公開:2026年11月5日/出典:社会保障審議会 介護給付費分科会(第271回)資料6
これは審議の途中の「論点」です。決まった内容ではありません。決まったときはこの記事を更新します。
要点(3行)
- 令和8年10月19日の介護給付費分科会(第271回)に、資料6「居宅介護支援・介護予防支援(改定の方向性)」が出されました。令和9年度介護報酬改定に向けた「論点及び対応案」です。
- 論点は4つ。①高齢者像の変化に対応したケアマネジメント推進、②ケアマネジャーの業務負担軽減、③制度改正に伴う対応、④中山間地域等における適切なケアマネジメント提供体制の確保です。
- 対応案には、特定事業所加算(Ⅰ)の要介護3〜5の割合の要件の廃止、特定事業所加算(A)の廃止、管理者を主任ケアマネジャーに限らない案などが「〜してはどうか」の形で並んでいます。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 会議 | 社会保障審議会 介護給付費分科会 第271回(令和8年10月19日)。議題は令和9年度介護報酬改定に向けた各サービス(訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、居宅介護支援) |
| 資料 | 資料6「居宅介護支援・介護予防支援(改定の方向性)」 |
| 資料の構成 | 1.これまでの分科会における主なご意見/2.論点及び対応案/3.参考資料 |
| 主なご意見の位置づけ | 「第256回以降の介護給付費分科会でいただいたご意見について事務局の責任で整理したもの」と書かれている |
論点と対応案の一覧
| 論点 | 資料に書かれた課題・問い | 対応案(資料の書き方) |
|---|---|---|
| ①特定事業所加算の見直し | 特定事業所加算(Ⅰ)と(A)は事業所ベースでの算定率が2%を下回っている。要介護1・2と要介護3・4・5の利用者1人あたりの労働投入時間に大きな差が見られなくなっている。質の高いケアマネジメントの実施を評価するために、どのような対応が考えられるか | 特定事業所加算(Ⅰ)の要件のうち、要介護3〜5の者の割合が「100分の40以上であること」は廃止してはどうか。特定事業所加算(A)は廃止することとしてはどうか(1年の経過措置を設けてはどうか)。(A)だけで認めている24時間の連絡体制や研修の実施等の他事業所等との連携を上位の区分でも認めることとしてはどうか。生活支援のサービスの計画への位置づけではなく、地域での連携体制を構築していることを要件としてはどうか |
| ①医療介護連携の推進 | 通院時情報連携加算(通院時の同席が要件)、緊急時等居宅カンファレンス加算(居宅への訪問が要件)、ターミナルケアマネジメント加算(死亡日と死亡日前14日以内に2日以上の訪問)、特定事業所医療介護連携加算(回数の要件)の課題。退院・退所加算は区分の数が多く算定率が低い区分が生じている | 「今後の介護給付費分科会において説明及び議論を実施予定」 |
| ①介護予防支援の円滑な実施 | 令和6年4月から居宅介護支援事業者も介護予防支援を実施できることとされたが、介護予防支援の指定を受けている居宅介護支援事業所は事業所ベースで約2割 | 入院時情報連携加算・退院・退所加算・通院時情報連携加算・緊急時等居宅カンファレンス加算と、同一建物減算を、介護予防支援にも設けることとしてはどうか |
| ①障害高齢者への支援の強化 | 障害者が65歳以上となり介護保険サービスと障害固有のサービスを利用する場合等に、様々な調整が追加で必要になっている | 介護保険サービスと併せて障害福祉サービスを利用する場合の調整業務を評価することとしてはどうか |
| ①主任ケアマネジャーの役割の見直し | 管理者を主任ケアマネジャーとする要件(令和9年3月31日まで適用を猶予する経過措置あり)。主任ケアマネジャーが事務的な管理業務に時間を費やしているとの指摘 | 管理者には主任ケアマネジャーであることは求めないこととしてはどうか。管理者の要件は、ケアマネジャーであって、5年の実務経験等を有する者としてはどうか |
| ②オンラインモニタリングの推進 | 令和6年度改定でオンラインによるモニタリングを認めたが、普及が進んでいない | 主治の医師を含めた関係者からの合意を得るとされている要件について、手続きを柔軟に行うことができる旨提示することとしてはどうか |
