在宅での看取りを支えるターミナルケアは、訪問看護の中でも専門性と責任が問われる場面です。この記事では「ターミナルケア加算の算定要件と単位数」「医療保険の療養費との違い」「返還を防ぐために残すべき記録」を、2024年度(令和6年度)改定に沿って整理します。
要点(3行)
- 訪問看護のターミナルケアは在宅での看取りを支える看護で、介護保険のターミナルケア加算と医療保険の訪問看護ターミナルケア療養費は、それぞれに要件が定められた別の制度です。
- このページでは、7疾患・11症状・予後の時間軸6区分の記録の完成文、家族支援と多職種連携の完成文20例、書き直し32組、自治体が公表している指摘10件を、表24本で掲載しています。
- 記録の要点は、死亡日および死亡日前14日以内の実施日、看取りの方針の説明と同意、観察した事実と主治医への連絡を、時刻と数値で記録書に残すことです。単位数は最新の告示・通知でご確認ください。
訪問看護のターミナルケアとは
ターミナルケアは、人生の最終段階にある利用者が、住み慣れた自宅で穏やかに過ごせるよう支える看護です。症状の緩和、本人・家族の意思決定支援(ACP)、そして看取り後の家族へのグリーフケアまでを含みます。医師・ケアマネジャー・薬剤師など多職種と連携しながら、24時間体制で本人と家族を支えます。
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看取りまでの流れ
看取り期は、状態が変わる速さが他の時期と違います。どの段階で何を決め、何を記録に残すかを先に整理しておくと、判断に迷う場面が減ります。
| 段階 | 訪問看護の役割 | 残しておく記録 |
|---|---|---|
| ①予後の説明を受けた時期 | 主治医の説明内容を確認し、本人・ご家族の受け止めを把握する | 説明を受けた日、本人・ご家族の言葉 |
| ②意思決定の支援(ACP) | 看取りの場所・急変時の対応の希望を、繰り返し確認する | 確認した日と、そのときの意向。意向が変わった場合は変わったことも残す |
| ③計画への位置づけ | ターミナルケアに係る計画を説明し、同意を得る | 説明・同意の記録。千葉市の令和7年度資料では、ターミナルケア加算の説明・同意と記録への記載が確認できないという指摘が挙げられている |
| ④症状の緩和と日々の看護 | 疼痛・呼吸苦などの緩和、ご家族への説明と支え | 症状の程度、行った対応とその結果 |
| ⑤看取り | 24時間の連絡体制のもとで対応する | 死亡日時、連絡した相手と時刻、対応の経過 |
| ⑥グリーフケア | 看取り後のご家族への関わり | 関わった日と内容 |
看取り期のケアプランへの位置づけ
看取り期に入ると、居宅サービス計画(ケアプラン)にも本人・家族の意向をふまえた「看取りに向けた支援の方針」を記載し、状態の変化に応じて見直していくことが一般的とされています。訪問看護からケアマネジャーへの情報提供(報告書やカンファレンスでの共有)が、ケアプラン見直しの材料になります。
- 本人・家族が希望する看取りの場所・方針
- 急変時の対応方針・連絡先
- 訪問看護・主治医・介護サービス間の役割分担
- モニタリングの頻度(状態の変化に応じて短縮されることが多い)
ケアプラン上の記載とターミナルケア加算の記録は、確認する視点はそれぞれ異なりますが、いずれも本人・家族の意向とその変化を反映させておくことが重要とされています。具体的な様式・記載方法は、保険者やケアマネジャーとの実務の中でご確認ください。
- 意思決定支援(ACP)――本人・家族の希望を繰り返し確認し、療養と看取りの方針を共有します。
- 症状の緩和――痛み・呼吸困難・不安などを、主治医と連携してやわらげます。
- 家族支援――介護の方法や心構え、これから起こる身体の変化を具体的に伝えます。
- 看取り・グリーフケア――最期に寄り添い、看取り後の家族の悲嘆にも寄り添います。
ターミナルケア加算(介護保険)の算定要件と、確認する告示
訪問看護ステーションが在宅での看取りを行い、要件を満たす場合の取扱いが告示に定められています。単位数は改定で変わるため、最新の告示・通知および貴事業所の保険者(指定権者)にご確認ください。主な要件は次のとおりです。
- 死亡日および死亡日前14日以内に、2日以上ターミナルケアを実施していること
- 24時間対応体制加算の届出を行っていること
- 本人・家族の意向をふまえた看取りの方針を説明し、同意を得ていること
- ターミナルケアの提供について訪問看護記録書に記録していること
- 主治医や多職種と連携していること
ポイントは、区分支給限度基準額の枠外で算定できること、そして死亡月に訪問がなくても、死亡日前14日以内の要件を満たせば算定できることです。一方で、介護予防訪問看護(要支援の方)は対象外です。単位数・要件は改定で変わるため、必ず最新の告示・通知で確認してください。関連する体制は訪問看護の緊急時対応(オンコール)・24時間体制、その他の加算は訪問看護の加算一覧で解説しています。
医療保険の「訪問看護ターミナルケア療養費」との違い
末期の悪性腫瘍など、医療保険で訪問看護を提供している利用者では、介護保険のターミナルケア加算ではなく「訪問看護ターミナルケア療養費」で評価されます。医療保険と介護保険のどちらが適用されるかは対象者によって決まります。切り分けは訪問看護の医療保険と介護保険の違いをご覧ください(金額・要件は療養費の告示で確認してください)。
「在宅ターミナルケア加算」とは別の制度です
名前が似ているため混同されやすいところです。「在宅ターミナルケア加算」は医科診療報酬の加算で、算定するのは医療機関(医師)です。訪問看護ステーションが算定するものとは別の制度なので、算定主体を取り違えないようにします。
| 名称 | 誰が算定するか | どの制度か |
|---|---|---|
| ターミナルケア加算 | 訪問看護ステーション | 介護保険 |
| 訪問看護ターミナルケア療養費 | 訪問看護ステーション | 医療保険 |
| 在宅ターミナルケア加算 | 医療機関(医師) | 医科診療報酬(往診料・在宅患者訪問診療料の加算) |
要件・単位数は改定により変わります。算定にあたっては最新の告示・通知および保険者・支払基金の取り扱いをご確認ください。
施設サービスの「看取り加算」との違い
特別養護老人ホームやグループホーム(認知症対応型共同生活介護)、特定施設入居者生活介護などの施設サービスにも、看取り期の対応を評価する加算(看取り介護加算・看取り期における医療連携体制加算など)が設けられているとされています。これらは施設サービス費に位置づく加算であり、訪問看護ステーションが算定する「ターミナルケア加算」とは、対象となるサービスの種類も算定する事業所も異なります。
| 名称 | 位置づけ |
|---|---|
| ターミナルケア加算 | 訪問看護ステーションが算定する介護保険の加算 |
| 看取り介護加算 等 | 特養・グループホーム等、施設サービスの加算 |
| 在宅ターミナルケア加算 | 医師(医療機関)の診療報酬の加算 |
名称が似ているため混同されがちですが、同一の加算として扱われるものではなく、それぞれの制度・基準に沿って個別に算定・管理されているとされています。詳細は各サービスの告示・通知でご確認ください。
検索でよく混同されますが、「在宅ターミナルケア加算」は医師(医療機関)の在宅患者訪問診療に対する診療報酬の加算で、訪問看護のターミナルケア加算とは制度も算定する職種も異なります。訪問看護ステーションが算定するのは、上記のターミナルケア加算(介護保険)またはターミナルケア療養費(医療保険)です。
算定の可否を分けるのは「記録」
ターミナルケア加算の要件は、そのほとんどが記録に紐づいています。実地指導での返還を防ぐには、次の記録を確実に残すことが欠かせません。
- 本人・家族の意向とその変化(ACPの経過)
- 看取りの方針の説明と同意(日時・説明者・同席者)
- 症状の経過と緩和ケアの内容
- 主治医・多職種との連携(指示・報告・カンファレンス)
- 死亡日前14日以内の訪問日と実施内容(2日以上の実施がわかる記録)
運営指導で実際に公表されている指摘|出典つき
ターミナルケア加算は、説明・同意と、記録の中身が具体的に確認されています。
| 公表されている指摘 | 公表元 |
|---|---|
| 利用者及びその家族等に対し、ターミナルケアに係る計画及び支援体制について説明し、同意を得ていることの確認ができない事例 | 千葉市「令和7年度の運営指導における主な指導事項について」(訪問看護・報酬関係) |
| ターミナルケアの提供においては、次のア〜ウを訪問看護記録書に記録しなければならないとされているが、当該記録の確認ができない事例——ア 終末期の身体症状の変化及びこれに対する看護についての記録/イ 療養や死別に関する利用者及び家族の精神的な状態の変化及びこれに対するケアの経過についての記録/ウ 看取りに関する記録 | 同上 |
| 緊急時訪問看護加算・ターミナルケア加算については、契約時の重要事項説明書を説明する中で包括的に同意を得るのではなく、利用者又はその家族に対して個別に十分な説明を行い同意を得ること | 堺市の資料 |
| ターミナルケア加算について「療養や死別に関する利用者及び家族の精神的な状態の変化及びこれに対するケアの過程についての記録が希薄である」 | 同上 |
| 緊急時訪問看護加算・特別管理加算・ターミナルケア加算は1人の受給者に対して1事業所のみ算定可能。複数事業所から請求されている場合は縦覧点検で「要確認」として出力される | 青森県の縦覧点検マニュアル |
| (施設の看取り介護加算)利用者等への説明の際に、利用者に関する記録を活用した説明資料を作成し、その写しを提供していることが確認できない/看取り介護の記録に必要な項目が記載されていない/実施した看取り介護の検証や職員の精神的負担の把握等が行われていない | 久留米市「近年の運営指導における主な指摘事例」 |
要件・運用は保険者・都道府県により異なります。詳細は監査対策ナビと各自治体の公表資料をご確認ください。
訪問看護記録書に残す3つの記録|ア・イ・ウの対照表
千葉市の資料が名指ししている3項目です。「イ(精神的な状態の変化とケアの経過)」が希薄になりやすいと堺市の資料でも指摘されています。以下は記載のイメージを示す(例)であり、実在の利用者ではありません。
| 記録すべきこと | 記載例 | |
|---|---|---|
| ア | 終末期の身体症状の変化及びこれに対する看護 | ◯月◯日:疼痛NRS 5〜7で経過。レスキュー薬の使用が1日3回に増加。主治医へ報告し、定時薬の増量が指示された。◯月◯日:NRS 2〜3へ軽減。夜間の睡眠が確保できている |
| ア | 同上(呼吸・食事・意識) | ◯月◯日:食事摂取量が3割へ減少。ご本人「食べられなくてもいい」と話される。無理に勧めず、口腔ケアと氷片の摂取に切り替えた。◯月◯日:傾眠が増え、声かけに開眼される程度 |
| イ | 療養に関する利用者の精神的な状態の変化と、これに対するケアの経過 | ◯月◯日:ご本人「家にいられてよかった」と話される。◯月◯日:「息子に迷惑をかけている」との発言あり。傾聴し、ご家族の思いをお伝えしたところ表情が和らいだ |
| イ | 療養に関する家族の精神的な状態の変化と、これに対するケアの経過 | ◯月◯日:長女より「このまま家で看られるか不安」との訴え。24時間の連絡体制を再度説明し、夜間の対応手順を紙にしてお渡しした。◯月◯日:「連絡できると思うと落ち着いた」と話される |
| イ | 死別に関する精神的な状態の変化と、これに対するケアの経過 | ◯月◯日:ご家族より「もし急に呼吸が止まったらどうすればよいか」と質問あり。慌てて救急要請しなくてよいこと、まず事業所へ連絡いただくことを説明した。◯月◯日:ご家族間で見送りの希望を話し合われたとのこと |
| ウ | 看取りに関する記録 | ◯月◯日◯時◯分 訪問。呼吸停止を確認。◯時◯分 主治医へ連絡。◯時◯分 主治医到着、死亡確認。ご家族に付き添い、エンゼルケアを実施。担当介護支援専門員へ◯時◯分に連絡 |
