この記事は、介護職員が上長や委員会に出す「改善提案書」の書き方と、そのまま下書きに使える提案例をまとめたものです。他の事業所が何をしたかという事例集ではなく、自分の職場の困りごとを、読んだ人が「試してよいか」を決められる1枚にすることに絞っています。
提案が通りやすいかどうかは、文章のうまさよりも「数えた事実」「原因の見立て」「元に戻せる大きさの試し」「試した後に何を数えるか」が書いてあるかで決まります。以下の表と完成文は、どれも業務名・時間帯・数え方・試す範囲を入れた形にしてあります。数字は書き方の例です。自分の職場で数えた値に置き換えてください。
改善提案書の書き方|14欄の対照表と、業務ごとの数え方
改善提案書は、上長が読んで「何を・どこで・いつまで・どう試し・何で確かめるか」が1枚で分かれば十分です。事業所に様式があればそれを使い、無ければ下の14欄をA4の1枚に並べてください。欄を全部埋められないときは、空欄のまま出して「ここは相談したい」と書くほうが、推測で埋めるより通りやすくなります。
改善提案書の14欄|書くこと・書き方の型・記入欄
| 欄 | 書くこと | 書き方の型(例) | 貴事業所の様式での欄名(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 1 件名 | 何をどう変える試しかを1行で。「〜の改善」だけで終わらせない | 「夕方の排泄介助で使う物品を、各トイレに置く2週間の試し」 | ( ) |
| 2 提案者・所属・提出日 | 職種・勤務帯・フロア・提出日。連名でもよい | 介護職(日勤)・2階フロア・提出日( 月 日)・連名:同フロア日勤者2名 | ( ) |
| 3 対象業務・時間帯・場所 | 業務名を1つ、時間帯と場所を添える | 排泄介助/17時〜19時/2階東側トイレ3か所 | ( ) |
| 4 現状(数えた事実) | 回数・時間・件数・人数を、数えた期間と数えた人つきで書く | 「◯月◯日〜◯日の5日間、17時〜19時に介助中に物品を取りに離れた回数を日勤者2名で数えたところ、計27回」 | ( ) |
| 5 困りごと | 利用者に起きていることと、職員に起きていることを分けて書く | 利用者:便座に座ったまま待つ時間がある/職員:介助の途中で汚物処理室と往復している | ( ) |
| 6 原因の見立て | 「見立て」と明記し、確かめた事実と推測を分ける | 物品が汚物処理室の1か所に集めてあり、トイレには置いていないため(確かめた事実)。補充の担当が決まっていないことも関係していると考えている(推測) | ( ) |
| 7 提案(変えること) | 変えることを1つに絞る。やめる・減らす・置き場所を変える・順番を変える・担当を決める、のどれかで書く | 各トイレに1回分の物品を3セット入れたかごを置き、夕食前に補充担当が満たす | ( ) |
| 8 試す期間と範囲 | 元に戻せる大きさにする。期間・場所・対象の時間帯 | 2週間/東側トイレ3か所のみ/17時〜19時のみ | ( ) |
| 9 確かめる指標 | 現状と同じ数え方で、試行中にも数える。何を見たら「続ける」「変える」「やめる」を相談するかも書く | 介助中に物品を取りに離れた回数(試行前:27回/5日、試行中: 回/5日)、補充漏れの回数( 回) | ( ) |
| 10 必要な物と費用の見込み | 物品名・数量・既存品で足りるか。金額は見積もりを取ってから記入 | かご3個(既存品の転用を検討)、補充チェック表(A4・1枚)/費用の見込み:( )円 | ( ) |
| 11 利用者への影響 | 良い変化の見込み・心配な点・説明が要る相手 | 待つ時間が減る見込み。物品が手の届く高さにあると口に入れる心配がある方がいるため、棚の高さを確認する | ( ) |
| 12 決めてほしいこと | 誰に、何を、いつまでに決めてほしいか | フロアリーダーに、試行の開始日と補充担当の割り当てを( 月 日)の会議で決めてほしい | ( ) |
| 13 振り返りの予定 | 試行の終わりの日と、振り返る場(会議名・日付) | 試行最終日の翌週のフロア会議( 月 日)で、数えた結果を報告する | ( ) |
| 14 添付 | 数えた用紙、配置の図、写真(利用者が写らないもの) | 数えた用紙(5日分)・トイレの配置図(手書き可) | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
業務ごとの「数える単位」|現状欄を埋めるための15業務の数え方
「大変」「時間がかかる」を事実に変えるには、数える単位を1つ決めて、短い期間だけ数えるのが近道です。業務を止めて測る必要はありません。正の字を書く用紙を1枚置き、気づいた人が書き足す形で足ります。
| 業務 | 数える単位 | 数える期間と人 | 数えるときの注意 | 貴事業所で数える単位(記入欄) |
|---|---|---|---|---|
| 記録 | 16時以降にまとめて書かれた日中の記録の件数 | 7日間・日勤リーダー | 記録の入力時刻と、書かれている出来事の時刻の両方を見る | ( ) |
| 申し送り | 申し送りの途中で席を外した人数、後から聞き直した回数 | 10日間・申し送りの司会役 | 席を外した理由(ナースコール・電話など)も一言添える | ( ) |
| 送迎 | 迎えで玄関に着いてから、乗車まで5分以上待った回数 | 10営業日・添乗者 | 待った理由(身支度・排泄・家族不在)を分けて書く | ( ) |
| 入浴 | 入浴の前後に着替えを取りに居室へ往復した回数 | 入浴日5日間・入浴担当 | 往復の間に浴室の前で待った方がいたかも書く | ( ) |
| 食事 | 配膳時に食形態・禁止食の確認で厨房へ問い合わせた回数、配膳直前に差し替えた回数 | 14日間・配膳担当 | 朝・昼・夕を分けて数える | ( ) |
| 排泄 | 介助の途中で物品を取りに離れた回数 | 5日間・対象時間帯の介助者 | 離れた間に利用者がどこで待っていたかを書く | ( ) |
| 夜勤 | 決まった1時間に起床介助が必要な利用者の人数 | 7日間・夜勤者 | 本人が起きたい時刻と、実際に起こした時刻を分ける | ( ) |
| シフト | 勤務表を公表した後の修正回数と、その理由 | 過去3か月分・勤務表の作成者 | 理由を「希望休」「急な欠勤」「行事」などに分ける | ( ) |
| 物品管理 | 共用品(体温計など)を探した回数と、1回あたりの分数 | 5日間・日勤者全員 | 見つかった場所も書く(次の定位置を決める材料になる) | ( ) |
| 会議 | 予定の終了時刻を過ぎた分数、当日に初めて出された議題の数 | 直近6回分・議事録の担当 | 議事録の開始・終了時刻から数えられる | ( ) |
| 研修 | 内部研修の欠席者数と、欠席者が後日受講した記録の数 | 年間計画の研修分・研修担当 | 欠席の理由(勤務・休暇)を分ける | ( ) |
| 感染対策 | 居室へ入る前後に手指消毒をした回数と、入室の回数 | 1日のうち3時間・観察役1名 | 観察役は責める目的ではないと先に伝える。個人名は記録しない | ( ) |
| 電話対応 | 決まった時間帯の着信件数と、介助中の職員が出た回数 | 5日間・事務所の職員 | 着信の相手(家族・事業所・業者)を分ける | ( ) |
| 家族連絡 | 連絡帳に書かれた家族からの質問の件数と、その日のうちに返事が書けなかった件数 | 1か月・連絡帳の担当 | 返事が遅れた理由(担当者が不明・確認待ち)を分ける | ( ) |
