なぜ2人なのか」「費用の扱いが変わること」「断ることもできること」の4点が入るように組み立てています。

場面 書き足りない言い方 そのまま読み上げられる完成文
初回に提案するとき 「次から2人で伺いますね」 「次回の訪問から、看護師2名が同時にお伺いする形をご提案しています。お一人での入浴の介助のときに、体を支える者と洗う者が同時に必要になるためです。同時に2名でお伺いする回については、費用の扱いがふだんの回と変わります。ご負担の目安をこの用紙にお示ししますので、ご確認のうえ、お受けになるかどうかをお決めください。お断りいただいても、訪問看護そのものは今までどおり続きます」
身体的な理由を説明するとき 「大変なので2人で行きます」 「今の状態ですと、ベッド上で右向きの姿勢を保っていただく間に処置を行うことになります。姿勢を保つ役と処置を行う役が同時に必要ですので、看護師2名でお伺いする形をご提案しています。お一人で伺った場合、姿勢を保ちながらの処置となり、お体に負担がかかることが考えられます」
看護補助者が同行することを説明するとき 「助手も一緒に行きます」 「次回から、看護師1名に加えて当事業所の看護補助者1名が同時にお伺いする形をご提案しています。看護補助者は、移乗のときにお体を支える、物品の受け渡しを行う、といった役割で同席します。看護の処置そのものは看護師が行います。同時に2名でお伺いする回については費用の扱いが変わりますので、この用紙でご確認ください」
ご家族に電話で説明するとき 「お母様の件、2人体制にします」 「〇〇様の訪問について、来週水曜日から看護師2名が同時にお伺いする形をご提案したく、お電話しました。理由は、移乗のときにお一人では支えきれない場面が続いているためです。同時に2名でお伺いした回は費用の扱いが変わります。書面を郵送しますので、ご確認のうえお返事をいただけますでしょうか。本日のお電話の内容は記録に残させていただきます」
いったん見合わせるとき 「じゃあ今回はやめておきます」 「承知しました。本日は看護師1名でお伺いする形に戻します。次回以降、同時に2名でお伺いする必要が出てきた場合は、その都度あらためてご説明し、ご意向を伺ってから決めさせていただきます」
お断りを受けたとき 「わかりました」 「ご意向を承りました。同時に2名でお伺いする形は行わないこととし、看護師1名での訪問を続けます。本日ご説明した内容とご意向は、訪問看護記録に残させていただきます。お体の状況が変わった場合には、あらためてご相談させてください」
途中で理由が変わったとき 「状況変わったので引き続き2人で」 「これまでは入浴の介助のために2名でお伺いしていましたが、今月から入浴が浴室からベッド上に変わりました。2名でお伺いする理由が入れ替わりますので、あらためてご説明し、ご意向を伺わせてください。ご了承いただける場合は、この用紙に日付とお名前をご記入ください」
2名での訪問を終えるとき 「もう1人で大丈夫です」 「先月から移乗がご自身の力で行えるようになりましたので、来週の訪問から看護師1名でお伺いする形に戻すことをご提案します。同時に2名でお伺いする回はなくなりますので、費用の扱いも1名の回のものに戻ります」
ケアマネジャーに伝えるとき 「2人訪問にしました」 「〇〇様について、来週から看護師2名が同時に訪問する形に変更したく、ご相談です。理由は移乗の際にお一人では支えきれない場面が続いているためです。居宅サービス計画への位置づけと、ご本人・ご家族へのご説明の順番について、ご意向を伺えますでしょうか」
説明の最後に確認するとき 「では、そういうことで」 「本日ご説明したのは、①同時に看護師2名でお伺いすること、②その理由、③費用の扱いが変わること、④お断りいただけること、の4点です。ご不明な点はございませんか。この用紙の控えをお渡ししますので、後日でもご質問をお寄せください」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

同意書に載せる項目と、そのまま貼れる本文(12行)

堺市が集団指導資料「令和8年度 集団指導 居宅事業所編」で示しているのは、加算について「契約時の重要事項説明書を説明する中で包括的に同意を得るのではなく、利用者又はその家族に対して個別に十分な説明を行い同意を得ること」という考え方です(同資料が名指ししているのは緊急時訪問看護加算とターミナルケア加算です)。複数名訪問加算を名指しした記載ではありませんが、加算ごとに個別の説明・同意の欄を設けるという形は共通して参考になります。

同意書の欄 そのまま貼れる本文・記入の形 貴事業所の様式では(記入欄)
表題 複数名での訪問看護に関する説明・同意書 (様式名:    )
宛名 〇〇 〇〇 様(利用者)/説明を受けた方:(    )様(続柄:  ) (欄の有無:有・無)
説明した日 令和 年 月 日  時 分(説明の場所:ご自宅・電話・事業所) (欄の有無:有・無)
説明した者 職種・氏名(    )/同席者(    ) (欄の有無:有・無)
何についての同意か 1回の訪問看護を、同時に2名以上でお伺いする形で行うことについて、ご説明のうえ同意をいただくものです。 (現行の文言:    )
同行する者 看護師等どうしで伺う場合(  名)/看護師等と当事業所の看護補助者で伺う場合(  名)。いずれに当たるかは訪問の都度、記録に残します。 (欄の有無:有・無)
2名でお伺いする理由 次のいずれかに印を付け、具体的な状況を記載します。□お体の状況からお一人での看護が難しいため(具体的には:    )/□訪問時の安全を確保する必要があるため(具体的には:    )/□上記に準ずる状況のため(具体的には:    ) (現行の文言:    )
費用の扱い 同時に2名以上でお伺いした回は、告示の定めにより費用の扱いが1名の回と異なります。所要時間が30分未満の場合と30分以上の場合で定めが分かれています。ご負担の目安は別紙のとおりです。 (別紙の名称:    )
お断りできること この形での訪問をお受けにならない場合でも、訪問看護そのものは継続します。いつでもお申し出ください。 (欄の有無:有・無)
見直しの時期 2名でお伺いする理由がなくなった場合、または理由が変わった場合には、あらためてご説明し、ご意向を伺います。少なくとも(  か月)ごとに見直します。 (自事業所の周期:  か月)
同意の記載 上記の説明を受け、内容を理解しました。 令和 年 月 日  署名(    ) 続柄(    ) (欄の有無:有・無)
控えの交付 本書の控えを 令和 年 月 日にお渡ししました。 交付した者(    ) (欄の有無:有・無)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

口頭で同意を得たときに残す記録|書き足りない例と完成文(12組)

静岡市の資料にあるとおり、同意の方法そのものよりも「同意を得たことを確認できる記録」が論点になります。下の右列は、訪問看護記録書Ⅱの経過欄や支援経過にそのまま貼れる形にしています。記載例の時刻・氏名・状況は記入例です。

場面 書き足りない記録 そのまま貼れる完成文
訪問時に口頭で説明し同意を得た 2名訪問の同意を得た。 令和8年8月4日 10:20、ご自宅にて、A看護師より、次回訪問から看護師2名が同時に訪問する形とすること、その理由(浴室での移乗の際にお一人では支えられない場面が7月に3回あったこと)、同時に2名で訪問した回は費用の扱いが変わること、お断りいただけることの4点を口頭で説明。ご本人より「そのほうが安心なのでお願いします」との返答をいただき、同意を得た旨をこの記録に残す。説明書の控えを同日手渡し。
ご家族に電話で説明して同意を得た 家族に電話。了承。 令和8年8月4日 15:05、長女B様へA看護師より電話。次回訪問から看護師2名が同時に訪問する形とすること、理由(ベッドから車いすへの移乗で支えが必要なこと)、費用の扱いが変わること、お断りいただけることを説明。B様より「わかりました。お願いします」との返答。書面は8月5日に郵送し、返送をお願いした旨をあわせて記録する。通話時間15:05〜15:13。
その場では返答を保留された 検討中。 令和8年8月4日 10:35、ご本人へA看護師より2名での訪問について説明したところ、「息子と相談してから決めたい」との申し出があった。本日は看護師1名での訪問を継続し、8月8日の訪問時にあらためて伺うこととした。説明書の控えは本日お渡ししている。
お断りを受けた 家族が拒否。 令和8年8月8日 10:40、ご本人・長女B様へA看護師より2名での訪問について再度説明。B様より「今はまだ1人で来てもらう形でよい」との意向を伺った。2名での訪問は行わないこととし、看護師1名での訪問を継続する。移乗時の支えについては、訪問時間帯をB様の在宅時間に合わせる形で調整することとした。
看護補助者の同行について説明した 補助者同行の説明済。 令和8年8月11日 09:50、ご本人へA看護師より、8月18日の訪問から当事業所の看護補助者C(氏名を記載)が同時に訪問すること、Cは移乗の際の支えと物品の受け渡しを担当し、処置は看護師が行うこと、同時に2名で訪問した回は費用の扱いが変わることを説明。ご本人より「知っている方なら大丈夫です」との返答をいただいた。説明書の控えを手渡し。
理由が入れ替わった 理由変更。継続。 令和8年9月1日 10:15、ご本人へA看護師より、これまで入浴の介助のために2名で訪問していたが、9月より入浴が浴室からベッド上に変わるため、2名で訪問する理由が「浴室での移乗の支え」から「ベッド上での側臥位の保持」に入れ替わることを説明。あらためて2名での訪問についてのご意向を伺い、「引き続きお願いします」との返答をいただいた。説明・同意の記録を本日付で更新し、控えをお渡しした。
2名での訪問を終える 1人訪問に戻す。 令和8年10月6日 10:30、ご本人・長女B様へA看護師より、9月の訪問で移乗がご自身の力で行えた回が4回中4回であったことをお伝えし、10月13日の訪問から看護師1名での訪問に戻すことをご提案。ご了承をいただいた。10月13日以降は2名での訪問を行わない。
同意を得た相手が本人ではない 家族の同意あり。 令和8年8月4日 11:00、ご本人は発語が少なくご自身での意思確認が難しい状況であったため、同居の長男D様(続柄:長男)へA看護師より説明。D様より「お願いします」との返答をいただいた。ご本人には説明時に同席いただき、うなずきによる反応を確認している。
説明書の控えを渡した 書類渡した。 令和8年8月4日 10:45、複数名での訪問看護に関する説明・同意書の控え1部を、ご本人へA看護師が手渡しした。保管場所として居間のファイルに綴じていただくようお願いした。
同意書の返送を受けた 同意書回収。 令和8年8月12日、長女B様より複数名での訪問看護に関する説明・同意書(8月4日説明分)の返送を受領。署名日 令和8年8月9日、署名者 長女B様。原本は利用者ファイルに綴じ、写しを訪問看護記録書Ⅰに添付した。
年に1度の見直しを行った 同意継続確認。 令和9年8月3日 10:20、ご本人へA看護師より、2名での訪問を続けている理由(ベッド上での側臥位の保持)に変わりがないことを説明し、この形を継続することについてご意向を伺った。「続けてください」との返答をいただき、説明・同意の記録を本日付で更新した。次回の見直しは令和10年8月を予定。
担当者が交代した 担当変更。同意そのまま。 令和8年11月4日 10:10、担当がA看護師からE看護師へ交代したことをご本人へお伝えし、2名での訪問を続けることについて変更がないかを確認した。「同じでお願いします」との返答をいただいた。交代に伴い説明・同意の記録の担当者欄をE看護師に更新した。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