日々の記録の書き方は訪問看護記録書Ⅱの書き方、月次の様式は訪問看護報告書の書き方で解説しています。
説明と同意|重要事項説明書での包括同意では足りない
堺市の資料は、契約時の重要事項説明書のなかで包括的に同意を得るのでは足りないとしています。ターミナルケアの計画と支援体制について、その時点で個別に説明し、同意を得た記録を残す必要があります。
| 残すこと | 記載例 |
|---|---|
| 説明した日 | ◯月◯日 14:00 ご自宅にて |
| 説明した相手 | ご本人、長女(キーパーソン) |
| 説明した内容 | ターミナルケアに係る計画(症状の緩和、訪問頻度、24時間の連絡体制)および支援体制について説明 |
| 同意が得られたこと | ご本人・長女より同意を得た。同意書に署名をいただいた |
| 意向が変わったとき | ◯月◯日 入院を希望されたため方針を再確認。ご家族と主治医を交えて再度説明し、同意を得た |
1人1事業所のみ|縦覧点検で見られています
青森県の縦覧点検マニュアルでは、緊急時訪問看護加算・特別管理加算・ターミナルケア加算は1人の受給者に対して1事業所のみ算定可能とされ、複数事業所から請求されている場合は「要確認」として出力されます。
| 状況 | 点検での扱い | 算定前に確認すること |
|---|---|---|
| 同一事業所から複数様式で請求 | 過誤として出力される | 様式をまたいだ重複請求になっていないか |
| 複数事業所から請求 | 要確認として出力され、いずれの請求が誤りか確認を求められる | 他の事業所から同じ加算に係る訪問看護を受けていないかを、算定前にご本人・ご家族と担当介護支援専門員に確認する |
仙台市の資料でも、緊急時訪問看護加算について「1人の利用者に対して1つの事業所に限り算定できるため、他の事業所から当該加算に係る訪問看護を受けていないか併せて確認すること」が示されています。
ターミナルケアの記録 例文
訪問看護記録書Ⅱ(SOAP)での記載例です。詳しい書き方は記録書Ⅱ SOAPの書き方と例文集を参照してください。
【意向確認・ACP】
S:「最期まで家にいたい。苦しいのだけは嫌だ」と本人。妻も「本人の希望に沿いたい」
O:意識清明。疼痛NRS3。食事量1/3。主治医と方針を共有済み
A:在宅看取りの意向は安定。疼痛コントロールの継続が必要
P:24時間連絡体制を再説明。疼痛時の頓用を家族へ指導
【看取り前日の訪問】
S:家族「呼吸が変わってきた気がする」
O:下顎呼吸あり。四肢冷感・チアノーゼ。血圧測定困難
A:看取りが近い状態。家族の不安が強い
P:予測される経過を家族へ説明。主治医へ状態報告。訪問頻度を調整し、緊急時の連絡方法を再確認
看取り期の記録負担を、音声AIで軽くする
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まとめ
- 介護保険のターミナルケア加算は2,500単位/月。死亡日前14日以内に2日以上の実施・24時間対応体制・説明同意・記録が要件。
- 医療保険ではターミナルケア療養費、医師の在宅ターミナルケア加算とは別制度。
- 算定の可否は記録で決まる。音声AIで記録を確実・省力に。
看取り期に、家族へ伝えておくこと
ご家族が慌てるのは、次に何が起こるか知らされていないときです。以下は伝え方のイメージを示す(例)で、実在の利用者ではありません。
| 時期 | 伝えること | 伝え方の例 |
|---|---|---|
| 予後の説明を受けた後 | これから起こりうる体の変化 | 「食べる量が減っていくこと、眠っている時間が長くなることは、自然な経過です」 |
| 食事がとれなくなってきたとき | 無理に食べさせなくてよいこと | 「体が必要としなくなってきています。お口を潤すだけでも十分です」 |
| 呼吸が変わってきたとき | 呼吸の変化は苦しさとは限らないこと | 「音が気になると思いますが、ご本人が苦しんでいるとは限りません」 |
| 手足が冷たくなってきたとき | 末梢から循環が落ちること | 「手足が冷たくなるのは、体の変化のひとつです。温めて差し上げてください」 |
| 意識が遠くなってきたとき | 聴覚は最後まで残るとされること | 「聞こえていることが多いので、いつもどおり話しかけてください」 |
| 呼吸が止まったとき | 慌てて救急要請しなくてよいこと | 「まず当ステーションへご連絡ください。24時間つながります」 |
| 看取りの後 | グリーフケアの案内 | 「落ち着かれた頃に、あらためてお伺いします」 |
| いつでも | 意向は変えてよいこと | 「お気持ちが変わったら、いつでも教えてください」 |
看取り期に事業所内で決めておくこと
| 項目 | 決めておくこと |
|---|---|
| 連絡体制 | 夜間・休日の連絡先と、担当の順番 |
| 主治医との連携 | 報告の基準と、連絡の手段 |
| 訪問の頻度 | 状態に応じた増減の判断基準 |
| 記録の様式 | ア・イ・ウの3項目をどこに書くか |
| 同意の記録 | 説明・同意・変更をどこに残すか |
| 急変時の手順 | 誰が何をするか、家族に渡す紙の内容 |
| 死亡確認の流れ | 主治医への連絡から、その後の対応まで |
| 職員の負担 | 看取り後の振り返りと、精神的な負担の把握 |
ターミナルケア加算の要件と記録は本ページ内の対照表、日々の記録は訪問看護記録書Ⅱの書き方をご覧ください。
疾患別|看取り期にたどる経過の違いと、記録に残す観察の視点(7疾患)
看取り期といっても、たどる経過は疾患によって違うと言われています。最後の数週間で急に低下していく経過もあれば、増悪と回復を繰り返しながら少しずつ下がっていく経過、年単位でゆるやかに進む経過もあります。経過の形が違えば、訪問看護が先に見ておく項目も、ご家族にあらかじめお伝えしておくことも変わります。ここでは疾患ごとに「観察の視点」「ご家族にお伝えすること」「記録に残すこと」を並べます。医学的な判断や治療方針を示すものではありません。個別の見通しや対応は主治医の説明に基づき、主治医にご確認ください。
| 疾患・状態 | 経過の形として説明されることが多いもの | 訪問看護が観察する視点 | ご家族にあらかじめお伝えすること | 記録に残すこと |
|---|---|---|---|---|
| がん(末期) | 身のまわりのことができる状態が比較的保たれ、最後の数週間から数日で急に低下していく経過をたどることが多いとされています | 痛みの部位と強さ(10段階での聞き取り)、レスキューの使用回数、食事量、排泄回数、日中の起きている時間、意識の変化 | 低下が始まってからの変化が速いことがあること、そのときに慌てないための連絡先と手順 | 痛みの強さの推移を数値で。使用回数の増減。主治医へ報告した時刻と、返ってきた内容 |
| 心不全 | 入退院を繰り返しながら段階的に低下し、比較的落ち着いて見える時期にも急な変化が起こりうるとされています | 体重の増減、下肢や体幹の浮腫、夜間の呼吸のしにくさ、起座で過ごす時間、尿量、脈拍と血圧、水分と塩分の摂り方 | 落ち着いて見える時期でも急な変化が起こりうること、どの変化があれば連絡いただきたいか | 体重の実測値と前回比。浮腫の部位と圧痕の戻り。夜間に何回起きたか。主治医へ連絡した基準と時刻 |
| COPD・慢性呼吸不全 | 感染などを契機に増悪と回復を繰り返しながら低下していく経過をたどることが多いとされています | 安静時と動作時の呼吸数、経皮的酸素飽和度の値と測定条件、痰の量と性状、会話が続く長さ、食事中の息切れ、不安の訴え | 息苦しさは不安と結びついて強くなることがあること、どの数値・様子で連絡いただきたいか | 測定値は「安静時/動作後」の条件つきで。会話の途切れ方など数値以外の観察も。主治医へ連絡した時刻と内容 |
| 腎不全(透析を行っている場合・行っていない場合) | 透析の実施状況や併存疾患によって経過が大きく異なるとされています | 尿量、浮腫、皮膚のかゆみ、悪心、傾眠の程度、シャント部の状態(透析中の場合)、透析施設からの情報 | 透析施設と訪問看護の連絡の道筋、体調の変化を誰に伝えるか | 透析施設からの申し送りを受けた日時と内容。ご本人・ご家族の言葉。主治医と透析施設それぞれへの連絡記録 |
| 神経難病(ALS・パーキンソン関連疾患等) | 年単位でゆるやかに進行し、呼吸機能や嚥下機能の低下が経過に影響するとされています | 呼吸の深さと回数、痰の喀出力、むせの頻度、意思伝達の手段が使えているか、関節の拘縮、褥瘡の危険部位 | 意思を伝える手段が変わっていくこと、そのつど希望を確認していく進め方 | 意思伝達の手段(指の動き、文字盤、視線など)で確認できた本人の言葉をそのまま。確認した日付 |
| 認知症(重度) | 長い経過のなかで少しずつ低下し、摂食嚥下の低下や感染が経過に影響するとされています | 食事にかかる時間とむせ、体重、口腔内の状態、表情や声のトーンの変化、痛みを言葉にできない場面の身体所見 | 痛みや不快が言葉以外で表れることがあること、見られたときの伝え方 | 「痛い」と言えない方の観察は、表情・体の動き・食事量など観察できた事実で。ご家族が気づかれた変化も出典つきで(誰が、いつ) |
| 老衰 | 特定の疾患の悪化ではなく、全身の機能が少しずつ低下していく経過とされています | 食事量と水分量、日中の傾眠、体重、皮膚の状態、発語の量、座って過ごせる時間 | 食べられなくなることが経過のひとつであること、ご家族が「食べさせられない」と責任を感じなくてよいこと | 摂取量は「主食◯割/副食◯割/水分◯mL」の実数で。ご家族の言葉をそのまま。お伝えした内容と、そのときのご家族の反応 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
疾患別|そのまま貼って直せる記録の完成文(14例)
以下は記載のイメージを示す例であり、実在の利用者ではありません。日付・時刻・数値・お名前の呼び方は、貴事業所の様式と実際の状況に合わせて置き換えてください。薬剤の判断や治療方針は書かず、「観察した事実」と「主治医へ連絡した事実・返ってきた内容」で構成しています。
| 疾患 | 場面 | 記録の完成文 |
|---|---|---|
| がん(末期) | 痛みが強くなった日 | 10:05 訪問。ご本人より「昨夜2時ごろから右腰の痛みで目が覚めた」との訴え。痛みの強さを10段階でお聞きすると7(前回訪問時4)。体位変換時に増強し、安静時は5程度。表情のしかめあり、右側臥位を保持されている。10:20 主治医へ電話で報告。10:38 主治医より折り返しの連絡があり、本日15時に往診予定と伺った。ご本人と長女へ往診の時間をお伝えし、それまでの過ごし方をご家族と確認した。次回訪問は明日10:00。 |
| がん(末期) | 食事がとれなくなってきた日 | 14:00 訪問。朝食は主食1割・副食0割、昼食は摂取なし。水分は本日ここまで200mL。ご本人「においがだめ。水は飲める」と話される。妻より「食べさせないと弱ってしまう気がして」との言葉あり。ご本人が受け入れられる量と形をご一緒に確認し、氷片と好まれる飲み物を少量ずつという方法を妻とご相談した。14:30 摂取量の推移を主治医へファクスで報告。次回訪問時に体重測定を行う予定。 |
| 心不全 | 体重が増えた日 | 9:40 訪問。体重58.6kg(3日前56.9kg、+1.7kg)。両下腿に圧痕性の浮腫あり、指圧後の戻りに約20秒。夜間は枕を2つ重ねて就寝され、昨夜は2回起きられたとのこと。安静時の呼吸数20回/分、脈拍96回/分・不整あり、血圧138/84mmHg。ご本人「横になると息がつまる感じ」と話される。9:55 主治医へ電話で体重の推移と夜間の様子を報告。10:10 主治医より本日中に往診する旨の連絡を受け、長男へお伝えした。 |
