2024年度改定で、高齢者虐待の防止措置が未実施の場合の減算が導入されました。対象は幅広い介護サービスに及びます。本記事では、求められる措置と記録のポイントを整理します。
加算・減算の全体像は介護報酬の加算・減算とは(まとめ)もあわせてご覧ください。
求められる虐待防止措置
主に次の取り組みが求められます。
- 虐待防止のための委員会の定期開催と、結果の周知
- 指針の整備
- 従業者への研修の定期実施
- これらを担当する担当者の配置
これらが未実施の場合、所定単位数が減算されます(率・対象は最新の告示でご確認ください)。
記録のポイント
委員会の開催記録(日時・出席者・議題・結果)、研修の実施記録(日時・参加者・内容)、指針の整備状況を残します。措置を実施していても記録がなければ証明できないため、記録を続けて残しておくことが、実施したことを示す手がかりになります。
本記事は概要をわかりやすく解説するものです。最新かつ正確な単位数・算定要件は、厚生労働省の告示・通知および保険者(自治体)の案内で必ずご確認ください。
高齢者虐待防止措置未実施減算のポイント
高齢者虐待防止措置未実施減算は、虐待防止のための措置を講じていない場合の減算です。求められる措置を整理しました。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 委員会 | 虐待防止のための委員会の設置と開催 |
| 指針 | 虐待防止のための指針の整備 |
| 研修 | 従業者への研修の実施 |
| 担当者 | 担当者を定める |
算定要件・単位数・様式は介護報酬改定や自治体により異なります。実際の運用にあたっては最新の告示・通知・条例等でご確認ください。
減算を避けるために揃える4点
| 要件 | やること | 残す記録 |
|---|---|---|
| 委員会の開催 | 虐待の防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催し、結果を職員へ周知する | 開催日、出席者、議題、検討内容、周知の方法 |
| 指針の整備 | 虐待の防止のための指針を整備する | 指針そのもの(作成日・改定日が分かる形で) |
| 研修の実施 | 職員への研修を定期的に実施する | 実施日、参加者、内容、使用資料 |
| 担当者の設置 | 虐待の防止に関する措置を適切に実施するための担当者を置く | 担当者を定めた記録 |
⚠4つの措置は、いずれも運営基準に定めのある項目です。「指針は作ったが委員会を開いていない」というように、一部だけが未実施になることがあります。貴事業所の実施状況(記入欄)と、減算の取り扱いについては指定権者にご確認ください。
委員会を他の会議と合わせて開くとき
虐待防止の委員会は、身体拘束適正化検討委員会や感染対策委員会などと一体的に開催してよいとされています。別々に開こうとして開けなくなるより、まとめて確実に回すほうが実効的です。
- 議題ごとに検討内容を分けて記録する
- 一体開催であることを議事録に明記する
- 出席者に必要な職種が含まれているか確認する
- 周知の方法(回覧、掲示、朝礼)と、その記録を残す
虐待を「起こさない仕組み」として考える
減算を避けることが目的になると、書類だけが整います。実際に虐待を防ぐには、次のような視点が要ります。
- 不適切なケアの段階で止める——虐待は突然起きるのではなく、雑な言葉かけや放置から進みます
- 報告しやすくする——見た職員が報告できる窓口と、報告者が不利益を受けない仕組み
- 職員の負担を見る——人手不足と疲弊が背景にあることが多くあります
- 認知症への理解——対応に困ることが、不適切なケアの入口になります
- 養護者(ご家族など)による場合も法の対象——高齢者虐待防止法には、発見した場合の通報についての定めがあります
実務で迷いやすいところ
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| 委員会の頻度は | 定められた頻度があります。最新の通知でご確認ください |
| 小規模事業所でも必要か | 対象となるサービスの範囲は運営基準に定めがあります。貴事業所が対象かは指定権者にご確認ください |
| 研修は年何回か | 定められた回数があります。新規採用者への研修についても定めがあります。最新の通知でご確認ください |
| 担当者は誰でもよいか | 措置を適切に実施できる立場の職員を定めます |
| 通報したら事業所が不利になるか | 高齢者虐待防止法に通報についての定めがあり、通報者の保護についても定めがあります。個別の判断は市町村にご相談ください |
※加算・減算の要件は改定のたびに見直されます。算定の可否は、最新の告示・通知および保険者(市区町村)の運用を必ずご確認ください。本記事は一般的な考え方を整理したものです。
不適切なケアの段階で気づく
虐待は突然起きるのではなく、日々の小さな不適切なケアが積み重なった先で起きます。次のような場面が見えたら、職員個人を責める前に、体制と負担を見ます。
| 見られる場面 | 背景にあること |
|---|---|
| 呼び方が「おじいちゃん」「ちゃん付け」になっている | 関係性の慣れ。研修で言語化すると変わります |
| ナースコールへの対応が後回しになる | 人員不足、動線の問題 |
| 「早く」「まだ?」と急かす言葉が増える | 時間に追われている。業務の組み方を見ます |
| 本人の意思を確認せずに進める | 忙しさと、効率優先の空気 |
| 特定の職員だけが困難事例を担当している | 負担の偏り |
研修で扱う内容の例
- 虐待の定義と5類型(身体的、心理的、性的、経済的、介護放棄)
- 不適切なケアと虐待の連続性
- 通報の義務と、通報者の保護
- 実際に起きた事例(報道されたものを教材にできます)
- 自事業所のヒヤリとした場面の振り返り
- 認知症への理解——対応に困ることが入口になります
指針に盛り込む項目
- 虐待の防止に関する基本的な考え方
- 虐待防止のための委員会その他の組織に関する事項
- 虐待の防止のための職員研修に関する事項
- 虐待等が発生した場合の対応方法
- 相談・報告体制に関する事項
- 成年後見制度の利用支援に関する事項
- 虐待等に係る苦情解決の方法
- 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する事項
虐待の5つの類型
| 類型 | 具体例 |
|---|---|
| 身体的虐待 | たたく、つねる、無理やり食事を口に入れる、身体拘束(要件を満たさないもの) |
| 心理的虐待 | 怒鳴る、無視する、子ども扱いする、羞恥心を与える |
| 性的虐待 | 排泄の失敗を人前で話す、必要なく裸にする |
| 経済的虐待 | 本人の年金を無断で使う、必要な金銭を渡さない |
| 介護・世話の放棄(ネグレクト) | 必要な介護を行わない、劣悪な環境に置く、受診させない |
高齢者虐待防止法では、5つの類型が定められています。このうち心理的虐待・介護放棄(ネグレクト)にあたるとされる行為は、日常業務の延長線上で起こりうるもので、周囲も本人も気づかないまま続くことがあります。
高齢者虐待防止措置未実施減算|告示の定めと、貴事業所の状況
左に告示・通知の定め、右に貴事業所の状況を書き込む形にしています。算定の可否を判定するものではありません。要件・運用は保険者により異なりますので、最新の告示・通知および保険者の取り扱いをご確認ください。
| 告示・通知の定め | 貴事業所の状況(記入欄) | 裏づけになる書類 |
|---|---|---|
| 虐待の防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催し、その結果を従業者に周知徹底すること | 開催:年 回/周知日: | 委員会の議事録・周知の記録 |
| 虐待の防止のための指針を整備すること | 指針の策定日: | 虐待の防止のための指針 |
| 従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること | 実施:年 回/直近: | 研修の記録 |
| 研修は年1回以上及び新規採用時に実施することが示されている | 当年度の実施回数: 回 | 実施記録の一覧 |
| 上記の措置を適切に実施するための担当者を置くこと | 担当者: | 担当者を定めた記録 |
| 運営規程に虐待の防止のための措置に関する事項を定めること | 運営規程への記載:済/未 | 運営規程 |
| 告示・運営基準に定めのある要件。適用の有無は指定権者にご確認ください | 減算の適用:無/有 | 請求内容の確認記録 |
高齢者虐待防止措置未実施減算|運営指導で公表されている指摘
実際に公表されている内容です。詳細は監査対策ナビと各自治体の公表資料をご確認ください。
| 公表されている指摘 | 公表元 |
|---|---|
| 高齢者虐待防止措置未実施減算の「実際にあった指摘事例(種別:通所系サービス)」として、運営指導において従業者に対する虐待防止のための研修の未実施が発覚。虐待の防止のための指針に基づいた研修プログラムの作成及び年1回以上の研修の実施を指導。速やかに改善計画の提出を求めた | 新潟市の集団指導資料「介護サービス事業所への指導監査、加算・減算のポイント」 |
| 令和6年度の運営指導により指摘の多かった事項として、運営規程等に虐待の防止のための措置に関する事項が定められていない | 熊本市の集団指導資料(共通編) |
高齢者虐待防止措置未実施減算|記録に残すこと
体制が整っていても、記録がなければ説明できません。以下は記載のイメージを示す(例)です。
| 場面 | 残す記録 | 記載例 |
|---|---|---|
| 委員会を開催したとき | 日時・出席者・検討した内容・結論 | ◯月◯日開催。ヒヤリとした事例の共有と、再発防止の対応を検討した |
| 指針を整備したとき | 策定日・承認者・記載した項目 | ◯月◯日策定。基本的な考え方、通報体制、発生時の対応等を記載 |
| 研修を実施したとき | 日時・参加者氏名・内容・使用資料 | ◯月◯日 虐待防止研修。参加者◯名(名簿添付)。事例をもとに演習を実施 |
