介護の連絡帳は、事業所と家族をつなぐ大切なツールです。「何をどう書けば家族に伝わるか」を、例文とともに整理します。
連絡帳の役割
連絡帳は、ご家族と事業所、そして事業所どうしをつなぐ日々の共有ノートです。記録として残る書類なので、書いたことは後から読み返される前提で書きます。
| 役割 | 具体的に | 書くときの注意 |
|---|---|---|
| その日の様子を伝える | 食事・排泄・入浴・活動の様子と、気づいたこと | 「元気でした」ではなく、何を見てそう思ったかを書く |
| 変化に早く気づく | 前回との違いを書き残すことで、小さな変化が見つかる | 日付を必ず入れる。「最近」では経過が追えない |
| 関係者で認識をそろえる | ご家族・訪問介護・通所・訪問看護が同じ情報を持てる | 他のご利用者の実名は書かない(開示請求の対象になりうる) |
| ご家族からの相談を受け取る | ご家族が書き込むことで、困りごとが表に出る | 受け取った相談には、次の記入で必ず返す |
急ぎで伝えたいことは連絡帳ではなく電話で伝えます。使い分けの目安は次のとおりです。
電話でご家族に報告するときの伝え方
体調の変化など急ぎで伝えたいことがある場合は、連絡帳ではなく電話でお伝えします。連絡帳とは異なり、要点を簡潔に、結論から伝えることを意識します。
- 体調の急な変化など、すぐに知っていただきたいことは電話で
- その日の様子など、次回の来所・訪問までに伝えられることは連絡帳で
(例)「本日〇時ごろ、体温がふだんより高めでしたのでお電話しました。現在は落ち着いておられますが、念のためお知らせいたします。」
連絡帳には、電話でお伝えした内容も後から分かるよう、簡単に記録として残しておくと安心です。
サービスの種類による書き方の違い
連絡帳は、サービスの種類によって伝える内容の重点が変わります。主なサービスごとのポイントを整理しました。
| サービス | 記入で意識したい点 |
|---|---|
| デイサービス(通所介護) | その日の活動やレクリエーションへの参加の様子、他の利用者との関わりを中心に伝えます(例:体操やゲームへの参加の様子、昼食の召し上がり具合など)。 |
| デイケア(通所リハビリ) | リハビリへの取り組みの様子や、機能訓練での変化を中心に伝えます(例:歩行訓練への取り組み方、疲労の様子など)。 |
| ショートステイ(短期入所) | ふだんと違う環境での過ごし方や、睡眠・食事など生活面の変化を具体的に伝えます(例:初日の夜の様子、食事量の変化など)。 |
| 放課後等デイサービス | お子さまの活動の様子や、学校・ご家庭との連携に関わる連絡事項を中心に伝えます(例:宿題への取り組み、お友達との関わりなど)。 |
サービスの種類にかかわらず、普段と違う様子があった場合は、いつ・どのような様子だったかを具体的に書くと、ご家族にも状況が伝わりやすくなります。
連絡帳は、その日の様子や変化を家族に伝え、家庭での様子を事業所が知るための双方向のツールです。家族の安心と、より良いケアの両方につながります。
書くこと
- その日の体調・食事・水分の様子
- 活動やレクリエーションの参加状況
- できたこと・うれしかった出来事
- 家族に伝えたい変化や相談事
家族に伝わる書き方
- 専門用語を避け、やさしい言葉で書く
- 良かったこと・前向きな様子を必ず添える
- 事実を具体的に(「楽しそう」ではなく具体的な様子で)
例文
本日もお元気に過ごされました。昼食は主食・副食ともに全量召し上がり、「おいしい」と笑顔がみられました。午後の体操では、職員の声かけに合わせて最後まで参加されました。お変わりなくお過ごしです。ご家庭でも気になる点があればお知らせください。
連絡帳・記録の負担を軽くする
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」は、音声から記録や連絡事項の下書きを自動で作成します。話すだけで文章が整い、書く負担を減らせます。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。
連絡帳の記入例(家族向け)
連絡帳は、事業所と家族が利用者の様子を共有するものです。家族に伝わりやすい記入例をまとめました。
| 場面 | 記入例(家族向け) |
|---|---|
