【令和8年度】介護テクノロジー補助金の申請をサポート

短期利用特定施設入居者生活介護の単位数と要件|要介護度別の1日単位と算定の定めの対照表【出典つき】

本記事は、特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホーム等)の空室を使って30日以内の短期利用を受け入れる場合の基本報酬「短期利用特定施設入居者生活介護費」について、要介護度別の1日あたり単位数・算定の定め・利用期間の取り扱い・体制に応じて差し引かれる単位数・月額の目安の計算例を、一次資料(介護給付費単位数等サービスコード表と厚生労働省告示)にもとづいて整理したものです。数値はすべて出典のある収載値のみを掲げ、当社の推測による数値は記載していません。検索でこのページに来られた方が最初に知りたいのは「要介護3で1日何単位か」という数字そのものだと思いますので、単位数の表は記事の前半(2番目の見出し)に置いています。目次からすぐに飛べます。

短期利用特定施設入居者生活介護とは|一般型(イ)との違いと2つの根拠告示

短期利用特定施設入居者生活介護は、独立したサービス種別ではなく、特定施設入居者生活介護費の中の一区分です。指定居宅サービス介護給付費単位数表(平成12年厚生省告示第19号)の特定施設入居者生活介護費の表は「イ 特定施設入居者生活介護費(短期利用以外)」と「ハ 短期利用特定施設入居者生活介護費」に分かれており、本記事で扱うのは「ハ」です。つまり、同じ指定特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設が、入居契約にもとづく通常の入居(イ)とは別に、空いている居室を使って短期の利用者を受け入れる場合の報酬区分が「ハ」ということになります。

算定にあたっての施設側の基準は、別の告示(厚生労働大臣が定める施設基準・平成27年厚生労働省告示第96号)の第二十二号に定められています。この2つの告示、すなわち「単位数と届出を定める告示19号 別表の注」と「施設基準を定める告示96号 二十二」が、短期利用特定施設入居者生活介護の根拠の全体像です。本記事の後半で、告示96号二十二の各号を1つずつ対照表のかたちで確認できるようにしています。

なお、名称が似ているサービスに「短期入所生活介護(いわゆるショートステイ)」がありますが、こちらは特別養護老人ホーム等が行う別のサービス種別であり、根拠となる単位数表もサービスコード体系も別です。「特定施設のショートステイ利用」という言い方をされることがあるのは本記事の「ハ」のほうで、請求上は特定施設入居者生活介護費の一区分として扱われます。混同しやすいところですので、指定申請・届出・請求のいずれの場面でも「どちらの制度の話をしているか」を先に確認されることをおすすめします。

一般型(イ)と短期利用(ハ)の違いを、収載資料と告示の定めから確認できる範囲で並べると次のとおりです。

項目 イ(短期利用以外) ハ(短期利用)
位置づけ 入居契約にもとづく通常の入居に対する基本報酬 空室を使った30日以内の短期の利用に対する基本報酬
1日あたり単位数 要介護1から5まで542・609・679・744・813単位 要介護1から5まで542・609・679・744・813単位(イと同額であることをサービスコード表の収載値で確認済み)
サービスコードの系統 331111から331151(略称:特定施設生活介護1〜5) 271111から271151(略称:短期特定施設生活介護1〜5)
利用期間 期間の定めなく入居契約による 利用の開始にあたり、あらかじめ30日以内の利用期間を定めること(告示96号 二十二 ハ)
受け入れ人数の枠 入居定員の範囲内 短期利用の入居者数は1人、または入居定員の10%以下(告示96号 二十二 ロただし書)
権利金等 —(本記事の参照資料に短期利用のような明文の定めの収載なし) 家賃・敷金・介護等の対価を除き、権利金その他の金品を受領しないこと(告示96号 二十二 ニ)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

要介護度別|短期利用特定施設入居者生活介護費の1日あたり単位数(要介護1〜5)

介護給付費単位数等サービスコード表(令和8年6月・8月施行版)に収載されている、短期利用特定施設入居者生活介護費(ハ)の1日あたり所定単位数は次のとおりです。あわせて、同じコード表に収載されている一般型(イ)の単位数を並べています。両者は全区分で同額です。

