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送迎に関する記録・入浴介助の実施記録と入浴計画の書き方|サービス種別23の比較表と記入例70例

通所系のサービスで1日にいちばん多く発生する記録は、送迎と入浴です。利用者30人の通所介護なら、送迎は往路と復路で1日60件、入浴は同じ日のうちに20件から30件が動きます。それでいてこの2つは、「送迎あり」「入浴実施」の数文字で終わってしまいやすい記録でもあります。何時に迎えに行き、誰が運転し、どこで乗り、玄関で何を確認したのか。どの浴槽を使い、どこを介助し、皮膚をどう見たのか。書いた本人の頭の中にはあるのに、紙の上には残っていない——公表されている運営指導の指摘は、まさにその欠落を指しています。

この記事が扱うのは、送迎と入浴という2つの具体的な場面の記録と計画だけです。個別サービス計画そのものの書き方や、サービス提供記録という様式の運用一般、運営指導の確認項目の全体像は、それぞれ別の記事で扱っています。ここでは、送迎表の空欄と入浴チェック表の空欄を最後まで埋め切ること、そして入浴介助に関する計画に個別性を書き込むことに絞ります。

最初に、素材の話をします。厚生労働省が示す運営指導の標準確認項目・標準確認文書(別添1)を全38サービス分読むと、「送迎」という語が現れるのは11種別、「入浴」という語が現れるのは14種別です。そして、この2つの語が現れる種別はほとんど重なりません。送迎は通所系と多機能系に、入浴は短期入所系と施設系・特定施設系に現れます。通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護・通所リハビリテーションの別添1には、「入浴」という語が一度も現れません。

これは「通所では入浴の記録が要らない」という意味ではありません。逆です。別添1に確認項目の名前がない分、通所系の入浴は自治体が公表する指摘事例のほうに集中しています。入浴を行わなかった日の記録、清しきに替えたときの記録、居宅の浴室環境を評価した記録、入浴介助に関する研修の記録——公表資料を読むと、通所系の入浴に関する指摘は加算の要件と記録の突合に集まります。標準確認項目の一覧だけを見て準備すると、この面が丸ごと抜け落ちます。

送迎も同じ構造を持っています。別添1で「送迎が適切に行われているか」という確認項目と「送迎記録」という確認文書を持つのは7種別で、通所リハビリテーションと介護予防通所リハビリテーションはそこに含まれません。一方で、東京都の令和7年度集団指導資料(通所リハビリテーション)の「主な指摘事例」には「送迎体制を整備しておらず、利用者を『自分で事業所に通うことができる方』に限定している」が挙げられています。確認文書の欄に名前がないことは、送迎を記録しなくてよいことを意味しません。

この記事では、加算・減算に関わる論点にも触れます。ただしこの記事は判定をしません。「基準の定め/貴事業所の記録(記入欄)/ご確認ください」という対照表の形にとどめ、報酬の数値や金額は書きません。開催頻度・保存年数・提出期限も断定せず、記入欄にしています。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

送迎と入浴の記録が求められる根拠——別添1に「送迎」と「入浴」はどう現れるか

まず、根拠の在りかを確かめます。運営指導では、確認項目ごとに「何を見るか(確認項目)」と「何で確かめるか(確認文書)」が示されています。送迎と入浴について、その欄に何が書かれているかを種別ごとに読み取ります。

送迎——「送迎が適切に行われているか」を持つのは7種別

別添1で、確認項目に「送迎が適切に行われているか」が置かれ、確認文書に「送迎記録」が並記されているのは、次の7種別です。いずれも「サービス提供の記録」という名前の確認項目のなかに置かれています。

  • 通所介護(第19条)——確認文書は、サービス提供記録/業務日誌/送迎記録
  • 地域密着型通所介護(第3条の18)——確認文書は、サービス提供記録/業務日誌/送迎記録
  • 認知症対応型通所介護(第3条の18)——確認文書は、サービス提供記録/業務日誌/送迎記録
  • 介護予防認知症対応型通所介護(第21条)——確認文書は、サービス提供記録/業務日誌/送迎記録
  • 小規模多機能型居宅介護(第3条の18)——確認文書は、サービス提供記録/業務日誌/送迎記録
  • 介護予防小規模多機能型居宅介護(第21条)——確認文書は、サービス提供記録/業務日誌/送迎記録
  • 看護小規模多機能型居宅介護(第3条の18)——確認文書は、サービス提供記録/業務日誌/モニタリングシート/送迎記録

この7種別では、同じ確認項目のなかに3つの観点が並んでいます。①計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか、②日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか、③送迎が適切に行われているか——の3つです。送迎は「計画」と「日々の記録」と横並びの、独立した観点として置かれています。

これに対し、通所リハビリテーションのサービス提供の記録(第19条)の確認項目は「サービスの提供日及び内容、利用者の心身の状況等を記録しているか」の1行で、確認文書は居宅サービス計画とサービス提供記録の2つです。介護予防通所リハビリテーション(第49条の13)も同様に、送迎への言及がありません。同じ「通所」でも、別添1の書きぶりは通所介護系と通所リハビリテーション系で異なります。

送迎——運営規程に書く「実施地域」の名前が種別で変わる

もう1つ、種別で明確に変わる点があります。運営規程に定める実施地域の呼び名です。通所介護(第100条)・地域密着型通所介護(第29条、第40条の12)・通所リハビリテーション(第117条)の運営規程では「通常の事業の実施地域」と書かれています。ところが短期入所生活介護(第137条、第140条の11)・介護予防短期入所生活介護(第138条、第156条)・短期入所療養介護(第153条)・介護予防短期入所療養介護(第192条、第207条)の運営規程では、同じ位置に「通常の送迎の実施地域」と書かれています。

つまり、短期入所系では送迎という語が運営規程の記載事項そのものに現れます。運営規程を他事業所の写しで作ると、この1語がすり替わったまま何年も残ります。自事業所の運営規程を開いて、この行がどちらの語になっているかを確かめてください。

入浴——確認項目の文言が3通りに分かれる

入浴は、別添1のなかで確認項目の文言が3通りに分かれています。同じ「入浴」でも、見られている観点が種別で違います。

  • 「入浴の方法及び回数は適切か」——短期入所生活介護(第130条、第140条の8)/介護予防短期入所生活介護(第145条、第161条)/短期入所療養介護(第150条、第155条の7)/介護予防短期入所療養介護(第200条、第212条)。方法と回数の両方が並んでいます
  • 「入浴回数は適切か、褥瘡予防体制は整備されているか」——介護老人福祉施設(第13条、第43条)/地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護(第139条、第163条)/介護老人保健施設(第18条、第44条)/介護療養型医療施設(第18条、第44条)/介護医療院(第21条、第48条)。回数と褥瘡予防が同じ1行に置かれています
  • 「自ら入浴が困難な利用者に対する入浴の回数及び方法は適切か」——特定施設入居者生活介護(第185条)/介護予防特定施設入居者生活介護(第248条)/地域密着型特定施設入居者生活介護(第120条)。「自ら入浴が困難な」という限定が付いています

いずれも確認文書は「サービス提供記録/業務日誌」です。入浴のためだけの様式名は、別添1には現れません。入浴の記録は、日々の記録のどこかに書かれていることが前提になっています。だからこそ、日々の記録の様式に入浴の欄がなければ、その事業所には入浴の記録が存在しない、という読まれ方になります。

そして繰り返しになりますが、通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護・介護予防認知症対応型通所介護・通所リハビリテーション・介護予防通所リハビリテーションの別添1には、「入浴」という語が1回も現れません。小規模多機能型居宅介護・介護予防小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護も同じです。訪問入浴介護・介護予防訪問入浴介護については、サービスの名称としては現れますが、「入浴」を含む確認項目の文言はありません。別添1の確認項目に「入浴」の文言を持つのは、38種別のうち12種別です。

サービス種別×確認項目の比較表——送迎と入浴で見られる点はここまで違う

ここがこの記事の核です。縦にサービス種別、横に確認項目を置き、種別で何が変わるかを1枚で読める形にします。自事業所の種別の行だけを見れば、送迎と入浴について別添1が何を求めているかが確認できます。

比較表①——送迎に関する確認項目・確認文書・運営規程(13種別)

送迎に関わる欄を、種別ごとに並べます。「送迎記録」という確認文書の名前を持つのは7種別だけで、短期入所系は確認文書ではなく運営規程の側に送迎が現れます。通所リハビリテーション系はどちらにも現れません。

サービス種別 確認項目「送迎が適切に行われているか」 確認文書「送迎記録」 サービス提供の記録の根拠条 運営規程の実施地域の呼び名(根拠条)
通所介護 あり あり(サービス提供記録・業務日誌と並記) 第19条 通常の事業の実施地域(第100条)
地域密着型通所介護 あり あり(サービス提供記録・業務日誌と並記) 第3条の18 通常の事業の実施地域(第29条、第40条の12)
認知症対応型通所介護 あり あり(サービス提供記録・業務日誌と並記) 第3条の18 通常の事業の実施地域(第54条)
介護予防認知症対応型通所介護 あり あり(サービス提供記録・業務日誌と並記) 第21条 通常の事業の実施地域(第27条)
小規模多機能型居宅介護 あり あり(サービス提供記録・業務日誌と並記) 第3条の18 通常の事業の実施地域(第81条)
介護予防小規模多機能型居宅介護 あり あり(サービス提供記録・業務日誌と並記) 第21条 通常の事業の実施地域(第57条)
看護小規模多機能型居宅介護 あり あり(サービス提供記録・業務日誌・モニタリングシートと並記) 第3条の18 通常の事業の実施地域(第81条)
通所リハビリテーション 記載なし 記載なし(確認文書は居宅サービス計画・サービス提供記録) 第19条 通常の事業の実施地域(第117条)
介護予防通所リハビリテーション 記載なし 記載なし(確認文書はサービス提供記録) 第49条の13 通常の事業の実施地域(第120条)
短期入所生活介護 記載なし 記載なし(確認文書は居宅サービス計画・サービス提供記録) 第19条 通常の送迎の実施地域(第137条、第140条の11)
介護予防短期入所生活介護 記載なし 記載なし(確認文書は介護予防サービス計画) 第49条の13 通常の送迎の実施地域(第138条、第156条)
短期入所療養介護 記載なし 記載なし(確認文書は居宅サービス計画・サービス提供記録) 第19条 通常の送迎の実施地域(第153条)
介護予防短期入所療養介護 記載なし 記載なし(確認文書は介護予防サービス計画) 第49条の13 通常の送迎の実施地域(第192条、第207条)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