| ヒヤリハット共有 | 報告書の回覧で全員の確認印がそろった件数 | 過去3か月分・安全対策の担当 | 報告の件数が増えたことを悪い変化と決めつけない | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
「気づき」を改善提案に書き換える|悪い例と良い例30組と、返されやすい書き方
現場の「気づき」は提案の種ですが、「大変」「忙しい」「何とかしてほしい」は感想であって、判断の材料になりません。上長が決められないまま保留になる提案の多くは、中身が悪いのではなく、数えた事実と試す範囲が書かれていないだけです。
書き換えの3手順|数える・見立てる・小さく試す
| 手順 | 自分に問うこと | 書き換える前 | 書き換えた後 |
|---|---|---|---|
| 1 数える | 何回・何分・何件・何人か。期間はいつからいつまでか | 「夕方の排泄介助が大変」 | 5日間の17時〜19時に、介助の途中で物品を取りに離れた回数は計27回でした。 |
| 2 困りごとを分ける | 利用者に何が起きているか。職員に何が起きているか | 「利用者さんにも迷惑がかかっている」 | 離れている間、利用者は便座に座ったまま待っています。職員は汚物処理室との往復で介助が途切れています。 |
| 3 原因を見立てる | 確かめた事実はどれで、推測はどれか | 「物の置き方が悪いから」 | 物品が汚物処理室にしか置かれていないことは確認済みです。補充担当がいないことも原因と考えていますが、これは推測です。 |
| 4 変えることを1つに絞る | やめる・減らす・置き場所・順番・担当のどれか | 「物品管理を見直してほしい」 | 各トイレに1回分の物品を3セット入れたかごを置くことを提案します。 |
| 5 元に戻せる大きさで試す | 期間・場所・時間帯をどこまで絞れるか | 「全フロアでやってほしい」 | まず2週間、東側トイレ3か所の17時〜19時だけで試し、結果を見て広げるかを相談させてください。 |
| 6 確かめ方を先に決める | 試行前と同じ数え方で何を数えるか | 「やってみて様子を見る」 | 試行中も同じ用紙で離れた回数を数え、試行前の27回と並べてフロア会議で報告します。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
業務別|「気づき」の悪い例と、提案書に書ける良い例30組
| 業務 | 悪い例(ありがちな一行) | 良い例(そのまま下書きに使える文) |
|---|---|---|
| 記録 | 「記録を書く時間がない」 | 7日間で日中の記録84件のうち61件が16時以降にまとめて書かれていました。11時30分と15時30分に10分ずつ記録の時間を取る試しを、2階で2週間行いたいです。 |
| 記録 | 「記録の書き方が人によってバラバラ」 | 夜勤帯の転倒時の記録12件のうち、発見時刻が書かれていないものが5件ありました。発見時刻・発見場所・発見者の3点を書く欄を記録用紙の上段に設ける案を出します。 |
| 申し送り | 「申し送りが長い」 | 10日間の日勤から夜勤への申し送りは平均22分で、途中で席を外した人が延べ14人いました。要点3項目を先にホワイトボードに書く形を2週間試したいです。 |
| 申し送り | 「聞いていないと言われる」 | 申し送りの後に内容を聞き直した回数が10日間で9回ありました。聞き逃した人が後から読めるよう、要点を書いたボードを翌朝まで残すことを提案します。 |
| 送迎 | 「迎えでいつも待たされる」 | 10営業日の迎えで、玄関に着いてから乗車まで5分以上待った回数は23回でした。出発時に添乗者が「あと10分で着きます」と電話する試しを1便だけで行いたいです。 |
| 送迎 | 「送迎ルートが非効率」 | 火曜の迎え2便は、同じ地区を2台が別々に回っている日が4週中3回ありました。前日の送迎表作成時に地区ごとの人数を書き出し、便の組み方を相談する欄を加えたいです。 |
| 入浴 | 「入浴介助がきつい」 | 入浴日5日間で、着替えを取りに居室へ往復した回数は計31回でした。前日の夜に着替えを袋に分けて脱衣所に置く試しを、一般浴だけで2週間行いたいです。 |
| 入浴 | 「入浴の順番がうまく回らない」 | 午前の入浴9人のうち、予定の順番どおりに入れた日は5日中1日でした。順番が崩れた理由(受診・体調・排泄)を2週間記録し、その結果で順番の決め方を提案します。 |
| 食事 | 「配膳が遅い」 | 14日間の配膳で、食形態の確認のため厨房に問い合わせた回数は18回、配膳直前の差し替えは6回でした。食形態ごとに食札の色を分ける案を1フロアで試したいです。 |
| 食事 | 「食事介助の人が足りない」 | 昼食時に全介助が必要な方は6人、介助に入れる職員は12時から12時30分の間に3人でした。食事の開始時刻を2つの時間に分ける案について、看護職と栄養担当に意見を聞いてから提案します。 |
| 排泄 | 「排泄介助で物が足りない」 | 5日間の17時〜19時に、介助の途中で物品を取りに離れた回数は計27回でした。各トイレに1回分の物品を3セット置き、夕食前に補充する試しを東側3か所で行いたいです。 |
| 排泄 | 「夜のパッド交換が多すぎる」 | 夜間の定時交換で、交換時にパッドが乾いていた回数を7日間数えたところ、延べ58回中21回でした。対象の方を看護職と選び、交換の時刻を見直す相談の場を設けてほしいです。 |
| 夜勤 | 「朝が忙しすぎる」 | 7日間、6時から7時の間に起床介助が必要な方は12人中9人でした。本人と家族に起きたい時刻を聞き直し、起床の順番表を作る案を出します。 |
| 夜勤 | 「夜勤の休憩が取れない」 | 夜勤10回のうち、決められた休憩を予定どおり取れた回は3回でした。休憩に入る時刻を2つの候補から選べる形にし、その間のナースコール対応を誰が持つか決める案を出します。 |
| シフト | 「勤務表がころころ変わる」 | 過去3か月、勤務表の公表後の修正は月平均14回で、うち希望休の後出しが8回でした。希望休の締切を毎月10日に固定し、提出を休憩室の用紙1枚にまとめたいです。 |
| シフト | 「急な休みの穴埋めがいつも同じ人」 | 過去3か月の急な欠勤の穴埋め18回のうち、同じ2人が11回入っていました。穴埋めに入れる日を月初に各自が申し出る表を作る案を出します。 |
| 物品管理 | 「体温計がいつもない」 | 5日間で体温計・パルスオキシメーターを探した回数は計19回、1回に2〜6分かかっていました。定位置の箱を1つ決めて写真を貼り、夕方に数を確かめる試しをしたいです。 |
| 物品管理 | 「消耗品の期限切れがもったいない」 | 9月の棚卸しで、未開封のまま使用期限を過ぎた衛生材料が4品目ありました。期限の近い物を手前に置く棚の並べ方と、月初の期限確認の担当を決める案を出します。 |
| 会議 | 「会議が長い」 | 直近6回の定例会議は、予定60分に対して平均85分でした。議題を前々日までに用紙に書き、書かれていない議題は次回に回す形を2回分試したいです。 |
| 会議 | 「会議で何も決まらない」 | 直近6回の議事録で「継続検討」と書かれた議題は延べ11件、そのうち次回に結論が出たのは3件でした。議題ごとに「今日決めること」を1行書いてから話し合う形を提案します。 |
| 研修 | 「研修に出られない人がいる」 | 今年度の内部研修6回で欠席者は延べ21人、後日受講の記録が残っているのは7人でした。欠席者用に資料と確認の問い3つを綴じたファイルを作る案を出します。 |
