訪問介護の実施記録(サービス提供記録)は、提供したサービスの事実を残す毎日の記録です。「何を書けばいいか迷う」「訪問のたびに書くのが大変」という声も多い書類です。この記事では、実施記録に書くべき項目と書き方を整理し、そのまま使える例文を身体介護・生活援助などの場面別に用意しました。さらに、話すだけで記録を作りカイポケへ自動転記する方法も紹介します。
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訪問介護の実施記録(サービス提供記録)とは
訪問介護の実施記録(サービス提供記録)とは、訪問のたびに、実際に提供したサービスの内容と利用者の様子を残す記録です。指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(厚生省令)では、提供した具体的なサービスの内容等を記録し、利用者から申出があった場合には文書を交付することが定められています。
「実施記録」「サービス提供記録」「訪問介護記録」は、現場ではほぼ同じものを指します。様式の名称が事業所や自治体によって違うだけで、書く中身は変わりません。
| 訪問介護の実施記録 | 訪問介護計画書 | モニタリング記録 | |
|---|---|---|---|
| いつ書くか | 訪問のたび(毎回) | 開始前・見直し時 | おおむね月1回 |
| 何を書くか | 実際に行ったサービスと、利用者の様子 | 目標・課題・提供するサービス | 目標に対してどうだったか |
| 誰が書くか | 訪問した訪問介護員 | サービス提供責任者 | サービス提供責任者 |
| 主な使われ方 | 報酬請求の裏づけ、利用者への交付、運営指導での確認 | 提供するサービスの根拠 | 計画の見直しの根拠 |
実施記録は報酬請求の挙証資料です。加算を算定した日は、その加算に対応する行為が記録に残っている必要があります。だからこそ、運営指導で最も細かく見られる書類のひとつになっています。
運営指導で実際に公表されている指摘|出典つき
実施記録は、公表資料のうえで具体的な書き方まで名指しで指摘されている数少ない書類です。
| 公表されている指摘 | 公表元 | 直し方 |
|---|---|---|
| 提供したサービスの内容だけでなく利用者の心身の状況(利用者の様子等)についても記録することとされ、「特変なし」等しか書かれていない記録が見受けられる | 松山市の運営指導での主な指摘事項に関する資料 | 「特変なし」の代わりに、何を見てそう判断したかを1つ書く |
| サービス提供の記録には実際に行った時間を記録することとされ、訪問介護計画に位置付けられた時間を機械的に記録しているケースが多数見受けられた | 松山市の同資料 | 計画の時間ではなく、実際の開始・終了時刻を書く |
| サービス実施時間が一律に記載されており実態が反映されていない/実施時間を変更した際に、変更した旨とその理由が記録されていない | 堺市の集団指導資料「サービスの提供の記録」の主な指摘事項 | 変更した日は「◯分短縮(ご本人の体調不良のため)」まで書く |
| 買い物代行について、預り金やおつり・購入品等が正確に記載されていない | 堺市の同資料 | 預り金・支出額・おつり・購入品をすべて記録し、レシートを添付する |
| 特記・連絡事項欄に利用者の状況がほとんど記載されていない | 堺市の同資料 | 変化がない日も、観察した事実を一言残す |
| 利用者や家族の希望でサービスの内容や日程を変更しているにもかかわらず、計画が変更されていない | 松山市の同資料 | 記録に変更が続いたら、計画の見直しにつなげる |
| サービス提供記録の記載が画一的である/記録を交付していない | 公表資料の主な指摘事項 | 申出があったときに交付できる状態にしておく |
| サービス提供に関する記録等の保存年限は市条例に則り5年間とすること。運営規程等に保存年限を記載している場合は誤りがないか確認すること | 金沢市の資料 | 保存年限は自治体の条例による。運営規程の記載と実態を照合する |