この表から読み取れることを3つ挙げます。第1に、通所介護系の4種別と多機能系の3種別では、送迎記録は独立した確認文書として名前を持っています。日々の記録の中に紛れ込ませるのではなく、送迎記録という名前の綴りを出せる状態にしておくのが素直な備え方です。第2に、通所リハビリテーション系では送迎記録という名前が出てこないため、サービス提供記録の中に送迎の欄を作ることになります。第3に、短期入所系では運営規程の記載事項に「通常の送迎の実施地域」が入っているため、記録より先に運営規程と重要事項説明書の記載を確かめる順番になります。

比較表②——入浴に関する確認項目の文言(18種別)

入浴については、確認項目の文言そのものを並べます。文言が違えば、見られる観点も、記録に残すべき欄も変わります。

サービス種別 別添1の確認項目に「入浴」の文言 確認項目の文言 確認文書 根拠条
通所介護 なし 入浴に関する確認項目の記載なし(サービス提供の記録の欄で日々の内容と心身の状況を求める) サービス提供記録/業務日誌/送迎記録 第19条
地域密着型通所介護 なし 同上 サービス提供記録/業務日誌/送迎記録 第3条の18
認知症対応型通所介護 なし 同上 サービス提供記録/業務日誌/送迎記録 第3条の18
通所リハビリテーション なし 入浴に関する確認項目の記載なし 居宅サービス計画/サービス提供記録 第19条
短期入所生活介護 あり 入浴の方法及び回数は適切か サービス提供記録/業務日誌 第130条、第140条の8
介護予防短期入所生活介護 あり 入浴の方法及び回数は適切か サービス提供記録/業務日誌 第145条、第161条
短期入所療養介護 あり 入浴の方法及び回数は適切か サービス提供記録/業務日誌 第150条、第155条の7
介護予防短期入所療養介護 あり 入浴の方法及び回数は適切か サービス提供記録/業務日誌 第200条、第212条
介護老人福祉施設 あり 入浴回数は適切か、褥瘡予防体制は整備されているか サービス提供記録/業務日誌 第13条、第43条
地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護 あり 入浴回数は適切か、褥瘡予防体制は整備されているか サービス提供記録/業務日誌 第139条、第163条
介護老人保健施設 あり 入浴回数は適切か、また、褥瘡予防体制は整備されているか サービス提供記録/業務日誌 第18条、第44条
介護療養型医療施設 あり 入浴回数は適切か、また、褥瘡予防体制は整備されているか サービス提供記録/業務日誌 第18条、第44条
介護医療院 あり 入浴回数は適切か、また、褥瘡予防体制は整備されているか サービス提供記録/業務日誌 第21条、第48条
特定施設入居者生活介護 あり 自ら入浴が困難な利用者に対する入浴の回数及び方法は適切か サービス提供記録/業務日誌 第185条
介護予防特定施設入居者生活介護 あり 自ら入浴が困難な利用者に対する入浴の回数及び方法は適切か サービス提供記録/業務日誌 第248条
地域密着型特定施設入居者生活介護 あり 自ら入浴が困難な利用者に対する入浴の回数及び方法は適切か サービス提供記録/業務日誌 第120条
訪問入浴介護(参考) なし サービス名称としては現れるが、「入浴」を含む確認項目の文言はなし サービス提供記録ほか 運営規程は第53条
介護予防訪問入浴介護(参考) なし サービス名称としては現れるが、「入浴」を含む確認項目の文言はなし サービス提供記録ほか 運営規程は第53条

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

短期入所系は「方法及び回数」、施設系は「回数」と「褥瘡予防体制」、特定施設系は「自ら入浴が困難な利用者」に絞った「回数及び方法」3系統で、記録の様式に必要な欄が変わります。短期入所系と特定施設系では「方法」の欄——一般浴なのか機械浴なのかシャワー浴なのか清しきなのか——が必須になり、施設系では回数を週単位で読み取れる形と、褥瘡予防に関する記録との接続が必要になります。

比較表③——送迎・入浴の記録が突き合わされる相手

送迎と入浴の記録は、それ単体で完結しません。公表されている指摘を読むと、ほぼすべてが「他の書類との食い違い」として現れています。どの書類と突き合わされるのかを整理します。

突合の相手 送迎で突き合わされる内容 入浴で突き合わされる内容
居宅サービス計画(第1表〜第3表) 送迎の位置付けの有無 入浴に関わる加算が計画に位置付けられているか
個別サービス計画(通所介護計画等) 送迎が往復か片道かの位置付け 入浴介助の内容・所要時間の記載
サービス提供票・別表 実績の送迎の有無 実績に立っている加算と当日の入浴の実施
サービス提供記録(日々の記録) 到着・出発時刻、乗降の介助の内容 入浴の実施・方法・介助内容・観察した事実
業務日誌 当日の便編成・欠席・変更 当日の入浴実施人数・中止者と理由
送迎記録(車両ごと・利用者ごと) 運転者・同乗者・車両・経路・時刻 (入浴には直接対応しない)
入浴記録・清拭記録 (送迎には直接対応しない) 実施日、方法、清しきへの振替と理由
勤務予定・実績表 生活相談員の配置時間と送迎業務の時間の区分 入浴介助に当たった職員と研修受講の有無
研修計画・研修記録 安全運転・移乗介助に関する研修 入浴介助に関する基礎的な知識・技術の研修
居宅訪問の記録・浴室環境の評価記録 (送迎には直接対応しない) 訪問して把握した浴室の環境と、計画への反映
事故報告書・ヒヤリハット記録 送迎中・乗降時の事故とヒヤリハット 浴室内の転倒・熱傷等の事故とヒヤリハット
運営規程・重要事項説明書 実施地域の呼び名と範囲、交通費の起算点 入浴の提供体制と利用料以外の費用の記載

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

送迎に関する記録の書き方——項目ごとの記入欄と、場面別の完成文30例

ここからは、空欄の様式を埋め切るための具体物です。まず送迎の記録に何の欄を持つかを決め、次にそのまま貼れる文を場面別に並べます。

送迎の記録に残す項目——欄の一覧と記入欄

公表されている指摘から逆算すると、送迎の記録に必要な欄は次のように整理できます。右端は貴事業所の様式に該当欄があるかの記入欄です。印刷して、自事業所の送迎表と突き合わせてください。

何を書くか この欄が必要な理由(公表資料から) 貴事業所の様式(記入欄)
年月日 送迎を行った日。曜日も入れると便編成の確認が速い 日ごと・利用者ごとに実施状況を突合するため  
便(コース) 1便・2便などの便名と、その日の経路の名称 同じ日の複数便を区別するため  
往路/復路の別 往路のみ・復路のみ・往復のいずれか 新潟市の資料に、個別サービス計画上、送迎が往復か片道かを位置付けたうえで減算を実施する旨が示されている  
車両 車両番号または車両名。リフト車・軽自動車等の別 車両ごとの運行記録として保存するため  
運転者 運転した職員の氏名。職種も併記 埼玉県の資料に、生活相談員の配置時間に送迎を行い配置時間を満たさなくなる事例が示されている  
同乗者 添乗した職員の氏名。いない場合は「なし」と明記 車内の見守り体制を後から説明できるようにするため  
利用者名 その便に乗った利用者を全員 利用者ごとの実施状況を突合するため  
出発時刻 事業所または前の停車地を出た時刻。実測値 横浜市の資料に、開始・終了時間は計画上の提供時間ではなく実際の時間を記載する旨が示されている  
乗車時刻 その利用者が車に乗った時刻 同上  
到着時刻 事業所または自宅に着いた時刻 宇都宮市の資料に、個々の利用者の到着時間・出発時間が明確に記録されておらず請求した報酬区分との整合性が確認できない事例が示されている  
乗降の介助の内容 玄関から車まで、車から座席までの介助を動作で書く 「送迎あり」だけでは提供したサービスの内容が読み取れないため  
その日の様子 車内での表情・発語・姿勢など、観察した事実 日々のサービスについて具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録することが確認項目にあるため  
送迎を行わなかった場合の理由 家族送迎・自力通所・欠席など、理由を具体的に 津山市の資料に、送迎をしなかった理由が分かる記録がない事例が示されている  
変更した場合の内容と理由 経路・時刻・車両・担当者を変えたときの前後と理由 予定と実績の差を後から説明できるようにするため  
待機時間の扱い 車内での待機が生じたときの開始・終了時刻 堺市の資料に、送迎時における待ち時間をサービス提供時間に含めてしまっている事例が示されている  
記入者・確認者 書いた職員と、内容を確認した職員 記録の作成責任を明らかにするため  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

16の欄のうち、多くの事業所の送迎表にあるのは前半の6つ(日付・便・車両・運転者・利用者名・時刻の一部)までです。後半の10欄——乗降の介助の内容、その日の様子、行わなかった場合の理由、変更の内容と理由、待機時間——が、記録と実態の距離を埋める部分です。