要介護度 ハ(短期利用)のサービスコード ハの略称 ハ(短期利用)1日あたり単位数 イ(短期利用以外)1日あたり単位数
要介護1 27 1111 短期特定施設生活介護1 542単位 542単位
要介護2 27 1121 短期特定施設生活介護2 609単位 609単位
要介護3 27 1131 短期特定施設生活介護3 679単位 679単位
要介護4 27 1141 短期特定施設生活介護4 744単位 744単位
要介護5 27 1151 短期特定施設生活介護5 813単位 813単位

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3点、注記します。第一に、単位数は金額ではありません。実際の報酬額は、単位数に1単位あたりの単価(地域区分とサービス種別により異なる)を乗じて算出されます。第二に、要支援(介護予防)の短期利用の単位数は、当社が参照した上記コード表(介護給付のサービスコードを収載したもの)には収載されていません。本記事では収載のない数値を推測で書くことはしませんので、要支援の方の取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。第三に、出典は「WAM NET 掲載の令和8年度介護報酬改定に関する事務連絡 添付 介護サービスコード表(令和8年6月・8月施行版)」であり、当社はこの版の収載値をそのまま転記しています。改定があった場合は最新の告示・コード表が優先されます。

算定の定め|告示96号二十二の6項目と届出の対照表(7行・記入欄つき)

短期利用特定施設入居者生活介護費を算定する場合の施設基準は、厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年厚生労働省告示第96号)の第二十二号に定められています。あわせて、指定居宅サービス介護給付費単位数表(告示19号)の特定施設入居者生活介護費の注に、都道府県知事への届出に関する定めが置かれています。以下、左の列に告示の定めを、右の列に貴施設の状況を書き込む記入欄を置いた対照表を掲げます。この表は「取れる・取れない」を判定するためのものではなく、告示の文言と貴施設の実態を同じ表の上で突き合わせるためのものです。突合の結果はご自身でご確認のうえ、判断に迷う点は保険者(指定権者)にお問い合わせください。

項目 告示の定め 根拠 貴施設の記入欄
1 運営の経験 指定特定施設入居者生活介護の事業を行う者が、指定居宅サービス、指定地域密着型サービス、指定居宅介護支援、指定介護予防サービス、指定地域密着型介護予防サービス若しくは指定介護予防支援の事業又は介護保険施設若しくは指定介護療養型医療施設の運営について3年以上の経験を有すること 平成27年厚生労働省告示第96号 二十二 イ ( )年 主な事業:(    )
2 利用居室 入居定員の範囲内の空室(定員1人の居室等)を用いること 告示96号 二十二 ロ 居室番号:(  ) 定員:( )人
3 短期利用者数の枠 短期利用特定施設入居者生活介護費を算定すべき提供を受ける入居者の数は、1、または当該指定特定施設の入居定員の100分の10以下であること 告示96号 二十二 ロただし書 入居定員:( )人 定員の10%:( )人 現在の短期利用者数:( )人
4 利用期間 利用の開始にあたり、あらかじめ30日以内の利用期間を定めること 告示96号 二十二 ハ 契約書に定めた期間:( 月 日)〜( 月 日)=( )日間
5 権利金等 家賃・敷金・介護等の対価を除き、権利金その他の金品を受領しないこと 告示96号 二十二 ニ 受領している費目の一覧:(    )
6 勧告等からの経過 勧告等を受けたことがある場合は、勧告等を受けた日から5年以上経過していること 告示96号 二十二 ホ 勧告等の有無:(有・無) 有の場合、受けた日:(   )
7 届出 都道府県知事への届出を行っていること 告示19号 別表(特定施設入居者生活介護費)注3 届出年月日:(   ) 届出の控えの保管場所:(   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