要件・運用は保険者・都道府県により異なります。詳細は監査対策ナビと各自治体の公表資料をご確認ください。
加算を算定した日の実施記録|行為が記録に残っているか
加算は、実施記録にその行為が残っていて初めて説明できます。公表資料では、加算を算定したのに記録がないという指摘が具体的に挙げられています。
| 加算 | 公表されている指摘 | 実施記録に残すこと |
|---|---|---|
| 入浴介助加算 | サービス提供表の実績では入浴介助加算Ⅰが算定されていたが、当該日のサービス提供の記録には入浴サービスを提供した記録が確認できなかった(豊島区が公表した令和5年度の運営指導・地域密着型通所介護18件) | 算定した日は「入浴介助を実施」と明記する |
| 初回加算 | 初回加算を算定する場合は、サービス提供責任者が訪問(同行)したことをサービス提供結果記録に残すこと(愛知県の主な指示事項) | 同行した日と、同行者の氏名を記録する |
| 初回加算 | 新規に訪問介護計画書を作成していないのに算定している事例/計画の作成後、その月内にサービス提供責任者が同行していないのに算定している事例(広島市の令和7年度運営指導の指摘事項。大阪市の居宅サービス編にも同旨) | 計画の作成日と同行日の前後関係を確認する |
| 送迎の減算 | 送迎をしなかった理由が分かる記録がない。「家族の送迎」等の理由が記録されていない事例があり、報酬請求の挙証資料となる(津山市の集団指導資料・令和5年度) | 送迎しなかった日は、その理由まで書く |
加算の要件そのものは訪問介護の加算一覧で確認できます。
実施時間の書き方|計画の時間を写さない
松山市・堺市の両方で名指しされている論点です。計画に書かれた時間をそのまま記録に写すと、実態が反映されていないと指摘されます。
| 場面 | 避けたい書き方 | 望ましい書き方 |
|---|---|---|
| 計画どおりだった日 | 毎回「9:00〜10:00」と同じ時刻を印字 | 9:02〜10:05(実際の時刻を記録) |
| 早く終わった日 | 計画どおり60分と記載 | 9:00〜9:45(45分)。ご本人の体調により入浴を清拭へ変更したため短縮 |
| 延びた日 | 計画どおり60分と記載 | 9:00〜10:20(80分)。排泄介助に時間を要したため延長 |
| 内容を変更した日 | 変更の記載なし | 調理の予定を、ご本人の希望により買い物代行へ変更した |
| 訪問できなかった日 | 記録なし | ご本人の入院により訪問中止(◯月◯日、ご家族より連絡) |
| 変更が続いている | 記録だけ直して計画はそのまま | 変更が定着した場合は、訪問介護計画の見直しを行う |
買い物代行の記録|預り金・おつり・購入品
堺市の資料で名指しされている項目です。金銭を扱う記録は、それ単体で説明できる形にしておきます。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 預り金 | ご本人よりお預かり 3,000円(9:10) |
| 購入店 | ◯◯スーパー ◯◯店 |
| 購入品 | 食パン、牛乳1L、卵1パック、豆腐2丁、バナナ1房 |
| 支出額 | 1,482円 |
| おつり | 1,518円を返却(9:55)。ご本人に金額を読み上げて確認いただいた |
| レシート | レシートを本人へお渡しし、控えを記録に添付した |
| 確認 | ご本人と一緒に品物と金額を確認。相違なし |
「特記・連絡事項」欄の文例60例
堺市の資料で「ほとんど記載されていない」と指摘されている欄です。ここが埋まっていると、状況報告書やモニタリングの素材にもなります。以下はすべて記載のイメージを示すための(例)で、実在の利用者ではありません。
変化に気づいたとき(15例)
| 記入例 |
|---|
| 玄関までの歩行が、前回より少しふらついていた |