送迎の場面別の完成文30例

そのまま貼れる文を場面別に並べます。時刻・人名・地名は貴事業所のものに置き換えてください。共通する型は「いつ・どこで・誰が・何をして・何を見たか」の順です。

場面 そのまま貼れる完成文
通常の送迎(往路) 8時40分、1便にて自宅前に到着。玄関で出迎えたご本人に声をかけ、上がり框から玄関土間まで手引き歩行にて介助。杖を持たれた状態で車両左後方の座席まで誘導し、シートベルトの装着を介助した。表情は穏やかで「今日は暖かいね」と発語あり。8時46分に自宅前を出発、9時05分に事業所へ到着。
通常の送迎(復路) 16時10分、2便にて事業所を出発。乗車前に本人へ排泄の希望を確認し「大丈夫」との返答を得たうえで、車両中列座席まで手引き歩行にて誘導、シートベルトの装着を介助した。車内では窓外を見ながら発語あり。16時32分に自宅前に到着し、玄関内まで手引き歩行にて介助。同居のご長女に本日の様子を口頭で伝え、16時38分に自宅を出発した。
初回の送迎(往路) 初回利用のため、8時20分に予定より10分早く自宅前へ到着。管理者と運転者の2名で伺い、ご本人とご長男に自己紹介のうえ、乗車位置・玄関の施錠・車内での座席を確認した。玄関前の段差2段は右手すりを使用し、左側から介助者が支える方法で昇降できることを確認。8時35分に出発、9時00分に事業所へ到着した。次回以降の乗車位置は自宅玄関前とすることをご長男と確認した。
初回の送迎(復路) 初回利用の帰りのため、16時05分に事業所を出発。車内で「どのあたりで降ろすとよいか」を本人に確認し、玄関前に停車することとした。16時28分に到着し、玄関内の上がり框まで介助。ご長男に本日の利用の様子と、次回の迎えの時刻をお伝えした。玄関の施錠はご本人が行い、鍵の預かりは行っていない。
新しい経路を使った 従来の経路が道路工事のため通行止めとなっていたことから、本日は県道側を経由する経路に変更した。所要時間は通常より約8分長くなり、9時13分に事業所へ到着。車内での様子に変化はなく、乗車中の会話も普段どおりであった。工事期間中は同経路を用いることとし、送迎表の経路欄に注記した。
送迎の順序を変更した ご家族から「通院のため9時以降に迎えに来てほしい」との申し出があり、本日は1便の3番目から5番目に順序を変更した。変更後の迎えは9時10分、事業所到着は9時35分。他の利用者の到着時刻に影響がないことを出発前に確認している。順序の変更はご本人にも車内で伝え、了解を得た。
利用者が乗車を拒んだ(乗車に至った) 8時50分、自宅玄関にて「今日は行きたくない」との発語あり。理由を伺うと「疲れている」とのことで、無理に促さず玄関で5分ほど話を伺った。「昼食だけでも」とお伝えしたところ「それなら」と応じられ、9時00分に乗車。車内では表情がやわらぎ、他の利用者と会話をされていた。事業所到着後、生活相談員へ経過を申し送った。
利用者が乗車を拒んだ(中止に至った) 8時45分、自宅玄関にて「今日は休む」との発語が続き、居室に戻られた。同居のご長女に状況をお伝えし、本日の利用は見合わせることとした。8時55分に自宅を出発。事業所到着後、生活相談員より担当の介護支援専門員へ電話で連絡し、経過を伝えている。次回の利用予定に変更はない。
体調不良で引き返した 9時05分、乗車後の車内にて「気分が悪い」との発語があり、顔色が普段より白く、発汗が見られた。運転者が安全な場所に停車し、同乗の介護職員が状態を確認のうえ事業所へ連絡。看護職員の指示により自宅へ引き返すこととし、9時20分に自宅へ到着。ご長女に経過を伝え、同日中に担当の介護支援専門員へ連絡した。本日のサービス提供は行っていない。
到着後に体調の変化があり自宅へ送った 10時40分、機能訓練中に「頭が重い」との発語あり。看護職員が状態を確認し、ご家族へ連絡のうえ本日は早退されることとなった。11時15分に事業所を出発、11時38分に自宅へ到着。玄関内まで介助し、ご長女へ経過を口頭で伝えた。サービス提供の開始時刻は9時05分、終了時刻は11時15分として記録している。
自宅に家族が不在だった(連絡がつき対応) 16時30分、自宅前に到着したが玄関が施錠されており、ご家族の姿が見えなかった。運転者が事業所へ連絡し、生活相談員よりご長女の携帯へ架電。「あと10分で戻る」との返答を得たため、車内でお待ちいただいた。16時42分にご長女が帰宅され、玄関内まで介助のうえお引き渡しした。待機の間は同乗の介護職員が車内で見守っている。
自宅に家族が不在だった(連絡がつかず事業所へ戻った) 16時25分に自宅前へ到着したが施錠されており、ご家族と連絡が取れなかった。あらかじめ取り決めていた対応に従い、ご本人と一緒に事業所へ戻り、生活相談員が引き続きご家族へ連絡を試みた。17時20分にご長男と連絡がつき、17時50分に自宅へお送りして玄関内でお引き渡しした。経過を担当の介護支援専門員へ同日中に連絡している。
迎えに行ったが不在だった 8時35分、自宅前に到着したが呼び鈴に応答がなく、玄関は施錠されていた。事業所へ連絡し、生活相談員よりご本人の携帯へ架電したが応答なし。ご長女へ連絡したところ「本日は受診に行っている」との回答を得た。本日の利用は行われず、8時50分に次の利用者宅へ向かった。欠席の連絡がなかったことについて、ご家族へ次回からの連絡方法をお伝えしている。
到着が遅れた(道路事情) 国道の渋滞により、事業所への到着が予定の9時00分より18分遅れ、9時18分となった。車内では特に変化なく、他の利用者を含め全員の様子を同乗の介護職員が確認している。到着後、遅れた旨と所要時間をその日の業務日誌に記載し、翌週の便編成を検討する材料とした。
到着が遅れた(先の利用者の準備) 1番目の利用者宅にて、着替えの途中であったため玄関先で約12分お待ちした。その間、運転者は車内で他の利用者の見守りを行っている。結果として事業所到着は9時22分となった。次回以降の迎えの時刻を10分後ろにずらすことをご本人・ご家族と相談し、翌週から変更することとした。
悪天候で経路を変更した 降雪により坂道の通行が困難であったため、本日は迂回経路を用いた。自宅前まで車両を寄せられず、約20メートル手前の平坦な場所に停車。滑り止めの付いた歩行の介助を2名で行い、車まで誘導した。所要時間は通常より15分長く、事業所到着は9時25分。翌日以降の積雪状況により同様の対応を取ることをご家族へお伝えした。
悪天候で送迎を中止した 大雨警報の発表に伴い、7時30分に管理者の判断で本日の送迎を中止した。7時45分までに全利用者のご家族へ電話で連絡し、連絡がついたことを利用者一覧に記録している。担当の介護支援専門員へは同日午前中に一括して連絡した。本日のサービス提供は行っていない。
同乗者が複数(座席配置) 1便は利用者4名が乗車。前列にAさん(左側)、中列にBさん(右側)とCさん(左側)、後列にDさん(右側)とし、立ち上がりの見られるCさんを同乗の介護職員の正面に配置した。全員のシートベルトの装着を出発前に運転者と同乗者の2名で確認している。乗車中、Cさんが2度立ち上がろうとされたため、その都度声をかけて着座を促した。
車内での見守り 復路の車内にて、同乗の介護職員がDさんの右斜め前に着席し、走行中の姿勢と表情を継続して確認した。カーブでの傾きが見られたため、右側にクッションを当てて姿勢を保った。到着まで発語はなく、閉眼されている時間が長かったため、到着時に声をかけて反応を確認している。
車内で体調の変化があった 復路走行中の16時20分、「胸のあたりが苦しい」との発語があった。運転者が直ちに安全な場所へ停車し、同乗の介護職員が座位のまま姿勢を整えて事業所へ連絡。看護職員の指示によりご家族へ連絡のうえ、そのまま自宅へ向かい、16時40分に到着した。ご長女へ経過を伝え、受診の要否についてはご家族から主治医へ相談いただくこととした。同日中に担当の介護支援専門員へ連絡している。
ヒヤリハット(乗降時のふらつき) 8時48分、車両から降りる際にご本人の左足が地面に着いた直後にふらつきが見られた。介助者が右腕を支えたため転倒には至っていない。原因として、乗降位置の路面がわずかに傾斜していたことが考えられたため、翌日から停車位置を約3メートル前方の平坦な箇所へ変更した。ヒヤリハット記録に記載し、翌日の申し送りで全職員へ共有している。
ヒヤリハット(走行中のシートベルト) 走行中、Cさんがシートベルトの金具を外そうとされる動作が2回見られた。同乗の介護職員が声をかけ、手を添えて着座を保った。運転者は速度を落として安全な場所へ停車し、装着を確認してから発進している。同様の動作が続いていることから、座席位置を同乗者の正面へ変更することとし、ヒヤリハット記録に記載した。
送迎中の事故(軽微な接触) 9時12分、駐車場への進入時に車両左前部が縁石に接触した。利用者3名が乗車していたが、いずれも接触時の衝撃による訴えはなく、外傷も確認されなかった。直ちに事業所へ連絡し、管理者が現場へ到着。乗車していた利用者のご家族全員へ当日中に連絡し、経過を説明した。事故報告書を作成し、保険者への報告の要否について担当課へ照会している。
家族が送迎した日(往路のみ) 本日の往路は、ご長女の運転によりご本人が来所された(9時00分着)。事業所からの送迎は行っていない。復路は事業所の2便にて16時10分に出発し、16時35分に自宅へ到着。往路を家族送迎とした理由は「受診の帰りに立ち寄るため」であり、前日にご家族から申し出があった。送迎記録には往路「家族送迎」、復路「事業所送迎」と記載している。
家族が送迎した日(往復) 本日は往路・復路ともにご長男の運転により来所・帰宅された。事業所からの送迎は行っていない。理由は「本人の通院と買い物を兼ねるため」であり、当面の間は毎週水曜日を家族送迎とする旨をご家族から申し出があった。送迎記録の往路・復路の欄にそれぞれ「家族送迎(長男)」と記載し、担当の介護支援専門員へ連絡している。
利用者が自力で通所した日 本日はご本人が自転車にて来所された(8時55分着)。「天気がよいので自分で来た」との申し出による。事業所からの往路の送迎は行っていない。復路については本人の希望により事業所の2便を利用し、16時10分出発、16時28分に自宅へ到着した。自力通所の日は前日までに連絡をいただくことを、ご本人と改めて確認している。
欠席の連絡があった(送迎前) 7時50分、ご長女より「本人が微熱のため本日は休む」との電話連絡があった。受電者は生活相談員。1便の経路から当該利用者を外し、運転者へ7時55分に伝達している。本日のサービス提供および送迎は行っていない。担当の介護支援専門員へは同日9時30分に電話で連絡した。次回の利用予定に変更はない。
玄関の鍵の受け渡しをした 復路の到着後、あらかじめの取り決めに従い、玄関の鍵を用いて解錠し、居室内の椅子まで誘導した。施錠は職員が行い、鍵は玄関内の所定の場所(下駄箱上の小箱)へ戻している。鍵を預かって持ち帰ることはしていない。この取扱いは利用開始時にご長女と書面で確認しており、変更があった場合は速やかに記録することとしている。
車いすのまま乗車した(リフト車) リフト車を使用し、車いすのまま乗車された。乗車前にブレーキの固定とフットレストの位置を確認し、リフト昇降時は職員2名で前後を支えた。車内では車いす固定用のベルト4点と、ご本人のシートベルトを装着し、出発前に2名で確認している。走行中の姿勢の崩れはなく、到着時も同様であった。
経路上で待機が生じた 2番目の利用者宅にて、ご家族の準備のため9分間の待機が生じた。待機中、車内には利用者2名が乗車しており、運転者が車内に留まって見守りを行っている。待機の開始は8時41分、終了は8時50分。この待機時間はサービスの提供時間には含めず、送迎記録の待機欄にのみ記載した。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

