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認定調査の特記事項 記入例|第1群〜第5群の文例90例と日常生活自立度

要介護認定の認定調査では、基本調査の選択肢を選ぶだけでなく、その選択を選んだ根拠と、選択肢では伝わらない状況を特記事項に書きます。介護認定審査会は、この特記事項と主治医意見書をもとに一次判定を修正するかどうかを検討します。つまり、特記事項の書き方が要介護度に影響します。

要点(3行)

  • 認定調査の特記事項は、基本調査の選択肢を選んだ根拠と、選択肢では伝わらない状況を書く欄で、介護認定審査会が主治医意見書とあわせて一次判定の修正を検討する材料になります。
  • このページでは、第1群〜第5群(13・12・9・15・6項目)と特別な医療の書き方、調査項目別の完成文90例、迷ったときの書き分け22場面、書き直しの対照30組などを、表20本で掲載しています。
  • 書き方の要点は、能力ではなく実際に行われている介助を書くこと、頻度と時間帯を数字で書くこと、日によって違う場合や本人と家族の話が食い違う場合は両方を書くことです。

ここでは第1群から第5群と特別な医療について、迷いやすい場面と、そのまま書き写せる文例を並べました。書き方の原則は3つです。①「できる/できない」ではなく実際に行われている介助を書く、②頻度と時間帯を数字で書く、③いつもと違う場合はその両方を書く。

第1群|身体機能・起居動作(13項目)

実際に行われている介助で選び、選択肢では伝わらない状況を書きます。

項目 特記事項の文例
麻痺等の有無 左上肢に麻痺あり。肩の高さまで挙上できるが、そこから先は挙がらない。ペットボトルのふたを開ける動作は困難。
拘縮の有無 右膝関節に拘縮あり。仰臥位で他動的に伸展させても160度まで。本人から痛みの訴えあり。
寝返り ベッド柵を使えば自力で寝返りができる。柵がない場所(居間の布団)では介助が必要。1日3〜4回、家族が介助している。
起き上がり 電動ベッドの背上げ機能を使い、45度まで上げれば自力で起き上がれる。機能を使わない場合は肘で支えても起き上がれない。
座位保持 背もたれがあれば10分程度保持できる。背もたれのない状態では左に傾き、1分程度で支えが必要になる。
両足での立位保持 手すりにつかまれば10秒程度保持できる。支えなしでは立位を保持できず、ふらついて座り込む。
歩行 屋内は伝い歩きで5m程度。屋外は歩行器を使用し、家族が付き添って30m程度。週2回の通院時のみ屋外を歩く。
立ち上がり いすの座面に手をついて立ち上がる。ソファなど低い座面からは自力で立ち上がれず、1日2〜3回介助を受けている。
片足での立位 どちら側も保持できない。ズボンの着脱時は座って行っている。
洗身 背中と足先に手が届かないため、週2回の入浴時にすべて家族が洗っている。前面と腕は自分で洗える。
つめ切り 手のつめは自分で切れるが、足のつめは前かがみになれず切れない。月1回、長女が切っている。
視力 新聞の見出しは読めるが、本文は読めない。白内障の手術を勧められているが、本人が希望していない。
聴力 普通の声では聞き取れないことがあり、正面から大きめの声で話すと通じる。電話での会話は困難。

訪問で聞き取った内容、話すだけで下書きになります。

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第2群|生活機能(12項目)

食事・排泄・清潔・着脱など、日常の場面ごとに頻度と時間帯を数字で書きます。

項目 特記事項の文例
移乗 ベッドから車いすへの移乗は、家族が腰を支えて行っている。1日5〜6回。デイサービスでは職員2名で行っている。
移動 屋内は車いすを自分で操作して移動する。段差のある玄関のみ介助を受けている。
えん下 水分でむせることが週2〜3回ある。とろみをつければむせない。固形物ではむせない。
食事摂取 スプーンで自分で食べられるが、食べこぼしが多く、食後に家族が衣類を替えている。
排尿 日中はトイレで自立。夜間は間に合わず、週3〜4回失禁があり、家族がリハビリパンツを交換している。
排便 便意の訴えがなく、家族が時間を決めてトイレに誘導している。誘導しないと失敗する。
口腔清潔 歯ブラシを渡せば自分で磨くが、奥歯に磨き残しが多く、毎晩家族が仕上げ磨きをしている。
洗顔 タオルを渡せば自分で拭ける。蛇口の操作ができないため、家族が湯を用意している。
整髪 くしを渡せば自分でとかせる。後頭部は届かないため、家族が整えている。
上衣の着脱 かぶり式は自分で着られる。前開きのボタンは指先の細かい動作ができず、1日2回介助を受けている。
ズボン等の着脱 立位が保てないため、座位で行い、臀部を上げる場面で家族が支えている。
外出頻度 週2回の通院のみ。買い物や散歩での外出は6か月以上ない。

第3群|認知機能(9項目)

「できる/できない」ではなく、実際にあった出来事で書きます。

項目 特記事項の文例
意思の伝達 「はい」「いいえ」は伝えられるが、どこが痛いかなど具体的な内容は伝えられない。
毎日の日課を理解 朝食後にデイサービスへ行くことは理解している。曜日の理解はなく、毎日「今日は行く日か」と尋ねる。
生年月日をいう 生年月日は正しく答えられる。年齢は10歳ほど若く答える。
短期記憶 5分前に食事をしたことを覚えておらず、1日に3〜4回「まだ食べていない」と話す。
自分の名前をいう 氏名は正しく答えられる。
今の季節を理解 夏に「寒い」と話し、季節に合わない服を選ぶことが週2〜3回ある。
場所の理解 自宅であることは理解している。デイサービスでは「ここはどこか」と繰り返し尋ねる。
徘徊 夕方になると「家に帰る」と話し、玄関から外に出ようとすることが週3〜4回ある。家族が声をかけて戻っている。
外出すると戻れない 1年前に外出して戻れなくなり、警察に保護されたことが1回ある。以後、1人での外出はしていない。

第4群|精神・行動障害(15項目)

この1か月間の頻度で選びます。みられない場合も「みられない」と書きます。

項目 特記事項の文例
被害的 「財布を盗られた」と週2〜3回話し、そのつど家族が一緒に探している。
作話 行っていない外出について話すことが週1回程度ある。
感情が不安定 夕方になると涙ぐみ、「帰りたい」と話すことが週3〜4回ある。
昼夜逆転 夜間に2〜3回起き出して居間に来る。日中は臥床して過ごすことが多い。
同じ話をする 同じ質問を1時間に3〜4回繰り返す。
大声をだす 入浴を勧めたときに「うるさい」と大声を出すことが週1回程度ある。
介護に抵抗 更衣の際に手を払いのけることが週2〜3回あり、時間を空けて再度声をかけている。
落ち着きなし 夕方に「帰る」と言って荷物をまとめることが週3〜4回ある。
一人で出たがる 日中に「買い物に行く」と言って出ようとすることが週1〜2回ある。
収集癖 使用済みのティッシュを引き出しにためている。家族が週1回片づけている。
物や衣類を壊す この6か月間にはみられない。
ひどい物忘れ 薬を飲んだことを忘れ、重ねて飲もうとすることが月2〜3回あり、家族が管理している。
意味もなく独り言 独り言が続くことが1日に数回ある。
自分勝手に行動する 食事の途中で立ち上がり、別の部屋へ行くことが1日1〜2回ある。
話がまとまらない 話題が途中で変わり、要件が伝わらないことが日常的にある。

第5群|社会生活への適応(6項目)

