公開:2026年11月7日/出典:中医協 総-1「個別改定項目について」・令和8年度診療報酬改定説明資料(入院(共通事項))
要点(3行)
- 令和8年度診療報酬改定で、医師事務作業補助体制加算の人員配置基準が柔軟になりました。生成AIを使った文書作成補助システム等を組織的に導入し日常的に使う場合、医師事務作業補助者1人を1.2人(条件により1.3人)として配置人数に数えられます。
- 医師事務作業補助者が行える業務の範囲が、診療情報提供書・返信・診療サマリーの作成補助や、検査オーダー・クリニカルパスへの代行入力などまで書き出されました。
- 看護要員の配置数を出す「様式9」は、病棟の勤務時間に算入できる内容と小数点以下の処理方法が見直されました。署名・記名押印の見直しや届出・報告事項の簡素化も示されています。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| どこで決まったか | 令和8年2月13日、中央社会保険医療協議会が厚生労働大臣に答申。個別改定項目「Ⅰ-2-2 業務の効率化に資する ICT、AI、IoT 等の利活用の推進」の②③④ |
| 医師事務作業補助体制加算 | ICT機器等の活用による医師事務に係る業務効率化・負担軽減等の業務改善推進の観点から、人員配置基準を柔軟化する。あわせて医師事務作業補助者が実施可能な業務範囲を明確化する |
| 事務等の簡素化 | 診療に係る様式の簡素化や署名・記名押印の見直し、施設基準等に係る届出や報告事項を見直す |
| 様式9 | 入院患者の看護に影響のない範囲で、病棟における勤務時間に算入できる内容を見直す |
医師事務作業補助者の「数え方」
| 条件 | 配置人数への算入 |
|---|---|
| ア(①のみ)+イ~エの全て | 1人を1.2人として算入 |
| ア(①は必須+②③④のうち少なくとも1種類以上を広く活用)+イ~エの全て | 1人を1.3人として算入 |
- ア:医師の事務作業について、①を含むものを組織的に導入し、医師・医師事務作業補助者が日常的に使って業務効率化が図られていること。①生成AIを活用した医療文書等の文書作成補助システム、②医療文書用の音声入力システム(汎用音声入力機能を除く)、③定型的な入力作業等を自動化するRPA、④入退院時の説明や検査・処置等に関する10種類以上の患者向け説明動画。
- イ:電子カルテ等と連動するものは「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等に準拠。
- ウ:AI技術を用いる製品・サービスは「AI事業者ガイドライン」を遵守。
- エ:全ての医師事務作業補助者に操作方法と生成AIの適切な利用に関する研修を行い、常時その機器で業務を行える体制を整える。
- この数え方で新たに届け出るときは、直近3月以上、この数え方を使わずに同じ配置区分以上を算定していること。届け出た後は、事務作業時間・負担感等を年1回程度評価・確認すること。
業務範囲の明確化(今まで/これから)
| 今まで | これから |
|---|---|
| 診断書等の文書作成補助、診療記録への代行入力、医療の質の向上に資する事務作業、病棟における患者対応業務、行政上の業務 | 診断書・診療情報提供書・返信・診療サマリー・診療計画書等の文書作成補助、診療記録・検査オーダー・食事オーダー・クリニカルパス・地域連携パスへの代行入力、患者・家族への説明文書の準備・作成、診療録・画像検査結果等の整理 などを書き出し |
様式9と事務の簡素化
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 病棟内に算入してよいもの | 院内の緊急対応等の不測の事象で、病棟の看護要員がその病棟に入院中の患者以外の患者に、日常の診療の延長として必要な対応を短時間行った場合/病棟の患者に付き添い、病棟外で一時的に看護を行った場合 |
| 別紙5(一部) | 院内で行う研修(病棟内で受けるオンライン研修・病棟外の集合研修を含む)に、職員1名につき月1時間まで/患者の状態変化に短時間(30分程度)対応した時間 |
| 小数点以下 | 1日平均入院患者数などの「小数点以下切り上げ」を「小数第1位を切り上げ(例:12.34→12.4)」に整理し、可能な限り統一 |
| 署名・記名押印 | 院内で使う・院内で直接手渡すもの(入院診療計画書、リハビリテーション実施計画書、生活習慣病 療養計画書 等)は署名又は記名・押印を廃止(記名のみ)。他機関に交付する書類も、2回目以降などは省略可 |
| 届出・報告 | 施設基準等届出のオンライン化を進め、届出様式の削減や届出項目の最小化を図る。毎年求める報告様式は、代替方法がないものや次期改定に必要なものに限る |
| 常勤の時間数 | 入院基本料等の施設基準の常勤の医師の所定労働時間を、週32時間以上から週31時間以上に見直す |
一次資料:中医協 総-1 個別改定項目について(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定 説明資料 入院(共通事項)(PDF)/令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省)
病院・クリニックで確かめること
- 1.2人・1.3人の数え方を使うかどうかは、導入している文書作成補助システム等が①~④のどれに当たるか、ガイドラインへの準拠と研修の実施が整っているかで変わります。告示・通知の定めと貴院の導入状況を見比べてご確認ください。
- 新たにこの数え方で届け出る前に、直近3月以上の配置区分の実績が要ります。届出の時期は、地方厚生局の案内でご確認ください。
- 様式9は、研修や短時間の対応を病棟の勤務時間に入れる扱いと、小数点以下の処理が変わっています。届出の計算を新しい様式でやり直す場合は、通知の記載要領をご確認ください。
- 署名・記名押印が要らなくなった書類は、院内の様式から署名欄を外すかどうかを、各様式の通知の扱いと照らしてご確認ください。
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更新履歴:初版。届出の様式や疑義解釈が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