| 新規採用者があったとき | 採用日・実施日・内容 | ◯月◯日採用の◯◯へ、◯月◯日に虐待防止の研修を実施 |
| 担当者を定めたとき | 担当者の氏名・職名・定めた日 | ◯月◯日、管理者を担当者として定め、全職員へ周知した |
| 運営規程に定めたとき | 改定日・記載した内容・変更届 | ◯月◯日に運営規程を改定し、虐待の防止のための措置に関する事項を追加。(記入欄)に変更届を提出 |
| 気になる場面があったとき | 日時・状況・対応・報告先 | ◯月◯日、職員の言葉づかいについて申し送りがあり、管理者が面談を実施した |
高齢者虐待防止措置未実施減算|よくある誤りと直し方
| よくある誤り | なぜ問題か | 直し方 |
|---|---|---|
| 研修を実施していない | 実施状況は運営指導で確認される項目です | 年間計画に組み込み、実施の都度記録する |
| 研修は行ったが記録がない | 実施を示せない | 日時・参加者氏名・内容・資料を残す |
| 新規採用時に実施していない | 採用時の実施も求められている | 入職時のチェックリストに組み込む |
| 委員会を開催していない | 要件として示されている項目が未実施の状態 | 定期的な開催を年間計画に入れ、議事録を残す |
| 運営規程に虐待防止の措置が定められていない | 運営指導で確認される項目です | 運営規程を改定し、変更届を提出する。提出の期限は指定権者にご確認ください |
| 担当者を置いていない | 要件として示されている項目が未実施の状態 | 担当者を定め、周知した記録を残す |
他の加算は介護保険の加算・減算まとめ、運営指導で確認される書類は監査対策ナビで確認できます。
4つの措置|何を求められ、整っていないと何が起きるか(4措置×4列)
この減算をめぐる話は、たいてい「書類が足りているか」で終わってしまいます。けれども制度が求めているのは書類そのものではなく、委員会・指針・研修・担当者という4つの仕組みが、事業所の中で実際に回っていることです。ここでは、4つの措置について「何を求められているか」「整っていないと事業所の中で何が起きるか」「貴事業所の状況(記入欄)」「どこへ確認するか」を並べます。様式そのものの書き方は本記事では扱いません。
なお、記載事項・開催の間隔・実施の回数はサービス種別や保険者(指定権者)により取り扱いが異なります。本記事では回数や間隔の数字を記載せず、記入欄としています。貴事業所の指定権者が公表している資料でご確認のうえ、記入欄を埋めてお使いください。
厚生労働省の運営指導マニュアル別添1が「虐待の防止」で見ている4つ
厚生労働省の運営指導マニュアル別添1は、サービスごとの確認項目のなかに「虐待の防止」の欄を置いています。訪問介護の欄を例にとると、確認項目と確認文書は次のように示されています。この4つが、そのまま4つの措置に対応しています。
| 別添1の確認項目(訪問介護の欄) | 別添1に示された確認文書 | 対応する措置 | 貴事業所の状況(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 虐待の発生・再発防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催し、訪問介護員等に周知しているか | 委員会の開催記録 | 委員会 | 直近の開催日: /周知した日: /周知の方法: |
| 虐待の発生・再発防止の指針を整備しているか | 虐待の発生・再発防止の指針 | 指針 | 策定日: /直近の見直し日: /保管場所: |
| 訪問介護員等に対して虐待の発生・再発防止の研修を実施しているか | 研修計画、実施記録 | 研修 | 年間計画の有無:有/無 直近の実施日: |
| 上記の措置を適切に実施するための担当者を設置しているか | 担当者を設置したことが分かる文書 | 担当者 | 担当者名: /定めた日: /周知した日: |
| 運営規程の欄に「虐待の防止のための措置に関する事項」が置かれている | 運営規程 | 4つの措置の土台 | 運営規程への記載:有/無 条項番号: |
| 別添1の注記では、「運営規程」のうち虐待の防止のための措置に関する事項と「虐待の防止」の欄について、令和6年4月1日より適用(令和6年3月31日までは努力義務)と示されている | ― | 適用時期の確認 | 自事業所で体制を整えた日: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
サービス種別によって条項の番号も、周知の相手を指す言葉(訪問介護員等/従業者/介護支援専門員 など)も変わります。貴事業所の種別の欄を、指定権者の資料でご確認ください。
措置ごとの「何を求められ、整っていないと何が起きるか」
「制度上どう扱われるか」ではなく、「整っていないと現場で何が起きるか」で並べます。減算の適用は保険者(指定権者)が判断するものであり、事業所側で結論を出すものではありません。
| 措置 | 求められていること(定めの要旨) | 整っていないと事業所の中で起きること | 貴事業所の状況(記入欄)/確認先 |
|---|---|---|---|
| 委員会 | 虐待の発生またはその再発を防止するための対策を検討する委員会を定期的に開催し、その結果を従業者に周知徹底すること。他の委員会と一体的に運営できる場合があるとされている | 気になった場面が個人の判断で処理され、事業所として共有されない。似た場面が別の職員のところでもう一度起きる。管理者だけが知っていて現場が知らない状態が続く | 開催の間隔: (指定権者の資料で確認)/構成員: /周知の方法: /確認先:指定を受けた保険者(指定権者)の介護保険担当課 |
| 指針 | 虐待の防止のための指針を整備すること。基本的な考え方、委員会に関する事項、研修に関する事項、発生した場合の対応方法、相談・報告体制、成年後見制度の利用支援、苦情解決の方法、閲覧に関する事項などが公表資料で示されている | 「どこへ言えばよいか」が職員ごとに違う答えになる。夜勤帯や休日に判断の拠りどころがない。新しく入った職員が何も参照できない | 策定日: /記載項目の点検日: /閲覧の方法: /確認先:指定権者の集団指導資料 |
| 研修 | 従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。新規採用時の実施についても複数の自治体の資料で言及されている | 言葉かけや対応の基準が職員ごとにばらつく。中途で入った職員が事業所の考え方を知らないまま現場に立つ。研修を受けていない職員だけが判断を背負う形になる | 年間の実施回数: (種別ごとの取り扱いを確認)/新規採用時の実施:有/無/未参加者への伝達方法: /確認先:指定権者の資料 |
| 担当者 | 上記の措置を適切に実施するための担当者を置くこと | 委員会の招集も研修の企画も誰の仕事でもなくなる。年度が替わったところで止まる。異動や退職で引き継がれない | 担当者名: /職名: /定めた日: /代理者: /確認先:指定権者の資料 |
| 運営規程への記載 | 運営規程に虐待の防止のための措置に関する事項を定めること。静岡市の資料では、組織内の体制(責任者の選定、従業者への研修方法や研修計画等)や、虐待または虐待が疑われる事案が発生した場合の対応方法等を指す内容などを定めるよう示されている | 指針と運営規程の内容がずれる。重要事項説明書との間でも食い違う。掲示している内容と実態が合わなくなる | 条項番号: /記載した内容: /変更届の取り扱いの確認先:指定権者 |
| 体制等に関する届出の区分 | 足立区の資料では、必要な措置を講じていないのに「基準型」で届出を行っていた事例が挙げられ、措置を講じていない場合は「減算型」での届出が示されている | 届出の区分と実態が食い違ったまま請求が続く。あとから遡って整理する作業が発生する | 現在の届出区分: /届出日: /確認先:指定権者の届出担当課 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。届出の区分や様式についての具体的な取り扱いは、指定権者の担当課にご確認ください。
4つの措置は「誰が・いつ・どこに置くか」まで決めて初めて回る
措置が止まるのは、たいてい「決めていなかった一点」が原因です。次の表は、4つの措置を回すために先に決めておく項目です。空欄を埋めた紙を1枚、担当者の手元に置いておくだけで、翌年度の立ち上がりが変わります。
| 決めておく項目 | 決めていないと起きること | 貴事業所の決め(記入欄) |
|---|---|---|
| 委員会を招集するのは誰か | 誰も声をかけないまま月が過ぎる | 招集者: /代理: |
| 委員会の次回日程をいつ決めるか | 終わってから次を探すことになり、間隔が空く | 次回日程を決める場面: |
| 委員会に誰が入るか(職種と役職) | 現場の声が入らない検討になる | 構成員: |
| 非常勤・夜勤専従の職員にどう伝えるか | 常勤にしか届かず、現場の半分が知らない | 伝達の方法: /確認の方法: |
| 周知したことをどう残すか | 周知したかどうかを後から説明できない | 残し方: |
| 指針をどこに置くか(紙・共有フォルダ・掲示) | 探せない指針になり、参照されない | 設置場所: |
| 指針を見直す場面をいつにするか | 作った年のまま何年も動かない | 見直しの場面: |
| 指針の閲覧を利用者・家族にどう案内するか | 閲覧に関する定めが形だけになる | 案内の方法: |
| 研修の年間計画を誰がいつ作るか | 年度が始まってから慌てて組むことになる | 作成者: /作成の場面: |
| 研修に出られなかった職員へどう伝えるか | 受けていない職員が残ったまま年度が終わる | 伝達の方法: /記録の残し方: |
| 新しく入った職員へいつ実施するか | 中途で採用した職員が抜ける | 実施の場面: /確認する人: |
| 担当者が不在のときに誰が受けるか | 担当者の休みの日に相談先がなくなる | 代理者: |
| 担当者が替わるときに何を渡すか | 過去の経緯が消える | 引き継ぐもの: |
| 気になったことを受ける窓口はどこか | 言う先が分からず、職員が黙る | 窓口: /連絡方法: |
