グループホーム(認知症対応型共同生活介護)で入居者ごとに作成する計画は、正式には「認知症対応型共同生活介護計画」と呼ばれ、居宅のケアマネジャーが作る居宅サービス計画とも、特養などで作る施設サービス計画とも別の計画です。ところが検索して出てくる文例の多くは居宅・施設向けで、「グループホームの計画にそのまま使える完成文」はほとんど見つかりません。本記事は、計画書の欄別・認知症の状態像別に、主語・具体的な行動・頻度まで書き込んだ完成文106例と、迷いやすい「短期目標の期間」の考え方を、確認できた一次資料の範囲で整理したものです。
認知症対応型共同生活介護計画とは|居宅・施設のどちらの様式とも別物という位置づけ
厚生労働省の運営指導マニュアル別添1「認知症対応型共同生活介護」では、第98条(認知症対応型共同生活介護計画の作成)の確認項目として「利用者の心身の状況、希望等を踏まえて認知症対応型共同生活介護計画が立てられているか」「アセスメントを適切に行っているか」「サービス担当者会議等により専門的意見を聴取しているか」「本人や家族に説明し、同意を得ているか」「計画に基づいたケアの提供をしているか」「目標の達成状況は記録されているか」「達成状況に基づき、新たな計画が立てられているか」「定期的にモニタリングを行っているか」が挙げられています(条番号は指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準〔平成18年厚生労働省令第34号〕のもの)。また、人員に関する確認項目には「計画作成担当者は必要な研修を受けているか」があり、この計画の作成を担う「計画作成担当者」という職名の従業者が事業所に置かれる前提になっています。
つまりグループホームの計画は、①事業所の計画作成担当者が作る、②アセスメント→計画→同意→実施→モニタリング→見直しという一連の過程ごと運営指導で確認される、③居宅サービス計画(第1表〜第7表)や施設サービス計画の様式をそのまま指すものではない、という位置づけです。三つの計画の違いを先に整理します。
| 比べる項目 | 居宅サービス計画 | 施設サービス計画 | 認知症対応型共同生活介護計画 |
|---|---|---|---|
| 使われる場面 | 自宅で暮らしながら複数のサービスを組み合わせるとき | 介護保険施設に入所しているとき | グループホーム(認知症対応型共同生活介護)に入居しているとき |
| 作成を担う人 | 居宅介護支援事業所の介護支援専門員 | 施設の計画担当の介護支援専門員 | 事業所の計画作成担当者 |
| 様式 | 国の標準様式(第1表〜第7表)が広く使われている | 国の標準様式に準じた様式が使われている | 全国一律の標準様式は本記事の作成にあたり確認できず(後述)。指定権者にご確認ください |
| 計画の性格 | 複数事業所のサービスを束ねる総合計画 | 施設内の多職種のケアを束ねる計画 | 共同生活住居での暮らし全体(家事・役割・交流を含む)を描く計画 |
| 運営指導での確認文書の例 | 居宅サービス計画、サービス担当者会議の記録など | 施設サービス計画、カンファレンス記録など | 認知症対応型共同生活介護計画(同意がわかるもの)、アセスメントシート、モニタリングシート、サービス提供記録 |
| この記事での呼び方 | 居宅サービス計画 | 施設サービス計画 | 計画(または認知症対応型共同生活介護計画) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
様式について本記事の作成にあたり確認できたのは、運営指導マニュアル別添1の確認文書欄に「認知症対応型共同生活介護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)」「アセスメントシート」「モニタリングシート」という書類名が挙げられていること、までです。居宅サービス計画の第1表・第2表のような全国一律の標準様式が定められているかどうかは確認できませんでした。実務では、居宅の様式に準じた自作様式や、自治体・関係団体が示す参考様式を用いる例が見られますが、どの様式を使うべきか、様式に何の欄が必要かは、指定を受けた保険者(指定権者)にご確認ください。本記事の文例は「意向」「援助の方針」「長期目標」「短期目標」「援助内容」「モニタリング」という、多くの様式に共通して現れる欄を前提に書いています。
計画書のどの欄に何を書くか|欄別の役割と記入欄つき対照表
欄の名称は様式によって多少異なりますが、書く内容の役割分担は共通しています。自事業所の様式ではどの欄がどれに当たるかを右端に書き込みながら読み替えてください。
| 欄 | 何を書く欄か | 避けたい書き方 | 貴事業所の様式での欄名(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 利用者本人の意向 | 本人の言葉・表情・行動から把握した「どう暮らしたいか」。可能な限り本人の発言をかぎかっこで残す | 「安心して過ごしたい」だけの一行(誰にでも当てはまり、援助の方向が決まらない) | ( ) |
| 家族の意向 | 家族が望む暮らしと、家族が続けたい関わり(面会・外出・行事参加など) | 「よろしくお願いします」の転記のみ | ( ) |
| 援助の方針 | 事業所として何を大切に支えるかの共通方針。夜間帯や状態変化時の対応の考え方も含める | 「その人らしい生活を支援する」だけの定型文 | ( ) |
| 解決すべき課題(ニーズ) | アセスメントで把握した生活のしづらさを、本人を主語にした前向きの表現で書く | 「認知症のため問題行動がある」(状態のレッテルで、課題が特定されていない) | ( ) |
| 長期目標 | 期間内に目指す暮らしの姿。達成したかどうかを後から判断できる表現にする | 「穏やかに過ごせる」(達成の判断基準がない) | ( ) |
| 短期目標 | 長期目標への通過点。行動・頻度・場面を入れ、モニタリングで測れる形にする | 「見守りを行う」(職員の行為であって本人の目標になっていない) | ( ) |