| ②介護予防支援の業務の簡素化 | 介護予防支援のプロセスの効率化を図るため、どのような方策が考えられるか | ケアプランの様式について、調査研究を行い、その在り方について検討を進めていくこととしてはどうか |
| ③更新制廃止・法定研修見直しに伴う対応 | 改正法で資格の更新制を廃止し、定期的な研修の受講を求め、事業者にも受講時間の確保や受講状況の確認等の措置の義務を課すこととされた | 人員基準で定期的な研修を受講している者等の配置を求めてはどうか。管理者の責務として受講勧奨を位置付けてはどうか。正当な理由なく研修を受講していない者を配置している場合に減算の規定を設けることとしてはどうか |
| ③介護予防ケアマネジメントの見直しに伴う対応 | 居宅介護支援事業所が市町村からの直接委託を受けて介護予防ケアマネジメントを実施可能となった | 人員基準と逓減制に関する取扱件数は、介護予防ケアマネジメントの利用者に3分の1を乗じるなど、介護予防支援と同様の取扱いとしてはどうか |
| ④中山間地域等の提供体制の確保 | 地域の状況に応じて、適切なケアマネジメント提供体制を確保していくため、どのような方策が考えられるか | 「人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築に関する介護給付費分科会において説明及び議論を実施予定」 |
「これまでの分科会における主なご意見」に並んでいること
資料の見出しごとに、書かれている意見の中身を短くまとめます(資料の順番どおり)。
| 見出し | 資料に並んでいる意見の中身 |
|---|---|
| ケアマネジャーの役割 | 業務範囲の明確化と必要な支援体制の整備を進めるべき |
| 運営基準 | テレワークの実施にかかるデメリットを解消する策が必要ではないか。逓減制の件数の要件を再度検討する必要があるのではないか |
| 安全確保 | 複数名で訪問した際の報酬上の加算の創設を検討すべきではないか。同意の取得が困難な場合等の要件も検討してはどうか。介護従事者も利用者・家族も守ることができる制度づくりが必要 |
| 人材確保 | 基本報酬の引き上げとさらなる処遇改善加算の上乗せや拡充が必要。特定事業所加算の「24時間連絡体制の確保」や重度化要件(要介護3・4・5の割合が40%以上)の緩和。医療連携や看取り支援などは基本報酬で評価すべき。ICTのさらなる活用や業務効率化を評価できる報酬体系に |
| 介護予防支援 | 居宅介護支援事業所の介護予防支援の指定が進むよう検討が必要。作成書類の縮減とケアマネジメントの簡略化。報酬の見直しが必要 |
| 看取り期の対応 | 特定事業所医療介護連携加算に必要なターミナルケアマネジメント加算の年間15回以上の要件の緩和。ターミナルケアマネジメント加算の訪問の要件の在り方 |
| 関係団体等意見交換会の要望 | 主任介護支援専門員の要件の見直し、訪問時の安全確保に向けたモニタリングの要件の見直し、認知症の本人の声を聴く支援の評価、介護予防支援費の引き上げ、担当件数等の見直しと処遇改善、退院・退所直後のリハビリテーションの提案の促進、特別地域加算の柔軟な運用 など |
一次資料:
- 介護給付費分科会(第271回)資料6 居宅介護支援・介護予防支援(改定の方向性)(PDF)
- 第271回社会保障審議会介護給付費分科会 資料(厚生労働省)
- 社会保障審議会(介護給付費分科会)開催一覧(厚生労働省)
事業所で確かめること
- 対応案は審議の途中です。決まるまでは、今の告示の定めと貴事業所の届出のとおりです。
- 特定事業所加算などの今の要件は、告示の定めと、貴事業所の届出(体制等状況一覧表)でご確認ください。
- 管理者の要件の経過措置(令和9年3月31日まで猶予)は、今の基準の定めとして資料に書かれています。貴事業所の管理者の状況は、指定を受けている市町村の案内をご確認ください。
- 改定の内容は、今後の分科会の資料と、告示・通知でご確認ください。
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更新履歴:初版。審議で方向性が決まったとき・告示や通知が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