送迎に関して事前に決めておくこと——12項目の取決め表

場面別の完成文は、事前の取決めがあってはじめて短く書けます。「玄関先までか、家の中まで入るか」が決まっていない事業所では、職員ごとに対応が変わり、記録も揃いません。利用開始時に決めて書面に残し、変わったら記録を更新する項目を12個挙げます。

取り決める項目 決めておく内容 貴事業所の取決め(記入欄)
乗車位置 自宅玄関前か、道路上のどこか。停車できない場合の代替位置  
降車後にどこまで介助するか 玄関先までか、玄関内の上がり框までか、居室の椅子までか  
家の中に入るかどうか 入る場合の範囲と、入らない場合の引渡し方法  
鍵の受け渡し 誰が解錠・施錠するか。鍵の保管場所。預かりを行うかどうか  
家族が不在のときの対応 待機するか、事業所へ戻るか。連絡先の優先順位  
迎えの時刻の幅 「8時40分頃」の幅を何分と考えるか。遅れる場合の連絡  
欠席の連絡方法と締切 連絡先の電話番号と、何時までに連絡いただくか  
家族送迎・自力通所の申し出 いつまでに、誰に、どう伝えていただくか  
悪天候時の中止の基準と連絡 誰が判断し、何時までに、どの順で連絡するか  
車内での座席 本人の座席の位置と、その理由(見守りの必要性など)  
持ち物の受け渡し 連絡帳・着替え・薬などを誰がどこで渡すか  
実施地域を越える場合の交通費 運営規程・重要事項説明書に記載した起算点と内容・金額の説明  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

最後の1項目には補足が要ります。愛知県の資料には、その他の利用料としての交通費の算定起点は「事業所から」ではなく「通常の事業の実施地域を越える地点から」であるので、運営規程・重要事項説明書を改めること、という指示が示されています(対象サービスとして通所介護・通所リハビリテーションを含む複数のサービスが挙げられています)。送迎の記録の前に、運営規程の起算点の記載を確かめるという順番になります。

送迎を行わなかった場合の対照表——判定はせず、記録の有無だけを見る

送迎を行わなかった日の取扱いについては、この記事では判定をしません。公表資料に示されている定めと、貴事業所の記録が対応しているかどうかだけを並べます。適用の可否は保険者(指定権者)にご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

公表資料に示されている定め 貴事業所の記録(記入欄) 確認先
津山市の資料に、送迎をしなかった理由が分かる記録がない事例が挙げられ、報酬請求の挙証資料となるため送迎をしなかった理由も記録することが示されている 送迎を行わなかった日の理由を、利用者ごと・日ごとに記録している欄:  保険者(指定権者)にご確認ください
新潟市の資料に、個別サービス計画上、送迎が往復か片道かを位置付けたうえで減算を実施する旨が示されている 個別サービス計画に送迎の有無と往復・片道の別を記載している箇所:  保険者(指定権者)にご確認ください
堺市の資料に、送迎の有無について記録が確認できない事例が挙げられている 送迎の実施の有無を日々記録している様式名:  保険者(指定権者)にご確認ください
神戸市の資料に、送迎を行っていないのに減算していない、送迎を行わなかった日に減算が漏れている旨の指摘が示されている 月次で送迎の実施状況と請求内容を突合している手順と担当者:  保険者(指定権者)にご確認ください
公表事例に、往復の送迎をしていない利用者について片道分のみ減算していた事例、家族が送迎しているにもかかわらず送迎減算をしていなかった事例が示されている 往路・復路を別々に記録している欄の有無:  保険者(指定権者)にご確認ください
広島市の資料に、短期入所生活介護について家族が送迎を行っているにもかかわらず送迎加算を算定している事例が挙げられている 短期入所の送迎について、実施者(事業所・家族)を記録している欄:  保険者(指定権者)にご確認ください
堺市の資料に、送迎時における待ち時間をサービス提供時間に含めてしまっている事例が挙げられている 待機時間を提供時間と区別して記録している欄:  保険者(指定権者)にご確認ください
東京都の資料に、送迎体制を整備しておらず利用者を「自分で事業所に通うことができる方」に限定している事例が挙げられ、減算を適用していたとしても提供を拒むことはできない旨が示されている 利用申込の受付基準と、送迎体制(自事業所・委託)の記載箇所:  保険者(指定権者)にご確認ください

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

入浴介助の実施記録の書き方——方法の書き分けと、場面別の完成文28例

入浴の記録で最も多く抜けるのは、「実施しなかった日」と「方法を変えた日」です。神戸市の資料には、入浴や清しきの実施の記録が不正確で週に2回以上実施したことが確認できない、入浴に代えて清しきを実施した場合にその旨と入浴困難な理由を記録していない、という指摘が挙げられています。堺市の資料にも、提供した具体的なサービスの内容等を記録していない例として、入浴介助に替えて清拭を行った際の記録がない旨が示されています。実施した日だけを書く様式は、実施しなかった日を説明できません。

入浴の記録に残す項目——欄の一覧と記入欄

何を書くか この欄が必要な理由(公表資料から) 貴事業所の様式(記入欄)
年月日 実施日。週単位で読み取れる並びにしておく 神戸市の資料に、週に2回以上実施したことが記録から確認できない旨の指摘がある  
実施の有無 実施・中止・振替のいずれか。空欄を残さない 愛知県の資料に、入浴を行わなかった日に入浴介助加算を算定しているケースが示されている  
実施しなかった理由 本人の体調、本人の希望、その他を具体的に 金沢市の資料に、入浴を実施できない理由を記録していない事例が示されている  
入浴の方法 一般浴・機械浴・シャワー浴・清しき・部分浴の別 短期入所系・特定施設系の確認項目に「方法」が含まれる  
開始・終了時刻 浴室に入った時刻と出た時刻。実測値 豊島区の資料に、実際に行われている入浴介助について所要時間の記載がない事例が示されている  
介助の内容 移乗・脱衣・洗身・洗髪・洗体の部位ごとの介助の程度 「入浴実施」だけでは提供したサービスの内容が読み取れないため  
介助した職員 介助に当たった職員の氏名と人数 愛知県の資料に、入浴介助に関する研修を実施していない介護職員に関する指摘がある  
皮膚の観察 部位・大きさ・色・前回との違い。見た事実だけを書く 施設系の確認項目に褥瘡予防体制が併記されている  
バイタル 入浴前後の体温・血圧・脈拍。測定しなかった場合はその旨 中止の判断の根拠を後から説明できるようにするため  
本人の様子 表情・発語・動作。入浴前後の変化 日々のサービスについて心身の状況等を記録することが確認項目にあるため  
拒否があった場合の経過 誰が、どう声をかけ、どう応じられたか 提供の経過を後から説明できるようにするため  
清しきに替えた場合の内容 替えた理由と、実際に拭いた部位・所要時間 神戸市の資料に、入浴に代えて清しきを実施した場合にその旨と入浴困難な理由を記録していない旨の指摘がある  
医療的な配慮の内容 誰の指示に基づき、何をどう扱ったか 指示の出どころを記録に残すため  
使用した設備・用具 浴槽の種類、シャワーチェア、リフト、手すり等 神戸市の資料に、特別浴槽の使用状況に関する指摘が示されている  
ヒヤリハット・事故 浴室内でのふらつき・接触等と、その後の対応 ヒヤリハットの記録が確認文書に挙がっているため  
記入者・確認者 書いた職員と、内容を確認した職員 記録の作成責任を明らかにするため  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

入浴の方法の書き分け——8通りの言葉を混ぜない

方法の欄は、事業所内で言葉を1通りに揃えておかないと集計できません。「お風呂」「入浴」「浴室利用」が同じ記録の中に混ざると、週の回数を数えられなくなります。次の8通りで固定することをおすすめします。

方法の呼び名 この語を使う場面 記録に必ず添える内容
一般浴 個浴槽・大浴槽に、座位を保って入られた場合 浴槽の出入りの介助の程度、湯に浸かっていた時間
リフト浴 座位を保てるが移乗にリフトを用いた場合 リフトの種類、装着時の職員数、装着中の様子
機械浴(座位型) 専用の椅子型浴槽を用いた場合 座位の保持の状況、ベルトの使用の有無
機械浴(臥位型) ストレッチャー型の浴槽を用いた場合 移乗の職員数、体位の保持、湯温の確認
シャワー浴 浴槽に浸からず、シャワーのみを行った場合 浴槽に入らなかった理由、洗身の範囲
清しき(全身) 入浴に代えて全身を拭いた場合 入浴が困難であった理由、拭いた部位、所要時間
清しき(部分) 陰部・背部など一部を拭いた場合 部位を限った理由、拭いた部位
部分浴(足浴・手浴) 足や手のみを湯に浸けた場合 部分浴とした理由、浸けていた時間、皮膚の状態