| 援助内容 | 目標を達成するために誰が・いつ・何を・どのように行うか。担当職種と頻度を明記する | 「適宜対応」「随時見守り」(具体的な内容がなく、提供記録と突き合わせられない) | ( ) |
| 期間 | 長期目標・短期目標それぞれの開始日と終了日(考え方は次の章) | 空欄のまま、または「当面の間」 | ( ) |
| 同意欄 | 本人または家族に説明した日付と、同意の署名等。説明した相手も残す | 日付のない署名(説明がいつ行われたか追えない) | ( ) |
| 作成者・作成日 | 計画作成担当者名と作成日。アセスメント実施日より後の日付になっているかを確認 | アセスメントの日付より前の作成日(順序の矛盾) | ( ) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
計画は書式の穴埋めではなく、一連の過程の真ん中にある書類です。別添1の確認項目は、その過程が順序どおり記録に残っているかを見る作りになっています。
| 段階 | やること(別添1の確認項目に対応) | 残す記録 |
|---|---|---|
| 1 入居時の確認 | 入居申込者が認知症であることを主治の医師の診断書等で確認し、心身の状況・生活歴・病歴等の把握に努める(第94条) | 診断書等、入居申込書、生活歴の聞き取り記録 |
| 2 アセスメント | 心身の状況・希望・置かれている環境を把握・分析する。計画作成より前の日付で実施する | アセスメントシート(実施日入り) |
| 3 協議・意見聴取 | サービス担当者会議等により他の介護従業者と協議し、専門的意見を聴取する(第98条) | 協議・会議の記録(参加者・日付・内容) |
| 4 計画の作成 | アセスメント結果を踏まえて目標・援助内容・期間を定める | 認知症対応型共同生活介護計画 |
| 5 説明と同意 | 本人や家族に説明し、同意を得る(第98条) | 同意の署名等と説明日 |
| 6 計画に基づく提供と記録 | 計画にある目標を達成するための具体的なサービス内容を記録する(第95条) | サービス提供記録、業務日誌 |
| 7 モニタリングと見直し | 定期的にモニタリングを行い、目標の達成状況を記録し、達成状況に基づき新たな計画を立てる(第98条) | モニタリングシート、見直し後の計画 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
長期目標・短期目標の期間の決め方|確認できたことと、期間欄の書き方例
「短期目標の期間は何ヶ月にすればよいのか」は、グループホームの計画で最も質問の多い論点のひとつです。先に、断定できることとできないことを分けます。
期間について確認できたこと・確認できないこと
| 問い | 本記事の作成にあたり確認できた範囲 | 実務での扱い |
|---|---|---|
| 長期・短期の期間に全国一律の「◯ヶ月」という定めはあるか | 運営指導マニュアル別添1の確認項目に、期間の長さを指定する記載は確認できませんでした | 期間の長さそのものより、期間を定めた根拠と、期間到来時に評価・見直しをした記録が問われます |
| 期間欄は空欄でもよいか | 別添1は「目標の達成状況は記録されているか」「達成状況に基づき新たな計画が立てられているか」を確認項目としており、達成状況を測るには期間の設定が前提になります | 開始日・終了日を書き、終了日までに評価する運用が自然です |
| 認定の有効期間との関係はどう考えるか | 認定の有効期間を超える期間設定の可否について、全国一律の取り扱いは確認できませんでした | 有効期間の満了日を期間設定の材料のひとつとして突き合わせ、扱いは保険者(指定権者)にご確認ください |
| モニタリングの頻度に一律の定めはあるか | 別添1は「定期的にモニタリングを行っているか」としており、頻度の数字は確認できませんでした | 自事業所で頻度を決めて計画または運営の記録に明示し、その頻度どおり実施した日付を残します |
| 「◯ヶ月とする例」は正解の期間か | いいえ。本記事で示すのはあくまで期間欄の書き方(体裁)の例であり、正しい期間の長さを示すものではありません | 入居者の状態変化の見込みに合わせて個別に設定し、根拠を残します |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
期間を決めるときに突き合わせる材料(記入欄つき)
期間は「なんとなく6ヶ月」ではなく、手元の書類から材料を集めて決めると、モニタリングのたびに根拠を説明できます。
| 材料 | どこで確認するか | 貴事業所の記入欄 |
|---|---|---|
| 要介護認定の有効期間の満了日 | 被保険者証 | 満了日( 年 月 日) |
| 次回のモニタリング予定日 | 自事業所で定めた頻度 | 頻度( )・次回( 月 日) |
| 状態変化の見込み | アセスメント、主治の医師からの情報、直近のサービス提供記録 | 見込まれる変化( ) |
| 直近の計画の達成状況 | 前回のモニタリングシート | 達成/一部達成/未達成( ) |
| 行事・季節など生活上の節目 | 年間行事予定、本人・家族の予定 | 節目( ) |
| 家族と次に話し合う機会 | 面会予定、運営推進会議等の予定 | 予定日( 月 日) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
期間欄の書き方例(体裁の例8例)
以下は期間欄の「書き方」の例です。月数はいずれも例示であり、正しい期間の長さを示すものではありません。
| 場面 | 避けたい書き方 | 書き方の例(体裁の例) |
|---|---|---|
| 長期目標の期間 | 「1年」とだけ書く | 令和8年10月1日〜令和9年3月31日(6ヶ月とする例。次回の認定更新月に合わせて設定) |
| 短期目標の期間 | 「当面」 | 令和8年10月1日〜令和8年12月31日(3ヶ月とする例。月1回のモニタリング3回分を目安に設定) |
| 入居直後の初回計画 | いきなり長い期間を置く | 令和8年10月5日〜令和8年11月4日(1ヶ月とする例。生活リズムの把握を目的とし、把握後に見直す旨を備考に明記) |