項目 特記事項の文例
薬の内服 家族が1回分ずつ小袋に分け、声をかけて手渡している。手渡せば自分で飲める。
金銭の管理 長女がすべて管理している。本人は小銭のみ財布に入れているが、支払いの計算はできない。
日常の意思決定 食べたいものは自分で選べる。受診や契約に関する判断は家族が行っている。
集団への不適応 デイサービスでは他の利用者と会話し、行事にも参加している。不適応はみられない。
買い物 週1回、家族と一緒に出かけ、本人は品物を選び、支払いは家族が行っている。
簡単な調理 炊飯器のスイッチは押せる。加熱をともなう調理は、火の消し忘れがあったため6か月前からしていない。

特別な医療(過去14日間)

過去14日間に医師の指示に基づいて実際に行われたものが対象です。

項目 特記事項の文例
点滴の管理 この14日間に実施なし。
中心静脈栄養 実施なし。
透析 週3回、月・水・金に通院して血液透析を受けている。送迎は透析施設の車を利用。
ストーマの処置 人工肛門を造設しており、装具の交換は週2回、訪問看護師が行っている。
酸素療法 在宅酸素を使用。安静時1L/分、労作時2L/分。1日16時間装着している。
レスピレーター 使用なし。
気管切開の処置 気管切開部のガーゼ交換を1日1回、家族が行っている。
疼痛の看護 がん性疼痛に対し、医師の指示で貼付剤を使用。訪問看護師が週2回、疼痛の評価を行っている。
経管栄養 胃ろうから1日3回注入している。手技は妻が行い、訪問看護師が週1回確認している。
モニター測定 血圧・体温・経皮的動脈血酸素飽和度を1日2回、家族が測定して記録している。
じょくそうの処置 仙骨部のじょくそうに対し、訪問看護師が週3回、洗浄と被覆材の交換を行っている。
カテーテル 膀胱留置カテーテルを留置。訪問看護師が2週に1回交換している。

迷いやすい場面と、書き方

場面 どう選び、どう書くか 特記事項の文例
「できる」と答えたが実際はしていない 能力ではなく実際に行われている介助で選び、両方を特記事項に書く 本人は「自分でできる」と話されたが、実際には毎回家族が介助している。調査時に動作を確認したところ、途中で手が止まった。
日によって違う より頻回な状況で選び、両方の頻度を書く 週7日のうち4日は自分で歩けるが、3日はふらつきが強く車いすを使用している。
本人と家族の話が食い違う 両方をそのまま書く 本人は「夜は眠れている」と話されたが、家族からは「夜中に2〜3回起きる」との話があった。
選択肢に当てはまらない 近い選択肢を選び、当てはまらない理由を書く 手すりがあれば自立だが、自宅の廊下に手すりがないため、実際には介助を受けている。
施設・入院中の調査 施設での状況で選び、在宅に戻った場合の見込みも書く 入院中のため病棟での状況で選択した。自宅は2階に居室があり、退院後は階段の昇降に介助が必要と見込まれる。
介護者がいないため介助されていない 介助されていないで選び、必要性を書く 独居のため介助者がおらず、実際には行われていない。動作の確認では、支えがないと転倒の危険がある。
拒否のため確認できなかった 確認できなかった旨と、判断の根拠を書く 本人が動作の確認を拒まれたため、家族からの聞き取りにより判断した。
過剰な介助が行われている 実際の介助で選び、能力とのずれを書く 家族がすべて介助しているが、調査時に確認したところ、時間はかかるが自分で行えた。
医療処置の頻度 過去14日間に実際に行われたものを選ぶ 過去14日間に3回実施。それ以前は週1回であった。
日常生活自立度 認定調査員が判断した理由を書く 夜間に居室から出て徘徊があり、家族が対応しているため、認知症高齢者の日常生活自立度をⅢaと判断した。

特記事項でやりがちなことと、直し方

やりがちなこと なぜ問題か どうするか
選択肢と同じことしか書いていない 審査会が判断を修正する材料にならない 選んだ根拠と、選択肢では伝わらない状況を書く
「時々」「たまに」で書いている 頻度が伝わらない 「週2〜3回」「1日1〜2回」と数字で書く
評価語(拒否・不穏・問題行動)を使っている 事実が伝わらない 起きた行動をそのまま書く
本人の話だけで書いている 実際の介助と食い違うことがある 家族からの聞き取りと、動作の確認を併記する
推測で書いている 根拠が示せない 見たこと・聞いたことと、判断を分けて書く
医療処置を14日より前の分まで書いている 対象期間が違う 過去14日間に実際に行われたものに限る
介護の手間が伝わらない 要介護度の判断に反映されない 誰が・どのくらいの時間・何回行っているかを書く
空欄が多い 確認したのかどうかが分からない 該当がない場合も「みられない」と書く

作成したケアプランへの反映は第2表の書き方、アセスメントはアセスメントの書き方をご覧ください。

調査項目別|そのまま貼れる完成文(30項目・90例)

ここからは、基本調査の主要な項目について、状況を3パターンに分けた完成文を並べます。認定調査員は要介護度を決める立場ではなく、介護認定審査会が二次判定を行うための事実の材料を残す立場です。したがって完成文は「どちらの状態か」を断ずる書き方ではなく、誰が・いつ・何回・どのようにという観察の事実で構成しています。実際に確認した内容に置き換えてご使用ください。

起居動作・移動の項目|完成文(10項目・30例)