| 右足首に軽度の腫れを確認。痛みの訴えはなし |
| 食卓に前日の食事が残っており、摂取量の低下がうかがえた |
| いつもより口数が少なく、表情が硬かった |
| 床に洗濯物が散らばっており、片づけが行き届いていない様子 |
| 服薬カレンダーに前日分の薬が残っていた |
| 浴室に置いていた石けんが減っておらず、入浴していない可能性 |
| 「最近眠れない」とのお話があった |
| 台所の火の消し忘れを確認。ご本人と一緒に確認の手順を決めた |
| 玄関の段差につまずかれたが、手すりにつかまり転倒には至らなかった |
| 体重計の記録が2日分空いていた |
| ご近所の方が訪ねてこられ、会話を楽しまれていた |
| 室温が30℃を超えており、冷房の使用をお勧めした |
| 冷蔵庫に消費期限切れの食品があり、ご本人の了解を得て処分した |
| 杖の先のゴムがすり減っていた。交換をご家族へお伝えする |
変化がなかった日(15例)
「特変なし」と書かずに済ませる言い方です。何を見たかが残ります。
| 記入例 |
|---|
| 血圧128/76。前回と大きな変化なし |
| 食事は全量摂取。水分もコップ2杯分お飲みになった |
| 歩行は杖使用で安定。ふらつきなし |
| 会話ははっきりしており、日付も正確に答えられた |
| 皮膚の観察を実施。発赤・傷はみられない |
| 排便あり(普通便)。腹部の張りなし |
| 服薬カレンダーに残薬なし。飲み忘れは確認されなかった |
| 笑顔で迎えてくださり、体調のお話も自分からされた |
| 室内の整理は保たれており、生活に乱れはみられない |
| 足の浮腫は前回と同程度。増悪はなし |
| 睡眠について尋ねたところ「よく眠れている」とのこと |
| 入浴を希望され、ご自分で洗身された |
| テレビを見て過ごされており、日中の活動に変化はない |
| ご家族が来訪されており、一緒にお茶を飲まれていた |
| 前回お伝えした水分摂取について、実践されていることを確認した |
ご家族・関係者への連絡(15例)
| 記入例 |
|---|
| 足首の腫れについて、ご家族(長女)へ電話でお伝えした(10:20) |
| 担当介護支援専門員へ、活動量の低下について情報提供した |
| サービス提供責任者へ報告し、訪問時間の調整を相談した |
| 連絡ノートに記載し、次の訪問者へ申し送った |
| ご家族より「夜間の様子が心配」との相談があり、内容を記録した |
| 訪問看護師と情報交換を行い、浮腫の観察について確認した |
| ご家族の不在時であったため、連絡ノートにお伝えする内容を記入した |
| 通所介護の職員より、当日の様子について申し送りを受けた |
| 福祉用具事業所へ、手すりの位置の調整を依頼した |
| ご家族へ、次回の訪問日時の変更をお伝えし、了承を得た |
| 主治医の受診に同行されるとのことで、伝えたい内容を紙にまとめてお渡しした |
| 担当介護支援専門員へ、計画の見直しの必要性について相談した |
| ご家族より、来月から日中の就労が始まるとの連絡があった |
| 民生委員の方から見守りの状況について情報提供があった |
| 事業所へ帰所後、管理者へ本日の状況を報告した |
ご本人の言葉・意向(15例)
ご本人の言葉は、そのまま「」で残すと後から役に立ちます。
| 記入例 |
|---|
| 「一人でお風呂に入るのが怖くなってきた」とのお話があった |
| 「もう少し歩けるようになりたい」と目標を話してくださった |
| 「デイサービスの日が楽しみ」とおっしゃっていた |
| 「家族に迷惑をかけたくない」との思いを話された |
| 掃除について「自分でやりたい」とのご希望があり、一緒に行った |
| 「最近、味がわかりにくい」とのお話があった |
| 「夜中に何度も起きてしまう」との訴えがあった |
| 「この家で最後まで暮らしたい」とお話しくださった |
| 「薬が多くて飲むのが大変」とのお話があった |