複数名で訪問した回の記録|2人が何をしたかを書き分ける完成文(3表・36行)

仙台市が集団指導資料「令和6年度運営指導方針・令和5年度運営指導結果等(居宅サービス指導係所管サービス)」で公表している令和5年度の指摘事項に、「複数名訪問看護加算の算定に必要な『事情』が明確にされていない」があります。同市は「複数名による訪問看護の提供は、体重が重い利用者を1人が支持しながら必要な処置を行う場合等、1人で看護を行うことが困難な場合に算定が認められるものであり、単に2人の看護師等が同時に訪問看護を行ったことのみをもって算定することはできない」と示しています。示されている書類は訪問看護計画書・訪問看護記録書・居宅サービス計画です。

ここから読み取れる記録の形は、はっきりしています。「2名で訪問した」という事実だけの記録では、なぜ2名だったのかが読み取れないということです。逆に言えば、記録に次の4つが入っていれば、読んだ人が状況を追えます。①その回に同時に訪問した2人の氏名と職種、②それぞれが何をしていたか、③1人では難しいと考えた具体的な事実、④訪問の開始時刻と終了時刻。

③は、体格や姿勢の保持のように目で見て確かめられる事実で書くと、読み手が状況を追えます。以下の記載例に出てくる時刻・氏名・数値は記入例です。実際の記載は、その回に起きた事実に置き換えてお使いください。

役割の書き分け|書き足りない記録と、そのまま貼れる完成文(12組)

訪問の場面 書き足りない記録 そのまま貼れる完成文(2人の役割を書き分けたもの)
ベッド上での体位保持を伴う処置 2名訪問。処置実施。特変なし。 10:02〜10:29、A看護師・B看護師の2名で同時に訪問。ご本人は自力で右側臥位を保つことができないため、B看護師が肩と骨盤を支えて右側臥位を保持し、その間にA看護師が仙骨部の洗浄と被覆材の交換を行った。保持していた時間は約11分。交換後、2名で仰臥位に戻し、10:29に訪問を終了した。開始・終了時刻から所要時間は30分未満の区分に当たる。
浴室での入浴の介助 2名で入浴介助。良好。 13:35〜14:12、A看護師・B看護師の2名で同時に訪問。脱衣所から浴室への移乗の際、ご本人は手すりを持っても立位を10秒以上保てず、7月の訪問3回すべてで膝折れがみられていた。本日はB看護師が体幹を後方から支え、A看護師が足の運びを誘導する形で移乗した。洗体はA看護師、湯温の確認と見守りはB看護師が担当。退室後、B看護師が更衣を介助し、A看護師が背部の皮膚の状態を確認して記録した。14:12に訪問を終了。所要時間は30分以上の区分に当たる。
ベッドから車いすへの移乗 2人で移乗。問題なし。 09:40〜10:14、A看護師・C看護補助者の2名で同時に訪問。ベッドから車いすへの移乗について、ご本人は左側に体重が偏り、1名では車いすの位置を保ちながら支えることができないため、C看護補助者が車いすを固定して背部を支え、A看護師が前方からご本人の体を起こして移乗した。移乗にかかった時間は約4分。移乗後、A看護師が血圧・脈拍・体温の測定と創部の観察を行い、C看護補助者は使用した物品の片づけとベッド周囲の整頓を行った。10:14に訪問を終了。
訪問時に大きな声が出ていた回 興奮あり。2名で対応。 11:05〜11:33、A看護師・B看護師の2名で同時に訪問。玄関の呼び鈴のあと、居室から大きな声が続いており、7月に2回、訪問中に物を投げられたことがあったため、本日も2名で伺っている。入室後、B看護師がご本人の正面やや斜めの位置で声かけを続け、A看護師が体温・血圧の測定と内服の確認を行った。測定中に手を振り払う動作が1回あったが、B看護師が距離を取って待機し、5分後に再度測定した。11:33に訪問を終了。
物品が多く1人では運べない回 荷物が多いので2名。 14:20〜14:58、A看護師・C看護補助者の2名で同時に訪問。ご本人は自室が2階にあり、階段の幅が狭く手すりが片側のみのため、昇降の際に1名が体を支える必要がある。C看護補助者がご本人の斜め後方から体を支えて階段を昇降し、A看護師が前方で足の運びを声かけで誘導した。自室到着後、A看護師が処置を行い、C看護補助者は使用済みの物品を1階へ運んだ。14:58に訪問を終了。
体格差により1人では支えられない回 体格大きいため2名。 10:00〜10:26、A看護師・B看護師の2名で同時に訪問。ご本人は身長178cm・体重92kgで、7月の訪問でA看護師1名では側臥位への体位変換の際に支えきれず、ご本人の腕がベッド柵に接触したことがあった。本日はB看護師が骨盤側、A看護師が肩甲帯側を持ち、2名で声を合わせて体位変換を行った。体位変換は計3回。処置はA看護師、体位の保持はB看護師が担当した。10:26に訪問を終了。
ご家族が不在で支えがない回 家族不在のため2名。 15:10〜15:44、A看護師・C看護補助者の2名で同時に訪問。ふだんは長女B様が移乗の際に支えているが、本日はB様が不在との連絡が前日にあったため、2名で伺っている。ベッドからポータブルトイレへの移乗を、C看護補助者が体を支え、A看護師が下衣の上げ下げを介助する形で行った。移乗は往復で2回。15:44に訪問を終了。
看護補助者が同行した回 補助者と2名で訪問。 09:15〜09:42、A看護師・C看護補助者の2名で同時に訪問。C看護補助者は当事業所の看護補助者であり、本日は移乗時の支えと物品の受け渡しを担当した。看護の処置(点滴ラインの接続部の確認、貼付部の観察と交換)はA看護師が行っている。訪問中、C看護補助者が処置を行った場面はない。09:42に訪問を終了。
理学療法士と同時に訪問した回 PTと2名訪問。 10:30〜11:08、A看護師・F理学療法士の2名で同時に訪問。歩行の練習の際、ご本人は6月以降、5歩目前後で右膝が折れる場面が続いており、1名では支えと歩行器の位置合わせを同時に行えないため、2名で伺っている。F理学療法士が前方で歩行器の位置を保ち、A看護師が後方からベルトを持って体を支えた。往復2回、計12mを歩行。終了後、A看護師が血圧・脈拍を測定し記録した。11:08に訪問を終了。
短時間で終えた回 2名、短時間。 16:00〜16:21、A看護師・B看護師の2名で同時に訪問。本日は膀胱留置カテーテルの固定部の交換のみを行っている。ご本人は下肢の力が入らず自力で膝を立てることができないため、B看護師が両下肢を保持し、A看護師が固定部のテープを剥がして貼り替えた。保持していた時間は約6分。16:21に訪問を終了。開始・終了時刻から所要時間は30分未満の区分に当たる。
2名で伺ったが1名で足りた回 2名訪問。特変なし。 10:05〜10:31、A看護師・B看護師の2名で同時に訪問。移乗の支えを想定して2名で伺ったが、本日はご本人が手すりを持って立位を30秒以上保つことができ、移乗はA看護師1名の見守りで行えた。B看護師は室内での待機と物品の準備にとどまり、支えを行った場面はない。この回について、2名で伺う必要があったかどうかを次回のカンファレンスで再検討することとした。10:31に訪問を終了。
2名での訪問を取りやめた回 1名に戻した。 10:00〜10:27、A看護師1名で訪問。8月まで2名で伺っていたが、9月の訪問4回すべてでご本人が手すりを持って自力で移乗できていたため、本日から1名での訪問に戻している。本日の移乗も自力で行え、支えを要する場面はなかった。10:27に訪問を終了。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

訪問看護計画書の側に、2名で伺う理由をどう置くか(12組)

仙台市の指摘で示されている書類には、訪問看護記録書だけでなく訪問看護計画書と居宅サービス計画が並んでいます。回ごとの記録に事実を書いていても、計画書の側に「2名で伺う」ことが位置づけられていないと、その回だけ突然2名になったように読めます。下の右列は、計画書の「療養上の課題」「目標」「サービスの具体的内容」といった欄にそのまま置ける文です。

計画書の欄 書き足りない記載 そのまま貼れる完成文
療養上の課題 移乗が大変。 ベッドから車いすへの移乗の際、手すりを持っても立位を10秒以上保つことが難しく、令和8年7月の訪問3回すべてで膝折れがみられている。1名では体を支えながら車いすの位置を保つことができない状況。
療養上の課題 体が大きい。 身長178cm・体重92kg。側臥位への体位変換の際、1名では肩甲帯と骨盤を同時に支えられず、令和8年7月の訪問で腕がベッド柵に接触した経過がある。
療養上の課題 暴れることがある。 訪問中に大きな声が続き、令和8年7月に2回、物を投げられる場面があった。声かけを行う者と処置を行う者を分ける必要がある状況。
目標 安全に処置する。 令和8年10月末までに、処置の間、ベッド上で右側臥位を10分間保てる状態を、支えを受けながら維持する。
目標 入浴を続ける。 令和8年12月末までに、週2回の入浴を、移乗時の支えを受けながら継続する。膝折れの回数を訪問ごとに記録する。
目標 1人で動けるように。 令和9年3月末までに、手すりを持っての立位を30秒間保てる回数を、訪問4回中3回以上にする。
サービスの具体的内容 2名で訪問し処置を行う。 看護師2名が同時に訪問する。1名がベッド上での側臥位の保持を担当し、もう1名が仙骨部の洗浄と被覆材の交換を行う。訪問の都度、保持した時間と体位変換の回数を記録する。
サービスの具体的内容 入浴介助(2名)。 看護師2名が同時に訪問する。1名が脱衣所から浴室への移乗の際に体幹を後方から支え、もう1名が足の運びを誘導する。洗体は1名が行い、もう1名が湯温の確認と見守りを行う。膝折れの有無を訪問ごとに記録する。
サービスの具体的内容 補助者同行。 看護師1名と当事業所の看護補助者1名が同時に訪問する。看護補助者は移乗時の支えと物品の受け渡しを担当し、看護の処置は看護師が行う。訪問の都度、それぞれが担当した内容を記録する。
留意事項 状況により1名に戻す。 移乗が自力で行えた回が訪問4回中4回となった場合は、カンファレンスで1名での訪問に戻すことを検討する。検討した結果は支援経過に残す。
留意事項 家族の同意済。 同時に2名で訪問することについて、令和8年8月4日にご本人へ説明し、同意を得ている。説明・同意の記録は利用者ファイルに保管。理由が変わった場合はあらためて説明し、記録を更新する。
居宅サービス計画との対応 ケアプランに記載あり。 居宅サービス計画(第2表)の「訪問看護」の欄に、同時に2名で訪問することとその理由が位置づけられていることを、令和8年8月4日に担当介護支援専門員と確認した。第6表の予定にも反映されている。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

