介護老人福祉施設(特養)には、認知症に関する加算が6つの区分で定められています。認知症専門ケア加算(Ⅰ)(Ⅱ)、認知症チームケア推進加算(Ⅰ)(Ⅱ)、認知症行動・心理症状緊急対応加算、若年性認知症入所者受入加算です。この記事では、当社の加算データベース(一次資料の告示から採録し、各項目に根拠条項を付したもの)をもとに、6区分それぞれの告示の定めを根拠条項つきで並べ、右側に貴施設の体制を書き入れる記入欄を置きました。読み終えたら、印刷して勤務実績表・研修修了証・会議録と突き合わせる、という使い方を想定しています。
本文中の単位数・要件の文言は、いずれも「平成12年厚生省告示第21号」「平成27年厚生労働省告示第95号」から採録したデータベースの値であり、当社が記憶で書いたものではありません。一方で、運用の細部(対象者の数え方の実務、様式、提出先)は保険者(指定権者)により異なりうるため、各表の照会欄を活用してください。
この記事が扱う範囲|「認知症専門ケア加算」という同じ名前は他のサービスにもある(取り違えの整理)
最初に、取り違えの注意です。「認知症専門ケア加算」という名称の加算は、特養だけのものではありません。訪問介護をはじめ、複数のサービス種別に同じ名前で、それぞれ別の条項として定められています。検索で他サービスの解説にたどり着き、その数字や要件を特養に当てはめてしまうと、根拠条項ごと取り違えることになります。この記事が扱うのは、介護老人福祉施設(特養)の定めだけです。
| お読みになりたい対象 | この記事で扱うか | ご案内 |
|---|---|---|
| 介護老人福祉施設(特養)の認知症に関する加算6区分 | 扱います(この記事の全体) | 根拠は平成12年厚生省告示第21号・平成27年厚生労働省告示第95号のうち介護福祉施設サービスの部分です |
| 訪問介護の認知症専門ケア加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 扱いません | 同名ですが別の条項です。当サイトの訪問介護の認知症専門ケア加算の記事をご覧ください |
| グループホーム(認知症対応型共同生活介護)など居住系・その他の種別 | 扱いません | 種別ごとに定めが分かれます。当サイトの認知症の加算をサービス横断で比べる記事をご覧ください |
| 通所介護の認知症加算(日常生活自立度で対象者が定まるもの) | 扱いません | 「認知症加算」はさらに別の名称・別の定めです。名前が一字違いのため特にご注意ください |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
特養の認知症に関する加算は6区分|単位数・数える単位・体制の骨子の1枚表
まず全体像です。6区分の単位数・数える単位・体制の骨子・「算定しない」と定められている相手を1枚に並べます。単位数はすべて当社データベースの値(告示から採録)です。
| 区分 | 単位数 | 数える単位 | 体制の骨子(告示の定めの要約) | 併せて「算定しない」と定められている相手 |
|---|---|---|---|---|
| 認知症専門ケア加算(Ⅰ) | 3単位 | 1日につき | 対象者が入所者の2分の1以上・専門的な研修の修了者の配置・会議の定期開催 | 認知症専門ケア加算(Ⅱ)/認知症チームケア推進加算 |
| 認知症専門ケア加算(Ⅱ) | 4単位 | 1日につき | (Ⅰ)の基準のいずれにも適合・指導に係る専門的な研修の修了者を1名以上・職員ごとの研修計画 | 認知症専門ケア加算(Ⅰ)/認知症チームケア推進加算 |
| 認知症チームケア推進加算(Ⅰ) | 150単位 | 1月につき | 対象者が入所者の2分の1以上・指導に係る研修等の修了者の配置・複数人の介護職員のチーム・BPSDの評価とチームケア・カンファレンス等 | 認知症チームケア推進加算(Ⅱ)/認知症専門ケア加算 |
| 認知症チームケア推進加算(Ⅱ) | 120単位 | 1月につき | (Ⅰ)のうち割合・評価・カンファレンス等に適合・専門的な研修の修了者の配置・複数人の介護職員のチーム | 認知症チームケア推進加算(Ⅰ)/認知症専門ケア加算 |
| 認知症行動・心理症状緊急対応加算 | 200単位 | 1日につき(入所した日から起算して7日を限度) | 医師が、行動・心理症状のため在宅での生活が困難であり緊急に入所することが適当と判断 | 若年性認知症入所者受入加算 |
| 若年性認知症入所者受入加算 | 120単位 | 1日につき | 初老期における認知症によって要介護者となった入所者を受け入れ、個別の担当者を定める等 | 認知症行動・心理症状緊急対応加算 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
