通所介護計画書(デイサービス計画書)は、ケアプランに沿って、その方に提供する通所介護の目標とサービス内容を定める書類です。書き方のポイントと記入例を整理します。
この記事でわかること
- 通所介護計画書とは
- 主な記載項目
- 書き方のポイント
- 記入例
- 計画書の作成を効率化する
通所介護計画書とは
通所介護計画書とは、利用者一人ひとりについて、通所介護で何を目標に、どんなサービスを提供するかを定める計画です。作成は管理者が行い、居宅サービス計画(ケアプラン)に沿った内容とします。作成後は利用者・ご家族へ説明して同意を得たうえで交付します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰が作るか | 管理者(機能訓練の内容は機能訓練指導員等と連携して作成する) |
| いつ作るか | サービスの提供開始前。状態の変化やケアプランの変更があったときに見直す |
| 何に沿わせるか | 居宅サービス計画(ケアプラン)の目標。そのまま転記するのではなく、通所介護として何を行うかに落とし込む |
| 同意 | 説明し、同意を得て交付する。同意日がサービス提供後になっていないかを確認する |
| よくある指摘 | 浜松市の令和6年度の主な指摘事項では「計画の説明及び同意が遅れている」「サービスの目標(長期目標及び短期目標)が定められていない」が挙げられている |
要件・運用は保険者により異なります。詳細は監査対策ナビと各自治体の公表資料をご確認ください。
運営指導で実際に公表されている指摘|出典つき
通所介護計画書は、「誰が作ったか」「いつ同意を得たか」「ケアプランに沿っているか」が確認されます。
| 公表されている指摘 | 公表元 | 直し方 |
|---|---|---|
| 介護計画の作成に当たり、利用者への計画の説明及び同意が遅れている事例がある/サービスの目標(長期目標及び短期目標)が定められていない | 浜松市「令和6年度における主な指摘事項」 | 同意日がサービス提供開始日より後になっていないか確認する |
| 地域密着型通所介護計画について、管理者以外の従業者が計画の作成者となっている事例 | 津山市の集団指導資料(令和5年度) | 作成者欄を管理者にする。機能訓練の内容は機能訓練指導員等と連携して作る |
| サービス利用回数や曜日の変更があったが、計画に記載されていない事例/居宅サービス計画に沿った計画が作成されていない事例 | 同上 | 回数・曜日を変えたら計画も変更する。ケアプランの目標を先に確認する |
| 個別サービス計画の目標は居宅サービス計画の内容をそのまま転記するのではなく、サービスを提供する事業所ごとに作成すること/計画の同意はサービス提供期間開始前に必ず利用者本人から得ること/代筆となる場合は本人の氏名に加えて代筆者の署名も必要 | 松山市の運営指導での主な指摘事項に関する資料 | ケアプランの目標を、通所介護で何を行うかに置き換える |
| 個別サービス計画の同意署名が利用者家族のみとなっている事例/同意日がサービス提供後となっている事例 | 津山市の集団指導資料(令和5年度) | 本人から得るのが原則。代筆時は代筆者の氏名も記入する |
| 入浴介助加算について、入浴介助に関する研修等を行ったことが確認できない/個別の入浴計画が不十分。個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって作成に代えることができる | 福井市の令和7年度集団指導資料 | 入浴介助加算を算定するなら、入浴に関する記載を計画書に入れる |
| 入浴介助加算を算定した日のサービス提供の記録に入浴の記録が確認できなかった | 豊島区が公表した令和5年度の運営指導(地域密着型通所介護18件) | 計画だけでなく、算定日の記録にも入浴の実施を明記する |
| 中重度者ケア体制加算について、歴月ごとに常勤換算2以上の確保を確認していない | 長野県の令和6年度運営指導結果(通所介護) | 加算の体制要件は月ごとに確認し、記録を残す |
要件・運用は保険者により異なります。詳細は監査対策ナビと各自治体の公表資料をご確認ください。
領域別の長期目標・短期目標|文例24組
以下はすべて記載のイメージを示すための(例)であり、実在の利用者ではありません。ケアプランの目標をそのまま写さず、通所介護で何を行うかに置き換えてください(松山市の資料で指摘されている点です)。
| 領域 | 長期目標の文例 | 短期目標の文例 |
|---|---|---|