記録に残っていると後から追える12項目|訪問1回ごとの点検欄

下の表は、複数名で訪問した回の記録を1件抜き出して、上から順に見ていくための欄です。すべて「あるかどうか」で答えられる項目にしています。判断そのものではなく、判断の材料が記録に残っているかを見るための表です。

見るところ 記録にあるか(記入欄) どの様式のどの欄で見たか(記入欄)
同時に訪問した2人の氏名 (有・無) (    )
2人それぞれの職種(看護師等か看護補助者か) (有・無) (    )
2人が同時に訪問していたことが読み取れる書き方になっているか (有・無) (    )
1人目が何をしていたか (有・無) (    )
2人目が何をしていたか (有・無) (    )
1名では難しいと考えた具体的な事実(体格・姿勢の保持・移乗の状況など) (有・無) (    )
訪問の開始時刻 (有・無) (    )
訪問の終了時刻 (有・無) (    )
所要時間区分(30分未満/30分以上)がどちらか読み取れるか (有・無) (    )
同意を得たことが分かる記録の所在 (有・無) (    )
訪問看護計画書に、2名で訪問することとその理由が書かれているか (有・無) (    )
居宅サービス計画に、複数名での訪問が位置づけられているか (有・無) (    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

運営指導で確認される書類|別添1の確認項目と、公表されている指摘(3表・29行)

加算データベースには、(Ⅰ)の必要書類として「複数名での訪問についての利用者・家族等の同意の記録」「該当事由(身体的理由・迷惑行為等)を記した訪問看護記録」、(Ⅱ)の必要書類として「看護補助者との同時訪問についての同意の記録」「訪問看護記録(同行者・該当事由)」が登録されています。

一方、厚生労働省の運営指導マニュアル別添1(訪問看護・コード103)は、加算ごとの項目を立てているわけではなく、サービス提供の記録や訪問看護計画書・報告書の作成といった一般の確認項目を並べています。複数名での訪問は、この一般の確認項目の中で見られることになります。下の表は、別添1に載っている確認項目・確認文書のうち、複数名での訪問に直接かかわるものを抜き出し、右側に記入欄を置いたものです。

別添1(訪問看護・コード103)の確認項目と、複数名での訪問での見え方

確認項目(該当条項) 別添1の確認内容 別添1の確認文書 複数名での訪問では、ここが読まれる 貴事業所の状況(記入欄)
内容及び手続の説明及び同意(第8条) 利用申込者又はその家族への説明と同意の手続きを取っているか/重要事項説明書の内容に不備等はないか 重要事項説明書(利用申込者又は家族の同意があったことがわかるもの)、利用契約書 契約時の重要事項説明とは別に、複数名での訪問についての説明・同意の記録があるか (    )
居宅サービス計画に沿ったサービスの提供(第16条) 居宅サービス計画に沿ったサービスが提供されているか 居宅サービス計画 複数名での訪問が居宅サービス計画に位置づけられているか (    )
サービス提供の記録(第19条) 訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか/日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか サービス提供記録 2人それぞれが何をしたかが具体的に書かれているか (    )
訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第70条) 居宅サービス計画に基づいて訪問看護計画が立てられているか/主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて訪問看護計画が立てられているか/サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか/利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか 主治の医師の指示及び居宅サービス計画に基づく訪問看護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書 計画書に、複数名で訪問することとその理由が書かれているか/時間・日程が明らかか (    )
心身の状況等の把握(第13条)/居宅介護支援事業者等との連携(第64条) サービス担当者会議等に参加し、利用者の心身の状況把握に努めているか/サービス担当者会議等を通じて介護支援専門員や他サービスと連携しているか サービス担当者会議の記録 複数名での訪問への変更や取りやめを、担当者会議等で共有した記録があるか (    )
従業者の員数(第60条) 利用者に対し、従業者の員数は適切であるか/専門職は必要な資格を有しているか 勤務実績表/タイムカード、勤務体制一覧表、従業者の資格証 同行した2人が、その日の勤務実績表に載っているか/資格証があるか (    )
勤務体制の確保等(第30条) サービス提供は事業所の従業者によって行われているか/資質向上のために研修の機会を確保しているか 雇用の形態(常勤・非常勤)がわかる文書、研修計画、実施記録 看護補助者が自事業所の従業者であることが分かる文書があるか (    )
秘密保持等(第33条) 個人情報の利用に当たり、利用者及び家族から同意を得ているか/退職者を含む、従業者が利用者の秘密を保持することを誓約しているか 個人情報同意書、従業者の秘密保持誓約書 看護補助者についても秘密保持の誓約書があるか (    )
利用料等の受領(第66条) 利用者からの費用徴収は適切に行われているか/領収書を発行しているか 請求書、領収書 複数名で訪問した回について、請求書・領収書の記載が訪問の記録と一致しているか (    )
事故発生時の対応(第37条) 事故が発生した場合の対応方法は定まっているか/事故状況、対応経過が記録されているか 事故対応マニュアル、市町村・家族・居宅介護支援事業者等への報告記録、ヒヤリハットの記録 1名での支えが難しいと考えた根拠として、過去のヒヤリハットの記録が残っているか (    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

複数名訪問加算を名指しした公表事例と、隣接する観点から引いた公表事例

当社が保有する自治体の公表指摘353件のうち、複数名訪問加算を名指しした指摘は仙台市の1件です。それ以外にこの加算そのものを名指しした指摘は、当社の保有分では見つかりませんでした。そこで下の表では、名指しの1件と、「同意の記録」「計画書の記載」「記録の整備」という隣接する観点から引いた事例を、どちらであるかを明記して並べています。隣接事例は複数名訪問加算について述べたものではありませんので、その点をご承知おきください。

この加算を名指しか 公表されている指摘 示されている書類 出典(自治体・資料名)
名指しあり 複数名訪問看護加算の算定に必要な「事情」が明確にされていない。「単に2人の看護師等が同時に訪問看護を行ったことのみをもって算定することはできない」と示されている 訪問看護計画書、訪問看護記録書、居宅サービス計画 仙台市介護事業支援課 令和6年6月集団指導「令和6年度運営指導方針・令和5年度運営指導結果等(居宅サービス指導係所管サービス)」
隣接(同意の記録) 理学療法士等による訪問について、看護職員の代わりに訪問させる旨を口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない。「同意の方法は問いませんが、口頭の場合には、同意を得た旨を記録等に残してください」と示されている 訪問看護計画書、訪問看護記録書、説明・同意の記録、居宅サービス計画書、モニタリング・評価の記録 静岡市「介護サービス事業者の指導監督((3)運営指導における主な指摘・助言事項等一覧)」(令和8年度介護保険サービス提供事業者説明会(集団指導)資料)
隣接(加算ごとの個別同意) 加算について、契約時の重要事項説明書を説明する中で包括的に同意を得るのではなく、利用者又はその家族に対して個別に十分な説明を行い同意を得ること(資料が名指ししているのは緊急時訪問看護加算とターミナルケア加算) 加算に係る個別説明・同意書、訪問看護記録書 堺市「令和8年度 集団指導 居宅事業所編」
隣接(計画書の記載) 訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない、具体的なサービス内容を記載していない事例が公表されている(令和6年度の訪問看護の指摘37件のうち「訪問看護計画の作成等の不備」が11件で最多) 訪問看護計画書、居宅サービス計画、説明・同意・交付の記録、訪問看護報告書 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(訪問看護)」
隣接(計画書の作成) 訪問看護計画書を作成せずにサービスを提供している、計画書が居宅サービス計画の内容と相違している、内容が不十分といった指摘 訪問看護計画書、居宅サービス計画書(第1〜3表) 東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護)
隣接(記録の整備) 指示書・計画書・報告書・提供記録・市町村への通知記録・苦情記録・事故記録の整備と保存が不十分 訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ、計画書、報告書ほか 東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護)
隣接(同行者の資格・雇用) 職員の雇用の事実・勤務時間が不明確/月ごとの勤務表を作成していない 雇入れ通知書、就業規則、出勤簿、タイムカード、勤務形態一覧表、シフト表 東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護)
隣接(訪問する者の制限) 看護師等が同居の家族である利用者に対して訪問看護を提供していた。あわせて、作業療法士による訪問看護を利用している者について、定期的に看護職員の訪問による評価を実施する必要があることに留意することが示されている 訪問看護記録書、担当割当表・勤務実績表、従業者名簿、看護職員による評価記録 愛知県 福祉局福祉部 福祉総務課監査指導室「主な指摘事項(令和7年度版)」
隣接(記録と請求の突合) 予定していたサービス内容を一切実施しなかったのに訪問看護の基本報酬を算定していた。実施状況を踏まえて適切な報酬の算定を行うことが示されている 訪問看護記録書、訪問予定表、請求明細、主治医の指示書 仙台市介護事業支援課 令和6年6月集団指導「令和6年度運営指導方針・令和5年度運営指導結果等(居宅サービス指導係所管サービス)」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

当日そろえる文書の所在チェック表(10点)

複数名での訪問について尋ねられたときに、どのファイルのどこを開けばよいかを、あらかじめ書き出しておくための欄です。保存の年数は保険者(指定権者)の定めによって異なりますので、年数そのものではなく「最後に確認した日」を書く欄にしています。

文書 保管場所(記入欄) 紙/電子(記入欄) 最後に確認した日(記入欄)
複数名での訪問についての説明・同意の記録 (    ) (紙・電子) (令和 年 月 日)
看護補助者との同時訪問についての同意の記録 (    ) (紙・電子) (令和 年 月 日)
該当事由を記した訪問看護記録書Ⅱ (    ) (紙・電子) (令和 年 月 日)
同行者(氏名・職種)が分かる訪問看護記録書Ⅱ (    ) (紙・電子) (令和 年 月 日)
訪問看護計画書(2名で訪問する理由の記載を含む) (    ) (紙・電子) (令和 年 月 日)
訪問看護報告書 (    ) (紙・電子) (令和 年 月 日)
居宅サービス計画(第1〜3表・第6表) (    ) (紙・電子) (令和 年 月 日)
訪問看護指示書 (    ) (紙・電子) (令和 年 月 日)
同行した2人の勤務実績表・タイムカード (    ) (紙・電子) (令和 年 月 日)
看護補助者の雇用が分かる文書・秘密保持誓約書 (    ) (紙・電子) (令和 年 月 日)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

