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介護アセスメントの書き方|課題分析標準項目23項目の記入例115例【令和5年改正対応】

ケアマネジメントの土台となるアセスメント。「何を、どこまで書けばよいのか」「課題分析の項目が埋まらない」と悩む方は少なくありません。本記事では、アセスメントの基本と、課題分析標準項目(23項目)に沿った書き方のポイントを、項目ごとの記入例(伏字)つきで整理します。項目名は令和5年10月の見直し(後述)に対応した最新のものです。

介護のアセスメント課題分析標準項目23項目の構成図。基本情報に関する項目9つ(No.1〜9:基本情報、これまでの生活と現在の状況、利用者の社会保障制度の利用情報、現在利用している支援や社会資源の状況、日常生活自立度(障害)、日常生活自立度(認知症)、主訴・意向、認定情報、今回のアセスメントの理由)と、課題分析に関する項目14つ(No.10〜23:健康状態、ADL、IADL、認知機能や判断能力、コミュニケーションにおける理解と表出の状況、生活リズム、排泄の状況、清潔の保持に関する状況、口腔内の状況、食事摂取の状況、社会との関わり、家族等の状況、居住環境、その他留意すべき事項・状況)に分かれる。令和5年10月16日改正(老認発1016第1号)で「生活リズム」が新設され、旧「問題行動」が「認知機能や判断能力」に統合されたことを示す。
課題分析標準項目23項目(基本情報9+課題分析14)の全体像。令和5年10月16日の一部改正(老認発1016第1号)に基づく項目名で、黄色は改正で新設・統合された項目です。

介護のアセスメントとは

アセスメントとは、利用者さまの心身の状態や生活環境、本人・家族等の意向を把握し、「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」を明らかにする作業です。ここで捉えた課題が、そのままケアプランの出発点になります。アセスメントの質が、計画全体の質を左右します。

課題分析標準項目(23項目)の全体像

厚生労働省が示す課題分析標準項目は、「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日老企第29号)で定められ、令和5年10月16日(老認発1016第1号)に項目名・記載例が見直されました(介護保険最新情報 Vol.1178・Vol.1179)。項目は大きく2つに分かれ、合計23項目です。なお通知では、記載例のすべてを必ず収集することを求めるものではなく、各利用者の課題分析に必要な情報を判断するための例示とされています。

  • 基本情報に関する項目(9項目)――①基本情報(受付、利用者等基本情報)②これまでの生活と現在の状況 ③利用者の社会保障制度の利用情報 ④現在利用している支援や社会資源の状況 ⑤日常生活自立度(障害)⑥日常生活自立度(認知症)⑦主訴・意向 ⑧認定情報 ⑨今回のアセスメントの理由
  • 課題分析(アセスメント)に関する項目(14項目)――⑩健康状態 ⑪ADL ⑫IADL ⑬認知機能や判断能力 ⑭コミュニケーションにおける理解と表出の状況 ⑮生活リズム ⑯排泄の状況 ⑰清潔の保持に関する状況 ⑱口腔内の状況 ⑲食事摂取の状況 ⑳社会との関わり ㉑家族等の状況 ㉒居住環境 ㉓その他留意すべき事項・状況

※令和5年改定では、「主訴」に「意向」が加わり主訴・意向へ、「認知」が「認知機能や判断能力」へ(旧「問題行動」を統合)、「社会との関わり」から独立する形で「家族等の状況」が整理され、あらたに「生活リズム」が新設されました。従来お使いのアセスメントシートの項目名と異なる場合は、原典(通知本文)をご確認ください。

令和5年10月の改正で、何が変わったか

課題分析標準項目は令和5年10月16日(老認発1016第1号)で改正されています。項目数は23で変わりませんが、名称と「項目の主な内容(例)」の記載が見直されました。

変わった点 内容
「家族」→「家族等」に統一 親族関係にある者だけでなく、意思決定や支援に関わる者という意味を含めて表記が統一されました
被保険者情報 → 社会保障制度の利用情報 介護保険以外の制度(難病医療費助成、生活困窮者自立支援など)の利用状況も把握する趣旨が明確化されました
居宅サービス計画作成の状況が「基本情報」へ 初回か初回以外かは受付時に収集する基礎情報のため、基本情報の項目に移りました
情報収集項目そのものは変わらない 文言の適正化と記載の充実であり、集める情報が増えたわけではありません