| 体調 | お変わりなくお過ごしでした。お食事もしっかり召し上がっています。 |
| 活動 | 午後の体操に笑顔で参加され、他の方とも楽しくお話しされていました。 |
| お願い | 爪切りをご希望でしたら、次回までにお知らせください。 |
| 連絡 | 来週の受診の付き添いについてご相談させてください。 |
通所介護(デイサービス)の連絡帳|そのまま使える例文
連絡帳は、ご家族が「今日どう過ごしたか」を思い浮かべられることが要点です。事実を1つ添えるだけで伝わり方が変わります。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| いつもどおりの日 | 本日も笑顔で来所されました。昼食は主食・副食とも全量召し上がっています。午後の体操では前列に座り、最後まで参加されました。 |
| 体調に変化 | 午前中に「少しだるい」とのお話がありました。体温36.8℃、血圧132/78で大きな変化はありません。水分をこまめにお勧めし、午後は落ち着いて過ごされています。 |
| できたことがあった | これまで見守りが必要だった立ち上がりを、本日は手すりを使ってご自分で行えました。ご本人も「できた」と嬉しそうでした。 |
| 入浴を断られた | 本日は入浴をご遠慮されました。「今日は気分が乗らない」とのことです。無理にお勧めせず、次回改めてお声かけします。 |
| 交流の様子 | 同じテーブルの方と昔のお仕事の話で盛り上がっていました。 |
| ご家族へお願い | 爪が伸びてきていますので、ご家庭で切っていただけますと助かります。 |
連絡帳を書くときの4つのコツ
- 事実を1つ入れる——「元気でした」だけでなく、何をして元気だったかを書く
- できたことを書く——できなかったことばかりだとご家族が不安になります
- ご本人の言葉を残す——「」で括ると、その日の様子が伝わります
- お願いは理由とセットで——「爪を切ってください」ではなく、なぜ必要かを添える
避けたい書き方
| 避けたい | なぜ | 言い換え |
|---|---|---|
| 「特に変わりありません」だけ | 何を見たのか分からず、ご家族が不安になる | 食事・水分とも普段どおりで、午後は塗り絵に取り組まれました |
| 専門用語 | ご家族に伝わらない | 「ADLが低下」→「立ち上がりに時間がかかるようになっています」 |
| できないことだけを並べる | ご家族が責められていると感じることがある | できたことを先に書き、気になる点を添える |
連絡帳の例文(場面別)
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| ふだんの日 | 本日もお元気にお過ごしでした。昼食は全量召し上がっています。午後のレクリエーションでは、体操に最後まで参加されました。 |
| 体調に変化があった日 | 本日は朝から「だるい」とおっしゃっていました。体温36.9℃、血圧138/82で大きな変化はありませんが、午後は臥床して過ごされました。ご帰宅後もご様子を見ていただけますでしょうか。 |
| できたことがあった日 | これまで見守りが必要だった立ち上がりを、本日は手すりを使ってご自分でされました。ご本人も「できた」と笑顔でした。 |
| 家族に相談したいとき | 入浴の際、右足首に小さな傷を見つけました。痛みの訴えはなく処置はしておりません。心当たりがあればお聞かせください。 |
| お願いがあるとき | 来週から水分を多めにお勧めしていく予定です。ご自宅でもコップ1杯増やしていただけると助かります。 |
連絡帳で気をつけること
- 他の利用者のことは書かない——実名はもちろん、特定できる書き方も避けます
- 評価語を使わない——「わがまま」「非協力的」は書きません
- できなかったことだけを並べない——読んだ家族が落ち込む連絡帳は続きません
- 診断や判断を書かない——「風邪でしょう」ではなく、観察した事実を書きます
介護の連絡帳|そのまま使える文例
以下はすべて記載のイメージを示すための(例)であり、実在の利用者ではありません。状態・数値は実際の記録に置き換えてご使用ください。
| 場面 | ご家族あての書き方 | 事業所間の申し送りの書き方 |
|---|---|---|