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

入浴の場面別の完成文28例

ここでも「いつ・どこで・誰が・何をして・何を見たか」の順です。医学的な判断を書かず、観察した事実と、誰に報告し誰の指示で動いたかを書きます。

場面 そのまま貼れる完成文
通常の入浴(一般浴・一部介助) 10時20分から10時42分まで、個浴槽にて一般浴を実施。脱衣は上衣をご本人、下衣を職員が介助。浴槽への出入りは右手すりを使用し、左側から職員1名が腰を支えた。洗身は前面をご本人が行い、背部と足先を職員が介助。洗髪は職員が実施した。湯に浸かっていた時間は約5分。入浴前の体温36.4℃、入浴後36.8℃。終始「気持ちいい」と発語があり、表情は穏やかであった。
通常の入浴(一般浴・見守り) 13時05分から13時25分まで、個浴槽にて一般浴を実施。移動から脱衣、洗身、浴槽の出入りまでご本人が行い、職員は浴室内で見守りを行った。浴槽をまたぐ際に手すりを使われており、動作に不安定さは見られなかった。洗髪のみ、後頭部に手が届きにくい様子があったため声をかけて介助した。入浴後、ご本人より「今日は自分でできた」との発語あり。
通常の入浴(機械浴・全介助) 11時00分から11時20分まで、臥位型の機械浴を実施。居室からストレッチャーへの移乗は職員2名で行い、浴室内での体位の保持は右側臥位を基本とした。洗身・洗髪はいずれも全介助。湯温は40度に設定し、入浴前に職員が手で確認している。入浴中は閉眼されていたが、声かけには開眼して頷かれた。入浴前の体温36.2℃、血圧118/68mmHg、入浴後の体温36.6℃。
シャワー浴 14時10分から14時25分まで、シャワーチェアを使用しシャワー浴を実施。ご本人より「今日は湯船はやめておく」との希望があったため、浴槽には入られていない。洗身は前面をご本人、背部と下肢を職員が介助。座位は安定しており、傾きは見られなかった。実施後、脱衣室にて水分を200ミリリットル摂取されている。
体調により中止(体温の測定値による) 9時40分、入浴前の測定にて体温37.9℃であった。看護職員へ報告し、看護職員が全身の状態を確認のうえ、本日の入浴は見合わせることとなった。ご本人へその旨を説明し「わかった」との返答を得ている。11時と14時に再度測定し、それぞれ37.5℃、37.2℃。ご家族へは16時に電話で経過をお伝えした。本日、入浴および清しきは実施していない。
体調により中止(本人の訴えによる) 10時30分、入浴の準備中に「今日はだるいので入りたくない」との発語があった。職員が状態を確認したところ、体温36.6℃、血圧126/78mmHgで測定値に大きな変動はなかったが、ご本人の希望を尊重し本日の入浴は行わないこととした。看護職員へ報告済み。午後は臥床して過ごされ、15時には「少し楽になった」との発語があった。次回の利用日に改めて希望を伺うこととする。
清しきに変更(体調による) 10時15分、入浴前の測定で体温37.4℃であったため看護職員へ報告し、看護職員の指示により本日は入浴に代えて清しきを実施した。10時25分から10時45分まで、居室にて上半身・下半身・陰部を蒸しタオルで清拭。実施は職員2名。皮膚に新たな変化は見られず、発汗が見られた背部は重ねて拭いている。清しきに替えた理由と実施内容を入浴記録の該当欄に記載した。
清しきに変更(本人の希望による) 13時30分、浴室へ誘導したところ「今日は湯には入りたくない」との発語が続いたため、ご本人と相談のうえ清しきに変更した。13時40分から13時58分まで、脱衣室にて上半身と足部を清拭し、更衣を行った。拒まれた理由について「寒いから」との発語があったため、浴室と脱衣室の室温を確認し、次回は入室前に暖房を入れておくこととした。
部分浴(足浴)に変更 14時00分から14時18分まで、フロアにて足浴を実施。全身浴を見合わせた理由は、前日にご家族から「昨夜あまり眠れていない」との申し送りがあり、本人にも「今日は軽くしたい」との希望があったため。湯温は39度、両足を約10分浸けた。実施中は「あたたかい」との発語があり、実施後は表情がやわらいでいた。両足の爪の伸びが目立ったため、看護職員へ報告している。
皮膚に変化があった(発赤) 入浴時の観察にて、仙骨部におよそ2センチメートル大の発赤を確認した。前回の入浴時(3日前)の記録には同部位の記載がない。押しても色の変化がないかを確認したうえで、直ちに看護職員へ報告。看護職員が同部位を観察し、その指示により当該部位への刺激を避けて洗身を行った。ご家族へは同日中に電話で経過をお伝えし、担当の介護支援専門員へも連絡している。
皮膚に変化があった(内出血) 脱衣時に、右前腕の外側におよそ3センチメートル大の紫色の変色を確認した。ご本人に伺うと「いつできたかわからない」との返答。ご家族に電話で確認したところ「昨夜、机の角にぶつけたようだ」とのことであった。看護職員へ報告し、当該部位を避けて洗身を実施。経過を見るため、翌回の入浴時に同部位を再度観察することとし、申し送りに記載した。
皮膚に変化があった(乾燥・掻いた跡) 洗身時、両下腿の広い範囲に皮膚の乾燥と、線状の掻いた跡を確認した。ご本人より「夜になるとかゆい」との発語あり。看護職員へ報告し、看護職員の指示により洗身は泡で優しく行い、熱い湯を直接当てないよう配慮した。ご家族へ、主治医へご相談いただくようお伝えしている。翌回以降も同部位を継続して観察することとした。
既存の部位を継続して観察した 前回から継続して観察している左踵部について、本日の入浴時に確認した。発赤の範囲は前回とほぼ同じで、皮膚の破れは見られなかった。看護職員が同席のうえ確認している。洗身時は当該部位に直接シャワーを当てず、押さえるように洗った。観察した内容を入浴記録と、看護職員が管理する経過の記録の両方に記載している。
拒否された(入浴に至った) 10時00分、浴室への誘導時に「入りたくない」との発語があった。理由を伺うと「他の人と一緒は嫌だ」とのことであったため、他の利用者の入浴が終わる11時以降に個別に案内することを提案。ご本人が了承され、11時10分から11時30分まで一般浴を実施した。入浴中の表情は穏やかで、「これなら落ち着く」との発語があった。今後は個別の時間帯で案内することとし、計画の見直しの際に反映する。
拒否された(中止に至った) 13時00分から3回にわたり声をかけたが、いずれも「今日は入らない」との返答であった。無理に促さず、本日の入浴は見合わせることとした。着替えのみ実施し、身体の清潔については蒸しタオルで手と顔を拭くことにご了承をいただいている。ご家族へ16時に電話で経過をお伝えし、次回の利用日に改めて案内することをお伝えした。担当の介護支援専門員へも同日中に連絡している。
医療的な配慮がある方(ストーマ) ストーマを装着されているため、入浴前に装具の状態を確認したうえで、看護職員の指示に従い装具を装着したまま一般浴を実施した。湯は装具部に直接当てないようにし、洗身時は周囲を泡で優しく洗っている。入浴後、看護職員が装具の状態を確認し、交換を行った。皮膚の周囲に新たな変化は見られていない。手順は看護職員が作成した個別の留意事項に沿っている。
医療的な配慮がある方(軟膏の塗布) 入浴後、看護職員の指示に基づき、両下腿へ処方された軟膏の塗布を看護職員が行った。介護職員は更衣の介助のみを担当している。塗布した部位と時刻は看護職員の記録に記載され、入浴記録には「入浴後、看護職員により処置あり」と記載した。当該部位について、入浴中の観察で新たな変化は見られていない。
医療的な配慮がある方(点滴・留置がある方) 留置されている部位があるため、事前に看護職員へ確認し、その指示のもと当該部位を濡らさない方法でシャワー浴を実施した。当該部位は防水の被覆材で覆い、入浴後に看護職員が状態を確認している。介護職員は洗身と更衣を担当し、当該部位には触れていない。実施の可否と方法は、その都度看護職員の確認を得ることとしている。
初回の入浴 初回利用のため、入浴の前にご本人へ浴室内を案内し、手すりの位置とシャワーチェアの高さを一緒に確認した。11時00分から11時28分まで、職員2名で一般浴を実施。脱衣・洗身の動作を確認しながら進め、浴槽の出入りは右手すりを使用して自力で行えることを確認した。所要時間が普段より長くなることを見込み、この日は最後の順とした。次回以降の介助の程度について、入浴後に機能訓練指導員へ申し送りしている。
居宅の浴室環境を踏まえた入浴 先日の居宅訪問で確認した自宅の浴室(浴槽の縁の高さ約50センチメートル、手すりは浴槽右側にのみ設置)を踏まえ、事業所でも右手すりを使って浴槽をまたぐ動作を行っていただいた。またぐ際、左足を上げる動作に時間を要したため、職員は左側から腰を支えている。動作の状況を機能訓練指導員へ伝え、計画の見直しの材料とすることとした。
入浴の順を変更した 本日は入浴の希望者が多く、ご本人が普段の2番目から5番目となった。ご本人へ事前に伝え「かまわない」との返答を得ている。待ち時間はフロアで新聞を読んで過ごされた。入浴は11時40分から12時00分まで実施。順の変更により昼食の開始が10分遅くなったことを業務日誌に記載した。
ヒヤリハット(浴室内でのふらつき) 10時35分、洗い場でシャワーチェアから立ち上がられた際に、左方向へふらつきが見られた。職員が左腕を支えたため転倒には至っていない。床に泡が残っていたことが要因として考えられたため、以後は洗身のたびに床を流す手順とした。ご本人に痛みや打撲の訴えはなく、外傷も確認されていない。ヒヤリハット記録に記載し、当日の申し送りで共有した。
ヒヤリハット(湯温) 10時50分、シャワーの湯温がご本人の希望より高く、「熱い」との発語があった。直ちにシャワーを止め、湯温を確認したところ42度であった。40度に下げて再開し、皮膚の赤みや痛みの訴えがないことを確認している。以後、シャワーの使用前に職員が前腕内側で湯温を確認する手順を徹底することとし、浴室内に手順を掲示した。
更衣に時間を要した 入浴後の更衣に約15分を要した。上衣の袖を通す動作でご本人が右肩を動かしにくそうにされており、「肩が上がりにくい」との発語があった。前開きの衣類であれば動作が楽であることを一緒に確認し、ご家族へ次回以降の持ち物としてご相談することとした。痛みの訴えは入浴中にはなく、更衣時のみであったため、看護職員へ報告している。
洗身をご本人が行われた 本日は前面・両上肢・両大腿までをご本人が洗われた。背部と足先のみ職員が介助。前回は前面のみであったため、洗える範囲が広がっている。ご本人より「タオルを長いものに替えたら届くようになった」との発語あり。使用している長柄のタオルを継続して用いることとし、機能訓練指導員へ申し送った。
洗髪のみ実施した 本日はご本人の希望により、浴槽には入らず洗髪のみを実施した(14時00分から14時12分)。理由は「昨日自宅で入ったので、頭だけ洗いたい」とのこと。洗い場のシャワーチェアに座り、後屈の姿勢を保てるよう職員が後頸部を支えた。実施後、ドライヤーで乾かすまでを介助している。全身の入浴は行っていないため、記録の方法欄には「洗髪のみ」と記載した。
入浴前後のバイタルを測定した 入浴前(10時10分)体温36.5℃、血圧132/80mmHg、脈拍74回/分。入浴後(10時45分)体温36.9℃、血圧124/76mmHg、脈拍80回/分。いずれも看護職員が測定した。入浴後に「少しふわっとする」との発語があったため、脱衣室の椅子で5分間座って過ごしていただき、その後の歩行に不安定さは見られなかった。水分を200ミリリットル摂取されている。
入浴日が行事日に当たり別の日に実施した 本日は行事のため入浴を実施しなかった。ご本人・ご家族に事前にお伝えし、代替として翌日の午前に一般浴を実施することとした。翌日の実施予定を入浴記録の該当欄に記載し、当日の朝の申し送りで担当職員へ引き継いでいる。週単位で実施回数が確認できるよう、入浴記録の様式は1週間を1行で見られる形としている。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