| 状態が変化しやすい時期 | 従来どおりの期間を機械的に更新 | 令和8年11月1日〜令和8年11月30日(1ヶ月とする例。転倒後の歩行状態の変化を月内に再評価するため) |
| 状態が安定している時期 | 評価日を決めずに延長 | 令和8年10月1日〜令和9年3月31日(6ヶ月とする例。中間の1月にモニタリングを行う旨を援助内容に記載) |
| 認定の更新申請中 | 期間欄を空欄にする | 令和8年10月1日〜認定結果通知日(結果通知後に期間を再設定する旨を備考に記載。取り扱いは保険者に確認) |
| 短期目標を達成して次の段階へ進むとき | 前の期間のまま目標だけ差し替える | 令和9年1月1日〜令和9年3月31日(3ヶ月とする例。前期の達成状況は令和8年12月26日のモニタリング記録参照と付記) |
| 期間途中で計画を変更したとき | 元の計画に上書きして履歴を消す | 令和8年12月10日〜令和9年2月28日(変更前の計画は保管し、変更理由を「12月8日の転倒により歩行の援助内容を変更」と記載) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
状態像別・欄別の完成文|意向・方針・目標・援助内容
ここからが本記事の主戦力です。認知症の状態像・生活場面別に、そのまま様式へ書き写して固有名詞と数値を差し替えれば使える完成文を、欄ごとに示します。人名はA〜Nさん、日付・回数はすべて例示です。医学的な判断や薬剤に関する内容は計画作成担当者の記載範囲を超えるため、文例はすべて「観察された事実」と「生活の支え方」で書いています。
入居者ご本人の意向欄(8例)
| 状態像・場面 | 避けたい書き方 | そのまま使える完成文 |
|---|---|---|
| 発語があり、希望を言葉にできる方 | 安心して暮らしたい | 「朝は自分で顔を洗って、髪を整えてから食堂に行きたい」と話される。長年美容師をされており、身だしなみを自分で整えることを大切にしたいとの意向。 |
| 台所仕事への意欲がある方 | 家事がしたい | 「野菜の皮むきなら任せてほしい」と話され、夕食の下ごしらえの時間に自ら台所へ来られる。包丁を使う作業を週に数回は続けたいとの意向。 |
| 「家に帰る」という訴えが続く方 | 帰宅願望があるが施設で過ごしたい | 夕方になると「息子の夕飯を作りに帰らないと」と話される。家族の世話をしてきた役割を続けたい気持ちの表れと受け止め、日中に役割を持てる暮らしを望まれていると考える。 |
| 言葉での表出が少ない方 | 意思疎通困難のため意向不明 | 言葉での表出は少ないが、歌謡番組が始まると身体でリズムを取り、口元がゆるむ。音楽のある時間を好まれていると表情から読み取れる。(令和8年9月の2週間、毎夕の観察による) |
| 外出を好む方 | 散歩がしたい | 「外の空気を吸うと生き返る」と話され、天気の良い日は玄関先に出ようとされる。近所の畑の様子を見に行く散歩を毎日続けたいとの意向。 |
| 入浴に気が進まない方 | 入浴拒否あり | 「風呂は夜に入るもの」と話され、日中の入浴の誘いには首を振られる。自宅では就寝前に入浴する習慣が50年続いていたとご家族より聞き取り。夕方以降の入浴を望まれている。 |
| 信仰・習慣を大切にする方 | 本人の習慣を尊重する | 「朝のお参りをしないと一日が始まらない」と話され、毎朝、持参された仏壇の前で手を合わせておられる。この習慣を続けられる環境を望まれている。 |
| 他の入居者との関わりを好む方 | 交流したい | 「お茶の時間にみなさんと話すのが一番の楽しみ」と話される。午後のお茶の席で隣に座るBさんと昔の商店街の話をされることが多く、この時間を続けたいとの意向。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
ご家族の意向欄(6例)
| 家族の状況 | 避けたい書き方 | そのまま使える完成文 |
|---|---|---|
| 面会を続けたい長女 | よろしくお願いします | 長女「母の好きだった庭いじりを少しでも続けさせてやりたい。月2回の面会時には一緒に花壇の水やりをしたい」との意向。面会は第2・第4土曜の午後を予定。 |
| 遠方に住む長男 | 家族は遠方のため関与困難 | 長男「遠方のため面会は年数回になるが、月1回は電話で本人と話したい。様子の変化があれば写真つきで知らせてほしい」との意向。連絡は毎月第1金曜の夕方を希望。 |
| 転倒を心配する夫 | 安全に配慮してほしい | 夫「家では夜中にトイレへ行くとき2回転んだ。夜の様子を教えてもらえると安心する。ただし本人が歩きたがるのを止めないでやってほしい」との意向。 |
| 食事量の減少を心配する次女 | しっかり食べさせてほしい | 次女「入居前の3ヶ月で食が細くなったのが心配。好物のちらし寿司なら食べるので、行事のときに出してもらえたらうれしい」との意向。 |
| 本人との関係の修復を望む妹 | 家族関係に課題あり | 妹「ここ数年疎遠だったが、これからは季節の行事のときに顔を出したい。急に長時間は難しいので、まずは敬老会など短時間の行事から参加したい」との意向。 |
| 外出行事への参加を望む孫 | 行事に参加したい | 孫「祖母と桜を見に行くのが毎年の習慣だった。春の外出行事に付き添いとして同行したい」との意向。事業所の行事予定を家族へ事前に案内することを希望。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
援助の方針欄|共同生活の場として書く(8例)
グループホームの方針欄は、居宅の「総合的な援助の方針」と違い、共同生活住居での家事・役割・他の入居者との関係まで含めて書けるのが特徴です。夜間帯の対応の考え方まで一文入れると、職員間の共通認識として機能します。
| 状態像 | 避けたい書き方 | そのまま使える完成文 |
|---|---|---|
| 身だしなみを大切にする方 | その人らしい生活を支援します | 美容師として働かれた誇りを暮らしの中心に置き、毎朝の整髪と月1回の他の入居者への「髪のお手入れ会」での役割を職員全員で支えます。ご本人が「できる」と言われた作業は先回りせず見守ります。 |