6区分は、性格の違いで3組に分かれます。体制を整えて日々積む組(専門ケア(Ⅰ)(Ⅱ))、チームの取組を月ごとに評価する組(チームケア推進(Ⅰ)(Ⅱ))、特定の入所者の受け入れに着目する組(緊急対応・若年性)です。組の中では(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらか一方、組をまたいでは表の右端の欄のとおり重ならない相手が定められています。詳しくは後述の「算定しない」の定めの一覧で確認できます。
認知症専門ケア加算(Ⅰ)|告示の4項目を根拠条項つきで並べる対照表
認知症専門ケア加算(Ⅰ)(3単位・1日につき)の基準は、平成27年厚生労働省告示第95号 第3号の5イに定められています。当社データベースは、この基準を4つの項目に分けて採録しています。左に告示の定め、中央に根拠条項、右に貴施設の記入欄を置きます。
| 告示の定め | 根拠条項 | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| 入所者総数に占める対象者(日常生活に支障を来すおそれのある症状・行動が認められ介護を必要とする認知症の者)の割合が2分の1以上 | 平27厚労告95 第3号の5イ(1) | 入所者総数( )名/対象者( )名/割合( ) |
| 認知症介護に係る専門的な研修の修了者の配置(対象者が20人未満の場合):1以上 | 平27厚労告95 第3号の5イ(2) | 修了者( )名/修了証の保管場所( ) |
| 同(対象者が20人以上の場合):1に、対象者の数が19を超えて10又はその端数を増すごとに1を加えて得た数 | 平27厚労告95 第3号の5イ(2) | 対象者数から出した必要数( )名/実配置( )名 |
| 認知症ケアに関する留意事項の伝達又は技術的指導に係る会議を定期的に開催 | 平27厚労告95 第3号の5イ(3) | 直近の開催日( 年 月 日)/議事録の保管場所( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
当社データベースの解説欄には、この加算について「認知症の方が入所者の半数以上を占める施設で、認知症介護実践リーダー研修等の修了者を配置しチームでケアを行う場合の加算」と整理されています。「専門的な研修」がどの研修名を指すかの最終的な当てはめは、届出先の保険者(指定権者)の取扱いをご確認ください。裏づけの書類としてデータベースに載っているのは、研修修了証・認知症日常生活自立度の一覧・会議の議事録の3点です(後述の書類一覧にまとめます)。
認知症専門ケア加算(Ⅱ)|(Ⅰ)の基準に重なる3項目の対照表
認知症専門ケア加算(Ⅱ)(4単位・1日につき)は、(Ⅰ)の基準を土台にした上位の区分です。根拠は平成27年厚生労働省告示第95号 第3号の5ロで、当社データベースは3つの項目で採録しています。
| 告示の定め | 根拠条項 | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| 認知症専門ケア加算(Ⅰ)の基準のいずれにも適合 | 平27厚労告95 第3号の5ロ(1) | 前掲(Ⅰ)の対照表4欄の記入結果( ) |
| 認知症介護の指導に係る専門的な研修の修了者の配置:1名以上 | 平27厚労告95 第3号の5ロ(2) | 修了者( )名/修了証の保管場所( ) |
| 介護職員・看護職員ごとの認知症ケアに関する研修計画を作成し、計画に従い研修を実施又は実施を予定 | 平27厚労告95 第3号の5ロ(3) | 計画の作成日( 年 月 日)/今年度の実施状況( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
(Ⅰ)と(Ⅱ)の分かれ目は2点です。第一に、配置する研修修了者の種類が、(Ⅰ)は「認知症介護に係る専門的な研修」、(Ⅱ)は「認知症介護の指導に係る専門的な研修」と書き分けられていること(データベースの解説欄では、(Ⅱ)は認知症介護指導者研修等の修了者と整理されています)。第二に、(Ⅱ)には介護職員・看護職員ごとの研修計画の作成と実施(又は実施の予定)が加わることです。(Ⅰ)と(Ⅱ)は、当社データベースの排他欄に互いに併算定不可と採録されています。
割合と配置数の数え方|分母・分子・研修修了者の必要数を書き出す3つの計算欄
専門ケア加算とチームケア推進加算の両方に共通する入口が「入所者総数に占める対象者の割合が2分の1以上」です。ここでつまずかないよう、分母・分子・配置数を書き出す欄を3つ用意しました。
計算欄その1|分母と分子の定義を、2つの加算で並べて書く
注意したいのは、専門ケア加算とチームケア推進加算で対象者の定義の文言が違うことです。告示の文言をそのまま並べます。