| 受けた内容をどこに記録するか | 口頭で終わり、何も残らない | 記録の場所: |
| 市町村への相談は誰が行うか | 相談そのものが先延ばしになる | 相談する人: /代理: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
「やっているつもり」で抜ける36か所|なぜ起きるか/どこで気づけるか/先に決めておくこと
この記事でいちばん書きたいのはここです。4つの措置は、まったく手をつけていない事業所より、「やっているつもり」の事業所のほうが多いと考えたほうが実務に合います。委員会は開いた、指針も作った、研修もやった——それでも、あとから見返すと欠けている。欠け方には型があり、型が分かれば先に手が打てます。
以下は36の抜けを、委員会/指針/研修/担当者・体制の4つに分けて並べたものです。それぞれ「なぜ起きるか」「どこで気づけるか」「先に決めておくこと(記入欄)」の3列です。
委員会まわりの抜け(9項目)
| 抜けの形 | なぜ起きるか | どこで気づけるか | 先に決めておくこと(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 委員会を開いたが記録がない | 短時間で終わったので「会議」だと認識されず、書く人が決まっていなかった | 前年度の記録を日付順に並べたとき、間隔が不揃いになっている | 書く人: /書式の置き場: /その場で書き切るか後日か: |
| 他の委員会と合同で開いたが、虐待の議題が残っていない | 感染症や事故防止の議題で時間を使い切り、最後にまとめて1行になった | 議事録に「虐待の防止」という見出しの下の記載が1行しかない | 合同開催のときの議題の順番: /虐待の議題に充てる時間: |
| 開催はしたが結果を職員に周知していない | 「委員会に出た人が持ち帰る」で止まり、伝える方法を決めていなかった | 職員に「先月の委員会で何が話されたか」と聞くと答えが返ってこない | 周知の方法: /周知したことの残し方: /対象者の範囲: |
| 周知はしたが、非常勤・夜勤専従に届いていない | 朝礼や日勤帯の申し送りで伝えており、その場にいない職員がいた | 職員名簿と周知の記録を突き合わせると、名前の載らない人が固まっている | その場にいない職員への伝え方: /確認のしかた: |
| 構成員が管理者と事務職だけになっている | 現場の職員は業務を抜けられず、出られる人だけで開いていた | 議事録の出席者欄に、直接ケアに入る職種の名前がない | 入ってもらう職種: /出られないときの意見の集め方: |
| 議題が「特になし」で終わっている | 話す材料を誰も持ち寄らないまま集まった | 議事録の検討内容の欄が2行以内で終わっている回が続いている | 毎回持ち寄るもの: /材料を集める人: |
| 検討はしたが、次にすることが決まっていない | 話して終わりにする習慣がついている | 議事録に「誰が・いつまでに」の記載がない | 決めごとの書き方: /次回に確認する場面: |
| 前回の決めごとが次回に確認されていない | 毎回ゼロから議題を立てている | 同じ議題が半年後にもう一度出てくる | 冒頭に置く確認事項: /担当: |
| 年度が替わって開催が止まった | 年間の予定を年度をまたいで引いていなかった | 年度はじめから数か月分の記録が空いている | 次年度の日程を決める場面: /決める人: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
指針まわりの抜け(9項目)
| 抜けの形 | なぜ起きるか | どこで気づけるか | 先に決めておくこと(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 指針はあるが職員が読んだことがない | 作成して保管しただけで、読む場面を作っていない | 職員に「指針はどこにありますか」と聞くと場所が出てこない | 読む場面: /置き場所: /新任へ渡す場面: |
| 成年後見制度の利用支援に関する事項が入っていない | 手元のひな形をもとに作った際に、その項が省かれていた | 指針の目次と、公表資料が示す記載項目を突き合わせると空きがある | 目次を突き合わせる場面: /突き合わせる人: |
| 指針の閲覧に関する事項が入っていない | 職員向けの文書として作ったため、利用者・家族への閲覧の定めが漏れた | 重要事項説明書や掲示物に、閲覧の案内が見当たらない | 閲覧の方法: /案内する場面: |
| 相談・報告体制の記載が「管理者に報告する」の一行で終わっている | 実際の流れを書き出さないまま、言葉だけを置いた | 夜間・休日に誰へ連絡するかが指針から読み取れない | 時間帯ごとの連絡先: /管理者本人に関わる場合の連絡先: |
| 発生した場合の対応方法が抽象的で、動きが分からない | 「適切に対応する」で止めてしまった | 指針だけを読んで、最初に何をするかが決まらない | 最初にすること: /確かめること: /相談先: |
| 指針と運営規程の内容がずれている | 片方だけを直したまま、もう片方を直していない | 運営規程の条文と指針の見出しを並べると、言葉が食い違う | 両方を見る場面: /見る人: |
| 作成日はあるが、見直した形跡がない | 見直す場面を決めていない | 指針の最後の日付が数年前のままになっている | 見直す場面: /見直した記録の残し方: |
| 身体的拘束等の適正化の指針と1つにまとめてしまった | 内容が近いので効率を優先した | それぞれの記載項目を確認しようとすると、どちらの定めか分からない | 分けて持つか: /分ける場合の名称: |
| 指針に書いた窓口の担当者名が、現在の職員と違う | 人が替わったときに直す手順がない | 指針の氏名と現在の職員名簿が一致しない | 人が替わったときに直す文書の一覧: /直す人: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
研修まわりの抜け(9項目)
| 抜けの形 | なぜ起きるか | どこで気づけるか | 先に決めておくこと(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 研修はやったが、新しく入った職員が受けていない | 定例の研修だけを想定し、入職のタイミングを見ていなかった | 従業者名簿の採用年月日と、研修の受講記録を突き合わせると空白がある | 入職時に実施する場面: /確認する人: /使う資料: |
| 年度途中に入った職員が抜けている | 年度はじめにまとめて実施する形をとっている | 年度はじめ以外の月に採用された職員の名前が受講記録にない | 随時実施の方法(動画・資料の読み合わせ等): |
| 同じ日に複数のテーマを実施し、区別して記録していない | 時間を節約するためまとめて開き、記録も1枚にした | 記録を見ても、どのテーマに何を扱ったのか読み取れない | テーマごとの記録の分け方: /使用資料の残し方: |
| 参加者の記録が人数だけになっている | 名簿を回さず、その場で数えた | 「誰が受けたか」を後から特定できない | 名簿の様式の置き場: /署名か記名か: |
| 欠席者への伝達が確認できない | 資料を配っただけで、受け取ったことを確かめていない | 欠席者の欄が空欄のまま次の研修に進んでいる | 伝達の方法: /受け取りの確認のしかた: |
| 使用した資料が残っていない | その場でスライドを映しただけで、保存していない | 記録に「資料あり」とあるのに、現物が出てこない | 資料の保存場所: /保存する形式: |
| 内容が制度の説明だけで、現場の場面を扱っていない | 資料をそのまま読み上げる形になっている | 受けた職員から「自分の仕事とどうつながるか」の感想が出てこない | 取り上げる自事業所の場面: /集める人: |
| 研修の年間計画がない | その都度決めており、書き出していない | 年度の途中で「今年はあと何回か」が誰にも分からない | 年間計画を作る場面: /掲示する場所: |
| 種別ごとの実施回数の取り扱いを取り違えている | 他の事業所や別のサービスの話を、そのまま自事業所に当てはめた | 指定権者の資料と自事業所の年間計画を並べると数が合わない | 自事業所の種別で確認した回数: /確認した資料名: /確認日: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
担当者・体制まわりの抜け(9項目)
| 抜けの形 | なぜ起きるか | どこで気づけるか | 先に決めておくこと(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 担当者は決めたが、何をするかが決まっていない | 名前を置くことが目的になっていた | 担当者本人に役割を尋ねると「名前だけです」と返ってくる | 担当者の役割の書き出し: /どこに書くか: |
| 担当者を定めた記録がない | 口頭で決めたまま、文書にしていない | いつから誰が担当しているのかを示す文書が出てこない | 定めたことを残す文書: /保管場所: |
| 担当者が異動・退職して空席になった | 後任を決める手順がない | 組織図や名簿を更新したときに、担当欄だけ古い名前が残っている | 後任を決める場面: /決める人: |
| 担当者が管理者と同じで、相談しにくい | 人数が少なく、兼務にせざるを得なかった | 職員から相談が上がってこない状態が続いている | 管理者以外の受け手: /外部の相談先の案内: |
| 担当者が現場に入っておらず、様子が見えない | 事務を担う職員が担当になっている | 委員会で出てくる話題が、伝聞ばかりになっている | 現場の様子を拾う場面: /同席する場面: |
| 運営規程に虐待の防止のための措置に関する事項がない | 改定の際に、他の項目だけを直した | 運営規程の目次に該当する条項が見当たらない | 条項番号: /点検する場面: /変更届の確認先: |
| 運営規程と重要事項説明書で書きぶりが食い違う | それぞれ別の人が別のタイミングで直した | 2つを並べて読むと、窓口や体制の説明が違う | 両方を並べる場面: /並べる人: |