実務上とても重要な補足があります。改正時のQ&A(介護保険最新情報Vol.1179)には、「項目の主な内容(例)」について次のように記載されています。

これらの内容についてすべての情報収集を行うことを求めるものではなく、各利用者の課題分析に必要な情報を判断するための例示である。
各保険者においては実地指導等において、「項目の主な内容(例)」に記載されている内容が把握されていないことのみをもって、アセスメントが適切に行われていないと判断し、基準違反とすることが無いよう留意されたい。

つまり「例に書いてあることを全部埋めなければならない」わけではありません。必要な情報を判断して書く、という前提が明記されています。

アセスメントで指摘されている3つのパターン

指摘されている状態 公表元と内容 見直しの視点
チェック欄のみで、備考が空白 「居宅介護支援事業所のアセスメント結果を受けるのみでは不十分」と明記され、「洗身」で一部介助にチェックのみの例と、麻痺の部位など具体的状況を書いた例が対比されています。 チェックで終えず、備考に「どの動作が・どの程度・なぜ」を書く
サービス変更時・目標期間更新時にアセスメントをしていない/実施日が計画作成日より後 福岡県介護保険広域連合の集団指導資料(令和6年度版)の「運営指導時における主な指摘事項」。 アセスメント → 計画原案 → 担当者会議 → 同意 の日付の前後関係を点検する
第1表の「課題分析の結果」が記載されていない 姫路市の令和6年度実地指導結果。記載がないことは、適切なアセスメントやモニタリングの評価が行えていない可能性があるとされています。 アセスメントで把握した内容が、第1表・第2表に反映されているか

要件・運用は保険者により異なります。詳細は監査対策ナビと各自治体の公表資料をご確認ください。

課題分析標準項目23項目|記入例115例

以下はすべて記載のイメージを示すための(例)であり、実在の利用者ではありません。チェックだけで終えず、具体的な状況が伝わる書き方を意識してください。1項目につき5例ずつ掲載しています。

① 基本情報(受付、利用者等基本情報)

記入例
令和◯年◯月◯日、長女より電話にて相談受付。居宅サービス計画作成は初回
地域包括支援センターからの紹介。要介護認定の更新に伴う担当変更のため受付
◯◯病院の医療連携室より退院前の依頼を受け、◯月◯日に病棟にて面談
初回以外(前担当事業所からの引き継ぎ)。引き継ぎ書類を◯月◯日に受領
ご本人・長女同席のうえ、自宅にて初回面談を実施。連絡先は長女(携帯)を第一とする

② これまでの生活と現在の状況

記入例
長年、農業に従事。定年後も畑仕事を続けていたが、2年前の転倒を機に外出が減った
会社員として勤務後、退職。妻の介護を10年間行い、2年前に看取った。以降は独居
現在は長女夫婦と同居。日中は独居となり、居間で過ごすことが多い
3か月前に大腿骨骨折で入院。リハビリ病院を経て◯月◯日に自宅退院した
もともと社交的で、地域の婦人会に参加していた。ここ1年は参加していない

③ 利用者の社会保障制度の利用情報

記入例
介護保険(要介護2)のほか、後期高齢者医療制度を利用。他制度の利用なし
身体障害者手帳3級を所持。障害福祉サービスの利用はなし
難病医療費助成制度を利用中(◯◯病)。自己負担上限額は月◯円
国民年金を受給(月額◯円程度)。介護サービス費の負担割合は1割
高額介護サービス費の対象。負担限度額認定証を所持している

④ 現在利用している支援や社会資源の状況

記入例
訪問介護(週2回・生活援助)、通所介護(週2回)を利用中
市の配食サービスを週3回利用。安否確認も兼ねている
民生委員が月1回訪問し、声かけを行っている
近隣住民がごみ出しを手伝ってくださっている(インフォーマル)
介護保険サービスの利用はなし。長女が週末に訪問し家事を行っている

⑤ 日常生活自立度(障害)