| 項目 | 認知症専門ケア加算の文言 | 認知症チームケア推進加算の文言 | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 分母 | 入所者総数 | 入所者総数 | ( )名(数えた日: 年 月 日) |
| 分子(対象者の定義) | 日常生活に支障を来すおそれのある症状・行動が認められ介護を必要とする認知症の者 | 周囲の者による日常生活に対する注意を必要とする認知症の者 | 専門ケアの定義で( )名/チームケアの定義で( )名 |
| 求められる割合 | 2分の1以上(平27厚労告95 第3号の5イ(1)) | 2分の1以上(平27厚労告95 第58号の5の2イ(1)) | 割合( )/2分の1以上か( ) |
| 対象者を数える根拠資料 | データベースの確認書類欄では「認知症日常生活自立度の一覧」 | 同(評価記録とあわせて) | 一覧の保管場所( )/最終更新日( 年 月 日) |
| 日常生活自立度のどのランクで数えるか | 当社データベースにはランクの閾値の採録がありません。断定せず、届出先にご確認ください | 照会日( 年 月 日)/回答の要旨( ) | |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
計算欄その2|専門ケア加算の研修修了者の必要数を、告示の式で出す早見表
専門ケア加算(Ⅰ)の配置の定めは「対象者20人未満は1以上、20人以上は、1に、対象者の数が19を超えて10又はその端数を増すごとに1を加えて得た数」です(平27厚労告95 第3号の5イ(2))。この式を対象者の人数帯ごとに当てはめると、次のようになります(当てはめの計算は当社によるものです。貴施設の人数での適用は届出先にご確認ください)。
| 対象者の数 | 式の当てはめ | 研修修了者の必要数 | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 20人未満 | 「1以上」の定めをそのまま適用 | 1名以上 | 実配置( )名 |
| 20〜29人 | 1+1(19を超える10又はその端数:1つ) | 2名以上 | 実配置( )名 |
| 30〜39人 | 1+2 | 3名以上 | 実配置( )名 |
| 40〜49人 | 1+3 | 4名以上 | 実配置( )名 |
| 50〜59人 | 1+4 | 5名以上 | 実配置( )名 |
| 60〜69人 | 1+5 | 6名以上 | 実配置( )名 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
計算欄その3|月ごとの点検欄(12か月分)
割合と配置は、一度満たして終わりではなく、入所者の入れ替わりと職員の異動で動きます。長野県が公表した令和6年度の運営指導結果(介護老人福祉施設)には、別の加算(日常生活継続支援加算)についてですが、割合を毎月確認していないという指摘が公表されています。割合で定まる加算は、月ごとに数えて書き残す運用にしておくと、指摘の型を避けやすくなります。
| 月 | 入所者総数 | 対象者数 | 割合 | 研修修了者の配置数 | 点検した人の職名 |
|---|---|---|---|---|---|
| 4月 | ( )名 | ( )名 | ( ) | ( )名 | ( ) |
| 5月 | ( )名 | ( )名 | ( ) | ( )名 | ( ) |
| 6月 | ( )名 | ( )名 | ( ) | ( )名 | ( ) |
| 7月 | ( )名 | ( )名 | ( ) | ( )名 | ( ) |
| 8月 | ( )名 | ( )名 | ( ) | ( )名 | ( ) |
| 9月 | ( )名 | ( )名 | ( ) | ( )名 | ( ) |
| 10月 | ( )名 | ( )名 | ( ) | ( )名 | ( ) |
| 11月 | ( )名 | ( )名 | ( ) | ( )名 | ( ) |
| 12月 | ( )名 | ( )名 | ( ) | ( )名 | ( ) |
| 1月 | ( )名 | ( )名 | ( ) | ( )名 | ( ) |
| 2月 | ( )名 | ( )名 | ( ) | ( )名 | ( ) |
| 3月 | ( )名 | ( )名 | ( ) | ( )名 | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
認知症チームケア推進加算(Ⅰ)(Ⅱ)|イの5項目・ロの3項目を根拠条項つきで並べる
認知症チームケア推進加算は、当社データベースの改定欄に令和6年度改定で新設と採録されている、比較的新しい加算です。根拠は平成27年厚生労働省告示第95号 第58号の5の2で、(Ⅰ)はイ、(Ⅱ)はロに定められています。行動・心理症状(BPSD)の予防と早期対応を、複数の介護職員によるチームで計画的に行う場合の加算です。