| 心不全 | 落ち着いている日の記録 | 11:00 訪問。体重56.5kg(前回56.7kg)。下腿の浮腫は軽度で圧痕の戻りは約5秒。夜間の起き上がりは0回。安静時の呼吸数16回/分、脈拍78回/分、血圧126/76mmHg。ご本人「今週は楽に眠れている」と話される。前回お渡しした連絡の目安(体重が2日で1kg以上増えたとき、夜間に起きる回数が増えたとき)を長男と読み合わせ、掲示場所を冷蔵庫の扉に変更した。次回訪問は◯月◯日9:30。 |
| COPD・慢性呼吸不全 | 息苦しさの訴えがあった日 | 15:10 訪問。ご本人より「今朝から息が吸いにくい」との訴え。安静座位で呼吸数26回/分、経皮的酸素飽和度88%(安静座位・室内気)。会話は5〜6語で途切れる。痰は粘稠で黄色、本日3回喀出されたとのこと。口すぼめ呼吸をご一緒に行い、10分後の安静座位で呼吸数22回/分・飽和度91%。15:35 主治医へ電話で数値と経過を報告。15:50 主治医より、明日午前に往診する旨と、それまでに変化があれば再度連絡するようにとの指示を受けた。長女へ連絡先を再度お伝えした。 |
| COPD・慢性呼吸不全 | 不安の訴えが強い日 | 16:20 訪問。ご本人より「夜になると息が止まるのではと怖い」との訴え。安静時の呼吸数18回/分、飽和度93%(安静座位・室内気)で、前回訪問時と大きな差はない。訴えを遮らずお聞きし、ご本人の言葉「怖いのは夜10時からあと」を記録。夜間の連絡手順(当ステーションへの電話、つながらないときの二番目の番号)を紙に書いてお渡しし、電話台の横に置いていただいた。16:50 妻より「夜に電話していいと分かって少し楽になった」との言葉。 |
| 腎不全 | 透析施設からの情報を受けた日 | 13:00 訪問。本日午前、透析施設の看護師より電話があり、前回透析後の血圧低下と倦怠感の強さについて申し送りを受けた(連絡時刻11:20、担当◯◯看護師)。訪問時、ご本人は臥床されており「立ち上がるとふらつく」と話される。臥位血圧104/62mmHg、座位98/58mmHg、脈拍84回/分。悪心の訴えはなし。尿量はご家族の記録で本日200mL。13:25 主治医へ、透析施設からの申し送り内容と本日の血圧の値を報告した。 |
| 腎不全 | 皮膚のかゆみと倦怠感 | 10:30 訪問。ご本人より「背中がかゆくて眠れない」との訴え。背部から上腕にかけて乾燥が強く、掻破痕が3か所。出血・浸出液はなし。夜間の入眠は23時ごろ、途中2回覚醒とご家族より。倦怠感は10段階で6(前回4)。保湿の方法と衣類の素材について妻とご一緒に確認した。10:55 主治医へ皮膚の状態と睡眠の様子を報告し、記録を次回往診時にお見せすることとした。 |
| 神経難病(ALS) | 呼吸の変化を確認した日 | 9:15 訪問。安静時の呼吸数22回/分、胸郭の動きが浅く、腹式優位。飽和度94%(安静臥位・室内気)。痰の喀出力が低下し、吸引の回数はご家族の記録で昨日8回(3日前は5回)。ご本人へ文字盤で確認したところ「くるしくはない ねむい」との返答。9:40 主治医へ吸引回数の推移と本人の返答を報告。10:00 主治医より、次回往診を◯日に前倒しする旨の連絡を受け、妻へお伝えした。 |
| 神経難病(パーキンソン関連疾患) | 意思の確認を続けている記録 | 14:00 訪問。発語は聞き取りにくいが、閉眼・開眼での返答は可能。「痛みはありますか」に開眼2回(はい)、「今の場所で過ごしたいですか」に開眼2回。長女に立ち会っていただき、同じ質問を長女からも行い同じ返答であることを確認した。前回(◯月◯日)と同じ返答であることを記録。次回訪問時にも同様に確認する予定。ご本人の意思が変わった場合はいつでも変えてよいことを、長女を通じてお伝えした。 |
| 認知症(重度) | 言葉で訴えられない痛みの観察 | 11:20 訪問。声かけに開眼されるが発語なし。おむつ交換時、右股関節を動かした際に眉間にしわを寄せ、右手で介助者の手を押し返す動作が2回。左側では同じ反応なし。皮膚の発赤・腫脹はなし。体温36.8℃、脈拍88回/分。ご家族より「昨日から寝返りのときに声を出す」との情報。11:45 主治医へ、動作時の反応と左右差を報告した。 |
| 認知症(重度) | 食事にかかる時間が延びてきた日 | 12:00 訪問。昼食の場面に同席。摂取に要した時間45分(2週間前は25分)。主食3割・副食2割、水分150mL。1口ごとにむせが2回。食後に口腔内を確認したところ、左頬側に食物残渣あり。妻へ、食事の姿勢と一口量、食後の口腔ケアの手順をご一緒に確認した。12:40 摂取時間とむせの回数を主治医へ報告。次回訪問時に体重を測定する予定。 |
| 老衰 | 眠っている時間が長くなってきた日 | 10:00 訪問。日中の傾眠が強く、声かけで開眼されるが会話は続かない。昨日の食事は朝のみ主食2割、水分は1日250mL。体温36.2℃、脈拍72回/分、血圧104/60mmHg、呼吸数16回/分。長女より「昨日はほとんど寝ていた。これでいいのか分からない」との言葉。眠っている時間が長くなることは経過のひとつとして説明した。長女より「そうなんですね」との返答。10:35 主治医へ摂取量と傾眠の程度を報告。 |
| 老衰 | ご家族が介護を続けられている場面 | 15:00 訪問。長女が2時間おきに体位を変えておられ、仙骨部に発赤なし。口腔内は湿潤しており、スポンジブラシでのケアが継続されている。長女より「私が寝てしまって、その間に何かあったらと思うと眠れない」との言葉。夜間の連絡体制と、夜間に眠っていただいてよいことをお伝えした。介護の負担についてはケアマネジャーへ情報提供し、短期入所や訪問介護の利用について選択肢をご説明いただけるよう依頼した(15:40 電話、担当◯◯介護支援専門員)。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
症状別|観察した事実と主治医への連絡だけで書く記録(11症状・33例)
看取り期の記録は、「何を判断したか」ではなく「何を観察し、誰にいつ伝え、何が返ってきたか」で書くと、あとから読む人にも運営指導の場でも意味が通ります。以下は症状ごとに、数値や回数で残せる項目と、記録の主語をそろえたものです。薬剤の使い方や治療方針についての判断は含めていません。医師の指示に関する事項は、指示書および主治医への確認によってください。
| 症状 | 数値・回数で残せる観察項目 | ご家族へのお伝えの例 | 記録の主語のそろえ方 |
|---|---|---|---|
| 疼痛 | 部位、10段階での強さ、増強する動作、持続時間、夜間の覚醒回数、表情や体位 | 「痛みの強さを数字でうかがっておくと、先生にお伝えするときに伝わりやすくなります」 | 「ご本人より◯◯との訴え」「◯時◯分 主治医へ報告」「◯時◯分 折り返しの連絡あり」 |
| 呼吸困難 | 安静時と動作後の呼吸数、測定条件つきの酸素飽和度、会話が続く語数、起座で過ごす時間、不安の訴え | 「苦しさは不安と重なって強く感じられることがあります。数値と合わせて様子を見ていきます」 | 数値には必ず条件(安静座位/動作後/室内気)を添える |
| せん妄 | 出現した時刻、内容(見えているもの・話の内容)、持続時間、日中との差、睡眠の状況、転倒の危険 | 「夜に話がかみ合わなくなることがあります。ご家族が否定しなくて大丈夫です」 | ご本人の発言はそのまま「」で。解釈を書かず、観察した言動を書く |
| 倦怠感 | 10段階での強さ、起きていられる時間、日中の臥床時間、動作の中断、本人の言葉 | 「だるさは目に見えないので、数字で教えていただけると助かります」 | 本人が言葉にできない場合は、動作の変化で記す |
| 食欲不振・経口摂取低下 | 主食・副食の割合、水分量(mL)、食事に要した時間、むせの回数、体重 | 「食べる量が減っていくことは経過のひとつとされています。無理に勧めなくて大丈夫です」 | 「食べられない」ではなく実数で。ご家族の言葉も併記する |
| 浮腫 | 部位、左右差、圧痕の戻る秒数、体重の推移、皮膚の張りと損傷の有無、衣類・靴のきつさ | 「むくみの場所と、押したあとの戻り方を見ています」 | 「浮腫あり」で終わらせず、部位と秒数を書く |
| 悪心・嘔吐 | 回数、時刻、量と性状、食事との関係、においとの関係、水分摂取の可否 | 「においが引き金になることがあります。食事の場所を変えてみる方法もあります」 | 吐物の性状は見たままを書く(色・内容物) |
| 便秘 | 最終排便日、便の性状、腹部の張り、腸蠕動音、食事量と水分量、ご本人の訴え | 「最後に出た日を記録に残していただけると、先生にお伝えしやすくなります」 | 「排便なし」ではなく「最終排便◯月◯日」と日付で |
| 不眠 | 入眠時刻、覚醒回数と時刻、覚醒時の様子、日中の睡眠、環境(音・光・室温) | 「夜眠れない理由が痛みなのか不安なのかで、お伝えする内容が変わります」 | 「不眠あり」ではなく時刻で書く |
| 死前喘鳴 | 出現した時刻、音の大きさと聞こえる場面、体位による変化、ご本人の表情、ご家族の受け止め | 「音が気になると思いますが、ご本人が苦しがっているとは限らないと言われています」 | ご家族へお伝えした内容と、そのときのご家族の言葉を残す |
| 末梢循環不全 | 冷感の部位と範囲、チアノーゼの有無と部位、皮膚の色調(斑状の変化)、血圧測定の可否、脈の触れ方 | 「手足が冷たくなるのは体の変化のひとつです。温めて差し上げてかまいません」 | 測定できなかった事実も書く(「橈骨動脈は触知困難」など) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
症状別|観察と連絡だけで完結する記録の完成文(22例)
以下は記載のイメージを示す例であり、実在の利用者ではありません。いずれも「観察した事実」と「連絡した事実・返ってきた内容」で構成し、薬剤や処置の判断は書いていません。
| 症状 | 記録の完成文 |
|---|---|
| 疼痛(増強時) | 13:40 訪問。ご本人より「昨夜11時ごろから左肩から腕にかけて痛みが強い」との訴え。10段階で8(前回訪問時5)。腕を挙上する動作で増強、安静時は6。夜間は痛みで2回覚醒されたとのこと。表情のしかめと発汗あり。13:55 主治医へ電話で報告。14:12 折り返しの連絡があり、本日中に往診いただけると伺った。ご本人と妻へ時間をお伝えし、それまで無理に体位を変えないことをご一緒に確認した。 |
| 疼痛(軽減時) | 10:10 訪問。ご本人より「昨日より楽になった」との言葉。10段階で3(3日前8)。体位変換時の増強はあるが、安静時は2。昨夜の覚醒は0回で、朝食も主食5割摂取されている。表情は穏やかで、テレビをご覧になっていた。10:30 経過を主治医へファクスで報告。妻より「痛がっていないのを見ると私も眠れます」との言葉。次回訪問は明後日10:00。 |
| 呼吸困難(動作時) | 11:00 訪問。トイレまでの歩行(約5m)後、呼吸数28回/分、酸素飽和度87%(動作直後・室内気)。座位安静3分後に呼吸数20回/分、飽和度93%。会話は3〜4語で途切れる。ご本人「歩くと息が上がる。座れば落ち着く」と話される。11:20 主治医へ動作前後の数値を報告。11:35 主治医より、次回往診時に評価する旨の連絡を受けた。ポータブルトイレの利用について、ご本人の希望を確認したうえで担当介護支援専門員へ情報提供した(11:50 電話)。 |
| 呼吸困難(夜間の訴え) | 2:20 ご長男より電話。「息が苦しいと言っている」との連絡を受け、2:55 緊急訪問。安静座位で呼吸数24回/分、酸素飽和度90%(室内気)、脈拍102回/分。前傾の姿勢を保持され、会話は可能。室内の換気と体位をご一緒に整え、3:20の時点で呼吸数20回/分、飽和度93%。3:25 主治医へ電話で状況と数値を報告し、朝の往診まで経過を見ることとした旨を伺った。3:40 退室。ご長男へ、再度変化があればいつでも連絡いただくようお伝えした。 |
| せん妄(夜間) | 9:30 訪問。ご家族より「昨夜1時ごろ、いない人に話しかけていた。ベッドから降りようとした」との情報。訪問時のご本人は開眼され「昨日のことは覚えていない」と話される。見当識は日付が不確か、場所は正答。転倒はなく外傷なし。夜間の様子(時刻・言動・持続時間)を記録用紙にご記入いただくことをご家族と決めた。9:50 主治医へ、昨夜の言動と本日の様子を報告した。 |
