介護記録AI「神マナ」無償提供のお知らせ

第一話 おばあちゃんの、最後の家

私が、介護に、興味を持ったのは、おばあちゃんが、きっかけだった。

両親が共働きで、私は、おばあちゃんに、育てられたようなものだった。卵焼きの作り方も、折り紙の鶴も、ぜんぶ、おばあちゃんに、教わった。そのおばあちゃんが、八十を過ぎて、だんだん、できないことが、増えていった。ある日、転んで、足を骨折してから、家に、いられなく、なった。

おばあちゃんは、「施設」に、入った。私は、ときどき、会いに行った。でも、正直、その場所が、こわかった。たくさんの、お年寄りが、車椅子で、並んでいる。忙しそうな職員さんたちが、走り回っている。おばあちゃんは、私の知らない人たちに、おむつを替えてもらい、ごはんを、食べさせてもらっていた。私は、何も、できなかった。ただ、横に座って、手を、握ることしか。

おばあちゃんは、去年の冬、その施設で、亡くなった。お葬式が終わって、私は、ふと、思った。──おばあちゃんが、最後の二年を、過ごした、あの場所。あそこが、どういう場所で、誰が、どんなふうに、おばあちゃんを、支えてくれていたのか。私は、何ひとつ、知らなかった。

大好きだった人の、最後の「家」のことを、何も知らないまま、お別れして、しまった。それが、どうしても、心残りだった。

「介護」って、なんだろう。あの場所では、何が、起きていたんだろう。私は、それを、知りたいと、思った。たぶん、これが、私の、はじまりだった。

「神マナ物語」は、小規模多機能ホーム「えんがわ」に通う、ボランティアの学生・神崎まなの物語です。 → 登場人物と舞台について(はじめに)

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