| 食事 | お食事はほぼ召し上がっています。「味が濃いほうが好き」とのお話がありました | 昼食8割摂取。塩分について本人より希望あり。次回、栄養面の相談を検討 |
| 入浴 | 週2回、見守りで入浴されています。背中だけお手伝いしました | 入浴週2回。洗身は背部のみ介助。皮膚に発赤なし |
| 排泄 | トイレはご自分でされています。困りごとはありません | 排泄自立。失敗なし。夜間の回数は3回で前週と同程度 |
| 睡眠 | 夜はよく眠れているとのことです | 夜間の睡眠約6時間。中途覚醒なし |
| 服薬 | お薬はきちんと飲まれています | 服薬カレンダー残薬なし。飲み忘れの確認済み |
| 活動 | ほかの方と将棋をされて、笑顔が見られました | レクに自発的に参加。他利用者との交流あり |
| 体調の変化 | 足のむくみが少し強くなっています。ご心配でしたらご連絡ください | 右下腿の浮腫が増強。7/16に主治医へ報告。経過観察中 |
| お願いごと | 夜間にトイレへ立つ回数が増えています。足元灯のご検討をお願いできますでしょうか | 夜間頻尿が増加。家族へ足元灯の設置を依頼済み |
| ヒヤリとしたこと | 玄関でつまずかれましたが、おけがはありませんでした | 7/18 玄関でつまずき。外傷なし。動線の物を移動した(事故報告書により別途報告) |
| ご家族からの相談への返答 | ご相談いただいた入浴の件、来週から時間を変えて試します | 家族より入浴拒否の相談。7/22より午後の時間帯へ変更して対応する |
| できるようになったこと | 杖を使って玄関まで歩けるようになりました | 四点杖で玄関まで歩行可。見守りのみで到達 |
| 季節の注意 | 暑い日が続きます。お水を手の届く場所に置いていただけると助かります | 熱中症予防。飲料の配置について家族へ依頼 |
介護の連絡帳|運営指導で公表されている指摘
| 公表されている指摘 | 公表元 |
|---|---|
| 提供したサービスの内容だけでなく利用者の心身の状況(利用者の様子等)についても記録することとされ、「特変なし」等しか書かれていない記録が見受けられる | 松山市の運営指導での主な指摘事項に関する資料 |
| サービス実施時間が一律に記載されており実態が反映されていない/変更した際に変更した旨とその理由が記録されていない/特記・連絡事項欄に利用者の状況がほとんど記載されていない/サービス提供責任者による記録の点検が十分に行われていない | 堺市の集団指導資料「サービスの提供の記録」 |
| サービス提供に関する記録等の保存年限は市条例に則り5年間とすること。運営規程等に保存年限を記載している場合は誤りがないか確認すること | 金沢市の資料 |
| 記録の保存期間について、サービスの「完結」の日から「5年間」と記載すべきところ、「サービス提供の日」「2年間」となっている例 | 福井市の令和7年度集団指導資料 |
要件・運用は保険者により異なります。詳細は監査対策ナビと各自治体の公表資料をご確認ください。
介護の連絡帳|避けたい書き方と言い換え
| 避けたい書き方 | 気をつけたい理由 | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| 特変なし | 家族には何も伝わらない | 血圧128/76で安定。食事は全量召し上がっています |
| 元気です | 根拠がない | 笑顔で会話され、ご自分から体調のお話もされました |
| 問題なし | 何を見たか分からない | 歩行は杖使用で安定。ふらつきはみられません |
| ご家族の介護が不十分 | 評価語で、関係を損ねる | ご家族は就労のため日中は不在で、朝夕に介護を行っておられます |
| 専門用語をそのまま書く | 家族に伝わらない | ADL→「身の回りの動作」、褥瘡→「床ずれ」と言い換える |
| 他のご利用者の名前を書く | 開示請求の対象になりうる | 「同じテーブルの方」と表記する |
| 急ぎのことを連絡帳だけで伝える | 読まれるまで時間がかかる | 体調の変化は電話で伝え、連絡帳にも記録を残す |
業種別の書き方は介護記録の書き方まとめ、訪問介護は実施記録の書き方、訪問看護は記録書Ⅱの書き方をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
連絡帳には何を書きますか?