この群は動作そのものを確認する場面が多く、環境(手すり・ベッド柵・座面の高さ)が変われば結果も変わることが伝わるように書きます。確認できた条件を必ず併記します。

項目 場面 そのまま貼れる完成文
麻痺等の有無 軽度で日常動作に影響が出ている 右上肢に麻痺があり、調査時に肩の高さまでの挙上を確認したところ、途中で止まり保持が続かなかった。箸の使用は困難で、食事は左手でスプーンを使用している。
麻痺等の有無 下肢で歩行に影響している 左下肢に麻痺があり、仰臥位での挙上は座面から10cm程度で止まった。歩行時は左のつま先が床に引っかかり、屋内で月2〜3回つまずいている。
麻痺等の有無 本人の自覚と観察が異なる 本人は「どこも動く」と話されたが、調査時に両上肢の挙上を確認したところ、右のみ耳の高さまで挙がらなかった。家族から「半年前から右手で茶碗を持てなくなった」との話があった。
拘縮の有無 関節の可動域が確認できた 左肩関節に拘縮があり、他動的に動かしたところ90度手前で抵抗があり、本人から「そこで痛い」との訴えがあった。上衣は左袖から通している。
拘縮の有無 複数関節に及ぶ 両膝関節と右股関節に拘縮があり、仰臥位で下肢を伸ばしきることができない。臥床時は膝下にクッションを入れており、更衣は家族2名で行っている。
拘縮の有無 疼痛のため確認を中断した 右肘の可動域を確認しようとしたところ、本人から痛みの訴えがあり中断した。家族から「腕は肘から先しか動かない」との話があり、上衣の着脱は毎回全介助である。
寝返り 環境により変わる 介護用ベッドの柵をつかめば自力で左右へ寝返りができる。日中に居間の布団で休むときは支えるものがなく、家族が肩と腰を支えて向きを変えている。1日4〜5回。
寝返り 時間帯で変わる 日中は自力で寝返りができるが、夜間は覚醒が不十分で自力では動かず、家族が2〜3時間おきに体位を変えている。夜間の介助は1晩に3回程度。
寝返り できるが時間がかかる 調査時に確認したところ、柵を持って約40秒かけて寝返りができた。途中で息が上がり、休みながら向きを変えていた。家族は「見ていられないので手を出す」と話している。
起き上がり 用具の使用がある 電動ベッドの背上げを60度まで使えば、柵を引いて自力で起き上がれる。背上げを使わない状態では肘で支えても上体が上がらず、家族が背中を支えている。
起き上がり 日により変動する 週7日のうち5日は柵を使って自力で起き上がっている。残る2日は起床時のふらつきが強く、家族が上体を起こして座位を保つまで支えている。
起き上がり 介助者がいない時間がある 独居で日中に介助者がいないため、起き上がりは自力で行っている。調査時に確認したところ、柵を両手で引いて2分ほどかけて起き上がり、途中で2回手を離して休んでいた。
座位保持 支えの有無で差がある 背もたれと肘掛けのあるいすでは15分程度座っていられる。背もたれのない端座位では右へ傾き、1〜2分で家族が肩を支えている。食事は肘掛けのあるいすで摂っている。
座位保持 時間の経過で崩れる 座り始めは姿勢を保てるが、5分を過ぎると徐々に前傾し、10分で机に上体を預けた状態になる。デイサービスでは車いすにクッションを入れて対応している。
座位保持 保持できない 支えがない状態では座位を保てず、調査時は家族が背部を支えた状態で確認した。日中はリクライニング車いすで30度程度の角度をつけて過ごしている。
両足での立位保持 つかまれば保持できる 手すりを両手でつかめば30秒程度立位を保持できる。片手を離すと膝が震え、10秒程度で座り込む。調理台の前に立つ場面はなくなっている。
両足での立位保持 介助者が支えている 支えなしでは立位を保持できず、更衣と排泄の場面では家族が腰を両手で支えている。1日6〜7回、1回あたり1〜2分の支えが必要な状況である。
両足での立位保持 転倒歴がある 3か月前に立位のまま振り返った際に転倒し、右手首を骨折した。以後は必ず手すりを持つよう家族が声をかけており、声かけがないと支えなしで立とうとする。
立ち上がり 座面の高さで変わる 座面の高いいす(約45cm)からは、肘掛けに手をついて自力で立ち上がれる。低いソファと床からは自力で立ち上がれず、家族が両手を引いて介助している。1日3〜4回。
立ち上がり 回数を重ねると難しくなる 朝の1回目は手すりを使って自力で立ち上がれるが、夕方は下肢の力が入らず、1日のうち3回程度は家族が腰を支えている。本人は「夕方は足がいうことをきかない」と話している。
立ち上がり 見守りが必要 動作自体は自力で行えるが、立ち上がった直後にふらつくため、家族が横に立って見守っている。見守りがない場面では、この1か月に2回尻もちをついている。
歩行 屋内外で差がある 屋内は壁と家具に手をつきながら8m程度歩いている。屋外は歩行器を使い、家族が斜め後ろに付き添って50m程度で休憩を挟む。屋外歩行は週2回の通院時のみ。
歩行 距離で介助量が変わる トイレまでの4mは杖で自力歩行できる。玄関までの12mでは途中で立ち止まり、家族が腕を支えている。連続して歩ける距離はおおむね5m程度である。
歩行 歩行の機会自体が少ない 日中はほぼ臥床して過ごし、歩く場面はトイレへの往復のみで1日3回程度。調査時に確認したところ、家族が両脇を支えて3mを1分半かけて移動した。
移乗 用具と人手の両方を使う ベッドから車いすへの移乗は、ベッド柵につかまった状態で家族が腰を支えて行っている。1日5〜6回。デイサービスでは職員1名がズボンのベルトを持って介助している。
移乗 介助者の人数が場面で違う 朝は本人の覚醒がよく、家族1名の支えで移乗できる。入浴後は疲労で足に力が入らず、家族2名で抱え上げている。週2回の入浴後のみ2名対応である。
移乗 用具で自立している スライディングボードを使えば自力で移乗できる。ボードの設置と撤去は家族が行っており、設置がない場面では移乗できない。1日7〜8回、設置の介助を受けている。
移動 自走と介助が混在する 屋内の平坦な場所は車いすを自分で操作して移動している。敷居の段差2か所と玄関の上がりかまちでは、家族が後ろから車いすを持ち上げている。1日4〜5回。
移動 誘導が必要 歩くことはできるが、居室からトイレまでの経路が分からなくなり、別の部屋へ入ってしまうことが1日2〜3回ある。家族が声をかけながら同行している。
移動 移動を控えている 転倒への不安から自分では移動せず、家族を呼んでから動いている。呼ばずに動いたのはこの1か月で1回のみ。日中の移動は1日3回程度にとどまっている。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

食事・排泄・清潔の項目|完成文(10項目・30例)

この群は実際に行われている介助で選ぶ項目が中心です。「見守り」「声かけ」「後始末」も介助にあたるため、行為の内容と回数を具体的に残します。

項目 場面 そのまま貼れる完成文
えん下 形態を調整している 水やお茶では週3〜4回むせている。とろみ剤を使用した状態ではむせがない。固形物では調査時にむせはみられず、家族も「ごはんは大丈夫」と話している。
えん下 時間帯で差がある 朝食時はむせが少ないが、夕食時は疲労のためか週5日程度むせている。1食のうち2〜3回むせて食事が中断し、家族が背中をさすって落ち着くまで待っている。
えん下 受診・指導の経過がある 3か月前に誤嚥性肺炎で入院し、退院後は主治医の指示で食事形態をきざみ食に変更している。変更後、むせは月2〜3回に減っている。
食事摂取 自分で食べられるが後始末がある スプーンを使って自分で食べられる。テーブルと衣類への食べこぼしが毎食あり、家族が食後に拭き取りとエプロンの交換を行っている。
食事摂取 途中で止まる 食べ始めは自力で進むが、半分ほどで手が止まり、家族が「あと少しですよ」と声をかけると再開する。1食につき3〜4回の声かけを行っている。
食事摂取 全介助である 上肢の動きが乏しく、家族がスプーンで口元まで運んでいる。1食あたり30〜40分かかり、途中で傾眠となるため肩を軽くたたいて覚醒を促している。
排尿 時間帯で失敗がある 日中はトイレで自立している。夜間は間に合わずに失禁することが週3〜4回あり、家族がリハビリパンツと寝具の交換を行っている。交換は1晩に1〜2回。
排尿 誘導で成功している 尿意の訴えがないため、家族が起床時・毎食後・就寝前の1日5回トイレへ誘導している。誘導している日は失敗がなく、誘導できなかった日は失禁している。
排尿 用具を使用している 夜間のみ尿器を使用し、使用後の処理は家族が行っている。日中はポータブルトイレを使用し、家族が移乗を支えたうえで排泄物の処理をしている。1日6〜7回。
排便 便意の訴えがない 便意の訴えがなく、家族が3日ごとに時間を決めてトイレへ誘導している。誘導しなかった日に失敗があり、この1か月で4回、衣類とシーツの交換を行った。
排便 後始末に介助がある トイレまでは自力で移動し、便座への移乗も自立している。臀部を拭く動作が届かず、毎回家族が仕上げを行っている。1日1〜2回。
排便 薬剤と併せて管理している 主治医の指示で下剤を使用しており、服薬の翌日は家族が終日在宅して対応している。この1か月に、間に合わずに失敗したことが3回あった。
口腔清潔 仕上げが必要 歯ブラシを手渡せば自分で磨く。奥歯と歯の裏に磨き残しがあり、毎晩家族が仕上げ磨きを2〜3分行っている。歯磨き粉をつける動作は家族が行っている。
口腔清潔 義歯の管理がある 総義歯を使用しており、着脱は自分で行えるが、洗浄と洗浄剤への浸漬は毎晩家族が行っている。本人は外したまま忘れることが週2〜3回ある。
口腔清潔 拒みがある 就寝前に声をかけると「もうした」と話し、磨かずに臥床することが週4〜5日ある。家族が食後すぐに促すと応じるため、時間を変えて対応している。
洗顔 準備に介助がある タオルを手渡せば自分で顔を拭ける。蛇口の開閉と湯温の調整ができず、家族が湯を用意してタオルを絞っている。1日1回、朝の整容時に行っている。
洗顔 洗い残しがある 自分で顔を洗うが、目の周りと耳の後ろが濡れたままになるため、家族が毎朝拭き直している。声をかけないと洗わない日が週2〜3日ある。
洗顔 臥床のまま行っている 洗面台まで移動できないため、家族が蒸しタオルを持参し、ベッド上で顔を拭いている。1日1回、起床時に5分程度かけて行っている。
整髪 部分的に介助がある くしを手渡せば前髪と側頭部は自分でとかせる。後頭部は上肢が上がらず届かないため、家族が毎朝整えている。整髪の声かけがないと行わない。
整髪 整容への関心が低下している 促されないと髪をとかさない日が週5日ある。外出前に家族が声をかけて手渡すと自分でとかす。調査時は寝ぐせがそのままの状態であった。
整髪 全介助である 上肢の挙上ができず、家族が毎朝ブラシで整えている。1日1回、2〜3分。訪問介護の利用日は職員が入浴後に整えている。
上衣の着脱 種類で差がある かぶり式のシャツは自分で着られる。前開きのボタンは指先の細かい動作ができず、上から3つは家族が留めている。1日2回、朝夕の更衣時に介助している。
上衣の着脱 麻痺側の手順に介助がある 脱ぐ動作は自力でできる。着るときに麻痺のある右腕を袖に通せず、家族が袖口を広げて腕を誘導している。1日2回、1回あたり3〜5分。
上衣の着脱 季節に合わない選択がある 衣類を出せば自分で着られるが、気温に合わない服を選ぶことが週3〜4回あり、家族がその日の服を用意して手渡している。
ズボン等の着脱 立位が保てない 座位で足を通すところまでは自分で行える。臀部までズボンを上げる場面で立位が保てず、家族が腰を支えている。1日3〜4回、排泄時を含めて介助している。
ズボン等の着脱 下肢の挙上ができない 下肢を持ち上げられず、家族が両足をズボンに通したうえで、臥床のまま左右に体を傾けて引き上げている。1日2回、1回あたり5分程度。
ズボン等の着脱 順序が分からなくなる 動作自体は行えるが、下着の上にズボンを履く順序が分からなくなることが週2〜3回あり、家族が並べて手渡し、そのつど声をかけている。
洗身・つめ切り 届かない部位がある 前面と両腕は自分で洗える。背中と足先に手が届かず、週2回の入浴時に家族が洗っている。手のつめは自分で切れるが、足のつめは前かがみになれず、月1回長女が切っている。
洗身・つめ切り サービスで実施している 自宅の浴槽をまたげないため、週2回のデイサービスで入浴し、洗身は職員が背部と下肢を介助している。足のつめは通所先で月1回切ってもらっている。
洗身・つめ切り 実施できていない 独居で入浴を手伝う人がおらず、この1か月は入浴しておらず、タオルで体を拭くのみである。足のつめは伸びた状態で、本人は「切りたいが見えない」と話している。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

