介護報酬改定は原則3年ごとですが、その中間年にあたる2026年度(令和8年度)には、臨時的な対応が予定されています。現時点で分かっている方向性を整理します。
2026年度の臨時改定とは
2026年度は、本来の通常改定(2027年度)の前の中間年にあたります。物価や賃金の動向をふまえ、介護職員の処遇改善・賃上げを中心とした臨時的な対応が議論・予定されています。通常改定のような広範な見直しではなく、人材確保に関わる部分が中心になるとみられます。
想定される主なポイント
- 介護職員の処遇改善・賃上げに関する対応
- 人材確保・定着に向けた取り組みの後押し
2026年度の内容は固まりきっていない部分があり、施行時期や対象も含めて、必ず厚生労働省の最新情報で確認してください。
事業者の対応
処遇改善関連の加算は、要件を満たす記録・体制の整備が前提になります。最新の通知を確認し、賃金規程や記録の整備を進めておくことが大切です。
事業者が今から備えること
- 処遇改善加算の最新の区分・要件を確認する
- 賃金規程や、職員への配分方法を整理しておく
- 加算の根拠となる記録・体制を整える
臨時改定という位置づけ
介護報酬改定は原則3年ごとですが、その間に臨時の改定が行われることがあります。物価や賃金の動向、制度上の必要に応じて、対象を絞って行われるのが特徴です。
| 通常の改定 | 臨時改定 | |
|---|---|---|
| 周期 | 原則3年ごと | 必要に応じて |
| 範囲 | 全サービス、広範 | 対象を絞って行われることが多い |
| 準備期間 | 1年以上の議論 | 短いことがある |
| 事業者の対応 | 全面的な見直し | 該当する部分の確認と対応 |
確認すること
- 自事業所のサービス種別が対象か——まずここです
- 算定している加算に変更があるか——要件・単位数の両方
- 届出が必要か——体制届の提出期限を確認します
- 重要事項説明書の料金を更新したか——利用者への説明と同意が必要です
- システムの単位数マスタが更新されているか——請求ソフトの更新時期を確認します
- 処遇改善に関する変更があるか——計画書の再提出が必要になる場合があります
見落とされやすいこと
- 利用者への説明が漏れる——料金が変わったのに旧版の重要事項説明書のまま
- システムの更新が間に合わず、請求時にエラーが出る
- 経過措置の期限を把握していない
- 届出の期限を過ぎ、算定できない月が発生する
- 保険者独自の運用の変更を確認していない
改定対応のチェックリスト
| 確認事項 | 状態 |
|---|---|
| 自事業所のサービス種別が対象か確認した | □ |
| 算定している加算の要件・単位数の変更を確認した | □ |
| 必要な届出を期限内に提出した | □ |
| 請求ソフトの単位数マスタを更新した | □ |
| 重要事項説明書の料金を更新した | □ |
| 利用者・家族へ説明し、同意を得た | □ |
| 運営規程を更新した | □ |
| 経過措置の期限を確認した | □ |
| 保険者独自の運用の変更を確認した | □ |
臨時改定の情報をどこで追うか
- 厚生労働省「介護報酬改定」のページ——告示・通知の原本
- WAM NET「介護保険最新情報」——通知がVol.番号で順に公開されます
- 都道府県・市区町村——保険者ごとの運用
- 国保連からの通知——請求の実務に関わる変更
- 使用している請求ソフトのベンダー——マスタ更新の時期
よくある疑問
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| 臨時改定はいつ行われるか | 必要に応じて行われます。定期的なものではありません |
| 対象外なら何もしなくてよいか | 算定している加算に変更がないか確認します |
| 届出の期限を過ぎたら | その月は算定できないことがあります。速やかに保険者へ相談します |
| 利用者への説明はどこまで | 料金が変わる場合は、変更内容の説明と同意が必要です |
| システムが対応しない | ベンダーへ更新時期を確認します。間に合わない場合の手順を決めておきます |
改定のたびに繰り返される失敗
| 失敗 | なぜ起きるか | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 届出の期限を過ぎた | 改定の内容を追うことに集中し、手続きを忘れる | 告示を読む前に、届出の期限を確認する |
| 重要事項説明書が旧版のまま | 利用者への説明まで手が回らない | 料金が変わる項目を先にリスト化する |
| システムが対応しない | ベンダー任せにしている | 更新時期を事前に確認し、間に合わない場合の手順を決める |