(Ⅰ)の対照表|150単位・1月につき(5項目)
| 告示の定め | 根拠条項 | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| 入所者総数に占める対象者(周囲の者による日常生活に対する注意を必要とする認知症の者)の割合が2分の1以上 | 平27厚労告95 第58号の5の2イ(1) | 入所者総数( )名/対象者( )名/割合( ) |
| 研修修了者の配置:1名以上(BPSDの予防等に資する認知症介護の指導に係る専門的な研修の修了者、又は認知症介護に係る専門的な研修及びBPSDの予防等に資するケアプログラムを含んだ研修の修了者) | 平27厚労告95 第58号の5の2イ(2) | 該当する修了者( )名/修了した研修の名称( ) |
| BPSDに対応する複数人の介護職員から成るチームを組んでいる | 平27厚労告95 第58号の5の2イ(2) | チームの人数( )名/編成が分かる資料の保管場所( ) |
| BPSDの評価を対象者に対し個別に計画的に行い、その評価に基づく値を測定し、チームケアを実施 | 平27厚労告95 第58号の5の2イ(3) | 用いている評価指標( )/直近の測定日( 年 月 日) |
| カンファレンス・計画作成・定期的評価・振り返り・計画見直しを実施 | 平27厚労告95 第58号の5の2イ(4) | 直近のカンファレンス開催日( 年 月 日)/記録の保管場所( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
(Ⅱ)の対照表|120単位・1月につき(3項目)
| 告示の定め | 根拠条項 | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| (Ⅰ)のうち対象者の割合・評価・カンファレンス等(イ(1)(3)(4))のいずれにも適合 | 平27厚労告95 第58号の5の2ロ(1) | 前掲(Ⅰ)の対照表のうち1・4・5行目の記入結果( ) |
| 研修修了者の配置:1名以上(BPSDの予防等に資する認知症介護に係る専門的な研修の修了者) | 平27厚労告95 第58号の5の2ロ(2) | 該当する修了者( )名/修了した研修の名称( ) |
| BPSDに対応する複数人の介護職員から成るチームを組んでいる | 平27厚労告95 第58号の5の2ロ(2) | チームの人数( )名/編成が分かる資料の保管場所( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
(Ⅰ)と(Ⅱ)の分かれ目は、配置する研修修了者の種類だけです。データベースの解説欄には「指導者研修の修了者の配置が(Ⅰ)との違い」と整理されています。(Ⅰ)は「指導に係る研修」の修了者(又は専門的な研修とケアプログラム研修の両方の修了者)、(Ⅱ)は「専門的な研修」の修了者です。対象者の割合・チーム編成・評価・カンファレンス等の取組そのものは、(Ⅰ)(Ⅱ)で共通しています。
体制系4区分の研修の文言を1枚で見比べる|告示がどう書き分けているか(4行)
専門ケア(Ⅰ)(Ⅱ)とチームケア推進(Ⅰ)(Ⅱ)は、いずれも研修修了者の配置を求めますが、告示の文言は4区分で少しずつ違います。届出の際にどの修了証を裏づけにするかを取り違えないよう、文言だけを抜き出して1枚で見比べます。太字が、区分ごとの違いが出る箇所です。
| 区分 | 告示の文言(研修修了者の部分) | 人数の定め | 根拠条項 |
|---|---|---|---|
| 認知症専門ケア加算(Ⅰ) | 認知症介護に係る専門的な研修の修了者 | 対象者20人未満は1以上/20人以上は1に、対象者の数が19を超えて10又はその端数を増すごとに1を加えて得た数 | 平27厚労告95 第3号の5イ(2) |
| 認知症専門ケア加算(Ⅱ) | 認知症介護の指導に係る専門的な研修の修了者 | 1名以上 | 平27厚労告95 第3号の5ロ(2) |
| 認知症チームケア推進加算(Ⅰ) | BPSDの予防等に資する認知症介護の指導に係る専門的な研修の修了者、又は認知症介護に係る専門的な研修及びBPSDの予防等に資するケアプログラムを含んだ研修の修了者 | 1名以上 | 平27厚労告95 第58号の5の2イ(2) |
| 認知症チームケア推進加算(Ⅱ) | BPSDの予防等に資する認知症介護に係る専門的な研修の修了者 | 1名以上 | 平27厚労告95 第58号の5の2ロ(2) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