認知・行動・社会生活の項目|完成文(10項目・30例)

認知機能と行動に関する項目は、評価語ではなく起きた出来事で書きます。「不穏」「困難」ではなく、いつ・どこで・どんな言動があり、周囲が何をしたかを残します。

項目 場面 そのまま貼れる完成文
意思の伝達 限られた内容なら伝わる 「はい」「いいえ」と食べたいものは伝えられる。体の不調は伝えられず、家族が表情と食事量の変化から気づいている。調査時も痛みの部位を示せなかった。
意思の伝達 手段を補っている 発語が不明瞭で聞き取りにくいため、家族が選択肢を口頭で2つ示し、うなずきで確認している。文字盤は使用していない。
意思の伝達 相手によって差がある 同居の長女には身振りを交えて用件を伝えられるが、調査時は初対面のためか発語が少なく、質問の多くに首を振るのみであった。
短期記憶 食事に関するもの 調査時に3品の品名を伝えて5分後に確認したところ、1品も答えられなかった。日常でも食後30分ほどで「まだ食べていない」と話すことが1日2〜3回ある。
短期記憶 予定を保持できない デイサービスの迎えについて、朝伝えても10分後には覚えておらず、家族が繰り返し伝えている。1回の外出につき5〜6回同じ説明をしている。
短期記憶 火の始末に及んでいる やかんを火にかけたことを忘れ、空だきになったことがこの3か月で2回あった。以後、家族が元栓を閉めて外出している。
徘徊 時間帯が決まっている 夕方16時ごろになると「家に帰る」と話し、上着を着て玄関から外に出ようとすることが週3〜4回ある。家族が声をかけて居間に戻ってもらっている。
徘徊 屋内で続いている 夜間に居室と台所を行き来する動きが1晩に4〜5回あり、そのつど家族が起きて付き添っている。玄関の施錠を確認する行為が続いている。
徘徊 外出して戻れなかった 2か月前に1人で外出して帰れなくなり、警察に保護されたことが1回ある。以後は家族が玄関に補助錠を付け、1人での外出はなくなっている。
介護への抵抗 特定の場面で生じる 入浴の声かけに対して「今日はいい」と応じないことが週2〜3回ある。時間を1時間ほど空けて再度誘うと応じるため、家族が誘う時間を変えて対応している。
介護への抵抗 身体接触に反応する 更衣の際に腕を持つと手を払いのけることが週3〜4回ある。声をかけてから触れると応じることが多く、家族は「必ず先に声をかける」と話している。
介護への抵抗 この期間はみられない この1か月間、介護に対して抵抗する行動はみられない。半年前には服薬を拒む場面があったが、現在は声かけで応じている。
薬の内服 一包化と手渡しがある 薬局で一包化した薬を、家族が食後に手渡している。手渡せば自分で口に入れて飲める。渡さないと飲み忘れることが週4〜5日ある。
薬の内服 重複のおそれがある 飲んだことを忘れて再度飲もうとすることが月2〜3回あり、家族が薬箱を別室で管理している。服薬カレンダーを使い、飲んだ袋を家族が確認している。
薬の内服 介助者が不在の時間帯がある 朝夕は同居家族が手渡しているが、昼は不在のため服薬できていない日が週3日程度ある。主治医に相談し、昼の薬をなくす方向で調整中である。
金銭の管理 一部を持っている 通帳と印鑑は長男が管理している。本人は小銭入れに小銭のみを持ち、自動販売機での買い物はできるが、釣り銭の確認はしていない。
金銭の管理 支払いの場面で難しさがある 財布は自分で持っているが、代金の計算ができず、店で紙幣を出して店員に任せている。同行した家族が金額を確認している。週1回の買い物時。
金銭の管理 管理を任せられる人がいない 独居で身近に管理を頼める人がおらず、本人が年金と生活費を管理している。この3か月で公共料金の払い込みを2回失念し、督促が届いている。
買い物 同行で成立している 週1回、長女と一緒にスーパーへ行き、本人が品物をかごに入れ、支払いは長女が行っている。1人で行った場合は同じ品を重ねて買うことがあった。
買い物 近所のみ行っている 徒歩3分の商店で、菓子と飲料を1人で買っている。品数の多い買い物と重い荷物の運搬はできず、食料品は週2回、家族が届けている。
買い物 行っていない この6か月間、本人が店に出向いた機会はない。必要な品は家族が電話で聞き取って購入している。本人は「もう行けない」と話している。
簡単な調理 加熱を伴わない範囲でできる 配食のふたを開けて電子レンジで温めることはできる。火を使う調理は、鍋を焦がしたことがあった半年前からしていない。
簡単な調理 手順の一部に介助がある 炊飯器に米と水を入れる動作はできるが、水加減が分からず、家族が線を合わせている。おかずは家族が作り置きしたものを温めている。
簡単な調理 できていない 台所に立つことがなく、この1か月間の食事はすべて配食サービスと家族の持参による。本人は「作り方を忘れた」と話している。
外出頻度 通院のみ この1か月の外出は、月2回の通院のみである。買い物・散歩・近所づきあいでの外出はない。移動は家族の自家用車を使用している。
外出頻度 サービス利用がある 週3回のデイサービスと月1回の通院で外出している。それ以外の外出はなく、玄関から出ない日が週4日ある。
外出頻度 外出が続いている 週5〜6回、近所の公園まで歩いて出かけている。1人で出た日に帰路が分からなくなったことが1回あり、以後は家族が同行している。
日常生活自立度 認知症に関する判断の根拠 夜間に居室から出て屋内を歩き回る行動が週4〜5回あり、家族が起きて付き添っている。日中は声かけで日常生活を送れているため、その状況を認定調査員の判断として記載した。
日常生活自立度 障害に関する判断の根拠 屋内は伝い歩きで移動でき、日中はベッドから離れて過ごしている。屋外の移動は介助を要することから、その状況を認定調査員の判断として記載した。
日常生活自立度 状況が変動している 入院前は自力で屋内を歩いていたが、退院直後の現在は日中もベッドで過ごす時間が長い。調査日時点の状況で記載し、入院前の状況を併記した。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