3番の「1、または入居定員の100分の10以下」という枠は、読み違えの多いところです。告示の文言は「短期利用特定施設入居者生活介護費を算定すべき指定特定施設入居者生活介護の提供を受ける入居者の数」に対する定めであり、これは同じ時点で同時に受け入れている短期利用者の数の上限と読まれるのが自然です。月あたり・年あたりの延べ人数の上限ではありません。たとえば入居定員60人の施設であれば定員の10%は6人ですので、同時に受け入れる短期利用者が6人以下かどうかを毎日の在籍で確認することになります。入居定員が小さく10%が1人に満たない施設でも「1」という枠が明示されているため、1人の受け入れは枠の内側です。実際の運用(端数の取り扱い・一時的な超過時の取り扱い等)は保険者(指定権者)にご確認ください。

利用期間の定め|「あらかじめ30日以内」を契約書と台帳でどう残すか

告示96号二十二ハの定めは「利用の開始に当たりあらかじめ30日以内の利用期間を定めること」です。ポイントは2つに分解できます。1つは時点(利用の開始にあたり、あらかじめ=利用が始まる前に)、もう1つは長さ(30日以内)です。つまり、利用が始まってから事後的に期間を書き足す運用や、期間を定めないまま「様子を見て延ばす」運用は、告示の文言との間にずれが生じます。利用開始前に交わす契約書・重要事項説明のなかで始期と終期を明記し、その日数が30日以内であることを、書面上で確認できる状態にしておくことが、この定めに沿った記録の残し方です。

確認する時点 確認する内容 残す書面 貴施設の記入欄
利用開始前 利用期間の始期・終期が定められているか 利用契約書・重要事項説明書 始期( 月 日)終期( 月 日)
利用開始前 定めた期間が30日以内か 利用契約書 日数( )日 30日以内:はい・いいえ
利用開始前 使用する居室が入居定員の範囲内の空室か 空室管理台帳 居室番号(  )空室となった日( 月 日)
利用中(毎日) 同時に受け入れている短期利用者数が枠の内側か 空室管理台帳・入退居記録 本日の短期利用者数( )人/枠( )人
利用終了時 実際の利用日数と契約書の期間の対応 入退居記録・請求データ 実利用( 月 日)〜( 月 日)=( )日

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

一方で、次の事項は当社が参照した告示・収載資料の範囲には定めの記載がありません。ここは推測で埋めず、「参照資料に記載がない」という事実と、確認先を書ける欄だけを用意しておきます。実務上はいずれも保険者(指定権者)への事前確認が確実です。

参照資料に記載のない事項 実務で問題になる場面 確認先と貴施設の記入欄
定めた期間を超えて利用が続いた場合の取り扱い 退居予定日に退居できず、31日目以降も滞在が続くとき 保険者名(   )確認日( 月 日)回答の要旨(    )
同一の利用者が間を置かずに再度利用する場合の取り扱い いったん終了した翌日から新しい契約で再開するとき 保険者名(   )確認日( 月 日)回答の要旨(    )
短期利用からそのまま本入居(イ)へ移行する場合の切り替え 短期利用中に本入居の契約を結び直すとき 保険者名(   )確認日( 月 日)回答の要旨(    )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

体制により差し引かれる単位数|3つの減算と人員基準欠如の収載値(20区分)

サービスコード表には、特定施設入居者生活介護費について、体制の整備状況に応じて所定単位数から差し引く単位数が収載されています。以下は令和8年6月・8月施行版のコード表に収載された、身体拘束廃止未実施減算・高齢者虐待防止措置未実施減算・業務継続計画未策定減算の各区分の差引単位数です。なお、下表のサービスコードは特定施設入居者生活介護費の欄に収載されたもの(33系)であり、短期利用(27系)の請求に用いる際の具体の区分・コードの立て方は、コード表の該当欄と保険者(指定権者)・国保連合会の取り扱いをご確認ください。基本部分の所定単位数はイとハで同額のため、差引の幅を把握する参考にはなります。