| 体制等に関する届出の区分が実態と合っていない | 体制を整えた後、届出の見直しをしていない | 届出の控えと、直近の記録の状況を並べると食い違う | 届出の控えの保管場所: /確認の場面: /確認先:指定権者 |
| 掲示している内容が古いままになっている | 掲示物を差し替える担当が決まっていない | 掲示物の日付が、直近の改定より前になっている | 掲示物の担当: /差し替えの場面: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
気になったことが上がる形をつくる|決めごと26件と、そのまま使える案内文24例
4つの措置がすべて整っていても、現場で気になったことが誰にも伝わらないなら、仕組みは動いていません。逆に、気になったことが小さいうちに上がってくる事業所は、委員会にも研修にも話す材料が絶えません。ここで扱うのは「上げられる形」だけです。上がってきた内容が虐待に当たるかどうかを事業所で判断することはしません。判断は市町村が行うものですので、事業所は事実を確かめ、市町村へご相談ください。
「上げられる形」は、次の6つに分けて考えると決めやすくなります。①誰に言えばよいかが分かる ②言った人が不利にならない ③名前を出さずに言える道もある ④小さな違和感でも受け取ってもらえる ⑤口頭で終わらず記録に残る ⑥上がってきたものがその後どうなるかが見える。
26の決めごと|決めていないと何が起きるか/貴事業所の決め
| 決めること | 決めていないと起きること | 貴事業所の決め(記入欄) |
|---|---|---|
| 気になったことを受ける人(第一の窓口) | 職員が誰に言えばよいか分からず、その場で立ち消えになる | 窓口: (職名も記載) |
| 第一の窓口が不在のときに受ける人 | 担当の休みと重なると、翌週まで持ち越される | 代理: |
| 窓口の人が当事者に含まれるときの連絡先 | 本人に言うことになり、誰も言えなくなる | 別の連絡先: |
| 夜間・休日に連絡する先と手段 | 夜勤帯で気づいても翌朝まで動けない | 連絡先: /手段: |
| 言い方の入口(口頭・書面・アプリ・電話のどれでもよいか) | 書面と決めると、書くのが苦手な職員が黙る | 使える手段: |
| 名前を出さずに出せる方法 | 名前を書く欄しかないと、言いたい人が出せない | 方法: /置き場所: |
| 名前を出さずに出されたものをどう扱うか | 「誰が書いたか」の詮索が始まる | 扱い方: /扱う人: |
| 言った人が不利益を受けないことを、どこに書くか | 口で言うだけでは信じてもらえない | 書く文書: /伝える場面: |
| 言った人へ、その後どうなったかを伝えるか | 言っても何も変わらないと思われ、次から来なくなる | 伝える:はい/いいえ 伝え方: |
| 「確かでなくても出してよい」ことの伝え方 | 確信が持てるまで待ってしまい、時期を逃す | 伝える言葉: /伝える場面: |
| 受け取ったことをその場でどう返すか | 受け取ったのかどうかが出した人に見えない | 返し方: (例:受け取った旨をその日のうちに伝える) |
| 受けた内容を記録する場所 | 手帳やメモに散らばり、あとで探せない | 記録の場所: /様式の置き場: |
| 記録に書く欄(日時・場所・見たこと・聞いたこと・伝えた相手) | 感想だけが残り、事実が残らない | 欄の一覧: |
| 記録を見られる人の範囲 | 誰でも見られる場所に置かれ、出した人が特定される | 見られる人: /保管の方法: |
| 上がってきたものを誰がいつ確認するか | 受けたまま止まる | 確認する人: /確認の間隔: |
| 市町村へ相談する場面と相談する人 | 相談の判断が先延ばしになる | 相談する人: /相談先の連絡先の置き場: |
| 市町村の相談窓口の連絡先をどこに貼るか | いざというときに探すところから始まる | 貼る場所: /確認した日: |
| ご本人・ご家族へ何をいつ伝えるか | 説明が後手になり、不信が生まれる | 伝える人: /伝える内容の範囲: |
| 関わった職員への聞き取りを誰が行うか | その場の勢いで詰問になる | 聞き取る人: /同席者: |
| 聞き取りの場所と時間帯 | フロアの片隅で立ち話になり、周囲に聞こえる | 場所: /時間帯: |
| 関わった職員のその後の勤務をどう扱うか | その場の判断がばらつき、後から説明できない | 考え方: /決める人: |
| 委員会へどの形で共有するか | 個人が特定される形で共有され、次から誰も出さない | 共有の形: (例:個人が分かる記載を外して場面として扱う) |
| 共有したあとに何を決めるか | 話して終わりになる | 決めること: /決める人: |
| 職員へのふりかえりをいつ行うか | 時間が経ってから蒸し返される | ふりかえりの場面: |
| 記録の保存期間と保存場所 | 保存の考え方がばらつく | 保存期間: (指定権者の条例等で確認)/場所: |
| 1年に一度、上がってきた件数と傾向を見る場面 | 件数がゼロなのか、上がってこないだけなのかが分からない | 見る場面: /見る人: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
職員へ配る・掲示する案内文(12例)
ここから先は、そのまま使える文です。事業所名・担当者名・連絡先を入れてお使いください。「虐待を見たら報告してください」と書くと、職員は「これは虐待だろうか」と考え込み、結果として出てこなくなります。判断を求めない言い方にすることが要点です。
| 使う場面 | そのまま使える文 |
|---|---|
| 事務室の掲示(基本の案内) | 気になったことは、内容がはっきりしていなくてもかまいません。「こう見えた」「こう聞こえた」のままで結構です。虐待に当たるかどうかを判断していただく必要はありません。判断は市町村が行います。まずは担当者◯◯へお知らせください。 |
| 更衣室の掲示(言いにくさへの配慮) | 言いにくいことほど、あとになるほど言いにくくなります。うまく説明できなくても構いません。「うまく言えないのですが」から始めていただいて大丈夫です。担当者◯◯、または管理者◯◯へお声がけください。 |
| 不利益がないことの明示 | お知らせいただいたことを理由に、勤務や評価で不利に扱うことはありません。お知らせいただいた方のお名前は、事業所の中でも必要な範囲を超えて共有しません。 |
| 名前を出さずに出す方法の案内 | お名前を書かずに出していただけます。事務室前の箱、または担当者◯◯の机上の封筒をお使いください。お名前がなくても、内容は同じように確認します。 |
| 夜勤帯・休日の連絡先 | 夜間・休日に気になることがあったときは、翌朝まで待たずに◯◯(連絡先: )へご連絡ください。連絡がつかない場合は◯◯(連絡先: )へお願いします。 |
| 窓口の人が関係しているとき | 担当者◯◯自身に関わる内容のときは、◯◯(連絡先: )へ直接お知らせください。この場合、担当者◯◯には共有せずに取り扱います。 |
| 非常勤・登録ヘルパー向け | 事業所にいる時間が短い方にも、同じようにお知らせいただく窓口があります。訪問先で気になったことは、その日のうちに◯◯(連絡先: )へお電話ください。折り返しの時間が取れないときは、留守番電話に「お名前とご連絡先だけ」を残していただければ、こちらからかけ直します。 |
| 新しく入った職員向け | まだ事業所のやり方に慣れていない段階で「これは普通のことなのだろうか」と感じることがあると思います。その感覚が、いちばん早い気づきになります。慣れる前にお知らせください。 |
| 自分の対応が気になったとき | ご自身の対応について気になったことも、同じ窓口でお受けします。お知らせいただいたことを理由に、それだけで不利に扱うことはありません。一緒に、どうすれば次に同じことが起きないかを考えます。 |
| 受け取ったことを返す文 | ◯月◯日にお知らせいただいた件、確かに受け取りました。内容の確認を進めます。確認の結果としてお伝えできることは、◯月◯日ごろにあらためてお伝えします。 |
| その後を伝える文 | 先日お知らせいただいた件について、状況の確認と、関係する職員への聞き取りを行いました。事業所として決めたことは、次の申し送りで全員に共有します。お知らせいただいたことが、決めごとにつながりました。 |
| 件数がゼロだったときの投げかけ | この半年、窓口へのお知らせがありませんでした。何もなかったのか、言いにくい形になっているのか、どちらなのかを知りたいと思っています。窓口の場所や出し方について、気づいたことがあればお聞かせください。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
利用者・ご家族・実習生・地域へ向けた案内文(12例)
| 使う場面 | そのまま使える文 |
|---|---|
| 重要事項の説明の場で(口頭) | 当事業所では、虐待の防止のための指針を定めています。ご希望があればいつでもご覧いただけます。ご利用の中で気になることがありましたら、担当者◯◯までお知らせください。 |
| 指針の閲覧の案内(掲示) | 虐待の防止のための指針は、事務室に備え置いています。ご利用者・ご家族の方はどなたでもご覧いただけます。お声がけいただければお渡しします。 |
| ご家族向けの案内(書面) | ご自宅での介護のなかで、ご家族の方が「これでよいのだろうか」と感じられることがあるかもしれません。そうしたご相談も、担当者◯◯でお受けします。お住まいの市町村の窓口へ直接ご相談いただくこともできます。 |
| ご本人へ(サービス開始時) | 職員の言葉づかいや接し方で気になることがありましたら、遠慮なくおっしゃってください。おっしゃったことでサービスの内容が変わることはありません。 |
| ご本人へ(言葉にしにくい場合) | その場で言いにくいときは、あとからでも構いません。ご家族を通していただいても、市町村の窓口へ直接お話しいただいても構いません。 |