選択に迷ったとき|根拠が伝わる書き分け(22場面の対照表)

選択肢を選ぶ場面で迷ったときに問題になるのは、選び方そのものよりも「なぜその選択にしたのか」が読み手に再現できないことです。ここでは迷いやすい場面ごとに、何を書けば選択の根拠が伝わるかを対照表にしました。認定調査員が結論を出す欄ではなく、審査会が事実を読み取るための欄である、という前提で書きます。

能力と実際の介助がずれる場面|書き分け(12場面)

迷う場面 読み手が分からなくなること 書けば根拠が伝わること 書き出しの型
できるが していない 能力がないのか、機会がないのかが分からない 調査時に動作を確認した結果と、日常で行われていない理由の両方 「調査時に確認したところ◯◯できた。日常では△△のため行っていない。」
していないが できない 本人の意欲の問題に見えてしまう 試みた結果どこで止まったか、そのときの本人の訴え 「◯◯まで行えたが、△△の場面で手が止まり、本人から□□との訴えがあった。」
日により変動する どちらが日常なのかが分からない 週または月あたりの日数と、状態の悪い日の具体的な様子 「週7日のうち◯日は△△、残る□日は◯◯である。」
時間帯で変動する 調査時の状態が代表値のように読まれる 朝・日中・夜間の別と、調査を行った時間帯 「調査は午前◯時に実施した。夕方以降は△△となり、家族が□□している。」
介助者がいるときといないときで違う 介助が必要な理由が伝わらない 介助者が不在になる時間帯・曜日と、その間に起きていること 「同居家族が不在となる平日◯時〜△時は介助者がおらず、その間は□□である。」
一部介助か全介助か迷う どこまで本人が行っているかが分からない 動作を工程に分け、本人が行う部分と介助者が行う部分 「◯◯までは本人が行い、△△以降は家族が行っている。」
見守りだけで手は出していない 介助がないように読まれる 見守りの理由(過去の転倒・失敗)と、見守っている時間・回数 「◯か月前に△△があったため、□□の間は家族が横で見守っている。1日◯回。」
声かけだけで動ける 自立しているように読まれる 声かけの回数と、声かけがなかった日に起きたこと 「1日◯回の声かけで行えている。声をかけられなかった日は△△であった。」
用具を使えば自立している 用具がない環境での状態が分からない 用具の種類と、用具がない場所での様子、用具の準備を誰がしているか 「◯◯を使用すれば自力で行える。用具のない△△では□□である。」
過剰な介助が行われている 能力の見積もりがつかない 実際に行われている介助と、調査時に確認できた本人の動作 「日常はすべて家族が行っている。調査時に確認したところ、時間はかかるが◯◯まで行えた。」
拒みがあり確認できなかった 未確認なのか該当なしなのかが分からない 確認できなかった旨と、代わりに用いた情報源 「本人が動作の確認に応じられなかったため、家族からの聞き取りにより記載した。」
該当する行動がみられない 空欄が「確認漏れ」に見える 期間を区切って「みられない」と明記し、過去にあった場合はその時期 「この1か月間、◯◯はみられない。△か月前には□□があった。」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

環境・期間・立会いで変わる場面|書き分け(10場面)

迷う場面 読み手が分からなくなること 書けば根拠が伝わること 書き出しの型
入院中に調査した 退院後の生活像が分からない 病棟での状況と、自宅の住環境から見込まれる介助 「入院中のため病棟での状況で記載した。自宅は◯◯であり、退院後は△△が見込まれる。」
入所中に調査した 職員の関わりが見えない 施設で誰が何をどの頻度で行っているか 「◯◯では職員が△△を1日□回行っている。」
ショートステイ利用中に調査した 普段の在宅の様子が抜ける 利用中の状況と、家族から聞き取った在宅時の状況 「調査は短期入所の利用中に実施した。在宅時は家族によると△△である。」
住環境が動作を助けている 本人の能力が高く見える 手すり・段差解消などの整備状況と、それがない場所での様子 「自宅の廊下には手すりがあり◯◯できる。手すりのない△△では□□である。」
住環境が動作を妨げている 介助の理由が本人側だけに読まれる 段差・間取り・トイレの位置など、具体的な寸法や配置 「トイレは居室から◯m離れており、途中に△cmの段差がある。」
本人だけで立ち会った 日常の頻度の裏づけがない 確認できた範囲と、確認できなかった項目 「調査は本人のみの立会いで実施した。◯◯については確認できていない。」
複数の家族が立ち会い、話が分かれた どの情報を採ったかが分からない 誰が何と話したかを、続柄と同居の別を添えて 「同居の長女は◯◯、別居の長男は△△と話された。」
状態が最近変わった いつの状態を書いたのかが分からない 変化の時期と、変化の前後の状況 「◯月の△△以降、□□となっている。それ以前は◯◯であった。」
過去14日間より前にあった医療処置 対象期間の外か内かが分からない 直近14日間の実施の有無と、それ以前の実施状況 「過去14日間の実施はない。◯か月前までは週△回実施していた。」
サービス利用日と非利用日で違う どちらが日常か分からない 週あたりの利用日数と、非利用日の介助者・介助内容 「週◯回の利用日は職員が△△している。非利用日の□日は家族が行っている。」

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

書き直しの対照|あいまいな一文を完成文にする(30組)

特記事項がうまく機能しないときの原因は、ほとんどが「頻度・時刻・介助の内容・本人の言葉」のどれかが抜けていることです。左が現場でよく見かける一文、右がそのまま貼れる完成文です。右の文はいずれも、読んだ人が同じ場面を思い浮かべられる程度まで情報が入っています。

身体の動作に関する書き直し(15組)

