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介護の利用契約書|重要事項説明書との違いと記載事項をわかりやすく

介護サービスの利用開始時には、重要事項説明書とあわせて利用契約書を取り交わします。本記事では、両者の違い、利用契約書の主な記載事項、記入のイメージ(例)、そして根拠となる基準を整理します。

各種書類の全体像は介護の書類・様式の書き方まとめもあわせてご覧ください。

利用契約書と重要事項説明書の役割を4項目で並べた対照表。重要事項説明書は事業者が利用者へ説明する文書で、根拠は平成11年厚生省令第37号第8条第1項、記載事項は運営規程の概要・訪問介護員等の勤務の体制・その他の重要事項、文書を交付して説明し提供開始の同意を得る。利用契約書は事業者と利用者が結ぶ合意の文書で、個別の法定様式はなく、契約期間・利用料・解約等を記し、双方が署名・記名押印する。
利用契約書と重要事項説明書は役割が異なります。記載事項・様式はサービス種別や自治体で異なるため、原典と各自治体の定めをご確認ください。

重要事項説明書との違い

重要事項説明書が「サービス内容や料金などを説明し同意を得る」ための書類であるのに対し、利用契約書は事業者と利用者の権利義務(契約関係)を定める書類です。実務では、重要事項を説明したうえで契約書を取り交わす流れが一般的です。

整理すると、次の点が異なります。

観点 利用契約書 重要事項説明書
目的 事業者と利用者の権利義務(契約関係)を定める サービス内容・料金などを説明し、同意を得る
主な内容 契約期間、利用料、双方の義務、解約、損害賠償、個人情報の取扱いなど 運営規程の概要、勤務体制、サービス内容、営業日時、苦情窓口など
性格 双方の合意(署名・記名押印) 事業者からの説明と利用者の同意
進め方 重要事項を説明し同意を得たうえで、利用契約を締結する流れが一般的

上記は一般的な整理です。様式・記載事項はサービス種別・自治体・各事業所の運用により異なります。実際の運用は最新の基準・条例等でご確認ください。

法令上の位置づけ(根拠となる基準)

介護保険の指定サービスでは、サービス提供の開始にあたり、事業者は「運営規程の概要、勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、提供の開始について同意を得なければならない」とされています(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準〔平成11年厚生省令第37号〕第8条)。これがいわゆる重要事項説明書の交付・説明・同意の根拠です。

一方、利用契約書そのものについては、統一様式が省令で定められているわけではありません。契約は民事上の合意であり、記載事項や様式は事業者ごとに整備します。そのため、重要事項説明書は基準にもとづき整える必要があり、利用契約書はその内容と矛盾しないよう作成する、という関係になります。サービス種別ごとに適用される基準(施設・地域密着型など)は異なるため、自事業所に適用される省令・条例の原典をご確認ください。

利用契約書の主な記載事項

  • 契約の目的・期間・更新
  • 提供するサービスの種類・内容
  • 利用料金・支払方法
  • 事業者・利用者の義務
  • 契約の終了・解約に関する事項
  • 損害賠償・免責に関する事項
  • 秘密保持・個人情報の取り扱い
  • 苦情・相談、紛争解決の方法 など

これらは代表的な項目です。サービス種別により、身体拘束や事故発生時の対応、緊急時の連絡先などを加える場合があります。

記入のイメージ(例)

実物の様式は各事業所で異なります。ここでは記載の雰囲気をつかむためのを示します。氏名は伏字(A様)としています。実在の氏名・被保険者番号は記載しないでください。

項目 記載イメージ(例)
利用者 (例)A様(以下「甲」という)
事業者 (例)○○訪問介護事業所(以下「乙」という)
契約期間 (例)令和○年○月○日から、要介護認定の有効期間満了日まで。以後、双方に申し出がなければ自動更新
サービス内容 (例)居宅サービス計画にもとづく訪問介護(身体介護・生活援助)
利用料金・支払 (例)介護報酬の告示にもとづく額のうち、法定自己負担割合分。毎月○日締め、翌月○日に口座振替
解約 (例)甲は○日前までの申し出により、いつでも解約できる
個人情報 (例)サービス担当者会議等で必要な範囲に限り、あらかじめ文書で同意を得た上で利用

上記はあくまで記載イメージの例です。金額・割合・期間などは制度改定や個々の契約により変わるため、自事業所の様式と最新の基準に合わせてご確認ください。

取り交わしのポイント

利用者・家族が内容を理解できるよう丁寧に説明し、双方が署名・記名押印のうえ、控えを交付します。重要事項説明書・運営規程との整合を確認し、保管しておきましょう。

記録・書類をAIで扱うときの個人情報の注意

契約・同意の記録や書類作成をAIツールで効率化する場面が増えています。その際は、利用者の氏名・被保険者番号などの個人情報は伏字にする(例:A様)、または事業所内で定めた取扱いルールに沿って入力するかをあらかじめご確認ください。個人情報の第三者提供・外部サービスの利用は、契約書・重要事項説明書で得た同意の範囲内で行うことが前提です。

よくあるご質問

利用契約書には何を書きますか?
契約の目的・期間、サービス内容、利用料金・支払方法、双方の義務、解約、損害賠償・免責、秘密保持・個人情報の取扱い、苦情・紛争解決の方法などが一般的です。サービス種別により項目を加えることがあります。
重要事項説明書との違いは?
利用契約書は事業者と利用者の権利義務を定める書類、重要事項説明書はサービス内容・料金などを説明し同意を得るための書類です。目的が異なり、両方を用います。
どちらを先に行いますか?
一般的には、重要事項を説明し同意を得たうえで利用契約を締結します。説明と契約は一連の流れとして運用されることが多いです。
利用契約書は法令で様式が決まっていますか?
重要事項を記した文書を交付して説明し同意を得ることは運営基準(平成11年厚生省令第37号 第8条ほか)に定めがありますが、利用契約書そのものの統一様式は省令で定められていません。各事業所が内容を整備し、重要事項説明書と矛盾しないようにするのが一般的です。適用される基準はサービス種別により異なるため、原典をご確認ください。
契約書のひな形はありますか?
関係団体や自治体がひな形を示している場合があります。自事業所のサービス内容に合わせて整備し、最新の基準と整合させてご利用ください。

契約の流れを場面で追う|問い合わせから保管まで12場面の「準備するもの・確認すること・その場で決めること」

契約書に何を書くか(記載事項の整理や、運営規程・重要事項説明書との突き合わせ)は、書き方の記事にまとめています。ここで扱うのは「契約という出来事そのもの」です。問い合わせの電話が鳴ってから、書類を綴じて棚に戻すまでのあいだに、事業所は日程を決め、人を集め、書類を並べ、物を預かり、控えを渡し、開始日を確定させています。この一連の段取りが崩れると、書類の中身が正しくても「日付が合わない」「控えが見つからない」「誰が同席していたかわからない」という形で後から表面化します。

以下は、問い合わせからサービス開始までを12の場面に割ったものです。場面ごとに「準備するもの」「確認すること」「その場で決めること」を分けています。「その場で決めること」を先に決めておかないと、契約日当日に持ち帰りが発生し、二度手間になります。

# 場面 準備するもの 確認すること その場で決めること
1 問い合わせを受ける(電話・メール・紹介) 受付メモの様式、空き状況がわかる一覧、担当者の予定表 誰からの連絡か(本人・家族・介護支援専門員・病院の相談員・地域包括支援センター)、連絡先、折り返し可能な時間帯、要介護認定の状況、希望する開始時期 折り返しの担当者と期限(例:本日17時までに担当から架電)、次の連絡手段
2 見学・初回訪問の日程を組む 担当者の空き枠、訪問経路と所要時間、持参する案内資料 本人が話しやすい時間帯、同席してほしい人の都合、訪問先の場所(自宅・入院先・入所先)、駐車の可否 日時、訪問する職員(人数と職種)、所要時間の目安、同席をお願いする人
3 見学・初回面談を行う 事業所案内、サービスの内容がわかる資料、質問メモ、名刺 本人の希望と困りごと、生活のリズム、住居の状況、家族の関わり方、他に利用しているサービス、連絡がつきやすい人 次に会う日、こちらから送る資料、事業所内で持ち帰って検討する事項
4 受け入れ体制を事業所内で確認する 勤務予定表、担当者の受け持ち状況、送迎や訪問の経路表 希望する曜日・時間に人を配置できるか、通常の事業の実施地域との関係、必要な職種がそろうか、開始希望日までに準備が間に合うか 受け入れの可否と、可能な曜日・時間の候補、担当者、開始できる最短の日
5 契約日を設定する 候補日を2〜3案、契約に要する時間の目安、同席者の連絡先 サービス開始予定日との前後関係、同席してほしい人の都合、本人の体調が安定している時間帯、書類の準備が間に合うか 契約日時、場所、事業所側の出席者、同席をお願いする人、当日の所要時間
6 契約日の前日までに書類を組む 契約書・重要事項説明書・個人情報の取扱いに関する書面・緊急連絡先の用紙・預り証の様式 部数(本人控え・事業所控え)、日付欄・氏名欄・押印欄の位置、記入をお願いする箇所に付箋が付いているか、最新版かどうか 読み上げる順番、当日に記入をお願いする箇所と、後日でよい箇所の切り分け
7 契約当日:始めの5分 名刺、身分証、書類一式、筆記具(太字のペンを含む)、拡大鏡 出席している人の氏名と本人との関係、本人の体調、話が聞き取りやすい座り位置、途中で休憩が必要か 本日の進め方(所要時間と、途中で区切るかどうか)
8 契約当日:書類を一緒に見る 読み上げ用の1部、記入用の1部、余白に書き込むためのメモ用紙 本人が今どこを見ているか、途中の質問の有無、聞き返しの回数、体調の変化 質問への回答をその場で返すか、持ち帰って書面で返すか
9 契約当日:記入をお願いする 記入箇所に付箋を貼った書類、日付印、朱肉、代筆の際に使う欄の説明メモ 日付欄の記入漏れ、氏名欄と続柄欄の記入、記入をお願いした箇所がすべて埋まっているか、書き損じの処理 その場で埋められない欄(例:口座情報・保険証の写し)をいつ受け取るか
10 契約当日:控えを渡す 控え用のクリアファイル、控えの一覧を書いた表紙、次回訪問予定を書いたメモ 渡した書類の名称と部数、どこに保管しておくとよいかの案内、家族にも渡すかどうか 控えの保管場所(本人宅のどこに置くか)、家族への送付の要否と送付先
11 事業所に戻ってから当日中に行う 受け渡しを記録する様式、書類の綴じ方の決まり、預り物の保管場所 持ち帰った書類がそろっているか、預り物(鍵・保険証の写し等)が預り証と一致しているか、記入漏れの有無 記入漏れがあった場合に、いつ・誰が・どの方法で埋めに行くか
12 サービス開始日を迎える 初回の担当者、当日の持ち物、緊急連絡先を書いた携行メモ 契約書に記した開始日と実際の初回提供日が一致しているか、初回に伺う職員が変わっていないか、鍵の受け渡し方法が現場に伝わっているか 初回終了後の振り返りを誰がいつ行うか、次回以降の訪問予定