| 面会に来られたご家族へ | 面会の際にお気づきになったことがあれば、どんな小さなことでもお聞かせください。「気のせいかもしれない」という段階のお話がいちばん助かります。 |
| 苦情の窓口との関係の説明 | 苦情のお申し出と、虐待の防止に関するご相談は、どちらも同じ窓口でお受けします。どちらに当たるかをお考えいただく必要はありません。 |
| 市町村の窓口の案内(掲示) | お住まいの市町村にも、高齢者虐待に関する相談の窓口があります。事業所を通さずに直接ご相談いただけます。窓口の名称と連絡先: (自治体の公表資料でご確認のうえ記入してください) |
| 実習生・ボランティアへ | 外から来られた方の「あれ」と思う感覚は、日々の中にいる私たちには見えにくいものです。気づいたことがあれば、実習の期間中でも終わってからでも、◯◯へお聞かせください。 |
| 他の事業所の担当者へ(居宅の介護支援専門員など) | 訪問の際に気になることがございましたら、担当者◯◯へご一報ください。当事業所内での確認と、市町村へのご相談を含めて対応します。 |
| 受診先・協力医療機関へ | 受診時にお気づきの点がありましたら、事業所の担当者◯◯へお知らせいただけますと助かります。連絡先: |
| ご家族からご相談を受けたときの返し | お話しくださりありがとうございます。まず、いつ、どこで、どのようなことがあったかをお伺いします。当事業所で結論を出すのではなく、確認した内容を市町村へご相談する流れになります。その際、お名前をどこまでお伝えしてよいかも、あわせてお伺いします。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
上がってきたあとの流れ|判断せず、事実を確かめ、市町村へ相談する(完成文32例)
気になったことが上がってきたとき、事業所の中で結論を出そうとすると、必ず時間がかかります。そして時間がかかるほど、事実は薄れます。事業所がすることは、判断ではなく、事実を確かめて記録すること、そして市町村へ相談することです。この順番を先に決めておくと、当日に迷いません。
流れの8ステップ|誰が・何を・どこに残すか
| 順番 | すること | 誰が | 残すもの/記入欄 |
|---|---|---|---|
| 1 | ご本人の様子を確かめ、けがや痛みの有無、その場の安全を確認する | その場にいた職員 | 時刻・場所・確認した内容/担当: |
| 2 | 受けた内容を、聞いたそのままの言葉で書き留める | 窓口の担当者 | 受付の記録(日時・受けた人・出した人・内容)/様式の置き場: |
| 3 | いつ・どこで・誰が・何を、の事実だけを確かめる | 担当者と管理者 | 確認の記録(確かめた事実と、確かめられなかったこと)/担当: |
| 4 | ご本人の身体の状態を確認し、必要に応じて受診につなげる | 看護職または管理者 | 観察の記録・受診の記録/担当: |
| 5 | 市町村の窓口へ電話し、状況を伝えて対応を相談する | あらかじめ決めた人 | 相談の記録(日時・相手方の部署・伝えた内容・受けた助言)/担当: |
| 6 | ご家族へ、確認できている事実と、市町村へ相談した事実を伝える | 管理者 | 説明の記録(日時・相手・伝えた内容・受けた質問)/担当: |
| 7 | 関わった職員から、責めない形で聞き取りを行う | 管理者と担当者 | 聞き取りの記録(日時・場所・同席者・話された内容)/担当: |
| 8 | 委員会で場面として共有し、次にすることを決める | 委員会 | 議事録(検討内容・決めたこと・担当・期限)/担当: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
この8つのどこにも「虐待かどうかを決める」という段はありません。事業所の記録に残すのは、見た事実と、その時刻と、伝えた相手と、伝えた時刻です。
受けたとき・確かめたときの完成文(16例)
| 場面 | そのまま使える完成文 |
|---|---|
| 職員から口頭で受けたとき | 9月4日16時10分、介護職員Bより口頭で申し出を受けた。内容は「14時20分ごろ、301号室から利用者Aさんの『やめて』という声が聞こえた。居室に入ったところ、介護職員Cが臥床中のAさんの右前腕を両手で押さえていた」というもの。担当者Dが聞き取り、Bの言葉のまま記載した。 |
| 名前を出さない形で受けたとき | 9月5日9時00分、事務室前の投函箱に記名のない用紙1枚があった。記載内容は「入浴の順番待ちのとき、職員が利用者の肩を強く押して椅子に座らせていた。日付ははっきりしないが先週のうち」というもの。担当者Dが用紙をそのまま保管し、写しを確認の記録に添付した。出した人の特定は行っていない。 |
| 家族から受けたとき | 9月6日13時40分、利用者Eさんの長女より電話。「先週の面会のとき、母の左腕に内出血があった。母は『ぶつけたのかな』と話していたが、気になっている」との内容。管理者Fが対応し、確認して折り返す旨を伝え、13時55分に通話を終えた。 |
| ご本人から聞いたとき | 9月7日10時15分、利用者Gさんより「夜、呼んでも来てくれないことがある。前に一度、大きな声で怒られた」との話があった。介護職員Hが聞き取り、Gさんの言葉のまま記載した。いつのことかを尋ねたところ「最近ではない。夏の暑いころ」との返答であった。 |
| 訪問先で気づいたとき(訪問系) | 9月8日11時05分、利用者Iさん宅を訪問。前回訪問時(9月4日)にはなかった右頬の腫れを確認した。Iさんに尋ねたところ「転んだ」との返答。同居のご家族は不在であった。11時40分、訪問介護員Jより事業所へ電話で報告した。 |
| けが・痛みの確認 | 9月4日16時30分、看護職員Kが利用者Aさんの右前腕を確認した。内側に長さ約3センチの赤みが2か所あり、押すと「痛い」との訴えがあった。皮膚の破れはなかった。16時40分、部位と大きさを記録し、Aさんに「痛みが強くなったら教えてください」と伝えた。 |
| 受診につなげたとき | 9月4日17時20分、協力医療機関へ電話し、状況を伝えた。18時00分、看護職員Kが同行して受診した。18時50分、医師より「経過を見る」との説明を受け、内容を記録した。19時10分、ご家族へ受診したことと医師の説明を電話で伝えた。 |
| 確かめられたことと、確かめられなかったこと | 9月5日、確認できたこと:9月4日14時20分ごろ、介護職員Cが利用者Aさんの右前腕に手を当てていたこと。同時刻に居室にいたのはCとAさんの2名であったこと。確認できなかったこと:手を当てていた時間の長さ、そのときの会話の内容。以上を担当者Dが記載した。 |
| 時間の経過が分からないとき | 申し出のあった出来事の日時は特定できなかった。申し出た方の記憶では「先週のうち」とのことであった。勤務表と入浴の記録を確認したが、該当しそうな日が複数あり、1日に絞ることはできなかった。以上を記載したうえで、日付を特定しないまま確認を進めた。 |
| 周囲の職員に尋ねたとき | 9月5日15時00分から15時25分、面談室にて、当日同じフロアで勤務していた介護職員L・Mへ、担当者Dが個別に話を聞いた。Lからは「声は聞いていない」、Mからは「その時間は他の居室にいた」との話があった。両名に、他の職員へ内容を話さないようお願いした。 |
| 記録どうしを突き合わせたとき | 9月5日、9月4日の勤務表、介護記録、ナースコールの記録を突き合わせた。14時18分にAさんの居室からナースコールがあり、14時21分に対応済みとなっていた。対応者の記載はなかった。以上を記録した。 |
| 写真を撮らずに記録したとき | ご本人の同意が得られなかったため、撮影は行っていない。部位(右前腕内側)、大きさ(長さ約3センチ)、色(赤み)、数(2か所)を文字で記録し、身体図に印を付けた。 |
| ご本人の同意を確認したとき | 9月4日16時45分、利用者Aさんに「今日のことを、市の窓口に相談させていただきたい」と伝えた。Aさんより「お願いします」との返答があった。あわせて、ご家族へお伝えしてよいかを尋ね、「伝えてよい」との返答を得た。 |
| ご本人が話したがらないとき | 9月7日、利用者Gさんに詳しくお尋ねしたところ「もういい」との返答であった。それ以上は尋ねず、「気が向いたときで構いません」と伝えた。話されたことはそのまま記録し、無理に確かめることはしていない。 |
| 安全を確保したとき | 9月4日16時50分、管理者Fの判断で、当日の残りの時間、利用者Aさんの居室対応を介護職員Nが担当する体制に変更した。変更の理由と時刻を勤務の記録に残した。 |
| その日のうちに担当者へ引き継いだとき | 9月4日19時30分、日勤の担当者Dから夜勤の介護職員Oへ、本日の申し出と確認の状況、夜間にご本人の様子で気づいたことがあれば時刻とともに記録すること、を口頭と申し送りノートで引き継いだ。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
市町村への相談・ご家族への説明・職員への対応の完成文(16例)
| 場面 | そのまま使える完成文 |
|---|---|
| 市町村へ電話するときの切り出し | 「◯◯事業所の管理者Fと申します。当事業所の利用者について、職員から申し出があり、確認した内容をご相談したくお電話しました。虐待に当たるかどうかは当事業所では判断しておりません。確認できた事実をお伝えしますので、今後の進め方をご教示いただけますでしょうか。」 |
| 市町村へ伝える内容の並べ方 | 「お伝えする順番は、①いつ ②どこで ③誰が何をしていたのを誰が見たか ④ご本人の様子と身体の状態 ⑤当事業所がこれまでに行ったこと ⑥ご本人・ご家族へお伝えした内容、の6点です。ご不明な点があれば都度お尋ねください。」 |
| 相談した記録 | 9月4日17時05分、◯◯市の高齢者虐待に関する相談窓口へ電話した。管理者Fが対応し、9月4日14時20分ごろの状況、看護職員Kが確認したご本人の身体の状態、ご本人・ご家族への説明状況を伝えた。17時25分、担当の方より今後の進め方について助言を受け、内容を記録した。 |
| 相談の窓口が分からなかったとき | 9月4日16時55分、◯◯市の代表番号へ電話し、高齢者虐待に関する相談の窓口を尋ねた。◯◯課へおつなぎいただき、17時05分から相談を行った。以後の連絡先として直通の番号を確認し、事務室の連絡先一覧に追記した。 |