要介護度 所定単位数(1日) 身体拘束廃止未実施減算の差引 高齢者虐待防止措置未実施減算の差引 業務継続計画未策定減算の差引
要介護1 542単位 −54単位(コード33 6304) −5単位(コード33 C201) −16単位(コード33 D201)
要介護2 609単位 −61単位(コード33 6305) −6単位(コード33 C202) −18単位(コード33 D202)
要介護3 679単位 −68単位(コード33 6306) −7単位(コード33 C203) −20単位(コード33 D203)
要介護4 744単位 −74単位(コード33 6307) −7単位(コード33 C204) −22単位(コード33 D204)
要介護5 813単位 −81単位(コード33 6308) −8単位(コード33 C205) −24単位(コード33 D205)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

参考として、所定単位数から各差引単位数を単純に差し引いた場合の1日あたり単位数を当社で計算すると次のとおりです(当社計算の参考値です。実際の請求はコード表の合成単位数・国保連の審査によります)。

要介護度 身体拘束廃止未実施減算を差し引いた場合 高齢者虐待防止措置未実施減算を差し引いた場合 業務継続計画未策定減算を差し引いた場合
要介護1 488単位 537単位 526単位
要介護2 548単位 603単位 591単位
要介護3 611単位 672単位 659単位
要介護4 670単位 737単位 722単位
要介護5 732単位 805単位 789単位

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

また、人員基準を満たさない状態(人員基準欠如)の場合の合成単位数として、コード表には次の値が収載されています。所定単位数と比べると、いずれの区分もおおむね100分の70に相当する水準です(比率は当社計算)。短期利用は空室の活用というかたちを取りますが、施設全体の人員配置の上に成り立つ報酬区分ですので、受け入れを増やす際は人員基準の充足状況とあわせて確認されることをおすすめします。

要介護度 収載名称 サービスコード 合成単位数(1日) 所定単位数との比較(当社計算)
要介護1 特定施設生活介護1・人欠 33 9011 379単位 542単位に対し約70%
要介護2 特定施設生活介護2・人欠 33 9021 426単位 609単位に対し約70%
要介護3 特定施設生活介護3・人欠 33 9031 475単位 679単位に対し約70%
要介護4 特定施設生活介護4・人欠 33 9041 521単位 744単位に対し約70%
要介護5 特定施設生活介護5・人欠 33 9051 569単位 813単位に対し約70%

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

月額の目安|単位数×日数×1単位単価の計算例(仮定を明示した試算)

短期利用特定施設入居者生活介護費は1日につき算定する基本報酬ですので、利用額の目安は「1日あたり単位数 × 利用日数 × 1単位あたり単価」で試算できます。1単位あたりの単価は地域区分とサービス種別によって異なるため、ここでは計算の仕組みを示す目的で、仮に1単位=10円と置いた試算を掲げます。実際の単価は貴施設の所在地の地域区分によって変わりますので、下表の金額をそのまま利用者への説明に使わず、必ず貴施設の単価で計算し直してください。また、利用者の自己負担は、このうち負担割合証に記載された割合に応じた額に、居住費・食費など介護報酬の外側の実費を加えたものになります。

要介護度 7日利用の単位数合計 同・仮に1単位10円の場合 14日利用の単位数合計 同・仮に1単位10円の場合 30日利用の単位数合計 同・仮に1単位10円の場合
要介護1(542単位) 3,794単位 37,940円 7,588単位 75,880円 16,260単位 162,600円
要介護2(609単位) 4,263単位 42,630円 8,526単位 85,260円 18,270単位 182,700円
要介護3(679単位) 4,753単位 47,530円 9,506単位 95,060円 20,370単位 203,700円
要介護4(744単位) 5,208単位 52,080円 10,416単位 104,160円 22,320単位 223,200円
要介護5(813単位) 5,691単位 56,910円 11,382単位 113,820円 24,390単位 243,900円

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

上の表は基本報酬のみの試算です。実際には、体制に応じた加算・減算、区分支給限度基準額との関係、他サービスとの併用状況によって給付管理上の数字は変わります。特に短期利用特定施設入居者生活介護費は区分支給限度基準額の対象に含まれます(居宅の限度額管理の対象)ので、担当の居宅介護支援事業所と、当該月の他サービスの利用予定を含めた給付管理の見通しを共有しておくことが、請求後の返戻や利用者への追加負担の説明を避けるうえで重要です。試算はあくまで試算であり、金額の確定は保険者の審査・地域単価・負担割合によります。

