福祉用具専門相談員は、利用者に合った福祉用具を選び、安全に使えるよう支える専門職です。ここでは、業務内容・必要な資格の根拠(告示・省令)・扱う書類の記入例までを整理します。求職中の方にも、事業所を運営される方にも役立つ内容にまとめました。

福祉用具専門相談員とは
福祉用具貸与・販売の事業所に配置が求められる専門職で、利用者の心身の状況や生活環境に合わせて用具を選定し、計画・適合(フィッティング)・モニタリングまでを担います。介護保険制度上は、介護保険法施行令(平成10年政令第412号)第4条第1項に規定される「福祉用具専門相談員」がこれにあたります。
主な業務
- 選定の相談――心身の状況や住環境をふまえ、適切な用具を提案する。
- 福祉用具貸与(販売)計画書の作成――目標・選定理由をまとめ、利用者に交付する。
- 適合・調整(フィッティング)――高さや使い方を調整し、安全に使えるようにする。
- モニタリング――定期的に利用状況を確認し、必要に応じて見直す。
- メンテナンス――点検・消毒など、用具の安全管理。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 選定・提案 | 状態と生活環境にあわせて用具を選ぶ |
| 計画・説明 | 福祉用具貸与計画書を作成し使い方を説明 |
| 適合・調整 | 高さ・使い方を調整し安全に使えるようにする |
| モニタリング | 利用状況を確認し必要に応じて見直す |
選定・計画・適合・モニタリングの流れ
「用具を渡して終わり」ではなく、生活の目標に沿って選び、使用後も定期的に見直すことが一連の流れになります。計画書とモニタリング記録を整えることは、サービスの質の担保と実地指導への備えの両面で欠かせません。
①アセスメント(心身・住環境の把握)→ ②選定・提案 → ③貸与計画書の作成・交付 → ④適合・使い方の説明 → ⑤モニタリング(定期確認) → ⑥見直し(②へ戻る)
必要な資格(要件の対照)
福祉用具専門相談員として従事するための要件は告示・施行令に定めがあります。ここでは「制度上の定め」と「ご自身・貴事業所で確認する点」を対照で示します。該当可否の最終判断は、都道府県の指定基準・最新の通知をご確認ください。
| 制度上の定め | ご確認いただく点 |
|---|---|
| 福祉用具専門相談員指定講習の課程(平成18年厚生労働省告示第269号)を修了。各科目の時間の合計は約50時間(平成27年4月1日から40時間→50時間に変更)。 | 受講予定・修了済みの講習が、都道府県指定の課程かどうかをご確認ください。 |
| 一定の資格保有者(介護福祉士・看護師 等)は、施行令の定めにより講習の対象外となる場合がある。 | 保有資格が施行令第4条第1項の対象に含まれるか、原典・自治体窓口でご確認ください。 |
※講習の時間数・免除の範囲は改定で変わり得ます。数値は目安として扱い、受講前に都道府県の最新案内をご確認ください。
事業所の人員基準(省令の定め)
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第194条は、指定福祉用具貸与事業所ごとに置くべき福祉用具専門相談員の員数を「常勤換算方法で、二以上」と定めています。管理者は、管理上支障がない場合に福祉用具専門相談員と兼務できる取り扱いがあります(詳細は都道府県の指定基準・原典をご確認ください)。
扱う主な書類と記入例
- 福祉用具貸与(販売)計画書
- モニタリング記録
- 契約関係の書類(重要事項説明書・契約書 など)
計画書は「利用目標」「選定した用具」「選定理由」を、利用者に分かる言葉で書くのが基本です。下は貸与計画書の記入イメージです(氏名は伏字にしています)。
| 記載欄 | (例)記入イメージ |
|---|---|
| 利用者 | (例)A様/要介護2 |
| 利用目標 | (例)ベッドからの起き上がり・立ち上がりを安全に行い、日中はトイレまで自力で移動できる。 |
| 選定した用具 | (例)特殊寝台・付属品(サイドレール)、歩行器 |
| 選定理由 | (例)下肢筋力の低下があり、起き上がり動作に介助を要するため。手すり付きで転倒リスクを下げる。 |
| モニタリング予定 | (例)交付後は少なくとも6か月に1回、使用状況・適合を確認し記録する。 |
※様式・記載項目は自治体や事業所によって異なります。お使いの様式・最新の通知をご確認ください。書き方の詳細は福祉用具貸与計画書の書き方をご覧ください。
計画書やモニタリング記録をAI(文章生成・要約など)に渡す場合は、氏名・被保険者番号などの個人情報を伏字(A様 等)にし、事業所内のルールや個人情報の取り扱い方針を事前にご確認ください。実在の方の情報をそのまま外部サービスに入力しないようご注意ください。
書類業務を効率化する
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」の福祉用具向け機能(福祉用具マナ)は、計画書・モニタリング・契約管理の書類作成を支援し、相談員の作業負担の軽減に役立ちます。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます(無料での利用が可能です)。
よくあるご質問
福祉用具専門相談員の仕事は?