記入例
A2(屋内での生活は概ね自立。介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活)
J2(隣近所へなら外出する)。主治医意見書と現状に相違なし
B1(車いすに移乗し、食事・排泄はベッドから離れて行う)
主治医意見書ではA1だが、訪問時の状況からA2相当と判断。次回受診時に共有予定
C2(自力では寝返りもうたない)。全介助の状態

⑥ 日常生活自立度(認知症)

記入例
Ⅱa(家庭外で日常生活に支障をきたす症状がみられるが、誰かが注意していれば自立できる)
Ⅰ(何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内および社会的にほぼ自立)
Ⅱb(家庭内でも日常生活に支障をきたす症状がみられる)。服薬管理に支援を要する
Ⅲa(日中を中心に日常生活に支障をきたす症状がみられ、介護を必要とする)
自立。認知症の診断はなく、日付・場所の認識も保たれている

⑦ 主訴・意向

記入例
ご本人「転ばずに、この家で暮らし続けたい」/長女「日中の見守りをお願いしたい」
ご本人「人の世話にはなりたくない」との発言あり。サービス導入に消極的
ご本人は発語が難しく、表情とうなずきで確認。入浴を好まれている様子
ご本人「畑をまた見に行きたい」/ご家族「無理はしてほしくない」と意向に差がある
ご本人「最期は自宅で過ごしたい」。ご家族も同意されている

⑧ 認定情報

記入例
要介護2(有効期間:令和◯年◯月◯日〜令和◯年◯月◯日)。審査会の意見なし
要支援2から要介護1へ区分変更。認定日は令和◯年◯月◯日
要介護3。被保険者証にサービスの種類の指定の記載なし
認定申請中(◯月◯日申請)。暫定ケアプランで対応中
要介護4。審査会の意見として「◯◯」の記載あり、計画に反映する

⑨ 今回のアセスメントの理由

記入例
認定更新に伴う定期のアセスメント
退院に伴い、在宅での生活状況を再評価するため
短期目標の期間終了に伴う見直しのため
転倒により状態に変化がみられたため、臨時に実施
ご家族の就労状況が変わり、支援体制の見直しが必要となったため

⑩ 健康状態

記入例
高血圧症、変形性膝関節症で◯◯クリニックへ月1回通院。血圧は130/80台で安定
糖尿病で内服治療中。HbA1cは主治医より「おおむね良好」との説明あり
心不全の既往あり。下肢の浮腫がみられる日があり、体重測定で確認している
膝の痛みが強い日は歩行距離が短くなる。痛みの訴えは週2〜3回
処方は5剤。朝・夕の服薬で、飲み忘れが週1〜2回みられる

⑪ ADL

記入例
歩行:屋内は伝い歩きで自立。屋外は杖使用で、50m程度で休憩を要する
入浴:浴槽の出入りに一部介助を要する。洗身は背部のみ介助
移乗:ベッド柵につかまり自立。立ち上がり時に軽度のふらつきあり
更衣:上衣は自立、下衣は座位で行い、靴下の着脱に一部介助
食事:自立。箸の使用可。むせ込みは月に数回程度

⑫ IADL

記入例
調理:ご飯を炊くことは可能。加熱を伴う調理は火の消し忘れがあり見守りを要する
買い物:徒歩10分のスーパーへ週1回。重い荷物は持てず、長女が対応
金銭管理:長女が通帳を管理。日常の少額の支払いはご本人が行っている
掃除:居間の掃除機がけは可能。浴室・トイレの清掃は困難
電話:携帯電話の着信への応答は可能。発信は登録先のみ

⑬ 認知機能や判断能力

記入例
日付の認識に混乱がみられる場面あり。場所・人物の認識は保たれている
同じ質問を短時間に繰り返されることが、訪問時に2〜3回みられる
金銭の計算に時間を要するが、内容は理解されている
服薬の必要性は理解されているが、飲んだかどうかの記憶が曖昧
判断能力は保たれており、サービス利用についてご自身で決定されている

⑭ コミュニケーションにおける理解と表出の状況

記入例
会話による意思疎通は良好。難聴のため、正面から大きめの声で話すと伝わりやすい
補聴器を使用。装着していない時間帯は聞き取りに支障がある
発語は単語レベル。表情・うなずきで意思を表出される
視力低下により、文字の読み取りが困難。口頭での説明を併用している
理解は良好だが、言葉が出にくい場面がある。焦らせない配慮が必要