短期利用で整えておく書類|届出書・契約書・空室管理台帳に書いておく項目

加算DBの当社レコードでは、短期利用特定施設入居者生活介護費に関して整えておく書類として「短期利用の届出書」「利用期間を定めた契約書」「空室管理台帳」の3点を挙げています。それぞれ、運営指導や請求の確認の場面で「告示の定めどおりに運用していたこと」を示す書面になり得るものです。各書類に書いておく項目を、告示の定めと対応づけて整理します。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。届出書の作成を外部に依頼する場合は、依頼先の資格もあわせてご確認ください。

書類 書いておく項目 対応する告示の定め 貴施設の整備状況の記入欄
短期利用の届出書(控え) 届出年月日、届出先(都道府県知事等)、事業の運営経験(3年以上)の内容、受理の確認 告示19号 別表(特定施設入居者生活介護費)注3/告示96号 二十二 イ 保管場所(  )最終確認日( 月 日)
利用期間を定めた契約書 利用期間の始期・終期(30日以内)、居室番号、利用料の内訳(権利金その他の金品を受領しない旨が読み取れる費目構成) 告示96号 二十二 ハ・ニ 直近の契約書の締結日( 月 日)期間( )日
空室管理台帳 居室ごとの入退居の履歴、空室となった日、短期利用に充てた期間、日ごとの短期利用者数と枠(1人または定員の10%)との対比 告示96号 二十二 ロ・ロただし書 台帳の更新頻度(  )記載責任者(  )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

公表資料にある指摘の読み替え|短期利用の場面に引きつけて確認する(2事例)

当社が収集している自治体の公表指摘データベース(出典つき353件)の中に、「短期利用特定施設入居者生活介護」を名指しした公表指摘は見当たりませんでした。無いものを創作はしませんので、ここでは特定施設・施設サービスに関して実際に公表されている指摘のうち、短期利用の受け入れ場面でも同じ構図が起こり得るものを2件、出典を明示して紹介します。短期利用は在籍期間が短いぶん、記録の開始が遅れると「記録のない日」の割合が通常の入居より大きくなりやすい、という読み替えができます。

公表されている指摘 内容の要旨 短期利用の場面への読み替え 関係する書類 出典
入浴・清しきの実施が記録から確認できない 1週間に2回以上入浴させていない、入浴が困難な場合に清しきを実施していない、記録が不正確で週2回以上の実施が確認できない、清しきに替えた場合の理由の記録がない、といった点が指定施設サービス共通の運営関係の指摘として挙げられている。特定施設向けの資料でも、入浴介助に替えて清拭を行った際の記録がない例が指摘事項として示されている 7日・14日といった短い在籍でも、実施日と代替時の理由が利用者ごとに週単位で追える記録様式にしておく。入所初日からの記録開始を受け入れ手順に組み込む 入浴・清拭記録、介護記録、施設サービス計画 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項」(施設向け)/堺市「令和8年度 集団指導 居宅事業所編」
身体的拘束等の記録・委員会・指針・研修の措置が講じられていない 身体拘束等を行う場合の態様・時間・心身の状況・緊急やむを得ない理由の記録が行われていない事例、適正化のための対策を検討する委員会の開催・指針の整備・定期的な研修について必要な措置が講じられていない事例が、令和7年度運営指導の指摘事項として例示されている。運営基準の項目では特定施設入居者生活介護を含む複数サービスが挙げられている 短期利用者にも一般入居者と同じ記録様式・検討過程を適用する。受け入れ期間が短くても、緊急やむを得ない場合に該当するかの検討記録と家族への説明同意の記録を残す 身体的拘束等の記録(態様・時間・心身の状況・理由)、委員会議事録、指針、研修記録、説明同意記録 広島市「令和7年度運営指導の指摘事項等について」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

よくある論点|「イについて」と「イ及びハについて」の読み分け(6論点・照会欄つき)