| 歩行 | 屋内を伝い歩きで安全に移動できる | 平行棒内歩行を1日10往復続けられる |
| 立ち上がり | いすからの立ち上がりが自分でできる | 手すりを使って、5回続けて立ち上がれる |
| 階段・段差 | 自宅の玄関の段差を安全に上がれる | 手すりを使い、段差昇降を10回行える |
| バランス | ふらつかずに方向転換ができる | 片脚立位を左右10秒ずつ保持できる |
| 上肢機能 | 食事や整容を自分の手で続けられる | 肩の可動域が広がり、髪を自分でとかせる |
| 入浴 | 自宅の浴槽に一部介助で入ることができる | 通所での入浴を週2回、拒否なく継続できる |
| 清潔・整容 | 身だしなみを整えて外出できる | 通所日に自分でひげそり・整髪ができる |
| 更衣 | 季節に合った服を自分で選んで着られる | 上着の着脱を見守りで行える |
| 食事・栄養 | 体重を維持し、必要な栄養がとれる | 昼食の主食・副食を8割以上摂取できる |
| 水分 | 脱水を起こさず、季節を通じて体調を保てる | 通所日に1日800mL以上の水分がとれる |
| 口腔 | 口の中を清潔に保ち、おいしく食べられる | 昼食後の口腔ケアを自分で行える |
| 嚥下 | むせずに食事を続けられる | とろみと姿勢の調整で、むせが週1回以下になる |
| 排泄 | 自分のタイミングでトイレに行ける | 通所中の排泄を、声かけのみで行える |
| 認知機能 | なじみの場で落ち着いて過ごせる | 職員の顔と名前が分かり、自分から話しかけられる |
| 意欲・気分 | 楽しみのある時間を持ち、生活に張りが出る | 好きな活動に毎回参加できる |
| 対人交流 | 他の利用者と関わり、孤立せずに過ごせる | 同じテーブルの方と会話ができる |
| 役割 | できることを続け、自信を保てる | 配膳の手伝いを週1回担える |
| 生活リズム | 昼夜のリズムが整い、夜間よく眠れる | 通所日は日中に横にならず過ごせる |
| 閉じこもり予防 | 週2回の外出の機会を保てる | 休まず通所を継続できる |
| 健康管理 | 持病が安定した状態で在宅生活を続けられる | 通所日の血圧測定を習慣にできる |
| 皮膚 | 皮膚トラブルなく過ごせる | 入浴時の観察で、発赤の早期発見ができる |
| 転倒予防 | 転倒せずに自宅での生活を続けられる | 通所中の移動を見守りで安全に行える |
| 家族支援 | 家族が休息をとりながら、在宅介護を続けられる | 週2回の通所で、家族が自分の時間を持てる |
| 看取り期 | 穏やかに、望む形で過ごせる | 体調に合わせて参加時間を調整できる |
「サービスの内容」欄の文例
目標に対して通所介護として何を行うかを書く欄です。「機能訓練」「レクリエーション」だけでは、何をするのか伝わりません。
| 区分 | 避けたい書き方 | 望ましい書き方の例 |
|---|---|---|
| 個別機能訓練 | 機能訓練を実施 | 個別機能訓練(下肢筋力・平行棒内歩行10往復)/機能訓練指導員が週2回実施 |
| 入浴介助 | 入浴介助 | 入浴介助(浴槽のまたぎは一部介助、洗身は見守り)/週2回。皮膚の観察を毎回実施 |
| 食事 | 食事の提供 | 昼食の提供(きざみ食・とろみ付き)/姿勢の調整と摂取量の記録 |
| 口腔 | 口腔ケア | 昼食後の口腔ケアの声かけと見守り/義歯の洗浄の確認 |
| 排泄 | 排泄介助 | 2時間ごとのトイレ誘導(声かけのみ)/失敗時の更衣の介助 |
| 健康管理 | 健康チェック | 来所時のバイタル測定(血圧・体温・脈拍)/変化があれば家族と担当介護支援専門員へ連絡 |
| 活動・レク | レクリエーション | 本人の希望に沿った活動(書道・週1回)/集団体操(毎回・15分) |
| 送迎 | 送迎 | 送迎(自宅玄関まで介助)/乗降時の見守り。送迎しなかった日は理由を記録 |
| 相談・助言 | 相談対応 | 来所時の様子をご家族へ連絡帳で共有/月1回、担当介護支援専門員へ状況を報告 |
| 栄養 | 栄養管理 | 毎月の体重測定と摂取量の確認/変化があれば管理栄養士へ相談 |
そのまま使える通し例|ニーズ・目標・サービス内容
1行で1つの課題を通した形です。ケアプランの目標に対応させ、通所介護として何を行うかまで書きます。
| ニーズ(本人の言葉に近い形で) | 目標 | サービスの内容 |
|---|---|---|
| 足の力が落ちてきたが、自分で歩き続けたい | 屋内を見守りで安全に移動できる(6か月)/平行棒内歩行を10往復続けられる(3か月) | 個別機能訓練(下肢筋力・歩行)週2回/送迎時の乗降の見守り |