あいまいな一文 何が足りないか そのまま貼れる完成文
特変なし。 何を確認したのかが分からない この1か月間、歩行時のふらつきと転倒はみられない。屋内は杖なしで移動し、屋外は週2回の通院時に杖を使用している。
ときどき失敗あり。 頻度・時間帯・後始末が分からない 夜間に間に合わず失禁することが週3〜4回ある。家族が1晩に1〜2回、紙パンツとシーツの交換を行っている。
歩行は不安定。 距離・用具・付き添いが分からない 屋内は壁に手をつきながら6m程度歩ける。それ以上の距離では途中で立ち止まり、家族が腕を支えている。屋外は歩行器を使用している。
介助が必要。 誰が何をどの程度行っているかが分からない ベッドから車いすへの移乗時に、家族が腰を両手で支えている。1日5〜6回、1回あたり1〜2分の介助である。
ADLは低下している。 どの動作がどう変わったかが分からない 3か月前は自力で立ち上がっていたが、現在は肘掛けに手をついても立ち上がれず、1日4〜5回、家族が両手を引いて介助している。
寝返りは可。 条件と回数が分からない ベッド柵を持てば自力で寝返りができる。柵のない布団では家族が肩と腰を支えており、1日3〜4回介助している。
座位保持は問題ない。 時間と姿勢の変化が分からない 背もたれのあるいすで15分程度座位を保てる。背もたれのない状態では右へ傾き、2分程度で家族が支えている。
立位不安定。 支えの有無と持続時間が分からない 手すりを両手で持てば30秒程度立位を保持できる。片手を離すと膝が震え、10秒程度で座り込む。
麻痺あり。 部位と可動域と生活への影響が分からない 左上肢に麻痺があり、肩の高さまでで挙上が止まる。ペットボトルのふたを開ける動作ができず、家族が開けて渡している。
拘縮あり。 関節・角度・痛みの訴えが分からない 右膝関節に拘縮があり、他動的に伸展させても伸びきらない。動かした際に本人から「そこが痛い」との訴えがあった。
食事は自立。 後始末と時間が分からない スプーンで自分で食べているが、毎食こぼしがあり、家族が食後にテーブルと衣類を拭いている。1食に30分程度かかっている。
むせることがある。 何でむせるか、対応が分からない 水分で週3〜4回むせている。とろみをつけた場合はむせがない。固形物ではむせがみられない。
入浴は介助。 どこを誰が洗うかが分からない 前面と両腕は自分で洗える。背中と足先に手が届かず、週2回の入浴時に家族が洗っている。浴槽への出入りも家族が支えている。
更衣に時間がかかる。 どの工程で止まるかが分からない かぶり式の上衣は自分で着られる。前開きのボタンは指先の動作ができず、上から3つを家族が留めている。1日2回。
移動は車いす。 自走か介助かが分からない 屋内の平坦な場所は自分で車いすを操作している。敷居の段差2か所と玄関では、家族が後ろから持ち上げている。1日4〜5回。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

認知・行動・生活に関する書き直し(15組)

あいまいな一文 何が足りないか そのまま貼れる完成文
物忘れあり。 何をどのくらい忘れるかが分からない 食後30分ほどで「まだ食べていない」と話すことが1日2〜3回ある。調査時に伝えた3品の品名は、5分後に1品も答えられなかった。
不穏あり。 評価語で、起きた行動が分からない 夕方16時ごろに「家に帰る」と話し、上着を着て玄関へ向かうことが週3〜4回ある。家族が声をかけて居間に戻ってもらっている。
介護拒否あり。 どの場面でどう拒むかが分からない 更衣の際に腕を持つと手を払いのけることが週3〜4回ある。先に声をかけてから触れると応じるため、家族はそのように対応している。
暴言あり。 評価語で、言動の内容が分からない 入浴を勧めたときに「うるさい」と大きな声を出すことが週1回程度ある。時間を空けて再度誘うと応じている。
意思疎通は可能。 どこまで伝えられるかが分からない 「はい」「いいえ」と食べたいものは伝えられる。痛みの部位は伝えられず、調査時も指し示すことができなかった。
夜間不眠。 回数と日中への影響が分からない 夜間に2〜3回起き出して居間に来る。そのつど家族が付き添っている。日中は臥床して過ごす時間が長く、傾眠がみられる。
徘徊あり。 時間帯・行き先・対応が分からない 夜間に居室と台所を行き来する動きが1晩に4〜5回ある。玄関に補助錠を付けており、屋外に出たのはこの3か月で1回である。
薬は自己管理。 飲み忘れと家族の関与が分からない 一包化した薬を家族が食後に手渡している。手渡せば自分で飲める。渡せなかった日は飲み忘れており、週4〜5日ある。
金銭管理は家族。 本人がどこまでできるかが分からない 通帳と印鑑は長男が管理している。本人は小銭入れに小銭のみを持ち、自動販売機での買い物はできるが、釣り銭の確認はしていない。
買い物はできない。 どの工程ができないかが分からない 店で品物を選ぶことはできる。代金の計算ができず紙幣を出して店員に任せている。荷物の運搬は同行した長女が行っている。
調理は不可。 いつからどの範囲でできないかが分からない 配食のふたを開けて電子レンジで温めることはできる。火を使う調理は、鍋を焦がしたことがあった半年前からしていない。
外出は少ない。 回数と目的が分からない この1か月の外出は、月2回の通院のみである。買い物・散歩での外出はなく、玄関から出ない日が週5日ある。
失禁あり。 時間帯と誘導の有無が分からない 尿意の訴えがなく、家族が起床時・毎食後・就寝前の1日5回誘導している。誘導できなかった日は失禁があり、週2回程度である。
デイに行っている。 回数と場面ごとの介助が分からない 週3回デイサービスを利用し、入浴時は職員が背部と下肢の洗身を介助している。送迎時の玄関の段差では職員が腕を支えている。
独居で心配。 心配の中身が事実として書かれていない 独居で日中に介助者がいない。この3か月で公共料金の払い込みを2回失念し、督促が届いている。食事は配食を週5回利用している。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

疾患・状態別|特記事項で落としやすい観点(7類型・42観点)

同じ選択肢でも、背景にある疾患や暮らし方によって「選択肢だけでは伝わらない部分」が変わります。ここでは7つの類型について、書き漏らしやすい観点と、そのまま貼れる文を並べました。なお、認定調査員は診断や重症度を判断する立場ではないため、診断名は主治医意見書に委ね、特記事項には観察できた生活上の事実を書きます。

認知症・脳血管疾患後遺症・パーキンソン病・精神疾患(4類型・24観点)