| 「家に帰る」という訴えが夕方に続く方 | 帰宅願望に適切に対応します | 夕方の「帰らないと」という言葉の背景に、家族の食事を作ってきた役割があると考え、16時からの夕食の下ごしらえをAさんの役割としてお願いします。訴えの回数・時間帯・前後の状況を記録し、月1回のカンファレンスで対応を見直します。 |
| 転倒の不安がある方 | 転倒防止に努めます | 「自分の足で歩きたい」という意向を尊重し、歩行を制限せず、廊下とトイレの動線の物を床に置かない環境整備と、夜間帯(22時・2時・5時)の巡回時の声かけで支えます。転倒があった場合は状況を記録し、環境面の要因を48時間以内に振り返ります。 |
| 食事量が減っている方 | 栄養状態の維持に努めます | 食事量の記録(主食・副食を10割区分で毎食)を続け、食べやすい形態と好みの味付けを月1回の献立会議で検討します。体重は毎月10日に測定し、変化があればご家族と主治の医師に情報を伝えます。 |
| 言葉での表出が少ない方 | コミュニケーションを図ります | 言葉よりも表情と身体の動きから気持ちを読み取ることを職員の共通姿勢とします。心地よさそうな場面(音楽・日光浴・手浴)を記録に集め、1日の中にその時間を意図して組み込みます。 |
| 他の入居者との言い合いが起きやすい方 | トラブルを防止します | Cさんの「自分の席・自分の湯のみ」へのこだわりを暮らしの秩序として尊重し、席と食器を固定します。言い合いになった場面は日時・きっかけ・双方の言葉を記録し、席の配置と過ごす場所の工夫で距離を調整します。 |
| 夜間に目が覚めて歩かれる方 | 夜間の安全を確保します | 夜間に目覚めて廊下を歩かれるのは長年の夜勤の生活歴によるものと考え、無理に居室へ促さず、職員が付き添って温かい飲み物を一杯飲んでから戻る流れを試します。起きた時刻・戻られた時刻を夜勤記録に残します。 |
| 看取り期に向き合う時期の方 | 穏やかな最期を支援します | ご本人が「最後までここで畳の上で過ごしたい」と話された言葉を出発点に、ご家族・主治の医師・協力医療機関と話し合った内容を記録に残しながら、食事・排泄・眠りの小さな変化を毎日申し送りで共有し、その日のご本人が心地よい過ごし方を最優先します。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
見当識・記憶など中核症状に伴う場面の目標(長期・短期 各6例)
目標は職員の行為ではなく本人の暮らしの姿で書きます。長期目標は「期間の終わりに見たい姿」、短期目標は「それを測れる行動と頻度」まで具体化します。
| 観察されている場面 | 長期目標の完成文 | 短期目標の完成文 |
|---|---|---|
| 今日の日付や季節が分からず不安そうにされる | 朝の日課の中で今日の日付と予定を確かめ、落ち着いて一日を始められる。 | 毎朝食後にリビングの日めくりカレンダーを自分でめくり、職員と今日の予定を1つ声に出して確認する(週5日以上)。 |
| 居室やトイレの場所が分からなくなる | 共同生活住居の中で、自分の居室とトイレに自分の力でたどり着ける。 | 居室の入口に本人が選んだ紅葉の写真を目印として貼り、日中はその目印を手がかりに居室へ戻れる(1日3回以上、声かけなしで)。 |
| 直前の食事をしたことを忘れて「ご飯はまだか」と尋ねられる | 食事の前後の流れが本人の習慣として身につき、食事にまつわる不安の訴えが減る。 | 食後に自分の湯のみを台所へ下げる役割を続け、「ご飯はまだか」の訴えの回数が記録上、週10回から週5回程度に落ち着く。 |
| 職員や他の入居者の顔と名前が結びつかない | 顔なじみの職員・入居者との関係の中で、安心して声をかけ合える。 | 毎日のお茶の時間に同じ席で隣のDさんと過ごし、Dさんの名前または「お隣さん」という呼びかけで自分から話しかける場面が週3回以上みられる。 |
| 季節に合った衣類を選ぶことが難しい | 季節に合った身支度を、自分で選ぶ形で続けられる。 | 毎朝、職員が2着並べた中からその日の服を自分で選び、着替えの動作は袖通しの介助のみで行える(週6日以上)。 |
| お金や持ち物の管理に混乱がみられる | 大切な持ち物の置き場所が本人の中で定まり、探し物にかける時間が短くなる。 | 財布と眼鏡の定位置(ベッド脇の引き出し)に自分で戻す習慣を毎晩の就寝前に続け、「無くなった」という訴えが記録上、週7回から週3回程度になる。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
行動・心理症状がみられる場面の目標(長期・短期 各8例)
行動・心理症状(BPSD)に関する目標は、「症状をなくす」と書かない(本人を変えるのではなく、暮らしの条件を整えるのが計画の守備範囲)ことと、観察された事実の言葉で書くことの2点が要点です。医学的な評価や薬剤に関する記載は、主治の医師からの情報として別に記録し、計画の目標欄には書き込みません。
| 観察されている場面 | 長期目標の完成文 | 短期目標の完成文 |
|---|---|---|
| 夕方に「家に帰る」と玄関へ向かわれる(週5回程度) | 夕方の時間帯に自分の役割を持ち、玄関へ向かう回数が減って落ち着いて夕食を迎えられる。 | 16時から夕食の野菜の下ごしらえをEさんの役割として毎日行い、玄関へ向かわれる回数が記録上、週5回から週2回程度になる。 |
| 「財布を盗られた」という訴えが繰り返される | 持ち物への不安を職員と一緒に確かめる方法が定まり、安心して過ごせる時間が長くなる。 | 訴えがあった際は職員と一緒に定位置の引き出しを確かめる対応を毎回行い、確認後に他の話題へ移れた場面の割合を記録する(まず2週間、毎回記録)。 |
| 入浴の誘いに強い口調で断られる | 本人の習慣に合う入り方で、入浴を週の暮らしのリズムとして続けられる。 | 自宅での習慣に合わせて夕食後の時間帯に誘い、湯かげんを自分で確かめてから入る手順で、週2回の入浴が本人の同意のもとで続く。 |