| 相談したあとの確認 | 9月11日10時00分、◯◯市の担当の方へ電話し、その後の状況をお伝えした。9月5日以降のご本人の様子、9月8日の委員会で決めた内容を伝え、追加でお伝えすべきことがないかを確認した。 |
| ご家族へ最初に伝えるとき | 「本日、当事業所の職員から、お母さまへの対応について気になる申し出がありました。現在、事実の確認を進めています。あわせて、◯◯市の窓口へご相談しています。今の時点で分かっていることを、そのままお伝えします。」 |
| ご家族へ、まだ分からないことを伝えるとき | 「はっきりしていないことを、はっきりしているように申し上げるわけにはまいりません。今分かっているのは◯◯までで、◯◯については確認できていません。分かり次第、あらためてご連絡します。次のご連絡は◯月◯日ごろを予定しています。」 |
| ご家族から強く問われたとき | 「ご心配をおかけしております。どのような扱いになるのかは、◯◯市のご判断になります。当事業所としては、確認した事実をすべてお伝えし、ご指示に従って対応いたします。お母さまの現在の様子については、毎日ご報告します。」 |
| ご家族へ、その後を伝えるとき | 9月12日14時00分、利用者Aさんの長男へ電話し、9月4日以降のご本人の様子、9月8日の委員会で決めた対応、◯◯市へ継続してご相談していることをお伝えした。ご質問はなく、「引き続きよろしく」との返答であった。 |
| 関わった職員へ話を聞くときの切り出し | 「9月4日の14時20分ごろのことについて、お聞かせいただきたいことがあります。責めるためにお聞きするのではありません。何があったのかを、時刻に沿って教えてください。覚えていないところは、覚えていないとおっしゃってください。」 |
| 聞き取りの記録 | 9月5日13時00分から13時40分、面談室にて、管理者Fと担当者Dが介護職員Cから話を聞いた。Cからは「Aさんが起き上がろうとして転びそうになったので、腕を支えた。強く押さえた自覚はない」との話があった。話された内容をそのまま記載し、内容に相違がないかをCに確認したうえで署名を得た。 |
| 職員の背景を聞いたとき | あわせて、当日の勤務状況を確認した。介護職員Cは9月2日から4日まで連続の勤務で、9月4日は日勤帯に欠員が1名あった。Cからは「一人で見る時間が長く、余裕がなかった」との話があった。以上を記録し、勤務の組み方について委員会で扱うこととした。 |
| 職員へ勤務の変更を伝えるとき | 「確認が済むまでの間、担当のフロアを◯◯へ変更させていただきます。処分ではありません。ご本人と、あなた自身のためのお願いです。期間は確認の状況によりますが、◯月◯日ごろに一度お話しさせてください。」 |
| 申し出た職員へ返すとき | 「9月4日にお知らせいただいた件、確認を進めています。お知らせいただいたことで、確認が早く進みました。お名前は必要な範囲を超えて共有していません。今後、勤務や評価に影響することはありません。」 |
| 委員会で場面として共有するとき | 9月8日の委員会で、9月4日の事案を、個人が特定される記載を外した場面として共有した。検討の結果、①日勤帯に一人で見る時間が長くなる時間帯の把握 ②起き上がり時の支え方について次回研修で扱うこと ③欠員が生じたときの応援の出し方、の3点を決めた。担当と期限を議事録に記載した。 |
| ふりかえりを行ったとき | 9月22日15時00分から15時30分、面談室にて、管理者Fが介護職員Cとふりかえりを行った。9月8日の委員会で決めた3点を伝え、Cから「支え方を教えてもらえて助かった」との話があった。次回のふりかえりを◯月◯日に予定した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
上の32例には、「虐待と判断した」「虐待には当たらないと判断した」という文が一つもありません。事業所が書くのは、見た事実と、時刻と、伝えた相手です。判断は市町村が行いますので、迷ったときは市町村の窓口へご相談ください。
1年の回し方|記入欄つきカレンダーと、担当者が替わるときに渡すもの
4つの措置が止まる時期には偏りがあります。いちばん多いのは年度の変わり目です。前年度の担当者が動いていた仕事が、新年度の誰の予定表にも載っていない。もうひとつは、担当者が異動・退職したときです。どちらも「人に付いていた仕事」が「日付に付いていなかった」ために起きます。
下のカレンダーは、月や回数の数字をあえて書いていません。回数と間隔は種別と指定権者によって取り扱いが異なるためです。指定権者の資料で確認したうえで、左端に月を書き込んでお使いください。
年間カレンダー(記入欄つき・12コマ)
| 実施月(記入欄) | この回でやること | 担当(記入欄) | 残すもの/確認すること |
|---|---|---|---|
| 月 | 年度はじめ:担当者を定め直し、定めたことを文書にして周知する | 担当者を定めた文書、周知の記録。前年度からの変更点を1行で書き添える | |
| 月 | 年度はじめ:研修の年間計画を作り、掲示する | 年間計画。自事業所の種別で必要とされる回数を、指定権者の資料で確認した日を余白に記入 | |
| 月 | 年度はじめ:委員会の年間日程を決め、次年度分まで仮置きする | 日程表。会議室の予約まで済ませる | |
| 月 | 指針の記載項目を目次で点検する(成年後見制度の利用支援、閲覧に関する事項を含む) | 点検した日と点検者。直した箇所の一覧 | |
| 月 | 運営規程・重要事項説明書・掲示物の記載を、指針と突き合わせる | 突き合わせた記録。差異があった箇所と直した日 | |
| 月 | 委員会:この間に上がってきた件を、個人が特定されない形で共有する | 議事録(検討内容・決めたこと・担当・期限) | |
| 月 | 研修:自事業所で実際にあった場面を教材にする | 実施記録、参加者名簿、使用資料。欠席者への伝達の記録 | |
| 月 | 窓口の点検:この半年で何件上がってきたか、上がってこない理由がないかを職員に聞く | 件数、聞き取った内容、直したこと | |
| 月 | 委員会:勤務の組み方・人員の偏りを議題にする | 議事録。特定の職員に負担が寄っていないかを確認した記録 | |
| 月 | 研修:新しく入った職員の受講状況を名簿で突き合わせる | 従業者名簿(採用年月日)と受講記録の突き合わせ結果 | |
| 月 | 年度末:1年分の記録を並べ、間隔と抜けを見る | 委員会・研修・周知・相談の記録の一覧。空いている期間の理由 | |
| 月 | 年度末:次年度の担当者・日程・年間計画を決めて引き継ぐ | 引き継ぎの記録。次年度の日程表と年間計画 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
担当者が替わるときに渡すもの(12項目)
担当者の交代は、この仕組みがいちばん壊れやすい場面です。渡すものを先に一覧にしておくと、引き継ぎが「口頭で15分」から「紙1枚と現物」に変わります。
| 渡すもの | 渡さないと起きること | 置き場所(記入欄) | 渡した日(記入欄) |
|---|---|---|---|
| 虐待の防止のための指針の現物と、直近の見直し履歴 | いつ何を直したのかが分からなくなり、次の見直しで同じ検討を繰り返す | ||
| 委員会の議事録一式(年度ごとにまとめたもの) | 前任の検討が消え、同じ議題を最初から立て直すことになる | ||
| 委員会の年間日程と、構成員の一覧 | 誰に声をかければよいか分からず、開催が遅れる | ||
| 研修の年間計画と、過去の実施記録・参加者名簿 | 誰が受けていないかが分からなくなる | ||
| 研修で使った資料の現物または保存先 | 毎回ゼロから資料を作ることになる | ||
| 担当者を定めた文書(前任分)と、新しく定めた文書 | いつから誰が担当だったかを示せない | ||
| 気になったことを受ける窓口の運用(受け方・記録の場所・見られる人の範囲) | 窓口の扱いが変わり、出した人が不安になる | ||
| 過去に上がってきた件の記録と、そのときの決めごと | 決めたことが引き継がれず、元に戻る | ||
| 市町村の相談窓口の連絡先と、直近に相談したときの経過 | 相談の途中経過が切れる | ||
| 運営規程・重要事項説明書のうち、虐待の防止に関わる条項の写し | 規程と実際の運用がずれていることに気づけない | ||
| 体制等に関する届出の控え | 届出の区分と実態の食い違いに気づけない | ||
| 指定権者の集団指導資料のうち、直近のもの | 回数や様式の取り扱いを、古い理解のまま引き継ぐ |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
管理者の点検表36項目|形だけになっていないかを、自分で確かめる
ここは、管理者がひとりで、誰にも聞かずに確かめられる項目だけを集めています。「書類があるか」ではなく「読んで意味が通るか」「現場に届いているか」で見るのがこの表の性格です。左から順に見ていって、「いいえ」が付いたところが、次の委員会の議題になります。
書類そのものを見る18項目
| 見るところ | 確かめ方 | はい/いいえ(記入欄) |
|---|---|---|
| 指針の現物が、探さずに出てくるか | 思い立ってから1分以内に手に取れるか試す | |
| 指針の目次に、公表資料が示す記載項目がすべて並んでいるか | 目次と、指定権者の資料の項目一覧を横に置いて突き合わせる | |
| 指針に、成年後見制度の利用支援に関する事項があるか | 目次で該当する見出しを探す | |
| 指針に、利用者等に対する閲覧に関する事項があるか | 目次で該当する見出しを探す | |
| 指針の相談・報告体制に、夜間・休日の連絡先が書いてあるか | その条を読み、夜勤者の立場で動けるか確かめる | |
| 指針に、窓口の担当者が関係する場合の別の連絡先があるか | その条を読む | |
| 指針の作成日と直近の見直し日が両方入っているか | 表紙または末尾を見る | |