状態 落としやすい観点 特記事項に書いておく内容(完成文)
認知症 動作はできるが手順が分からない 着替えの動作自体は行えるが、下着とズボンの順序が分からなくなることが週2〜3回あり、家族が並べて手渡している。
認知症 調査時だけ受け答えが整う 調査時は質問に落ち着いて答えられたが、家族によると日常は同じ質問を1時間に3〜4回繰り返しているとのことであった。
認知症 見守りの時間が生活を占めている 火の始末を確認するため、家族が日中は在宅して同室で過ごしている。買い物の際は近所に短時間で行き、1時間以上留守にしていない。
認知症 時間帯で状態が変わる 午前中は声かけで日常の動作が行えるが、16時以降は落ち着かず「帰る」と話すことが週3〜4回ある。調査は午前10時に実施した。
認知症 本人が困りごとを訴えない 本人は「困っていることはない」と話されたが、家族からは服薬の重複と食事の重ね食べがあるとの話があった。
認知症 介護者の睡眠が中断している 夜間に3〜4回起き出すため、同居の妻がそのつど起きて付き添っている。妻は「まとまって眠れる日がない」と話している。
脳血管疾患後遺症・片麻痺 左右差が動作の工程に出ている 上衣は麻痺のある右腕から袖を通しており、袖口を広げる工程を家族が介助している。脱ぐ際は健側の左から抜いて自力で行える。
脳血管疾患後遺症・片麻痺 言葉の出にくさがある 言いたい言葉が出るまでに時間がかかり、調査時は1つの質問に20〜30秒を要した。家族は選択肢を示して確認している。
脳血管疾患後遺症・片麻痺 片側の見落としがある 食事の際に左半分のおかずを残すことが毎食あり、家族が皿の位置を動かして知らせている。
脳血管疾患後遺症・片麻痺 装具の着脱に介助がある 短下肢装具を使用しており、装着は毎朝家族が行っている。装具がない状態では、つま先が引っかかり歩行できない。
脳血管疾患後遺症・片麻痺 疲労で午後に落ちる 午前中は杖歩行で室内を移動できるが、午後は下肢に力が入らず、1日3回程度は家族が腰を支えている。
脳血管疾患後遺症・片麻痺 感覚の低下による危険がある 右手の感覚が鈍く、湯の温度が分からないため、入浴時は家族が湯温を確認してから使用している。過去に熱傷が1回あった。
パーキンソン病 薬の効き具合で1日の中に差がある 服薬から1〜2時間は自力で歩けるが、効果が切れる時間帯は足が出にくく、家族が腕を支えている。調査は服薬後1時間の時点で実施した。
パーキンソン病 動作の開始に時間がかかる 立ち上がった直後に足が床から離れず、5〜10秒その場にとどまることが1日に何度もある。家族が声をかけて歩き出している。
パーキンソン病 方向転換と狭い場所で止まる 直線の廊下は歩けるが、トイレの入口で方向を変える場面で止まり、家族が手を引いている。1日5〜6回。
パーキンソン病 前傾姿勢と加速がある 歩き出すと前のめりになって歩幅が小さく速くなり、止まれずに壁にぶつかることがこの1か月に3回あった。
パーキンソン病 食事と会話に時間を要する 食事は1食に40〜50分かかり、後半は疲労で手が止まるため家族が介助している。声が小さく、聞き返すことが多い。
パーキンソン病 調査時の状態が良いほうに偏る 調査時は動作がおおむね行えたが、家族によると1日のうち半分程度は動きが乏しく、臥床して過ごしているとのことであった。
精神疾患 日によって生活のリズムが変わる 週7日のうち3日は起床できず、食事と服薬が抜けている。残る4日は自力で身の回りのことを行っている。
精神疾患 できることとしないことが混在する 調理も掃除も動作としては行えるが、この1か月は実際にはほとんど行われておらず、家族が週2回訪れて片づけている。
精神疾患 通院と服薬の継続に支援がいる 月1回の通院に家族が同行している。服薬は家族が1週間分をケースに仕分けており、仕分けがない週は飲み残しがある。
精神疾患 対人場面での負担がある 調査時は同席者が増えると発語が減り、質問への返答が短くなった。家族によると来客のある日は自室から出ないとのことであった。
精神疾患 身体面の訴えが表に出にくい 痛みや体調の変化を自分から訴えることがなく、家族が食事量と表情の変化から気づいて受診につないでいる。
精神疾患 環境の変化に時間がかかる デイサービスの利用開始から2か月は玄関で立ち止まる日が続き、現在は職員の付き添いで参加できている。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

視覚・聴覚障害/独居/がん末期(3類型・18観点)

状態 落としやすい観点 特記事項に書いておく内容(完成文)
視覚・聴覚障害 見えにくさが動作を制限している 視力の低下により床の物や段差が見えず、この3か月に屋内で2回転倒している。家族が通路の物を片づけて対応している。
視覚・聴覚障害 慣れた場所と初めての場所で差がある 自宅内は手すりの位置を覚えており自力で移動できる。通院先など初めての場所では家族が腕を貸して誘導している。
視覚・聴覚障害 薬と食品の識別ができない 薬の袋と食品の表示が読めないため、家族が服薬時に袋を開けて手渡し、冷蔵庫の中身を口頭で伝えている。
視覚・聴覚障害 聞こえの状況が伝達の質を左右する 正面から大きめの声で話すと通じるが、後方からの声かけには反応がない。電話での会話は成立せず、家族が代わりに応対している。
視覚・聴覚障害 補聴器の管理に介助がある 補聴器を使用しており、装着と電池交換は家族が行っている。装着していない時間帯は、身振りを交えないと用件が伝わらない。
視覚・聴覚障害 調査時の理解が実態より高く見える 調査時は静かな居間で正面から質問したため受け答えができた。家族によると、テレビがついている場面では聞き返しが多いとのことであった。
独居 介助されていない状態が続いている 独居で介助者がおらず、入浴はこの1か月行われていない。調査時に浴槽をまたぐ動作を確認したところ、支えがないと転倒の危険がある状態であった。
独居 支援の担い手と頻度が書かれていない 別居の長女が週1回訪れ、買い物と洗濯を行っている。それ以外の日は本人のみで過ごしており、日中の見守りはない。
独居 食事の実態が分からない 配食を週5回利用し、残る2日はパンと菓子で済ませている。冷蔵庫に期限を過ぎた食品が複数あり、長女が訪問時に処分している。
独居 緊急時に発見が遅れる この半年で夜間に転倒し、翌朝の配食業者の来訪まで自力で起き上がれなかったことが1回ある。以後、緊急通報装置を設置している。
独居 受診と服薬が続かない 通院は月1回で、この3か月に1回、受診日を忘れて行けなかった。薬は残薬が2週間分あり、長女が確認して薬局に相談している。
独居 本人が「できている」と話す 本人は「一人で何でもやれている」と話されたが、室内は片づいておらず、洗濯物が積まれた状態であった。事実として双方を記載した。
がん末期 短期間で状態が変わる 2週間前までは屋内を歩いていたが、現在は日中もベッドで過ごし、トイレへの移動に家族の支えを要する。調査日時点の状況で記載した。
がん末期 痛みの波で介助量が変わる 痛みが強い時間帯は自力で動けず、更衣と排泄のすべてを家族が介助している。落ち着いている時間帯は座位で食事を摂れている。
がん末期 医療処置の実施者と頻度が抜ける 医師の指示により貼付剤を使用しており、訪問看護師が週2回訪問して痛みの様子を確認している。貼り替えは家族が行っている。
がん末期 食事量と体重の変化が書かれていない 1か月前と比べて食事量が半分程度に減り、1日に数回に分けて少量ずつ摂っている。家族が食べられるものを都度用意している。
がん末期 夜間の対応が続いている 夜間に体位を変える介助が1晩に3〜4回あり、家族が交代で対応している。訪問看護は週3回、緊急時の電話対応を受けている。
がん末期 本人の希望が生活の場面に表れている 本人から「最期まで自宅で過ごしたい」との話があり、家族も同じ意向である。現在は居間にベッドを移し、家族が交代で付き添っている。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

申告と観察が食い違うとき|併記の型(10ケース)

本人の話、家族の話、調査時に確認できたこと。この3つが一致しないことは珍しくありません。どれかを採用して他を消すのではなく、出どころを明らかにして3つとも残すのが基本です。認定調査員が真偽を決める欄ではなく、審査会が判断するための材料を並べる欄だからです。書く順序は「①調査時に確認できたこと → ②本人の話 → ③家族等の話 → ④選択の根拠として採った状況」を型にすると、読み手が経緯をたどれます。