| せん妄(日中の変動) | 14:00 訪問。訪問直後は「ここは会社だ」と話され、窓の外を指して「迎えが来ている」と繰り返される。否定せずお聞きし、20分後には「◯◯さん(訪問看護師)だね」と話され、会話がかみ合うようになった。この間、体温36.6℃、脈拍92回/分、飽和度96%(安静座位・室内気)。妻へ、否定せずに話をお聞きいただく関わり方をお伝えした。妻より「言い返さなくていいんですね」との言葉。14:40 主治医へ経過を報告。 |
| 倦怠感 | 10:45 訪問。ご本人より「体が重くて起きていられない」との訴え。10段階で7(1週間前4)。座位を保てる時間が約10分で、前回訪問時の30分から短縮。臥床時間は日中のほとんど。食事は主食2割、水分400mL/日。体温36.4℃、血圧98/58mmHg、脈拍88回/分。ご本人「動けないのが情けない」と話され、しばらく傾聴した。11:10 主治医へ倦怠感の推移と血圧の値を報告。 |
| 食欲不振・経口摂取低下 | 12:30 訪問。本日の摂取は、朝食が主食1割・副食1割、昼食は摂取なし。水分は本日ここまで150mL。3日前は主食3割・水分500mL。体重は測定できず(起立保持が困難なため)。ご本人「おなかはすかない。口の中が乾く」と話される。口腔内は乾燥が強く、スポンジブラシでの湿潤ケアを実施し、ご家族へ手順をお伝えした。妻より「食べさせないといけないと思っていた」との言葉。摂取量が減っていくことについて、経過のひとつとして説明した。12:55 摂取量の推移を主治医へ報告。 |
| 食欲不振(本人の希望に沿った場面) | 15:00 訪問。ご本人より「アイスなら食べたい」との言葉。ご家族が用意されたアイスを小さじ3杯分召し上がり、むせなし。摂取後、表情が和らぎ「おいしい」と話される。妻より「好きなものなら食べられるんですね」との言葉。召し上がれた量と、そのときのご本人の言葉を記録に残すことをご家族と共有した。15:30 主治医へ、摂取できた内容と量を報告した。 |
| 浮腫 | 9:50 訪問。両下腿から足背にかけて浮腫あり、右足背の圧痕の戻りに約25秒(前回訪問時10秒)。左右差は軽度で右が強い。足背の皮膚は緊満し、光沢あり。靴下の跡が深く残っている。皮膚損傷・熱感はなし。体重は58.2kg(4日前57.0kg)。ご本人「靴下がきつい」と話される。10:10 主治医へ浮腫の部位と圧痕の戻り、体重の推移を報告。10:25 主治医より、本日夕方に往診いただける旨の連絡を受け、長女へお伝えした。 |
| 浮腫(皮膚を守る場面) | 11:15 訪問。両下腿の浮腫は前回と同程度。右下腿前面に3cm×2cmの表皮剥離あり、浸出液は少量、周囲に発赤なし。ベッド柵に接触した際にできたとご家族より(昨日15時ごろ)。保護の方法と、柵にカバーを付けることをご家族とご一緒に確認した。11:35 主治医へ皮膚の状態を報告し、次回往診時に確認いただくこととした。ご家族へ、浸出液が増えたときは連絡いただくようお伝えした。 |
| 悪心・嘔吐 | 13:20 訪問。ご家族より「今朝7時と11時に吐いた」との情報。吐物は透明な液体で、食物残渣は少量、血液様のものはなし。腹部は平坦で軟、腸蠕動音は聴取可能。体温36.5℃、脈拍90回/分。ご本人「においで気持ち悪くなる」と話される。食事の場所を居室から離すことをご家族とご相談した。13:40 主治医へ回数・時刻・性状を報告。13:58 折り返しの連絡があり、水分が摂れないときは再度連絡するようにとの指示を受けた。 |
| 悪心(食事の工夫) | 10:30 訪問。前回訪問時から嘔吐はなし。ご家族が食事を別室で盛り付け、居室に運ぶ前に換気をされていた。ご本人「においがしなくなって少し楽」と話され、朝食は主食2割摂取。水分は本日ここまで250mL。ご家族の工夫をそのままお続けいただくようお伝えした。10:50 経過を主治医へファクスで報告。 |
| 便秘 | 14:10 訪問。最終排便◯月◯日(本日で4日目)。ご家族の記録では前回は硬便少量。腹部は膨満し、左下腹部に抵抗を触れる。腸蠕動音は減弱。ご本人より「おなかが張って苦しい」との訴え、10段階で5。嘔吐・発熱はなし。食事は主食2割、水分300mL/日。14:30 主治医へ最終排便日と腹部の所見を報告。14:45 折り返しの連絡があり、本日中に往診いただける旨を伺い、長女へお伝えした。 |
| 不眠 | 10:00 訪問。ご家族より「昨夜は0時に寝て、2時・3時半・5時に起きた」との情報。覚醒時は「痛くはない。眠れないだけ」と話されていたとのこと。日中は14時から16時まで臥床して眠っておられる。訪問時の表情は穏やか。室内は夜間もテレビがついている状態とのことで、消灯と音の環境についてご家族とご相談した。10:25 主治医へ、覚醒の時刻と本人の訴えを報告した。 |
| 不眠(不安が背景にある場面) | 16:00 訪問。ご本人より「夜になると、このまま目が覚めないのではと思って眠れない」との訴え。話を遮らずお聞きし、ご本人の言葉をそのまま記録。呼吸数16回/分、飽和度96%(安静座位・室内気)、痛みは10段階で2。妻より「夜中に何度も呼ばれる」との言葉。夜間の連絡先を書いた紙を寝室の壁に貼り、妻とご一緒に位置を決めた。16:30 主治医へ、訴えの内容と現在の数値を報告した。 |
| 死前喘鳴 | 8:40 訪問。ご家族より「明け方4時ごろから、のどがゴロゴロ鳴っている」との連絡を受けての訪問。呼吸のたびに咽頭部で音が聴取される。呼吸数14回/分、下顎の動きあり。表情は穏やかで、しかめや発汗はない。体位を右側臥位に整えたところ、音は軽減したがなくならない。ご家族へ、この音が必ずしも苦痛を意味するとは限らないと言われていることをお伝えした。長女より「苦しそうに見えて怖かった」との言葉。8:55 主治医へ状態を報告し、往診の予定時刻を伺い、ご家族へお伝えした。 |
| 死前喘鳴(家族への関わり) | 11:30 訪問。喘鳴は継続。ご家族が交代でそばに付き添っておられる。長男より「吸引したほうがいいのか」との質問。実施の判断は主治医の指示によることをお伝えし、11:45 主治医へ電話でご家族の質問内容を伝えた。11:58 折り返しの連絡があり、往診時に説明いただける旨を伺い、長男へお伝えした。長男より「先生から聞けるなら待ちます」との言葉。退室前に、ご家族が休める時間帯をご一緒に確認した。 |
| 末梢循環不全 | 13:00 訪問。両手指・両足先に冷感あり、膝下まで冷たい。足底から下腿にかけて斑状の色調変化を認める。爪床のチアノーゼあり。橈骨動脈は触知困難、頸動脈は触知可能。血圧は上腕では測定困難。呼吸数12回/分、体温35.9℃(腋窩)。ご本人は閉眼され、声かけに眉が動く。ご家族へ、手足が冷たくなることは経過のひとつと言われていることをお伝えし、掛け物と手を温める方法をご一緒に行った。13:20 主治医へ、測定できた値と測定困難であった事実を報告した。 |
| 末梢循環不全(家族が手を握られている場面) | 15:40 訪問。四肢の冷感とチアノーゼは午前と同程度。長女がずっと手を握っておられ、「あたたかくしてあげたい」と話される。湯たんぽの温度と当て方(直接肌に触れないこと)をご一緒に確認した。ご本人は閉眼のままだが、長女の声かけのときにわずかに眉が動く場面あり。聴覚は最後まで保たれることが多いと言われていることをお伝えしたところ、長女より「じゃあ話しかけます」との言葉。16:00 経過を主治医へ報告。 |
| 複数症状が重なった場面 | 10:20 訪問。呼吸数24回/分、飽和度90%(安静臥位・室内気)、四肢に冷感あり、咽頭部の喘鳴あり。痛みの訴えは言葉ではなく、体位変換時の眉間のしわで確認。摂取は昨日から水分のみ100mL。尿量はご家族の記録で昨日180mL。ご家族3名が交代で付き添っておられる。10:45 主治医へ、上記すべての観察内容を電話で報告。11:02 折り返しの連絡があり、本日13時に往診いただけると伺い、ご家族へお伝えした。次回訪問は本日16:00の予定とし、それまでに変化があれば連絡いただくようお願いした。 |
| 観察できなかったことを残す場面 | 9:00 訪問。血圧は上腕・下肢とも測定困難。経皮的酸素飽和度は指先の冷感のため測定値が安定せず、記録しない(測定を試みた事実のみ記載)。体温は腋窩35.7℃。呼吸数10回/分、下顎呼吸あり。頸動脈は微弱に触知。測定できなかった項目についても、試みた事実と理由を記録に残した。9:15 主治医へ、測定困難であることを含めて報告した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
予後の時間軸別|月単位・週単位・日単位・数時間・死亡時・死亡後の記録(6区分・22例)
時期によって、訪問看護が見ている項目も、ご家族にお伝えする内容も変わります。ここでは主治医から説明されている見通しの区分ごとに整理します。見通しの判断そのものは主治医が行うものであり、以下は訪問看護が「観察したこと・お伝えしたこと・記録に残すこと」を並べたものです。
| 時期の区分 | 訪問看護が主に観察すること | ご家族にお伝えすること | 記録に残すこと |
|---|---|---|---|
| 月単位と説明されている時期 | 日常の動作がどこまでできているか、食事量、痛みの有無、外出や面会の希望、ご本人が大切にしたいこと | 今できることを一緒に整理すること、これから起こりうる変化の見取り図、意向はいつでも変えてよいこと | ご本人が話された希望をそのままの言葉で。誰が同席したか。次に確認する時期 |
| 週単位と説明されている時期 | 食事と水分の量、日中の傾眠、痛みや呼吸の変化、排泄の回数、ご家族の睡眠と疲労 | 訪問の回数を増やせること、夜間の連絡方法、ご家族が休む時間をつくってよいこと | 訪問頻度を変えた日と理由。ご家族へお伝えした内容と、そのときのご家族の言葉 |
| 日単位と説明されている時期 | 意識の変化、呼吸の形、四肢の冷感、尿量、口腔内の乾燥、ご家族の付き添い体制 | これから見られる変化を具体的に、順番も含めて。慌てて救急要請しなくてよいと確認できている場合はその手順 | お伝えした内容を項目ごとに。ご家族の受け止めの言葉。どなたに、いつ、誰がお伝えしたか |
| 数時間と説明されている時期 | 呼吸の間隔、下顎の動き、喘鳴、脈の触れ方、皮膚の色調、ご本人の表情 | そばにいていただいてよいこと、聞こえていることが多いとされること、してあげたいことがあれば今できること | 観察した時刻ごとの変化。ご家族が行われたこと。連絡した相手と時刻 |
| 死亡時(訪問時または連絡を受けて訪問した場合) | 呼吸・脈・瞳孔などの観察、時刻の確認、ご家族の様子 | 主治医へ連絡すること、到着までの過ごし方、慌てなくてよいこと | 確認した時刻、主治医へ連絡した時刻、主治医の到着時刻、その後の経過を時系列で |
| 死亡後 | ご家族の疲労と体調、これからの手続きで困っておられること | 今後の連絡先、落ち着かれた頃にお伺いできること、いつでも連絡いただいてよいこと | 関わった日と内容。ご家族の言葉。事業所内での振り返りの実施日と参加者 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
時間軸別|記録の完成文(12例)
| 時期 | 記録の完成文 |
|---|---|
| 月単位・希望の確認 | 14:00 訪問。ご本人より「孫の入学式まではもたせたい。無理なのは分かっているけれど」との言葉。妻が同席。写真を見ながら30分ほどお話をうかがった。ご本人より「痛いのだけは嫌だ」との言葉があり、痛みが出たときにいつでもご連絡いただけることをお伝えした。本日の痛みは10段階で2、食事は主食5割。次回訪問時に、過ごし方の希望をあらためてうかがう予定。 |
| 月単位・外出の希望 | 10:30 訪問。ご本人より「一度でいいから海が見たい」との希望。長男・長女が同席し、車椅子での外出について話し合われた。訪問看護からは、外出時に見ておく体調の目安(呼吸の様子、疲労、痛み)をお伝えした。10:55 担当介護支援専門員へ電話し、車椅子の貸与と外出時の支援について相談。11:20 主治医へ、外出の希望があることを情報提供した。 |
