公開:2026年11月6日/出典:中央社会保険医療協議会 総会(第647回)総-1 個別改定項目について・厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 2. 物価対応」
要点(3行)
- 令和8年度診療報酬改定で、初診・再診・訪問診療・入院料などの算定に「併せて算定可能な加算」として、物価対応料が新しく設けられました。
- 外来・在宅物価対応料は初診時2点・再診時等2点・訪問診療時3点、入院物価対応料は入院料ごとに1日あたりの点数が決められています(例:急性期病院A一般入院料は66点)。
- 令和9年6月以降は、所定点数の100分の200に相当する点数(いまの2倍)を算定する、と書かれています。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 資料 | 中医協 総会の総-1「個別改定項目について」(令和8年2月13日)のⅠ-1(人件費や医療材料費、食材料費、光熱水費、委託費等といった物件費の高騰を踏まえた対応)と、厚生労働省の説明資料「2. 物価対応」 |
| 新設の理由 | 令和8年度及び令和9年度の物価上昇に段階的に対応するため、基本診療料・調剤基本料等の算定に併せて算定可能な加算として、物価対応料を新設する |
| もう一つの対応 | 令和6年度診療報酬改定以降の経営環境の悪化への対応分は、令和8年度改定時に、初・再診料等及び入院料等の評価に含める(物価対応料とは別) |
| 外来・在宅 | 初診時2点・再診時等2点・訪問診療時3点(1日につき) |
| 入院 | 入院物価対応料(1日につき)。入院基本料・特定入院料・短期滞在手術等基本料(短期滞在手術等基本料1を除く)を算定している患者について、区分に従い算定する |
| 令和9年6月以降 | 1(外来・在宅)及び2(入院)の点数について、所定点数の100分の200に相当する点数を算定する |
| 令和9年度の調整 | 説明資料の欄外に、実際の経済・物価の動向が令和8年時点の見通しから大きく変動した場合等には、加減算を含めた調整を実施する、と書かれている |
点数の一覧(説明資料と総-1から抜き出し)
| 区分 | 令和8年 | 令和9年 |
|---|---|---|
| 外来・在宅 初診時 | 2点 | 4点 |
| 外来・在宅 再診時等 | 2点 | 4点 |
| 外来・在宅 訪問診療時 | 3点 | 6点 |
| 入院 急性期病院A一般入院料 | 66点 | 132点 |
| 入院 急性期一般入院料1 | 58点 | 116点 |
| 入院 特定機能病院入院基本料の7対1入院基本料(一般病棟) | 84点 | 168点 |
| 入院 地域包括医療病棟入院料1 | 49点 | 98点 |
| 入院 地域包括ケア病棟入院料1(40日以内の期間) | 27点 | 54点 |
| 入院 回復期リハビリテーション病棟入院料1 | 19点 | 38点 |
| 入院 療養病棟入院料1の入院料1 | 18点 | 36点 |
| 入院 精神病棟入院基本料の10対1入院基本料 | 13点 | 26点 |
総-1では、一般病棟の入院物価対応料が細かく並んでいます。たとえば急性期病院B一般入院料は58点、急性期一般入院料2〜4は45点(急性期一般入院料4と看護・多職種協働加算を算定する場合は58点)、急性期一般入院料5は36点、急性期一般入院料6は34点、地域一般入院料1・2は32点、地域一般入院料3は23点、特別入院基本料(一般病棟)は17点です。「その他の入院料等を算定する場合についても同様に対応する」と書かれています。
算定要件(資料の文を短く)
| 区分 | いつ算定するか |
|---|---|
| 初診時 | 入院中の患者以外の患者に対して初診を行った場合 |
| 再診時等 | 入院中の患者以外の患者に対して再診、又は短期滞在手術等基本料1を算定すべき手術若しくは検査を行った場合 |
| 訪問診療時 | 在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、訪問診療を行った場合 |
| 入院 | 入院基本料(特別入院基本料等を含む)、特定入院料、短期滞在手術等基本料(短期滞在手術等基本料1を除く)を算定している患者について、区分に従い算定 |
あわせて、歯科外来物価対応料、調剤物価対応料、訪問看護物価対応料(訪問看護物価対応料1は月の初日の訪問の場合60円・月の2日目以降の訪問の場合20円、訪問看護物価対応料2は20円)も新設されています。いずれも令和9年6月以降は100分の200に相当する点数・額を算定する、と書かれています。
一次資料:中医協 総-1 個別改定項目について(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定 2. 物価対応(PDF・厚生労働省)/令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省)
病院・クリニックで確かめること
- 入院物価対応料は、算定している入院料の区分ごとに点数が分かれています。病棟ごとにどの区分を届け出ているかを、貴院の届出の控えでご確認ください。点数の確定した中身は、算定告示(令和8年厚生労働省告示第69号)と留意事項通知の定めによります。
- 令和9年6月から点数が変わるので、レセプトコンピュータの設定の切り替え時期を、医事課とベンダーの案内でご確認ください。
- 説明資料には、経済・物価の動向によっては令和9年度に加減算を含めた調整を行う、とあります。令和9年度の扱いは、厚生労働省の改定ページ(疑義解釈・通知の訂正)の新しい案内をご確認ください。
- 入院料そのものの点数(例:急性期一般入院料1は1,688点から1,874点)も同じ説明資料で引き上げられています。院内で説明するときは、物価対応料と入院料の引上げを分けて整理しておくと伝わりやすくなります。
関係する記事
書き方・要件の記事 神マナでできることこの記事に関係するページ
書類づくりの文例を、LINEでお届けしています
公式LINEで、サービス別の文例集(PDF)と書き方のコツ(週1回)をお送りしています。売り込みはしません・いつでも解除できます。
更新履歴:初版。令和9年度の扱いについて新しい案内が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