| 身体的拘束等の適正化の指針と、別の文書として存在しているか | 2つのファイルを並べる | |
| 委員会の議事録が、年度ごとにひとまとめになっているか | ファイルを開いて日付順に並べる | |
| 議事録の日付の間隔が、極端に空いている期間がないか | 日付だけを紙に書き出して並べる | |
| 議事録に出席者の職種が書いてあるか | 直近3回分を見る | |
| 議事録に「決めたこと・担当・期限」の欄があるか | 直近3回分を見る | |
| 合同開催の回で、虐待の議題の記載が独立しているか | 合同開催の回を抜き出して読む | |
| 研修の年間計画が、紙またはデータで存在するか | 担当者に見せてもらう | |
| 研修の実施記録に、参加者の氏名が入っているか | 直近3回分を見る | |
| 研修の実施記録に、使用した資料の名称が入っているか | 直近3回分を見る | |
| 担当者を定めた文書に、日付と職名が入っているか | 現物を見る | |
| 運営規程に、虐待の防止のための措置に関する事項の条項があるか | 目次と条文を見る |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
現場に届いているかを見る18項目
| 見るところ | 確かめ方 | はい/いいえ(記入欄) |
|---|---|---|
| 職員が、気になったことを言う先を答えられるか | 3人に別々に「気になることがあったら誰に言いますか」と尋ねる | |
| 非常勤の職員も同じ答えを返すか | 非常勤の職員2人に同じ質問をする | |
| 夜勤帯の職員が、夜間の連絡先を答えられるか | 夜勤に入る職員に尋ねる | |
| 職員が、指針の置き場所を答えられるか | 3人に尋ねる | |
| 直近の委員会で何が話されたかを、出席していない職員が答えられるか | 2人に尋ねる | |
| 周知の記録に、非常勤・夜勤専従の名前が入っているか | 職員名簿と周知の記録を突き合わせる | |
| この半年で採用した職員全員が、研修を受けているか | 従業者名簿の採用年月日と受講記録を突き合わせる | |
| 研修を欠席した職員への伝達が、記録で確認できるか | 直近の実施記録の欠席者欄を見る | |
| この1年で、窓口に上がってきた件数を言えるか | 記録の場所を開いて数える | |
| 件数がゼロの場合、その理由を職員に尋ねたか | 尋ねた記録を探す | |
| 上がってきた件が、その後どうなったかを記録で追えるか | 1件を選び、受付から決めごとまでを追う | |
| 出した職員へ、その後を伝えた記録があるか | 同じ1件で確かめる | |
| 名前を出さずに出す方法が、実際に使える状態にあるか | 投函箱や封筒の現物を見る。中を見る人が決まっているか確かめる | |
| 市町村の相談窓口の連絡先が、事務室から見える場所にあるか | 掲示または連絡先一覧を見る | |
| その連絡先が現在も有効か | 自治体の公表資料で確認し、確認した日を書き添える | |
| 利用者・家族に、指針を閲覧できることを伝えているか | 重要事項の説明の記録または掲示を見る | |
| 特定の職員に、困難な場面が偏っていないか | 直近1か月の勤務表と記録を見る | |
| 欠員が出たときの応援の出し方が決まっているか | 決めごとの文書を探す。無ければ次の委員会の議題にする |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
避けたい書き方と言い換え32組|「実施した」で終わっている記録を直す
委員会の記録、研修の記録、相談の記録は、放っておくと「実施した」の一行に収束します。実施したことは分かりますが、何を検討し、何を決め、誰に届いたのかは分かりません。以下は、そのまま差し替えられる形で並べたものです。左の列は書いてはいけない例としての引用ですので、そのまま使わないでください。
委員会・研修の記録の言い換え(16組)
| 避けたい書き方(引用) | 言い換えた完成文 |
|---|---|
| 「虐待防止委員会を開催した。」 | 虐待の防止のための対策を検討する委員会を開催した。出席者は管理者、介護職員2名、看護職員1名、生活相談員1名。前回の決めごと(起き上がり時の支え方の共有)の実施状況を確認したうえで、今回は入浴の順番待ちの時間帯について検討した。 |
| 「特に問題なし。」 | この期間に窓口へ上がってきた件はなかった。あわせて、上がってこない理由がないかを職員5名に個別に尋ねた。「言う先は分かっている」「言いにくさは感じていない」との返答であった。尋ねた日と対象者を別紙に記載した。 |
| 「職員に周知した。」 | 検討結果を、9月10日の朝礼で日勤者へ口頭で伝え、同日中に申し送りノートへ記載した。夜勤者へは9月10日から9月13日の各勤務開始時に口頭で伝えた。非常勤7名へは9月12日までに個別に手渡しで資料を配り、受け取りの署名を得た。 |
| 「一体的に開催した。」 | 身体的拘束等の適正化を検討する委員会と同一の機会に開催した。前半で身体的拘束等の適正化について検討し、後半で虐待の防止について検討した。それぞれの検討内容を項目を分けて記載している。 |
| 「事例を検討した。」 | 9月4日に窓口へ上がってきた場面(居室内での起き上がりの介助)について、個人が特定される記載を外したうえで検討した。同様の場面が起きやすい時間帯として、日勤帯の14時から15時に人員が薄くなることが挙げられた。 |
| 「今後気をつけることとした。」 | 次回までに行うこととして、①14時から15時の人員配置を1週間分記録すること(担当:主任、期限:9月20日)②起き上がりの支え方を次回研修で扱うこと(担当:担当者、期限:次回研修)の2点を決めた。 |
| 「委員会の記録は別紙のとおり。」 | 本紙に、開催日時、出席者の氏名と職種、検討した議題、検討の内容、決めたこと、担当、期限、周知の方法と日付を記載している。別紙には配付資料を綴じている。 |
| 「虐待防止研修を実施した。」 | 虐待の防止のための研修を実施した。内容は、①指針の第4条から第6条の読み合わせ ②自事業所で上がってきた場面2件(個人が特定される記載を外したもの)の検討 ③気になったことを窓口へ出す手順の確認。使用資料は「虐待の防止のための指針」および当日配付の事例資料。 |
| 「参加者12名。」 | 参加者12名(別紙名簿のとおり、氏名と職種を記載)。欠席3名。欠席者へは9月18日までに資料を手渡し、内容を口頭で伝え、受け取りの署名を得た。 |
| 「新採用者に研修を実施した。」 | 9月1日採用の介護職員Pに対し、9月2日13時から14時、指針の読み合わせと窓口の案内を行った。実施者は担当者D。Pより「どこに言えばよいかが分かった」との感想があった。 |
| 「感染症研修とあわせて実施した。」 | 同日に感染症の予防及びまん延の防止に関する研修と続けて実施した。前半(13時から14時)を感染症、後半(14時10分から15時10分)を虐待の防止とし、それぞれの内容・使用資料・時間帯を分けて記載している。 |
| 「資料を配付した。」 | 配付資料は「虐待の防止のための指針(抜粋)」および「気になったことの伝え方(1枚)」の2点。配付部数15部。残部は事務室の研修ファイルに保管している。 |
| 「理解が深まった。」 | 研修の終わりに、参加者へ「明日から変えることを1つ」を書いてもらった。記載された内容は、声かけの前に名前を呼ぶ、急かす言葉を言い換える、待っていただく際に見通しを伝える、など。原本は研修ファイルに綴じている。 |
| 「年間計画に基づき実施した。」 | 年間計画(◯年◯月◯日作成)に記載した回のうち、第2回として実施した。計画に対する実施状況は、計画表の該当欄に実施日を記入して管理している。 |
| 「今後も継続していく。」 | 次回の研修は◯月に予定している。今回参加できなかった3名は次回の対象に含める。年度末に、名簿と実施記録を突き合わせて受講状況を確認する。 |
| 「担当者を選任した。」 | ◯年◯月◯日付で、生活相談員◯◯を虐待の防止に関する措置を適切に実施するための担当者として定めた。役割は、委員会の招集、研修の企画と記録、窓口として上がってきた内容の受付と記録、市町村への相談。不在時の代理は主任◯◯。全職員へ◯月◯日の朝礼と書面で周知した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
相談・確認の記録の言い換え(16組)
| 避けたい書き方(引用) | 言い換えた完成文 |
|---|---|
| 「職員から報告あり。対応済み。」 | 9月4日16時10分、介護職員Bより口頭で申し出を受けた。内容は「14時20分ごろ、301号室からAさんの『やめて』という声が聞こえ、居室に入ったところ介護職員CがAさんの右前腕を両手で押さえていた」。受けたのは担当者D。同日16時30分に看護職員Kが身体の状態を確認し、17時05分に市の窓口へ相談した。 |
| 「虐待の事実はなかった。」 | 確認できた事実は、9月4日14時20分ごろ、介護職員CがAさんの右前腕に手を当てていたこと。確認できなかった事実は、手を当てていた時間の長さと、そのときの会話の内容。取り扱いについては市の窓口へ相談し、助言を受けている。 |
| 「虐待であったと事業所で判断した。」 | 当事業所では、虐待に当たるかどうかの判断を行っていない。確認できた事実と、確認できなかった事実を整理し、9月4日17時05分に市の窓口へ相談した。今後の進め方は、市の窓口の助言に沿って対応する。 |
| 「通報義務があるため通報した。」 | 9月4日17時05分、◯◯市の高齢者虐待に関する相談窓口へ電話し、確認できた事実をお伝えして、今後の進め方についてご相談した。担当の方より助言を受け、内容を記録した。 |
| 「本人に確認したが記憶がなかった。」 | 9月4日16時35分、Aさんへ「今日の午後、腕のことで何かありましたか」と尋ねた。Aさんより「よく覚えていない」との返答。それ以上は尋ねず、返答をそのまま記載した。あわせて、痛みの有無を尋ね「今は痛くない」との返答を得た。 |