| 週単位・訪問頻度の変更 | 9:20 訪問。食事は主食1割、水分300mL/日。日中の傾眠が増え、座位を保てる時間は約10分。長女より「日に日に変わっていくのが怖い」との言葉。訪問回数を週2回から週4回に増やすことをご提案し、ご本人・長女の同意を得た(9:45)。10:00 担当介護支援専門員へ電話で連絡し、計画の変更について相談。10:15 主治医へ状態と訪問回数の変更を報告した。 |
| 週単位・家族の休息 | 16:00 訪問。妻が3日間ほとんど眠れていないとのこと(本人談)。血圧142/88mmHg、表情に疲労が強い。「私が倒れたら元も子もないのは分かっているけれど、離れられない」との言葉。夜間の連絡体制をあらためてお伝えし、休んでいただいてよいことをお話しした。16:30 担当介護支援専門員へ電話し、夜間の見守りや短期入所を含む選択肢についてご説明いただけるよう依頼した。妻より「相談してみます」との返答。 |
| 日単位・これから起こる変化の説明 | 11:00 訪問。傾眠が強く、声かけに開眼されるが会話は続かない。四肢に冷感あり。尿量はご家族の記録で昨日150mL。長男・長女・お孫さんが同席されていたため、これから見られることのある変化(眠っている時間が長くなること、呼吸の形が変わること、手足が冷たくなること、のどで音が鳴ることがあること)を順にお伝えした。長女より「聞いておいてよかった」、長男より「いつ頃からですか」との質問があり、時期は主治医から説明を受けていただくようお伝えした。11:40 主治医へ、ご家族へ説明した内容と質問があったことを報告した。 |
| 日単位・連絡手順の確認 | 15:30 訪問。ご家族4名が交代で付き添う体制を組まれている。呼吸が止まったと思われるときの手順について、以前ご本人・ご家族と話し合った内容(まず当ステーションへ連絡いただくこと)をあらためて確認した。長男より「救急車を呼ばなくていいんですね」との確認があり、以前の話し合いの内容をお伝えするとともに、迷われたときはいつでも電話でご相談いただけることをお伝えした。連絡先を書いた紙を電話台と冷蔵庫の2か所に掲示した。15:55 主治医へ、確認した内容を報告した。 |
| 日単位・意向の変化 | 13:00 訪問。長女より「やっぱり病院のほうがいいのではと家族で話している」との申し出。これまでの意向(自宅で過ごしたい)と、今のお気持ちを、否定せずおうかがいした。長女の言葉「見ているのがつらい。私が耐えられない」をそのまま記録。意向はいつでも変えてよいことをお伝えし、13:30 主治医へ電話でご家族のお気持ちを伝えた。13:50 担当介護支援専門員へも同内容を連絡。主治医より、本日往診時にご家族と話す旨の連絡を受け、長女へお伝えした。 |
| 数時間・観察の記録 | 6:10 ご長男より電話。「呼吸の間隔が空いてきた」との連絡を受け、6:35 訪問。呼吸数8回/分、下顎の動きあり、無呼吸が最長15秒。橈骨動脈は触知困難、頸動脈は微弱に触知。四肢は膝下・肘下まで冷感、爪床にチアノーゼ。表情は穏やか。6:45 主治医へ電話で報告。6:52 折り返しの連絡があり、8時ごろに往診いただける旨を伺い、ご家族へお伝えした。7:00〜7:40 ご家族とともにベッドサイドに付き添う。7:20 呼吸数6回/分。 |
| 数時間・家族への関わり | 7:45 ご家族へ、聞こえていることが多いとされること、そばで声をかけていただいてよいことをお伝えした。長女がご本人の手を握り「ありがとう」と話しかけられる。お孫さんが学校を休んで来られており、ご本人の耳元で名前を呼ばれた。妻より「みんないるよって言ってあげたい」との言葉。訪問看護は室内の温度と掛け物を整え、ご家族が過ごしやすい位置に椅子を配置した。8:00 主治医到着。 |
| 死亡時 | 8:12 主治医の診察に立ち会う。8:15 主治医により死亡が確認された旨をご家族とともにうかがった。ご家族の求めに応じ、8:30 から主治医の説明に同席。8:50 主治医退室。ご家族へ、この後の流れとご希望をうかがい、エンゼルケアについてご相談した。9:00 担当介護支援専門員へ電話で連絡(担当◯◯氏、不在のため事業所へ伝言、9:20 折り返しの連絡あり)。9:10 訪問介護事業所へ、本日以降の訪問について連絡した。 |
| 死亡後・エンゼルケア | 9:30〜10:40 ご家族の希望により、長女・妻とご一緒に整容を行う。ご本人が好んでおられた紺色の上着をご家族が用意され、お着せした。長女より「これを着せたかった」との言葉。妻がお化粧をされ、「いつもの顔になった」と話される。ご家族のペースに合わせ、途中でお休みをはさみながら実施した。10:45 退室。ご家族へ、今後お困りのことがあればいつでもご連絡いただける旨をお伝えし、連絡先をお渡しした。 |
| 死亡後・お伺い | ◯月◯日 14:00 ご自宅へお伺いする(死亡から3週間後、事前に電話でご都合を確認)。妻より「まだ実感がない日がある」「あのとき家にいられてよかったと思う日と、もっとできたのではと思う日がある」との言葉。お気持ちをうかがい、こちらから評価や助言は行わなかった。妻の睡眠は「4〜5時間は眠れている」、食事は普通に摂れているとのこと。地域包括支援センターの窓口と、お困りのときのご相談先をお伝えした。14:50 退室。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
訪問時に呼吸停止を確認した場合|時系列の対応と記録(10場面)
訪問した時点で呼吸が止まっていた場合、記録に残すのは「確認した時刻」「誰に何時に連絡したか」「その後どうなったか」です。死亡の判断は医師が行うものであり、訪問看護の記録には観察した事実と連絡の経過を残します。事前に本人・ご家族と話し合われた内容がある場合は、その内容と、話し合った日付も併せて確認できるようにしておくと、あとから読む人にも経過が分かります。
| 順序 | その場ですること | 記録の完成文 |
|---|---|---|
| 1 | 訪問した時刻と、確認した事実を記す | 10:05 訪問。居室にて臥床されており、呼吸運動を認めない。頸動脈・橈骨動脈ともに触知できない。声かけ・肩への刺激に反応なし。四肢は冷感が強く、皮膚に斑状の色調変化あり。長女が同席されていた。 |
| 2 | ご家族の状況とお気持ちを確認する | 10:07 長女へ、今の状態と、これから主治医へ連絡することをお伝えした。長女より「今朝6時に見たときは息をしていた。8時に部屋をのぞいたときは寝ていると思った」との情報。長女は動揺されており、そばに付き添いながらお話をうかがった。 |
| 3 | 主治医へ連絡し、時刻を残す | 10:10 主治医へ電話(◯◯クリニック、直通)。呼吸停止を確認したこと、確認時刻、ご家族の状況を報告。10:14 主治医より、11時ごろに訪問する旨の連絡を受けた。 |
| 4 | ご家族へ、到着までの過ごし方をお伝えする | 10:16 長女へ、主治医の到着予定時刻をお伝えし、それまでそばにいていただいてよいこと、慌てて何かをする必要はないことをお話しした。長女より「このままでいいんですね」との言葉。 |
| 5 | 他のご家族への連絡をご家族が行えるよう支える | 10:20 長女がご長男・妹さまへ電話をされる。連絡がつかない方があり、長女の希望により、こちらから連絡することはせず、長女が再度かけ直された。10:35 ご長男が到着。 |
| 6 | 室内と身のまわりを整える(ご家族の希望を確認して) | 10:40 長女の希望を確認したうえで、掛け物と枕元を整え、換気を行った。ご本人の眼鏡と時計は、ご家族の希望により枕元に置いたままとした。 |
| 7 | 主治医の到着と診察に立ち会う | 11:02 主治医到着。11:05〜11:20 診察に立ち会う。11:20 主治医により死亡が確認された旨をご家族とともにうかがった。ご家族への説明に同席し、質問(「苦しかったのでしょうか」)に対して主治医より説明が行われた。 |
| 8 | 担当介護支援専門員へ連絡する | 11:35 担当介護支援専門員へ電話(◯◯居宅介護支援事業所、担当◯◯氏)。本日の経過と、ご家族の状況をお伝えした。11:50 担当より折り返しの連絡があり、本日夕方にご自宅へ伺う予定と伺った。 |
| 9 | 他のサービス事業所へ連絡する | 11:40 訪問介護事業所(◯◯事業所)へ電話し、本日以降の訪問について連絡した。11:45 福祉用具貸与事業所へ電話し、ベッド等の引き上げについてはご家族のご都合を優先していただくようお伝えした。11:48 薬局(◯◯薬局)へ電話し、残薬の取り扱いについてご家族へ説明いただけるよう依頼した。 |
| 10 | エンゼルケアと退室、その後の連絡先 | 12:00〜13:10 ご家族の希望により、妻・長女とご一緒に整容を行った。ご家族が用意された衣類にお着替えいただいた。13:15 ご家族へ、今後お困りのことがあればいつでもご連絡いただける旨をお伝えし、連絡先をお渡しして退室した。事業所内での振り返りは◯月◯日に実施予定(参加予定者:管理者、担当看護師2名、事務職員1名)。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
家族支援と多職種連携|誰にいつ何を伝え、何が返ってきたかの完成文(20例)
看取り期の記録でとくに薄くなりやすいのが、ご家族の気持ちの変化と、それに対して何をしたかの経過です。堺市の集団指導資料でも、療養や死別に関する利用者・家族の精神的な状態の変化とケアの過程についての記録が希薄である旨が指摘事項として挙げられています。ここでは、話し合った事実とそのときの言葉を残す形の完成文を並べます。意思決定を導く書き方は避け、うかがった内容をそのまま残す形にしています。
家族支援|8つの場面の完成文(10例)
| 場面 | 記録の完成文 |
|---|---|
| 不安の傾聴 | 15:00 訪問。長女より「夜中に息が止まったらどうしよう、と思うと眠れない」との訴え。話を遮らずに約20分うかがった。長女の言葉「怖いというより、私が気づけなかったらどうしようという気持ち」をそのまま記録。夜間の連絡体制についてあらためてお伝えし、気づけなかったとしてもご家族の責任ではないことをお話しした。長女より「そう言ってもらえて少し楽になりました」との言葉。次回訪問時にもお気持ちをうかがう予定。 |
| 介護方法の指導 | 10:00 訪問。妻へ、体位変換とおむつ交換の手順をご一緒に行った(2回実施、2回目は妻が主に行い、こちらは支える役)。妻より「力の入れ方が分かった」との言葉。腰への負担を減らすため、ベッドの高さを調整した(膝の高さに合わせて設定)。次回訪問時に、口腔ケアの手順をご一緒に確認する予定。手順を書いた紙をベッド脇に掲示した。 |
| 予期悲嘆 | 14:30 訪問。長男より「まだ生きているのに、もう葬儀のことを考えてしまう自分が嫌だ」との言葉。お気持ちをうかがい、こちらから評価や助言は行わなかった。長男より「誰にも言えなかった」との言葉。ご家族が今考えておられることは、多くのご家族が経験されることとしてお伝えした。長男の睡眠は1日4時間程度、食事は摂れているとのこと。次回訪問時にも体調を含めて確認する予定。 |
| レスパイト(休息)の相談 | 11:00 訪問。妻が2週間、夜間に2時間以上続けて眠れていないとのこと。血圧148/90mmHg、日中の傾眠あり。「離れると悪くなる気がして」との言葉。休息をとることについてご相談し、選択肢をお伝えするにとどめ、こちらから決めることはしなかった。11:30 担当介護支援専門員へ電話し、短期入所や夜間の支援を含めて選択肢をご説明いただけるよう依頼した。11:50 担当より、明日ご自宅へ伺う旨の連絡を受け、妻へお伝えした。 |
