公開:2026年11月8日/出典:社会保障審議会 医療保険部会(第219回)資料2
これは審議の途中の「論点」です。決まった内容ではありません。決まったときはこの記事を更新します。
要点(3行)
- 令和8年11月5日の社会保障審議会 医療保険部会(第219回)に、資料2「先行バイオ医薬品の保険給付の在り方について」が出されました。
- 「経済財政運営と改革の基本方針2026」(令和8年7月21日閣議決定)で、バイオ後続品(バイオシミラー)の普及に向けた環境整備の状況を踏まえ、先行バイオ医薬品の保険給付の在り方の見直しを検討することとされています。
- バイオシミラーへの置き換え率は金額ベースで33.7%(令和6年薬価調査)、80%以上置き換わった成分数は22.2%(4成分/18成分)と書かれています。論点は、患者の選択の機会、患者の負担、医療現場の負担のバランスです。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 会議 | 社会保障審議会 医療保険部会(第219回)。令和8年11月5日。資料2(厚生労働省 保険局) |
| 前回の論点 | 令和7年11月6日の第202回部会で、患者がバイオシミラーを選択できるよう、環境整備を進めていくこととしてはどうか、と示された |
| 政府の目標 | 「新経済・財政再生計画改革工程表2023」(令和5年12月21日)で、2029年度末までに、バイオシミラーに80%(数量ベース)以上置き換わった成分数が全体の成分数の60%(成分数ベース)以上 |
| 今の状況 | 置き換え率は金額ベースで33.7%(令和6年薬価調査)。2024年度でバイオシミラーに80%以上置き換わった成分数は22.2%(=4成分/18成分) |
| 基本方針2026 | 先行バイオ医薬品について、バイオ後続品の普及促進に向けた環境整備の状況を踏まえ、保険給付の在り方の見直しを検討する |
令和8年度診療報酬改定でしたこと(資料のまとめ)
| 項目 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 一般名処方加算の対象拡大 | バイオ後続品のあるバイオ医薬品で一般名処方を行う場合も、一般名処方加算の対象に(一般名処方加算1:8点、一般名処方加算2:6点)。一般名処方マスタに一定のバイオ医薬品を追加 |
| 医療機関のバイオ後続品使用体制加算 | 算定日を入院初日から退院日に変更。使用回数要件を見直し、少なくとも1成分で直近1年間の規格単位数量50以上を要件化。使用割合の評価対象となる成分を見直し |
| 薬局 | バイオ後続品調剤体制加算(50点)を新設。バイオ後続品の選択に係る患者への説明を特定薬剤管理指導加算3ロ(10点)の対象に追加 |
後発医薬品とバイオシミラーの違い(資料の表から)
| 項目 | 後発医薬品 | バイオシミラー |
|---|---|---|
| 有効成分 | 先発品と同一 | 先行バイオ医薬品と同等/同質(同一性の検証は困難) |
| 薬剤の特性 | 内服薬が多い | 注射薬 |
| 処方方法 | 一般名処方、銘柄名処方 | 一般名処方(R8改定より先行品もバイオシミラーも同一)、銘柄名処方。カートリッジ製剤は一般名処方の対象外 |
| 変更調剤 | 可 | 不可 |
資料によると、薬価基準に収載されているバイオ医薬品のうち20成分でバイオシミラーがあり、置き換えの状況は成分によって異なります。患者の認知度は、後発医薬品が96.2%(郵送調査)、バイオシミラーが22.2%(郵送調査)と示されています。
今回の論点
| 番号 | 資料の論点(短く) |
|---|---|
| 1 | 令和8年度改定で、バイオシミラーと後発医薬品の診療報酬上の評価や処方方法に大きな差はなくなりつつある中、患者や医師等がバイオシミラーを選べるような、更なる環境整備にどんな対応が考えられるか |
| 2 | 先行品とバイオシミラーで適応症が一致しない場合がある、注射剤が中心で外来注射・在宅自己注射など使う場面や製剤・デバイスも多様、といった特徴がある中、患者の選択機会、高額療養費の適用状況等を含む患者の負担、医療現場への負担のバランスをどうとるか |
| 3 | 製品ごとに置き換えの状況にばらつきがあり、患者の認知度が後発医薬品より低く、高額な薬剤が多い今、先行バイオ医薬品の保険給付の在り方にどんな対応が考えられるか |
一次資料:資料2 先行バイオ医薬品の保険給付の在り方について(PDF・厚生労働省)/第219回社会保障審議会医療保険部会 資料(厚生労働省)
病院・クリニックで確かめること
- 今回は論点の提示で、保険給付の見直しの中身は決まっていません。部会と中医協の資料をご確認ください。
- 令和8年度改定で、バイオ後続品のあるバイオ医薬品も一般名処方加算の対象になりました。院外処方で一般名処方を使うかどうか、お使いの電子カルテの一般名処方マスタが新しいものになっているかを、薬剤部・医事課でご確認ください。
- 入院でバイオ後続品使用体制加算を届け出ている病院は、算定日(退院日)と、直近1年間の規格単位数量の要件を、告示・通知でご確認ください。
- 在宅自己注射の患者さんなど、注射剤の切り替えには医師の判断が要ります(変更調剤はできません)。患者さんへの説明の流れを、診療科・薬剤部・外来看護で確かめておくと迷いません。
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更新履歴:初版。見直しの方向が部会・中医協で示されたときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