⑮ 生活リズム

記入例
起床6時、就寝21時。日中はテレビを見て過ごすことが多い
夜間に2〜3回覚醒しトイレへ。日中に傾眠がみられる
通所介護の利用日は生活リズムが整い、夜間の睡眠も良好
朝食を摂らないことがあり、食事の時間が不規則
昼夜逆転はみられない。1日を通して活動量は少なめ

⑯ 排泄の状況

記入例
日中はトイレで自立。夜間はポータブルトイレを使用
尿意はあるが間に合わないことが週2〜3回。パッドを使用している
下衣の上げ下ろしに一部介助を要する。手すり使用で立位保持は可能
便秘傾向。3日に1回程度の排便で、下剤を使用している
失禁への不安から、外出を控える傾向がある

⑰ 清潔の保持に関する状況

記入例
入浴は通所介護で週2回。自宅では洗面・清拭を行っている
転倒への不安から、自宅での入浴を控えている。ここ1か月は入浴なし
洗髪は自分で行えるが、背部の洗身に介助を要する
整容(ひげそり・整髪)は毎朝ご自身で行われている
爪切りは長女が月1回実施。皮膚の乾燥がみられ保湿を行っている

⑱ 口腔内の状況

記入例
上下とも総義歯を使用。合わないとの訴えがあり、歯科受診を検討中
残存歯14本。歯みがきは毎食後ご自身で実施されている
口腔内の乾燥がみられ、食事中に水分を要することがある
むせ込みが食事中に週2〜3回。食形態は常食
義歯の手入れに支援を要する。訪問時に一緒に洗浄している

⑲ 食事摂取の状況

記入例
1日3食。摂取量は主食8割・副菜7割程度。水分は1日1,000ml程度
昼食は配食サービスを利用。朝夕はご自身でパンや惣菜を摂られている
食欲低下がみられ、3か月で体重が2kg減少している
刻み食を使用。とろみ剤は使用していない
食事の準備が負担となっており、同じ内容が続く傾向がある

⑳ 社会との関わり

記入例
通所介護で他の利用者と交流されている。自宅では来客はほとんどない
近隣の方が週に数回声をかけてくださる。地域とのつながりは保たれている
以前は地域の集まりに参加していたが、外出困難となり参加していない
ご本人「人と話す機会がほしい」との意向あり。参加意欲は保たれている
1日を通して会話の機会がほとんどなく、孤立傾向がみられる

㉑ 家族等の状況

記入例
長女(同居・就労中)が主たる介護者。平日は日中不在
配偶者(80代)が主たる介護者。腰痛があり、介助に負担を感じている
子は県外に居住。月1回の訪問と、週1回の電話連絡がある
身寄りがなく、成年後見人(司法書士)が選任されている
ご家族間で介護方針に違いがみられ、調整が必要な状況

㉒ 居住環境

記入例
木造2階建ての持ち家。居室は1階。玄関に15cmの段差あり
集合住宅3階。エレベーターなし。外出時に階段の昇降が負担となっている
トイレは和式。手すりの設置を検討している
浴室に手すりが設置済み。浴槽は深さ50cmでまたぎ動作に注意を要する
居室から廊下にかけて物が多く、動線上につまずきのリスクがある

㉓ その他留意すべき事項・状況

記入例
ご本人の性格上、急な変化を好まれない。段階的な導入を心がける
看取りを見据えた時期にあり、意向の変化を随時確認する必要がある
経済的な負担への懸念があり、サービス量の調整に配慮を要する
災害時の避難について、個別避難計画の作成を地域で検討中
ペット(猫1匹)を飼育されており、生活の支えとなっている

