ケアプラン第1表(居宅サービス計画書(1))は、ケアプラン全体の方向性を示す大切な表です。「利用者及び家族の意向」「総合的な援助の方針」をどう書くか、文例とともに整理します。
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ケアプラン第1表の構成
第1表には、利用者・家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、認定情報などを記載します。なかでも文章で悩みやすいのが「意向」と「総合的な援助の方針」です。
「利用者及び家族の意向」の書き方
本人と家族、それぞれの言葉をできるだけそのまま残します。意向が異なる場合は両方を記し、調整の方向性も添えます。
文例
本人:「住み慣れた家で、できるだけ自分のことは自分でやりながら暮らしたい」。長女:「無理のない範囲で、転倒なく安全に過ごしてほしい」。
「総合的な援助の方針」の書き方
課題を踏まえ、チーム全体でどう支えるかの方針を、具体的に書きます。緊急時の連絡先や対応も記します。
文例
転倒に注意しながら在宅生活を継続できるよう、リハビリと見守りを中心に支援します。体調変化時は主治医・訪問看護と連携し、早期に対応します。緊急連絡先:長女(○○)、主治医(○○医院)。
書き方のポイント
- 第2表のニーズ・目標と一貫させる
- 本人の強み(できること)も活かす視点で書く
- 誰が読んでも支援の方向が分かる言葉にする
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ケアプラン第1表の文例
ケアプラン第1表の「意向」「総合的な援助の方針」の文例をまとめました。
| 項目 | 文例 |
|---|---|
| 本人・家族の意向 | 本人「できるだけ自宅で自分のことをしながら暮らし続けたい」。家族「無理のない範囲で在宅生活を支えたい」。 |
| 総合的な援助の方針 | 転倒予防と入浴の安全確保を軸に、訪問介護・通所リハ・福祉用具で在宅生活を支える。緊急時は主治医と家族へ連絡し連携する。 |
第1表の各欄の書き方
| 欄 | 書くこと | よくある不足 |
|---|---|---|
| 利用者及び家族の生活に対する意向 | 本人・家族それぞれの言葉を、そのまま | 要約されていて、誰の言葉か分からない |
| 介護認定審査会の意見及びサービスの種類の指定 | 意見書に記載があれば転記。なければ「なし」 | 空欄 |
| 総合的な援助の方針 | 課題に対する支援の方向。関係者で共有する方針 | 抽象的で、どの利用者にも当てはまる文章 |
| 緊急連絡先 | 家族の連絡先、主治医、緊急時の対応 | 記載が古いまま |
| 生活援助中心型の算定理由 | 該当する場合に理由を記載 | 該当するのに空欄 |
総合的な援助の方針の文例
| 状況 | 文例 |
|---|---|
| 在宅生活の継続 | ご本人が「家で暮らし続けたい」と望まれています。転倒を防ぐ環境を整え、必要な支援を受けながら、住み慣れたご自宅での生活を続けられるよう支援します。 |
| 家族の負担軽減 | ご家族の介護負担が大きくなっています。ご本人の生活を支えると同時に、ご家族が休息をとれる時間を確保し、介護が長く続けられる形を整えます。 |
| 退院直後 | 入院により低下した体力を戻しながら、ご自宅での生活に慣れていく時期です。状態の変化が起こりやすいため、関係者で情報を共有し、変化に早く気づける体制をとります。 |
| 認知症 | ご本人が混乱されたときは、否定せずに気持ちを受け止める関わりを関係者で統一します。できることを続けていただき、ご家族の休息も確保します。 |
| 看取り期 | 痛みや苦痛をできるだけ和らげ、ご本人が望まれる場所で過ごせるよう支援します。ご家族が不安なときにすぐ相談できる体制を整えます。 |
意向欄で気をつけること
- 本人と家族を分けて書く——一緒にすると、誰の意向か分からなくなります
- 言い換えない——「在宅生活の継続を希望」ではなく「家におりたい」と書きます
- 意向が食い違う場合も両方書く——片方だけ書くと、あとで問題になります
- 本人が話せない場合——誰から得た情報かを明記します
- 「特になし」で終わらせない——聞き方を変えて、もう一度尋ねます
第1表が第2表以降を決める
第1表の「総合的な援助の方針」があいまいだと、第2表の課題も目標もぼやけます。逆に、方針が具体的であれば、そこから課題が自然に導けます。
- 方針に「何を守るのか」を書く——在宅生活の継続、家族の負担軽減、安全の確保など
- 方針に「関係者で統一すること」を書く——認知症への関わり方、連絡の経路など
- 方針に「変化したときどうするか」を書く——見直しのきっかけを共有できます
- どの利用者にも当てはまる文章にしない——その人固有のことを1つは入れます
よくある疑問
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| 意向は毎回聞き直すか | 更新時や状態が変わったときに確認します。前回の写しのままにしません |
| 家族が複数いる場合 | 主に関わる方の意向を書き、他の方の意向があれば併記します |
| 本人と家族の意向が対立する | 両方をそのまま書きます。調整の経過は支援経過へ |
| 方針は何行くらいか | 決まりはありません。関係者が読んで動ける具体性があるかで判断します |
| 認定審査会の意見がない場合 | 「なし」と記載します。空欄にしません |
よくある質問(FAQ)
第1表の意向はどう書きますか?