入浴介助に関する計画の書き方——誰がどの方法で介助するかを個別に書く

入浴に関する指摘のうち、記録ではなく計画に向けられているものが少なくありません。福井市の資料には、入浴介助加算について「個別の入浴計画が不十分」という指摘が挙げられ、個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合はその記載をもって作成に代えることができる旨が示されています。宇都宮市の資料には、利用者宅の訪問により把握した居宅の浴室の環境を踏まえた個別の入浴計画が作成されていない、という指導事例が示されています。仙台市の資料には、通所リハビリテーションについて、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価している記録が確認できなかった旨と、把握した課題及び支援内容等が計画に具体的に記載されていなかった旨が挙げられています。

3つの自治体が、別々に、同じ場所を指しています。すなわち「訪問して見た浴室の様子」と「計画に書かれた支援の内容」がつながっていない、という指摘です。

入浴に関する計画に置く欄——12項目

入浴に関する計画を単独の様式で作るか、個別サービス計画の中に書き込むかは事業所によって異なります。どちらの形であっても、次の12の欄が埋まっているかどうかで読まれ方が変わります。

書く内容 個別性が出る書き方のこつ 貴事業所の計画(記入欄)
本人の希望 入浴について、ご本人の言葉で語られた希望 「入浴希望あり」ではなく、発語をそのまま引用する  
家族の意向 ご家族が入浴について望んでいること 自宅での入浴の状況と、事業所に何を期待しているか  
自宅の浴室の状況 訪問して把握した浴室の構造と環境 浴槽の縁の高さ、手すりの位置と本数、床材、段差を数値で  
自宅での動作の状況 訪問時に確認した、ご本人の実際の動作 「またぐ」「立ち上がる」など動作の単位で記述する  
事業所の設備との違い 自宅と事業所の浴室の相違点 手すりの位置が左右逆、縁の高さが異なる等を具体的に  
入浴の方法 一般浴・機械浴・シャワー浴・清しき等の別 「状況により判断」で終わらせず、既定の方法と代替の方法を両方書く  
介助の程度 動作ごとに、自立・見守り・一部介助・全介助を書き分ける 移乗/脱衣/洗身/洗髪/浴槽の出入り/更衣ごとに分ける  
介助する職員 誰が介助に当たるか。人数と職種 「職員」ではなく職種と人数を書く  
留意事項 皮膚の状態、医療的な配慮、拒否があったときの声のかけ方 過去に効果があった具体的な声かけを、そのまま書き写す  
目標 入浴に関して目指す状態と、その期間 「清潔保持」で終わらせず、動作の水準で書く  
作成に関わった職種 共同して作成した職種と氏名 宇都宮市の資料に、多職種で共同したことが分かる記録が挙げられている  
見直しの時期 次に見直す時期と、そのきっかけ 期日だけでなく「動作に変化があったとき」の条件も書く  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

入浴に関する計画の記載例12例——「一部介助」を12通りに書き分ける

個別性が消える最大の原因は、「一部介助」という3文字ですべての人を書いてしまうことです。同じ「一部介助」でも、どの動作のどこを介助するかは人ごとに違います。そのまま貼れる記載例を12通り並べます。

状況 計画にそのまま貼れる記載例
浴槽をまたぐ動作だけに支えが必要な方 自宅の浴槽は縁の高さ約50センチメートル、手すりは浴槽右側に1本。ご本人は右手すりを使い、右足からまたぐ動作は行えるが、左足を上げる際に体幹が左へ傾く。事業所では左側から職員1名が骨盤部を支え、またぐ動作のみを介助する。洗身・洗髪・更衣は見守りとし、手を出さない。目標は「左足をまたぐ際の傾きが小さくなり、支えが手を添える程度で済むこと」(見直しは3か月後、または動作に変化があったとき)。
洗身の背部だけが届かない方 洗身は前面・両上肢・両大腿までご本人が行える。背部と足先には手が届かないため、この2か所のみ職員1名が介助する。長柄のタオルを使用することで洗える範囲が広がっているため、事業所でも同じ用具を用いる。脱衣・更衣・浴槽の出入りは見守り。目標は「長柄のタオルを用いて背部の下方まで自分で洗えること」(見直しは3か月後)。
座位の保持に不安がある方 洗い場では背もたれと肘掛けのあるシャワーチェアを使用する。座位は保てるが、洗髪で後屈する際に右へ傾くため、職員1名が後頸部を支える。浴槽への出入りはリフトを用い、装着と昇降は職員2名で行う。洗身は前面をご本人、背部・下肢を職員が介助。留意事項として、傾きが見られた場合は直ちに動作を中断し、座位を整えてから再開する。
拒否が見られる方 他の利用者と同じ時間帯の入浴に強い抵抗が見られるため、他の利用者の入浴が終わった11時以降に個別に案内する。誘導の際は「お背中だけでも流しましょうか」と具体的な行為を挙げて声をかける方法が有効であったため、この声かけを用いる。応じられない場合は無理に促さず、清しき(全身)に切り替える。切り替えた場合はその理由と実施内容を記録する。介助は担当職員1名が継続して行う。
皮膚の観察が重点になる方 仙骨部と両踵部に発赤が見られた経過があるため、入浴のたびに当該部位を観察し、部位・大きさ・色を記録する。洗身時は当該部位に直接シャワーを当てず、泡で押さえるように洗う。観察した内容は看護職員へその日のうちに報告し、看護職員の記録と入浴記録の両方に残す。介助は介護職員1名と看護職員1名で行う。見直しは1か月後とし、皮膚の状態に変化があった場合はその時点で行う。
入浴後にふらつきが見られる方 入浴後に「ふわっとする」との発語が続いているため、入浴前後に看護職員が体温・血圧・脈拍を測定する。入浴後は脱衣室の椅子で5分間座って過ごしていただき、歩行前に職員が声をかけて反応と姿勢を確認する。水分を200ミリリットル摂取いただく。浴槽に浸かる時間は5分を目安とする。留意事項として、測定値に普段と異なる変動が見られた場合は看護職員へ報告し、その指示に従う。
自宅と事業所で手すりの位置が逆の方 自宅の浴槽の手すりは右側、事業所の個浴槽は左側にある。自宅での動作に近づけるため、事業所では右手で握れる可動式の手すりを浴槽右側に取り付けたうえで使用する。またぐ順は自宅と同じく右足から行う。目標は「自宅と同じ手順で浴槽の出入りが行えること」とし、機能訓練指導員が月1回、動作を確認する。
更衣に時間がかかる方 右肩の可動域が狭く、上衣の袖を通す動作に時間を要する。前開きの衣類であれば動作が容易であることを確認しているため、ご家族に前開きの上衣をご用意いただく。更衣は職員1名が右袖のみを介助し、左袖と下衣はご本人が行う。所要時間は約15分を見込み、入浴の順を早めに設定する。目標は「前開きの上衣であれば右袖も自分で通せること」(見直しは3か月後)。
医療的な配慮がある方 ストーマを装着されているため、入浴の可否と方法についてはその都度看護職員が確認する。既定の方法は、装具を装着したまま一般浴を実施し、湯を装具部に直接当てないこととする。装具の状態の確認と交換は看護職員が行う。介護職員は移乗・洗身・更衣を担当し、装具には触れない。手順は看護職員が作成した個別の留意事項に沿うこととし、変更があった場合は速やかに計画へ反映する。
認知症により手順の理解が難しい方 脱衣・洗身の手順を一度にお伝えすると動作が止まるため、1つの動作ごとに短い言葉で声をかける(「上着を脱ぎましょう」「次は腕を洗いましょう」)。鏡に映るご自身の姿に驚かれることがあるため、脱衣室では鏡の前を避けて誘導する。介助は担当職員1名が継続して行い、担当が替わる場合は事前にご本人へ紹介する。留意事項として、動作が止まった場合は待ち、急かさない。
入浴を清しきに切り替える基準がある方 体温の測定値や、ご本人の訴えにより入浴を見合わせる場合がある。その場合の代替として、居室にて全身の清しきを実施する。清しきに切り替えた場合は、切り替えた理由・拭いた部位・所要時間を記録し、看護職員へ報告する。切り替えが2回続いた場合は、担当の介護支援専門員へ連絡し、ご家族と相談する。既定の方法は個浴槽による一般浴とする。
週の実施回数を確保する必要がある方 ご家族から「自宅では入浴が難しい」との申し出があり、事業所での入浴が清潔保持の中心となっている。行事日・祝日等により入浴日が確保できない場合は、翌日または前日に代替日を設ける。代替日を設けた場合は、その旨を入浴記録に記載する。記録の様式は1週間を1行で見られる形とし、週単位で実施状況を確認できるようにする。介助は職員2名で行い、方法は機械浴(座位型)とする。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

入浴介助に関わる加算の対照表——定めと、貴事業所の記録

入浴介助に関わる加算については、この記事は判定をしません。自治体の公表資料に「告示・通知の定め」として示されている内容を左の列に置き、それに対応する貴事業所の記録の在りかを中央の記入欄に書き込む形にします。右の列はすべて「ご確認ください」です。該当の有無を判断するのは保険者(指定権者)であり、この記事ではありません。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

自治体資料に示されている定め 貴事業所の記録(記入欄) 判断
福井市の資料に、入浴介助に関わる職員に対し、入浴介助に関する基礎的な知識及び技術を習得するための研修等を行うことが示されている 研修の実施日・対象者・内容を記録した文書:  ご確認ください
愛知県の資料に、研修を実施していない介護職員の入浴介助に関する指摘が示されている 入浴介助に当たった職員と、研修の受講者名簿を突合した記録:  ご確認ください
仙台市の資料に、利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価している記録が求められる旨が示されている 居宅訪問の実施日・訪問者・把握した浴室の環境を記載した記録:  ご確認ください
宇都宮市の資料に、訪問により把握した居宅の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成する旨が示されている 個別の入浴計画(または該当記載のある個別サービス計画)の該当箇所:  ご確認ください
宇都宮市の資料に、機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、医師等との連携の下で作成する旨が示されている 多職種で共同したことが分かる記録(会議録・署名欄等):  ご確認ください
福井市の資料に、個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合はその記載をもって作成に代えることができる旨が示されている 個別サービス計画の中で入浴に関する記載がある欄の名称:  ご確認ください
愛知県の資料に、入浴を行わなかった日の算定に関する指摘が示されている 入浴の実施の有無を日ごと・利用者ごとに記録している様式名:  ご確認ください
神戸市の資料に、清しきのみの実施、入浴を中止した日の取扱いに関する指摘が示されている 入浴と清しきを区別して記録している欄:  ご確認ください
豊島区の資料に、加算を算定した日の提供記録に入浴サービスを提供した記録が確認できなかった事例が示されている 請求前に提供記録と実績を突合する手順と担当者:  ご確認ください
堺市の資料に、居宅の浴室環境の評価が計画に反映されていない、居宅の浴室が再現できていない旨の留意点が示されている 自宅の浴室と事業所の設備の相違点を記載した箇所:  ご確認ください

