公開:2026年11月5日/出典:社会保障審議会 介護給付費分科会(第263回)資料5
これは審議の途中の「論点」です。決まった内容ではありません。決まったときはこの記事を更新します。
要点(3行)
- 令和8年8月28日の介護給付費分科会(第263回)に、資料5「介護現場におけるハラスメント対策」が出されました。介護報酬改定に向けた審議の「現状と課題及び論点」です。
- 資料は、カスタマーハラスメント対策の動向も踏まえ、介護報酬や運営基準等で、未然防止や発生時の対応を含めた実効性のある対策を進める方策を問いかけています。
- ケアマネジャーを含む介護従事者の安全確保、地域の関係機関との連携、「正当な理由」なくサービス提供を拒否してはならないとされていることとの関係も論点です。
何が出たか
| 項目 | 一次資料に書かれていること |
|---|---|
| 会議 | 社会保障審議会 介護給付費分科会 第263回(令和8年8月28日・web会議) |
| 資料 | 資料5「介護現場におけるハラスメント対策」厚生労働省 老健局 |
| 資料の構成 | 1.介護現場におけるハラスメント対策の概況/2.関連する各種意見・サービス提供等の状況/3.現状と課題及び論点 |
| 法律の動き | 改正労働施策総合推進法が本年10月から施行され、介護事業者を含むすべての事業主に対して、カスタマーハラスメントを防止するための雇用管理上必要な措置が義務化された、と書かれている |
これまでの取組(資料の記載)
| 項目 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| セクハラ・パワハラ | 介護サービスの運営基準(省令)で、「介護事業者が講ずべき措置」として明確化 |
| カスタマーハラスメント | 労働施策総合推進法に基づく指針で「事業主が講ずることが望ましい取組」とされていることを受け、運営基準の解釈通知でその旨を明確化 |
| 基金による助成 | 地域医療介護総合確保基金で、自治体が行う研修や相談窓口の設置等、複数人での訪問の経費、安全対策に係る費用等を助成 |
| 報酬上の加算 | 訪問介護・訪問看護で、暴力行為等が認められるような現場で複数名でサービスの提供を行った場合の加算措置 |
| 手引き等 | ハラスメント対策マニュアル、研修の手引き、職員向け研修動画、事例集等の作成・周知 |
資料が挙げた課題
- 本年6月1日に埼玉県でケアマネジャーが利用者宅で危害を加えられ死亡した事案があったと書かれています。現状、ケアマネジャーが利用者宅に複数名で訪問する際の介護報酬上の加算措置はなく、経費は基金の「地域のケアマネジメント提供体制確保支援事業」を使うことになっています。ただし、この予算は令和7年度補正予算で、継続的な予算措置に課題があるとされています。
- 訪問介護・看護の複数名訪問加算は、令和3年度から「暴力行為、著しい迷惑行為、器物損壊行為等が認められる場合」にも使えるようになりましたが、利用者・家族の自己負担が増えるため同意が前提で、実際の算定率は低いことが課題とされています。
論点の一覧
| テーマ | 資料の問いかけ |
|---|---|
| 報酬・運営基準での対策 | カスタマーハラスメント対策の動向も踏まえ、介護人材の確保・定着とサービス提供体制の維持の両面に配慮しながら、介護報酬や運営基準等で、未然防止や発生時の対応を含めた実効性のある対策を進めるための方策 |
| 安全確保(ケアマネジャーも含む) | 複数名訪問の加算や基金による助成に加え、ケアマネジャーも含めた介護従事者のカスタマーハラスメントへの対応や安全確保のための取組の方策 |
| 地域の関係機関との連携 | 自治体、地域包括支援センター、医師、ケアマネジャー、法律の専門家、警察等との連携を推進するための方策 |
| サービス提供の拒否の「正当な理由」 | 職員の安全性の確保と、必要なサービス提供の継続の両面から、運営基準等における位置づけや、サービス提供しない場合の柔軟な対応についての方策 |
一次資料:
事業所で確かめること
- 資料は「どのような方策が考えられるか」という問いの段階で、対応案は示されていません。決まった内容は、告示・通知の定めをご確認ください。
- 改正労働施策総合推進法に基づく事業主の措置の中身は、同法に基づく指針等によります。厚生労働省の案内をご確認ください。個別の就業規則・社内規程の整え方は、社会保険労務士など専門家にご相談ください。
- 複数名訪問加算の要件は、今の告示の定めによります。貴事業所の届出の内容と、利用者・家族の同意の取り方をご確認ください。
- 自治体の相談窓口・研修・助成の案内は、都道府県・市区町村の介護保険担当の案内をご確認ください。
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更新履歴:初版。対応案や改定の内容が出たときは、この記事を更新します。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。