よくある論点|断定を避けて、どこまでが告示でどこからが確認かを分ける(2表・21行)

複数名での訪問をめぐる話題には、告示に書かれていることと、留意事項通知や保険者の取扱いを確かめないと決まらないことが混ざっています。下の表は、その線をどこに引くかを整理したものです。右端の欄には、確認した日と回答を書き込めるようにしています。加算データベースの確度メモにも「看護補助者の範囲は留意事項通知側の記載であり本調査では未照合」と残していますので、そこは確認の欄に置いています。

論点 告示(加算データベース)から言えること ここから先は確認すること 確認日・確認先・回答(記入欄)
同行者が看護師どうしのとき 「同時に訪問する者:複数の看護師等」が(Ⅰ)の要件として登録されている ― (    )
同行者が看護補助者のとき 「同時に訪問する者:看護師等+看護補助者」が(Ⅱ)の要件として登録されている 看護補助者の資格要件や範囲は留意事項通知側の記載であり、告示本文からは確認していない (    )
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は「看護師等」に入るか (Ⅰ)の注記に「看護師等=保健師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士」と登録されている ― (    )
3人以上で訪問したとき 加算データベースの登録内容は「複数の看護師等」「看護師等+看護補助者」の2通りで、人数の上限は登録していない 3人以上の場合の取扱いを保険者(指定権者)にご確認ください (    )
(Ⅰ)と(Ⅱ)を同じ訪問で重ねること 加算データベースには、互いを「同一の訪問での重複」として登録している ― (    )
所要時間はどこで区切るか 「30分未満」「30分以上」の2区分が登録されている 所要時間の数え方(準備・片づけの扱い等)は保険者(指定権者)にご確認ください (    )
同意は誰から得るか 「利用者又はその家族等の同意:あり」が登録されている ご本人の意思確認が難しい場合の取扱いは保険者(指定権者)にご確認ください (    )
同意は書面でなければならないか 加算データベースには「同意の記録」が必要書類として登録されている(様式の指定はない) 静岡市の資料は「同意の方法は問いませんが、口頭の場合には、同意を得た旨を記録等に残してください」としている。様式の要否は保険者(指定権者)にご確認ください (    )
同意はいつ取り直すか 加算データベースには取り直しの周期は登録されていない 理由が変わったとき・状況が変わったときの扱いを自事業所の手順として決め、保険者(指定権者)にご確認ください (    )
2人で訪問した事実だけで足りるか 告示には該当事由(身体的理由により1人では困難、暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為等、これらに準ずると認められる状況)が掲げられている 仙台市は「単に2人の看護師等が同時に訪問看護を行ったことのみをもって算定することはできない」と示している。記録に求められる粒度は保険者(指定権者)にご確認ください (    )
令和8年の改定で変わったか 加算データベースには「令和6年度改定後の内容。令和8年厚生労働省告示第87号でも改正はありません」と登録されている 参照する資料の版は自事業所で確認してください (    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

言い切ってしまいがちな言い方と、そのまま置き換えられる言い方(10組)

説明の場面や社内の資料では、つい結論だけを短く言ってしまいがちです。ただ、要件に当たるかどうかの判断は保険者(指定権者)の側にありますので、告示の定めを示して、確認をお願いする形に言い換えておくほうが、後から食い違いが起きにくくなります。左の列は言い切ってしまっている例、右の列はそのまま置き換えられる完成文です。

言い切ってしまっている例 そのまま置き換えられる言い方
「この方は2人訪問の対象です」 告示には該当事由として「身体的理由により1人では困難」等が掲げられています。この方については移乗時に支えが必要な場面が7月に3回ありました。取扱いを保険者(指定権者)にご確認ください。
「2人で行けば必ず上乗せになります」 告示には、同意を得ていること、該当事由に当たることが定められています。今回の訪問がこれに当てはまるかを、記録と突き合わせてご確認ください。
「補助者と行ったら(Ⅰ)でよいです」 告示上、看護師等と看護補助者が同時に訪問した場合は(Ⅱ)の側の定めに書かれており、単位数も(Ⅰ)とは別に定められています。どちらの側を見るかを同行者の職種からご確認ください。
「重要事項説明書に書いてあるので同意済みです」 堺市の資料では、加算について包括的に同意を得るのではなく個別に説明して同意を得ることが示されています(同資料が名指ししているのは別の加算です)。複数名での訪問についても、個別の説明・同意の記録を残す形をご検討ください。
「記録は『2名訪問』と書いておけば大丈夫です」 仙台市は、2人が同時に訪問した事実のみでは足りないという趣旨を示しています。2人それぞれが何をしたか、1名では難しいと考えた事実は何かを記録に残す形をご検討ください。
「30分ちょうどなら30分未満です」 告示の区分は「30分未満」「30分以上」の2つです。境目の扱いと所要時間の数え方は保険者(指定権者)にご確認ください。
「一度同意をもらえばずっと有効です」 2名で訪問する理由が変わった場合には、あらためて説明し、記録を更新する運用をご検討ください。見直しの周期は自事業所で定め、保険者(指定権者)にご確認ください。
「他社と一緒に行っても数に入ります」 加算データベースの登録内容には、自事業所以外の職員との同行についての定めがありません。取扱いを保険者(指定権者)にご確認ください。
「1人で行けた日も同じ扱いにしておきます」 その回に2名で訪問した事実と、2名を要した理由を記録で確かめたうえで、請求の内容と突き合わせてください。記録と請求が一致しない回がある場合は、保険者(指定権者)にご相談ください。
「書類は後でまとめて整えます」 説明・同意の記録は、説明したその日に日付・方法・相手・内容を残す形をご検討ください。東京都の資料でも、記録の整備が指摘の対象として挙げられています。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

月に1度、複数名で訪問した回だけを抜き出して見る(1表・12行)

請求を締める前に、その月に複数名で訪問した回だけを抜き出し、記録と突き合わせるための表です。1行が1回の訪問になるようにしてお使いください。判断を書く欄ではなく、書いてあるかどうかを埋める欄です。

訪問日 開始・終了時刻 同行した2人(職種・氏名) 同行者の組み合わせ 1名では難しいと考えた事実の記載 同意の記録の所在 請求との突合
( 月 日) ( : 〜 : ) (  /  ) (看護師等どうし/看護師等+看護補助者) (有・無) (    ) (済・未)
( 月 日) ( : 〜 : ) (  /  ) (看護師等どうし/看護師等+看護補助者) (有・無) (    ) (済・未)
( 月 日) ( : 〜 : ) (  /  ) (看護師等どうし/看護師等+看護補助者) (有・無) (    ) (済・未)
( 月 日) ( : 〜 : ) (  /  ) (看護師等どうし/看護師等+看護補助者) (有・無) (    ) (済・未)
( 月 日) ( : 〜 : ) (  /  ) (看護師等どうし/看護師等+看護補助者) (有・無) (    ) (済・未)
( 月 日) ( : 〜 : ) (  /  ) (看護師等どうし/看護師等+看護補助者) (有・無) (    ) (済・未)
( 月 日) ( : 〜 : ) (  /  ) (看護師等どうし/看護師等+看護補助者) (有・無) (    ) (済・未)
( 月 日) ( : 〜 : ) (  /  ) (看護師等どうし/看護師等+看護補助者) (有・無) (    ) (済・未)
当月の合計(30分未満・看護師等どうし) ― ― ― ― ― (  回)
当月の合計(30分以上・看護師等どうし) ― ― ― ― ― (  回)
当月の合計(30分未満・看護師等+看護補助者) ― ― ― ― ― (  回)
当月の合計(30分以上・看護師等+看護補助者) ― ― ― ― ― (  回)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

基本報酬の所要時間区分と重ねて読む|イ・ロの9区分と同行の組み合わせ(3表・25行)

ここからは追補です。ここまでの対照表は複数名訪問加算そのものの要件を扱ってきましたが、請求の場面では、この加算は単独では立たず、基本報酬の行と一緒に並びます。そして基本報酬の側にも「所要時間の区分」があり、複数名訪問加算の側にも「30分未満/30分以上」という区分があります。同じ「所要時間」という言葉が2か所に出てくるので、ここで取り違えが起きやすくなります。

当社の加算データベースでは、基本報酬(イ 指定訪問看護ステーションの場合)について、告示の文言として「現に要した時間ではなく、訪問看護計画書に位置付けられた内容の指定訪問看護を行うのに要する標準的な時間で所定単位数を算定する」を登録しています(平成12年厚生省告示第19号 別表3 訪問看護費 注1)。一方、複数名訪問加算の側の30分未満/30分以上を何で測るか(2人が同時にいた時間なのか、訪問全体の時間なのか、計画上の標準的な時間なのか)は、データベースに登録していません。下の3つの表は、この「決まっていること」と「確かめること」を分けて並べたものです。

ステーション(イ)の基本報酬5区分と、複数名訪問加算の区分を並べる

左の2列はデータベースに登録している告示の値です。右の「並べたときの単位数」は、基本報酬と複数名訪問加算の登録値を単純に足したもので、夜間・早朝・深夜の率、准看護師の場合の率、同一建物の率、処遇改善加算などはまだ反映していません。複数名訪問加算の側の区分をどちらで見るかは仮置きです。

基本報酬の区分(イ) 基本報酬の告示の値 複数名(Ⅰ)を30分未満と整理した場合 複数名(Ⅰ)を30分以上と整理した場合 複数名(Ⅱ)を30分未満と整理した場合 複数名(Ⅱ)を30分以上と整理した場合 貴事業所の当月の該当回数(記入欄)
(1) 所要時間20分未満 314単位 314+254=568単位 (計画上20分未満の訪問で、2人が30分以上同時にいたと整理する場面は想定しにくい。整理の仕方を保険者にご確認ください) 314+201=515単位 (同左) (  回)
(2) 所要時間30分未満 471単位 471+254=725単位 (計画上30分未満の訪問との組み合わせは保険者にご確認ください) 471+201=672単位 (同左) (  回)
(3) 所要時間30分以上1時間未満 823単位 823+254=1,077単位 823+402=1,225単位 823+201=1,024単位 823+317=1,140単位 (  回)
(4) 所要時間1時間以上1時間30分未満 1,128単位 1,128+254=1,382単位 1,128+402=1,530単位 1,128+201=1,329単位 1,128+317=1,445単位 (  回)
(5) 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による訪問 294単位(1回につき) 294+254=548単位 294+402=696単位 294+201=495単位 294+317=611単位 (  回)
(4)に長時間訪問看護加算が並ぶ場合 1,128単位+300単位 ― 1,128+300+402=1,830単位 ― 1,128+300+317=1,745単位 (  回)
区分を決めた根拠の記録 計画書に位置付けた標準的な時間(注1) 複数名の側の30分の測り方(記入欄) (    ) 確認した日と確認先(記入欄) (    ) (様式名:   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

