公開:2026年11月6日/出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 10. 重点的な対応が求められる分野(救急医療・小児周産期医療)」・「16. 経過措置」、中医協 総-1「個別改定項目について」
要点(3行)
- 令和8年度診療報酬改定で、夜間休日救急搬送医学管理料を見直し、24時間の救急外来の体制を持つ医療機関の評価として「救急外来医学管理料」が新設されました。院内トリアージ実施料は廃止され、「院内トリアージ実施体制加算」(50点)に置き換わります。
- 救急外来医学管理料の施設基準のうち「地域の救急医療に関する取組」の要件は、経過措置で令和8年12月31日まで満たしているものとみなす、とされています。
- 救急患者連携搬送料は要件と評価が見直され、搬送先の医療機関の評価(救急患者連携搬送料2)と、30分を超える搬送の長時間加算(700点)が新設されました。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 資料 | 厚生労働省の改定説明資料「10. 重点的な対応が求められる分野(救急医療・小児周産期医療)」のⅢ-5-1「救急医療の充実」と、「16. 経過措置」。中身は中医協 総-1「個別改定項目について」にもとづく |
| 新設の理由 | 夜間休日を含めた医師・看護師等の配置、検査・処方等が可能な体制の構築、地域の救急医療に関する取組等の現状を踏まえ、夜間休日救急搬送医学管理料を見直し、救急外来医療を24時間提供できる体制を有する医療機関による救急外来診療の評価を新設する |
| 救急外来医学管理料 | 「1 救急搬送医学管理料」(救急用の自動車等で緊急に搬送された患者)と「2 夜間休日救急医学管理料」(診療時間以外の時間、休日又は深夜に救急外来を受診した患者。救急搬送の患者を除く)の2つ。どちらも施設基準の区分に従い1〜3に分かれる |
| あわせて新設された加算 | 救急外来緊急検査対応加算、時間外救急搬送加算、精神科疾患患者等受入加算、救急時医療情報取得加算、院内トリアージ実施体制加算 |
| 経過措置(No.54) | B001-2-6 救急外来医学管理料。救急外来医学管理料に係る届出を行う保険医療機関については、令和8年12月31日まで、地域の救急医療に関する取組の要件に該当するものとみなす |
点数の一覧(改定後)
| 区分 | 点数 | 資料に書かれた算定の場面(短く) |
|---|---|---|
| 救急搬送医学管理料1/2/3 | 800点/600点/200点 | 施設基準を満たす医療機関で、救急用の自動車等により緊急に搬送された患者に必要な医学管理を行った場合 |
| 夜間休日救急医学管理料1/2/3 | 600点/400点/50点 | 表示する診療時間以外の時間、休日又は深夜に救急外来を受診した患者(救急搬送を除く) |
| 救急外来緊急検査対応加算1/2 | 300点/200点 | 血液検査、細菌培養検査、CT、MRI、一部の注射・処置を行った場合に加算 |
| 時間外救急搬送加算 | 300点/250点/200点 | 救急搬送医学管理料に、土曜・日曜・祝日の夜間/それ以外の日の夜間/土曜・日曜・祝日の夜間以外の時間の区分で加算 |
| 精神科疾患患者等受入加算 | 400点 | 急性薬毒物中毒(アルコール中毒を除く)と診断された患者、又は過去6月以内に精神科受診の既往がある患者 |
| 救急時医療情報取得加算 | 50点 | 意識障害の患者(JCSⅡ-10以上若しくはGCS12点以下又は無動症)に、救急時医療情報閲覧機能と電子処方箋管理サービスで最新の診療情報を取得した場合、月1回に限り |
| 院内トリアージ実施体制加算 | 50点 | 救急外来医学管理料、地域連携小児夜間・休日診療料、地域連携夜間・休日診療料を算定する患者に加算。院内トリアージ実施料(300点)は廃止 |
「地域の救急医療に関する取組」の中身
施設基準の表では、管理料1は次のア〜カのうち「いずれか二つ以上」、管理料2は「いずれか」を満たすこととされています。この部分が令和8年12月31日まで、満たしているものとみなされます。
| 記号 | 資料に書かれた取組 |
|---|---|
| ア | メディカルコントロール協議会、救急医療対策協議会又は救急患者受入コーディネーター確保事業に関わる会議への参加 |
| イ | 消防機関の実施するウツタイン様式調査への協力 |
| ウ | 勤務する医師(消防機関等に派遣されている医師を含む)が、救急救命士からの特定行為の実施に係る指示要請に対応 |
| エ | 地域の関係機関(都道府県、医師会、救急医療機関、消防機関等)との、連携体制の構築及び向上等を目的とした検討会を定期的に開催 |
| オ | 救急救命士の病院実習の受け入れ |
| カ | 在宅医療関係者と救急医療関係者の協議の場に参加し、在宅療養等に関する救急搬送についての情報共有ルールの策定等を行っている |
ほかの施設基準(救急搬送件数、医師・看護師の配置、検査の体制、BCPと年1回以上の災害訓練など)は、この経過措置の対象として書かれていません。救急搬送件数は、管理料1が年1,500件以上(別表の人口の少ない地域では年1,200件以上)、管理料2が年800件以上(同じく年640件以上)と書かれています。
救急患者連携搬送料:今まで/これから
| 区分 | 現行 | 改定後 |
|---|---|---|
| 入院中の患者以外の患者 | 1,800点 | 医師・看護師・救急救命士が同乗:2,400点/その他:1,000点 |
| 入院初日の患者 | 1,200点 | 同乗:1,200点/その他:500点 |
| 入院2日目の患者 | 800点 | 同乗:800点/その他:350点 |
| 入院3日目の患者 | 600点 | 同乗:600点/その他:200点 |
| 搬送先の医療機関(新設) | - | 救急患者連携搬送料2:同乗して自院へ搬送し入院させた場合800点/その他200点(入院初日に限る) |
| 長時間加算(新設) | - | 同乗して搬送し、搬送に要した時間が30分を超えた場合700点 |
救急患者連携搬送料2のロの施設基準には、特定機能病院・救命救急センターを有する医療機関・急性期総合体制加算の届出医療機関のいずれにも該当しないこと、連携する医療機関等とあらかじめ協議を行っていることが書かれています。
一次資料:令和8年度診療報酬改定 10. 救急医療・小児周産期医療(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定 16. 経過措置(PDF・厚生労働省)/個別改定項目について(中医協 総-1・PDF)
病院・クリニックで確かめること
- 救急外来医学管理料のどの区分を届け出るかは、告示・施設基準の通知の定めと、貴院の救急搬送件数・人員配置・検査体制によります。届出の様式と時期は、地方厚生(支)局の案内をご確認ください。
- 「地域の救急医療に関する取組」は、令和8年12月31日までのみなしです。ア〜カのうち貴院で今行っている取組と、その記録(会議の出席、ウツタイン様式調査への協力、病院実習の受け入れなど)がどこにあるかを、事務長・医事課と救急外来の担当者で整理しておくと、期限の後の届出を確かめるときに役立ちます。
- 院内トリアージ実施体制加算には、実施基準を定めて定期的に見直すこと、院内の掲示と原則としてウェブサイトへの掲載が書かれています。掲示物とホームページの記載を見比べておくと、確かめるときに迷いません。
- 経過措置の資料には、経過措置は今後変更になることがあり、最新の告示・通知と「施設基準届出チェックリスト」を参照するよう書かれています。最新の版をご確認ください。
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更新履歴:初版。経過措置の期限が変わったとき、疑義解釈が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