| 自宅の湯船に入るのが不安だが、さっぱりしたい | 清潔を保ち気持ちよく過ごせる(6か月)/週2回、安全に入浴できる(3か月) | 入浴介助(またぎは一部介助・洗身は見守り)週2回/皮膚の観察 |
| 食が細くなってきたが、体力を落としたくない | 体重を維持できる(6か月)/昼食を8割以上食べられる(3か月) | 昼食の提供と摂取量の記録/毎月の体重測定/必要時に管理栄養士へ相談 |
| むせるのが心配だが、口から食べ続けたい | 誤嚥性肺炎を起こさない(1年)/むせが週1回以下になる(3か月) | 食事形態の調整(きざみ・とろみ)/姿勢の調整/昼食後の口腔ケア |
| トイレは自分で行きたい | 日中の排泄をトイレで行える(6か月)/声かけのみでトイレへ行ける(2か月) | 2時間ごとのトイレ誘導(声かけ)/必要時の更衣の介助 |
| 人と話す機会が減ったので、誰かと関わりたい | 他の利用者と交流し孤立せずに過ごせる(6か月)/同じテーブルの方と会話できる(3か月) | 小集団での活動/席の配置の配慮/本人の興味に沿った話題づくり |
| 物忘れが増えたが、落ち着いて過ごしたい | なじみの場で穏やかに過ごせる(1年)/職員の顔と名前が分かる(3か月) | 担当者を固定した関わり/回想法を用いた個別活動/来所時の見当識への声かけ |
| 家で何もしない時間が長いので、生活に張りがほしい | 楽しみのある時間を持てる(6か月)/好きな活動に毎回参加できる(3か月) | 本人の希望に沿った活動(書道・週1回)/集団体操(毎回15分) |
| 夜眠れず昼に寝てしまうので、リズムを整えたい | 夜間よく眠れる(6か月)/通所日は日中に横にならず過ごせる(3か月) | 日中の活動の提供/午睡を短時間にとどめる声かけ/睡眠状況の家族への確認 |
| 血圧が心配なので、体調を崩さず過ごしたい | 持病が安定した状態を保てる(1年)/通所日の血圧測定が習慣になる(2か月) | 来所時のバイタル測定/変化があれば家族と担当介護支援専門員へ連絡 |
| 転ぶのが怖くて動かなくなったが、また歩きたい | 転倒せずに自宅での生活を続けられる(1年)/通所中の移動を見守りで行える(3か月) | バランス訓練/移動時の見守り/自宅での運動の助言 |
| 介護している家族に休んでほしい | 家族が休息をとりながら在宅介護を続けられる(6か月)/週2回の通所を継続できる(3か月) | 週2回の受け入れ/来所時の様子を連絡帳で共有/家族の相談への対応 |
計画書の作成から評価までの流れ
通所介護計画書は、次のような流れで作成し、一定期間ごとに評価・見直しを行います。
- アセスメントの実施(心身の状態・生活歴・本人や家族の希望の把握)
- ケアプラン(居宅サービス計画)の目標・方針の確認
- 計画書原案の作成(管理者のもとで、生活相談員・機能訓練指導員など多職種が内容を検討)
- 本人・家族への説明と同意
- サービス提供の開始・計画書の交付
- 一定期間ごとのモニタリング・評価、必要に応じた見直し
評価欄には、目標に対する達成状況や利用者の様子の変化を、日付とあわせて具体的に記載します(例:「下肢の運動を継続し、歩行時の見守りの範囲で移動できている」)。評価の頻度や様式は事業所ごとに定められているため、運営規程等でご確認ください。
通所介護計画書は、管理者の責任のもとで作成し、ケアマネジャーのケアプランに沿って、通所介護で行う支援の目標・内容をまとめます。作成した内容は利用者・家族に説明し、同意を得たうえで提供します。
モニタリングは介護のモニタリングの書き方、記録は通所介護の記録の書き方と例文をご覧ください。
書き方のポイント
- ケアプランと連動させる――ケアプランの総合的な方針・目標に沿わせます。
- 主語は利用者にする――「利用者が〜できる」と、利用者を主語に目標を立てます。
- サービスを目標に結びつける――機能訓練や入浴などが、どの目標のための支援かを明確に。
- 定期的に見直す――状態の変化に合わせて更新します。
記載項目とひな形の考え方
- 利用者・家族の意向
- アセスメントで把握した課題
- 長期目標・短期目標(期間つき)
- サービスの内容(個別機能訓練・入浴・食事・送迎など)
- 提供頻度と時間
- 担当者
- 作成日・同意日・説明者
様式は事業所ごとに定めて差し支えありませんが、居宅サービス計画(ケアプラン)の目標と整合しているかは必ず確認してください。整合していないと、運営指導で指摘の対象になり得ます。
