公開:2026年11月6日/出典:中医協 総-1「個別改定項目について」・令和8年度診療報酬改定説明資料(入院(共通事項))
要点(3行)
- 令和8年度診療報酬改定で、見守り・記録・医療従事者間の情報共有の3つについて業務効率化に有用なICT機器等を組織的に活用した病棟では、入院基本料等の看護要員の配置基準が柔軟になりました。
- 看護要員の数や看護師の比率などが基準に対して1割以内の減少であれば、入院基本料等の基準を満たすものとして所定点数を算定する、という仕組みです。
- 対象は急性期一般入院料1~6、7対1・10対1入院基本料、地域包括医療病棟入院料、小児入院医療管理料、緩和ケア病棟入院料などの病棟で、超過勤務時間や年1回程度の評価などの要件があります。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| どこで決まったか | 令和8年2月13日、中央社会保険医療協議会が厚生労働大臣に答申。個別改定項目「Ⅰ-2-2 業務の効率化に資する ICT、AI、IoT 等の利活用の推進-①」 |
| 考え方 | 見守り、記録及び医療従事者間の情報共有に関し、業務効率化に有用な ICT 機器等を組織的に活用した場合に、入院基本料等に規定する看護要員の配置基準を柔軟化する |
| 算定のしかた | 入院料等の通則に新設。施設基準を満たす病棟の入院料は、1日に看護を行う看護職員・看護補助者の数や、看護師の比率の規定を満たさない場合でも、所定点数を算定する |
| 施設基準(告示) | 「情報通信機器等を用いた看護職員及び看護補助者の業務の効率化について厚生労働大臣が定める施設基準等」を第十一として新設。十分な体制の確保、別表に定める入院料を算定する病棟であること など |
| 対象の入院料(別表) | 急性期一般入院料1~6、急性期病院A・B一般入院料、7対1・10対1入院基本料、地域包括医療病棟入院料1・2、小児入院医療管理料1~4、特殊疾患病棟入院料1・2、緩和ケア病棟入院料1・2 |
3つのICT機器等(全て導入し、広く使っていること)
| 分野 | 一次資料に書かれていること | 資料の例 |
|---|---|---|
| 見守り | 病室のカメラ等の映像や病床のセンサー等で、看護職員が遠隔で複数の患者の行動・体動・日常生活の状況等を把握でき、転倒転落の予防、異常の早期発見、身体的拘束の最小化などを図るもの。設置の際は患者又は家族等に説明し同意を得る | 見守りカメラ、スマートグラス |
| 記録 | 音声入力による看護記録の作成や電子カルテの情報からの自動的なサマリーの生成等。業務時間外の記録の作成時間が減る等の効果があるもの。データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支援するものに限る | スマートフォン、音声入力システム |
| 情報共有 | 手に持たずに複数人と同時に通話できる機器や、看護職員と医師が携帯しリアルタイムに情報を共有できる端末等。報告・連絡の時間や移動・待機の時間が減る等の効果があるもの | インターコミュニケーションシステム、モバイル端末のチャット機能 |
そのほかの施設基準(通知)
- 電子カルテ等と連動するものは、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等に準拠していること。
- 導入した病棟の看護要員(常勤職員に限る)の1人1月当たりの超過勤務時間が平均10時間以下で、非常勤職員を含めて導入前より増える傾向にないこと。
- 導入前後の業務内容・業務量・業務時間、事務作業時間、業務負担等を年1回程度、定量的又は定性的に評価し、職員に周知するとともに、労働安全衛生法第18条の衛生委員会等で確認すること。
- 厚生労働大臣が行うICT機器等の活用状況などの随時調査に適切に参加すること。
- 看護要員の数・看護要員と入院患者の比率・看護師の比率は、基準に対し1割以内の減少であること。毎年8月に、導入状況と超過勤務時間の状況を届け出ること。
あわせて出た看護配置の見直し(やむを得ない事情のとき)
| 項目 | 今まで | これから |
|---|---|---|
| 変更の届出が要らない場合 | 暦月で1か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動 | 左に加え、突発的で想定が困難な事象によるやむを得ない事情で、暦月で1か月を超える1割以内の一時的な変動があったとき、公共職業安定所や都道府県ナースセンター等を活用した看護職員確保の取組などに当てはまれば、3か月を超えない期間に限り変更の届出を行わなくてもよい(1年に1回に限る) |
一次資料:中医協 総-1 個別改定項目について(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定 説明資料 入院(共通事項)(PDF)/令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省)
病院・クリニックで確かめること
- 貴院の病棟の入院料が別表に入っているか、告示の定めでご確認ください。有床診療所の入院基本料や療養病棟入院基本料は、この別表に並んでいません。
- 3つの分野の機器を「全て」導入し、病棟の看護職員等が広く使っていることが要件です。導入済みの機器がどの分野に当たるかを、通知の定義と見比べてご確認ください。
- 超過勤務時間は、原則としてタイムカードやパソコンのログイン・ログアウトの時間で把握することとされています。勤怠の記録の取り方を、導入前の比較ができる形で残しておくと、届出と毎年8月の報告のときに困りません。
- 届出の様式と受付の方法は、地方厚生局の案内をご確認ください。
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更新履歴:初版。届出の様式や疑義解釈が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