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

12場面のうち、実務でもっとも崩れやすいのは5番(契約日の設定)です。サービスを急いで始めたい事情と、書類をそろえる時間が正面からぶつかるためです。下の表は、日程を組むときに実際に出てくる事情を並べ、日程の組み方経過記録に書いておく一文を対にしたものです。左の事情は判断の材料であって、可否そのものは保険者(指定権者)と契約書の定めによります。

# 日程調整で出てくる事情 日程の組み方(例) 経過記録に残しておく一文(例)
1 本人が入院中で、退院日がまだ決まらない 退院日の見込みを病院の相談員に確認し、契約日は「退院後◯日以内」で仮置きし、確定した時点で本決定にする 「8月4日11時、◯◯病院の医療相談員より、退院見込みは8月中旬、確定は8月8日のカンファレンス後との連絡を受けた。契約日は退院後3日以内で仮置きとし、8月8日に再調整することを本人・長女に伝えた。」
2 退院日が急に前倒しになった 書類の準備にかかる時間(部数・押印・確認)を先に洗い出し、間に合う範囲と間に合わない範囲を分けて相談する 「8月6日9時20分、長女より退院が8月7日に前倒しとなった旨の電話。契約は8月7日15時に本人宅で行うこととし、口座情報の用紙のみ8月12日までに提出いただくことを合意した。」
3 家族が遠方に住んでいて来られない 本人と行う日と、家族に説明する日を分ける。家族への書面の送付方法と到着確認の方法を先に決める 「8月5日16時、長男(県外在住)より、来訪は難しいとの連絡。8月9日に本人宅で手続を行い、書類一式の写しを同日中に長男宛に郵送、到着後に電話で内容を説明することとした。」
4 キーパーソンが就労中で日中に時間が取れない 夕方以降または休日の候補を出し、事業所側の出席者の勤務を先に押さえる 「8月5日18時40分、長女より平日日中は勤務のため不可との申し出。8月10日(土)10時に本人宅で実施することとし、当日は管理者と担当者の2名が伺うことを伝えた。」
5 本人が午前中は体調が整わない 本人が話しやすい時間帯を家族と確認し、その時間帯に固定する。所要時間も短めに区切る 「8月5日、長女より、本人は起床後2時間ほどは会話が続きにくいとの情報。契約は14時開始、45分をめどとし、途中で休憩を挟むこととした。」
6 月末に契約が集中している 翌月開始分は前月の中旬までに契約日を置く運用にし、担当者ごとの上限件数を決める 「8月1日の事業所会議で、9月開始分の契約日は8月20日までに設定する運用を確認した。担当者1名あたり同一日に2件までとする。」
7 サービス開始日が先に決まってしまっている 開始日から逆算して契約日を置く。間に合わない場合は、開始日の方を動かせるか関係者に確認する 「8月4日、担当の介護支援専門員より9月1日開始の希望。契約日を8月26日14時とし、開始日との前後関係を双方で確認した。」
8 他の事業所から引き継ぐ(事業所を変える) 前の事業所の終了日と、こちらの開始日の関係を関係者間で確認し、書類の受け渡し方法を決める 「8月5日15時、担当の介護支援専門員より、◯◯事業所は8月31日で終了、当事業所は9月1日開始との連絡。契約日は8月25日10時、本人宅にて実施することとした。」
9 要介護認定の申請中で結果が出ていない 申請日と結果の見込みを確認し、取扱いは保険者(指定権者)の定めと契約書の記載を確認して決める 「8月4日、長女より認定申請は7月28日提出、結果は8月下旬見込みとの情報。取扱いについて保険者の担当課に確認のうえ、8月8日までに折り返す旨を伝えた。」
10 区分変更の申請を出したところ 申請日・申請理由・結果の見込みを控え、関係する事業所に共有する 「8月6日11時、担当の介護支援専門員より区分変更申請(8月5日提出)の連絡。結果が出るまでの利用予定に変更がない旨を確認した。」
11 緊急にサービスが必要な状況で連絡が来た その日のうちに動く部分と、書類を整える部分を分け、どちらも記録に残す。順序の取扱いは保険者(指定権者)の定めを確認する 「8月7日19時05分、地域包括支援センターより緊急の相談。8月8日9時に管理者が訪問し状況確認、契約手続は8月8日13時に本人宅で実施した。」
12 成年後見等の申立てが進行中と聞いた いま誰が窓口かを確認し、確認できた事実だけを記録する。手続の進み方の見立ては書かない 「8月5日14時、二男より、家庭裁判所へ申立て済み(7月20日)との説明を受けた。現時点の連絡窓口は二男である旨を確認し、決定後に改めて連絡を受けることとした。」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

契約の相手方の立場をどう確認するか|9つの立場別・見せてもらう書類と、記録に書く事実の文例

窓口に立つ人は、本人とはかぎりません。配偶者や子のこともあれば、成年後見人・保佐人・補助人のこともあり、親族以外の方が長年の付き合いで関わっていることもあります。ここで事業所がすることは「誰が契約の相手方になれるかを判断すること」ではありません。それは事業所の役割ではなく、必要な場面では弁護士等の専門職や家庭裁判所の手続によります。

事業所がするのは、目の前の人の立場を確認し、確認できた事実を記録に残すことです。「登記事項証明書の写しの提示を受けた」「本人との続柄を◯◯と伺った」という見たまま・聞いたままの事実を書けば、後から誰が窓口だったのかをたどれます。逆に「権限があると判断した」と書くと、事業所が判断したことになってしまいます。