| 看取りの意思の確認 | 13:00 訪問。ご本人・妻・長女が同席。ご本人より「家にいたい」との言葉。妻より「本人がそう言うなら、そうしてあげたい」、長女より「私は正直、病院のほうが安心だと思っている」との言葉。それぞれのお気持ちをうかがい、どれが正しいという話はしなかった。話し合った日と、それぞれの言葉を記録に残し、13:40 主治医と担当介護支援専門員へ、本日の話し合いの内容を情報提供した。次回、主治医の往診時にあらためて話し合う予定。 |
| 意思が変わった場面 | 10:30 訪問。長女より「先週は家でと話したが、昨夜の様子を見て、やはり入院を考えている」との申し出。前回(◯月◯日)の話し合いの内容と、今のお気持ちの両方を記録。ご本人へも確認したところ、開眼され、うなずきで応じられた(明確な発語はなし)。意向はいつでも変えてよいことをお伝えした。10:50 主治医へ電話で、ご家族のお気持ちが変わっていることを報告。11:05 担当介護支援専門員へも同内容を連絡した。 |
| 急変時の連絡方法 | 16:00 訪問。ご家族と、夜間・休日に状態が変わったときの連絡の順番を確認した。①当ステーション(24時間の連絡先)、②つながらない場合の二番目の番号、③主治医の連絡先の順で紙に書き、電話台と冷蔵庫の2か所に掲示。長男より「迷ったときも電話していいですか」との質問があり、迷われたときこそご連絡いただきたい旨をお伝えした。長男より「分かりました」との返答。掲示した内容の写しを記録に添付した。 |
| 救急要請について事前に話し合った記録 | 14:00 訪問。ご本人・長男・長女が同席。呼吸が止まったと思われるときにどうするかについて、ご家族から質問があり、話し合いの場を持った。ご本人より「救急車は呼ばないでほしい」との言葉。長男より「そのときに自分が慌ててしまいそう」との言葉。慌ててしまったとしてもご家族が責められることはないこと、迷われたときはまず当ステーションへご連絡いただけることをお伝えした。話し合った内容と、それぞれの言葉を記録。14:40 主治医・担当介護支援専門員へ、話し合いの内容を情報提供した。この内容は変わることがあるため、次回以降もあらためて確認する予定。 |
| グリーフケア(電話) | ◯月◯日 15:00 ご自宅へ電話(死亡から10日後)。妻が応答され、「日中は動けているが、夕方になると涙が出る」との言葉。お気持ちをうかがい、こちらから評価や助言は行わなかった。食事は1日2回摂れており、睡眠は5時間程度とのこと。お困りのことがあればいつでもご連絡いただける旨をお伝えした。通話時間15分。次回は◯月ごろに、ご都合をうかがったうえでお伺いする予定。 |
| グリーフケア(訪問) | ◯月◯日 11:00 ご自宅へお伺いする(死亡から1か月後、事前に電話でご都合を確認)。長女より「四十九日が終わって、少し気持ちの整理がついた気がする」との言葉。一方で「もっと早く気づいてあげられたら」との言葉もあり、そのままうかがった。こちらから「そんなことはない」といった評価は行わず、お気持ちをうかがうことに徹した。地域の遺族の集まりについての情報をお渡しした(お渡しした資料名を記録に添付)。11:45 退室。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
多職種への連絡と、返ってきた内容の記録(7職種・10例)
連携の記録は「連絡した」で終わらせず、相手・時刻・伝えた内容・返ってきた内容の4点をそろえると、あとから経過を追えます。
| 相手 | 伝えた内容 | 記録の完成文 |
|---|---|---|
| 主治医(電話) | 状態の変化と数値 | 10:20 主治医(◯◯クリニック)へ電話。痛みが10段階で4から7へ増強していること、夜間の覚醒が2回あること、食事量が主食1割へ低下していることを報告。10:38 折り返しの連絡があり、本日15時に往診いただける旨を伺った。ご本人・妻へ時間をお伝えした。 |
| 主治医(ファクス) | 週単位の経過のまとめ | 16:00 主治医へ、直近1週間の経過(体重の推移、摂取量、痛みの強さの推移、夜間の様子)をファクスで送信。16:30 クリニックの看護師より受信確認の電話があり、次回往診時に医師から説明がある旨を伺った。送信した用紙の写しを記録に添付。 |
| ケアマネジャー | 訪問頻度の変更と状態の共有 | 9:50 担当介護支援専門員(◯◯居宅介護支援事業所・◯◯氏)へ電話。状態の変化と、訪問回数を週2回から週4回へ増やすことについてご本人・ご家族の同意を得たことを報告。10:10 折り返しの連絡があり、計画の変更と担当者会議の開催について調整いただける旨を伺った。会議は◯月◯日13:00に自宅で開催予定。 |
| ケアマネジャー | ご家族の負担についての情報提供 | 15:20 担当介護支援専門員へ電話。妻の睡眠が2週間にわたり不足していること、血圧が普段より高いこと、ご本人から離れられないと話されていることを情報提供した。15:45 折り返しの連絡があり、明日ご自宅へ伺い、短期入所を含む選択肢についてご説明いただける旨を伺い、妻へお伝えした。 |
| 訪問介護 | 体調の変化と介助方法の共有 | 11:00 訪問介護事業所(◯◯事業所・サービス提供責任者◯◯氏)へ電話。四肢の冷感が強くなっていること、体位変換時に表情のしかめがあること、清拭の際の体位について共有した。11:20 折り返しの連絡があり、本日以降のヘルパーへ申し送りいただける旨を伺った。連絡ノートにも同内容を記載した。 |
| 薬局 | 服薬の状況と口腔内の状態 | 13:30 薬局(◯◯薬局・◯◯薬剤師)へ電話。内服が困難になってきていること、口腔内の乾燥が強いことを情報提供した。13:50 折り返しの連絡があり、主治医へ相談のうえ次回訪問時に説明いただける旨を伺った。薬剤の変更に関する判断は主治医によるものであることを、ご家族へもお伝えした。 |
| 福祉用具貸与 | 用具の追加とご家族の負担 | 14:00 福祉用具貸与事業所(◯◯・担当◯◯氏)へ電話。ご家族の腰への負担が大きいこと、ベッドの高さ調整と体位変換の補助具について相談した。14:25 折り返しの連絡があり、明日ご自宅で確認いただける旨を伺い、担当介護支援専門員へも同内容を連絡した(14:30)。 |
| 地域包括支援センター | ご家族の相談先の案内 | 16:00 地域包括支援センター(◯◯・担当◯◯氏)へ電話。ご家族の介護負担と、看取り後の相談先について情報提供を依頼した。16:20 折り返しの連絡があり、地域で行われている遺族の集まりの案内をお送りいただけることとなった。届いた資料はご家族へお渡しし、記録に写しを添付した。 |
| 病院の緩和ケアチーム | 退院時の情報と、その後の経過 | ◯月◯日 10:00 ◯◯病院の緩和ケアチーム(◯◯看護師)へ電話。退院後1週間の経過(痛みの強さの推移、食事量、ご家族の受け止め)を報告した。10:25 折り返しの連絡があり、外来受診時に共有いただける旨と、状態が変わった際の連絡先を伺った。伺った連絡先を事業所内の連絡先一覧に追記した。 |
| サービス担当者会議 | 看取り期の役割分担 | ◯月◯日 13:00〜13:50 ご自宅にてサービス担当者会議。出席:ご本人(同席のみ)、妻、長女、主治医(電話参加)、担当介護支援専門員、訪問介護サービス提供責任者、福祉用具貸与担当、訪問看護(記録者)。訪問看護からは直近2週間の身体症状の推移と、夜間の連絡体制について説明した。主治医より往診の頻度について説明があった。妻より「夜が一番不安」との発言があり、夜間の連絡の順番を全員で確認した。決まったこと(訪問回数、連絡の順番、次回の見直し時期)を記録し、写しを各事業所へ配布した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
看取り期の記録|定めと、貴事業所の記入欄の対照表
以下は、自治体が公表している資料に示されている定めと、貴事業所の記録を突き合わせるための欄です。判定を示すものではありませんので、実際の取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。
| 公表資料に示されている定め | 貴事業所の記録(記入欄) | 確認 |
|---|---|---|
| 利用者及びその家族等に対し、ターミナルケアに係る計画及び支援体制について説明し、同意を得ていること(千葉市の令和7年度資料に、確認ができない事例として記載) | 説明日: /説明者: /同席者: /同意を得た記録の保管場所: | ご確認ください |
| 終末期の身体症状の変化及びこれに対する看護についての記録(同資料に、訪問看護記録書に記録するものとして「ア」に掲げられている) | 記録している様式名: /記載欄: /直近の記載日: | ご確認ください |
| 療養や死別に関する利用者及び家族の精神的な状態の変化及びこれに対するケアの経過についての記録(同資料の「イ」) | 記録している様式名: /ご家族の言葉を残している欄: /直近の記載日: | ご確認ください |
| 看取りを含めた各プロセスにおける記録(同資料の「ウ」) | 記録している様式名: /時系列で残している欄: | ご確認ください |
| 契約時の重要事項説明書のなかで包括的に同意を得るのではなく、利用者又はその家族に対して個別に十分な説明を行い同意を得ること(堺市の集団指導資料に記載) | 個別の説明・同意の様式名: /保管場所: /直近の取得日: | ご確認ください |
| 1人の受給者に対して1事業所のみとされる加算について、複数事業所から請求されている場合は縦覧点検で要確認として出力される(青森県の縦覧点検に関する資料に記載) | 他事業所での同加算の有無を確認した記録: /確認した相手(ご本人・ご家族・担当介護支援専門員): /確認日: | ご確認ください |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
書き直し32組|「状態変化なし」で終わる記録を、時刻と数値と言葉で残す
看取り期の記録で最も多いのが「状態変化なし」「家族に説明した」で終わってしまう書き方です。読み手には、何を見て変化がないと考えたのか、誰に何を説明したのかが分かりません。左の列は書きがちな記録、右の列はそのまま貼って日付と数値を差し替えられる完成文です。
| 場面 | 書きがちな記録 | 書き直した完成文 |
|---|---|---|
| 全身状態 | 状態変化なし | 10:00 訪問。体温36.4℃、脈拍78回/分、血圧118/70mmHg、呼吸数16回/分、酸素飽和度96%(安静座位・室内気)。前回訪問時(◯月◯日)と比べ、いずれも大きな差はない。食事量・睡眠・排泄も前回と同程度。ご本人より「変わりないよ」との言葉。次回訪問は◯月◯日10:00。 |
| 疼痛 | 疼痛コントロール良好 | 14:00 訪問。痛みは10段階で2(前回訪問時5)。体位変換時に一時的に4まで上がるが、5分程度で戻る。昨夜の覚醒は0回。ご本人「昨日よりずっと楽」と話される。14:20 経過を主治医へファクスで報告した。 |
| 疼痛(悪化) | 疼痛増強あり | 13:30 訪問。痛みは10段階で8(前回訪問時4)。左上腹部で、深く息を吸うと増強。持続時間は10分程度で、日に4回ほど。冷汗あり。13:45 主治医へ電話で報告。14:00 折り返しの連絡があり、本日16時に往診いただける旨を伺い、ご本人・長女へお伝えした。 |
| 呼吸 | 呼吸苦あり | 11:10 訪問。安静座位で呼吸数26回/分、酸素飽和度89%(室内気)。会話は4〜5語で途切れる。前傾姿勢を保持されている。10分後の安静座位で呼吸数22回/分、飽和度92%。11:35 主治医へ数値と経過を報告した。 |
| 呼吸(安定) | 呼吸状態安定 | 9:40 訪問。安静座位で呼吸数16回/分、酸素飽和度96%(室内気)。会話は途切れずに続く。動作後(トイレまでの歩行約4m)で呼吸数20回/分、飽和度94%、2分で戻る。ご本人「今日は楽」と話される。 |
| 食事 | 食事摂取量低下 | 12:20 訪問。朝食は主食2割・副食1割、昼食は主食1割・副食0割。水分は本日ここまで200mL(3日前は600mL)。食事に要した時間35分、むせ2回。ご本人「おなかがすかない」と話される。12:45 摂取量の推移を主治医へ報告した。 |