書くときに避けたい表現|言い換えの対照表

避けたい書き方 気をつけたい理由 言い換えの例
「洗身」に一部介助とチェックのみ 公表事例で、備考が空白の例が不適切として対比されている 洗身:背部のみ介助。右肩に可動域制限があり手が届かない
特変なし 何を確認した結果なのかが残らない 歩行・食事・睡眠について確認。前回訪問時から変化なし
ADL低下 どの動作がどう変わったか分からない 浴槽をまたぐ動作に、手すりへの支持が必要になっている
認知症が進行 診断・評価は医師の領域 日付の認識に混乱がみられる場面が、訪問時に2〜3回あった
家族が非協力的 評価的な表現。関係悪化の要因にもなる 長女は就労のため日中不在。連絡は電話で行っている
全項目を埋めようとする Q&Aで「すべての情報収集を求めるものではない」と明記されている 課題分析に必要な情報を判断して記載する
実施日が計画作成日より後 公表事例で指摘されている アセスメント → 原案 → 会議 → 同意 の順に日付を確認する
複数の利用者で同じ記載 公表事例で「計画内容が一律」と指摘されている ご本人の言葉・生活歴を一語でも入れる

書き方の基本ルール

  • 事実と解釈を分ける――「観察した事実」と「ケアマネの判断」を混同せず、根拠を示して書きます。
  • 本人の言葉を残す――「家で過ごしたい」など、本人の語りはできるだけそのまま記録します。
  • 「できる・できない」の両面を見る――できないことだけでなく、残された力(強み)も捉えます。

(例)事実と解釈を分ける書き方

  • △ 分析だけ:「入浴に介助が必要」
  • ◎ 事実+解釈:「洗身のうち背部・下肢に見守り〜一部介助が必要(事実)。立位保持は手すりで可能なため、環境を整えれば自立度を保てる可能性がある(解釈)」

課題分析標準項目(23項目)の記入例

以下は、右大腿骨頸部骨折後に在宅復帰したA様(82歳・女性・要介護2・初回アセスメント)を想定した記入例です。氏名・関係者はすべて伏字(A様・長女B様等)にしています。実際の記録では、事業所の様式・記載ルールに合わせてご記入ください。

項目 記入例(A様・伏字)
①基本情報 (例)A様、82歳・女性。同居の長女B様がキーパーソン。受付=電話にて長女より相談。今回は初回。
②これまでの生活と現在の状況 (例)元小学校教員。夫と死別後、長女家族と同居。半年前に自宅で転倒し右大腿骨頸部骨折。退院後にADLが低下。「また庭いじりがしたい」と話す。
③社会保障制度の利用情報 (例)介護保険(要介護2)。年金を受給。医療は後期高齢者医療。身体障害者手帳なし。生活保護の受給なし。
④現在利用している支援や社会資源 (例)週2回の通所リハビリを利用。近隣の次女C様が週1回買い物を支援。自治会の見守り訪問あり。
⑤日常生活自立度(障害) (例)要介護認定時の判定=A2(認定調査票による)。現在は屋内伝い歩きが可能で、面談時のケアマネ所見ではA1相当。
⑥日常生活自立度(認知症) (例)認定時=自立(Ⅰ相当)。現在も日付・場所の見当識は保たれている。
⑦主訴・意向 (例)本人「トイレだけは自分で行きたい」。長女「夜間の付き添いが負担。日中に少し休みたい」。
⑧認定情報 (例)要介護2。区分支給限度基準額の範囲内で調整。認定有効期間は認定通知書のとおり。
⑨今回のアセスメントの理由 (例)退院後の初回アセスメント。在宅生活の再構築に向けて実施。
⑩健康状態 (例)右大腿骨頸部骨折術後。高血圧で降圧薬を服用中(かかりつけ医D医院、月1回受診)。身長・体重・BMI・血圧は通所リハビリでの測定値を確認。褥瘡なし。
⑪ADL (例)起き上がり・立ち上がりは手すり使用で自立。屋内は伝い歩き、屋外は歩行器。入浴は洗身に一部介助。階段昇降は手すりがあれば見守り。
⑫IADL (例)簡単な調理は可能だが火の管理に不安。買い物・掃除・金銭管理は家族が支援。服薬は一包化で自己管理。
⑬認知機能や判断能力 (例)日常の意思決定は自身で可能。中核症状・行動心理症状はみられない。(改正で旧「問題行動」は本項目に統合)
⑭コミュニケーションにおける理解と表出の状況 (例)会話による意思疎通は良好。軽度難聴があり右耳側から話すと伝わりやすい。補聴器は未使用。
⑮生活リズム (例)就寝22時・起床6時。日中は居間で過ごすことが多く活動量は低下傾向。通所日は生活リズムが整う。(令和5年改定で新設)
⑯排泄の状況 (例)日中は自立、夜間は尿意で2回覚醒しポータブルトイレを使用。便秘傾向で緩下剤を頓用。
⑰清潔の保持に関する状況 (例)入浴は週2回、洗身・洗髪に見守り〜一部介助。整容は自立。着衣の清潔は保たれている。
⑱口腔内の状況 (例)部分義歯を使用。かみ合わせ良好。舌苔・口臭なし。毎食後の口腔ケアは自立。
⑲食事摂取の状況 (例)常食を3食摂取。食事量は安定、水分は1日約1,000ml。摂食嚥下機能に問題なし。食事制限は減塩のみ。
⑳社会との関わり (例)元同僚との交流あり。骨折後は外出が減り「人と会う機会が減った」と話す。庭いじりを楽しみにしている。
㉑家族等の状況 (例)長女B様(同居・主介護者、就労のため日中不在)、次女C様(近隣・週1回支援)。長女に介護負担感あり。
㉒居住環境 (例)戸建て2階建て。1階に居室・トイレ・浴室。玄関に段差あり。浴室に手すり設置済み、トイレ側は未設置。
㉓その他留意すべき事項・状況 (例)経済的な困窮なし。虐待・看取り等の該当なし。冬季入浴時のヒートショックに留意。