| 研修 | 「研修の内容が現場で使われない」 | 外部研修の参加8回のうち、職場で内容を話す機会があったのは1回でした。参加から2週間以内の朝礼で5分、現場で試すことを1つ話す枠を作りたいです。 |
| 感染対策 | 「手指消毒が徹底されていない」 | 日勤帯の3時間を観察したところ、居室への入室42回のうち入室前の手指消毒は26回でした。消毒剤が廊下の端2か所にしかないため、携帯用ボトルを日勤者に1本ずつ持つ試しを提案します。 |
| 感染対策 | 「感染症の時期に物が足りなくなる」 | 昨年の冬、ガウンと手袋の在庫が発注点を下回った日が5日ありました。感染症の流行期だけ発注点を別に決めておく表を作る案を出します。 |
| 電話対応 | 「昼に電話が鳴って介助が止まる」 | 5日間の11時30分〜13時の着信は計41件、そのうち介助中の職員が出たのは17回でした。この時間帯の電話当番を1人決め、当番以外は出ない形を2週間試したいです。 |
| 電話対応 | 「折り返しを忘れる」 | 5日間の折り返しの依頼23件のうち、当日中に折り返せなかったものが4件ありました。電話の横に折り返しメモの束と済みの印を置き、夕方に確認する担当を決める案を出します。 |
| 家族連絡 | 「連絡帳の返事が遅れる」 | 1か月の連絡帳で家族からの質問は38件、その日のうちに返事が書けなかったものが11件でした。到着時に連絡帳を開いて質問に付箋を貼り、返事の担当を決める試しを提案します。 |
| 家族連絡 | 「家族への連絡が誰の担当か分からない」 | 1か月に家族へ電話した42回のうち、同じ件で2人が別々に電話したものが3回ありました。家族への連絡の担当を利用者ごとに1人決め、一覧を事務所に置く案を出します。 |
| ヒヤリハット共有 | 「ヒヤリハットが共有されていない」 | 過去3か月の報告46件のうち、回覧で全員の確認印がそろったのは9件でした。週に1回、前週の報告から3件を選んで申し送りで読み上げる試しを提案します。 |
| ヒヤリハット共有 | 「同じことが何度も起きている」 | 過去3か月の報告で、同じ場所で3件以上起きていたのは食堂の入口と2階の洗面台前の2か所でした。フロア図に報告の場所を印で書き込み、会議で原因を話し合う案を出します。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
上長・委員会から返されやすい書き方と、直した文12例
| 返される理由 | よくある書き方 | 直した文 |
|---|---|---|
| 誰かを責める文になっている | 「夜勤の人が片付けないので朝が困る」 | 朝6時の時点で、洗面台に使用済みの物品が残っていた日は7日中5日でした。片付けの担当と時刻がどこにも書かれていないことが原因と考えています。 |
| 変えることが複数ある | 「入浴の順番・着替えの準備・浴室の掃除をすべて見直したい」 | 今回は着替えの準備だけを変える提案です。順番と掃除は、この試しの結果を見てから別に出します。 |
| 範囲が広すぎて試せない | 「全事業所で統一したい」 | まず2階フロアで2週間試し、数えた結果を添えて他のフロアに広げるかを相談させてください。 |
| 費用の根拠がない | 「新しい機械を買ってほしい」 | 必要な物は携帯用ボトル12本とホルダー12個です。既存品で足りない分の見積もりを事務担当に依頼し、金額は( )円で記入します。 |
| 確かめ方がない | 「やれば良くなると思う」 | 試行前と同じ用紙で5日間数え、試行前の値と並べて報告します。 |
| 利用者への影響が書かれていない | 「職員が楽になる」 | 10分の記録時間の間はフロアの見守りが1人減るため、見守りの位置を食堂の入口に決めてから試します。 |
| 他職種への影響が抜けている | 「食事の時間を30分ずらしたい」 | 食事の時間を変える前に、厨房の調理開始時刻と看護職の配薬時刻への影響を、それぞれの担当者に確認します。 |
| いつ誰が決めるかが書かれていない | 「検討をお願いします」 | ( 月 日)のフロア会議で、試行の開始日と担当を決めていただきたいです。 |
| 感想だけで数がない | 「最近ヒヤリハットが多い気がする」 | 過去3か月の報告は月ごとに13件・15件・18件でした。場所別に分けた表を添付します。 |
| 原因を断定している | 「新人が多いから起きている」 | 報告18件のうち、経験1年未満の職員が関わったものは5件でした。経験年数よりも時間帯(17時台に9件)のほうが偏っているように見えます。 |
| すでに決まったことと重なっている | 「申し送りノートを作ってほしい」 | 申し送りノートは既にありますが、10日間で夜勤者が開いた記録は3回でした。ノートを置く場所を記録用端末の横に移すことを提案します。 |
| 個人情報の扱いが書かれていない | 「利用者の起床時刻を廊下に貼りたい」 | 起床の順番表は居室番号と時刻だけを書き、利用者や面会者から見えないスタッフルームの内側に掲示します。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
業務別の改善提案例|15業務の完成文(現状・原因・提案・試し方・確かめ方)
ここでは15の業務ごとに、提案書の欄をそのまま埋めた完成文を並べます。第1表で「数えた事実と原因の見立て」、第2表で「提案と試し方・確かめ方」、第3表で「必要な物・費用・利用者への影響」を書いています。3つの表の同じ業務の行をつなげると、提案書1枚になります。
第1表|15業務の現状(数えた事実)・困りごと・原因の見立て
| 業務 | 現状(数えた事実) | 困りごと | 原因の見立て |
|---|---|---|---|
| 記録 | 7日間、日中の記録84件のうち61件が16時以降にまとめて入力されていた(日勤リーダーが入力時刻を確認)。 | 出来事の時刻と記録の時刻がずれ、夜勤者が読んだときに何時の出来事か分からないことがある。 | 記録用の端末がスタッフルームに1台で、介助の合間に書きに戻れない(確認済み)。記録の時間が勤務の流れに組まれていない(推測)。 |
| 申し送り | 10日間、日勤から夜勤への申し送りは平均22分。途中で席を外した人は延べ14人、後から聞き直した回数は9回。 | 聞き逃しがあり、夜間に日勤者へ確認の電話をした日が2日あった。 | 申し送りが口頭だけで、途中から加わった人が要点を読む手段がない。 |
| 送迎 | 10営業日、迎えで玄関に着いてから乗車まで5分以上待った回数は23回。うち身支度が理由のものが15回。 | 後の利用者の到着が遅れ、朝のバイタル測定が重なる。車内で待つ利用者の負担がある。 | 前日の電話で到着時刻を「9時頃」と幅を持たせて伝えており、身支度の開始が遅れている(家族3人に聞き取り)。 |
| 入浴 | 入浴日5日間、入浴の前後に着替えを取りに居室へ往復した回数は計31回。 | 往復の間、脱衣所の前で利用者が待つことがあり、入浴後に体が冷える心配がある。 | 着替えの準備を入浴の直前に行っており、季節の衣類が足りないことに直前で気付く。 |
| 食事 | 14日間、配膳時に食形態・禁止食の確認で厨房へ問い合わせた回数は18回、配膳直前の差し替えは6回。 | 配膳が遅れ、温かい料理が冷める。確認の手間が配膳担当に集中している。 | 食形態が変わってから食札に反映されるまで1〜2日かかっている(厨房に確認済み)。食札の文字が小さく形態の区別がつきにくい。 |
| 排泄 | 5日間、17時〜19時の排泄介助の途中で物品を取りに離れた回数は計27回。 | 離れている間、利用者が便座に座ったまま待つ。介助が途切れる。 | パッド・手袋・清拭布が汚物処理室にしか置かれていない。補充の担当が決まっていない。 |