| 夜間に目覚めて廊下を歩かれる(週3〜4回) | 夜間に目覚めても、安心して再び眠りにつける流れができる。 | 目覚めた際は職員が付き添い、白湯を一杯飲んで居室へ戻る流れを続け、30分以内に再入眠できた回数を夜勤記録で数える(月の半数以上を目安)。 |
| 食事や着替えの介助の手を払いのけられる | 自分のペースが尊重される中で、必要な場面の援助を受け入れられる。 | 介助の前に必ず正面から目を合わせて一声かけ、本人がうなずいてから手を添える手順を全職員が守り、手を払いのけられる場面の記録が月20回から月10回程度になる。 |
| 他の入居者に大声を上げる場面がある | 苦手な刺激から距離を取れる環境の中で、穏やかに過ごせる時間が増える。 | 大声の場面を日時・きっかけ・直前の周囲の音とともに記録し、昼食後はテレビから離れた窓際の席で過ごす配置を続けて、記録上の場面数の変化を月ごとに比べる。 |
| 同じ質問を繰り返し職員に尋ねられる | 気になっていることが目で見て確かめられる形になり、安心して過ごせる。 | 繰り返し尋ねられる「面会はいつか」を居室のホワイトボードに大きく書き、職員は答えるたびにボードを一緒に見る対応を続ける(次回面会日は常に最新に保つ)。 |
| 気分が沈み、部屋にこもりがちになる | 好きだった歌と外の空気に触れる時間を通じて、リビングで過ごす時間が増える。 | 午後のお茶の前に職員と2人で庭を5分歩く誘いを毎日続け、リビングで過ごす時間が記録上、1日1時間から2時間程度に増える。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
食事・入浴・排泄・移動など生活機能の場面の目標(長期・短期 各8例)
| 観察されている場面 | 長期目標の完成文 | 短期目標の完成文 |
|---|---|---|
| 食事の途中で手が止まり、食べ終えるまで時間がかかる | 自分のペースで食事をとり、食事量を保てる。 | 手が止まった際は隣で職員が同じ食器から一口食べて見せる声かけを行い、主食・副食とも7割以上の摂取が週5日以上続く。 |
| むせが増えてきた(お茶の時間に週2〜3回) | 安心して食事とお茶の時間を楽しめる。 | お茶はとろみの程度を一定にして提供し、むせた日時・飲食物を記録して月1回ご家族と主治の医師に伝える。むせの記録が週2〜3回から週1回以下になる。 |
| 浴槽をまたぐ動作にふらつきがある | 週2回の入浴を、安全な手順で続けられる。 | 浴槽の出入りは手すりを右手で持ち、職員が腰を支える手順で行い、ふらつきの有無を入浴記録に毎回残す(週2回、3ヶ月間)。 |
| トイレの失敗が夜間に増えている(週3回程度) | 夜間も気兼ねなくトイレを使い、朝までの眠りが保たれる。 | 就寝前と夜間巡回(22時・2時)の声かけでトイレへの誘いを行い、夜間の失敗の記録が週3回から週1回程度になる。 |
| 廊下の歩行時に壁を伝い、疲れやすい | 住居内の移動を自分の足で続けられる。 | 昼食後のリビングから居室までの歩行(約15m)を1日3回、職員が横に付き添って続け、途中で座り込む回数を歩行記録で数える(月ごとに比較)。 |
| 朝の着替えに30分以上かかり疲労がみられる | 朝の身支度を、疲れを残さずに自分の力で行える。 | 前夜に翌日の服を本人と一緒に選んで椅子に掛けておき、朝の着替えが20分程度で終えられる日が週4日以上になる。 |
| 口腔の清掃が不十分で食後の磨き残しが多い | 毎食後の歯磨きの習慣が保たれ、口の中の心地よさを保てる。 | 毎食後、洗面所で職員が仕上げの確認を行う歯磨きを1日3回続け、磨き残しの部位を口腔ケア記録に残して月1回振り返る。 |
| 水分をとる量が少ない日がある(記録上1日800ml未満の日が週3日) | 好みの飲み物で、1日を通して十分な水分をとれる。 | 好みの緑茶とほうじ茶を10時・15時・入浴後に各1杯すすめ、1日の水分記録が1,000ml程度の日が週5日以上になる。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
役割・外出・交流など社会参加の場面の目標(長期・短期 各6例)
別添1の確認項目には「利用者が介護従業者と食事や清掃、洗濯、買物、園芸、農作業、レクリエーション、行事等を共同で行うよう努めているか」(第99条)があり、家事や役割は付け足しではなくグループホームのケアの本体です。計画の目標に位置づけることで、日々の提供記録と結びつきます。
| 本人の生活歴・好み | 長期目標の完成文 | 短期目標の完成文 |
|---|---|---|
| 長年、家族の食事を作ってきた | 台所の役割を自分の仕事として続け、食事の時間を楽しみにできる。 | 夕食の野菜の下ごしらえ(皮むき・すじ取り)を週5日、職員と並んで行い、本人が担当した品を食卓で紹介する。 |
| 洗濯物の扱いが丁寧で、たたみ方にこだわりがある | 洗濯物たたみの役割を通じて、住居の暮らしの担い手であり続ける。 | 午後の洗濯物たたみを毎日担当し、たたみ方を他の入居者へ教える場面を週1回つくる。 |
| 庭いじり・花の世話が好き | 花壇の世話を続け、季節の変化を楽しめる。 | 花壇の水やりを朝食後に週5日行い、月1回、面会に来られた長女と一緒に苗の植え替えをする。 |
| 買い物が長年の日課だった | 近所の店への買い物に出かけ、自分で品物を選ぶ暮らしを続けられる。 | 週1回、職員と2人で徒歩5分の商店へ行き、夕食の食材を1〜2品自分で選んで購入する(財布の受け渡しは本人が行う)。 |
| 書道を長く続けてきた | 筆を持つ時間を月の楽しみとして続けられる。 | 月2回の書道の時間に季節の言葉を1枚仕上げ、リビングの壁に自分で貼り替える。 |
| 地域の祭りや行事を楽しみにしてきた | 地域の行事とのつながりの中で、外に出る楽しみを持ち続けられる。 | 秋祭りと地域の敬老会に職員付き添いで参加し、参加後の感想を運営推進会議の暮らしの報告の題材として本人の言葉で残す(年2回以上)。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
援助内容欄の完成文(8例)
