公開:2026年11月8日/出典:厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1518(WAM NET 掲載)、社会保障審議会 介護保険部会(第135回)資料3・(第136回)資料6
法律で決まったのは「仕組み」です。どの地域を特定地域にするかの基準や、人員の基準・報酬は審議の途中の「素案」です。決まったときはこの記事を更新します。
要点(3行)
- 社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)が令和8年6月25日に公布され、介護保険法に「特定地域居宅サービス」と「特定地域居宅サービス等事業」が新しく入りました。施行は令和9年4月1日です。
- 特定地域とは、人口の減少その他の厚生労働省令で定める基準に該当する地域として都道府県が定めるものです。そこで都道府県の条例の基準を満たす事業所が行うサービスに、市町村が特例居宅介護サービス費を支給する類型が新設されました。
- 介護保険部会(第135回・令和8年6月29日)には、特定地域の基準の素案として「75歳以上人口密度=5人/㎢未満」または「75歳以上人口=1,000人未満かつ減少」が示されました。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 法律 | 社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)。令和8年6月25日公布。介護保険最新情報Vol.1518で通知 |
| 施行 | 令和9年4月1日(一部の事項は公布の日などから)。特例居宅介護サービス費等の類型の新設(通知の第2の6)は、令和9年4月1日から |
| 介護保険部会 第135回 | 令和8年6月29日。資料3「特定地域(中山間・人口減少地域)の考え方について」 |
| 介護保険部会 第136回 | 令和8年9月18日。資料6「介護事業者の連携強化について(報告)」 |
法律で新しくできた仕組み(Vol.1518 の第2の6)
| 項目 | 通知に書かれていること |
|---|---|
| 特定地域 | 人口の減少その他の厚生労働省令で定める基準に該当する地域として都道府県が定めるもの |
| 特定地域居宅サービス | 指定居宅サービス・基準該当居宅サービス以外の居宅サービス等で、特定地域に所在し、都道府県の条例で定める基準・員数等を満たすと認められる事業所が行うもの。必要があると認めるときは、市町村が特例居宅介護サービス費を支給する(第42条第1項第3号関係) |
| 条例の基準 | 従業者の基準・員数は厚生労働省令で定める基準に従い、利用定員は厚生労働省令で定める基準を標準とし、その他は参酌して都道府県が定める(第42条第3項関係) |
| 費用の額 | 平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額の100分の90に相当する額を基準として、市町村が定める(第42条第5項関係) |
| ほかのサービス | 居宅介護支援、施設サービス、介護予防サービス、介護予防支援についても準じた改正。特例居宅介護サービス計画費、特例施設介護サービス費、特例介護予防サービス費、特例介護予防サービス計画費の類型を新設 |
| 特定地域居宅サービス等事業 | 区域内に特定地域がある市町村は、地域支援事業として行うことができる。要介護の方には訪問介護、訪問入浴介護、通所介護又は短期入所生活介護、要支援の方には介護予防訪問入浴介護又は介護予防短期入所生活介護(第115条の45第3項関係) |
| 委託と利用料 | 市町村は、厚生労働省令で定める基準に適合する者に実施を委託できる。委託を受けた者は利用者に利用料を請求できる。費用負担は介護予防・日常生活支援総合事業と同様 |
特定地域の基準の素案(介護保険部会 第135回)
| 項目 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 決め方 | 基準に該当する地域について、市町村が特定地域としての指定の要否を検討し、その意向を踏まえて都道府県が対象地域を定める |
| ① | 特別地域加算・離島等相当サービスの対象地域(市町村の全部指定・一部指定いずれも含む)は、国が示す基準に含める |
| ② | ①に該当しない場合、「75歳以上人口密度=5人/㎢未満」または「75歳以上人口=1,000人未満かつ減少」の市町村(全域単位)を指定することを可能とする |
| ③ | ①②に該当しない場合でも、市町村内の一部地域で②の基準に該当する地域や、特定のサービス類型の事業所が地域に存在しない等、現に指定サービス等を前提としたサービス基盤の維持が困難である地域を指定することも可能とする。一部地域の範囲は、旧市町村単位、行政区単位、日常生活圏域単位が考えられる、と書かれている |
| 数の目安 | この場合、基準に該当するのは356市町村(20.5%)。特別地域加算の対象市町村(全域指定)299、人口密度で新たに該当40、人口と減少で新たに該当17 |
| 75歳以上に着目する理由 | 要介護認定率が3割を超え、介護サービス利用の中心となる層であること等 |
| 数字の根拠 | 特別地域加算の対象市町村(全域指定)の75歳以上人口密度は中央値3.8人/㎢・平均値7.2人/㎢、75歳以上人口は中央値725人・平均値1,146人 |
どこで何を話し合うか(資料の「議論の進め方」)
| テーマ | 議論の場 |
|---|---|
| 特定地域の基準 | 介護保険部会 |
| 特定地域サービス(対象サービス・人員配置基準・包括的な評価の仕組み) | 介護給付費分科会 |
| 特定地域居宅サービス等事業(制度設計・事業費・上限の考え方) | 分科会の議論の状況を踏まえて介護保険部会 |
| 介護事業者の連携強化 | 介護保険部会等。第136回では、都道府県と協定を締結し、一定期間の事業継続や連携・協働を推進する法人・事業所への支援を令和9年度概算要求に盛り込んでいると報告された |
一次資料:
- 介護保険最新情報Vol.1518 社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(PDF・WAM NET)
- 介護保険部会(第135回)資料3 特定地域(中山間・人口減少地域)の考え方について(PDF)
- 介護保険部会(第136回)資料6 介護事業者の連携強化について(報告)(PDF)
事業所で確かめること
- 特定地域の基準・人員の基準・報酬は審議の途中です。決まるまでは、今の告示の定めと貴事業所の届出のとおりです。
- 貴事業所の所在地が特別地域加算・離島等相当サービスの対象地域かどうかは、告示の定めと、指定を受けている自治体の案内をご確認ください。
- どの地域が特定地域になるかは、市町村の意向を踏まえて都道府県が定めます。介護保険事業(支援)計画の策定にあわせた都道府県・市町村の案内をご確認ください。
- 都道府県との協定や補助金の扱いは、都道府県の案内をご確認ください。
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更新履歴:初版。特定地域の基準・人員の基準・報酬が決まったとき、省令・告示が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