| 夜勤 | 7日間、6時から7時の間に起床介助が必要な方は12人中9人。 | 夜勤者1人で順番待ちが生じ、本人の希望より早く起こしている方がいる。 | 起床時刻を本人に確かめた記録がなく、慣例で6時台に起こしている。 |
| シフト | 過去3か月、勤務表の公表後の修正は月平均14回。理由は希望休の後出し8回、急な欠勤4回、行事2回。 | 修正のたびに全員へ連絡が必要になり、変更に応じた職員の負担が大きい。 | 希望休の締切が月によって違い、提出方法も口頭・メモ・メッセージとばらばら。 |
| 物品管理 | 5日間、体温計・パルスオキシメーターを探した回数は計19回、1回に2〜6分。 | 朝のバイタル測定が遅れ、看護職への報告が遅くなる。 | 共用品に定位置がなく、使った人がポケットに入れたまま移動している。 |
| 会議 | 直近6回の定例会議は、予定60分に対して平均85分。当日初めて出された議題が5回。 | 会議後の業務が押し、議題を当日知るため準備ができない。 | 議題をその場で出している。議題ごとに何を決めるのかが書かれていない。 |
| 研修 | 今年度の内部研修6回で欠席者は延べ21人、後日受講の記録が残っているのは7人。 | 欠席者に内容が伝わったか分からず、研修記録にも残らない。 | 欠席者向けの資料の置き場と、受講を確かめる方法が決まっていない。 |
| 感染対策 | 日勤帯の3時間を観察し、居室への入室42回のうち入室前の手指消毒は26回。 | 消毒のために廊下の端まで戻る必要があり、介助の流れの中で抜けやすい。 | 消毒剤が廊下の端2か所だけに置かれ、居室の入口から離れている。 |
| 電話対応 | 5日間、11時30分〜13時の着信は計41件。介助中の職員が出た回数は17回。 | 昼食介助が途中で止まる。電話の相手を待たせることもある。 | 電話当番が決まっておらず、近くにいる人が出ている。 |
| 家族連絡 | 1か月、連絡帳に書かれた家族からの質問は38件。その日のうちに返事が書けなかったものが11件。 | 返事が遅れ、家族から確認の電話が来る。 | 連絡帳を開くのが帰りの支度の時間で、質問に気付くのが遅い。 |
| ヒヤリハット共有 | 過去3か月の報告46件のうち、回覧で全員の確認印がそろったのは9件。 | 同じ場所・同じ時間帯で似た報告が続いている。 | 回覧ファイルが事務所にあり、夜勤者や短時間勤務者が読む時間がない。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
第2表|15業務の提案・試す期間と範囲・確かめる指標
| 業務 | 提案(変えること) | 試す期間と範囲 | 確かめる指標(記入欄つき) |
|---|---|---|---|
| 記録 | 11時30分と15時30分に10分ずつ記録の時間を取り、その間は1人が交代でフロアの見守りを持つ。 | 2週間・2階フロアの日勤帯のみ。 | 16時以降にまとめて入力された件数(試行前:61件/84件、試行中: 件/ 件)。 |
| 申し送り | 申し送りの前に、変化のあった利用者・受診や家族対応・物品の3項目をホワイトボードに書き、口頭はその読み上げにする。 | 2週間・日勤から夜勤への申し送りのみ。 | 申し送りの分数、聞き直した回数(試行前:9回/10日、試行中: 回)。 |
| 送迎 | 前日の電話で到着時刻を10分刻みで伝え、出発時に添乗者が「あと10分で着きます」と電話する。 | 2週間・迎えの1便のみ。電話を希望しない方は対象外。 | 5分以上待った回数(試行前:23回/10日、試行中: 回)、事業所への到着時刻。 |
| 入浴 | 前日の夜勤帯に、翌日入浴する方の着替え一式を袋に入れ、脱衣所の棚に入浴の順に置く。 | 2週間・一般浴のみ。 | 居室への往復回数(試行前:31回/5日、試行中: 回)、脱衣所前で5分以上待った回数。 |
| 食事 | 食形態が変わったら「変更連絡票」を厨房と同じ日に共有し、食札の変更欄に日付を書く。形態ごとに食札の色を分ける。 | 2週間・1フロアのみ。 | 厨房への問い合わせ回数(試行前:18回/14日、試行中: 回)、配膳直前の差し替え回数。 |
| 排泄 | 各トイレに1回分の物品を3セット入れたかごを置き、夕食前に補充担当が満たす。 | 2週間・東側トイレ3か所・17時〜19時のみ。 | 物品を取りに離れた回数(試行前:27回/5日、試行中: 回)、補充漏れの回数。 |
| 夜勤 | 本人と家族に起きたい時刻を聞き直し、居室番号・希望の時刻・必要な介助を書いた起床の順番表を作る。 | 2週間・全員。聞き取りに1週間を先に取る。 | 6時台の起床介助の人数(試行前:9人、試行中: 人)、朝食までに起床が済まなかった人数。 |
| シフト | 希望休の締切を毎月10日に固定し、提出は休憩室の用紙1枚にまとめる。 | 2か月分の勤務表。 | 公表後の修正回数を理由別に(試行前:希望休の後出し8回/月、試行中: 回)。 |
| 物品管理 | 体温計とパルスオキシメーターの定位置の箱を1つ決め、箱に番号と写真を貼る。夕方に数を確かめる。 | 2週間・日勤帯。 | 探した回数(試行前:19回/5日、試行中: 回)、夕方の点検で数が合わなかった日数。 |
| 会議 | 議題を前々日までに用紙に書く。書かれていない議題は次回に回す。議題ごとに「今日決めること」を1行添える。 | 定例会議2回分。 | 会議の分数(試行前:平均85分、試行中: 分)、決まった議題の数、持ち越した議題の数。 |
| 研修 | 欠席者用に、資料と確認の問い3つを綴じた「後日受講ファイル」を作り、研修から2週間以内に読んで署名する。 | 次の内部研修2回分。 | 欠席者のうち後日受講の署名がある人数(試行前:7人/21人、試行中: 人/ 人)。 |
| 感染対策 | 日勤者が携帯用の消毒ボトルを1本ずつ持ち、居室の入口で消毒できるようにする。 | 2週間・2階フロアの日勤帯。 | 同じ観察方法での入室前の手指消毒の回数(試行前:26回/42回、試行中: 回/ 回)。 |
| 電話対応 | 11時30分〜13時の電話当番を1人決め、当番以外は出ない。急ぎでない折り返しは14時にまとめる。 | 2週間・平日のみ。 | 介助中の職員が出た回数(試行前:17回/5日、試行中: 回)、折り返し漏れの回数。 |
| 家族連絡 | 到着時に連絡帳を開き、質問に付箋を貼って返事の担当者を決める。 | 1か月・全利用者。 | その日のうちに返事が書けなかった件数(試行前:11件/38件、試行中: 件/ 件)。 |
| ヒヤリハット共有 | 週に1回、前週の報告から3件を選び、申し送りで1件1分ずつ読み上げる。報告の場所をフロア図に印で書き込む。 | 1か月・全勤務帯。 | 読み上げた件数、読み上げを聞いた職員の人数、同じ場所の報告の件数の推移(増減だけで良し悪しを決めない)。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
第3表|15業務の必要な物・費用の見込み・利用者への影響
| 業務 | 必要な物(数量) | 費用の見込み(記入欄) | 利用者への影響と配慮 |
|---|---|---|---|
| 記録 | 勤務表に10分の枠を書き込むのみ。新たな物品なし。 | ( )円 | 記録の時間はフロアの見守りが1人減るため、見守りの位置を食堂の入口に決める。 |
| 申し送り | 小型のホワイトボード1枚、マーカー2本。 | ( )円 | ボードには居室番号だけを書き、利用者や面会者から見えない位置に置く。 |