| 買い物について「自分で選びたい」とのご希望があり、同行した |
| 「息子が来てくれるのが嬉しい」と笑顔で話された |
| 「外に出る機会が減った」とのお話があった |
| 「痛みは我慢できる程度」とおっしゃっている |
| 入浴の順番について「先に髪を洗いたい」とのご希望があった |
| 「話し相手がいると気が晴れる」とお話しくださった |
避けたい書き方|言い換えの対照表
| 避けたい書き方 | 気をつけたい理由 | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| 特変なし | 松山市の資料で名指しされている | 血圧128/76。食事は全量摂取。前回からの変化なし |
| 計画どおりの時刻を毎回そのまま記載 | 実態が反映されていないと指摘されている | 実際の開始・終了時刻を書く。変わった日は理由も書く |
| 特記・連絡事項欄が空欄 | 「ほとんど記載されていない」と指摘されている | 変化がない日も、観察した事実を一言残す |
| 買い物のおつりを記載しない | 預り金・おつり・購入品の記載を求められている | 預り金・支出額・おつり・購入品をすべて書き、レシートを添付する |
| 意欲的/非協力的 | 評価語で、根拠が残らない | ご自分から掃除を始められた/お誘いしたが「今日はやめておく」とのこと |
| 認知症が進んだ | 診断は医師の領域 | 日付を尋ねられることが、前回より増えている |
| 先月/最近 | 経過が追えない | 7月16日から、と日付で書く |
| 他の利用者の実名を書く | 記録は開示請求の対象になりうる | 「他のご利用者」と表記する |
| 加算を算定した日に、その行為の記載がない | 入浴介助加算で実際に指摘されている | 算定した日は、対応する行為を必ず明記する |
訪問介護記録の様式(テンプレート)に含めておきたい項目
様式やテンプレートの書式自体は事業所ごとに異なりますが、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(厚生省令)では、提供した具体的なサービスの内容等を記録し、利用者からの申出があった場合には文書を交付することが定められています(出典:厚生労働省)。この位置づけをふまえ、様式には次の項目を含めておくと、実地指導の際の確認資料としても扱いやすくなります。
| 項目区分 | 記載する内容 |
|---|---|
| 基本情報 | 利用者名、提供年月日、サービス提供の開始・終了時刻 |
| サービス内容 | 身体介護/生活援助の別と、実施した支援の具体的内容 |
| 利用者の状態 | バイタルや食事・排泄などの観察した事実 |
| 特記・申し送り | いつもと違う点、次回への引き継ぎ事項 |
| 記録者 | 記録した担当者名(押印・サイン欄) |
様式の書式自体は事業所ごとに設計いただけますが、上記の項目が過不足なく含まれているかは、記録を見直す際の確認ポイントになります。
「訪問介護記録」と「実施記録」「サービス提供記録」の違い
「訪問介護記録」という言葉は、訪問介護に関わる記録全般を指して使われることがあります。この記事で扱う実施記録(サービス提供記録)はその一つで、ほかに訪問介護計画書・アセスメント・モニタリング記録なども「訪問介護記録」と呼ばれることがあります。どの書類を指しているか迷ったときは、下の対応でご確認ください。
- 実施記録・サービス提供記録――訪問のたびに、提供したサービス内容と利用者の状態を記す記録(この記事の内容)。
- 訪問介護計画書――計画の作成・見直しのタイミングで、目標と援助内容を記す記録。
- アセスメント――計画を作成する前に、利用者の状態や意向を把握するための記録。
- モニタリング記録――計画どおりに実施できているかを、定期的に確認する記録。
実施記録は、訪問介護計画にもとづいて提供したサービスの内容・利用者の状態・特記事項を、訪問ごとに記す記録です。サービス提供の証拠であると同時に、ヘルパー間やサービス提供責任者・ケアマネへの情報共有、実地指導での確認資料にもなります。
