公開:2026年11月8日/出典:社会保障審議会 医療部会(第128回)資料2「一般社団法人が開設する医療機関の非営利性の確認のポイントについて」
要点(3行)
- 医療機関を開設する一般社団法人(公益社団法人を除く。)は、毎会計年度、事業報告書・貸借対照表・損益計算書を都道府県知事・保健所設置市区長に届け出ることが義務になりました(本年3月の医療法施行令・施行規則等の改正)。
- 対象は令和8年度事業分からで、実際の届出は令和9年度以降です。届出の時期は毎会計年度終了後3か月以内と整理されています。
- 都道府県等が非営利性を確かめるための「非営利性の確認のポイント」が示されました。既に医療機関を開設している一般社団法人は、令和9年度からこのポイントを踏まえた確認が行われます。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 会議・資料 | 社会保障審議会 医療部会 第128回(令和8年6月17日)資料2(厚生労働省 医政局) |
| 経緯 | 一般社団法人は登記のみで設立できる非営利法人で、医療法人のように都道府県が設立を認可して実態を定期的に確かめる仕組みがないことなどから、医療機関の非営利性の観点で疑義が生じていた(参考資料:第124回 医療部会 資料2・令和8年1月26日) |
| 届出の義務 | 本年3月に医療法施行令・施行規則等を改正し、医療機関を開設する一般社団法人(公益社団法人を除く。)に、毎会計年度、事業報告書・貸借対照表・損益計算書の届出を義務付けた |
| 確認のポイントの通知 | 「非営利性の確認のポイント」は令和8年夏頃に都道府県等へ通知する予定とされた。例示であり、各都道府県等の体制などに応じて実施する |
確かめられる5つの観点
| 観点 | 主な確認書類と確認方法(例) |
|---|---|
| (1)活動目的が営利でない | 開設時の届出・定款:「地域医療の確保」「公衆衛生の向上」などを目的としているか、物品の販売・賃貸・事業の企画・請負・代行等の営利を追う内容がないか。事業報告書の「役員」の備考欄に、開設する医療機関等の管理者が書かれているか |
| (2)利益を移していない | 定款:剰余金の配当をしない定め。事業報告書:土地・建物・設備の賃貸契約の内容が適正で、借料が医療機関の収入の一定割合になっていないか。貸借対照表・損益計算書・附属明細書:現預金が過小でないか、事業費用や給料が財政規模に比して過大でないか、医療経営と関係のない高額な資産がないか |
| (3)解散時の残余財産の帰属先 | 定款:国・地方公共団体・医療法人等のうちから選ばれて明記されているか。なければ定款の変更を求める |
| (4)役員が営利法人と兼務していない | 事業報告書の「役員」の備考欄で兼務先を確認。利害関係にある営利法人等と兼務している場合は、取引が非営利性に影響しない規模かを、貸借対照表の注記・取引状況報告書などで確認 |
| (5)一社員一議決権 | 定款に社員の議決権の例外規定がないか。あれば定款の変更を求める |
書類の出す時期と、確認が始まる時期
| 書類・場面 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 定款・開設時の届出 | 開設時・内容変更時 |
| 事業報告書・貸借対照表・損益計算書 | 毎会計年度終了後3か月以内の届出 |
| 附属明細書 | 毎会計年度終了後3か月以内(一定規模以上の一般社団法人に限る) |
| 財産目録・取引状況報告書・監査報告書等 | 届出義務はなく、任意で提出を求める |
| これから開設する法人 | 通知の後は、開設許可の申請時からポイントを踏まえて確認 |
| 既に開設している法人 | 義務づけた書類の確認は令和9年度(令和8年事業分の会計年度終了後3か月以内)に届け出られたものから。定款・届出内容の変更時の確認は令和9年4月以降に届け出られたものから。立入検査時の確認は令和9年4月以降の立入検査から。令和9年度中に立入検査も変更届出もない医療機関には、事業報告書等とあわせて、ポイントに合った定款等の提出を求める |
資料では、非営利性が徹底されていないと解される場合の行政指導等との関係(医療法第24条の2の命令など)も示されています。
一次資料:第128回 医療部会 資料2(PDF)/第128回 医療部会 資料のページ
病院・クリニックで確かめること
- 開設者が一般社団法人(公益社団法人を除く。)かを確かめます。資料では、令和8年度事業分から、事業報告書・貸借対照表・損益計算書を会計年度終了後3か月以内に届け出ると整理されています。様式と提出先は、所在地の都道府県(保健所設置市・特別区)の案内をご確認ください。
- 定款に、剰余金を配当しない定め、解散時の残余財産の帰属先、一社員一議決権の定めがあるかを確かめておきます。変更が要るかどうかの判断は、都道府県等の確認と専門家にご相談ください。
- 役員の兼務先と、関係する会社との取引(賃料・委託費など)の一覧を作っておくと、確認のときに説明しやすくなります。
- 確認のポイントの通知の内容は、都道府県等からの周知をご確認ください。
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更新履歴:初版。確認のポイントの通知や届出の標準様式が示されたときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