長時間訪問看護加算(1回につき300単位)の行は、データベースの登録内容のうち「起点となる区分はイ(4)・ロ(4)」「特別な管理を必要とする状態(平成27年厚生労働省告示第94号第6号)」「通算した時間が1時間30分以上」の3つが並ぶ場合を示しています。複数名での訪問と長時間の訪問は別々の定めなので、片方の要件を整えたことで、もう片方の要件が整うわけではありません。

病院・診療所(ロ)の基本報酬4区分と並べる

病院・診療所の訪問看護には、基本報酬の区分に理学療法士等による訪問の区分が置かれていない、とデータベースに登録しています(ロの落とし穴メモ)。そのため、ステーションの表とは行の数が1つ少なくなります。

基本報酬の区分(ロ) 基本報酬の告示の値 複数名(Ⅰ)30分未満と整理 複数名(Ⅰ)30分以上と整理 複数名(Ⅱ)30分未満と整理 複数名(Ⅱ)30分以上と整理 貴事業所の該当回数(記入欄)
(1) 所要時間20分未満 266単位 266+254=520単位 (保険者にご確認ください) 266+201=467単位 (保険者にご確認ください) (  回)
(2) 所要時間30分未満 399単位 399+254=653単位 (保険者にご確認ください) 399+201=600単位 (保険者にご確認ください) (  回)
(3) 所要時間30分以上1時間未満 574単位 574+254=828単位 574+402=976単位 574+201=775単位 574+317=891単位 (  回)
(4) 所要時間1時間以上1時間30分未満 844単位 844+254=1,098単位 844+402=1,246単位 844+201=1,045単位 844+317=1,161単位 (  回)
理学療法士等が同行した回 ロに理学療法士等の区分はない(データベース登録) 理学療法士等は「看護師等」の注記に列挙 ロで理学療法士等が同行した回の組み立て方はデータベースに登録なし 保険者にご確認ください ― (確認日:  )
20分未満の区分を使う前提 24時間訪問看護を行うことができる体制/計画上20分以上の訪問が週1回以上 イ・ロ共通でデータベースに登録している前提 複数名での訪問を20分未満の区分と並べる月は 同じ週に20分以上の訪問が計画に入っているかも見る ― (週の回数:  )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

誰の訪問として組み立てるか|職種の組み合わせ別に、登録されていることと確かめること

2人で訪問した回は、基本報酬の行が「どちらの職種の訪問か」によって変わる可能性があります。准看護師の場合の率(イ・ロは100分の90)や、理学療法士等が1日に2回を超えた場合の率(100分の90)は、データベース上それぞれ独立した定めとして登録していますが、2人のうちどちらを基準にするかは登録していません。

同行の組み合わせ データベースに登録していること 登録していないこと(確かめること) 確認日・確認先・回答(記入欄)
看護師+看護師 複数名(Ⅰ)の側。基本報酬は看護職員の所要時間区分(イ(1)〜(4)/ロ(1)〜(4)) 特になし(区分の測り方は上の表のとおり) (    )
看護師+准看護師 複数名(Ⅰ)の側。准看護師が指定訪問看護を行った場合はイ・ロで所定単位数の100分の90 主たる訪問者を看護師とみるか准看護師とみるかで、100分の90を当てるかが変わるか (    )
准看護師+准看護師 複数名(Ⅰ)の側。准看護師の率はイ・ロで100分の90 100分の90を当てる範囲が基本報酬だけか、複数名訪問加算にも及ぶか (    )
看護師+理学療法士(ステーション) 複数名(Ⅰ)の側。基本報酬に看護職員の区分と、理学療法士等の区分(294単位)の両方がある 基本報酬の行を看護職員の区分で立てるか、理学療法士等の区分で立てるか (    )
理学療法士+作業療法士(ステーション) 複数名(Ⅰ)の側。基本報酬は理学療法士等の区分(294単位) 同行した回が「理学療法士等が1日に2回を超えた」回数の数え方に入るか (    )
理学療法士が同じ日に3回目の訪問として同行 1日に2回を超えた回は1回につき所定単位数の100分の90(イ(5)) 同行した側の回数をこの数え方に含めるか (    )
看護師+看護補助者 複数名(Ⅱ)の側。基本報酬は看護師の区分 看護補助者の範囲(留意事項通知側の記載でデータベース未照合) (    )
准看護師+看護補助者 複数名(Ⅱ)の側。准看護師の率はイ・ロで100分の90 100分の90を当てる範囲が基本報酬だけか、(Ⅱ)にも及ぶか (    )
定期巡回と連携する場合(ハ)の利用者 ハは1月につき2,961単位の月包括。複数名訪問加算の対象区分は「イ、ロ」と登録 ハの利用者に2人で伺った場合の記録の残し方 (    )
初回の訪問が退院日で、2人で伺った 初回加算(Ⅰ)は1月につき350単位で、初回の訪問を行う者の職種は「看護師」と登録 初回加算と複数名訪問加算が同じ回に並ぶときの記録の書き分け (    )
同行者の片方が同居の家族にあたる データベースに定めの登録なし。愛知県の公表資料に、看護師等が同居の家族である利用者に訪問看護を提供していた事例がある 担当割当の段階で同居関係を確認しているか (    )
同行者が当日の勤務表にいない職員 データベースに定めの登録なし。別添1は勤務実績表・資格証を確認文書に挙げている 同行者の勤務実績とサービス提供記録の時刻が一致しているか (    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

同じ回・同じ月に並ぶ加算と減算|データベース登録14件と重ねるときの確認欄(2表・20行)

複数名で伺う利用者は、体格・医療処置・行動上の理由など、もともと手厚い関わりが必要な方が多く、同じ月に他の加算や減算が重なりやすい層です。下の表は、訪問看護費についてデータベースに登録している定めのうち、複数名での訪問と同じ回、または同じ月に並びうるものを14件抜き出したものです。単位数・率はすべてデータベースの登録値です。

データベース上の名称 単位数・率(登録値) 頻度 複数名の回と並べるときに登録していないこと 貴事業所の状況(記入欄)
夜間又は早朝に指定訪問看護を行った場合の加算 1回につき所定単位数の100分の25 1回につき 「所定単位数」に複数名訪問加算の単位数を含めて率を掛けるか。夜間・早朝の時刻の区切り(告示本文になく留意事項通知側) (請求ソフトの設定:  )
深夜に指定訪問看護を行った場合の加算 1回につき所定単位数の100分の50 1回につき 上と同じく率を掛ける範囲。深夜の時刻の区切り (    )
長時間訪問看護加算 1回につき300単位 1回につき 2人のうち1人だけが長く残った回の、通算時間の数え方 (    )
緊急時訪問看護加算(Ⅰ) ステーション600単位/病院・診療所325単位 1月につき 計画外の緊急時訪問に2人で伺った回の記録の書き分け (    )
緊急時訪問看護加算(Ⅱ) ステーション574単位/病院・診療所315単位 1月につき 同上。(Ⅰ)と(Ⅱ)はいずれか一方のみと登録 (    )
特別地域訪問看護加算 イ・ロは1回につき所定単位数の100分の15 1回につき(ハは1月) 率を掛ける範囲に複数名訪問加算を含めるか (    )
初回加算(Ⅰ) 1月につき350単位 1月につき 退院日の初回訪問を2人で行った回の記録(初回の訪問を行う者の職種は看護師と登録) (    )
准看護師が指定訪問看護を行った場合の減算 イ・ロ:1回につき所定単位数の100分の90 1回につき 2人のうちどちらを基準にするか (    )
理学療法士等が1日に2回を超えて指定訪問看護を行った場合の減算 1回につき所定単位数の100分の90(イ(5)) 1回につき 同行の回を回数に数えるか (    )
特別訪問看護指示期間中の訪問看護費不算定(イ・ロ) 特別の指示の日から14日間、訪問看護費を算定しない 指示日から14日間 この期間に2人で伺った回の扱い(この期間は医療保険の訪問看護に切り替わる構造と登録。医療保険側の取扱いは本記事では扱いません) (指示日:  )
他のサービスを受けている間の訪問看護費不算定 短期入所生活介護・短期入所療養介護・特定施設入居者生活介護ほか8種を受けている間は算定しない 該当する期間 短期入所の入所日・退所日の扱い(留意事項通知および保険者の取扱いと登録) (    )
高齢者虐待防止措置未実施減算(訪問看護費) 所定単位数の100分の1を減算 該当する期間 事業所単位の定めで、回ごとの複数名の判断とは別に動く (委員会・指針・研修・担当者の4点:  )
業務継続計画未策定減算(訪問看護費) 所定単位数の100分の1を減算 該当する期間 同上。事業所単位の定め (感染症編・自然災害編:  )
介護職員等処遇改善加算(訪問看護費) イからリまでにより算定した単位数の1000分の18 1月につき 令和8年6月1日施行で新設と登録。利用者への費用の説明を複数名の説明と合わせて見直すか (説明した日:  )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この表で「率を掛ける範囲」が何度も出てくるのは、データベースに登録している告示の文言が「所定単位数の100分の◯◯」という形で、その「所定単位数」に上乗せ分を含めるかどうかまでは登録していないためです。請求ソフトの初期設定に任せたままにせず、設定画面を印刷して、確認した日と確認先を書き残しておくと、担当が替わったときに説明がつきます。

既存の表で引いていない公表事例|時間帯・長時間・間隔・重複・指示書の5観点

当社が保有する自治体の公表指摘353件から、複数名訪問加算そのものではないものの、複数名で伺う回に重なりやすい観点の事例を引きました。いずれも複数名訪問加算を名指しした記載ではありません。