実施記録に書く項目と、書き方のコツ
おさえる基本項目は次のとおりです。
- 提供日時・サービス内容――計画に沿って実施したサービス(身体介護/生活援助)。
- 利用者の状態――バイタルや様子、その日の変化。
- 実施した支援と本人の反応――具体的に何を行い、どう反応したか。
- 特記事項・申し送り――いつもと違う点、次回への引き継ぎ。
そのまま使える実施記録の例文(場面別)
よくある場面の記入例です。利用者さんの状態に合わせて言葉を差し替えてお使いください。
音声で話すだけ→実施記録を作る
- 訪問直後に話す――実施した内容と気づいた点を、その場で声に出します。
- AIが記録の体裁へ自動整理――話した内容を文字起こしし、実施記録の形に整えます。
- 確認・手直し――内容を確認し、必要なら修正します。
- 保存・共有――サ責やケアマネへの申し送りもそのまま残せます。
カイポケへ、実施記録を自動転記する
記録・請求にカイポケを使っている事業所なら、できあがった実施記録をカイポケへ自動転記できます。カイポケの運用はそのまま、「記録を作って入力する」工程だけを音声とAIに任せる形です。カイポケ側の効率化はカイポケの記録を効率化する方法もあわせてご覧ください。
よくある失敗と、精度を上げるコツ
- 「見守り」で終えない――何を見守り、どんな様子だったかまで書く。
- 計画にないことをした時こそ記録――理由と対応を残すと、実地指導でも安心。
- 評価語より事実――「良好」ではなく観察した事実で。
- 最後に目視確認――AIは下書きまで。仕上げは人が確認します。
訪問介護の実施記録 記入例(コピペ可)
身体介護・生活援助の場面別に、実施記録の記入例をまとめました(表の右上ボタンからExcel/CSVにコピーできます)。提供したサービス内容と、観察した事実をセットで残すのがポイントです。
| 場面 | サービス区分 | 実施記録の記入例 |
|---|---|---|
| 入浴介助 | 身体介護 | 浴室まで見守り歩行。洗身・洗髪を一部介助し、背部は本人が実施。湯温を確認、皮膚に発赤なし。入浴後に水分補給。 |
| 排泄介助 | 身体介護 | トイレへ誘導し見守り。下衣の上げ下げを一部介助。排尿あり、性状に異常なし。 |
| 食事介助 | 身体介護 | 配膳し見守り。むせなく主食全量・副食8割摂取。水分200ml。 |
| 調理 | 生活援助 | 昼食を調理し配膳。冷蔵庫の食材を確認し、翌日分の下ごしらえを準備。 |
| 掃除 | 生活援助 | 居室と台所を清掃。ゴミをまとめて指定日に排出。 |
| 買い物 | 生活援助 | 買い物を代行。レシートと釣り銭を確認し本人へ手渡し。 |
良い例・悪い例で分かる実施記録のコツ
訪問介護の実施記録 文例 早見表(コピペ可)
身体介護・生活援助・通院等乗降介助の場面ごとに、実施記録の文例をまとめた早見表です(表の右上ボタンからExcel/CSVにコピーできます)。状態にあわせて調整してください。書き方の基本は実施記録の書き方をご覧ください。
| 場面 | 区分 | 実施記録の記入例 |
|---|---|---|
| 入浴 | 身体 | 浴室まで見守り歩行。洗身・洗髪を一部介助、背部は本人実施。皮膚に発赤なし、入浴後に水分補給。 |
| 清拭 | 身体 | 全身清拭を実施。仙骨部の発赤なし。爽快感ありと表情で確認。 |
| 排泄(トイレ) | 身体 | トイレへ誘導し見守り。下衣操作を一部介助。排尿あり、性状異常なし。 |
| おむつ交換 | 身体 | おむつ交換を実施。皮膚の発赤・かぶれなし。陰部洗浄を実施。 |
| 食事 | 身体 | 配膳し見守り。むせなく主食全量・副食8割摂取。水分200ml。 |
| 服薬 | 身体 | 昼食後の内服を確認。飲み忘れなし。 |
| 更衣 | 身体 | 更衣を一部介助。関節の動きに問題なく、痛みの訴えなし。 |