読み方の目安は2つです。第一に、(Ⅰ)系は「指導に係る」寄り、(Ⅱ)系は「専門的な研修」寄りという対応が、専門ケアとチームケア推進で逆になっていない(どちらも上位区分ほど「指導に係る」文言を持つ)こと。ただし専門ケアだけは(Ⅰ)が「専門的な研修」、(Ⅱ)が「指導に係る」なので、専門ケアの(Ⅰ)とチームケア推進の(Ⅱ)の文言が近い、というねじれがあります。第二に、チームケア推進(Ⅰ)だけが「又は」で2通りの経路を持つことです。手元の修了証がどの文言に当てはまるかは、研修名だけで判断せず、修了証の記載と届出先の取扱いを突き合わせてご確認ください(本文後半の照会文の下書き③をお使いください)。
6区分の「算定しない」の定め|重ならない組み合わせの一覧
6区分の排他関係を、当社データベースの排他欄(kas_exclusions)に採録されている値だけで一覧にします。ここに載っていない組み合わせについては、この記事では何も述べません(データベースに採録がないためです。個別の組み合わせは届出先にご確認ください)。
| 区分 | データベースの排他欄に採録されている定め |
|---|---|
| 認知症専門ケア加算(Ⅰ) | 認知症専門ケア加算(Ⅱ)との併算定不可/認知症チームケア推進加算を算定している場合は算定しない |
| 認知症専門ケア加算(Ⅱ) | 認知症専門ケア加算(Ⅰ)との併算定不可/認知症チームケア推進加算を算定している場合は算定しない |
| 認知症チームケア推進加算(Ⅰ) | 認知症チームケア推進加算(Ⅱ)との併算定不可/認知症専門ケア加算を算定している場合は算定しない |
| 認知症チームケア推進加算(Ⅱ) | 認知症チームケア推進加算(Ⅰ)との併算定不可/認知症専門ケア加算を算定している場合は算定しない |
| 認知症行動・心理症状緊急対応加算 | 若年性認知症入所者受入加算との併算定不可 |
| 若年性認知症入所者受入加算 | 認知症行動・心理症状緊急対応加算(ネ)を算定している場合は算定しない |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
整理すると、体制系の4区分(専門ケア(Ⅰ)(Ⅱ)・チームケア推進(Ⅰ)(Ⅱ))は4つのうちどれか1つを選ぶ関係、受け入れ系の2区分(緊急対応・若年性)は互いに重ならない関係として採録されています。体制系と受け入れ系のあいだの組み合わせは、データベースの排他欄に採録がありません。届出の組み立てを検討する際は、この一覧を持って届出先にご相談ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。
認知症行動・心理症状緊急対応加算|医師の判断の記録と、入所した日からの7日の数え方
認知症行動・心理症状緊急対応加算(200単位・1日につき)は、根拠が他の5区分と異なり、平成12年厚生省告示第21号 別表1ネの注に定められています。要件は2項目とシンプルですが、どちらも記録の残し方が問われる型です。
| 告示の定め | 根拠条項 | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| 医師が、認知症の行動・心理症状が認められるため在宅での生活が困難であり、緊急に入所することが適当であると判断 | 平12厚告21 別表1ネ注 | 判断した医師の職名( )/判断が分かる記録の保管場所( ) |
| 算定期間は入所した日から起算して7日を限度 | 平12厚告21 別表1ネ注 | 入所日( 年 月 日)/7日目に当たる日( 年 月 日) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
7日の数え方は、告示の文言が「入所した日から起算して7日」であることを、暦に写して確かめておくと迷いません。次の欄に、入所日を1日目と数えた場合の日付を書き入れてみてください(起算日の取り扱いを含む具体の数え方は、請求前に保険者(指定権者)にご確認ください)。
| 数え方 | 日付の記入欄 | その日の在所の記録(有無と保管場所) |
|---|---|---|
| 1日目(入所した日) | ( 年 月 日) | ( ) |
| 2日目 | ( 年 月 日) | ( ) |
| 3日目 | ( 年 月 日) | ( ) |
| 4日目 | ( 年 月 日) | ( ) |
| 5日目 | ( 年 月 日) | ( ) |
| 6日目 | ( 年 月 日) | ( ) |
| 7日目(限度に当たる日) | ( 年 月 日) | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
この加算の確認書類としてデータベースに採録されているのは「医師の判断がわかる記録」の1点です。判断の主体(医師)、判断の内容(行動・心理症状のため在宅での生活が困難・緊急の入所が適当)、判断の日付の3つが読み取れる記録になっているかを、入所のたびに点検する運用が考えられます。また、この加算は若年性認知症入所者受入加算と併せて算定しない旨が定められているため、若年性認知症の方の緊急の入所では、どちらの定めで請求するかを入所時に決めて記録しておくことになります(どちらを選ぶかの判断はこの記事ではしません。単位数と期間の定めを前掲の1枚表で見比べ、届出先にご確認ください)。