観点 公表されている内容 複数名で伺う回に引き写して見るところ 示されている書類 出典(自治体・資料名)
緊急時訪問と時間帯の加算 緊急時訪問看護加算を算定しているのに、1回目の緊急時訪問に早朝・夜間・深夜の加算を算定していた。市は「1月以内で2回目以降の緊急時訪問については算定することができる」としている 夜間の緊急時訪問に2人で伺った回が、その月の何回目の緊急時訪問か 緊急時訪問看護加算の同意書、訪問看護記録書、請求明細 仙台市介護事業支援課 令和6年6月集団指導「令和6年度運営指導方針・令和5年度運営指導結果等(居宅サービス指導係所管サービス)」
計画に位置付けた時間 長時間訪問看護加算について、ケアプラン上1時間30分未満の予定だったものが、アクシデント等により1時間30分を超えた場合に算定できるものではない、としている 2人で伺った回に想定より長くかかったとき、計画上の時間と実際の時間を分けて書いているか 居宅サービス計画(第2表・第6表)、訪問看護記録書、訪問看護計画書 仙台市介護事業支援課 令和6年6月集団指導(同上)
2時間未満の間隔 予定したサービスを一切実施しなかったのに基本報酬を算定した事例に併せ、2時間未満の間隔での訪問について所要時間を合算せずそれぞれで算定していた事例が挙げられている 午前に1人、午後に2人で伺ったように、同じ日に間隔の短い訪問が並ぶ回 訪問看護記録書、訪問予定表、請求明細 仙台市介護事業支援課 令和6年6月集団指導(同上)
1人1事業所の加算の重複 縦覧点検で、1人1事業所のみ算定可能な加算(緊急時訪問看護加算・特別管理加算・ターミナルケア加算)が複数事業所から請求されていると抽出される 2か所の訪問看護事業所が関わる利用者で、どちらの事業所の職員が同行しているか 介護給付費明細書、他事業所への確認記録、給付管理票 青森県 介護保険関連システム活用マニュアル 第Ⅳ章 縦覧点検
指示書の有効期間 訪問看護指示書が確認できない・受領が遅い、有効期限が切れている、計画書に具体的なサービスの内容・主治医の指示等を記載していない 2人で伺う理由となる処置(体位保持を伴う処置など)が、指示書の内容と一致しているか 訪問看護指示書、訪問看護計画書、訪問看護報告書 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月)
文書による指示 サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた、訪問内容が指示書と相違している 2人で伺うようになった時期と、指示書の交付日の前後関係 訪問看護指示書、訪問看護記録書 東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

居宅サービス計画の側にどう載るか|記載要領の欄ごとの悪い例・良い例(2表・25行)

仙台市の公表事例では、複数名での訪問について示されている書類に居宅サービス計画が含まれていました。訪問看護事業所が居宅サービス計画を書くわけではありませんが、介護支援専門員に何を伝えれば計画のどの欄に載るのかを知っておくと、照会や担当者会議でのやり取りが短くなります。

下の表の「記載要領の定め」は、「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日老企第29号)別紙1「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領」(令和3年3月改正版)の該当欄から要点を引いたものです。良い例の氏名・日付・数値は記入例です。

表・欄 記載要領の定め(要点) 書き足りない例 そのまま渡せる良い例
第2表 ①生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 自立を阻害する要因等であって、個々の解決すべき課題を明らかにし、優先度合いが高いものから順に記載 介助が大変なので2人体制が必要。 お尻の傷の手当てを続けたいが、自分で横向きの姿勢を保てないため、1人の支えでは手当ての間に姿勢が崩れてしまう。
第2表 ②目標(短期目標) 抽象的な言葉ではなく誰にもわかりやすい具体的な内容で、実際に解決が可能と見込まれるもの 安全に処置を受ける。 令和8年12月末までに、仙骨部の傷の大きさを9月時点(縦3cm・横2cm)より小さくする。
第2表 ④サービス内容 短期目標の達成に必要であって最適なサービスの内容とその方針を適切・簡潔に記載 訪問看護(2名)。 看護師2名が同時に訪問し、1名が右向きの姿勢を支え、もう1名が傷の洗浄と被覆材の交換を行う。姿勢を支えた時間と傷の大きさを毎回記録する。
第2表 ⑥サービス種別 具体的なサービス種別と事業所名を記載。家族が担う部分も誰が行うのかを明記 訪問看護。 訪問看護(〇〇訪問看護ステーション)。訪問のない日の体位の変換は長女B様(日中)。
第2表 ⑦頻度・期間 頻度は一定期間内での回数・実施曜日等。期間の設定は認定の有効期間も考慮 随時。 週2回(月・木)、令和8年10月1日〜令和9年3月31日。
第4表 ⑨会議出席者 出席者の所属(職種)と氏名。出席できない担当者は所属・氏名と出席できない理由 訪看出席。 〇〇訪問看護ステーション 看護師A(担当)・看護師B(同行予定者)。
第4表 ⑪検討内容 サービス内容だけでなく、提供方法、留意点、頻度、時間数、担当者等を具体的に記載 2人訪問について検討。 訪問看護を看護師2名の同時訪問とする案を検討。理由は、9月の訪問8回中5回で姿勢の保持中に左側へ崩れ、処置を中断したため。役割は看護師Bが姿勢の保持、看護師Aが処置。時間は1回40分程度。
第4表 ⑫結論 当該会議における結論を記載 了承。 10月の訪問から看護師2名の同時訪問とする。ご本人・長女B様は説明を受け、同意の記録は訪問看護ステーションが保管する。
第4表 ⑬残された課題(次回の開催時期等) 必要と考えられるが利用しなかったサービスや、次回の開催時期、開催方針等 特になし。 傷の大きさが縮小し、姿勢の保持が1名で行えるようになった時点で、1名の訪問に戻すことを再検討する。次回は令和9年1月を目安に開催。
第5表 居宅介護支援経過 日時、対応者、利用者や家族の発言内容、事業者との調整内容、軽微な変更の場合の根拠や判断を記載 訪看より連絡あり。了解。 令和8年9月26日(金)14:10 電話(受信)〇〇訪問看護ステーション看護師Aより、姿勢の保持中の崩れが9月に5回あり、2名での訪問を提案したいとの連絡。9月30日にサービス担当者会議を開催することで調整した。記載者:介護支援専門員C
第6表 ⑳提供時間帯 サービス提供開始から終了までの予定時刻を24時間制で記載 午前。 10:00〜10:40
第6表 ㉑サービス内容 適用するサービスコードに対応するサービスの名称(サービスコード表の省略名称) 訪看2人。 (サービスコード表の省略名称を、基本報酬の行と複数名訪問加算の行に分けて記載。名称はサービスコード表でご確認ください)
第6表 ㉓予定 該当するサービスの提供回数(通常は「1」) (複数名の行に予定が入っていない) 基本報酬の行と同じ日に、複数名訪問加算の行にも「1」を入れる。
第6表 ㉔実績 サービスを提供した事業所が実績を記載 (2人で伺えず1人だった日も複数名の行に実績を入れている) 当日1名で訪問した日は、複数名の行の実績を入れず、訪問看護記録にその理由を残す。
第7表 ⑤単位数・⑧回数 単位数はサービスコード表で確認、回数は第6表の予定の合計を転記 基本報酬の回数だけを転記。 複数名訪問加算の行の単位数(例:(Ⅰ)30分以上なら402単位)と、第6表の予定の合計回数を転記。
第7表 ⑨サービス単位/金額 区分支給限度管理対象外のサービス(特別地域加算等)は合計に含めないため識別できるよう記載 (管理の対象か確かめずに合計) 複数名訪問加算が区分支給限度管理の対象かどうかは、当社のデータベースに登録していません。サービスコード表と保険者の取扱いを確かめた日を支援経過に記録する。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

「軽微な変更」の例示と、複数名での訪問に切り替える場面を並べる

1名の訪問を2名の訪問に切り替えるとき、介護支援専門員の側では、居宅サービス計画を変更する一連の業務を行うのか、「軽微な変更」として扱うのかの判断が生じます。厚生労働省の事務連絡「「介護保険制度に係る書類・事務手続の見直し」に関するご意見への対応について」(平成22年7月30日)の別添(令和6年版)は、軽微な変更に「該当する場合があるものと考えられる」例示を挙げたうえで、いずれも「あくまで例示」であり、一連の業務を行う必要性の高い変更かどうかで判断すべきとしています。下の表は、その例示の見出しを左に置き、複数名での訪問に切り替える場面を右に並べたものです。どちらに当たるかを決めるのは訪問看護事業所ではありません。

別添に例示されている項目 別添の書きぶり(要点) 複数名での訪問で近い場面 介護支援専門員に伝える材料(記入欄)
サービス提供の曜日変更 体調不良や家族の都合などの臨時的・一時的なもので、単なる曜日・日付の変更 2人の勤務が合わず、2名で伺う曜日を月曜から火曜に移す (変更前後の曜日・理由:  )
サービス提供の回数変更 同一事業所における週1回程度のサービス利用回数の増減 週2回のうち1回だけを2名で伺う形にする (どの回を2名にするか:  )
目標期間の延長 目標設定(課題や期間)を変更する必要が無く、単に目標設定期間を延長する場合 2名で伺う理由も目標も変わらず、期間だけが切れる (理由が続いている根拠:  )
目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合 第1表の総合的な援助の方針や第2表の課題・目標・サービス種別等が変わらない範囲で、サービス内容が変わるだけ 1名の訪問を2名の同時訪問に変える(課題・目標は同じ) (課題・目標が同じであることの説明:  )
担当介護支援専門員の変更 新しい担当者が利用者はじめ各サービス担当者と面識を有していること 介護支援専門員が替わった月に2名で伺う理由を引き継ぐ (引き継ぎに渡す記録:  )
目標もサービスも変わらない単なる事業所変更 利用者の状況以外の原因による単なる事業所変更 訪問看護事業所が替わり、新しい事業所も2名で伺う (前の事業所から受け取った記録:  )
サービス利用回数の増減によるサービス担当者会議の必要性 軽微な変更に該当する場合もあり、会議は「必ずしも実施しなければならないものではない」が、周知したほうが良い場合に開催を制限するものではない 2名で伺う理由を他のサービス事業所(訪問介護等)にも共有したい (共有したい事業所:  )
「利用者の状態に大きな変化が見られない」の取扱い モニタリングを踏まえた担当者間の合意が前提。ADL(寝返り・起き上がり・座位保持・立位保持・移乗等)、行動・心理症状(攻撃的行動・不穏等)などを総合的に勘案 移乗や攻撃的な行動の変化がきっかけで2名に切り替える (変化した項目と数値:  )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

最後の行は見落とされがちです。別添は「利用者の状態に大きな変化が見られない」かどうかを、ADLや行動・心理症状などの項目で総合的に見るとしています。2名に切り替えるきっかけ自体が「移乗ができなくなった」「攻撃的な行動が出てきた」といった状態の変化であることが多いので、訪問看護の側からは、変化した項目と、いつ・何回・どの程度かという数値を添えて伝えると、介護支援専門員が判断しやすくなります。

月の途中で状況が動いたとき|出来事16パターンの同意・計画・記録・請求の直し方(2表・30行)

