介護日誌は、その日の出来事や利用者さまの様子をまとめて残す記録です。「毎日書くのが大変」「何を書けばいいか迷う」という声も多い書類です。書き方を例文と続けるコツとともに整理します。
介護日誌に書くこと
- その日の全体の様子(人数・天候・行事など)
- 利用者さまの体調や変化
- 提供したケアや出来事
- 申し送り・引き継ぎ事項
書き方のポイント
- 事実を具体的に(数値や時刻を入れる)
- 良かったこと・気づきも残す
- 誰が読んでも分かる言葉で書く
例文
本日は利用者8名が来所。全体に大きな体調変化なし。Aさんは食事量が普段より少なく、午後に再度水分をすすめた。レクでは全員が参加し、和やかに過ごした。明日はBさんの通院付き添いあり。
続けるコツ
完璧を目指さず、決めた項目を埋めることから始めます。音声入力などを使い、書く負担そのものを減らすと、無理なく続けられます。
記録の負担を軽くする
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介護日誌の記入例(場面別)
介護日誌は、その日の利用者の様子やケアの内容を記録します。場面ごとの記入例をまとめました。
| 場面 | 記入例 |
|---|---|
| バイタル・健康 | 体温36.6℃、血圧130/80、SpO2 98%。顔色良好で体調の訴えなし。 |
| 食事 | 昼食は主食全量・副食8割。むせなく自力摂取。水分150ml。 |
| 排泄 | 午前・午後に排尿。排便は普通便が1回。 |
| 活動・様子 | レクに参加し他者と談笑。午後は居室で休息。 |
| 特記 | 夕方に軽い咳あり、経過を観察。 |
介護日誌と個別記録の違い
| 介護日誌 | 個別の介護記録 | |
|---|---|---|
| 対象 | 事業所・ユニット全体 | 利用者ごと |
| 書く単位 | 1日1枚 | 対応ごと |
| 書くこと | その日の勤務者、利用者数、全体の出来事、特記事項 | 個別の状態、提供したサービス、本人の反応 |
| 読む人 | 職員全体、管理者 | 担当職員、他職種、行政、家族 |
| 役割 | 全体の動きを共有する | 個別の支援の根拠を残す |
日誌に個別の詳細を書きすぎると、他の利用者の情報が混在します。個別のことは個別の記録へ分けます。
日誌の記入例
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 日付・天候 | 令和8年7月15日(火)晴れ 気温34℃ |
| 勤務者 | 早番○○、日勤○○・○○、遅番○○、看護○○ |
| 利用者数 | 入所38名(入院2名)/通所18名(欠席2名) |
| 行事・活動 | 午前:体操、午後:書道 |
| 特記事項 | 熱中症予防のため、各居室の室温を10時・14時に確認。全室28℃以下を維持 |
| 申し送り | 明日9:00 サービス担当者会議。担当者は10分前に集合 |
| 設備 | 2階の給湯器から水漏れ。業者へ連絡済み(16:00)。明日午前に修理予定 |
続けるためのコツ
- 書く欄を減らす——埋まらない欄があると、書く気が失せます
- 書く人を決める——「気づいた人が」では続きません
- 書く時間を決める——勤務終了前など
- 読まれる仕組みにする——朝礼で前日分を確認するなど。読まれない日誌は書かれなくなります
- 個別のことは個別記録へ——日誌が肥大化しません
日誌に書いてはいけないこと
- 他の利用者が特定できる個別の詳細——開示請求の対象になり得ます
- 職員個人への評価や批判
- 推測や噂
- 感情的な表現
- 家族の内情で、支援に不要なこと
よくある疑問
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| 日誌は法令上の義務か | 様式まで定められてはいませんが、記録の整備は運営基準で求められます |
| 保存期間は | 事業所の記録として、他の記録と同様に扱うのが安全です |
| 電子でよいか | 記載者と日時が特定でき、訂正の履歴が残る形であれば構いません |
| 書くことがない日は | 「特記なし」で足ります。無理に埋めません |
| 誰が確認するか | 管理者が目を通す運用にすると、情報が上がる経路になります |
サービス種別ごとに書く内容が違う
| 種別 | 日誌に書くこと |
|---|---|
| 入所施設 | 入所者数、入退院、行事、設備、夜勤帯の状況 |
| 通所介護 | 利用者数、欠席者と理由、送迎の状況、行事、給食 |
| 訪問介護 | 訪問件数、キャンセル、直行直帰の状況、事業所内の連絡事項 |
| グループホーム | 入居者の様子、地域との関わり、買い物・調理の状況 |
| 訪問看護 | 訪問件数、緊急対応、医療機関との連携 |
日誌を書くときの注意
- 事実を書く——推測や感想は分けます
- 時刻を入れる——「午前中」では追えません
- 数字を入れる——利用者数、室温、回数
- 誰が書いたか分かるようにする
- 訂正は二重線と訂正印——修正液は使いません
日誌から見えること
- 欠席や入院が増えている時期
- 事故やヒヤリが集中している曜日・時間帯
- 設備の不具合が繰り返されている箇所
- 人員配置が薄くなる曜日
- 行事の頻度と、参加状況の変化
日誌の記入例(通所介護)
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 日付・天候 | 令和8年7月15日(火)晴れ 気温34℃ |
| 勤務者 | 管理者○○、生活相談員○○、看護○○、介護○○・○○、機能訓練○○ |