# 窓口に立つ人の立場 その場で見せてもらう書類の名称(例) 記録に書く事実の文例(そのまま使えます) 書かないほうがよいこと
1 本人 介護保険被保険者証、医療保険の被保険者証 「8月9日14時00分、本人宅の居間にて、本人ご本人と手続を行った。介護保険被保険者証(被保険者番号の末尾4桁◯◯◯◯)の提示を受け、氏名・生年月日・住所を書類の記載と照合した。」 本人の判断能力に関する評価(「理解できている」「判断できる状態である」等)
2 配偶者 本人の被保険者証、窓口に立つ方の身分を示すもの 「8月9日14時00分、本人と妻(同居)の同席のもとで手続を行った。妻より続柄は配偶者、同居歴は40年である旨を伺い、日常の連絡は妻宛とすることを本人の前で確認した。」 「妻に権限がある」といった立場の評価
3 子(長男・長女等) 本人の被保険者証、窓口に立つ方の身分を示すもの 「8月9日14時00分、本人と長女(市内在住・週2回訪問)の同席のもとで手続を行った。長女より、費用の連絡は長女宛、体調に関する連絡は本人と長女の双方に行ってほしい旨の希望を伺った。」 家族間の関係についての評価や推測
4 成年後見人 登記事項証明書(後見等の種別・氏名・期間の記載部分)、選任を受けた方の身分を示すもの 「8月9日14時00分、成年後見人と称される◯◯氏より、登記事項証明書(発行年月日:8月1日)の写しの提示を受けた。種別・氏名・発行年月日を控え、写しを事業所控えとして受領した。」 権限の範囲についての解釈(「この手続はできる」等)
5 保佐人 登記事項証明書(種別・同意権や代理権の範囲が記載された部分) 「8月9日14時05分、◯◯氏より登記事項証明書(発行年月日:8月1日)の写しの提示を受け、種別が保佐である旨と、記載されている事項を書面のまま控えた。取扱いについては保険者の担当課および当法人の顧問弁護士に確認のうえ折り返す旨を伝えた。」 同意権・代理権の範囲についての事業所独自の解釈
6 補助人 登記事項証明書(種別と、付与された事項が記載された部分) 「8月9日14時05分、◯◯氏より登記事項証明書(発行年月日:8月1日)の写しの提示を受け、種別が補助である旨と、記載されている事項を書面のまま控えた。手続の進め方は当法人の顧問弁護士に確認する旨を本人と◯◯氏に伝えた。」 「補助人だから◯◯できる/できない」という断定
7 任意後見に関する契約をしていると聞いた方 登記事項証明書、契約の存在がわかる書面 「8月9日14時10分、二男より、任意後見に関する契約を締結済みであるとの説明を受け、登記事項証明書(発行年月日:7月15日)の写しの提示を受けた。記載事項を控え、写しを受領した。」 効力の発生時期に関する判断
8 親族以外のキーパーソン(知人・友人・近隣の方) 本人からの紹介の言葉、本人の被保険者証、連絡先のメモ 「8月9日14時10分、本人より『30年来の付き合いの◯◯さんに連絡してほしい』との申し出があり、同席の◯◯氏より連絡先(携帯電話)を伺った。続柄は親族ではなく知人である旨を本人の前で確認した。」 本人との関係の深さについての評価
9 病院・施設の相談員が当面の窓口になっている 相談員の名刺、所属先の連絡先、面談日時のメモ 「8月9日10時、◯◯病院 医療相談員 ◯◯氏より電話。退院までの連絡は同氏を窓口とし、退院後は長女に切り替わる予定である旨を伺い、双方の連絡先を控えた。」 退院後の窓口についての推測(確定していない事項の断定)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

本人に向けて話しているのに伝わりきらない、という場面もあります。ここでも事業所は判断能力の有無を評価しません。することは、伝え方を変えること、同席をお願いすること、時間を分けること、後日もう一度確かめること、そしてその日に見えた様子を事実のまま書き残すことの5つです。下表は、現場で実際に出てくる場面ごとに、その4つの手当てを具体化したものです。

# その日の様子(事実として観察されたこと) 説明の工夫 同席をお願いする人・時間の分け方 記録に残す事実の文例
1 聞き返しが多く、声が届きにくい 正面に座り、1文を短く区切る。要点を紙に大きく書いて指し示す 聞き取りを補える家族に同席をお願いする。1回30分を目安に区切る 「8月9日14時、正面に着席し1文ずつ区切って話した。聞き返しは全体で6回あり、要点を紙に書いて示すと『それならわかる』との発言があった。」
2 手元の文字が読みづらい様子がある 文字を大きくした読み上げ用の1部を用意し、指でなぞりながら進める 読み上げの間、同席者にも同じ箇所を見てもらう 「8月9日14時10分、本人が『字が小さい』と話されたため、文字を拡大した用紙を用いて該当箇所を指で示しながら進めた。」
3 20分ほどで表情が硬くなり、姿勢が崩れる 15分ごとに一区切りつけ、飲み物の時間を挟む 1日で終えず、2日に分ける。2日目は同じ時間帯に設定する 「8月9日14時25分、本人の姿勢が崩れ、あくびが続いたため中断した。続きは8月11日14時から行うこととし、長女にも同席を依頼した。」
4 夕方になると落ち着かない様子がある 本人が落ち着いて過ごせている時間帯に合わせる 午前中または昼過ぎに設定し直す 「8月9日、長女より、夕方は落ち着かないことが多いとの情報。次回は10時開始に変更した。」
5 専門用語のところで話が止まる 制度の言葉を、その方の生活の言葉に置き換えて言い直す 言い換えた表現をメモに残し、同席者にも同じ言葉で伝える 「8月9日14時15分、『通常の事業の実施地域』について本人から質問があったため、『◯◯町までは同じ扱いで伺えます』と言い換えて説明した。」
6 説明の途中で話題が別のことに移る いま話している箇所に戻る合図を決めておく(紙の該当行に指を置く等) 話題が移った内容もメモしておき、後で希望として拾う 「8月9日14時20分、説明中に庭の手入れの話題に移ったため、5分ほど伺ってから該当箇所に戻った。庭の手入れの希望は別途、担当の介護支援専門員に伝えた。」
7 同じ質問が繰り返される 質問と回答を紙に書き、手元に残す 回答を書いた紙を控えと一緒に本人宅に置く 「8月9日14時30分、費用の支払方法について3回同じ質問があった。回答を紙に書いて控えと一緒にお渡しし、置き場所を本人と一緒に決めた。」
8 不安が強く、話を進められない その日は書類を置いて帰り、話を伺う時間にする 信頼している方に同席をお願いし、日を改める 「8月9日14時40分、本人より『まだ決めたくない』との発言があったため手続を中断した。書類はお預けし、8月13日10時に長女同席で改めて伺うこととした。」
9 本人と家族で希望が食い違っている それぞれの希望を分けて書き取り、双方の前で読み上げて確認する 本人と話す時間、家族と話す時間を分ける 「8月9日15時、本人は『入浴は週1回でよい』、長女は『週2回にしてほしい』との希望。双方の発言をそのまま書き取り、担当の介護支援専門員に共有した。」
10 日本語以外の言語を主に使っている 短い文で話し、書面の要点を書き出す。翻訳した資料の有無を保険者に確認する 通訳できる方の同席を家族と相談する 「8月9日14時、本人は主にポルトガル語を使用。二女が通訳として同席し、要点を書き出しながら進めた。翻訳版の資料の有無について保険者の担当課に照会した。」
11 退院直後で、まだ体調が安定していない 所要時間を短く見積もり、要点だけをその日に扱う 残りは後日に分け、体調を見て時間を決める 「8月9日14時、退院翌日のため20分で区切った。残りは8月12日14時に行うこととし、当日の体調で再調整する旨を長女に伝えた。」
12 後日、内容を覚えていない様子がうかがえた もう一度、同じ資料を使って同じ順序でたどる 同席者にも同じ資料を渡し、次回訪問時に一緒に確認する 「8月16日10時の訪問時、本人より『そんな話は聞いていない』との発言。8月9日にお渡しした控えを一緒に開き、同じ順序で該当箇所をたどった。長女にも同日中に電話で伝えた。」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

契約当日の進め方と受け渡し|60分の進行台本12段階と、渡す・受け取る書類28点の記入欄

契約当日にかかる時間は、事業所によって30分から2時間まで幅があります。長くなる原因のほとんどは「順番が決まっていないこと」です。どの書類から開くか、どこで質問を受けるか、記入をお願いするのはいつか、控えはいつ渡すか——これを毎回その場で考えていると、話が行ったり来たりして、本人も疲れてしまいます。

下の進行台本は、60分を12段階に割ったものです。「声かけの例」はそのまま口に出せる言い回しにしてあります。「その場で書き取る欄」は、事業所に戻ってから思い出して書くのではなく、その場でメモに落としておく項目です。

# 経過時間 やること 声かけの例(そのまま使えます) その場で書き取る欄
1 0〜3分 あいさつ、名刺を渡す、座る位置を決める 「本日はお時間をいただきありがとうございます。◯◯事業所の◯◯です。お顔が見えるよう、こちら側に座らせていただいてよろしいでしょうか。」 訪問した時刻、事業所側の出席者の氏名と職種、座った場所
2 3〜6分 同席している方の氏名と本人との関係を伺う 「本日ご一緒いただいている方のお名前と、◯◯様との間柄を伺ってもよろしいでしょうか。書類にも残させていただきます。」 同席者の氏名、続柄(本人の言葉のまま)、連絡先
3 6〜10分 本日の流れと所要時間を伝え、休憩の入れ方を決める 「本日は3つのことをお願いします。1つ目が内容のご説明、2つ目が書類へのご記入、3つ目が控えのお渡しです。全部で1時間ほどを見ていますが、お疲れになったらいつでもおっしゃってください。」 本人から出た希望(時間を短く、途中で休みたい等)
4 10〜25分 重要事項を記した書面を、順を追って一緒に見る 「まずこちらの冊子を一緒に見ていきます。左の欄が事業所の決まり、右がご負担いただく事柄です。1ページずつ進めますので、気になったところで止めてください。」 止まった箇所、質問の内容、聞き返しの回数
5 25〜33分 契約書を一緒に見る(条文の言い換えは口頭で補う) 「次にこちらの契約書です。始まる日、終わるときの取り決め、費用のお支払い、この3つが中心になります。読み上げますので、お手元の同じ行を見ていてください。」 本人・同席者から出た確認事項、読み上げを中断した箇所
6 33〜38分 質問の時間を明示的に取る 「ここまでで、わかりにくかったところはございませんか。あとから思い出されることもありますので、その時はお電話をいただければ改めて伺います。」 質問の内容と、その場で答えたか持ち帰ったかの別
7 38〜44分 記入をお願いする箇所を1か所ずつ指し示す 「ここに日付、こちらにお名前をお願いします。日付は本日の◯月◯日です。書きにくいようでしたら、こちらでお手伝いすることもできます。」 記入をお願いした箇所、代筆の有無、代筆した場合の代筆者の氏名
8 44〜48分 個人情報の取扱いに関する書面をお渡しし、記入をお願いする 「担当者が集まって話し合いをするときに、◯◯様のことをどこまでお伝えしてよいか、こちらの用紙で伺わせてください。ご家族の分は、ご家族ご自身のお名前でお願いしています。」 本人分・家族分それぞれの用紙をお渡しした時刻と、持ち帰りになった分
9 48〜52分 緊急連絡先を伺い、優先順位を決める 「もしもの時に、最初にご連絡するのはどなたにいたしましょうか。日中と夜間で分けておくこともできます。」 連絡先の氏名・続柄・電話番号・つながりやすい時間帯・第1連絡先と第2連絡先の別
10 52〜55分 預かるもの(鍵・写し等)があれば、その場で数え、預り証を書く 「お鍵をお預かりします。本数と、どの扉のものかを一緒に確認させてください。お預かりした証をこの場でお渡しします。」 預かった物品の名称・数量・特徴、預り証の番号、預かった時刻
11 55〜58分 控えを渡し、置き場所を一緒に決める 「本日お渡しするのはこの3点です。表紙に一覧を付けてあります。いつでも見られるところに置いておきましょう。どこがよろしいでしょうか。」 渡した書類の名称と部数、置き場所、家族への送付の要否
12 58〜60分 サービス開始日と初回に伺う職員を確認し、次の予定を伝える 「最初にお伺いするのは◯月◯日の◯時、担当は◯◯です。前日にもう一度お電話でご確認いたします。」 開始日、初回の担当者名、前日連絡の担当者と時刻