計画書の作成を効率化する
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」の通所向け機能(通所介護マナ)は、アセスメントや日々の記録から計画書の下書きを作成し、作成・見直しの負担を軽くします。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。
通所介護計画書の記入例(コピペ可)
ケアプランに沿って、通所介護計画書の記入例をまとめました(表の右上ボタンからExcel/CSVにコピーできます)。ニーズ・目標・サービス内容がつながるように書きます。個別機能訓練は個別機能訓練計画書と整合させます。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 目標 | サービス内容 |
|---|---|---|
| 体を動かして今の生活を保ちたい | 下肢の力を保ち自分で移動を続けられる | 個別機能訓練(下肢筋力・歩行)、送迎時の見守り |
| さっぱり入浴して清潔に過ごしたい | 週2回、安全に入浴できる | 入浴介助(見守り・一部介助)、皮膚の観察 |
| 人と関わり楽しみのある時間を持ちたい | 活動に参加し表情豊かに過ごせる | レクリエーション・集団活動、興味関心に沿った個別活動 |
| しっかり食べて栄養を保ちたい | 必要な栄養と水分をとれる | 昼食の提供と見守り、口腔ケア、水分摂取の確認 |
| 口の健康を保ち誤嚥を防ぎたい | 口腔機能を保ち安全に食べられる | 口腔機能向上の取り組み、食事姿勢の確認 |
よくある質問(FAQ)
通所介護計画書は誰が作成しますか?
ケアプランと通所介護計画書の違いは?
個別機能訓練計画書との関係は?
目標はどう書けばよいですか?
通所介護計画書のテンプレートはありますか?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
通所介護(デイ)の実務ガイド
項目別|通所介護計画書の記入例
通所介護計画は居宅サービス計画に沿って作ります。津山市の資料では「管理者以外の従業者が計画の作成者となっている」ことが指摘されています。管理者の責任のもとで作成します。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 本人の希望 | 「デイに来て人と話すのが楽しみ。もう少し歩けるようになりたい」 |
| 家族の希望 | 長女より「家で一人になる時間が心配。日中を安全に過ごしてほしい」 |
| 健康状態 | 高血圧、変形性膝関節症。内服を継続中。 |
| ADL(移動) | 屋内は伝い歩き。屋外は歩行器を使用。 |
| ADL(食事) | 自立。むせは週1回程度。 |
| ADL(排泄) | トイレで自立。 |
| ADL(入浴) | 自宅の浴槽はまたぎが高く使えていない。 |
| IADL | 買い物と調理は長女が行っている。 |
| 認知 | 見当識は保たれている。 |
| 社会性 | 通所以外の外出はない。 |
| 長期目標 | 屋内を安全に移動し、自宅での生活を続けられる(6か月) |
| 短期目標1 | 歩行器で連続20m歩ける(3か月) |
| 短期目標2 | 週2回の入浴を安全に行える(3か月) |
| 短期目標3 | 他の利用者と会話する機会を持てる(3か月) |
| サービス内容(機能訓練) | 個別機能訓練計画に基づき、下肢筋力の訓練を1回20分、週2回 |
| サービス内容(入浴) | 一般浴。洗身は背部を介助、浴槽の出入りは見守り |
| サービス内容(食事) | 昼食の提供。むせに注意し、姿勢を整える |
| サービス内容(送迎) | 自宅玄関から車まで軽介助 |
| サービス内容(活動) | 午前の体操と午後のレクリエーションへの参加を促す |
| サービス内容(健康管理) | 来所時のバイタル測定と、入浴前後の血圧測定 |
| 留意事項 | 収縮期血圧が160以上の場合は入浴を中止し、清拭で対応する |
| 留意事項 | 右膝に痛みがあるため、立位の保持は1分以内 |
| 提供時間 | 9時40分から16時20分(7時間以上8時間未満) |
| 利用回数 | 週2回(火・金) |
| 作成者 | 管理者の責任のもとで作成 |
| 説明と同意 | 令和8年◯月◯日、自宅にて本人・長女へ説明。同意を得て署名をいただき、写しを交付。 |
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