ケース 併記の順序と注意点 そのまま貼れる完成文
本人が「できる」、家族が「していない」 確認結果を先に置き、両者の話を出どころ付きで残す 調査時に立ち上がり動作を確認したところ、肘掛けに手をついて自力で立ち上がれた。本人は「毎日自分でやっている」と話されたが、同居の長女からは「見ていられないので毎回手を貸している」との話があった。日常で行われている介助の状況で選択した。
本人が「困っていない」、家族が困っている 本人の言葉をそのまま引用し、家族の負担を事実で書く 本人は「困っていることは何もない」と話された。同居の妻からは、夜間に3〜4回起き出すため付き添っており、まとまって眠れる日がないとの話があった。
本人が実際より低く話す 確認できた動作を具体的に書く 本人は「もう何もできない」と話されたが、調査時に上衣の着脱を確認したところ、時間はかかるが自力で行えた。前開きのボタンのみ家族が留めている。
本人が実際より高く話す 確認できた範囲と、確認できなかった範囲を分ける 本人は「風呂も一人で入っている」と話された。調査時に浴室で動作を確認したところ、浴槽をまたぐ動作は行えなかった。実際の入浴場面は確認していない。
家族の間で話が分かれる 続柄と同居の別を添えて、双方をそのまま書く 同居の長女は「夜中に何度も起きる」と話され、別居の長男は「自分が泊まった日は朝まで寝ていた」と話された。日数の多い同居家族の話をもとに頻度を記載した。
サービス事業所と家族の話が違う 場面が違うことを明示する デイサービスの職員からは「送迎時に自力で歩いている」との話があり、家族からは「自宅では手を引いている」との話があった。自宅内の状況で選択し、通所先での状況を併記した。
調査時だけ状態が良い 調査の日時と、日常の頻度を並べる 調査は午前10時に実施し、質問への受け答えは落ち着いていた。家族によると、16時以降は同じ質問を繰り返し、外へ出ようとすることが週3〜4回あるとのことであった。
調査時だけ状態が悪い その日の事情を事実として添える 調査日は前日に発熱があり、臥床したままの状態であった。家族によると、通常は日中に居間で過ごし、トイレへは杖で自力歩行しているとのことであった。
本人が家族の前で話しにくそうにしている 推測を書かず、観察できた様子だけを書く 家族が同席している間は「大丈夫」と繰り返し、質問への返答が短かった。家族が席を外した際に、夜間に何度もトイレに起きるとの話があった。
確認できないまま調査を終えた 未確認であることを明記し、情報源を書く 入浴と排泄の場面は確認できていない。本項目は、家族からの聞き取りと、居室で確認できた動作をもとに記載した。

※上記は各自治体が公表している資料を当社が編集・加工したものであり、各自治体の公式見解ではありません。運営指導の観点・確認様式・判断は保険者(指定権者)により異なります。最終的な算定可否は保険者(指定権者)にご確認ください。

ここまでの文例は、いずれも認定調査員が結論を出すためのものではありません。基本調査による一次判定に、特記事項と主治医意見書を加えて二次判定を行うのは介護認定審査会です。特記事項に書くべきは「どの状態にあたるか」という評価ではなく、誰が・いつ・何回・どのように介護の手間が生じているかという事実です。上の完成文は、実際に確認した内容・頻度・本人の言葉に置き換えたうえでご使用ください。なお、介護保険法に基づく届出書類の作成・提出代行は社会保険労務士の業務です。

出典:厚生労働省ウェブサイト(要介護認定に関する情報/認定調査員テキスト)/公共データ利用規約(第1.0版)。本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。項目の構成・評価軸・調査票の様式は制度改正により変わることがあります。実際の取り扱いは、最新の認定調査員テキストと保険者(市町村)の定めにしたがってください。

概況調査「日常生活自立度」の選び方と記入例

認定調査票の概況調査には、「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」と「認知症高齢者の日常生活自立度」を記入する欄があります。どちらも厚生労働省の判定基準(障害:平成3年11月18日 老健第102-2号/認知症:平成5年10月26日 老健第135号)に基づいて選び、迷った場面は特記事項に根拠を書き残します。

障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)の目安

ランク 目安
J1 ほぼ自立。交通機関等を利用して外出する
J2 ほぼ自立。隣近所へなら外出する
A1 介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
A2 外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
B1 車いすに移乗し、食事・排泄はベッドから離れて行う
B2 介助により車いすに移乗する
C1 1日中ベッド上で過ごすが、自力で寝返りをうつ
C2 1日中ベッド上で過ごし、自力では寝返りもうたない

認知症高齢者の日常生活自立度の目安

ランク 目安
Ⅰ 何らかの認知症があるが、日常生活は家庭内・社会的にほぼ自立
Ⅱa 家庭外で、日常生活に支障のある症状等が多少あっても、誰かが注意していれば自立できる
Ⅱb 家庭内でも上記Ⅱの状態がみられる
Ⅲa 日中を中心に、介護を必要とする症状・行動や意思疎通の困難さがみられる
Ⅲb 夜間を中心に、上記Ⅲの状態がみられる
Ⅳ 症状・行動が頻繁にみられ、常に介護を必要とする
M 著しい精神症状や重篤な身体疾患がみられ、専門医療を必要とする

日常生活自立度の記入例(特記事項に根拠を書く・12例)

  • 【障害J2】週2回、杖歩行で近所のスーパーまで独力で買い物に行っている。バス等の利用は不安があり家族が同行するため、J2を選択した。
  • 【障害A1】外出は週1回のデイサービスのみで送迎車まで見守りを要するが、日中は居間の椅子で過ごしており、A1を選択した。
  • 【障害A2】外出は月1回の受診時のみ。日中も臥床とソファでの休息を繰り返しており、A2を選択した。
  • 【障害B1】移動は車いす。食事は食卓、排泄はトイレへ自分で移乗して行っているため、B1を選択した。
  • 【障害B2】座位は保てるが、車いすへの移乗に妻の介助を要するため、B2を選択した。
  • 【障害C2】終日ベッド上で過ごし、寝返りは2時間ごとに介助者が行っているため、C2を選択した。
  • 【認知Ⅰ】物忘れはあるが、服薬・金銭管理は工夫しながら自分で行い、生活はほぼ自立しているため、Ⅰを選択した。
  • 【認知Ⅱa】買い物で同じ物を重複して購入することが週数回ある。家庭内の生活は保たれており、Ⅱaを選択した。
  • 【認知Ⅱb】火の消し忘れが月数回あり、家族が声かけで対応している。家庭内でも見守りを要するため、Ⅱbを選択した。
  • 【認知Ⅲa】日中、「家に帰る」と外に出ようとする行動がほぼ毎日あり、そのつど対応を要するため、Ⅲaを選択した。
  • 【認知Ⅲb】夜間の失見当がみられ、週3回程度、深夜に家族を起こして対応を求めるため、Ⅲbを選択した。
  • 【認知Ⅳ】意思疎通が困難で、食事・排泄など生活全般に常時の声かけと介助を要するため、Ⅳを選択した。

主治医意見書の自立度と食い違うことは珍しくありません。調査時に見た事実と聞き取った頻度を特記事項に残しておくと、審査会が違いの理由を判断できます。

よくある質問(FAQ)

特記事項は必ず書かなければなりませんか。

選択肢と実際の状況に差がある場合や、介護の手間が選択肢だけでは伝わらない場合に記載します。該当がない項目まで無理に書く必要はありませんが、判断に迷った項目は根拠を残してください。

「できる能力」と「実際に行われている介助」のどちらで選びますか。

項目により異なります。第1群の一部は能力で、第2群の多くは実際に行われている介助で評価します。いずれの場合も、選ばなかったほうの状況を特記事項に書いておくと、審査会の判断材料になります。

日によって状態が違うときは、どちらで選びますか。

より頻回にみられる状況で選び、両方の頻度を特記事項に書きます。「週7日のうち4日は◯◯、3日は△△」のように書くと伝わります。

介護者がいないため介助されていない場合はどうしますか。

実際に介助されていない状態で選び、介助が必要と考えられる理由と、動作を確認した結果を特記事項に書きます。

特記事項は要介護度に影響しますか。

介護認定審査会は、基本調査による一次判定に加えて、特記事項と主治医意見書をもとに二次判定を行います。特記事項の内容が判定の修正につながることがあります。


出典:厚生労働省ウェブサイト(要介護認定に関する情報/認定調査員テキスト)/公共データ利用規約(第1.0版)。
本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。項目の構成・評価軸は改定により変わることがあります。実際の判断は最新の認定調査員テキストと保険者の取り扱いにしたがってください。文例はそのまま書き写すためのものではなく、実際に確認した内容に置き換えてご使用ください。

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介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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