若年性認知症入所者受入加算|施行令第2条第6号の対象者と、担当者の定め
若年性認知症入所者受入加算(120単位・1日につき)は、平成12年厚生省告示第21号 別表1の注16と、平成27年厚生労働省告示第95号 第64号に定められています。当社データベースは2項目で採録しています。
| 告示の定め | 根拠条項 | 貴施設の記入欄 |
|---|---|---|
| 対象入所者:介護保険法施行令第2条第6号に規定する初老期における認知症によって要介護者となった入所者 | 平12厚告21 別表1 注16 | 対象となりうる入所者( )名/根拠資料(診断が分かる書類)の保管場所( ) |
| 受入及び支援体制:若年性認知症入所者ごとに個別の担当者を定めていること等(第18号準用) | 平27厚労告95 第64号 | 担当者を定めた記録の所在( )/定めた日( 年 月 日) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
正直な注記を1つ。この加算について、当社データベースの確からしさの欄は「単位数・対象者・併算定不可は告示本文で確認済み。ただし準用先の第64号(第18号準用)の逐語確認は未実施のため、担当者選任の要件は概要のみ採録」となっています。つまり「個別の担当者を定めていること等」の「等」に何が含まれるかを、この記事は断定しません。届出の前に、平成27年厚生労働省告示第95号の第18号(準用元)の原文と、届出先の取扱いをご確認ください。上の記入欄に担当者の氏名の列を作っていないのは、体制の管理表に個人名を並べない運用(役職・職種で管理し、氏名は勤務表や辞令で裏づける)を想定しているためです。
裏づけになる書類の一覧|データベースの確認書類欄からの7点と保管場所の記入欄
6区分のデータベースの確認書類欄(kas_docs)に採録されている書類を重複なくまとめると、次の7点になります。運営指導の当日に「どこにあるか」を答えられる状態を、この表で作っておいてください。
| 書類 | どの区分の裏づけか | 保管場所の記入欄 | 最終更新日の記入欄 |
|---|---|---|---|
| 研修修了証 | 専門ケア(Ⅰ)(Ⅱ)・チームケア推進(Ⅰ)(Ⅱ) | ( ) | ( 年 月 日) |
| 認知症日常生活自立度の一覧 | 専門ケア(Ⅰ)(Ⅱ)(対象者の割合の裏づけ) | ( ) | ( 年 月 日) |
| 会議の議事録 | 専門ケア(Ⅰ)(Ⅱ)(留意事項の伝達・技術的指導の会議) | ( ) | ( 年 月 日) |
| BPSDの評価記録(DBD13等) | チームケア推進(Ⅰ)(Ⅱ) | ( ) | ( 年 月 日) |
| カンファレンス記録 | チームケア推進(Ⅰ)(Ⅱ) | ( ) | ( 年 月 日) |
| チーム編成がわかる資料 | チームケア推進(Ⅰ)(Ⅱ) | ( ) | ( 年 月 日) |
| 医師の判断がわかる記録 | 認知症行動・心理症状緊急対応加算 | ( ) | ( 年 月 日) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
7点のうち書き足しやすいのは保管場所の欄ですが、点検で効くのは最終更新日の欄です。研修修了証は職員の入退職で、自立度の一覧は入所者の入れ替わりで、それぞれ静かに古くなります。前掲の月ごとの点検欄と同じ周期でこの表も更新すると、2枚で管理が回ります。
公表されている指摘のうち、特養の認知症介護に関わるもの|当社データベース353件からの4件
当社が収集している自治体の公表指摘353件(すべて出典つき)から、特養の認知症介護に関わるものを引きます。先にお伝えすべきことがあります。特養の認知症専門ケア加算・認知症チームケア推進加算・認知症行動・心理症状緊急対応加算・若年性認知症入所者受入加算そのものを名指しした公表指摘は、この353件には見当たりませんでした(2026年8月時点)。載せられるのは、隣接する領域(割合の毎月確認・認知症介護基礎研修)の指摘です。サービス種別を明記して4件を引用します。
| 指摘の内容 | サービス種別 | 出典(自治体・資料名) |
|---|---|---|
| 日常生活継続支援加算について、所定の割合以上であることを毎月確認していない(確認書類として認知症日常生活自立度が分かる資料等が挙げられている) | 介護老人福祉施設(特養) | 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人福祉施設)」 |