| 送迎 | 添乗用の携帯電話(既存品)。 | ( )円 | 電話が負担になる方・家族には事前に意向を聞き、希望しない方は従来どおりにする。 |
| 入浴 | 繰り返し使える袋(入浴者の人数分)、脱衣所の棚の番号札。 | ( )円 | 着る服は前日に本人と一緒に選び、本人が選ぶ機会を減らさない。 |
| 食事 | 色付きの食札用紙、変更連絡票(A5)。 | ( )円 | 食札に病名を書かない。色の意味を他の利用者に分からない形にする。 |
| 排泄 | かご3個(既存品の転用を検討)、補充チェック表。 | ( )円 | 物品を口に入れる心配がある方がいるため、かごは手の届かない高さに置く。 |
| 夜勤 | 起床の順番表(A4)。聞き取りの用紙。 | ( )円 | 起きる時刻を変えるときは、本人の希望と看護職の確認のうえで行う。 |
| シフト | 希望休の提出用紙、休憩室の掲示。 | ( )円 | 利用者への直接の影響は小さい。担当変更を利用者に伝える回数も併せて数える。 |
| 物品管理 | 仕切りのある箱1個、ラベル、写真。 | ( )円 | 使用後の消毒の場所を箱の横に決め、消毒してから戻す流れにする。 |
| 会議 | 議題の用紙(事務所に掲示)。 | ( )円 | 会議の間の現場の体制を先に決め、会議の延長で見守りが薄くならないようにする。 |
| 研修 | 後日受講ファイル(研修ごとに1冊)、署名欄。 | ( )円 | 研修の内容がケアの手順の変更を含むときは、計画の担当者と確認してから現場に広げる。 |
| 感染対策 | 携帯用の消毒ボトルとホルダー(日勤者の人数分)。 | ( )円 | 認知症の方が手に取らないよう、ボトルは腰のホルダーに入れて持ち歩く。 |
| 電話対応 | 電話当番の表、折り返しメモの束と済みの印。 | ( )円 | 家族からの急ぎの連絡が遅れないよう、当番は必ず電話に出られる位置にいる。 |
| 家族連絡 | 付箋、返事の担当を書く欄。 | ( )円 | 連絡帳の中身が他の利用者の目に触れないよう、開く場所を決める。 |
| ヒヤリハット共有 | フロア図(A3)、印のシール。 | ( )円 | フロア図には利用者の氏名を書かず、掲示はスタッフルームの内側に限る。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
提案書1枚の完成例|夕方の排泄介助の物品を各トイレに置く試し
上の3つの表の「排泄」の行を、14欄の様式に流し込んだものです。そのまま写して、数字と場所を自分の職場のものに置き換えて使えます。
| 欄 | 記入した文 |
|---|---|
| 件名 | 夕方の排泄介助で使う物品を、各トイレに置く2週間の試し |
| 提案者・所属・提出日 | 介護職(日勤)・2階フロア/連名:同フロア日勤者2名/提出日:( 月 日) |
| 対象業務・時間帯・場所 | 排泄介助/17時〜19時/2階東側トイレ3か所 |
| 現状 | ( 月 日)〜( 月 日)の5日間、17時〜19時の排泄介助の途中で物品を取りに離れた回数を、日勤者2名が用紙に正の字で数えました。5日間の合計は27回で、1日あたり4〜7回でした。 |
| 困りごと | 離れている間、利用者は便座に座ったまま待っています。職員は汚物処理室との往復で介助が途切れ、次の方の介助の開始が遅れています。 |
| 原因の見立て | パッド・手袋・清拭布が汚物処理室にしか置かれていないことは確認しました。補充の担当が決まっておらず、夕方に不足しやすいことも原因と考えていますが、これは推測です。 |
| 提案 | 東側トイレ3か所それぞれに、1回分の物品を3セット入れたかごを置きます。夕食の配膳前に、その日の補充担当がかごを満たします。 |
| 試す期間と範囲 | ( 月 日)から2週間。東側トイレ3か所の17時〜19時だけで行い、他のトイレと時間帯は従来どおりにします。 |
| 確かめる指標 | 試行中も同じ用紙で、物品を取りに離れた回数を5日間数えます(試行前:27回、試行中: 回)。あわせて、補充漏れの回数( 回)と、かごの置き場所で困ったこと(自由記述)を書きます。 |
| 必要な物と費用の見込み | かご3個(倉庫にある既存品を使えるか確認中)、補充チェック表(A4・1枚)。費用の見込み:( )円。 |
| 利用者への影響 | 待つ時間が減る見込みです。物品を口に入れる心配がある方がいるため、かごは手すりより高い棚に置きます。 |
| 決めてほしいこと | ( 月 日)のフロア会議で、試行の開始日と、補充担当の割り当て方(日替わりか固定か)を決めていただきたいです。 |
| 振り返りの予定 | 試行最終日の翌週のフロア会議( 月 日)で、数えた結果を報告し、続ける・変える・やめるを相談します。 |
| 添付 | 数えた用紙(5日分)、東側トイレ3か所とかごの置き場所の図(手書き)。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
職場別の改善提案例|訪問介護・通所介護・施設・居宅介護支援の24例
同じ「業務改善」でも、職場によって数えられるものと試せる範囲が違います。訪問は1人で動く時間が長く、通所は時間の山が決まっており、施設は24時間の引き継ぎがあり、居宅介護支援は事業所の外との調整が多くを占めます。ここでは上の15業務と重ならない提案を、職場ごとに6例ずつ並べます。
訪問介護|1人で動く時間の困りごとから出す6例
| 件名 | 現状(数えた事実)と原因の見立て | 提案と試し方 | 確かめる指標・必要な物 |
|---|---|---|---|
| 訪問先の鍵の保管方法を一覧にする | 1か月で、訪問前に鍵の保管場所を事務所へ電話で確かめた回数は16回。保管方法が担当者の記憶にしかないためと見立てている。 | 鍵を預かる利用者ごとに、保管方法と受け渡しの手順を一覧にし、サービス提供責任者が管理する。一覧は持ち出さず、訪問前に事務所で確認する。1か月試す。 | 確認の電話の回数(試行前:16回、試行中: 回)。一覧の用紙1枚。 |
| 訪問かばんの中身を決める | 2週間で、訪問先で使い捨て手袋・エプロンが足りずに近くの店で買った、または事務所に戻った回数は5回。かばんの中身が人によって違う。 | かばんに入れる物と数を1枚の表にしてかばんの内側に貼り、直行の前日に各自で確かめる。2週間試す。 | 足りなかった回数(試行前:5回、試行中: 回)。表のラミネート。 |
| 直行直帰の日の記録の提出時刻を決める | 1か月で、直行直帰の日の記録が翌日以降に届いたものは22件中9件。提出の期限が決まっていない。 | 直行直帰の日は、その日の最後の訪問から2時間以内に記録を提出すると決める。2週間試す。 | 翌日以降に届いた件数(試行前:9件/22件、試行中: 件/ 件)。 |
| 利用者宅の駐車場所を共有する | 1か月で、初めて訪問する職員が駐車場所を探して訪問開始が5分以上遅れた回数は6回。駐車場所が担当者しか知らない。 | 利用者ごとの駐車場所と注意点(近所への配慮など)を、訪問先の情報票に1行加える。1か月試す。 | 5分以上遅れた回数(試行前:6回、試行中: 回)。情報票への追記。 |
| 訪問間の移動を地図で並べ直す | 2週間で、訪問と訪問の間の移動が20分以上かかった区間は延べ14区間。予定を利用者の希望時刻の順だけで組んでいる。 | 希望時刻に幅がある利用者を地図に印し、翌月の予定を組むときに移動の短い順を候補として出す。翌月の1週間分で試す。 | 20分以上の移動区間の数(試行前:14区間、試行中: 区間)。地図1枚。 |