※上記は記入イメージを示す創作例です。実在の個人の氏名・被保険者番号等は記載していません。記録を外部のツールやAIに入力する際は、氏名を伏字にするなど、事業所・院内の個人情報の取扱いルールを必ずご確認ください。

項目別 記入のポイント

健康状態(⑩)

既往歴・服薬・主治医の所見に加え、本人が感じている不調も記録します。令和5年改定では、記載例に身長・体重・BMI・血圧が加わりました。ただし通知のQ&Aでは、ケアマネジャーが機材を持参して測定することまでを想定したものではなく、医療機関や通所サービス等での測定値を確認して差し支えないとされています。

ADL・IADL(⑪⑫)

「見守りがあれば歩ける」「電話はできるが買い物は介助が必要」など、どの程度の支援で何ができるかを具体的に書きます。杖・車椅子・歩行器などの使用有無も記します。

認知機能や判断能力・コミュニケーション(⑬⑭)

もの忘れの程度や意思決定の状況、意思疎通の手段・困りごとを、日常の具体例とともに記録します。旧「問題行動」は⑬に統合されています。

生活リズム(⑮)

令和5年改定で新設された項目です。1日・1週間の過ごし方、活動量、休息・睡眠(中途覚醒・昼夜逆転等)を把握します。通所日と自宅日でリズムが変わる場合は、その違いも記します。

社会との関わり・家族等の状況(⑳㉑)

家族等の介護状況や負担、近隣・友人との関係、利用者さまの役割や楽しみを把握します。改定で「家族等」に統一され、親族に限らず意思決定や支援に関わる方を含めて捉えます。

居住環境(㉒)

段差・手すり・トイレ動線など、生活に影響する住環境を確認します。危険箇所の有無や、環境を維持するための機器等も記します。

よくある不備と直し方

  • 空欄が多い――該当がなければ「特になし」と記し、未確認との違いを明確にします。
  • 事実だけで分析がない――状態の記録に加え、「だからどんな課題があるか」まで書きます。
  • 専門用語に頼りすぎる――誰が読んでも分かる言葉で書きます。
  • 旧項目名のまま運用している――令和5年改定で項目名が変わっています。お使いの様式が最新か、原典で確認します。

アセスメントを効率化する

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」は、面談の録音や持ち込まれた書類から、内容を自動で整理し、アセスメントの各項目に振り分けて下書きします。ケアマネジャーは確認・修正するだけで、聞き取りに集中できます。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。
※録音や書類をAIに渡す際は、氏名を伏字にするなど、事業所の個人情報の取扱いルールをご確認ください。