短期利用特定施設入居者生活介護費のまわりで実務上迷いやすいのは、加算の適用範囲と給付管理の取り扱いです。特定施設入居者生活介護費の各加算は、告示上「イについて」(=短期利用以外に限る)と定められているものと、「イ及びハについて」(=短期利用も含む)と定められているものに分かれています。加算ごとに告示の当該注の書き出しを確認するのが、いちばん確実な読み分けの方法です。以下、当社レコードに整理している論点を、保険者への照会欄つきで掲げます。

論点 告示・収載資料から確認できること 貴施設の確認・照会の記入欄
1 同時受け入れの枠は延べ人数か 「1又は入居定員の100分の10以下」は、短期利用特定施設入居者生活介護費を算定すべき提供を受ける入居者の数に対する定めであり、同時に受け入れられる短期利用者の数の上限と読まれる。月間の延べ人数の上限ではない 入居定員( )人・枠( )人・確認方法(   )
2 「イについて」と限定されている加算 個別機能訓練加算・入居継続支援加算・看取り介護加算等は、告示上「イについて」と限定されており、短期利用(ハ)はその対象に含まれない書きぶりになっている 算定中の加算のうち「イについて」型:(   )
3 「イ及びハについて」と定められている加算 夜間看護体制加算・若年性認知症入居者受入加算・生産性向上推進体制加算は、告示上「イ及びハについて」と定められている 短期利用者に係る体制の該否の確認先:(   )
4 区分支給限度基準額との関係 短期利用特定施設入居者生活介護費は区分支給限度基準額の対象に含まれる(居宅の限度額管理の対象) 担当居宅介護支援事業所(   )共有日( 月 日)
5 福祉用具貸与との関係 短期利用を算定する場合、福祉用具貸与費の算定制限(注7)の対象外とされている 貸与中の福祉用具(   )ケアマネへの連絡(済・未)
6 要支援(介護予防)の短期利用 当社が参照した介護給付のサービスコード表に、要支援の短期利用の単位数の収載はない。取り扱いは保険者(指定権者)への確認事項 保険者名(   )照会日( 月 日)回答(   )

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

記入例|空室管理台帳・利用契約書・受け入れ初日の記録の悪い例と良い例(3場面・6例)

短期利用の書類は、あとから運営指導や保険者の確認で読まれたときに「告示の定めに沿って運用していたこと」がその書面だけで追える書き方になっているかどうかが分かれ目です。ここでは、空室管理台帳・利用契約書・受け入れ初日の介護記録の3場面について、情報が足りない悪い例と、主体・日付・数を落とさずに書いた良い例を並べます。良い例はそのまま貴施設の様式に写して使える粒度で書いています(施設名・氏名・数字は貴施設の実際の値に置き換えてください)。

場面 悪い例(情報が足りない書き方) 良い例(そのまま様式に写せる書き方) 良い例が押さえている定め
空室管理台帳 「302号室 空き。9月から短期で使用」 「302号室(定員1人)。前入居者の退居により8月31日から空室。9月8日〜9月21日(14日間)を短期利用に充当。9月8日時点の短期利用者数は2人(入居定員60人・定員の10%=6人の枠内)。記載者:事務長◯◯、記載日9月8日」 定員1人の空室であること(告示96号 二十二 ロ)、同時受け入れ数が枠の内側であること(同 ロただし書)が台帳だけで追える
利用契約書の期間の条項 「利用期間は当面の間とし、双方協議のうえ延長できる」 「利用期間は令和◯年9月8日から令和◯年9月21日まで(14日間)とする。本契約の利用期間は30日以内とし、契約締結日は利用開始日前の令和◯年9月1日である」 利用の開始前に、あらかじめ、30日以内の期間を定めたこと(告示96号 二十二 ハ)が契約書の文面だけで確認できる
利用契約書の費用の条項 「入居一時金として別途定める額を受領する」 「受領する費用は、介護保険の利用者負担分、家賃相当額(日額◯円)、食費(日額◯円)とする。権利金その他の金品は受領しない」 家賃・敷金・介護等の対価を除く権利金等を受領しないこと(告示96号 二十二 ニ)が費目の列挙から読み取れる
受け入れ初日の介護記録 「入所。特に問題なし」 「9月8日10時30分、短期利用として302号室に入居。本人は独歩で居室まで移動、看護職員◯◯がバイタル測定(体温36.4度・血圧128/76)。昼食は食堂にて全量摂取。契約期間は9月21日までの14日間である旨を本人・長女に説明し、同意を得た」 在籍期間が短くても初日から実施内容が記録で追えること(公表指摘の「記録から確認できない」型への備え)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