| 食事(家族の受け止め) | 家族に説明した | 13:00 妻へ、食べる量が減っていくことは経過のひとつと言われていること、無理に勧めなくてよいことをお伝えした。妻より「食べさせないと私のせいになる気がして」との言葉。責任を感じていただく必要はない旨をお話ししたところ、「少し楽になりました」との返答。次回訪問時にもお気持ちをうかがう予定。 |
| 水分 | 水分摂取少ない | 15:00 訪問。本日の水分摂取は、ご家族の記録で250mL(内訳:お茶150mL、ゼリー100mL)。3日前は500mL。口腔内は乾燥が強く、舌に亀裂あり。スポンジブラシでの湿潤ケアを実施し、ご家族へ1〜2時間おきの手順をお伝えした。 |
| 排泄 | 排泄問題なし | 10:30 訪問。ご家族の記録で、昨日の尿量は約400mL(おむつ交換4回、うち量が多いもの2回)。最終排便は◯月◯日で普通便中等量。腹部は平坦・軟、腸蠕動音は正常に聴取。ご本人より排泄に関する訴えなし。 |
| 排泄(尿量減少) | 尿量減少 | 9:20 訪問。ご家族の記録で、昨日の尿量は約150mL(3日前は450mL)。おむつ交換は3回で、いずれも少量。色は濃い黄色。腹部の膨満なし。9:40 主治医へ尿量の推移を報告した。 |
| 皮膚 | 褥瘡なし | 11:00 訪問。仙骨部・両踵部・両大転子部を観察。発赤・水疱・表皮剥離いずれもなし。仙骨部の皮膚はやや乾燥。2時間ごとの体位変換がご家族により継続されている。エアマットの設定は前回と同じ(体重設定55kg)。 |
| 皮膚(発赤) | 仙骨部発赤あり | 14:15 訪問。仙骨部に3cm×3cmの発赤あり、指圧により消退しない。水疱・表皮剥離はなし。前回訪問(3日前)時にはなかった。ご家族より「昨日から同じ体勢で寝ていることが多い」との情報。体位変換の間隔と、クッションの当て方をご一緒に確認した。14:40 主治医へ発赤の部位と大きさを報告し、次回往診時に確認いただくこととした。 |
| 口腔 | 口腔ケア実施 | 10:50 口腔内を観察。上顎に乾燥した痰の付着あり、舌苔は中等度、口唇に亀裂1か所。スポンジブラシと保湿剤で15分かけてケアを実施。実施後、ご本人より「さっぱりした」との言葉。ご家族へ手順をお伝えし、次回訪問までは1日3回を目安に行っていただくこととした。 |
| 意識 | 傾眠傾向 | 13:00 訪問。訪問時は閉眼されており、名前をお呼びすると3秒ほどで開眼される。開眼している時間は約1分で、会話は単語のみ。前回訪問時(2日前)は5分程度の会話が可能であった。ご家族より「昨日から起きている時間が短い」との情報。13:20 主治医へ意識の変化を報告した。 |
| 意識(反応の残り方) | 反応鈍い | 15:30 訪問。声かけに開眼はされないが、長女が手を握り名前を呼ばれた際に、眉がわずかに動く。痛み刺激(体位変換時)で顔をしかめる反応あり。長女へ、聞こえていることが多いとされていることをお伝えしたところ、「じゃあ話しかけます」との言葉。 |
| 四肢 | 冷感あり | 12:00 訪問。両手指から手関節、両足先から膝下まで冷感あり(前回訪問時は足先のみ)。爪床にチアノーゼあり。足底に斑状の色調変化を認める。橈骨動脈は微弱に触知。12:20 主治医へ、冷感の範囲が広がっていることを報告した。 |
| 家族の様子 | 家族対応あり | 16:00 長男より「これでよかったのか、ずっと考えている」との言葉。約25分お話をうかがった。長男の睡眠は1日3〜4時間、食事は1日1回とのこと。ご家族ご自身の体調についても気にかけていただくようお伝えし、次回訪問時にも確認することとした。 |
| 家族への説明 | 家族に説明済み | 11:30 長女・お孫さんへ、これから見られることのある変化として、眠っている時間が長くなること、呼吸の形が変わること、手足が冷たくなること、のどで音が鳴ることがあることを順にお伝えした。長女より「順番が分かると心構えができます」との言葉。お孫さんより「そばにいてもいいですか」との質問があり、そばにいていただいてよいことをお伝えした。 |
| 意向の確認 | 本人の意向確認済み | 14:00 訪問。ご本人より「最期まで家にいたい。でも家族が大変ならそれでもいい」との言葉。妻が同席され「本人の言うとおりにしたい」との言葉。どちらのお気持ちも変わってよいことをお伝えした。話し合った日と、それぞれの言葉を記録に残し、14:30 主治医と担当介護支援専門員へ情報提供した。 |
| 意向の変化 | 方針変更 | 10:00 訪問。長女より「昨夜の様子を見て、入院を考えたい」との申し出。前回(◯月◯日)の話し合いでは自宅で過ごす意向であったことと、今のお気持ちの両方を記録。ご本人へも確認したところ、うなずきで応じられた(発語なし)。10:25 主治医へ電話で報告。10:40 担当介護支援専門員へも連絡した。 |
| 夜間の緊急対応 | 夜間対応あり | 1:40 ご長男より電話。「呼吸が浅くなっている気がする」との連絡。2:15 緊急訪問。呼吸数12回/分、酸素飽和度92%(安静臥位・室内気)、四肢に冷感あり、意識は声かけに開眼される。2:35 主治医へ電話で報告し、朝の往診まで経過を見ることとした旨を伺った。ご長男へ、再度変化があればいつでも連絡いただくようお伝えし、2:50 退室。 |
| 主治医への連絡 | 主治医に報告した | 11:15 主治医(◯◯クリニック)へ電話。痛みの強さが10段階で4から7へ増強していること、夜間の覚醒が2回あることを報告。11:32 折り返しの連絡があり、本日15時に往診いただける旨を伺った。ご本人・ご家族へ時間をお伝えした。 |
| ケアマネジャーへの連絡 | ケアマネに連絡 | 15:00 担当介護支援専門員(◯◯居宅介護支援事業所・◯◯氏)へ電話。状態の変化と、ご家族から短期入所について相談があったことを情報提供。15:20 折り返しの連絡があり、明日ご自宅へ伺う旨を伺い、ご家族へお伝えした。 |
| サービス担当者会議 | 担当者会議に出席 | ◯月◯日 13:00〜13:45 ご自宅にて開催。出席:妻、長女、主治医(電話参加)、担当介護支援専門員、訪問介護サービス提供責任者、訪問看護(記録者)。訪問看護からは直近2週間の身体症状の推移と夜間の連絡体制を説明。決まったこと(訪問回数を週4回へ、夜間の連絡は当ステーションを一番目とする、次回の見直しは◯月◯日)を記録し、写しを配布した。 |
| 訪問頻度の変更 | 訪問回数を増やした | 9:30 訪問。摂取量の低下と傾眠の増加を踏まえ、訪問回数を週2回から週4回へ増やすことをご提案。ご本人(うなずきで応答)・長女より同意を得た(9:45)。10:00 担当介護支援専門員へ連絡し、計画への反映について相談した。変更後の訪問日は◯月◯日、◯日、◯日、◯日。 |
| 説明と同意 | 同意を得た | 14:00 ご自宅にて、ご本人・長女(キーパーソン)へ、ターミナルケアに係る計画(症状の観察、訪問の頻度、24時間の連絡体制)および支援体制について説明した。説明者は◯◯(訪問看護師)。ご本人より「お願いします」、長女より「その内容でお願いします」との言葉があり、同意書に署名をいただいた。同意書は個別ファイルに保管。 |
| 指示書の確認 | 指示書あり | 訪問看護指示書:交付日◯月◯日、指示期間◯月◯日〜◯月◯日、主治医◯◯(◯◯クリニック)。訪問内容が指示の範囲に沿っているかを本日の訪問前に確認した。指示期間の満了が近いため、◯月◯日に更新の依頼を行う予定(事業所内の期限一覧に登録済み)。 |
| 他事業所での算定の確認 | 他事業所の確認済み | ◯月◯日 14:00 ご本人・長女へ、同じ加算に係る訪問看護を他の事業所から受けておられないかを確認した。長女より「他は使っていません」との返答。同日14:20 担当介護支援専門員へも電話で確認し、他事業所の利用はない旨を伺った。確認した日・相手・返答を記録に残した。 |
| 呼吸停止の確認 | 死亡確認 | 10:05 訪問時、呼吸運動を認めず、頸動脈・橈骨動脈ともに触知できない。声かけ・刺激に反応なし。10:10 主治医へ電話で報告(確認時刻を含めて伝達)。10:14 折り返しの連絡があり、11時ごろ訪問いただける旨を伺った。11:02 主治医到着、11:20 主治医により死亡が確認された旨をご家族とともにうかがった。 |
| エンゼルケア | エンゼルケア実施 | 12:00〜13:05 ご家族の希望を確認したうえで、妻・長女とご一緒に整容を行った。ご家族が用意された衣類にお着替えいただき、妻がお化粧をされた。途中、ご家族のご様子に合わせて2回休憩をはさんだ。長女より「一緒にできてよかった」との言葉。13:10 今後の連絡先をお渡しして退室した。 |
| 終了の手続き | サービス終了 | ◯月◯日をもって訪問看護を終了。11:35 担当介護支援専門員へ電話で連絡(担当◯◯氏)。11:40 訪問介護事業所、11:45 福祉用具貸与事業所、11:48 薬局へそれぞれ電話で連絡した。訪問看護報告書は◯月分までを作成し、◯月◯日に主治医へ提出予定。記録一式は事業所の規程に沿って保管する。 |
| 看取り後の振り返り | カンファレンス実施 | ◯月◯日 17:00〜17:50 事業所内で振り返りを実施。参加:管理者、担当看護師2名、他の担当看護師1名、事務職員1名。振り返った内容——①ご本人・ご家族の意向が変わった場面で、確認の間隔が適切であったか ②夜間の連絡手順がご家族に伝わっていたか ③記録に残せていなかった項目(ご家族の言葉の記載が2回分抜けていた)。次に活かすこととして、意向の確認は訪問ごとに1項目でも記載することを申し合わせた。参加者それぞれの負担についても確認し、担当看護師より「気持ちの整理ができた」との発言があった。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
訪問看護で見られる確認項目と確認文書(運営指導マニュアル別添1より)
看取り期の記録は、加算に関する書類だけでなく、日常のサービス提供記録や計画書と一体で確認されます。厚生労働省の運営指導マニュアル別添1のうち、訪問看護に関する部分から、看取り期に関わりの深い項目を抜き出しました。
| 確認項目 | 確認内容として示されているもの | 確認文書として示されているもの |
|---|---|---|
| 内容及び手続の説明及び同意 | 利用申込者又はその家族への説明と同意の手続きを取っているか/重要事項説明書の内容に不備等はないか | 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 |
| 心身の状況等の把握 | サービス担当者会議等に参加し、利用者の心身の状況把握に努めているか | サービス担当者会議の記録 |
| 居宅介護支援事業者等との連携 | サービス担当者会議等を通じて介護支援専門員や他サービスと連携しているか | サービス担当者会議の記録 |
| 居宅サービス計画に沿ったサービスの提供 | 居宅サービス計画に沿ったサービスが提供されているか | 居宅サービス計画 |
| サービス提供の記録 | 訪問看護計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか/日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか | サービス提供記録 |
| 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成 | 居宅サービス計画に基づいて訪問看護計画が立てられているか/主治の医師の指示及び利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえているか/サービスの具体的内容、時間、日程等が明らかになっているか/利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか/目標の達成状況は記録されているか/訪問看護報告書は作成されているか | 主治の医師の指示及び居宅サービス計画に基づく訪問看護計画(同意があったことがわかるもの)、アセスメントシート、モニタリングシート、訪問看護報告書 |