| 経過措置の期限を忘れた | 猶予があると安心してしまう | 期限をカレンダーに入れる |
| 保険者独自の運用を見落とした | 国の通知だけを見ている | 集団指導と自治体のページを確認する |
請求ソフトの更新で確認すること
- 更新の提供時期(施行に間に合うか)
- 更新の方法(自動か、手動か)
- 更新にかかる費用(保守契約に含まれるか)
- 過去分の請求への影響
- 加算の設定を自分で変更する必要があるか
- 更新後にテスト請求ができるか
改定を経営として受け止める
- 収入への影響を試算する——現在の利用者構成で、単位数の増減を計算します
- 加算の取得余地を確認する——取れていない加算がないか
- 減算の対象になっていないか確認する——ここが最優先です
- 職員へ説明する——処遇改善に関わる場合は、配分の考え方まで
職員への伝え方
- 変わった内容と、その理由を伝える
- 処遇改善に関わる場合は、配分の考え方まで説明する
- 記録の書き方が変わる場合は、具体例を示す
- 書面で残す——口頭だけでは要件の証明になりません
記録・体制づくりを支える
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」は、加算の根拠となる記録づくりや、日々の記録の効率化を後押しします。改定対応にかかる事務負担を軽くできます。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。
2026年度介護報酬改定(臨時改定)のポイント
2026年度は臨時的な改定として、処遇改善・賃上げなどが論点となります。押さえたい視点を整理しました。
- 処遇改善・賃上げ――賃金改善に関する動向を確認
- 加算・要件の確認――変更点を把握
- 記録・体制の整備――算定の根拠を整える
- 最新情報の確認――告示・通知を確認
算定要件・単位数・様式は介護報酬改定や自治体により異なります。実際の運用にあたっては最新の告示・通知・条例等でご確認ください。
よくある質問(FAQ)
2026年度の改定のポイントは?
事業者が備えることは?
確定情報はどこで?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
臨時改定は通常改定とどう違いますか?
いつ施行されますか?
出典:厚生労働省ウェブサイト/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。加算・単位数・要件は改定される場合があるため、最新の告示・通知でご確認ください。
改定のときに、事業所で確認する順番
単位数から入ると抜けます。種別 → 基本報酬 → 加算 → 減算 → 運営基準 → 書類、の順に見ます。
| 順番 | 確認すること | 見る場所 |
|---|---|---|
| 1 | 自事業所のサービス種別に関係する項目 | 告示の目次 |
| 2 | 基本報酬の単位数 | 告示 |
| 3 | 算定している加算の要件が変わったか | 告示・通知 |
| 4 | 新設された加算のうち、取れるものがあるか | 告示・通知 |
| 5 | 新設された減算に該当しないか | 告示・通知 |
| 6 | 運営基準に新しい義務が加わったか | 省令 |
| 7 | 体制届の提出が要るか | 保険者 |
| 8 | 様式が変わったか | 保険者 |
| 9 | 運営規程を直す箇所 | 事業所 |
| 10 | 重要事項説明書を直す箇所 | 事業所 |
| 11 | 料金表と掲示 | 事業所 |
| 12 | 介護ソフトの更新 | ソフト事業者 |
| 13 | 職員への周知 | 事業所 |
| 14 | 利用者への説明 | 事業所 |
施行後1か月で点検すること
| 点検すること | なぜ |
|---|---|
| 請求が通ったか | コードの変更で返戻が出やすい |
| 算定した加算の根拠が記録に残っているか | 要件が変わっている場合がある |
| 新しい減算に該当していないか | 委員会・研修・訓練の未実施 |
| 利用者の自己負担が正しいか | 料金表の反映漏れ |
| 重要事項説明書の同意を得たか | 料金が変わった場合 |
| 掲示とウェブサイトが最新か | 運営指導で見られる |
| 疑義解釈が出ていないか | 解釈が変わることがある |
| 職員が新しい要件を知っているか | 記録の書き方が変わることがある |
改定の仕組みは介護報酬改定とはをご覧ください。単位数・要件は告示および通知でご確認ください。
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