| 「家族に説明し、了解を得た。」 | 9月4日18時20分、長男へ電話し、①職員からの申し出があったこと ②確認できている事実 ③まだ確認できていないこと ④市の窓口へ相談していること、の4点をお伝えした。長男より「経過を教えてほしい」とのご要望があり、週1回のご報告を約束した。 |
| 「本人にけがはなかった。」 | 9月4日16時30分、看護職員Kが右前腕を確認した。内側に長さ約3センチの赤みが2か所。皮膚の破れはなし。押すと「痛い」との訴えあり。身体図に部位を記入し、9月5日・9月6日に同じ部位を再確認した記録を残している。 |
| 「職員に注意した。」 | 9月5日13時00分から13時40分、面談室にて、管理者Fと担当者Dが介護職員Cから話を聞いた。Cの説明をそのまま記載し、内容に相違がないことをCに確認して署名を得た。あわせて当日の勤務状況(連続勤務、日勤帯の欠員1名)を記録した。 |
| 「今後、二度と同じことは起こしません。」 | 同じ場面が起きやすい条件として、日勤帯14時から15時の人員配置と、起き上がりの介助方法の2点を挙げた。それぞれについて、1週間の記録を取ること(担当:主任、期限:9月20日)と、次回研修で扱うこと(担当:担当者)を決めた。 |
| 「再発防止に努める。」 | 再発を防ぐために決めたことは3点。①14時から15時に応援を出す手順を作る(担当:管理者、期限:9月30日)②起き上がりの支え方を次回研修で扱う(担当:担当者)③1か月後の委員会で①②の実施状況を確認する(担当:委員会)。 |
| 「匿名の投書があったが対応不能。」 | 9月5日9時00分、投函箱に記名のない用紙1枚を確認した。日付が特定できなかったため、勤務表と入浴の記録から該当しそうな日を複数抽出し、その日に入浴を担当した職員へ、個別に一般的な形で状況を尋ねた。出した人の特定は行っていない。以上を記録した。 |
| 「様子を見ることとした。」 | Aさんの右前腕について、9月5日から9月11日まで毎日同じ時間帯に状態を確認し、記録することとした(担当:日勤の看護職員)。変化があった場合は、その日のうちに管理者へ報告する。9月11日に市の窓口へ経過をお伝えする。 |
| 「関係職員から聞き取りを行った。」 | 9月5日15時00分から15時25分、面談室にて、当日同じフロアに勤務していた介護職員L・Mから、担当者Dが個別に話を聞いた。Lは「声は聞いていない」、Mは「その時間は他の居室にいた」との内容。両名に、他の職員へ内容を話さないようお願いした。 |
| 「委員会に報告した。」 | 9月8日の委員会で、9月4日の場面について、個人が特定される記載を外して共有した。検討の結果、3点を決め、担当と期限を議事録に記載した。決めごとの実施状況は、10月の委員会の冒頭で確認する。 |
| 「申出者に配慮した。」 | 申し出た介護職員Bの氏名は、管理者Fと担当者Dの2名のみが把握しており、記録の保管はDの施錠できる書庫としている。9月5日、Bへ「お知らせいただいたことで確認が早く進んだこと」「勤務や評価に影響しないこと」を口頭で伝えた。 |
| 「市に報告済み。」 | 9月4日17時05分、◯◯市◯◯課へ電話(対応:管理者F)。伝えた内容は、日時、場所、見た職員と見た内容、ご本人の身体の状態、ご本人・ご家族への説明状況。17時25分に助言を受け、内容を記録した。9月11日10時00分に経過をお伝えし、追加でお伝えすべき事項がないことを確認した。 |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
自治体が公表している指摘から、この記事の項目を見直す(11件)
下の表は、各自治体が公表している集団指導資料・指導監査の結果から、虐待の防止に関わる記載を当社が整理したものです。減算の適用に関する判断や、回数・間隔の取り扱いは資料により異なりますので、貴事業所の指定権者の資料でご確認ください。
| 公表されている指摘 | 公表元 | 自事業所で見るところ(記入欄) |
|---|---|---|
| 虐待の防止のための指針が作成されておらず、委員会と研修が定期的に実施されていない事例が公表されている。あわせて、事故発生の防止のための委員会・研修・指針、感染症の予防及びまん延防止のための指針・委員会・研修や訓練についても、未整備・未実施の事例が挙げられている | 長野県健康福祉部地域福祉課福祉監査担当「令和6年度有料老人ホーム一般検査結果の概要(サービス付き高齢者向け住宅を含む。)」 | 3つの指針の有無: /それぞれの委員会の直近開催日: |
| 虐待の防止のための対策を検討する委員会が定期的に開催されていない、指針が整備されていない、研修が実施されていない、措置を適切に実施するための担当者が置かれていない、の4点が指摘事項として挙げられている。あわせて、運営規程に記載されていない項目があった(緊急時における対応方法、虐待の防止のための措置に関する事項等)も挙げられている | 千葉県「指導監査の状況について」(令和7年度介護保険指定事業者集団指導資料) | 4点の証跡の所在: /運営規程の条項番号: |
| 虐待の防止の項目として、委員会が開催されていなかった事例、指針を整備しなければならないにもかかわらず整備されていない事例が例示されている | 広島市「令和7年度運営指導の指摘事項等について」(令和7年度広島市介護サービス事業者集団指導) | 直近の議事録の日付: /指針の策定日: |
| 必要な措置を講じていないのに体制等に関する届出で「基準型」としていた事例が挙げられ、措置を講じていない場合は「減算型」での届出が示されている。あわせて、委員会を開催していない、指針を整備していない等の事例が挙げられている | 足立区「令和7年度 集団指導(小規模多機能型居宅介護)」 | 現在の届出区分: /届出日: /実態との突き合わせ日: |
| 研修や訓練の回数を誤認している事例が挙げられ、身体拘束適正化、業務継続計画の策定等、衛生管理等、虐待の防止のそれぞれについて、サービス種別ごとに回数の取り扱いが異なることが整理されている | 堺市「令和8年度 集団指導 地域密着型編」 | 自事業所の種別で確認した回数: /確認した資料名: /確認日: |
| 「虐待の防止のための指針」の項目に不足がある事例が挙げられ、抜けていることが多い項目として「成年後見制度の利用支援に関する事項」「利用者等に対する当該指針の閲覧に関する事項」が具体的に示されている | 堺市「令和8年度 集団指導 地域密着型編」 | 指針の目次に両項目があるか:有/無 点検日: |
| 運営規程に「虐待の防止のための措置に関する事項」を定めていない事例が挙げられ、改善指導の内容として、組織内の体制(責任者の選定、従業者への研修方法や研修計画等)や、虐待または虐待が疑われる事案が発生した場合の対応方法等を指す内容などを定めるよう示されている | 静岡市「介護サービス事業者の指導監督((3)運営指導における主な指摘・助言事項等一覧)」(令和8年度介護保険サービス提供事業者説明会(集団指導)資料) | 運営規程の条項番号: /記載した内容: |
| 運営規程・重要事項説明書の内容が実態と異なる、または不整合という指摘が挙げられ、そのなかに運営規程に虐待防止の措置に関する事項が記載されていない事例が示されている | 福井市「令和7年度 介護保険制度等に係る集団指導」 | 運営規程と重要事項説明書を並べた日: /差異の有無: |
| 運営規程に関する主な指摘事例として、「運営規程に虐待の防止のための措置に関する事項が定められていない」が挙げられている | 東京都福祉局「令和7年度集団指導(通所リハビリテーション)」 | 目次での確認日: /確認者: |
| 虐待防止検討委員会の定期開催、指針の整備、定期研修、担当者の設置という4つの措置が求められていることが示されている(令和6年4月から義務化) | 東京都「運営指導における主な指摘事項」(訪問看護) | 4つの措置の証跡の所在: |
| 「介護報酬の減算に係る主な指摘内容」として、高齢者虐待防止措置未実施減算について「虐待の発生又はその再発を防止するため必要な措置が講じられていない」「虐待の防止のための指針が整備されていない」が挙げられている | 熊本市「令和8年度 熊本市介護サービス事業者集団指導 共通編」 | 直近1年分の証跡が揃っているか: /確認日: |
※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。
最後にもう一度だけ書いておきます。この記事に並べた表は、どれも減算の適用可否を判定するためのものではありません。左に定めの要旨、右に貴事業所の状況を書き込み、埋まらなかった欄を指定権者の担当課へ持っていくための道具です。そして、ある行為が虐待に当たるかどうかも、事業所で決めるものではありません。事実を確かめ、記録し、市町村へご相談ください。
よくある質問(FAQ)
高齢者虐待防止措置未実施減算とは?
必要な措置は?
詳細はどこで確認できますか?
現場から多い質問
Q. 委員会はどのくらいの頻度で開催しますか?
A. 定期的な開催が求められます。具体的な頻度や運用は最新の通知・保険者の案内でご確認のうえ、開催記録を必ず残してください。
Q. 他の委員会と一体的に運営できますか?
A. 事故防止や身体拘束適正化の委員会等と一体的に運営できる場合があります。詳細は最新の通知でご確認ください。
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
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介護のDXは、ゆっくりでいい。
まずは無料で、現場で試すところから。
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出典:厚生労働省ウェブサイト/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。加算・単位数・要件は改定される場合があるため、最新の告示・通知でご確認ください。
虐待の防止に関する事項は、運営規程への記載も求められます。記載事項の一覧は運営規程とは|記載事項と作り方のポイントをご覧ください。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