| サービス提供責任者への報告の時間帯を分ける | 5日間で、16時〜17時にサービス提供責任者へ入った報告の電話は計31件、同じ時間帯に集中していた。 | 急ぎでない報告は訪問の直後に報告用の用紙へ書いて事務所の箱に入れ、電話は急ぎのものに絞る。2週間試す。 | 16時〜17時の報告の電話件数(試行前:31件/5日、試行中: 件)。報告用紙と箱。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
通所介護|時間の山が決まっている職場の6例
| 件名 | 現状(数えた事実)と原因の見立て | 提案と試し方 | 確かめる指標・必要な物 |
|---|---|---|---|
| 到着後のバイタル測定の待ちを分ける | 10営業日で、到着から測定まで15分以上待った方は延べ38人。2便が同じ時刻に着き、測定が1か所で行われている。 | 測定の場所を2か所にし、便ごとに測る場所を決める。2週間試す。 | 15分以上待った延べ人数(試行前:38人、試行中: 人)。血圧計1台の追加の要否。 |
| 昼食後の歯磨きとトイレの混雑を分ける | 5日間、12時40分〜13時の洗面所とトイレの前で3人以上が並んだ回数は計12回。全員が同じ時刻に食事を終えている。 | 食事を終えた順に、テーブルごとに洗面所へ案内する順番を決める。2週間試す。 | 3人以上並んだ回数(試行前:12回/5日、試行中: 回)。テーブル番号の札。 |
| 午後の活動の準備を前日に回す | 2週間で、午後の活動の準備を当日の午前に行い、その間フロアの職員が1人減った日は10日中7日。 | 翌日の活動の準備を前日の16時以降に行い、用具を箱にまとめて置く。2週間試す。 | 当日午前に準備を行った日数(試行前:7日/10日、試行中: 日)。用具箱。 |
| 連絡帳の記入を帰りの送迎前から外す | 5日間、15時30分〜16時に連絡帳を書いていた職員は平均3人で、その間の見守りは2人だった。 | 連絡帳のうち、その日の活動と食事量の欄は昼食後に書き、帰り前は様子の一言だけにする。2週間試す。 | 15時30分以降に連絡帳を書いていた職員の人数(試行前:平均3人、試行中: 人)。 |
| 着替えの返し忘れを防ぐ袋を決める | 1か月で、着替えや私物を持ち帰り忘れた件数は9件。汚れた衣類をまとめる袋が決まっていない。 | 利用者ごとに名前を書いた持ち帰り袋を1つ決め、帰りの送迎前に添乗者が数を確かめる。1か月試す。 | 持ち帰り忘れの件数(試行前:9件、試行中: 件)。袋(利用者の人数分)。 |
| 欠席の連絡を受けた後の送迎表の直し方を決める | 1か月で、当日朝の欠席連絡が運転者に伝わらず迎えに行った回数は3回。欠席を受けた人と送迎表を直す人が別。 | 欠席の電話を受けた人が、その場で送迎表に赤線を引き、運転者に口頭で伝えるまでを一続きにする。1か月試す。 | 伝わらずに迎えに行った回数(試行前:3回、試行中: 回)。赤ペンを送迎表の横に。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
施設(特養・老健・グループホームなど)|24時間の引き継ぎがある職場の6例
| 件名 | 現状(数えた事実)と原因の見立て | 提案と試し方 | 確かめる指標・必要な物 |
|---|---|---|---|
| ナースコールの多い時間帯に人を寄せる | 7日間、ナースコールの記録を1時間ごとに数えたところ、16時〜17時が1日平均14回で最も多かった。その時間は入浴の片付けと重なっている。 | 入浴の片付けを17時以降に回し、16時〜17時はフロアに2人を残す。2週間試す。 | 16時〜17時のナースコールに1分以内に応じられた割合(試行前: %、試行中: %)。 |
| 洗濯物の仕分け間違いを減らす | 1か月で、他の方の衣類が居室に届いた件数は14件。名前が消えかけている衣類が多い。 | 入所時と季節の入れ替え時に、衣類の名前の書き直しを家族に依頼する案内を出し、洗濯後の仕分け棚に居室番号を振る。1か月試す。 | 仕分け間違いの件数(試行前:14件、試行中: 件)。案内の用紙、棚の番号。 |
| 面会の予約を1冊の台帳にする | 1か月で、同じ時間帯に面会が重なり面会室が足りなかった回数は6回。予約の受け方が電話・受付・フロアでばらばら。 | 面会の予約は受付の台帳1冊に書くと決め、フロアで受けた場合も台帳に書き写す。1か月試す。 | 面会室が足りなかった回数(試行前:6回、試行中: 回)。台帳1冊。 |
| 食後の服薬の確認を声に出す | 2週間で、食後の服薬の確認で看護職に問い合わせた回数は11回。薬の袋と本人の確認が黙って行われている。 | 配る前に、居室番号・氏名・時間帯を声に出して読み、本人に名前を言ってもらう手順を看護職と決める。2週間試す。 | 看護職への問い合わせ回数(試行前:11回、試行中: 回)。手順の掲示(スタッフルーム内)。 |
| 車いすの点検日を決める | 点検の記録を見ると、過去3か月でブレーキやタイヤの空気の点検をした記録がある車いすは24台中8台。点検日と担当が決まっていない。 | 毎月第1月曜の午後に、フロアごとに車いすの点検を行う。点検表の項目はブレーキ・タイヤの空気・フットサポート・座面の4つ。2か月試す。 | 点検の記録がある台数(試行前:8台/24台、試行中: 台/ 台)。点検表。 |
| 夜間のおむつ・パッドの在庫をフロアに置く量を決める | 7日間、夜勤者がパッドを取りに別の階の倉庫へ行った回数は計10回。フロアに置く量が決まっていない。 | 夜勤に入る前に、フロアの棚にパッドをサイズ別に決まった数だけ補充する。補充の数は1週間の使用量から出す。2週間試す。 | 夜勤者が倉庫へ行った回数(試行前:10回、試行中: 回)。補充数の表。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
居宅介護支援|事業所の外との調整が多い職場の6例
| 件名 | 現状(数えた事実)と原因の見立て | 提案と試し方 | 確かめる指標・必要な物 |
|---|---|---|---|
| 訪問日程の調整の電話を1回で済ませる | 1か月で、利用者宅への訪問日程の調整にかかった電話は1件あたり平均2.4回。候補日を1つずつ聞いている。 | 電話の前に候補日を3つ決め、1回の電話で3つから選んでもらう。1か月試す。 | 1件あたりの電話の回数(試行前:2.4回、試行中: 回)。候補日を書くメモ。 |
| サービス事業所への照会の返事の期限を書く | 1か月で、サービス事業所への照会のうち、返事が1週間以上来なかったものは27件中8件。照会の文に返事の期限を書いていない。 | 照会の文の最後に「( 月 日)までにご返信ください」を必ず入れ、期限の翌日に一覧で確かめる。1か月試す。 | 1週間以上返事が来なかった件数(試行前:8件/27件、試行中: 件/ 件)。照会の一覧表。 |
| 新規相談の受付票を1枚にする | 3か月で、新規相談を受けた後に同じことを聞き直すため相談者へ再度電話した回数は、新規12件のうち7件。受付時に聞く項目が決まっていない。 | 受付時に聞く項目を1枚の受付票にまとめ、電話を受けた人が誰でも同じ項目を聞けるようにする。3か月試す。 | 聞き直しの電話をした件数(試行前:7件/12件、試行中: 件/ 件)。受付票。 |
| 事業所内のケース共有の時間を決める | 1か月で、担当者が不在のときに利用者・家族からの問い合わせに答えられず、折り返しになった件数は19件。ケースの状況を共有する時間がない。 | 週に1回、朝の15分で、状況が変わった利用者だけを1人1分で共有する。1か月試す。 | 担当者不在で折り返しになった件数(試行前:19件、試行中: 件)。共有の一覧(事業所内に限る)。 |