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

悪い例/良い例——「送迎あり」「入浴実施」で終わっている記録を書き直す32組

ここまでの内容を、書き直しの形でまとめます。左は実際によく見る書き方、右は時刻・介助の内容・観察した事実までを含めた書き方です。右の文はそのまま貼れます。

書き直し16組——送迎

悪い例 良い例
送迎あり 往路:8時40分自宅前着、8時46分発、9時05分事業所着。玄関から車まで手引き歩行にて介助。復路:16時10分事業所発、16時32分自宅着、玄関内まで介助。
いつもどおり 普段と同じ経路・同じ座席で乗車された。乗車時の動作、車内での発語ともに前回と変わりはなかった。乗車8時44分、事業所到着9時05分。
送迎時、特変なし 乗車から降車まで、姿勢の崩れや表情の変化は見られなかった。車内で他の利用者と天気の話をされていた。降車時のふらつきもなく、玄関内まで自力で歩かれている。
本人を送った 16時10分に事業所を出発し、16時32分に自宅前へ到着。玄関内の上がり框まで手引き歩行にて介助し、同居のご長女へ本日の様子を口頭で伝えた。16時38分に自宅前を出発。
家族送迎のため送迎なし 本日の往路はご長女の運転により来所された(9時00分着)。理由は「受診の帰りに立ち寄るため」で、前日にご家族から申し出があった。復路は事業所の2便を利用(16時10分発、16時35分着)。送迎記録の往路欄に「家族送迎(長女)」と記載。
欠席 7時50分にご長女より「本人が微熱のため休む」との電話連絡あり(受電:生活相談員)。1便の経路から当該利用者を外し、7時55分に運転者へ伝達。本日のサービス提供および送迎は行っていない。9時30分に担当の介護支援専門員へ連絡済み。
遅刻 国道の渋滞により事業所への到着が予定の9時00分より18分遅れ、9時18分となった。車内での様子に変化はなく、全員の状態を同乗の介護職員が確認している。遅れた旨と所要時間を業務日誌に記載した。
拒否あり 8時50分、自宅玄関にて「今日は行きたくない」との発語あり。理由を伺うと「疲れている」とのことで、玄関で5分ほど話を伺った。「昼食だけでも」とお伝えしたところ応じられ、9時00分に乗車。車内では表情がやわらいでいた。
ご家族不在 16時30分に自宅前へ到着したが施錠されており、ご家族の姿が見えなかった。事業所へ連絡し、生活相談員よりご長女の携帯へ架電。「あと10分で戻る」との返答を得たため車内でお待ちいただき、16時42分に帰宅されたご長女へ玄関内でお引き渡しした。待機中は同乗の介護職員が見守っている。
体調不良のため戻る 9時05分、車内にて「気分が悪い」との発語があり、顔色が普段より白く、発汗が見られた。運転者が安全な場所へ停車し、同乗の介護職員が状態を確認のうえ事業所へ連絡。看護職員の指示により自宅へ引き返し、9時20分に到着。ご長女へ経過を伝え、同日中に担当の介護支援専門員へ連絡した。
雪のため遅れた 降雪により坂道の通行が困難であったため迂回経路を用いた。自宅前まで車両を寄せられず、約20メートル手前の平坦な場所に停車。歩行の介助を2名で行い車まで誘導した。事業所到着は9時25分(通常より15分遅い)。
4名乗車 1便は利用者4名が乗車。前列にAさん(左)、中列にBさん(右)とCさん(左)、後列にDさん(右)とし、立ち上がりの見られるCさんを同乗の介護職員の正面に配置した。全員のシートベルトの装着を出発前に2名で確認している。
ヒヤリハットあり 8時48分、降車時に左足が地面に着いた直後にふらつきが見られた。介助者が右腕を支えたため転倒には至っていない。乗降位置の路面がわずかに傾斜していたことが要因として考えられたため、翌日から停車位置を約3メートル前方へ変更した。ヒヤリハット記録に記載し、翌日の申し送りで共有。
待ち時間あり 2番目の利用者宅にて、ご家族の準備のため8時41分から8時50分まで9分間の待機が生じた。待機中、車内には利用者2名が乗車しており運転者が見守りを行った。この待機時間はサービスの提供時間には含めず、送迎記録の待機欄にのみ記載している。
経路変更 従来の経路が道路工事のため通行止めであったことから、本日は県道側を経由する経路に変更した。所要時間は通常より約8分長く、事業所到着は9時13分。工事期間中は同経路を用いることとし、送迎表の経路欄に注記した。
鍵を開けて入った 復路の到着後、あらかじめの取り決めに従い玄関の鍵を用いて解錠し、居室内の椅子まで誘導した。施錠は職員が行い、鍵は玄関内の所定の場所(下駄箱上の小箱)へ戻している。鍵を預かって持ち帰ることはしていない。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

書き直し16組——入浴

悪い例 良い例
入浴実施 10時20分から10時42分まで個浴槽にて一般浴。脱衣は上衣をご本人、下衣を職員が介助。浴槽の出入りは右手すりを使用し左側から腰を支えた。洗身は前面をご本人、背部と足先を職員が介助。湯に浸かっていた時間は約5分。
入浴介助 洗身のうち背部と足先のみ職員1名が介助した。前面・両上肢・両大腿はご本人が長柄のタオルを用いて洗われている。洗髪は後頭部に手が届きにくい様子があったため声をかけて介助した。
入浴なし 9時40分の測定にて体温37.9℃であった。看護職員へ報告し、看護職員が全身の状態を確認のうえ本日の入浴は見合わせた。11時に37.5℃、14時に37.2℃を再測定。16時にご家族へ電話で経過をお伝えした。本日、入浴および清しきは実施していない。
清拭対応 入浴前の測定で体温37.4℃であったため看護職員へ報告し、その指示により入浴に代えて清しきを実施した。10時25分から10時45分まで、居室にて上半身・下半身・陰部を蒸しタオルで清拭(職員2名)。切り替えた理由と実施内容を入浴記録の該当欄に記載。
皮膚トラブルあり 仙骨部におよそ2センチメートル大の発赤を確認した。前回の入浴時(3日前)の記録には同部位の記載がない。直ちに看護職員へ報告し、看護職員が同部位を観察のうえ、その指示により当該部位への刺激を避けて洗身した。ご家族と担当の介護支援専門員へ同日中に連絡している。
拒否のため入浴せず 13時00分から3回にわたり声をかけたが、いずれも「今日は入らない」との返答であった。無理に促さず本日の入浴は見合わせ、着替えのみ実施。手と顔を蒸しタオルで拭くことにご了承をいただいた。16時にご家族へ経過をお伝えし、担当の介護支援専門員へも連絡している。
機械浴 11時00分から11時20分まで臥位型の機械浴を実施。居室からストレッチャーへの移乗は職員2名。浴室内での体位は右側臥位を基本とした。洗身・洗髪はいずれも全介助。湯温は40度に設定し、入浴前に職員が手で確認している。
バイタル問題なし 入浴前(10時10分)体温36.5℃、血圧132/80mmHg、脈拍74回/分。入浴後(10時45分)体温36.9℃、血圧124/76mmHg、脈拍80回/分。いずれも看護職員が測定。入浴後に「少しふわっとする」との発語があったため脱衣室の椅子で5分間座って過ごしていただいた。
シャワーのみ ご本人より「今日は湯船はやめておく」との希望があり、浴槽には入らずシャワーチェアを使用してシャワー浴を実施した(14時10分から14時25分)。洗身は前面をご本人、背部と下肢を職員が介助。座位は安定しており傾きは見られなかった。
いつもどおり入浴 普段と同じ個浴槽・同じ順番で入浴された。浴槽の出入り、洗身の範囲ともに前回と変わりはない。入浴中の発語は「気持ちいい」の1度で、表情は穏やかであった。所要時間は22分で、前回(20分)とほぼ同じ。
ストーマあり ストーマを装着されているため入浴前に装具の状態を確認し、看護職員の指示に従い装具を装着したまま一般浴を実施した。湯は装具部に直接当てず、周囲を泡で優しく洗っている。入浴後、看護職員が装具の状態を確認し交換を行った。
軟膏塗布 入浴後、看護職員の指示に基づき、両下腿へ処方された軟膏の塗布を看護職員が行った。介護職員は更衣の介助のみを担当している。塗布した部位と時刻は看護職員の記録に記載し、入浴記録には「入浴後、看護職員により処置あり」と記載した。
ふらつきあり 10時35分、洗い場でシャワーチェアから立ち上がられた際に左方向へふらつきが見られた。職員が左腕を支えたため転倒には至っていない。床に泡が残っていたことが要因として考えられたため、以後は洗身のたびに床を流す手順とした。痛みや打撲の訴えはなく、外傷も確認されていない。
初回入浴 初回利用のため、入浴の前に浴室内を案内し手すりの位置とシャワーチェアの高さを一緒に確認した。11時00分から11時28分まで職員2名で一般浴を実施。浴槽の出入りは右手すりを使用して自力で行えることを確認した。所要時間が長くなることを見込み、この日は最後の順とした。
行事のため入浴なし 本日は行事のため入浴を実施しなかった。ご本人・ご家族に事前にお伝えし、代替として翌日の午前に一般浴を実施することとした。翌日の実施予定を入浴記録の該当欄に記載し、当日の朝の申し送りで担当職員へ引き継いでいる。
足浴 14時00分から14時18分までフロアにて足浴を実施。全身浴を見合わせた理由は、前日にご家族から「昨夜あまり眠れていない」との申し送りがあり、本人にも「今日は軽くしたい」との希望があったため。湯温39度で両足を約10分浸けた。両足の爪の伸びが目立ったため看護職員へ報告している。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

32組を並べると、良い例に共通しているものが見えます。①時刻が実測であること、②介助の内容が動作の単位で書かれていること、③観察した事実が書かれていること、④行わなかった場合は理由が書かれていること、⑤誰に報告し誰の指示で動いたかが書かれていること——この5つです。逆にいえば、悪い例に足りないのはこの5つだけです。書く量を増やすのではなく、この5つの穴を埋めるだけで記録は変わります。

運営指導で見られる点と、1年間の運用・手元に残す記録

最後に、公表されている指摘を出典つきで並べ、1年間どう回すかと、手元に何を残すかを記入欄の形にします。ここに挙げたものは、すべて自治体が公表している資料に実在する事例です。