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

次の表は、契約書と一緒に「渡すもの」「受け取るもの」を並べた受け渡し表です。授受日と部数の欄は空けてありますので、印刷してそのまま当日の手元に置けます。書類の名称は事業所ごとに違うため、自事業所で使っている名称に置き換えてお使いください。どの書類をそろえるかは、サービスの種類と保険者(指定権者)の定めによって変わりますので、自事業所の一覧と突き合わせてご確認ください。

# 渡す/受け取る 書類・物品 部数・形 授受日(記入欄) 記録に書き添えること
1 渡す 利用契約書(本人控え) 1部・記名済み  年 月 日 お渡しした相手(本人/同席者)と、置き場所
2 渡す 重要事項を記した書面(本人控え) 1部・最新版  年 月 日 版の日付、前回版との差し替えの有無
3 渡す 個人情報の取扱いに関する書面(本人分の控え) 1部  年 月 日 本人分と家族分で用紙が分かれていること
4 渡す 個人情報の取扱いに関する書面(家族分の用紙) 人数分  年 月 日 誰に何枚お渡ししたか、返送方法
5 渡す 事業所の連絡先を書いたカード(日中・夜間) 1枚  年 月 日 冷蔵庫・電話台など、貼った場所
6 渡す 苦情の申し出先を書いた案内 1枚  年 月 日 事業所の窓口と外部の窓口の両方が載っているか
7 渡す サービスの予定表(初回分) 1部  年 月 日 開始日、担当者名、訪問時刻
8 渡す 担当者の顔写真入りの紹介文 1枚  年 月 日 担当が交代したときの差し替え方法
9 渡す 預り証(鍵・物品を預かった場合) 1枚  年 月 日 預り証の番号と、控えの綴じ先
10 渡す 領収証の発行方法を書いた案内 1枚  年 月 日 口座振替の場合も発行の取扱いを記載しているか
11 渡す 非常災害時の連絡と行動を書いた案内 1枚  年 月 日 安否確認の順番と、集合場所
12 渡す 控えの一覧を書いた表紙 1枚  年 月 日 本日お渡しした書類の点数
13 受け取る 利用契約書(事業所控え) 1部・記入済み  年 月 日 日付欄・氏名欄・続柄欄の記入漏れの有無
14 受け取る 重要事項を記した書面の受領を示す用紙 1部  年 月 日 説明した職員名の記入があるか
15 受け取る 個人情報の取扱いに関する書面(本人分) 1部  年 月 日 代筆の場合、本人氏名と代筆者氏名の両方が記入されているか
16 受け取る 個人情報の取扱いに関する書面(家族分) 人数分  年 月 日 家族ご本人の記入であること(代理の欄とは別欄)
17 受け取る 介護保険被保険者証の写し 1部  年 月 日 有効期限、被保険者番号、認定の有効期間
18 受け取る 負担割合を示す証の写し 1部  年 月 日 有効期限と、次回更新時に再度いただく旨を伝えたか
19 受け取る 医療保険の被保険者証の写し 1部  年 月 日 サービスの種類によって要否が異なる旨の確認
20 受け取る 公費に関する受給者証等の写し 1部  年 月 日 券の名称と有効期限をそのまま控える
21 受け取る 緊急連絡先の用紙 1部  年 月 日 第1・第2の別、つながりやすい時間帯
22 受け取る かかりつけ医療機関・主治の医師の連絡先 1部  年 月 日 医療機関名、診療科、受診の間隔
23 受け取る お薬に関する情報の写し 1部  年 月 日 写しを取った日と、更新のたびにいただく約束
24 受け取る 支払方法に関する用紙(口座振替の依頼書等) 1部  年 月 日 金融機関に提出する経路と、控えの返却時期
25 受け取る 鍵(本数と対象の扉)  本  年 月 日 本数、キーホルダーの特徴、保管場所、持ち出しの記録方法
26 受け取る 預り金に関する書面(お預かりする場合) 1部  年 月 日 受け渡しの立会者、確認した時刻、保管の担当者
27 受け取る 住宅の見取り図・出入りの方法のメモ 1部  年 月 日 玄関以外の出入口、集合住宅のオートロックの解除方法
28 受け取る ペット・仏壇・立ち入らない部屋などのご要望メモ 1部  年 月 日 本人の言葉のまま書き取る

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

受け渡しが終わったら、次は保管です。「探せない」は「無い」と同じ扱いになりがちなので、置き場所そのものよりも探すときのキー(何をたどれば見つかるか)を決めておくほうが効きます。下表の右端は、事業所ごとに決めて書き込む欄です。

# 保管の対象 置き場所の決め方 探すときのキー 自事業所で決めること(記入欄)
1 契約書の事業所控え(原本) 施錠できる書庫に、利用者ごとの個別ファイルで綴じる 利用者名の五十音、または利用者番号 綴じる順(契約日順/五十音順):
2 重要事項を記した書面の控え 契約書と同じ個別ファイルに、版の日付順で重ねる 版の日付(表紙に大きく記載) 旧版の扱い(残す/別綴じ):
3 個人情報の取扱いに関する書面 本人分と家族分を別のインデックスに分ける 本人分・家族分のインデックス 家族分が複数枚ある場合の並べ方:
4 被保険者証・受給者証等の写し 有効期限の早い順に前へ出す 有効期限の年月 更新時期を知らせる仕組み:
5 預り証の控え 預り証の通し番号で管理し、返却済みは別冊に移す 預り証の番号 番号の採番ルール:
6 鍵の現物 施錠できる保管箱に、番号タグを付けて収める タグ番号と利用者名の対応表 持ち出し記録の様式:
7 変更が生じたときの書面 元の書面の直後に差し込み、表紙の一覧に1行足す 表紙の変更履歴の行 履歴に書く項目(日付・内容・担当):
8 終了時の書面 終了年月ごとの箱に移し、個別ファイルごと保管する 終了年月 移す時期(終了の翌月末など):
9 電子で保管しているもの 紙と同じ名前の付け方に統一し、どちらが原本かを決めておく ファイル名の付け方(利用者名+書類名+日付) 原本の所在(紙/電子):
10 保存の期間 条例で定められており保険者により異なるため、自事業所の指定権者の定めを控える 起算日(完結の日など)と年数 保険者名と、確認した資料の名称・確認日:

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

保存の期間については、福井市が令和7年度の集団指導資料で、運営規程や重要事項を記した書面における記録の保存期間の記載について、サービスの「完結」の日から起算すべきところ「サービス提供の日」からとしている例、年数の記載が条例と異なっている例を挙げています。起算日と年数は条例で定められており、保険者(指定権者)によって異なりますので、自事業所の指定権者の条例と資料でご確認ください。

契約が変わるとき・終わるとき|変更16場面と終了11場面の「手当て・返すもの・受け取るもの・残す記録」

契約は結んで終わりではありません。サービスが増える、担当者が代わる、事業所が移転する、法人の名称が変わる、本人が入院する、施設に入る、転居する——そのたびに、何かを直し、何かを渡し、何かを記録します。ここでいちばん困るのが「再び契約を結び直すのか、覚書のような書面で足りるのか、届出はどうするのか」という点ですが、この判断は事業所が独自に決められるものではありません。契約書そのものの定めと、保険者(指定権者)が示す取扱いによります。

そこで下表では、判断そのものは書かず、「保険者・法人の定めを確認して記入する欄」を用意しました。一度確認して埋めておけば、次に同じ場面が来たときに事業所内で迷わなくなります。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