| 移動・移乗 | 身体 | 車いすへの移乗を見守り・一部介助。ふらつきなく安全に実施。 |
| 調理 | 生活 | 昼食を調理し配膳。冷蔵庫の食材を確認し翌日分を準備。 |
| 掃除 | 生活 | 居室と台所を清掃。ゴミを指定日に排出。 |
| 洗濯 | 生活 | 洗濯・乾燥・取り込みを実施。衣類を整理して収納。 |
| 買い物 | 生活 | 買い物を代行。レシートと釣り銭を確認し本人へ手渡し。 |
| 通院等乗降介助 | 乗降 | 受診のため乗車・降車を介助。移動中の体調変化なし。 |
通院介助の記録・報告書のひな形
通院等乗降介助や通院介助は、記録に残すべき項目が通常の訪問と異なります。次の項目を押さえると、確認を受けたときに説明しやすくなります。
- 出発・到着の時刻(自宅発/医療機関着/医療機関発/自宅着)
- 移動の手段(自家用車・公共交通機関など)
- 院内での対応の有無と、その理由
- 算定した区分(身体介護/通院等乗降介助)
- ご本人の状態の変化
- 医療機関から伝えられた内容
通院介助の記録 例文
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 通常の通院 | 9:20自宅発、9:45◯◯クリニック着。歩行は杖使用で見守り。院内は看護師対応のため待合まで同行し、外で待機。11:10発、11:35自宅着。血圧の薬が1種類追加になったとご本人より説明あり。 |
| 院内介助が必要だった | 移動時にふらつきが強く、院内でも常時見守りが必要と判断。受付・移動・会計に付き添った。医療機関の職員では対応困難な状況であったため。 |
| 体調の変化があった | 帰宅時に「少し気分が悪い」との訴え。血圧128/76、顔色不良なし。水分摂取を促し、椅子で休んでいただいたところ改善。サービス提供責任者へ報告。 |
よくある質問(FAQ)
訪問介護の実施記録には何を書きますか?
身体介護と生活援助で記録は変わりますか?
「特変なし」だけで済ませてよいですか?
実施記録とサービス提供記録の違いは?
実施記録のテンプレートはありますか?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
訪問介護の実務ガイド
まとめ
訪問介護の実施記録は、提供したサービスと利用者の状態を「事実で具体的に」残すのが基本です。例文を土台にしつつ、いちばん時間のかかる記録づくりは、話すだけ→AIで整理→カイポケへ自動転記、という流れで軽くできます。記録の手間を減らし、その分を利用者と向き合う時間に——それが続けられる効率化です。
📚 記録の書き方をまとめて知りたい方へ:介護記録の書き方【業種別・例文つき総まとめ】
出典:厚生労働省ウェブサイト/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。加算・単位数・要件は改定される場合があるため、最新の告示・通知でご確認ください。
サービス内容別|実施記録の文例(身体介護)
| 内容 | 記録の文例 |
|---|---|
| 起床介助 | 7時00分訪問。声かけにて開眼。ベッド柵を使い、見守りで端座位。ふらつきなく立ち上がられる。 |
| 就寝介助 | 20時30分訪問。更衣を一部介助し、21時に臥床。掛け物を整え、ナースコールを手元に置く。 |
| 食事介助 | 昼食を全介助。主食8割・副食7割。むせなし。所要25分。食後は座位を30分保つ。 |
| 食事の見守り | 自力摂取。途中で手が止まるため、2回声かけ。主食10割・副食8割。 |
| 水分補給 | お茶150mLを提供し、全量摂取。訪問中の合計300mL。 |
| 服薬介助 | 朝食後薬を手渡し、コップの水で内服。口腔内に残薬がないことを確認。 |
| 排泄介助(トイレ) | 9時20分、トイレへ誘導。ズボンの上げ下ろしを一部介助。普通便中等量。 |
| 排泄介助(ポータブル) | ポータブルトイレへ移乗を軽介助。排尿あり。バケツを洗浄し所定の場所へ戻す。 |