公表事例——送迎に関するもの12件

公表されている指摘・指導の内容 出典(自治体・資料) 自事業所での確認(記入欄)
送迎減算について、送迎をしなかった理由が分かる記録がない事例が挙げられ、「家族の送迎」等の理由が記録されていない例が示されている。報酬請求の挙証資料となるため送迎をしなかった理由も記録することが示されている 津山市環境福祉部高齢介護課「令和5年度 津山市 地域密着型サービス事業者 集団指導資料」  
「送迎を行わない場合の減算を行った利用者について、個別サービス計画に送迎が往復か片道かの位置づけがなかったので、確実に記載してください」と示されている 新潟市福祉部福祉監査課「介護サービス事業所への指導監査、加算・減算のポイント」(令和7年度 集団指導資料)  
「送迎時における待ち時間をサービス提供時間に含めてしまっている」がよくある指摘事項に挙げられ、送迎未実施減算として「送迎の有無について記録が確認できない」が示されている 堺市「令和8年度 集団指導 居宅事業所編」  
「送迎を行っていないのに減算していない。送迎を行わなかった日に減算が漏れている」との指摘が示されている 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」  
個々の利用者の事業所への到着時間及び出発時間が明確に記録されておらず、請求した報酬区分との整合性が確認できない事例が示されている 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護に関する事項)」資料4  
「サービス提供の記録の開始・終了時間が、介護サービス計画に位置付けられた標準的な時間が記載されていた」が挙げられ、改善指示として実際の時間を記載することが示されている 横浜市健康福祉局介護事業指導課「令和7年度 横浜市介護サービス事業者等集団指導講習会資料(各サービス共通編)」  
「生活相談員として配置されている時間に利用者の送迎を行ってしまい、配置時間を満たさなくなってしまうという事例が見受けられます」と示されている 埼玉県福祉部福祉監査課「運営指導での主な指摘事項に関するQ&A ー介護保険 居宅サービス事業所ー」(令和8年4月)  
「生活相談員が有給休暇や市外への研修、送迎対応等により不在の時間があり、生活相談員の配置時間数を満たしていない日があることが確認された」が文書指摘として示されている 仙台市介護事業支援課「令和6年度 運営指導方針・令和5年度 運営指導結果等【居宅サービス指導係 所管サービス】」  
「送迎体制を整備しておらず、利用者を『自分で事業所に通うことができる方』に限定している」が主な指摘事例に挙げられ、減算を適用していたとしても提供を拒むことはできない旨が示されている 東京都福祉局「令和7年度集団指導(通所リハビリテーション)」  
訪問体制強化加算について「通いのサービス前後に訪問サービスが入っているが自宅内でのサービスではなく訪問回数に含むことが出来ない事例が見られました」と示されている 足立区「令和7年度 集団指導(小規模多機能型居宅介護)」  
短期入所生活介護について、家族が送迎を行っているにもかかわらず送迎加算を算定している事例が挙げられている 広島市「令和7年度運営指導の指摘事項等について」  
報告が必要な事故として「サービス提供中(送迎・通院間も含む)の怪我または死亡事故」が示され、過去約2年間で発生した事故を報告していない事例が文書指摘として挙げられている 仙台市介護事業支援課「令和6年度 運営指導方針・令和5年度 運営指導結果等【居宅サービス指導係 所管サービス】」  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

公表事例——入浴に関するもの12件

公表されている指摘・指導の内容 出典(自治体・資料) 自事業所での確認(記入欄)
利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価している記録が確認できなかった。把握した居宅の浴室の環境等における課題及び支援内容等について、計画に具体的に記載されていなかった 仙台市介護事業支援課 令和6年6月集団指導「令和6年度運営指導方針・令和5年度運営指導結果等(居宅サービス指導係所管サービス)」  
入浴介助に関する研修等を行ったことが確認できない、個別の入浴計画が不十分という指摘が挙げられている。個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合はその記載をもって作成に代えることができる旨も示されている 福井市「令和7年度 介護保険制度等に係る集団指導」  
利用者宅の訪問により把握した居宅の浴室の環境を踏まえた個別の入浴計画が作成されていない、という指導事例が示されている 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護に関する事項)」資料4  
「入浴を行わなかった日に入浴介助加算を算定しているケースが見受けられた」、および入浴介助に関する研修が未実施である旨の指示事項が示されている 愛知県 福祉局福祉部 福祉総務課監査指導室「主な指摘事項(令和7年度版)」  
入浴介助加算について「清しきのみの実施で算定している」「入浴を中止した日にも算定している」との指摘が挙げられている 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月)  
「1週間に2回以上入浴させていない。入浴が困難である場合に清しきを実施していない。入浴や清しきの実施の記録が不正確で、週に2回以上実施したことが確認できない。入浴に代えて清しきを実施した場合に、その旨と入浴困難な理由を記録していない」との指摘が挙げられている 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項」(施設向け)  
「提供した具体的なサービスの内容等を記録していない(例:入浴介助に替えて清拭を行った際の記録がない)」が指摘事項として示され、居宅の浴室環境の評価が記録されていない・評価が計画に反映されていない・居宅の浴室が再現できていないという留意点も示されている 堺市「令和8年度 集団指導 居宅事業所編」  
入浴等の実施が週1回のみであり、入浴を実施できない理由を記録していない事例が挙げられている。令和6年度に指摘が多かったものとして「介護の内容そのものが不十分(入浴回数の不足など)」が示されている 金沢市「令和7年度 介護サービス事業者集団指導 資料1」  
「サービス提供表の実績では『入浴介助加算Ⅰ』が算定されていましたが、当該日のサービス提供の記録には入浴サービスを提供した記録が確認できませんでした」が公表されている 豊島区「地域密着型通所介護事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について(令和5年度・18件)」  
「実際行われている『入浴介助』について、所要時間の記載がありませんでした」が公表されている 豊島区「地域密着型通所介護事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について(令和5年度・18件)」  
「『入浴介助加算Ⅰ』『口腔・栄養スクリーニング加算Ⅰ』を提供していますが、居宅サービス計画第1〜3表に位置付けがありませんでした」が公表されている 豊島区「地域密着型通所介護事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について(令和5年度・18件)」  
自立支援促進加算について「特別浴槽を使用している入所者がいるにも関わらず算定している」との指摘があり、原則として入所者全員が要件を満たす必要がある旨の注記が示されている 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項」(施設向け・令和7年4月7日修正)  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

24件を並べると、送迎の指摘は「時刻」と「行わなかった日の理由」に、入浴の指摘は「実施の有無」と「計画への反映」に集まっていることが読み取れます。どちらも、日々の記録の様式に該当の欄がないことが原因になり得ます。職員の書き方を変える前に、様式に欄があるかを見てください。欄がなければ、どれだけ丁寧に書いても記録には残りません。

1年間の運用——いつ、誰が、何を見るか

月ごとにやることを並べます。時期は貴事業所の事業年度に合わせて読み替えてください。頻度や期限は保険者(指定権者)により運用が異なるため、断定していません。

時期 送迎について 入浴について 担当(記入欄)
毎日(朝) 便編成・車両・運転者・同乗者を確認し、欠席と変更を反映する 当日の入浴予定者と、方法・順番・介助者を確認する  
毎日(夕) 送迎記録の空欄(時刻・理由・待機)を当日中に埋める 入浴記録の実施の有無と、中止した場合の理由を当日中に埋める  
毎週 1週間分の送迎記録を見直し、往路・復路の記載漏れを確認する 1週間分の実施状況を週単位で確認し、代替日の設定を検討する  
毎月(請求前) 送迎の実施状況と請求内容を利用者ごと・日ごとに突合する 入浴の実施記録と請求内容を利用者ごと・日ごとに突合する  
毎月(請求後) 実施地域を越えた送迎と交通費の取扱いを確認する 清しきへの切り替えが続いている方を抽出し、経過を検討する  
毎月 生活相談員の配置時間と送迎業務の時間が区分記載されているか確認する 入浴介助に当たった職員と研修の受講状況を突合する  
四半期ごと ヒヤリハット記録を集計し、乗降位置・経路・時刻の見直しを検討する ヒヤリハット記録を集計し、浴室の設備・手順の見直しを検討する  
四半期ごと 個別サービス計画の送迎に関する記載と、実際の送迎の状況を突合する 個別の入浴計画(または該当記載)と、実際の介助の状況を突合する  
半期ごと 安全運転・移乗介助に関する研修を実施し、記録を残す 入浴介助に関する基礎的な知識・技術の研修を実施し、記録を残す  
年1回 運営規程の実施地域の記載(呼び名と範囲)を確認する 入浴の提供体制と、設備・用具の状態を確認する  
年1回 重要事項説明書の交通費の起算点の記載を確認する 入浴に関する利用料以外の費用の記載を確認する  
随時 利用開始時・状態の変化時に、送迎の取決め12項目を確認し直す 利用開始時・状態の変化時に、居宅を訪問して浴室の環境を確認する  

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

手元に残す記録の一覧——保管場所と最終更新日の記入欄

運営指導の連絡が来てから探し始めると、送迎と入浴は綴りが複数の場所に散っているため時間を取られます。あらかじめ次の表を埋めておき、どこに何があるかを1枚で示せる状態にしてください。

残す記録 保管場所(記入欄) 最終更新日(記入欄) 次回の確認予定(記入欄)
送迎記録(日別・便別・利用者別)      
送迎を行わなかった日の理由の記録      
車両ごとの運行に関する記録      
送迎に関する取決めの書面(利用者ごと)      
入浴・清拭の実施記録(週単位で読み取れる様式)      
入浴を実施しなかった日の理由の記録      
個別の入浴計画(または該当記載のある個別サービス計画)      
居宅訪問の記録・浴室環境の評価記録      
入浴介助に関する研修の計画・実施記録・受講者名簿      
安全運転・移乗介助に関する研修の記録      
送迎・入浴に関するヒヤリハット記録と事故報告書      
運営規程・重要事項説明書(実施地域・交通費の記載)      

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

最後に、この記事の使い方を1つだけ。比較表①と②で自事業所の種別の行を確認し、記録項目の表で自事業所の様式に欠けている欄を洗い出し、場面別の完成文を職員に配る——この順番です。完成文だけを配っても、様式に欄がなければ書き込む場所がありません。逆に、欄を増やしただけでは何を書けばよいかが伝わりません。様式と文例は、両方そろってはじめて動きます。

なお、この記事に挙げた加算・減算に関わる内容は、いずれも判定ではありません。要件への該当や算定の可否は保険者(指定権者)にご確認ください。また、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

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介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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