援助内容は「誰が・いつ・何を・どのように」まで書くと、サービス提供記録(第95条)との突き合わせに耐える計画になります。別添1の確認項目にも「計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか」とあります。
| 対応する短期目標の場面 | 避けたい書き方 | そのまま使える完成文 |
|---|---|---|
| 朝の見当識の支え | 見当識への支援を行う | 介護職員は毎朝食後、リビングの日めくりカレンダーの前でFさんに声をかけ、日付をめくる動作はFさんが行い、今日の予定を一緒に1つ声に出して確認する(毎日・担当は早番職員)。 |
| 夕方の役割づくり | 帰宅願望時は傾聴する | 介護職員は16時にGさんへ「夕飯の支度を手伝ってもらえますか」と声をかけ、野菜の下ごしらえを一緒に行う。「帰らないと」という言葉が聞かれた日時と前後の様子は、その日の提供記録に残す(毎日・遅番職員)。 |
| 入浴の習慣合わせ | 入浴介助を行う(週2回) | 介護職員は火曜・金曜の夕食後にHさんを入浴に誘い、湯かげんはHさんが手で確かめてから入る手順とする。浴槽の出入りは手すりを持っていただき職員が腰を支える。ふらつきの有無を入浴記録に毎回記載する。 |
| 夜間の巡回と再入眠 | 夜間見守りを行う | 夜勤職員は22時・2時・5時に居室を巡回し、Iさんが目覚めて廊下に出ておられる場合は付き添って白湯を1杯すすめ、居室へ戻られた時刻と再入眠の様子を夜勤記録に残す(毎晩)。 |
| 食事量の維持 | 食事の見守りと声かけ | 介護職員は毎食、Jさんの主食・副食の摂取量を10割区分で記録し、手が止まった際は隣で一口食べて見せる。摂取が5割未満の食事が2食続いた場合は、計画作成担当者と管理者へ当日中に報告する。 |
| 持ち物の不安への対応 | 不穏時は適切に対応する | 「財布が無い」という訴えの際、職員はその場で否定も説得もせず、Kさんと一緒にベッド脇の引き出し(定位置)を開けて確かめる。確認後の様子を提供記録に残し、月1回のカンファレンスで対応を見直す(全職員共通)。 |
| 家族との関わりの維持 | 家族との連携を図る | 計画作成担当者は毎月第1金曜の夕方に長男へ電話でLさんの1ヶ月の様子(食事・睡眠・楽しんでいた場面)を伝え、伝えた内容と長男からの希望を連絡記録に残す(月1回)。 |
| 買い物外出の同行 | 外出支援を行う | 介護職員は毎週水曜10時、Mさんと徒歩5分の商店まで同行し、食材1〜2品をMさんが選んで支払いまで行う。歩行の様子(休憩の回数・所要時間)を外出記録に残す(週1回・日中帯職員)。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
モニタリングの記入例|達成・一部達成・未達成の書き分けと見直しの記録
別添1の確認項目は「定期的にモニタリングを行っているか」「目標の達成状況は記録されているか」「達成状況に基づき、新たな計画が立てられているか」と、モニタリングを計画の見直しにつなげる形で並んでいます。つまりモニタリング記録は「変わりありません」で閉じる書類ではなく、次の計画の根拠になる書類です。
達成・一部達成・未達成の記入例(12例)
書き分けの軸は3つです。①短期目標の文言に対して測る(目標に「週5日」とあれば記録の日数で答える)、②根拠となる記録の所在を書く、③次の計画への提案で締める。区分の名称(達成・一部達成・未達成など)は様式により異なるため、自事業所の様式に読み替えてください。
| 短期目標(要約) | 区分 | 避けたい記入 | そのまま使える完成文 |
|---|---|---|---|
| 日めくりを自分でめくり予定を1つ確認(週5日以上) | 達成 | 問題なくできている | 期間中(10/1〜12/31)、日めくりを自分でめくり予定を確認できた日は週平均6日(提供記録集計)。「今日は火曜だね」と自分から話される場面も週2回程度みられた。目標は達成。次期は予定の確認を「翌日の予定」まで広げることを提案する。 |
| 夕食の下ごしらえを役割に、玄関へ向かう回数が週2回程度に | 達成 | 帰宅願望は落ち着いた | 「帰らないと」と玄関へ向かわれた記録は10月が週5回、11月が週3回、12月が週2回と減少(提供記録集計)。下ごしらえの役割は週5日続き、「私の仕事だから」との発言あり(12/10記録)。目標は達成。役割の継続を次期計画にも位置づける。 |
| 夜間に目覚めた後30分以内の再入眠が月の半数以上 | 達成 | 夜間も良眠 | 夜間に目覚めた記録は期間中18回、うち白湯の一杯で30分以内に再入眠できたのは13回(夜勤記録集計・72%)。目標の「月の半数以上」を満たした。付き添い時に昔の夜勤の話をされることが多く、次期はこの時間の関わり方を援助内容に明記する。 |
| 週2回の入浴が本人の同意のもとで続く | 達成 | 入浴拒否なし | 期間中の入浴は全26回中24回が予定どおり実施(入浴記録)。断られた2回はいずれも面会直後の時間帯で、翌日に振り替えて実施できた。夕食後の時間帯と湯かげんを自分で確かめる手順が合っていたと考える。次期も同じ手順を継続する。 |
| 主食・副食7割以上の摂取が週5日以上 | 一部達成 | 食事はまずまず | 7割以上摂取できた日は週平均4日(食事記録集計)で、目標の週5日には届かなかった。摂取が伸びないのは昼食に集中しており(3割台が週2回)、朝夕は8割前後で安定。昼食前の活動量と眠気の記録を加えたうえで、昼食の提供時刻の工夫を次期計画で検討する。 |
| 夜間のトイレの失敗が週1回程度に | 一部達成 | 改善傾向 | 夜間の失敗は週3回から週2回に減少(排泄記録集計)したが、目標の週1回程度には届かず。22時の声かけ後は失敗がなく、2時の巡回前の時間帯に集中している。巡回時刻の見直し(0時の追加)を次期の援助内容として提案する。 |
| リビングで過ごす時間が1日2時間程度に | 一部達成 | 離床は増えた | リビングで過ごす時間は1日平均1時間30分(生活記録の抜き取り集計・週3日分)で、開始時の1時間からは増えたが目標には届かず。庭の散歩に応じられた日はその後リビングに残られる傾向がある(記録上8割)。散歩の回数を1日2回に増やす案を次期計画で検討する。 |