# 変わったこと 事業所内で確認すること 手当ての形(保険者・法人の定めを確認して記入) 記録に残す一文(例)
1 サービスの種類が増えた いま結んでいる契約の対象範囲に含まれるか、担当者の受け持ちに余裕があるか 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日10時、担当の介護支援専門員より、9月から入浴の支援を追加したいとの相談。当事業所の契約の範囲について保険者の担当課に照会し、8月20日に回答を得た。」
2 利用の回数が増減した 予定表と実際の提供実績、担当者の配置、送迎や訪問の経路 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日、長女より週2回から週3回への変更希望。担当者会議の日程を8月22日に設定し、予定表を差し替えたうえで本人と長女に手渡した。」
3 曜日・時間が変わった 本人の生活のリズム、他のサービスとの重なり、送迎の順路 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日14時、本人より『午後は通院が入るので午前にしてほしい』との申し出。9月1日から火・金の10時開始に変更し、変更後の予定表を同日中にお渡しした。」
4 利用料に関する事項が変わった 変更の内容と時期、対象になる方の範囲、書面の差し替え方法 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日の管理者会議で、10月からの変更内容を確認。対象の方12名に、9月中に書面をお渡しして内容をご説明する日程を割り振った。」
5 算定する加算に関する事項が変わった 体制に関する届出の内容と、書面の記載との対応関係 確認先:   /取扱い:   /確認日:   /届出の担当:    「8月18日、体制に関する事項の変更について保険者の担当課に照会した。書面への反映方法と時期を確認し、社会保険労務士に届出の相談を行った。」
6 事業所の名称が変わった 看板・掲示・書面・ウェブサイト・名刺の記載 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日、10月1日付の名称変更について、掲示物・重要事項を記した書面・ウェブサイトの3か所の差し替え担当と期限を決めた。」
7 事業所が移転した 通常の事業の実施地域との関係、訪問の経路、緊急時の到着時間 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日、移転先の所在地から各利用者宅までの所要時間を実測し、一覧にまとめた。実施地域の取扱いについて保険者の担当課に照会した。」
8 営業日・営業時間が変わった 運営規程・掲示・書面の記載の一致、利用者の予定への影響 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日、年末年始の営業日変更について、掲示物と書面の差し替えを9月20日までに行うことを決めた。」
9 管理者が交代した 掲示の記載、書面上の記載、利用者への案内の方法 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日、9月1日付の管理者交代について、掲示の差し替えを8月31日に行い、利用者への案内文を9月最初の訪問時に手渡すこととした。」
10 担当者(介護支援専門員・サービス提供責任者等)が交代した 引き継ぎの内容、本人への紹介の方法、連絡先カードの差し替え 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日、9月1日から担当を◯◯に変更する旨を本人と長女に電話で伝えた。8月28日に前任と後任の2名で訪問し、顔合わせを行うこととした。」
11 法人の名称が変わった/合併があった 書面の当事者の表記、押印の名義、口座名義 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日、10月1日付の法人名称変更について、書面の当事者表記と口座名義の変更時期を経理と確認した。利用者への案内は9月中旬に発送する。」
12 利用者の氏名が変わった(婚姻・養子縁組等) 被保険者証の記載、書面の氏名欄、請求に用いる情報 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日、本人より氏名変更の申し出。変更後の被保険者証(交付日8月10日)の写しを受領し、書類上の氏名を8月20日付で統一した。」
13 利用者が転居した(同じ保険者の区域内) 訪問の経路、実施地域との関係、緊急連絡先の変更 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日、長女より9月10日に市内◯◯へ転居予定との連絡。転居先までの所要時間を確認し、訪問時刻を9月11日以降15分後ろにずらすことを合意した。」
14 利用者が転居した(保険者が変わる) 転居先の保険者、サービスの継続の可否、関係する事業所への連絡 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日、長男より9月末に県外へ転居予定との連絡。転居先の保険者と、当事業所のサービスの取扱いについて、担当の介護支援専門員と情報を共有した。」
15 支払方法が変わった(振込から口座振替など) 用紙の提出先と反映時期、切り替え月の取扱い、領収証の発行方法 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日、長女より口座振替への変更希望。用紙を8月19日に郵送し、10月分から適用となる見込みである旨と、9月分は従来どおりである旨を伝えた。」
16 緊急連絡先が変わった 第1・第2の順位、つながりやすい時間帯、現場に携行するメモの差し替え 確認先:   /取扱い:   /確認日:    「8月18日16時、二女より、第1連絡先を長女から二女に変更したいとの申し出。本人にも確認のうえ、携行メモと事業所の一覧を同日中に差し替えた。」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

変更に関しては、自治体の公表資料でも繰り返し取り上げられています。津山市の令和5年度の集団指導資料では、重要事項を記した書面の変更時に改めて同意を得ていない例が挙げられています。福岡県介護保険広域連合の令和6年度版の資料でも、書面の変更があった際に変更点の説明を書面で行っていない例、説明した内容について理解したことの確認を得ていない例が示されています。宇都宮市の令和7年度の資料には、改定後の利用料金について説明と同意が確認できない例が挙げられています。いずれも「契約のとき」ではなく「契約のあと」に起きる出来事です。

終わり方も、契約と同じくらい段取りが要ります。とくに返すもの(鍵・預り金・写しの返却または廃棄)は、忘れると後から連絡が来ます。姫路市の令和6年度以前の実地指導結果には、施設入所により契約が一度解除された後、退所後に改めて契約に関する手続を行わないまま居宅介護支援を提供していたという指摘が示されています。終了の記録と、再開のときの手続は対で決めておくのが確実です。

# 終了の事由 返すもの 受け取るもの 残す記録(例)
1 本人からの申し出 預かっている鍵(本数を数えて手渡す)、預り金に関する書面、写しの返却または廃棄の証 控えの所在確認(返却は不要でも所在を伺う)、終了日の確認 「9月2日11時、本人より『来月からは家族が付き添えるので終わりにしたい』との申し出。終了日を9月30日とし、鍵2本を9月30日の最終訪問時にお返しすることを確認した。」
2 家族からの申し出 鍵、預り金に関する書面、写しの返却または廃棄の証 本人の意向の確認(本人からも直接伺う)、終了日の確認 「9月2日15時、長女より終了の申し出。9月4日に訪問し、本人からも直接ご意向を伺ったうえで、終了日を9月30日とした。」
3 入院(長期になる見込み) 当面の予定表、鍵(退院後に再度お預かりする場合は預り証を作り直す) 入院先・入院日・退院の見込み、退院後の連絡窓口 「9月2日9時20分、長女より9月1日に◯◯病院へ入院との連絡。9月分の予定を取り消し、退院見込みは未定である旨を控えた。鍵2本は9月3日にお返しした。」
4 施設への入所 鍵、預り金に関する書面、住宅の見取り図等の預かり資料 入所先・入所日、今後の連絡先、居宅での再開の可能性 「9月2日、担当の介護支援専門員より9月15日入所との連絡。9月14日を最終提供日とし、鍵2本と預り証を同日にお返しした。再び居宅に戻られる場合は改めて手続を行う旨を長女に伝えた。」
5 転居(保険者が変わる) 鍵、預り資料、控えの所在の案内 転居日・転居先の連絡先、引き継ぎ先の希望 「9月2日、長男より9月25日に県外へ転居との連絡。9月24日を最終提供日とし、引き継ぎ先について担当の介護支援専門員と情報を共有した。」
6 他の事業所への変更 鍵、預り資料、これまでの経過を伝える書面(本人の同意を得た範囲で) 変更先の事業所名と開始日、引き継ぎの方法 「9月2日13時、担当の介護支援専門員より、10月から◯◯事業所へ変更となる旨の連絡。9月30日を最終提供日とし、引き継ぎの資料は9月26日に本人立会いのもとで確認した。」
7 お亡くなりになった 鍵、預り金に関する書面、預かっていた物品(受け取る方を確認して手渡す) 受け取られた方の氏名と続柄、受け渡しの日時 「9月2日8時40分、長女より本日未明に逝去された旨の連絡。9月5日14時、長女に鍵2本と預り証をお返しし、受領のご署名をいただいた。」
8 事業所の都合(廃止・休止) 鍵、預り資料、今後の相談先を書いた案内 引き継ぎ先の希望、連絡の取りやすい時間帯 「9月2日、廃止の予定について、対象の利用者18名への案内の順番と担当者を決めた。案内文の内容と時期は保険者の担当課に照会のうえ確定する。」
9 事業所からの申し出による解除 鍵、預り資料、相談先を書いた案内 申し出の経緯、伝えた相手、伝えた日時 「9月2日、管理者より本人と長女に対し、契約書に定める手続について説明のうえ書面をお渡しした。予告の期間と手順は契約書の定めと保険者の担当課への照会結果に沿って進める。」
10 契約に定めた期間が満了する —(継続の場合は新しい書面の控え) 継続の意向、変更の希望 「9月2日、契約に定める期間の満了が10月31日である旨を一覧で確認し、9月中に意向を伺う訪問日程を割り振った。」
11 連絡が取れない状態が続いている —(連絡がついた時点で改めて確認する) 訪問した日時と回数、連絡を試みた方法、関係機関への相談の記録 「9月2日から9月6日までに電話4回(9月2日10時/9月3日14時/9月5日9時/9月6日16時)、訪問2回(9月3日/9月6日)を行ったがご不在。9月6日17時、地域包括支援センターに状況を相談した。」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