課題分析標準項目(23項目)の記入のポイント

介護アセスメントでは、課題分析標準項目(23項目)にそって利用者の状況を把握します。主な領域と記入のポイントを整理しました。

領域 主な項目 記入のポイント
基本情報 基本情報・これまでの生活・社会保障制度・主訴・意向 これまでの暮らしと現在の環境、本人・家族等の意向を把握
健康・ADL 健康状態・ADL・IADL・認知機能や判断能力 できること/支援が必要なことを具体的に
コミュニケーション 理解と表出の状況・生活リズム 伝え方の工夫の手がかりと1日・1週間の過ごし方を把握
社会・環境 社会との関わり・排泄・清潔・口腔・食事 生活課題(ニーズ)につながる情報を整理
介護状況 家族等の状況・居住環境・その他留意すべき事項 家族等の介護力や環境面の課題を把握

よくある質問(FAQ)

アセスメントの課題分析標準項目とは?
利用者の状況を漏れなく把握するための23項目です。基本情報9項目とアセスメント14項目からなり、平成11年老企第29号で示され、令和5年10月(老認発1016第1号)に項目名・記載例が見直されました。
令和5年の改定で何が変わりましたか?
項目名と記載例が見直されました。「主訴」が「主訴・意向」に、「認知」が「認知機能や判断能力」に(旧「問題行動」を統合)、「家族等の状況」が整理され、あらたに「生活リズム」が新設されました。収集する情報の考え方自体が大きく変わるものではないとされています。
記入例はどこを参考にすればよいですか?
本記事の「23項目の記入例」の表を、事業所の様式に合わせて参考にしてください。記載例のすべてを必ず収集する必要はなく、各利用者の課題分析に必要な情報を判断するための例示です。個人情報は伏字にしてお使いください。
アセスメントで大切なことは?
事実を把握するだけでなく、本人の意向をふまえて生活課題(ニーズ)を整理することです。
ケアプランへどうつなげますか?
把握したニーズを第2表の目標・サービスにつなげ、一貫した支援にします。
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
カイポケをご利用中でなくても、神マナは単体で問題なくご利用いただけます。「マナドライブ」で帳票類の管理・網羅もでき、まず神マナを導入して後からカイポケを連携することも可能です。カイポケの料金体系は変動することがあるため、導入をご希望の際は当社からサポート担当へお繋ぎし、最新の内容をご案内します。詳しくは「カイポケ導入相談・お見積り」の案内ページをご覧ください。

出典:厚生労働省ウェブサイト(介護保険最新情報 Vol.1179「課題分析標準項目の改正に関するQ&A」/www.mhlw.go.jp/content/001157102.pdf)/公共データ利用規約(第1.0版)。項目名・改正内容は「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日老企第29号、令和5年10月16日老認発1016第1号一部改正)および介護保険最新情報 Vol.1178・Vol.1179に基づきます。

本ページは上記を当社が編集・加工したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。単位数・様式・項目名は改定により変わることがあるため、最新の内容は原典をご確認ください。

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聞き取りが止まったときの、切り口の文例

アセスメントは質問の順番を決めておくと止まりません。住環境 → 1日の流れ → 動作 → 希望、の順が現場では使いやすい形です。

止まる場面 切り口 聞き方の文例
「困っていない」と言われる 1日の流れをたどる 朝起きてから、順にどう過ごされているか教えてください
答えが「はい」だけ 選択肢で聞く お風呂は毎日ですか、週に何回かですか
話が広がりすぎる 場所で区切る まず玄関からお聞きしてもよいですか
本人が遠慮される 家族の負担から入る ご家族が大変に感じていることはありますか
家族が本人の前で話しにくそう 場を分ける あとで少しお電話してもよろしいですか
医療のことが分からない 書類を見せてもらう お薬手帳と、先生からの紙を見せていただけますか
家の中を見せてもらいにくい 使う場所に絞る トイレとお風呂だけ、見せていただけますか
本人が疲れている 切り上げる 今日はここまでにして、続きは次回にしましょう
できないことばかり出る できることを聞く ご自分でされていることは何ですか
希望が出てこない 過去から入る 以前はどんなことをされていましたか
「昔はできた」で止まる いまの一歩を聞く いまなら、どのあたりまでならできそうですか
経済的な話がしにくい 制度の説明から 使える制度がありますので、ご心配なところを教えてください

要介護認定の特記事項の書き方と文例は要介護認定調査の特記事項にまとめています。

この記事の執筆・編集

介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)

介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。

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