| 着替えが20分程度で終えられる日が週4日以上 | 一部達成 | 時間短縮できた日もある | 20分程度で終えられた日は週平均3日(提供記録集計)。前夜に服を一緒に選べた日は達成率が高く(8割)、選べなかった日は30分超が多い。前夜の準備が就寝時刻と重なって実施できない日があるため、準備の時刻を夕食後に前倒しする変更を提案する。 |
| 「財布が無い」の訴えが週3回程度に | 未達成 | 変化なし | 訴えの記録は週6〜7回で開始時から大きな変化なし(提供記録集計)。ただし、一緒に定位置を確かめた後に他の話題へ移れた割合は5割から8割に上がった。訴えの回数を目標にするのではなく、「確認後に落ち着いて過ごせること」を測る目標へ立て直すことを提案する。 |
| 週1回の買い物外出で品物を自分で選ぶ | 未達成 | 実施できず | 期間13週のうち外出できたのは5回(外出記録)。中止8回の内訳は雨天3回・本人の疲労の訴え3回・行事との重なり2回。外出できた5回はいずれも品選びと支払いを自分でされ、表情も良い。頻度を隔週に改め、雨天時は住居内の「注文書づくり」に置き換える案を次期計画とする。 |
| むせの記録が週1回以下に | 未達成 | むせが続いている | むせの記録は週2〜3回で変化なし(食事記録集計)。発生は午後のお茶の時間に集中し、会話しながら飲まれた時に多い。記録を日時・飲食物・姿勢まで揃えてご家族と主治の医師に情報を伝え、いただいた助言を踏まえて計画を見直す。見直しまでの間はお茶の時間の席の配置と提供の仕方を統一する。 |
| 花壇の水やりを週5日行う | 未達成 | 意欲低下のため中止 | 実施は週1〜2日にとどまった(提供記録集計)。朝食後の時間帯は疲労の訴えが多く、午後に誘うと応じられる日が多い(記録上、午後の実施が7割)。時間帯の設定が本人のリズムと合っていなかったと考え、実施時間を15時に変更して継続する。目標自体は本人の意向(庭の世話を続けたい)に沿っており変更しない。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
計画の見直しにつなげる記録の残し方
モニタリングの結果を新しい計画に反映したことが第三者に追える状態が、別添1の「達成状況に基づき、新たな計画が立てられているか」に対する答えになります。残す形は次の5点です。
| 残すもの | 書き方の要点 | つながり先 |
|---|---|---|
| モニタリングの実施日 | 計画の期間内の日付で、実施者名とともに記載する | 計画の期間欄(期間到来前に評価した形になる) |
| 目標ごとの達成状況 | 目標の文言にある数値・頻度に対して、記録の集計で答える | サービス提供記録・各種記録の集計 |
| 本人・家族の受け止め | 評価を伝えた際の本人の言葉、家族の意見を日付つきで残す | 次期計画の意向欄 |
| 見直しの協議 | 他の介護従業者と協議した日時・参加者・結論を残す | 別添1「サービス担当者会議等により専門的意見を聴取しているか」 |
| 新旧計画の対応関係 | 新計画に「前期の達成状況は◯月◯日のモニタリング記録参照」と付記し、旧計画は差し替えず保管する | 別添1「達成状況に基づき、新たな計画が立てられているか」 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
計画について運営指導で確認される点|別添1の確認項目と公表されている指摘
なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。本章は計画そのものに関する確認の観点の整理であり、個別の判断は保険者(指定権者)にご確認ください。
別添1のうち計画に表れる確認項目
| 条項 | 確認項目(計画に関係するもの) | 確認文書 |
|---|---|---|
| 入退居(第94条) | 入居申込者が認知症であることを確認しているか | 診断書、アセスメントシート |
| 入退居(第94条) | 利用者の心身の状況、生活歴、病歴等の把握に努めているか | アセスメントシート、モニタリングシート |
| サービス提供の記録(第95条) | 計画にある目標を達成するための具体的なサービスの内容が記載されているか | サービス提供記録、業務日誌 |
| サービス提供の記録(第95条) | 日々のサービスについて、具体的な内容や利用者の心身の状況等を記録しているか | サービス提供記録、モニタリングシート |
| 計画の作成(第98条) | 利用者の心身の状況、希望等を踏まえて計画が立てられているか | 認知症対応型共同生活介護計画(同意がわかるもの) |
| 計画の作成(第98条) | アセスメントを適切に行っているか | アセスメントシート |
| 計画の作成(第98条) | サービス担当者会議等により専門的意見を聴取しているか | 会議・協議の記録 |
| 計画の作成(第98条) | 計画を本人や家族に説明し、同意を得ているか | 同意の署名等と説明日 |
| 計画の作成(第98条) | 計画に基づいたケアの提供をしているか/目標の達成状況は記録されているか | サービス提供記録、モニタリングシート |
| 計画の作成(第98条) | 達成状況に基づき新たな計画が立てられているか/定期的にモニタリングを行っているか | 新旧の計画、モニタリングシート |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
計画・アセスメントについて自治体が公表している指摘
グループホームの計画まわりについて、自治体が公表している運営指導の指摘には次のようなものがあります。いずれも「計画の書き方」ではなく「過程の記録が残っているか」への指摘である点が、本記事の文例を使う際の前提になります。
| 公表されている指摘(要旨) | 自事業所で照らして確かめること | 出典 |
|---|---|---|