書くときのコツは?
注意する点は?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
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場面別|連絡帳の文例(家族へ伝わる書き方)
連絡帳はご家族が読むものです。専門用語を避け、「今日どうだったか」と「ご家庭でお願いしたいこと」の2つに絞ると伝わります。
| 場面 | 連絡帳の文例 |
|---|---|
| 体調(変わりなし) | 本日も落ち着いてお過ごしでした。体温36.4度、お食事も主食8割ほど召し上がっています。 |
| 体調(発熱) | 15時に37.6度の発熱がございました。看護師が確認し、水分をお取りいただいています。ご帰宅後もご様子を見ていただけますでしょうか。 |
| 食事 | お昼は主食8割、おかず7割を召し上がりました。おみそ汁で1度むせ込みがありましたので、とろみを加えております。 |
| 食欲の低下 | 本日はお食事が進まず、主食3割でした。「においが気になる」とおっしゃっていました。 |
| 水分 | 午前・午後で合わせて500mLほどお飲みいただいています。 |
| 入浴 | 本日ご入浴されました。背中を洗うお手伝いをし、浴槽の出入りは見守りで行っていただきました。 |
| 入浴の中止 | 血圧が高めでしたので、本日のご入浴は見合わせ、体を拭かせていただきました。 |
| 排泄 | トイレでの排泄がご自身でできています。 |
| 活動 | 午前の体操に最後までご参加いただきました。 |
| レクリエーション | 折り紙をされ、「昔よくやった」とお話しくださいました。鶴を2羽折られています。 |
| 会話 | 同じテーブルの方と10分ほどお話しされ、笑顔が見られました。 |
| リハビリ | 機能訓練で足の運動を10回2セット行いました。お疲れの様子はありません。 |
| 歩行 | 廊下を歩行器で20mお歩きになりました。前回より距離が伸びています。 |
| 転倒 | 10時ごろ、お部屋で床に座り込んでいらっしゃるところを職員が見つけました。おけがはなく、看護師も確認しております。 |
| 内出血 | 右腕に小さな内出血がありました。ご本人にお心当たりはないとのことです。念のためお知らせします。 |
| 皮膚 | おしりに少し赤みがありました。姿勢を変える回数を増やしております。 |
| お薬 | お預かりしたお薬をお昼にお飲みいただきました。 |
| お薬の残り | 明日の分のお薬が不足しております。ご準備をお願いできますでしょうか。 |
| 持ち物 | タオルが不足しております。次回2枚お持ちください。 |
| お願い | 爪が伸びておりました。ご自宅で切っていただけますでしょうか。 |
| ご様子の変化 | いつもよりお言葉が少なく、日中横になっていらっしゃる時間が長くなっています。 |
| うれしい変化 | ご自分から他の方に話しかける場面が2回ありました。 |
| ご家族への相談 | 夜間のご様子について、次回お迎えの際に少しお話しさせてください。 |
| 行事の案内 | 来週の水曜日に夏祭りを行います。ご家族もご参加いただけます。 |
書き方で気をつけること
| 避けたい書き方 | 言い換え |
|---|---|
| 「特変なし」 | 「お食事・排泄・睡眠とも、いつもどおりでした」 |
| 「拒否あり」 | 「『今日はやめておく』とおっしゃいました」 |
| 「不穏」 | 「落ち着かないご様子で、同じことを何度かお尋ねになりました」 |
| 「徘徊」 | 「玄関のあたりを歩いていらっしゃいました」 |
| 「全介助」 | 「立つことが難しいため、2名でお手伝いしました」 |
| 「摂取量少量」 | 「主食3割ほどでした」 |
| 「バイタル正常」 | 「体温36.4度、血圧128/76でした」 |
| 「ADL低下」 | 「歩ける距離が、先月より短くなっています」 |
| 専門用語をそのまま | ご家族が分かる言葉に置き換える |
| よくないことだけ書く | できたこと・うれしかった場面も1つ書く |
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