| 月初の書類の受け渡しの日を事業所ごとに決める | 月初の5営業日で、サービス事業所との書類の受け渡しのための移動は延べ17回。受け渡しの日がばらばら。 | 近い地区の事業所ごとに受け渡しの日を決め、同じ日にまとめて回る。翌月の月初で試す。 | 受け渡しのための移動回数(試行前:17回、試行中: 回)。地区ごとの一覧。 |
| 病院からの連絡の受け手を決める | 3か月で、入院先の病院からの電話を受けた職員が担当者に伝えるまでに半日以上かかったものは14件中5件。伝え方が決まっていない。 | 病院からの電話は、受けた人が担当者の机の連絡票に書き、同時に担当者へ短い連絡を入れる。3か月試す。 | 半日以上かかった件数(試行前:5件/14件、試行中: 件/ 件)。連絡票。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
提案を出した後|試行の記録・振り返り・委員会での扱い
提案は、承認されたところで半分です。試している間に何が起きたかを書き、同じ数え方で数え、続ける・変える・やめるを決めて記録に残すところまでで1回になります。うまくいかなかった試しも、記録があれば次の提案の材料になります。
試行の記録の完成文12例|試している間に書くこと
| 場面 | 完成文 |
|---|---|
| 試行の初日 | ( 月 日)から、東側トイレ3か所に物品のかごを置く試しを始めた。初日は補充担当を日勤リーダーが持ち、17時の時点で3か所とも3セットそろっていることを確かめた。 |
| 数えた結果(途中) | 試行1週目の5日間で、物品を取りに離れた回数は計9回。離れた理由は9回とも清拭布の不足で、パッドと手袋では0回だった。 |
| 想定外のこと | かごを置いた棚が狭く、車いすの方の介助のときに職員の肩が当たると2人から声があった。棚の位置は変えず、かごを小さい物に替えて様子を見る。 |
| 利用者の反応 | かごを置いた後、1人の方がかごの中の手袋を手に取る場面が1回あった。看護職と相談し、かごを手すりより高い段に移した。 |
| 他職種からの意見 | 看護職から、清拭布の枚数が1セット2枚では足りない方がいると意見があった。該当の方の介助時だけ追加で1枚を持つことにした。 |
| 手順を途中で変えたとき | 試行3日目から、補充の時刻を夕食前から16時30分に早めた。17時台の介助に入る前に補充が終わらない日が2日続いたため。変更日と理由をこの記録に残す。 |
| 試行を止めたとき | ( 月 日)、感染症の対応でトイレの使用を分けることになったため、試行を一時止めた。再開は感染症の対応が終わった翌日とし、止めた期間は数える日から外す。 |
| 数え忘れがあったとき | 試行2週目の火曜は数える用紙の記入がなかった。この日は数えた日から外し、2週目は4日分で集計する。 |
| 申し送りでの共有 | 試行1週目の結果(離れた回数9回、うち清拭布の不足9回)を夜勤への申し送りで伝え、夜勤帯でも同じ不足がないかを聞いた。夜勤者からは不足はないと返事があった。 |
| 費用が見込みと違ったとき | かご3個は倉庫の既存品で足りなかったため、2個を購入した。購入額は( )円で、見込みとの差を事務担当に伝えた。 |
| 試行の最終日 | ( 月 日)で2週間の試行を終えた。試行中の5日間の合計は、物品を取りに離れた回数が11回、補充漏れが2回。数えた用紙を振り返りの会議資料に添付する。 |
| 試行後の聞き取り | 試行に関わった日勤者6人に、続けたいか・変えたい点を聞いた。続けたい5人、変えたい点は「清拭布を1セット3枚にしたい」が3人から出た。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
振り返りの完成文12例|続ける・変える・広げる・やめる
下の文の数字は、振り返りの書き方を示すための記入の例です。同じ提案を試しても同じ結果になるとは限りません。自分の職場で数えた試行前と試行中の値を入れ、判断とその理由を1文ずつ書いてください。
| 判断 | 振り返りの完成文 |
|---|---|
| 続ける | 試行前27回/5日だった物品を取りに離れた回数は、試行中11回/5日だった。補充漏れは2回で、補充の時刻を早めた後は0回。東側3か所では続けることにした。 |
| 続ける(条件つき) | 記録の時間を取る試しで、16時以降にまとめて入力された件数は試行前61件から試行中34件だった。見守りが1人減る時間に転倒などの報告はなかった。次の1か月も同じ形で続け、報告の有無を毎週確かめる。 |
| 変える | 申し送りの要点をボードに書く試しで、聞き直した回数は9回から4回だった。ただしボードを書くのに日勤者が10分かかっており、3項目を2項目(変化のあった利用者・受診や家族対応)に減らして再度2週間試す。 |
| 変える | 起床の順番表を作ったが、6時台の起床介助の人数は9人から8人で、ほぼ変わらなかった。聞き取りで7時以降の起床を希望した方が2人しかいなかったため、次は朝食の開始時刻の分け方を別の提案として出す。 |
| 広げる | 2階で試した体温計の定位置の箱は、探した回数が19回から3回だった。1階と3階にも同じ箱を置くことにし、各フロアで1週間数えてから定着を確かめる。 |
| 広げる(範囲を決めて) | 迎えの1便で行った「あと10分」の電話は、5分以上待った回数が23回から9回だった。2便にも広げるが、電話を希望しない方4人は引き続き対象外とする。 |
| やめる | 電話当番の試しで、介助中の職員が出た回数は17回から15回で、当番が介助に入っている時間帯に電話が重なっていた。当番の形はやめ、昼の時間帯だけ留守番電話にする案を別に検討する。 |
| やめる(理由を残す) | 携帯用の消毒ボトルの試しは、2週目にボトルの置き忘れが6回あり、観察での入室前の消毒の回数は試行前と同じ程度だった。居室入口に据え置く方法へ切り替える提案を次回の会議で出す。 |
| 期間を延ばす | 後日受講ファイルの試しは、対象の研修が1回しか開かれず、欠席者が3人だけだった。判断の材料が少ないため、次の研修2回分まで期間を延ばす。 |
| 数え方を直す | 会議の分数は85分から70分だったが、議題の数が試行前より少なかった。次の2回は、議題1件あたりの分数でも比べる。 |
| 他の提案と合わせる | 食札の色分けは、問い合わせ回数が18回から7回だった。同じ時期に厨房から出された「変更連絡票の様式を1枚にする」提案と合わせて、次の1か月は両方を続けて数える。 |
| 提案者以外の意見を残す | 送迎の電話について、添乗者から「運転中の同乗者に電話を任せると車内の見守りが薄くなる」と意見があった。出発前に電話を済ませる形に直し、意見を出した人の職種と日付を記録に残した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
委員会・会議での扱い|受付から周知までの8段階
| 段階 | 誰が | 何をするか | 残す記録 | 貴事業所での担当・会議名(記入欄) |
|---|---|---|---|---|
| 1 受付 | 提案を受け取る担当(管理者・委員会の事務局など) | 受け付けた日付と番号を提案書に書き、提案者に受け付けたことを伝える | 提案の受付一覧(番号・件名・提出日・提案者の職種) | ( ) |
| 2 事前確認 | 受付担当 | 費用・他職種・利用者への影響の欄が空いていれば、提案者と一緒に埋める | 確認した日と、追記した欄 | ( ) |
| 3 議題にする | 会議の進行役 | 次の会議の議題に入れ、「今日決めること」を書く | 会議の議題一覧 | ( ) |