| 緊急時等の対応 | 緊急時対応マニュアル等が整備されているか/緊急事態が発生した場合、速やかに主治の医師に連絡しているか | 緊急時対応マニュアル、サービス提供記録 |
| 運営規程 | 緊急時等における対応方法をはじめとする重要事項について定めているか | 運営規程 |
| 従業者の員数 | 利用者に対し、従業者の員数は適切であるか/専門職は必要な資格を有しているか | 勤務実績表/タイムカード、勤務体制一覧表、従業者の資格証 |
| 秘密保持等 | 個人情報の利用に当たり、利用者及び家族から同意を得ているか/退職者を含む従業者が利用者の秘密を保持することを誓約しているか | 個人情報同意書、従業者の秘密保持誓約書 |
| 事故発生時の対応 | 事故が発生した場合の対応方法は定まっているか/市町村、家族、居宅介護支援事業者等に報告しているか/事故状況、対応経過が記録されているか | 事故対応マニュアル、市町村・家族・居宅介護支援事業者等への報告記録、再発防止策の検討の記録、ヒヤリハットの記録 |
| 苦情処理 | 苦情受付の窓口があるか/苦情の受付、内容等を記録、保管しているか/苦情の内容を踏まえたサービスの質向上の取組を行っているか | 苦情の受付簿、苦情者への対応記録、苦情対応マニュアル |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
自治体が公表している指摘のうち、看取り期の運用に関わるもの(10件)
以下は各自治体が公表している資料に記載されている内容を、看取り期の運用に関わる観点から抜き出したものです。自治体名・資料名は公表されているものをそのまま記しています。
| 公表されている内容 | 看取り期の運用で見直す点 | 公表元 |
|---|---|---|
| 訪問看護計画に対する利用者の同意を得たことが確認できない/居宅サービス計画の内容に沿った計画となっていない/具体的なサービス内容を記載していない事例が公表されている(指摘37件のうち「訪問看護計画の作成等の不備」が11件で最多) | 看取り期に計画を見直した際も、説明・同意・交付の日付が残っているかを確認する | 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(訪問看護)」 |
| 主治医の訪問看護指示書が確認できない・受領が遅い/指示書の有効期限が切れている/計画書に具体的なサービスの内容・利用者の希望・主治医の指示・看護目標等を記載していない/計画書に利用者の同意署名がない | 訪問回数が増える時期こそ、指示の期間と内容の整合を訪問前に確認する運用にする | 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月) |
| 訪問看護計画書を作成せずにサービスを提供している/計画書がケアプランの内容と相違している/内容が不十分 | 状態が急に変わった時期に計画の更新が遅れていないかを点検する | 東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護) |
| サービス提供開始後に指示書の交付を受けていた/文書による指示なく訪問していた/訪問内容が指示書と相違している | 特別訪問看護指示書の有効期間を含め、指示の期間を一覧で管理する | 東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護) |
| 月ごとの勤務表(勤務形態一覧表)を作成していない | 夜間・緊急の訪問が増える時期の勤務実績が、予定と実績の両方で残っているかを確認する | 東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護) |
| 理学療法士等による訪問について、看護職員の代わりに訪問させるものであること等を口頭で説明しているが、同意を得たことを確認できる記録がない(改善指導内容として、口頭の場合は同意を得た旨を記録等に残すことが示されている) | 看取り期にリハビリ職が関わっている場合、説明と同意の記録が残っているかを確認する | 静岡市「介護サービス事業者の指導監督(運営指導における主な指摘・助言事項等一覧)」(令和8年度集団指導資料) |
| 看護師等がその同居の家族である利用者に対して訪問看護を提供していた(自主点検のうえ報告することが示されている) | 担当を割り当てる段階で、同居関係の有無を確認する運用にする | 愛知県 福祉局福祉部 福祉総務課監査指導室「主な指摘事項(令和7年度版)」 |
| 緊急時訪問看護加算について、利用者から加算を算定することの同意を得ていない(事前に説明し同意を得ること、他の事業所から当該加算に係る訪問看護を受けていないか併せて確認することが示されている) | 看取り期に新たに体制を整えた場合も、個別の説明と同意の記録を残す | 仙台市介護事業支援課「令和6年度運営指導方針・令和5年度運営指導結果等(居宅サービス指導係所管サービス)」 |
| 複数名訪問加算の算定に当たり必要とされている「事情」が明確にされていない(単に2人の看護師等が同時に訪問したことのみをもって算定することはできないとされている) | 看取り期に2人で訪問した場合、1人では困難であった具体的な事情を計画と記録に残す | 仙台市介護事業支援課「令和6年度運営指導方針・令和5年度運営指導結果等(居宅サービス指導係所管サービス)」 |
| 予定していたサービス内容を一切実施しなかったにもかかわらず基本報酬を算定していた(実施状況を踏まえて適切な報酬の算定を行うことが示されている) | 訪問したが実施できなかった日について、記録の内容と請求が合っているかを月次で突き合わせる | 仙台市介護事業支援課「令和6年度運営指導方針・令和5年度運営指導結果等(居宅サービス指導係所管サービス)」 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
よくある質問
Q. ターミナルケア加算は何単位ですか?
介護保険では2,500単位/月です(2024年度改定)。死亡日および死亡日前14日以内に2日以上のターミナルケアの実施、24時間対応体制、説明と同意、記録などが要件です。
Q. 医療保険と介護保険でどう違いますか?
医療保険で訪問看護を提供している場合は、訪問看護ターミナルケア療養費で評価されます。対象者により医療・介護のどちらかが適用されます。
Q. 「在宅ターミナルケア加算」と同じですか?
別の制度です。在宅ターミナルケア加算は医師の在宅患者訪問診療に対する診療報酬の加算で、訪問看護のターミナルケア加算とは異なります。
Q. 死亡月に訪問がなくても算定できますか?
死亡日前の一定期間に所定の回数以上ターミナルケアを行うことなどが要件として定められています。具体的な日数・回数は最新の告示・通知でご確認ください。
関連サービス
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
出典:厚生労働省ウェブサイト/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。加算・単位数・要件は改定される場合があるため、最新の告示・通知でご確認ください。
出典
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(告示)および留意事項通知
- 千葉市「令和7年度の運営指導における主な指導事項について」/堺市・仙台市・久留米市の各運営指導・集団指導資料/青森県「縦覧点検マニュアル」
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/)/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。単位数・要件は改定により変わります。算定にあたっては最新の告示・通知および保険者の取り扱いをご確認ください。
経過別|ターミナルケアの記録の文例
ターミナルケア加算の記録は、①身体症状の変化と看護 ②精神的な状態の変化とケアの経過 ③看取りの3つが要点です。
| 場面 | 記録の文例 |
|---|---|
| 意向の確認 | 本人「痛いのだけは嫌だ。家にいたい」、長男「本人の望むようにしてあげたい」との意向を確認。 |
| 方針の共有 | 主治医・訪問看護・訪問介護・ケアマネジャーで、自宅での看取りを方針とすることを確認。 |
| 急変時の取り決め | 救急要請ではなく主治医へ連絡することを確認。連絡の順番を紙に書いて冷蔵庫に貼付。 |
| 痛みの評価 | 腰部の痛み。数字で聞くと10のうち5。貼付剤を使用中。夜間に増強する。 |
| 痛みの変化 | 貼付剤の増量後、10のうち2まで軽減。夜間の覚醒がなくなった。 |
| 食事 | 経口摂取は1日3回から2回へ。主食2割・副食1割。無理に勧めていない。 |
| 水分 | 1日300mL。氷片を口に含まれる。 |
| 口腔 | 乾燥が強い。1時間ごとにスポンジブラシで湿らせている。 |
| 排泄 | おむつ使用。尿量は減少傾向。 |
| 皮膚 | 仙骨部に発赤。2時間ごとの体位変換を継続。 |
| 呼吸 | 安静時18回/分。下顎呼吸はまだみられない。 |
| 意識 | 傾眠傾向。声かけに開眼されるが、返答は少ない。 |
| 四肢 | 冷感あり。チアノーゼは認めない。 |
| 身の回り | 希望により、長年使っていた枕を使用している。 |
| 家族の様子 | 長男が交代で付き添われている。「これでいいのか」と話される。 |
| 家族への説明 | 看護師より、これから起こりうる変化について説明。長男より「聞けてよかった」との言葉。 |
| 家族への支援 | 夜間の対応について、無理をしないよう伝え、連絡先を再確認。 |
| 医師との連携 | ◯月◯日、往診。今後の見通しについて家族へ説明が行われた。 |
| 緊急の訪問 | 2時に長男より電話。呼吸が変わったとの連絡。2時40分に訪問し、状態を確認。 |
| 死亡日前14日以内の訪問 | ◯月◯日、◯日、◯日に訪問。それぞれの日の身体症状とケアの内容を記録。 |
| 看取りの場面 | ◯時◯分、呼吸停止を確認。主治医へ連絡。◯時◯分、医師到着。 |
| エンゼルケア | 家族の希望により、長男とともに整容を行う。本人が好んでいた服を着ていただく。 |
| 家族へのねぎらい | 長男へ、これまでの介護をねぎらう言葉をかける。「よく頑張られましたね」 |
| デスカンファレンス | ◯月◯日、関わった職員で振り返りを実施。よかった点と、次に活かす点を共有。 |
加算の記録として残すもの
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 死亡日および死亡日前14日以内の訪問 | 日付ごとに、訪問の記録 |
| 身体症状の変化 | 痛み・呼吸・食事・排泄・皮膚などの推移 |
| 行った看護 | 症状の緩和のために実施したこと |
| 精神的な状態の変化 | 本人の言葉、表情、そのときの対応 |
| 家族への支援 | 説明した内容、ねぎらい、相談への対応 |
| 医師との連携 | 報告した日時、受けた指示 |
| 本人・家族の意向 | どこで過ごしたいか、どうしてほしいか |
| 24時間の連絡体制 | 連絡先を伝えたこと、実際の連絡の記録 |
| 看取り | 死亡の確認、医師への連絡、その後の対応 |
| カンファレンス | 関係者で共有した内容 |
看取り期の急変時の連絡と記録は訪問時の緊急時対応と事故発生時の対応もあわせてご覧ください。
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この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
監修:嶺井 美幸(看護師・訪問看護ステーション「訪問看護ようき」代表・株式会社ライフシフトCSO)