| おむつ交換 | 排尿多量。陰部を清拭し、皮膚の発赤なしを確認。新しいおむつへ交換。 |
| 入浴介助(自宅) | 湯温40度を確認。脱衣を見守り、洗身は背部を介助。浴槽の出入りを軽介助。入浴後、血圧118/70。 |
| 清拭 | 全身清拭を実施。背部に発赤なし。着替えを行い、髪を整える。 |
| 部分浴(足浴) | 足浴を10分実施。爪の周囲の汚れを除去。「気持ちよかった」と話される。 |
| 洗髪 | ベッド上で洗髪。所要20分。頭皮に傷なし。 |
| 口腔ケア | 歯ブラシを手渡すと自分で磨かれる。奥歯を仕上げ磨き。義歯を洗浄し装着。 |
| 整容 | 洗顔はタオルを渡して自分で。ひげ剃りを介助。爪の長さを確認。 |
| 更衣介助 | 上衣は自分で着られる。ズボンは座位で介助。 |
| 体位変換 | 2時間ごとに実施。仰臥位から左側臥位へ。クッションで除圧。 |
| 移乗介助 | ベッドから車いすへ。手すりを持って立ち上がり、軽介助で方向転換。 |
| 通院等乗降介助 | 9時00分自宅発、9時20分医院着。乗車と降車を介助。院内は病院職員へ引き継ぐ。 |
| 歩行介助 | 廊下を歩行器で往復20m。右膝の痛みの訴えで1回休憩。 |
| 見守り的援助(調理) | 本人と一緒に昼食を準備。米をとぐ工程は本人が行い、火の管理は職員が行う。 |
| 見守り的援助(掃除) | 一緒に居間の掃除機がけ。本人がコードを扱い、職員が家具を移動。 |
| 自立支援(着替え) | 衣類を2つ並べて選んでいただく。本人が選び、自分で着られた。 |
| 医療的ケアの見守り | 家族が実施する胃ろうの注入に立ち会い、体位を保持。 |
サービス内容別|実施記録の文例(生活援助)
| 内容 | 記録の文例 |
|---|---|
| 調理 | 昼食を調理(ご飯、みそ汁、煮物)。塩分を控えた味付け。冷蔵庫に夕食分を保管し、本人へ伝える。 |
| 配下膳 | 食事を配膳し、食後に下膳。食器を洗浄し、所定の場所へ戻す。 |
| 掃除(居間) | 掃除機がけと拭き掃除。テーブルの上を整理。 |
| 掃除(トイレ) | 便器と床を清掃。手すりを消毒。 |
| 掃除(浴室) | 浴槽と床を洗浄。滑り止めマットの状態を確認。 |
| ごみ出し | 燃えるごみを集積所へ。次回の収集日を本人へ伝える。 |
| 洗濯 | 洗濯機を回し、ベランダへ干す。前回分をたたんでタンスへ収納。 |
| 衣類の整理 | 季節の衣類を入れ替え。本人と一緒に取り出しやすい位置へ。 |
| 買い物代行 | 本人の希望を確認し、近隣の店で購入。レシートと釣銭を手渡し、確認していただく。 |
| 薬の受け取り | 処方箋を薬局へ持参し、受け取り。本人へ手渡し、内容を確認。 |
| ベッドメイク | シーツと枕カバーを交換。マットレスの汚れなし。 |
| 室温の調整 | 室温28度のため冷房を26度に設定。本人の同意を得た。 |
| 日用品の補充 | トイレットペーパーと洗剤の残量を確認。次回の購入を本人と相談。 |
| 郵便物の確認 | 郵便物を本人へ手渡す。読み上げの希望はなし。 |
記録に必ず入れる項目
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 提供日 | 年月日 |
| 開始・終了時刻 | 分単位 |
| サービス種類 | 身体介護/生活援助/通院等乗降介助 |
| 提供した職員 | 氏名 |
| 実施した内容 | 計画に沿って行ったこと |
| 利用者の状況 | その日の様子と変化 |
| 特記事項 | いつもと違ったこと |
| 計画外の対応 | 行った場合はその理由 |
| 連絡 | 家族・ケアマネジャー・主治医への連絡 |
| 利用者の確認 | 署名または確認の方法 |
| 中止・変更 | その理由 |
| 加算に関わる事項 | 2人対応、緊急対応、時間帯 |
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