| 4 話し合い | 会議の参加者 | 試すかどうか、期間・範囲・担当・確かめる指標を決める | 議事録(決めたこと・担当・期限) | ( ) |
| 5 試行 | 提案者と試行の担当 | 決めた期間と範囲で試し、同じ数え方で数える | 試行の記録(上の完成文の形) | ( ) |
| 6 振り返り | 会議の参加者 | 数えた結果を試行前と並べ、続ける・変える・広げる・やめるを決める | 振り返りの議事録(判断と理由) | ( ) |
| 7 手順への反映 | 管理者・リーダー | 続けることにした内容を業務の手順書・マニュアルに書き加える | 手順書の改訂日と改訂箇所 | ( ) |
| 8 周知 | リーダー | 全勤務帯に、変わった手順と開始日を伝える。提案者の名前を出すかは本人に確かめる | 周知した日・方法・伝えた人数 | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
生産性向上の委員会に提案を上げるとき|告示の定めと提案書の欄の対照表
生産性向上推進体制加算を算定している、または検討している事業所では、告示が「利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会」での検討を定めています。当社の加算データベースに収録した介護老人保健施設の定め(平成27年告示第95号 第92号の5が準用する第37号の3)では、この委員会で検討する事項が次の4つです。職員の改善提案は、この委員会の検討材料の1つとして扱えます。他のサービス種別の定めは、同じ告示の該当する号でご確認ください。
| 告示の定め(委員会で検討し、実施を定期的に確認する事項) | 改善提案書のどの欄が材料になるか | 貴事業所の委員会での扱い(記入欄) |
|---|---|---|
| 「介護機器を活用する場合における利用者の安全及びケアの質の確保」 | 11 利用者への影響(機器を使う提案では、利用者の安全とケアの質への配慮を書く欄) | ( )/ご確認ください |
| 「職員の負担の軽減及び勤務状況への配慮」 | 4 現状・5 困りごと(職員に起きていること)・9 確かめる指標 | ( )/ご確認ください |
| 「介護機器の定期的な点検」 | 10 必要な物(機器を使う提案では、点検の担当と頻度を書き添える) | ( )/ご確認ください |
| 「業務の効率化及び質の向上並びに職員の負担軽減を図るための職員研修」 | 8 試す期間と範囲(試す前に行う説明や練習)・振り返り後の周知 | ( )/ご確認ください |
| 加算(Ⅰ)で定められている「職員の業務分担の明確化等による業務の効率化及びケアの質の確保並びに負担軽減」の検討・取組の実施・定期的な確認 | 7 提案(担当を決める・順番を変える提案)・13 振り返りの予定 | ( )/ご確認ください |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
この表は、提案書と委員会の検討事項の対応を整理したものです。委員会の設置や加算の算定の要否・可否を示すものではありません。告示には、委員会のほかに介護機器の活用や実績の報告などの定めもあります。算定の要否は保険者(指定権者)にご確認ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。
改善提案の控えとして残す記録|10種類の一覧と保管場所の記入欄
提案・試行・振り返りの記録は、次に同じ困りごとが出たときの出発点になります。事業所の決まりに合わせて、どこに何を残すかを先に決めておくと、提案者が異動や退職をしても試した経過が残ります。保存の期間は事業所の規程と保険者の定めをご確認ください。
| 記録 | 誰が書くか | いつ書くか | 保管場所(記入欄) | 最終更新日(記入欄) |
|---|---|---|---|---|
| 改善提案書(14欄) | 提案者 | 提出時 | ( ) | ( ) |
| 数えた用紙(試行前) | 数えた職員 | 提案の前 | ( ) | ( ) |
| 提案の受付一覧 | 受付担当 | 受け付けた日 | ( ) | ( ) |
| 会議の議題一覧 | 会議の進行役 | 会議の前々日まで | ( ) | ( ) |
| 議事録(試すと決めた回) | 記録係 | 会議の当日 | ( ) | ( ) |
| 試行の記録 | 提案者・試行の担当 | 試行の期間中(変えたことがあればその日) | ( ) | ( ) |
| 数えた用紙(試行中) | 数えた職員 | 試行の期間中 | ( ) | ( ) |
| 振り返りの議事録 | 記録係 | 振り返りの会議の当日 | ( ) | ( ) |
| 改訂した手順書・マニュアル | 管理者・リーダー | 続けると決めた後 | ( ) | ( ) |
| 周知の記録 | リーダー | 周知した日 | ( ) | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
よくある質問
改善提案書に決まった様式はありますか。
事業所で様式が決まっていれば、それを使います。決まっていない場合は、この記事の14欄の表をA4の1枚に並べて使えます。欄を全部埋められなくても、空いている欄に「ここは相談したい」と書いて出してかまいません。
数を数える時間がありません。どのくらい数えればよいですか。
1つの単位を決めて、5日から2週間ほど数えれば提案の材料になります。業務を止めて測る必要はなく、用紙を1枚置いて気づいた人が正の字を書き足す形で足ります。試行中も同じ用紙と同じ期間で数えると、前後を並べて比べられます。
提案が通らなかったときはどうすればよいですか。
通らなかった理由を聞き、提案書のどの欄の問題かを確かめます。範囲が広い、費用の根拠がない、利用者への影響が書かれていない、といった理由なら、範囲を絞る・見積もりを取る・影響の欄を埋めるなどして出し直せます。理由と日付は提案書の控えに書き残しておきます。
費用がかかる提案は出してもよいですか。
出してかまいません。物品名と数量、既存品で足りるかどうかを書き、金額は見積もりを取ってから記入します。費用のかからない形で先に小さく試せる部分があれば、それを第一段として分けて書くと判断しやすくなります。
利用者や家族への説明は必要ですか。
送迎の電話や起床の時刻のように、利用者や家族の生活に関わる提案は、試す前に意向を聞き、希望しない方は対象から外す形にします。提案書の「利用者への影響」の欄に、誰に・いつ・どう説明するかを書いておくと、承認する側が判断しやすくなります。
出典
出典:厚生労働省ウェブサイト 法令等データベース「厚生労働大臣が定める基準」(平成27年厚生労働省告示第95号)(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab4584&dataType=0)・「指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第21号)(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82aa0255&dataType=0)/公共データ利用規約(第1.0版)
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。提案例・記録例は記入の見本として当社が作成したものです。加算の取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