| 計画作成にあたりアセスメントの記録が確認できない/計画作成後にアセスメントを実施していた/更新時のアセスメントが初回と同一用紙で区別できない/計画に位置づけた内容(歩行器の使用・入浴)とアセスメントの記載が食い違う | アセスメントの実施日が計画の作成日より前か。更新時の記録が初回と別葉か。計画に位置づけた援助それぞれの必要性がアセスメントに書かれているか | 豊島区「認知症対応型共同生活介護事業所への運営指導で『改善を要する』と指摘された事項について(令和5年度・10件)」 |
| 入居に際し医師の診断書等により認知症であるかを確認していない | 入居者ごとに、診断書等で確認した記録が入居時の書類に残っているか | 豊島区(同上)および金沢市「令和7年度 介護サービス事業者集団指導 資料1」 |
| 計画を作成する際、利用者の心身の状況・希望・環境を踏まえて他の介護従業者と協議を行っていなかった | 計画作成前の協議の記録(日付・参加者・内容)が計画ごとに残っているか | 金沢市「令和7年度 介護サービス事業者集団指導 資料1」 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
計画に関して手元に残す書類の一覧(保管場所・確認日の記入欄つき)
| 書類 | 関係する確認項目 | 保管場所(記入欄) | 最終確認日(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 認知症対応型共同生活介護計画(現行版) | 第98条(計画の作成) | ( ) | ( 月 日) |
| 過去の計画(差し替えず保管) | 第98条(達成状況に基づく新計画) | ( ) | ( 月 日) |
| アセスメントシート(初回・更新を別葉で) | 第98条(アセスメント)・第94条 | ( ) | ( 月 日) |
| モニタリングシート | 第98条(定期的なモニタリング) | ( ) | ( 月 日) |
| 計画への同意がわかるもの(説明日入り) | 第98条(説明と同意) | ( ) | ( 月 日) |
| 計画作成前の協議・会議の記録 | 第98条(専門的意見の聴取) | ( ) | ( 月 日) |
| サービス提供記録・業務日誌 | 第95条(サービス提供の記録) | ( ) | ( 月 日) |
| 主治の医師の診断書等(入居時の確認) | 第94条(入退居) | ( ) | ( 月 日) |
| 生活歴・病歴の聞き取り記録 | 第94条(心身の状況等の把握) | ( ) | ( 月 日) |
| 計画作成担当者の研修修了がわかるもの | 第90条(従業者の員数) | ( ) | ( 月 日) |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
認知症対応型共同生活介護計画についてよく聞かれること
認知症対応型共同生活介護計画の様式は決まっていますか?
本記事の作成にあたり確認できた範囲では、全国一律の標準様式は確認できませんでした。運営指導マニュアル別添1には確認文書として「認知症対応型共同生活介護計画(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)」と書類名が挙げられているのみです。実務では居宅の様式に準じた様式や自治体等の参考様式を用いる例が見られますが、使用する様式は保険者(指定権者)にご確認ください。
入居前に使っていた居宅サービス計画はどう扱いますか?
居宅サービス計画は自宅での暮らしを前提にした計画で、グループホーム入居中の計画は認知症対応型共同生活介護計画です。入居前の計画やアセスメントは、生活歴・習慣・これまでの支援経過を知る貴重な材料になるため、情報として引き継いだうえで、入居後の暮らしについては改めてアセスメントを行い自事業所の計画を作成する流れが自然です。書類の引き継ぎ方や保管の取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
短期目標の期間は3ヶ月にしないといけませんか?
期間の長さについて全国一律の定めは、本記事の作成にあたり確認できませんでした。本文で示した「3ヶ月とする例」「6ヶ月とする例」はいずれも書き方の例であり、正しい期間ではありません。入居者の状態変化の見込み・モニタリングの頻度・認定の有効期間の満了日などを材料に個別に設定し、期間設定の考え方を含めて保険者(指定権者)にご確認ください。
モニタリングは何ヶ月ごとに行いますか?
別添1の確認項目は「定期的にモニタリングを行っているか」であり、頻度の数字は確認できませんでした。自事業所として頻度を定め、その頻度どおり実施した日付と内容が記録に残っている状態を作ることが要点です。求められる頻度の目安は保険者(指定権者)により異なる場合があるため、ご確認ください。
計画への同意は誰からもらいますか?
別添1の確認項目は「認知症対応型共同生活介護計画を本人や家族に説明し、同意を得ているか」で、確認文書は「利用者又は家族の同意があったことがわかるもの」とされています。説明した日付と相手(本人か、どの家族か)が後から追える形で残すことが要点です。本人の意思確認が難しい場合の取り扱いは、経過を記録に残したうえで保険者(指定権者)にご確認ください。
この記事の文例をそのまま計画に写してよいですか?
文例は書き方の型として自由にお使いいただけますが、そのまま写すと本記事の架空の入居者の計画になってしまいます。豊島区の公表指摘にあるとおり、計画はアセスメントとの整合が確認されます。固有名詞・頻度・時刻・数値を必ず自事業所のアセスメント結果に置き換え、その根拠がアセスメントシートに書かれている状態にしてからお使いください。
出典
出典:厚生労働省ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001281524.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。各自治体の公表資料についても同様に当社が編集・加工したものであり、当該自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な取り扱いは保険者(指定権者)にご確認ください。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