悪い例に共通するのは、「誰が・いつ・何日間・何人目か」が書かれていないことです。短期利用の定めは、運営経験の年数(3年)、期間の日数(30日以内)、受け入れの人数(1人または定員の10%)というように、ほとんどが数で書かれています。数で書かれた定めに対しては、記録の側も数で応えるのが最も確認しやすいかたちです。逆に「当面の間」「特に問題なし」のような数を含まない記載は、書いた本人には分かっても、あとから読む第三者(保険者・運営指導の担当者)には確認のしようがありません。

請求前の月次確認|短期利用1件ごとに毎月見る10の欄(記入欄つき)

短期利用は在籍期間が短く月をまたぐことも多いため、請求の前に1件ずつ、日数と区分を確認する手順を月次の業務に組み込んでおくと、返戻や過誤調整の手戻りを減らせます。以下は、短期利用の請求1件ごとに毎月確認する欄を10項目にまとめたものです。上から順に埋めれば、本記事で扱った告示の定めをひととおり通過する並びにしています。

毎月確認する欄 突き合わせる書面 貴施設の記入欄
1 当月の請求に用いる区分がハ(短期利用・27系コード)になっているか 請求データ・サービスコード表 使用コード(   )確認者(  )
2 要介護度と単位数の対応(要介護1=542、2=609、3=679、4=744、5=813) 介護保険証・請求データ 要介護度( )単位数(  )
3 当月の算定日数が、契約書に定めた利用期間の内側か 利用契約書・入退居記録 契約期間( 月 日〜 月 日)当月算定( )日
4 契約書の期間が30日以内で、利用開始前に定められているか 利用契約書(締結日) 締結日( 月 日)利用開始日( 月 日)
5 当月中の各日について、同時受け入れ数が枠(1人または定員の10%)の内側か 空室管理台帳 月中最大の同時受け入れ数( )人/枠( )人
6 使用した居室が定員1人の空室として台帳に記載されているか 空室管理台帳 居室番号(  )台帳記載(有・無)
7 受領した費用に権利金その他の金品が含まれていないか 領収書の控え・契約書の費用条項 当月受領費目(    )
8 短期利用の届出の控えが保管されており、体制に変更がないか 届出書の控え 届出年月日(  )変更(有・無)
9 担当の居宅介護支援事業所と給付管理(区分支給限度基準額)の突合が済んでいるか サービス利用票・提供票 突合日( 月 日)担当CM(  )
10 実施記録(入浴・食事・バイタル等)が算定日数分そろっているか 介護記録・入浴清拭記録 記録のある日数( )日/算定( )日

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

よくある質問

短期利用(ハ)の1日あたり単位数は、通常の入居(イ)と違う金額ですか。

介護給付費単位数等サービスコード表(令和8年6月・8月施行版)の収載値では、要介護1から5のすべての区分で、ハ(短期利用)とイ(短期利用以外)は同じ単位数(542・609・679・744・813単位)が収載されています。当社はこの版の収載値を突き合わせて同額であることを確認しています。改定後の取り扱いは最新の告示・コード表でご確認ください。

要介護3の方が短期利用した場合、1日何単位ですか。

上記コード表の収載値では、要介護3の短期利用特定施設入居者生活介護費は1日につき679単位(サービスコード27 1131・略称 短期特定施設生活介護3)です。実際の金額は1単位あたりの単価(地域区分により異なる)を乗じたものになり、加算・減算や限度額管理によっても変わりますので、最終的な算定可否と金額は保険者(指定権者)にご確認ください。