| 入所者の処遇に直接携わる職員のうち医療・福祉関係の資格を有さない者について、採用後1年以内の認知症介護基礎研修の受講のために必要な措置を講じていない | 施設系(運営基準・勤務体制の確保等の項目) | 広島市「令和7年度運営指導の指摘事項等について」(令和7年度広島市介護サービス事業者集団指導) |
| 介護に直接携わる従業員のうち無資格者において、認知症介護に係る基礎的な研修を受講できていない(受講は採用後1年以内に修了させる旨の記載あり) | 通所・入所サービス | 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1(採用後1年以内の記載は金沢市 令和7年度集団指導資料1) |
| 令和6年度に指摘の多かった事項として、全ての従業者に認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置が講じられていないことが列挙されている | 全サービス共通 | 熊本市 集団指導資料(共通編)「令和6年度の運営指導により指摘の多かった事項」 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
4件から読み取れる型は2つです。1つ目は「割合で定まる加算は、毎月数えて記録する」——名指しされたのは別の加算ですが、対象者の割合2分の1以上という同じ構造を持つ認知症専門ケア加算・チームケア推進加算にも、そのまま持ち込める点検の型です。2つ目は「研修の受講管理は名簿で残す」——基礎研修の指摘が3自治体で並んでいるとおり、研修まわりは受講の事実だけでなく「受講させるための措置」まで問われています。加算の要件となる専門的な研修・指導に係る研修についても、修了証の保管とあわせて、誰が・いつ・どの研修を修了したかを一覧できる台帳にしておく運用が考えられます。
断定を避けたい9つの箇所|保険者(指定権者)への照会文の下書きつき
この記事は、当社データベースに採録のある値だけで書いています。裏返すと、データベースに無いことは断定できません。実務で判断が分かれやすい9つの箇所を、そのまま電話や文書で使える照会文の下書きとともに一覧にします。
| 箇所 | なぜ断定しないか | 照会文の下書き |
|---|---|---|
| ①対象者を数える際の日常生活自立度の扱い | ランクの閾値がデータベースに採録されていない | 「認知症専門ケア加算の対象者は、日常生活自立度のどのランクの方を数える取り扱いでしょうか。根拠資料もあわせてご教示ください」 |
| ②割合を数える時点と頻度 | 「前3月」等の期間の定めの採録がない | 「入所者総数に占める割合は、どの時点の人数で、どの頻度で確認する取り扱いでしょうか」 |
| ③「専門的な研修」「指導に係る研修」の具体の研修名 | 解説欄に実践リーダー研修等・指導者研修等とあるが、最終的な当てはめは届出先の確認事項 | 「認知症専門ケア加算(Ⅰ)の研修修了者として、どの研修の修了者が当てはまるか、研修名の一覧をご教示ください」 |
| ④会議の「定期的に開催」の頻度 | 回数の定めの採録がない | 「留意事項の伝達又は技術的指導に係る会議は、どの程度の頻度での開催が想定されているでしょうか」 |
| ⑤チームケア推進加算の評価指標 | 確認書類欄に「DBD13等」とあり、「等」の範囲は採録がない | 「BPSDの評価に用いる指標として、DBD13以外にどの指標での届出が受理されているでしょうか」 |
| ⑥カンファレンス・振り返りの頻度と記録の様式 | 実施の定めはあるが頻度・様式の採録がない | 「チームケア推進加算のカンファレンスと振り返りは、頻度と記録様式に指定があるでしょうか」 |
| ⑦緊急対応加算の起算日の数え方 | 「入所した日から起算して7日」の文言はあるが、当てはめの実務は確認事項 | 「認知症行動・心理症状緊急対応加算の7日は、入所日を1日目と数える理解でよいでしょうか」 |
| ⑧若年性の「担当者を定めていること等」の「等」 | 準用先(第18号)の逐語確認が未実施のため概要のみ採録 | 「若年性認知症入所者受入加算の受入・支援体制として、担当者を定めること以外に求められる事項をご教示ください」 |
| ⑨体制の届出の様式と提出先・期限 | 届出の実務はデータベースの採録範囲外 | 「認知症に関する加算の体制届は、どの様式を、いつまでに、どちらへ提出する取り扱いでしょうか」 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
照会した結果は、日付・相手方の部署・回答の要旨をメモにして、前掲の書類一覧と同じ場所に保管しておくと、運営指導の場で「確認した上での運用です」と示す材料になります。
よくある質問|特養の認知症に関する加算6区分
Q. 認知症専門ケア加算と認知症チームケア推進加算は、同じ施設で両方を届け出る取り扱いはありますか。