複数名での訪問は、一度始めると同じ形が続くとは限りません。同行者の職種が替わる、入院で中断する、特別な指示が出る、短期入所を挟む——こうした出来事が月の途中で起きると、同意・計画書・記録・請求のどれを直すのかがばらばらになりがちです。下の表は、出来事ごとに「動くもの」を横に並べたものです。告示やデータベースの登録から言えることは左寄りの列に、自事業所で決める手順は記入欄にしています。

月の途中の出来事 データベースの登録から動くこと 同意の説明を見直すか(自事業所の手順・記入欄) 計画書・居宅サービス計画 請求の行
同行者が看護師から看護補助者に替わった (Ⅰ)の側から(Ⅱ)の側へ。単位数も(Ⅰ)254/402から(Ⅱ)201/317へ (同行者と費用の説明を:見直す・見直さない) サービスの具体的内容の担当者欄 替わった日以降の行を(Ⅱ)へ
看護補助者が退職し、看護師2名に戻した (Ⅱ)の側から(Ⅰ)の側へ (    ) 同上 戻した日以降の行を(Ⅰ)へ
同行者が理学療法士に替わった 理学療法士は「看護師等」の注記に列挙。(Ⅰ)の側 (    ) 役割分担(歩行練習等)の記載 基本報酬の行の立て方を確認(上の職種別の表)
3人目が加わった回があった 人数の上限は登録していない (    ) 3人目の役割 取扱いを保険者に確認
入院で訪問が中断した 登録の定めはない (再開時に説明し直すか:  ) 再開時に計画書を見直すか 中断中の予定行を実績から外す
退院当日に2人で伺った 初回加算(Ⅰ)は退院・退所の当日に看護師が初回訪問、計画書の新規作成 (    ) 新規の計画書に2名の理由 初回加算と複数名訪問加算の行
主治医から特別訪問看護指示が出た 指示の日から14日間、訪問看護費を算定しない(イ・ロ) (    ) 指示期間を計画書・記録に明記 14日間の介護保険の行を立てない(医療保険側は本記事では扱いません)
短期入所を利用した 短期入所生活介護・短期入所療養介護を受けている間は訪問看護費を算定しない (    ) 第6表の予定の調整 入所日・退所日の扱いを保険者に確認
体重が減り、1名で支えられるようになった 該当事由(身体的理由により1人では困難)の前提が変わる (終了の説明をした日:  ) 2名の記載を外す 1名に戻した日以降は行を立てない
攻撃的な行動が収まった 該当事由(暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為等)の前提が変わる (    ) 同上 同上
同意した家族(キーパーソン)が替わった 同意の主体は「利用者又はその家族等」と登録 (新しいキーパーソンへの説明:  ) 連絡先欄 変わらない
訪問の時間帯が夜間に移った 夜間・早朝は所定単位数の100分の25(1回につき) (費用の説明を:見直す・見直さない) 訪問の日時の欄 時間帯の加算の行と、率を掛ける範囲
訪問の標準的な時間が延びた 基本報酬の区分は計画書に位置付けた標準的な時間で見る(注1) (    ) 計画書の時間の記載を先に直す 基本報酬と複数名の区分を見直す
当日、同行者が急に休み1名で伺った 「同時に」訪問していることが要件(落とし穴メモ) 不要(記録に理由を残す) 変えない その回の複数名の行を立てない
主治医の指示書が更新され処置が変わった ステーションは主治医が交付した文書による指示(注1) (処置の変更に伴い2名の理由が変わるか:  ) 処置内容と役割分担 変わらない(理由の記載を直す)
要介護から要支援に変わった 介護予防訪問看護の定めは当社のデータベースに登録していない (    ) 介護予防の計画書に切り替え 取扱いを保険者に確認

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

月の途中の出来事を記録に残す|書き足りない例と、そのまま貼れる完成文(14組)

記録書Ⅱの経過欄や、事業所内の申し送りにそのまま貼れる形にしています。時刻・氏名・数値は記入例ですので、実際の出来事に置き換えてお使いください。

出来事 書き足りない例 そのまま貼れる完成文
同行者が看護補助者に替わった 今月から補助者と訪問。 令和8年10月14日の訪問から、同行者を看護師Bから当事業所の看護補助者Cに替えた。理由は看護師Bの勤務日の変更。看護補助者Cの役割は移乗時の支えと物品の受け渡しで、処置は看護師Aが行う。10月11日にご本人へ、同行者が替わることと費用の扱いが変わることを説明し、「Cさんなら安心」との返答を得ている。
看護師2名に戻した 補助者退職のため看護師2名へ。 看護補助者Cの退職(10月31日付)に伴い、11月4日の訪問から看護師A・看護師Dの2名で同時に訪問する形に戻した。2名で伺う理由(移乗時に1名では支えきれないこと)に変わりはない。11月1日に長女B様へ電話で同行者と費用の扱いの変更を説明し、了承を得た。
3人目が加わった 3人で訪問。 令和8年10月20日 13:30〜14:10、看護師A・看護師Bに加え、新任研修中の看護師Eが同行した。看護師Eは観察のみで、支えや処置は行っていない。この回の取扱いは10月21日に〇〇市介護保険課へ照会し、回答を得た内容を別紙に記録した。
入院で中断した 入院。訪問中止。 令和8年10月8日 夜間に発熱し、同日〇〇病院へ入院したと長女B様より10月9日 9:05に電話あり。10月9日以降の訪問(2名での訪問を含む)はすべて中止とし、担当介護支援専門員Cへ同日9:20に連絡した。退院の見込みが分かり次第、再開時の体制を相談する。
退院後に再開した 退院。再開。 令和8年10月22日 退院。10月23日 10:00〜10:45、看護師A・看護師Bの2名で訪問を再開。入院前と比べ、立位を保てる時間が10秒から3秒程度に短くなっており、移乗時の支えに2名を要する状況は続いている。再開にあたり、10月23日にご本人・長女B様へ2名で伺うことをあらためて説明し、了承を得た。
特別訪問看護指示が出た 特別指示あり。 令和8年11月2日、主治医〇〇医師より特別訪問看護指示書の交付を受けた(指示の日:11月2日)。この日から14日間は介護保険の訪問看護費の請求を立てないことを事務担当Fと確認した。指示期間中の訪問の体制と記録の扱いは、別途確認した内容に沿って記録する。
短期入所を利用した ショートのため休み。 令和8年11月10日〜11月14日、〇〇短期入所生活介護を利用。この期間の訪問(11月11日・11月14日の2名での訪問)は予定から外した。入所日・退所日の扱いは担当介護支援専門員Cと第6表で確認した。
1名で支えられるようになった 状態改善。 10月の訪問8回のうち7回で、ご本人が手すりを持って立位を30秒以上保ち、看護師1名の見守りで移乗できた。11月5日のカンファレンスで、11月12日の訪問から看護師1名での訪問に戻すことを決め、11月7日にご本人へ説明し了承を得た。
攻撃的な行動が収まった 落ち着いている。 9月から10月の訪問16回で、物を投げる・手を振り払う行動は0回。9月以前は月2〜3回あった。主治医による内服の調整(9月上旬)以降の変化と考えられる。11月のカンファレンスで、2名での訪問を続けるかを検討する。
キーパーソンが替わった 家族変更。 令和8年11月1日より、長女B様の転居に伴い、主な連絡先が長男D様に替わった。11月3日 15:00 長男D様へ電話で、2名での訪問を続けていることとその理由、費用の扱いを説明し、「引き続きお願いします」との返答を得た。説明・同意の記録の連絡先欄を更新した。
訪問の時間帯が移った 時間変更。 長男D様の在宅時間に合わせ、11月17日の訪問から時刻を10:00から18:30に移した。夜間の時間帯に入るため、費用の扱いが変わることを11月14日に長男D様へ説明し、了承を得た。時刻の区切りの扱いは事務担当Fが保険者の資料で確認した。
標準的な時間が延びた 時間延長。 傷の範囲が広がり、洗浄と被覆材の交換に要する時間が増えたため、令和8年11月20日付で訪問看護計画書の標準的な時間を40分から60分に改めた。2名で伺う理由(右向きの姿勢の保持)は変わらない。計画書の変更をご本人へ説明し、同意を得た。
当日1名で伺った 1名訪問。 令和8年11月24日、同行予定の看護師Bが体調不良で休んだため、看護師A1名で訪問した。移乗は行わず、ベッド上での観察と清拭のみとした。この回は2名での訪問ではないため、事務担当Fへその旨を伝えた。次回の11月27日は2名で伺う。
指示書が更新され処置が変わった 指示書更新。 令和8年12月1日交付の訪問看護指示書で、処置が「被覆材の交換(週2回)」から「洗浄と軟膏の塗布(週2回)」に変わった。軟膏の塗布でも右向きの姿勢を10分程度保つ必要があり、2名で伺う理由は続いている。計画書の処置と役割分担の欄を12月1日付で改めた。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

1人では困難な事情の裏付け|事由別の根拠資料と別添1の残りの確認項目(3表・30行)

仙台市が示したのは、複数名で伺う「事情」が明確であることでした。記録に事情を書くときに、その事情を裏付ける資料が別にそろっていると、読み手が事情を確かめられます。ここでは、該当事由の3区分ごとに、事業所の中にふだんからある資料のどれが裏付けになりうるかを整理しました。どの資料で足りるかを決めるのは保険者(指定権者)です。

該当事由の区分 裏付けになりうる資料 資料に残しておくこと 貴事業所での所在(記入欄)
身体的理由により1人では困難 身長・体重の測定記録 測定日と数値。体重の増減が2名の理由に関わる場合は月ごとの推移 (    )
身体的理由により1人では困難 移乗・立位・寝返りの評価記録 立位を保てる秒数、介助の方法、膝折れなどの回数 (    )
身体的理由により1人では困難 ヒヤリハットの記録 1名で対応した回に起きたこと(日時・場面・結果) (    )
身体的理由により1人では困難 訪問看護指示書 体位の保持を伴う処置などの指示内容と交付日 (    )
身体的理由により1人では困難 福祉用具・住環境の記録 ベッドの高さ、手すりの位置、階段の幅など、1名での支えを難しくしている環境 (    )
暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為等 訪問ごとの経過記録 いつ・どの行為が・何回あり、どう対応したか(評価の言葉ではなく事実) (    )
暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為等 職員からの相談の記録 相談を受けた日、相談担当者、事業所としての対応 (    )
暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為等 家族・介護支援専門員との話し合いの記録 話し合った日、出席者、決めた対応(2名で伺う・時間帯を変える等) (    )
これらに準ずると認められる状況 保険者への照会記録 照会した日、照会先、状況の説明、回答 (    )
これらに準ずると認められる状況 カンファレンスの記録 イ・ロのどちらにも当てはめなかった理由と、準ずると考えた状況 (    )
共通 同意の記録 説明の日・方法・相手・内容(既存の表を参照) (    )
共通 勤務実績表・タイムカード 同行した2人の、その日その時刻の勤務 (    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