要支援の方も短期利用の単位数がありますか。

当社が参照した介護サービスコード表(介護給付のサービスコードを収載した令和8年6月・8月施行版)には、要支援(介護予防)の短期利用の単位数は収載されていません。本記事では収載のない数値を推測で記載することはしません。要支援の方の取り扱いは、保険者(指定権者)にご確認ください。

あらかじめ定めた30日以内の期間を超えそうな場合、どうすればよいですか。

告示96号二十二ハの定めは「利用の開始に当たりあらかじめ30日以内の利用期間を定めること」であり、定めた期間を超えた場合の取り扱いそのものは、当社が参照した告示・収載資料には記載がありません。期間を超える見込みが立った時点で、契約の取り扱いと請求区分について保険者(指定権者)に照会し、回答の要旨を記録に残しておくことをおすすめします。本記事の「利用期間の定め」の章に、照会内容を書き込む欄を用意しています。

短期利用の受け入れは同時に何人までですか。

告示96号二十二ロただし書は、短期利用特定施設入居者生活介護費を算定すべき提供を受ける入居者の数について「一又は当該指定特定施設の入居定員の百分の十以下であること」と定めています。たとえば入居定員60人なら10%は6人です。この数は同時に受け入れている短期利用者の数と読まれるのが自然で、月あたりの延べ人数の定めではありません。端数の取り扱いなど具体の運用は保険者(指定権者)にご確認ください。

個別機能訓練加算や看取り介護加算は、短期利用の方にも付けられますか。

個別機能訓練加算・入居継続支援加算・看取り介護加算等は、告示上「イについて」(短期利用以外について)と限定された書きぶりになっており、短期利用(ハ)はその対象に含まれない構造です。一方、夜間看護体制加算・若年性認知症入居者受入加算・生産性向上推進体制加算は「イ及びハについて」と定められています。個々の加算の適用範囲は、告示の当該注の書き出しと、保険者(指定権者)の取り扱いでご確認ください。

ケアマネジャーですが、給付管理で気をつける点はありますか。

短期利用特定施設入居者生活介護費は区分支給限度基準額の対象に含まれます(居宅の限度額管理の対象)。たとえば要介護3の方が14日利用すると、基本報酬だけで9,506単位(679単位×14日・当社計算)となり、同じ月の訪問系・通所系サービスの利用とあわせた給付管理が必要になります。一方、短期利用を算定する場合は福祉用具貸与費の算定制限(注7)の対象外とされていますので、貸与中の福祉用具の取り扱いは施設・貸与事業所と共有しておくと調整がなめらかです。限度額を超える見込みの月は、あらかじめ利用者・家族に負担の考え方を説明しておくことをおすすめします。

この記事の数値の出典はなんですか。

単位数・サービスコードは、WAM NET に掲載された令和8年度介護報酬改定に関する事務連絡の添付「介護給付費単位数等サービスコード表(令和8年6月・8月施行版)」の収載値です。算定の定めは、指定居宅サービス介護給付費単位数表(平成12年厚生省告示第19号)の特定施設入居者生活介護費の表・注と、厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年厚生労働省告示第96号)第二十二号によります。公表指摘の事例は、神戸市・堺市・広島市の各公表資料によります。

最後にまとめます。短期利用特定施設入居者生活介護費は、要介護1から5まで1日につき542・609・679・744・813単位で、一般型(イ)と同額です(令和8年6月・8月施行版のコード表収載値)。算定の定めは、運営の経験3年以上・定員1人の空室の利用・同時受け入れ1人または定員の10%以下・あらかじめ30日以内の期間を定めること・権利金等を受領しないこと・勧告等から5年以上の経過・都道府県知事への届出の7点に整理でき、いずれも数と書面で確認できるかたちになっています。本記事の対照表と記入欄を、毎月の請求前と届出内容の見直しの際にそのままお使いください。判断に迷う点は、必ず保険者(指定権者)への照会と回答の記録をセットで残すことをおすすめします。

出典:厚生労働省ウェブサイト(WAM NET 掲載「令和8年度介護報酬改定に関する事務連絡」添付 介護サービスコード表〔令和8年6月・8月施行版〕、平成12年厚生省告示第19号、平成27年厚生労働省告示第96号)/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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