| 利用者数 | 18名(欠席2名:A様 発熱、B様 家族都合) |
| 送迎 | 往路1便 8:30発/2便 9:00発。復路15:30発・16:00発。遅延なし |
| 活動 | 午前:体操、口腔体操/午後:書道 |
| 給食 | 常食14、きざみ3、ミキサー1。全員完食 |
| 特記事項 | C様、午後に37.5℃の発熱。看護師が確認し、家族へ連絡(14:20)。早めの送迎で対応 |
| 申し送り | 明日、D様のサービス担当者会議(10:00)。相談員が同席 |
日誌についてよくある疑問
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| 誰が書くか | その日の責任者が書く運用が一般的です。決めておかないと書かれません |
| 個別の詳細をどこまで書くか | 全体に関わることまでです。個別は個別記録へ |
| 保存期間は | 他の記録と同様に扱うのが安全です |
| 管理者が確認するか | 確認の欄を設けると、情報が上がる経路になります |
日誌を続けるための工夫
- 前日分を朝礼で読み上げる——読まれる前提だと、書く内容が変わります
- 書く欄をA4半分に収める
- 天候・気温は自動で埋まる形にする
- 「特記なし」で足りる日を認める
- 管理者が週1回まとめて確認し、傾向を見る
紙と電子、どちらで運用するか
| 紙 | 電子 | |
|---|---|---|
| 書きやすさ | その場ですぐ書ける | 端末が要る |
| 共有 | 置き場所に行く必要がある | どこからでも見られる |
| 検索 | 過去分を探すのが大変 | 日付・キーワードで探せる |
| 集計 | 手作業 | 自動 |
| 保管 | 場所を取る | 場所を取らない |
| 訂正 | 二重線と訂正印 | 編集履歴が残る形であること |
よくある質問(FAQ)
介護日誌には何を書きますか?
書くときのコツは?
続けるコツは?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
無料ではじめる
次の一歩を、どうぞ
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場面別|介護日誌の文例
日誌は「その日、事業所全体で何が起きたか」を書きます。個別の詳細は個人の記録に、日誌には翌日以降に影響することだけを残します。
| 場面 | 記録の文例 |
|---|---|
| 全体の状況 | 利用者18名、欠席2名(発熱1名・家族の都合1名)。職員6名(うち看護師1名)。 |
| 天候・室温 | 晴れ。室温24度、湿度52%。 |
| 朝の申し送り | 夜勤より、◯◯様が2回起き出されたとの申し送り。日中の臥床を減らす方針を確認。 |
| 午前の活動 | ラジオ体操に14名が参加。◯◯様は座位のまま最後まで行われる。 |
| 入浴 | 入浴8名。◯◯様は血圧166/94のため中止し、清拭で対応。 |
| 昼食 | 全員が経口摂取。◯◯様に汁物でむせ込み1回、とろみを追加。 |
| 午後の活動 | 塗り絵に9名が参加。◯◯様は40分間集中して取り組まれる。 |
| おやつ | 全員が摂取。◯◯様はゼリーへ変更。 |
| 体調の変化 | 15時、◯◯様に37.6度の発熱。看護師が確認し、家族へ連絡。16時30分に迎えあり。 |
| けが | ◯◯様が作業中に指先を軽く切る。止血を確認し、家族へ報告。 |
| 転倒 | 10時05分、◯◯様が居室で尻もち。外傷なし。看護師確認済み。 |
| ヒヤリハット | 配薬時に同姓の利用者のケースを取りかけたが、氏名照合で気づく。内服には至らず。 |
| 来訪 | ◯◯様のご長女が15時に面会。30分間、居室で過ごされる。 |
| 外部との連携 | ◯◯様の担当ケアマネジャーへ、歩行の状況を電話で報告。 |
| 受診 | ◯◯様、10時に◯◯医院を受診(家族同行)。処方の変更なし。 |
| 新規 | 本日より◯◯様が利用開始。左片麻痺があり、移乗は軽介助。 |
| 終了 | ◯◯様、本日で利用終了。荷物の返却を確認。 |
| 設備 | エアマットの送気停止を発見。電源プラグの抜けが原因。接続を確認。 |
| 物品 | 手袋の在庫が残り1箱。発注済み。 |
| 訓練 | 14時から避難訓練を実施。所要20分。全職員が参加。 |
| 会議 | 16時から感染症対策委員会を開催。議題は手指衛生の徹底。 |
| 職員体制 | ◯◯が休みのため、入浴の時間を14時からに変更。 |
| 翌日への申し送り | ◯◯様の発熱、明日の結果が出るまで別室で対応。 |
| 特記事項 | ◯◯様のご家族より、洗濯物を毎回持ち帰りたいとのご希望あり。 |
日誌と個人の記録の書き分け
| 内容 | 日誌 | 個人の記録 |
|---|---|---|
| 全体の人数・体制 | 書く | — |
| 行事・活動の実施 | 書く | 参加の様子は個人の記録へ |
| 個人のバイタル | — | 書く |
| 個人の食事量 | — | 書く |
| 事故・ヒヤリハット | 発生の事実 | 詳細は報告書へ |
| 体調の変化 | 翌日に影響することは書く | 経過は個人の記録へ |
| 設備の不具合 | 書く | — |
| 来訪・面会 | 書く | 会話の内容は個人の記録へ |
| 職員体制の変更 | 書く | — |
| 翌日への申し送り | 書く | — |
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