契約まわりの記録と点検|困りごと10場面・そのまま使える文例32組・38サービスの確認項目

契約から時間が経ってから、「そんな説明は受けていない」「控えをもらっていない」「署名した覚えがない」という言葉が出てくることがあります。このとき事業所がしてはいけないのは、その場で法的な評価をすることです。有効か無効か、責任がどちらにあるかは事業所が決めることではありません。することは3つだけです。(1)言われた言葉をそのまま書き取る。(2)事業所に残っている事実(日時・同席者・渡した書類の点数)を照らし合わせる。(3)必要に応じて保険者や専門職に相談し、相談した事実を残す。

# 言われたこと その場ですること 記録に書く事実(そのまま使えます) 相談先(記入欄)
1 「そんな説明は聞いていない」 言葉をそのまま書き取り、いつの何についてかを伺う。反論はせず、改めて一緒に確認する日を決める 「9月10日14時20分、本人より『費用のことは聞いていない』との発言があった。9月12日10時に長女同席のもとで、8月9日にお渡しした控えを一緒に開いて確認することとした。」 相談先:   /相談日:   
2 「控えをもらっていない」 渡した書類の点数と日付を事業所の記録で確認し、見つからない場合は再交付の日を決める 「9月10日15時、長女より控えが見当たらないとの連絡。事業所の受け渡し記録では8月9日に3点をお渡ししている。9月12日に写しを持参し、置き場所を一緒に決めることとした。」 相談先:   /相談日:   
3 「署名した覚えがない」 署名の場面の事実(日時・場所・同席者・代筆の有無)を記録から拾い、評価は加えずに並べる 「9月10日16時、二男より当該の記載についての問い合わせ。事業所の記録では8月9日14時、本人宅の居間、同席は長女、代筆はなしと残っている。取扱いについて当法人の顧問弁護士に相談する旨を伝えた。」 相談先:   /相談日:   
4 「聞いていた費用と違う」 お渡しした書面のどの欄についてのお話かを特定し、書面の記載をそのまま読み上げる 「9月10日11時、長女より請求額についての問い合わせ。8月9日にお渡しした書面の該当欄を電話口で読み上げ、9月12日に訪問して書面を並べて確認することとした。」 相談先:   /相談日:   
5 「家族は契約のことを知らなかった」 当日の同席者と、後日連絡した相手・方法・日時を記録から拾う 「9月10日18時、県外在住の長男より連絡。事業所の記録では8月9日の同席は本人と長女、長男宛には8月10日に書類の写しを郵送している。改めて9月13日に電話で内容をご説明することとした。」 相談先:   /相談日:   
6 別の家族から「解約したい」と言われた 申し出た方の氏名と続柄を控え、本人と、これまで窓口だった方の意向も確認する日を決める 「9月10日13時、二女より終了の申し出。これまでの連絡窓口は長女であるため、9月11日に本人宅を訪問し、本人と長女の意向を直接伺うこととした。」 相談先:   /相談日:   
7 「預り金の額が合わない」 預り証の番号と記載額、出納の記録、立会者を突き合わせ、その場では結論を出さない 「9月10日10時、長女より預り金についての申し出。預り証(番号◯◯)と出納の記録を9月11日までに管理者が突き合わせ、9月12日に長女立会いのもとで確認することとした。」 相談先:   /相談日:   
8 「鍵を返してもらっていない」 預り証の控え、鍵の保管箱、持ち出しの記録を確認し、本数と返却日を照合する 「9月10日9時、本人より鍵の返却について問い合わせ。預り証の控えでは2本を8月9日にお預かりし、9月30日に返却予定である。保管箱内に2本があることを管理者が確認し、同日中に本人に電話で伝えた。」 相談先:   /相談日:   
9 「開始日が違うと聞いていた」 予定表と契約書の記載、担当者会議の記録の日付を並べ、どこで食い違ったかを事実で示す 「9月10日14時、長女より開始日についての問い合わせ。契約書の記載は9月1日、お渡しした予定表の初回は9月2日となっており、9月2日が正である旨を9月11日に訪問して書面でご説明することとした。」 相談先:   /相談日:   
10 「担当が代わったと聞いていない」 交代の連絡をいつ・誰に・どの方法で行ったかを記録から拾い、改めて紹介の場を設ける 「9月10日16時30分、本人より担当交代についての申し出。事業所の記録では8月28日に長女宛に電話連絡している。9月12日に前任と後任の2名で訪問し、改めてご紹介することとした。」 相談先:   /相談日:   

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

ここまでの文例に共通しているのは、日付・時刻・場所・誰が・何を・いくつが入っていることです。逆に「対応した」「説明した」「同意を得た」だけの記録は、後から読み返しても場面が復元できません。下表は、契約という出来事にまつわる記録を見直したい書き方そのまま使える書き方の2列で並べたものです。右の列は、日付と固有名詞を差し替えればそのまま使えます。

# 場面 見直したい書き方 そのまま使える書き方
1 問い合わせを受けた 問い合わせあり。対応した。 8月1日10時15分、長女より電話。母(78歳・要介護2)の入浴の支援について相談。日中の連絡は長女の携帯、夜間は自宅固定電話が希望とのこと。8月3日14時に見学の日程を設定した。
2 見学に来られた 見学対応。特に問題なし。 8月3日14時00分〜14時50分、本人と長女が来所。浴室と送迎車をご覧いただき、本人より「湯船に入れるなら行きたい」との発言。長女より送迎の順路について質問があり、所要25分と回答した。
3 契約日を決めた 契約日を調整。 8月5日16時20分、長女と電話。8月9日(金)14時、本人宅の居間で行うこととし、所要は約60分、事業所からは管理者と担当者の2名が伺うことを伝えた。
4 訪問して手続を始めた 訪問し契約。 8月9日14時00分、本人宅を訪問。居間のテーブルで、本人(正面)、長女(本人の右隣)、当事業所2名が着席。室温26度、テレビを消して開始した。
5 同席者を確認した 家族同席。 8月9日14時03分、同席者は長女(市内在住、週2回訪問)である旨を本人の前で確認した。今後の日中の連絡は長女宛とすることを本人・長女双方に確認した。
6 本人の様子 理解良好。 8月9日14時20分、説明中に「もう一度いいですか」との聞き返しが2回あった。要点を紙に書いて示すと「それならわかる」との発言があり、うなずきながら該当行を指でなぞられていた。
7 途中で中断した 途中で中断。 8月9日14時35分、本人があくびを2回され、姿勢が前かがみになったため中断。お茶を飲まれて5分休憩し、14時40分に再開した。
8 質問を受けた 質問あり、回答。 8月9日14時45分、長女より「キャンセルの連絡は何時までか」との質問。当日の朝9時までとお答えし、書面の該当欄に付箋を貼ってお示しした。
9 記入をお願いした 署名をもらった。 8月9日14時52分、日付欄・氏名欄への記入を1か所ずつ指し示してお願いした。本人が自書され、記入漏れがないことをその場で2名で確認した。
10 代筆になった 家族が代筆。 8月9日14時52分、本人より「手が震えるので書いてほしい」との申し出があり、長女が本人氏名と長女自身の氏名を記入された。記入の様子を当事業所2名が同席のうえ確認した。
11 控えを渡した 控えを交付。 8月9日14時58分、契約書・重要事項を記した書面・連絡先カードの3点を、一覧を付けた表紙とともに本人にお渡しした。置き場所は本人の希望により、居間の電話台の引き出しとした。
12 家族に書類を送った 家族へ郵送。 8月10日11時、県外在住の長男宛に、8月9日にお渡しした書類3点の写しを普通郵便で発送した。8月13日18時、長男より受領の電話があり、内容を10分ほどご説明した。
13 鍵を預かった 鍵を預かった。 8月9日14時55分、玄関の鍵2本(うち1本は青色のタグ付き)をお預かりし、預り証(番号2026-041)を本人にお渡しした。事業所の保管箱には同日16時30分に管理者が収めた。
14 被保険者証の写しを受け取った 保険証確認。 8月9日14時57分、介護保険被保険者証(認定の有効期間:令和8年3月31日まで)の写しを受領した。有効期間の3か月前に再度いただく旨を長女に伝えた。
15 その場で埋まらない欄があった 後日提出。 8月9日15時00分、口座に関する用紙は金融機関の届出印が必要なため、8月20日までに事業所へご持参いただくこととした。返信用の封筒を1通お渡しした。
16 事業所に戻ってから点検した 書類を確認。 8月9日17時10分、持ち帰った書類3点について、日付欄・氏名欄・続柄欄の記入を管理者が点検した。記入漏れはなく、個別ファイルに綴じ、表紙の一覧に1行追加した。
17 開始日の前日に連絡した 前日連絡済み。 8月31日16時00分、長女に電話。初回は9月1日10時、担当は◯◯である旨、玄関の鍵は事業所で預かっている旨をお伝えし、当日の体調に変化があれば9時までにご連絡いただくよう依頼した。
18 初回のサービスを提供した 初回訪問実施。 9月1日10時02分〜10時48分、担当◯◯が訪問。契約書に記した開始日と一致していることを訪問前に確認した。終了後、長女に電話で初回の様子を3分ほどお伝えした。
19 回数の変更を相談された 回数変更希望あり。 9月18日14時10分、長女より週2回から週3回への変更希望。理由は「本人の入浴後の表情がよいため」とのこと。担当者会議を9月22日13時に設定し、担当の介護支援専門員に同日中に連絡した。
20 時間帯の変更を相談された 時間変更。 9月18日15時、本人より「午後は通院が入るので午前にしてほしい」との申し出。10月1日から火・金の10時開始に変更し、変更後の予定表を9月25日の訪問時に手渡した。
21 担当者が代わった 担当変更。 9月20日11時、10月1日から担当を◯◯に変更する旨を、本人(訪問時)と長女(電話)にそれぞれお伝えした。9月28日に前任と後任の2名で訪問し、顔合わせを行う日程を決めた。
22 事業所の体制が変わった 体制変更あり。 9月20日、10月からの体制の変更について、書面の差し替えの担当と期限(9月30日まで)を管理者会議で決めた。取扱いは保険者の担当課に9月22日に照会する。
23 利用料に関する事項が変わる 料金改定。 9月20日、変更の内容と適用時期について、対象となる方14名への説明日程を割り振った。9月中に訪問し、変更点を記した書面をお渡ししたうえで内容をご説明する。
24 入院の連絡を受けた 入院のため中止。 10月3日9時20分、長女より、10月2日に◯◯病院へ入院との連絡。10月分の予定(10月3日以降8回)を取り消し、退院の見込みは未定と伺った。鍵2本は10月4日に長女へお返しした。
25 施設入所の連絡を受けた 施設入所により終了。 10月3日13時、担当の介護支援専門員より10月15日入所との連絡。10月14日を最終提供日とし、鍵2本と預り証を同日にお返しした。居宅に戻られる場合は改めて手続を行う旨を長女に伝えた。
26 本人から終了の申し出があった 本人希望により終了。 10月3日11時00分、訪問時に本人より「来月からは娘が付き添えるので終わりにしたい」との申し出。終了日を10月31日とし、鍵2本は10月31日の最終訪問時にお返しすることを本人・長女に確認した。
27 お亡くなりになった 死亡により終了。 10月3日8時40分、長女より本日未明に逝去された旨の電話連絡。10月6日14時、ご自宅にて長女に鍵2本と預り証をお返しし、受領のご署名をいただいた。
28 連絡が取れない 連絡つかず。 10月3日から10月7日までに電話4回(3日10時/4日14時/6日9時/7日16時)、訪問2回(4日/7日)を行ったがご不在。10月7日17時、地域包括支援センターに状況を相談し、担当者名を控えた。
29 控えが見つからないと言われた 再交付。 10月10日15時、長女より控えが見当たらないとの連絡。事業所の受け渡し記録では8月9日に3点をお渡ししている。10月12日に写しを持参し、置き場所を本人と一緒に決め直した。
30 保険者に照会した 市に確認済み。 10月11日10時30分、保険者の介護保険担当課(担当者名を控えた)に電話で照会。回答を得た内容をそのまま記録に転記し、根拠として示された資料の名称と発行年月を控えた。
31 専門職に相談した 専門家に相談。 10月11日16時、当法人の顧問弁護士に対し、10月10日に本人ご家族から申し出のあった件について事実関係を書面で共有し、10月15日に回答を得る予定である旨を管理者が記録した。
32 再びサービスを利用することになった 再開。 11月5日10時、長女より、10月14日に終了した本人が11月20日に退所され、再び利用したいとの相談。取扱いを保険者の担当課に照会のうえ、11月18日14時に本人宅で手続を行う日程を仮に設定した。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