資格を得るにはどうすればよいですか?
事業所に何人配置が必要ですか?
ケアマネジャーとの違いは?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。制度・数値は改定される場合があるため、最終的には原典および所管の都道府県窓口をご確認ください。
業務の流れと、作る書類
| 段階 | やること | 作る書類 |
|---|---|---|
| 相談 | 困りごとを聞く | 相談の記録 |
| 情報収集 | 心身の状況、住環境、介助者 | アセスメントの記録 |
| 選定 | 候補を挙げ、試してもらう | 選定の理由 |
| 計画 | 目標、品目、留意事項を書く | 福祉用具貸与計画書 |
| 説明・同意 | 本人・家族へ説明 | 同意の記録 |
| 交付 | 計画を渡す | 交付の記録 |
| 納品 | 搬入、組立、使い方の説明 | 納品書、説明の記録 |
| 初回の確認 | 使えているかを見に行く | 確認の記録 |
| モニタリング | 定期的に確認する | モニタリングの記録 |
| 報告 | ケアマネジャーへ | 報告の記録 |
| 見直し | 状態が変わったとき | 計画の変更 |
| メンテナンス | 点検、消毒、交換 | 点検の記録 |
| 終了 | 引き上げ | 返却の記録 |
運営指導で見られるところ
| 見られるところ | 確認 |
|---|---|
| 計画に目標が書かれているか | 品目名だけになっていないか |
| 計画に留意事項があるか | 使うときの注意が書かれているか |
| 説明と同意の記録 | 日付、説明した人、同意した人 |
| 交付の記録 | 交付日 |
| モニタリングの実施 | 記録が残っているか |
| ケアマネジャーへの報告 | 報告した記録があるか |
| 計画の見直し | 状態の変化に応じているか |
| 選択制の説明 | 貸与と販売の選択制の対象品目について、双方の利点と欠点を説明したか |
| 軽度者への貸与 | 例外給付の要件を確認しているか |
| 点検・消毒 | 記録が残っているか |
| 資格 | 福祉用具専門相談員の要件を満たしているか |
| 員数 | 事業所に2名以上配置されているか |
貸与計画は福祉用具貸与計画書、モニタリングは福祉用具のモニタリング、軽度者は軽度者への貸与をご覧ください。
資格と、事業所の要件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 資格の取り方 | 福祉用具専門相談員指定講習(50時間)の修了 |
| みなし資格 | 介護福祉士、介護支援専門員、看護師、保健師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、義肢装具士 |
| 事業所の配置 | 常勤換算で2名以上 |
| 計画の作成 | 福祉用具専門相談員が作成する |
| モニタリング | 福祉用具専門相談員が行う |
| 研修 | 事業者は研修の機会を確保する |
| 記録の保存 | 完結の日から2年間(条例による) |
| 選択制の説明 | 貸与と販売の双方の利点・欠点を説明する |
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