別添1(訪問看護)のうち、既存の表で扱っていない確認項目との対応

前の節の別添1の表では、説明と同意・計画書・記録・勤務体制など10項目を扱いました。ここでは、同じ別添1(訪問看護・コード103)に載っている残りの確認項目のうち、複数名での訪問と関わりうるものを並べます。確認内容・確認文書は別添1の記載そのままです。

確認項目(該当条項) 別添1の確認内容 別添1の確認文書 複数名での訪問に引き寄せて見るところ 貴事業所の状況(記入欄)
受給資格等の確認(第11条) 被保険者資格、要介護認定の有無、要介護認定の有効期限を確認しているか 介護保険番号、有効期限等を確認している記録等 2名で伺う期間の設定が、認定の有効期間と食い違っていないか (    )
管理者(第61条) 管理者は常勤専従か、他の職務を兼務している場合、兼務体制は適切か 管理者の雇用形態が分かる文書、管理者の勤務実績表/タイムカード 管理者が同行者として訪問に出る日の、兼務の記録 (    )
緊急時等の対応(第72条) 緊急時対応マニュアル等が整備されているか/緊急事態が発生した場合、速やかに主治の医師に連絡しているか 緊急時対応マニュアル、サービス提供記録 2名で伺う利用者の急変時に、どちらが主治医へ連絡するかの取り決め (    )
運営規程(第73条) 指定訪問看護の内容及び利用料その他の費用の額など8項目を定めているか 運営規程 利用料の定めと、複数名で伺う回の説明書の記載が一致しているか (    )
勤務体制の確保等(第30条) 性的言動、優越的な関係を背景とした言動による就業環境が害されることの防止に向けた方針の明確化等の措置を講じているか 方針、相談記録 訪問先での言動を理由に2名で伺う場合、職員の相談がどこに記録されているか (    )
業務継続計画の策定等(第30条の2) 業務継続計画の策定、周知、研修及び訓練、見直し 業務継続計画、研修及び訓練計画、実施記録 2名を要する利用者を、人員が減った場面でどう扱うかが計画に書かれているか (    )
衛生管理等(第31条) 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策、委員会を6か月に1回開催、従業者の感染罹患状況や健康状態の確認 委員会名簿・記録、指針、研修・訓練の記録 2人が同じ居室に入る回の、職員の健康状態の確認記録 (    )
広告(第34条) 広告は虚偽又は誇大となっていないか パンフレット/チラシ 「2人で伺います」などの表記が、要件や同意の手順と食い違っていないか (    )
苦情処理(第36条) 苦情受付の窓口、受付・内容の記録と保管、質向上の取組 苦情の受付簿、苦情者への対応記録、苦情対応マニュアル 2名で伺うことや費用への申し出を、苦情受付簿に残しているか (    )
虐待の防止(第37条の2) 委員会の定期開催と周知、指針の整備、研修の実施、担当者の設置 委員会の開催記録、指針、研修計画・実施記録、担当者を設置したことが分かる文書 2名で体を支える場面が、身体の動きを制限する対応になっていないかを委員会で振り返った記録 (    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

職員が訪問先で受ける言動に関わる公表事例として、宇都宮市は「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」で、ハラスメント防止の措置のうち相談に対応する担当者をあらかじめ定めていなかった事例を示しています。広島市も「令和7年度運営指導の指摘事項等について」で、方針の明確化等の措置を講じていなかった事例を例示しています。いずれも複数名訪問加算を名指しした記載ではなく、利用者・家族からの言動を含めるかの扱いは保険者によって異なりますが、暴力行為等を理由に2名で伺う事業所では、職員の相談を受ける仕組みの記録と、訪問の記録が同じ出来事を指していると、後から追いやすくなります。

暴力行為・迷惑行為等を理由に2名で伺う回の記録|書き足りない例と完成文(8組)

このタイプの記録は、評価の言葉(「暴言あり」「迷惑行為あり」)だけで終わりやすく、何が起きたのかが後から分かりません。事実・回数・対応・次の手立ての4つを入れる形にしています。記載例の時刻・氏名・状況は記入例です。

場面 書き足りない例 そのまま貼れる完成文
体に触れようとする言動があった セクハラあり。2名で対応。 11:00〜11:30、看護師A・看護師Bの2名で同時に訪問。清拭の際、ご本人が看護師Aの腕をつかもうとする動作が2回あった。看護師Bがご本人の正面で声かけを続け、看護師Aは背部から清拭を行う位置に替えた。以後の動作はなかった。事業所の相談担当者Gへ同日報告済み。
家族から大きな声で責められた 家族が怒っていた。 14:00〜14:35、看護師A・看護師Bの2名で同時に訪問。入室直後、同居の長男D様が前回の訪問時刻について大きな声で約5分間話し続けた。看護師Bが玄関側で長男D様の話を伺い、看護師Aは居室で処置を行った。処置は予定どおり終了。前回の訪問時刻の変更連絡の経緯を、翌日管理者から長男D様へ電話で説明する予定。
物を投げる行動があった 興奮し物を投げた。 10:10〜10:40、看護師A・看護師Bの2名で同時に訪問。血圧測定のため腕に触れた際、ご本人がテレビのリモコンを床へ投げた(1回)。職員・ご本人ともにけがはない。看護師Bが距離を取って声かけを続け、10分後にご本人の同意を得て再度測定した。今月の同様の行動は3回目。
刃物が手の届く場所にあった 危険物あり。 15:00〜15:30、看護師A・看護師Bの2名で同時に訪問。枕元に果物ナイフが置かれていた。ご本人に了承を得て、看護師Bが台所の引き出しへ移した。ご本人は「リンゴをむくため」と話していた。ご本人の了承なく物を移さないことを確認したうえで、長女B様へ置き場所の相談をすることとした。
興奮のため処置を中断した 拒否強く中止。 09:30〜09:55、看護師A・看護師Bの2名で同時に訪問。カテーテルの固定部の交換を始めたところ、ご本人が手を振り払い、大きな声を出したため、09:40に処置を中断した。看護師Bが声かけを続け、5分後に落ち着いたが、ご本人が「今日はやめて」と話したため、本日の交換は見送り、固定部の観察のみ行った。主治医へ同日電話で報告し、翌日の再訪問の指示を受けた。
訪問前から大きな声が続いていた 不穏。 13:05〜13:35、看護師A・看護師Bの2名で同時に訪問。玄関の外まで大きな声が聞こえており、長女B様によると昼食後から約1時間続いているとのこと。看護師Bが先に入室して声かけを行い、落ち着いたことを確認してから看護師Aが入室し、体温・血圧の測定と内服の確認を行った。
行動が1回もなかった回 本日は問題なし。 10:00〜10:30、看護師A・看護師Bの2名で同時に訪問。本日は手を振り払う・大きな声を出すといった行動はなかった(今月の訪問6回中、行動があったのは2回)。2名で伺う理由は、残り4回の状況を含めて月末のカンファレンスで見直す。
職員が相談を申し出た 職員より相談あり。 令和8年11月6日、看護師Aより、訪問時に腕をつかまれる動作が続いていることについて相談を受けた(相談担当者G)。看護師Aの担当は継続を希望。当面、2名で伺う形を続け、11月のカンファレンスで役割の位置(処置を行う者が背部側に立つ)を統一することとした。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

ここまでの追補で扱った表は、いずれも要件に当たるかどうかを決めるためのものではなく、決めるための材料が記録と書類にそろっているかを確かめるためのものです。複数名での訪問の取扱いや、基本報酬・他の加算と並べるときの計算の範囲は、保険者(指定権者)によって案内が異なることがあります。記入欄を埋めたうえで、所在地の保険者にご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

よくある質問

複数名訪問加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は、どこが違うのですか。

加算データベースに登録している要件を項目ごとに並べると、違うのは同時に訪問する者と単位数の2つです。(Ⅰ)は「複数の看護師等」、(Ⅱ)は「看護師等+看護補助者」と登録されています。単位数は(Ⅰ)が所要時間30分未満254単位・30分以上402単位、(Ⅱ)が30分未満201単位・30分以上317単位(いずれも1回につき)です。同意・該当事由・所要時間区分の書きぶりは同じです。

「看護師等」には、どの職種が含まれると告示に書かれていますか。

(Ⅰ)の要件の注記として、保健師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が登録されています。根拠は平成12年厚生省告示第19号 別表3 訪問看護費 注6です。実際の運用で迷う組み合わせについては、保険者(指定権者)にご確認ください。

看護補助者の資格や範囲は、どこを見ればよいですか。

加算データベースの確度メモには、(Ⅱ)について「告示本文を直接確認。看護補助者の範囲は留意事項通知側の記載であり本調査では未照合」と残しています。つまり告示本文だけでは範囲が決まらないということです。留意事項通知および保険者(指定権者)の取扱いをご確認ください。

同意は、書面でなければならないのですか。

加算データベースには必要書類として「同意の記録」が登録されており、様式の指定はありません。静岡市は、理学療法士等による訪問についての説明・同意に関して「同意の方法は問いませんが、口頭の場合には、同意を得た旨を記録等に残してください」と示しています。これは複数名訪問加算を名指しした記載ではありませんが、記録を残す形の参考になります。様式の要否は保険者(指定権者)にご確認ください。

記録に「2名で訪問した」と書いてあれば足りますか。

仙台市は、令和5年度の運営指導の指摘として「複数名訪問看護加算の算定に必要な『事情』が明確にされていない」を公表し、「単に2人の看護師等が同時に訪問看護を行ったことのみをもって算定することはできない」と示しています。示されている書類は訪問看護計画書・訪問看護記録書・居宅サービス計画です。この記事では、2人それぞれが何をしたか、1名では難しいと考えた事実は何かを書き分ける完成文を24例掲げていますので、記録の形の参考にしてください。

3人以上で訪問した場合は、どう扱われますか。

加算データベースに登録している告示の要件は「複数の看護師等」「看護師等+看護補助者」の2通りで、人数の上限は登録していません。3人以上の場合の取扱いは、保険者(指定権者)にご確認ください。

令和8年6月の改定で、複数名訪問加算は変わりましたか。

加算データベースには(Ⅰ)(Ⅱ)のいずれにも「令和6年度改定後の内容。令和8年厚生労働省告示第87号でも改正はありません」と登録しています。参照する資料の版については、自事業所でもご確認ください。

体制の届出のような手続きは、どこで確かめればよいですか。

手続きの要否や様式は保険者(指定権者)により異なりますので、所在地の保険者が公表している資料をご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。当社は要件の対照表と記録の様式づくりまでをご支援しています。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

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介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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