最後に、契約という出来事が運営指導でどう見られるかを整理します。厚生労働省の運営指導マニュアル別添1は、サービスの種類ごとに「確認項目」と「確認文書」を示しています。契約に関する欄はどのサービスにも置かれており、確認文書として契約書が明記されています。下表は、38のサービスについて、その欄の名称・根拠となる条・確認文書・申込者の呼び方を並べたものです(介護療養型医療施設を含みます)。自事業所の行を見れば、契約に関してどの書類が見られるかがそのままわかります。

# サービスの種類 確認項目の欄の名称(根拠となる条) 確認文書 申込者の呼び方
1 訪問介護 内容及び手続の説明及び同意(第8条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
2 訪問入浴介護 内容及び手続の説明及び同意(第8条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
3 訪問看護 内容及び手続の説明及び同意(第8条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
4 訪問リハビリテーション 内容及び手続の説明及び同意(第8条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
5 居宅療養管理指導 内容及び手続の説明及び同意(第8条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
6 通所介護 内容及び手続の説明及び同意(第8条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
7 通所リハビリテーション 内容及び手続の説明及び同意(第8条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
8 短期入所生活介護 内容及び手続の説明及び同意(第125条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
9 短期入所療養介護 内容及び手続の説明及び同意(第125条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
10 特定施設入居者生活介護 内容及び手続の説明及び契約の締結等(第178条、第192条の7) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、入居契約書 入居申込者
11 福祉用具貸与 内容及び手続の説明及び同意(第8条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
12 居宅介護支援 内容及び手続の説明及び同意(第4条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
13 介護老人福祉施設 内容及び手続の説明及び同意(第4条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、入所契約書 入所(入居)申込者
14 介護老人保健施設 内容及び手続の説明及び同意(第5条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、入所(入居)契約書 入所(入居)申込者
15 介護療養型医療施設 内容及び手続の説明及び同意(第6条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
16 介護医療院 内容及び手続の説明及び同意(第7条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、入所契約書 入所(入居)申込者
17 介護予防訪問入浴介護 内容及び手続の説明及び同意(第49条の2) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
18 介護予防訪問看護 内容及び手続の説明及び同意(第49条の2) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
19 介護予防訪問リハビリテーション 内容及び手続の説明及び同意(第49条の2) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
20 介護予防居宅療養管理指導 内容及び手続の説明及び同意(第49条の2) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
21 介護予防通所リハビリテーション 内容及び手続の説明及び同意(第49条の2) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
22 介護予防短期入所生活介護 内容及び手続の説明及び同意(第133条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
23 介護予防短期入所療養介護 内容及び手続の説明及び同意(第133条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
24 介護予防特定施設入居者生活介護 内容及び手続の説明及び契約の締結等(第234条、第258条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、入居契約書 入居申込者
25 介護予防福祉用具貸与 内容及び手続の説明及び同意(第49条の2) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
26 介護予防支援 内容及び手続の説明及び同意(第4条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
27 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 内容及び手続の説明及び同意(第3条の7) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
28 夜間対応型訪問介護 内容及び手続の説明及び同意(第3条の7) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
29 認知症対応型通所介護 内容及び手続の説明及び同意(第3条の7) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
30 小規模多機能型居宅介護 内容及び手続の説明及び同意(第3条の7) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
31 認知症対応型共同生活介護 内容及び手続の説明及び同意(第3条の7) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者(入退居の欄では入居申込者)
32 地域密着型特定施設入居者生活介護 内容及び手続の説明及び契約の締結等(第113条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、入居契約書 入居申込者
33 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 内容及び手続の説明及び同意(第3条の7) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、入所契約書 入所(入居)申込者
34 看護小規模多機能型居宅介護 内容及び手続の説明及び同意(第3条の7) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
35 地域密着型通所介護 内容及び手続の説明及び同意(第3条の7) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
36 介護予防認知症対応型通所介護 内容及び手続の説明及び同意(第11条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
37 介護予防小規模多機能型居宅介護 内容及び手続の説明及び同意(第11条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者
38 介護予防認知症対応型共同生活介護 内容及び手続の説明及び同意(第11条) 重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)、利用契約書 利用申込者(入退居の欄では入居申込者)

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

あわせて、契約という出来事(結ぶ・変える・結び直す・終える)について自治体が公表している指摘を、出典つきで並べます。書面の記載事項そのものではなく、いつ・誰と・どの順番で行ったかに関わるものを選んでいます。