総合的な援助の方針とは?
緊急時の連絡は書きますか?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
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出典:厚生労働省ウェブサイト/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。加算・単位数・要件は改定される場合があるため、最新の告示・通知でご確認ください。
状態像別|総合的な援助の方針の文例
総合的な援助の方針は、チーム全員が同じ方向を向くための文章です。誰が読んでも同じ絵が浮かぶ書き方にします。
| 状態像 | 総合的な援助の方針 |
|---|---|
| 脳梗塞後遺症・在宅復帰直後 | 退院直後で環境が変わったばかりです。転倒なく生活できるよう住まいを整え、リハビリを継続して、ご本人が「自分でトイレに行く」という目標に近づけるよう、医療と介護が同じ情報を持って支えます。 |
| 認知症(初期) | ご本人ができていることを続けられるよう、周りが先回りしすぎない支援を心がけます。物忘れによる不安が強くなる時間帯を把握し、ご家族と事業所で対応をそろえます。 |
| 認知症(進行期) | 言葉での訴えが少なくなっています。表情や行動から不快の原因を探り、記録で共有します。ご家族の休息の時間も計画に入れます。 |
| 独居・高齢 | ひとり暮らしを続けたいというご希望です。安否の確認と食事の確保を柱に、地域の見守りも含めて支えます。急変時の連絡の順番を、あらかじめ決めておきます。 |
| 老老介護 | ご夫婦とも高齢です。介護しているご家族の体調も支援の対象と考え、負担が一方に偏らないようサービスを組みます。 |
| 医療依存度が高い | 医療処置が日々必要です。主治医・訪問看護と情報を共有し、状態の変化に早く気づける体制をつくります。 |
| がん終末期 | 限られた時間を、ご本人が望む場所で過ごせるよう支えます。痛みの緩和を最優先とし、ご家族の心の負担にも目を向けます。 |
| パーキンソン病 | 症状に波があります。動きやすい時間帯に合わせてサービスを組み、転倒を防ぐ環境を整えます。 |
| 心不全 | 再入院を防ぐことが目標です。体重と水分の管理、服薬の確認を日課に組み込み、変化があれば早めに受診できるようにします。 |
| 糖尿病 | 血糖の管理を続けながら、生活の楽しみも保てるようにします。食事と服薬の状況を、関わる全員で共有します。 |
| 骨折後 | 再び骨折しないことが第一です。住まいの段差と手すりを見直し、無理のない範囲で動く機会を保ちます。 |
| 廃用症候群 | 動かない時間が長くなっています。生活のなかで身体を使う場面を増やし、少しずつ活動量を戻していきます。 |
| うつ状態 | 気持ちの落ち込みが続いています。無理に励まさず、外に出る機会を少しずつ増やします。医療との連携を続けます。 |
| 要支援(予防) | いまできていることを維持することが目標です。ご自身で行う部分を残し、必要なところだけを支えます。 |
| 視覚障害 | 見えにくさによる生活のしづらさを減らします。物の置き場所を一定にし、外出時の支援を整えます。 |
| 聴覚障害 | 聞こえにくさから、情報が届きにくくなっています。伝え方を工夫し、書いて伝える手段も用意します。 |
| 身体障害(既往) | 長く付き合ってこられた障害です。ご本人のやり方を尊重し、加齢による変化の部分だけを補います。 |
| 家族の介護力が低下 | これまで支えてきたご家族の負担が限界に近づいています。介護を分担できるサービスを入れ、続けられる形に組み直します。 |
| 経済的な不安がある | 費用の負担が課題です。使える制度を確認しながら、必要なサービスを優先順位をつけて組みます。 |
| 看取りを希望 | ご本人・ご家族が自宅での看取りを望んでおられます。急変時の対応を関わる全員で確認し、いつでも連絡が取れる体制を保ちます。 |
意向欄の文例|本人・家族
意向は要約せず、話された言葉に近い形で書きます。
| 場面 | 本人の意向 | 家族の意向 |
|---|---|---|
| 在宅復帰直後 | 「早く前のように歩けるようになりたい」 | 「無理をして転ばないか心配」 |
| 独居 | 「この家で最後まで暮らしたい」 | 長男「週に一度は様子を見に行くが、平日が不安」 |
| 認知症 | 「自分のことは自分でやりたい」 | 妻「同じことを何度も聞かれるとつらくなる」 |
| 医療依存 | 「病院には戻りたくない」 | 「処置が自分にできるか自信がない」 |
| 終末期 | 「痛いのだけは嫌だ」 | 「本人の望むようにしてあげたい」 |
| リハビリ | 「杖なしで歩きたい」 | 「欲張らずに続けてほしい」 |
| 入浴 | 「風呂にゆっくり入りたい」 | 「介助する腰がもたない」 |
| 外出 | 「買い物に行きたい」 | 「ひとりで出るのは危ない」 |
| 食事 | 「好きなものを食べたい」 | 「むせるのが心配」 |
| 家族の休息 | 「家族に迷惑をかけたくない」 | 「少し休む時間がほしい」 |
第2表は第2表の書き方、方針の文例集は総合的な援助の方針の文例をご覧ください。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