当社データベースの排他欄には、専門ケア加算(Ⅰ)(Ⅱ)のいずれにも「認知症チームケア推進加算を算定している場合は算定しない」、チームケア推進加算(Ⅰ)(Ⅱ)のいずれにも「認知症専門ケア加算を算定している場合は算定しない」と採録されています。体制系の4区分はどれか1つを選ぶ関係として定められています。どれを選ぶかの検討材料は、冒頭の1枚表(単位数・数える単位)と各対照表をご覧ください。
Q. 専門ケア加算の(Ⅰ)と(Ⅱ)は、どこで分かれますか。
2点です。配置する研修修了者の種類が、(Ⅰ)は「認知症介護に係る専門的な研修」の修了者、(Ⅱ)は「認知症介護の指導に係る専門的な研修」の修了者1名以上と書き分けられていること。そして(Ⅱ)には、介護職員・看護職員ごとの研修計画の作成と実施(又は実施の予定)が加わることです(平27厚労告95 第3号の5ロ)。
Q. 認知症チームケア推進加算は、いつからある加算ですか。
当社データベースの改定欄には「令和6年度改定で新設」と採録されています(平27厚労告95 第58号の5の2)。比較的新しい加算のため、評価指標や記録様式の取り扱いは、届出先の最新の案内とあわせてご確認ください。
Q. 認知症行動・心理症状緊急対応加算は、入所して8日目以降はどうなりますか。
告示の定めは「入所した日から起算して7日を限度」です(平12厚告21 別表1ネ注)。8日目以降の取り扱いを含め、起算日の数え方は請求前に保険者(指定権者)にご確認ください。本文に、7日を暦に写す記入欄を用意しています。
Q. 若年性認知症の方が緊急に入所した場合、緊急対応加算と若年性の加算はどうなりますか。
当社データベースの排他欄には、両加算は互いに併せて算定しない旨が採録されています。どちらの定めで請求するかを入所時に決め、その判断の記録を残す運用が考えられます。選び方そのものは、単位数(200単位・1日につき7日限度と、120単位・1日につき)の定めを見比べた上で、届出先にご確認ください。
Q. 研修修了者が月の途中で退職したら、どうすればよいですか。
配置が続いているかどうかの判定と、その月・翌月の取り扱いは、当社データベースに採録がなく、この記事では断定しません。退職日・後任の修了者の有無・届出の変更の要否を整理した上で、速やかに保険者(指定権者)にご相談ください。本文の月ごとの点検欄は、この変化に早く気づくための道具です。
Q. 訪問介護の認知症専門ケア加算と、要件は同じですか。
名称は同じですが、根拠条項が別で、単位数も対象者の呼び方も異なります。この記事の内容を訪問介護に当てはめることはできません。訪問介護については、当サイトの訪問介護の認知症専門ケア加算の記事(対象者の割合の集計シートと配置の早見表を掲載)をご覧ください。
Q. 日頃からそろえておく書類は、結局何ですか。
当社データベースの確認書類欄からまとめると、研修修了証・認知症日常生活自立度の一覧・会議の議事録・BPSDの評価記録・カンファレンス記録・チーム編成がわかる資料・医師の判断がわかる記録の7点です。本文に、保管場所と最終更新日を書き入れる一覧表を用意しています。
Q. 加算の届出の書類づくりを、外部に頼むことはできますか。
介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。外部に依頼する場合は社会保険労務士へ、ご自身で作成する場合の様式・期限は届出先の保険者(指定権者)へご確認ください。
出典(この記事が引いた告示と、その条項)
- 平成12年厚生省告示第21号(指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準)別表1ソ・ツ・ネ・注16
- 平成27年厚生労働省告示第95号(厚生労働大臣が定める基準)第3号の5イ・ロ、第58号の5の2イ・ロ、第64号(第18号準用)
- 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度運営指導結果の概要(介護老人福祉施設)」
- 広島市「令和7年度運営指導の指摘事項等について」(令和7年度広島市介護サービス事業者集団指導)
- 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1/金沢市 令和7年度集団指導資料1
- 熊本市 集団指導資料(共通編)「令和6年度の運営指導により指摘の多かった事項」
出典:厚生労働省ウェブサイト(上記告示)/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。単位数・要件は改定により変わります。本記事の値は令和6年度改定を反映した当社データベース(2026年7月23日採録)にもとづきます。
出典
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