# 公表元 公表されている内容の要旨 確認される書類 契約の段取りとして見直す点
1 姫路市「令和6年度以前実地指導結果(指定基準等)」 施設入所により契約が一度解除された後、退所後に改めて契約に関する手続を行わないまま居宅介護支援を提供していた 契約書、重要事項説明書、同意書、居宅介護支援経過 終了の記録と、再び利用が始まるときの手続を対にして手順書に書く。終了時に「再開時は改めて手続」と控えに明記する
2 津山市「令和5年度 地域密着型サービス事業者 集団指導資料」 重要事項説明書の変更時に改めて同意を得ていない例が挙げられている 重要事項説明書、運営規程、変更時の同意書(署名・日付) 書面を改訂した日から、対象の利用者全員を回り終える期限までを1本の予定表にする
3 福岡県介護保険広域連合「居宅介護支援事業者等 集団指導資料(令和6年度版)」 重要事項説明書の変更があった際に、書面を用いて変更点の説明を行っていない例、理解したことの確認を得ていない例が挙げられている 改訂前後の重要事項説明書、変更点を示した書面、同意欄、支援経過記録 改訂のたびに「変更点だけを1枚にまとめた紙」を作り、訪問時に手渡す運用にする
4 宇都宮市「令和7年度 運営指導における主な指導事例(各サービスに共通する事項)」資料1 改定後の利用料金について説明と同意が確認できない例が挙げられている 重要事項説明書、同意書、料金に関する書面 改定の適用月から逆算して、説明を終える期限と担当者を割り振る
5 和歌山市 令和3年度 介護保険サービス事業者集団指導資料【Ⅰ共通資料(その1)】 すでに廃止されたサービスに関する記載が残っている例、内容変更時に改めて説明し同意を得ていない例が示されている 運営規程、重要事項説明書、契約書、同意書 年に1回、書面の全ページを読み直す日を決めて予定表に入れる
6 広島市「令和7年度運営指導の指摘事項等について」 重要事項説明書の日付や担当職員の記載漏れが認められた 重要事項説明書(利用者控えを含む)、契約書 当日その場で2名が記入欄を指さし確認し、事業所に戻ってから管理者がもう一度点検する二段構えにする
7 姫路市「令和6年度以前実地指導結果(指定基準等)」 通常の事業の実施地域について、運営規程と利用者に交付する重要事項説明書の記載内容が異なっていた 運営規程、重要事項説明書、契約書、変更届出書の控え 運営規程を直したら、同じ日に書面・掲示・ウェブサイトも直す担当を決めておく
8 広島市「令和7年度運営指導の指摘事項等について」 運営規程と重要事項説明書について、営業日・営業時間・通常の事業の実施地域の内容が相違している部分が認められた 運営規程、重要事項説明書、事業所内掲示物、変更届の控え 変更が起きたときの差し替え先を一覧(書面・掲示・ウェブサイト・名刺・案内文)にしておく
9 福井市「令和7年度 介護保険制度等に係る集団指導」 記録の保存期間について、サービスの「完結」の日から起算すべきところ、起算日や年数の記載が異なっている例が挙げられている 運営規程、重要事項説明書、同意書、変更届の控え、条例 自事業所の指定権者の条例で起算日と年数を確認し、保管箱のラベルに書いておく
10 足立区「令和7年度 集団指導(小規模多機能型居宅介護)」 領収証を交付していない(引き落としのため未交付・希望者のみ交付)例が指導事項として挙げられている 領収証(控え)、請求書、利用料の収納記録、重要事項説明書 支払方法にかかわらず発行する運用にし、契約当日に発行方法を書いた案内を渡す
11 愛知県 福祉局福祉部 福祉総務課監査指導室「主な指摘事項(令和7年度版)」 その他の利用料としての交通費の算定起点について、「事業所から」ではなく「通常の事業の実施地域を越える地点から」であるとして、運営規程・重要事項説明書を改めるよう示されている 運営規程、重要事項説明書、重要事項の掲示、変更届の控え、領収証 実施地域を越える方の一覧を作り、契約時に起算点をその場で図で示す
12 神戸市「介護保険サービス事業運営上の留意事項(居宅通所)」(令和7年3月) 個人情報使用同意書について、利用者本人分と家族(代表)分のそれぞれに同意を得る必要があり、利用者の代理署名は家族分の同意にはならない旨が注記されている 個人情報使用同意書(利用者分・家族分)、重要事項説明書、利用契約書 契約当日に渡す用紙を「本人分」「家族分」で色分けし、持ち帰りになった家族分の回収予定日をその場で決める

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

ここに並べたものは、いずれも「書面の中身」ではなく「進め方」で防げるものです。契約日の設定を前倒しにする、当日の順番を決めておく、控えの一覧を表紙に付ける、終了と再開を対で手順書に書く——どれも1日でできる整え方です。取扱いや様式は保険者(指定権者)によって異なりますので、自事業所の指定権者が公表している資料と、契約書そのものの定めを必ずご確認ください。

出典

出典:厚生労働省ウェブサイト(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)/e-Gov法令検索)/公共データ利用規約(第1.0版)。
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。制度・様式は改定されることがあるため、最新の告示・通知・条例等の原典をご確認ください。

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運営指導で実際に公表されている指摘|出典つき

契約書・重要事項説明書は、運営規程と一致しているか同意の取り方の2点が確認されます。

公表されている指摘 公表元
運営規程・重要事項説明書の内容が実態と異なる、または不整合。差異の多い事項として従業者の職種及び員数/苦情受付機関/利用料/通常の事業の実施地域/営業日及び営業時間/協力医療機関/記録の保存期間が挙げられている 福井市の令和7年度集団指導資料
重要事項説明書の記載内容が運営規程と異なっている/必要な記載事項がない、又は必要ない記載事項がある変更時に同意を取っていない。算定していない加算や徴収していない料金が記載されている例が見受けられた 津山市の地域密着型サービス事業者集団指導資料
重要事項説明書等に記載している利用料金(単位)が改訂後のものとなっておらず、改訂後の内容について利用者等へ説明したこと及び同意を得ていることが確認できない 公表資料の主な指摘事項(金沢市の資料でも説明日・利用者のサイン等の記入漏れがないようにする旨)
重要事項説明書には、料金・加算の内容、外部の苦情連絡先(該当市町村担当課、県国保連合会)及び事故発生時の対応を記載すること 愛知県の主な指示事項
重要事項説明書の「事故発生時の対応」「第三者評価の実施状況」の記載漏れについて指導を受けた事業所があった 公表資料の主な指摘事項
通常の事業の実施地域について、運営規程と利用者に交付する重要事項説明書の記載内容が異なっていた 姫路市の令和6年度実地指導結果
個別サービス計画の同意署名が利用者家族のみとなっている事例、同意日がサービス提供後となっている事例。署名により同意を得る場合は代筆者が利用者及び代筆者の氏名を記入すること 津山市の集団指導資料(令和5年度)
利用者から個人情報を用いる場合の同意を得ていない/利用者の家族から個人情報を用いる場合の同意を得ていない。代理人は利用者本人の代理であるため、代理人欄への記載をもって家族の同意とすることはできない 福井市の令和7年度集団指導資料

契約時にそろえる書類と、確認すること

書類 主な記載事項 確認すること
契約書 契約期間、サービスの内容、利用料、解約、損害賠償 署名・押印の日付が提供開始日より前か
重要事項説明書 運営規程の概要、職種と員数、営業日時、利用料、苦情窓口、事故時の対応、第三者評価 運営規程と一字一句そろっているか
個人情報使用同意書 利用目的、提供先の範囲、期間 本人と家族の双方から得ているか
重要事項の掲示 事業所の見やすい場所に掲示。ウェブサイトへの掲載 掲示物が最新のものか
料金表 基本料金、加算、保険外の実費 改定後の額になっているか
緊急時の連絡先 夜間・休日の連絡先 担当が変わったときに更新しているか
苦情の窓口 事業所・市町村担当課・国保連 外部の窓口も書かれているか
サービス提供の記録の交付 申出があった場合の交付 交付できる状態になっているか

同意を得るときに間違えやすいところ

よくあること なぜ問題か どうするか
同意日がサービス提供開始日より後 手順が逆になっている 説明・同意・交付を提供開始前に済ませる
家族のみの署名で済ませている 本人から得るのが原則とされている 本人から得る。代筆時は代筆者の氏名も記入する
代理人欄で家族の同意も兼ねている 代理人は本人の代理であり、家族の同意にはならないとされている 家族の個人情報を使う場合は、家族から別に同意を得る
料金改定後に再説明していない 改定後の内容への同意が確認できない 改定のたびに説明し、同意を得た記録を残す
重要事項説明書と運営規程が違う 公表資料で繰り返し指摘されている 変更したら両方を同時に直す
算定していない加算が書かれている 実態と異なる 提供していないサービスや加算は削除する
説明日・署名の欄が空欄 同意を得たことを示せない 記入漏れを提出前に確認する
掲示物が古いまま 最新でないと指摘されている 変更のたびに掲示とウェブサイトも更新する

運営規程との整合は運営規程で確認できます。要件・運用は保険者により異なります。詳細は監査対策ナビと各自治体の公表資料をご確認ください。

契約の解除・変更で、決めておくこと

解約・変更の取り扱いは、契約書に書いておかないと後で判断が分かれます。

場面 契約書に定めておくこと 実際の運用で残す記録
利用者からの解約 申出の方法と、何日前までか 申出を受けた日、方法、理由
事業者からの解約 やむを得ない事由の範囲と、予告期間 事由、予告した日、代替サービスの調整
契約の自動更新 更新の可否と、更新時の手続き 更新の意思確認を行った日
サービス内容の変更 変更の手続きと、同意の取り方 変更内容、説明日、同意した人
料金の改定 改定時の通知の方法と時期 通知日、説明日、同意した記録
入院・入所したとき 契約の取り扱い(休止か解除か) 入院日、連絡した相手、再開の見込み
死亡したとき 契約の終了と、記録の取り扱い 終了日、遺族への説明
身元引受人・緊急連絡先の変更 変更の届出 変更日、新しい連絡先、確認した方法
損害賠償 賠償責任保険の加入と、範囲 事故発生時の対応手順
記録の保存 保存期間(完結の日から2年間など、条例による) 保存場所と、廃棄の記録

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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