介護老人保健施設(老健)は、在宅復帰を目指してリハビリを行う施設です。特養との違いや、記録のポイントを整理します。
介護老人保健施設(老健)とは
病院と自宅の中間に位置し、医療的ケアやリハビリを受けながら在宅復帰を目指す施設です。医師が常勤し、リハビリ専門職が配置されています。
主な役割・特徴
- 在宅復帰・在宅療養を支援する
- リハビリテーション(PT・OT・ST)
- 医療的な管理・看護
- 入所は数か月単位が目安(定期的に在宅復帰を検討)
対象
原則として要介護1以上で、リハビリにより在宅復帰を目指す方が対象です。
記録・書類のポイント
施設サービス計画やリハビリ計画にもとづき、状態の変化やリハの経過を記録します。在宅復帰に向けたカンファレンスの記録も重要です。
どんな方が対象になるか
- 要介護1以上の認定を受けている方
- 病状が安定していて、入院治療の必要がない方
- リハビリテーションによって在宅復帰を目指す方
- 医学的な管理のもとで介護・リハビリを受けたい方
費用の考え方
| 費目 | 内容 |
|---|---|
| 施設サービス費 | 要介護度と施設の類型によって異なります。原則1割(所得に応じて2〜3割)負担 |
| 居住費 | 部屋の種類(多床室・従来型個室・ユニット型)で異なります |
| 食費 | 1日あたりの額が定められています |
| 日常生活費 | 理美容代、日用品など |
| 負担軽減 | 所得や資産の状況により、居住費・食費の負担限度額認定を受けられる場合があります |
人員・設備の基準(事業者向け)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 医師 | 常勤で1名以上(100人あたり1名以上) |
| 看護・介護職員 | 入所者3人に対して1人以上 |
| 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 | 入所者100人あたり1名以上 |
| 支援相談員 | 入所者100人あたり1名以上 |
| 介護支援専門員 | 1名以上 |
| 設備 | 療養室、機能訓練室、談話室、食堂、浴室など |
似たサービスとの違い
| 介護老人保健施設(老健) | 介護老人福祉施設(特養) | 介護医療院 | |
|---|---|---|---|
| 位置づけ | 在宅復帰を目指す通過点 | 生活の場 | 長期の療養と生活の場 |
| 対象 | 要介護1以上 | 原則 要介護3以上 | 要介護1以上(長期の医療的ケアが必要な方) |
| 医師 | 常勤 | 非常勤可 | 常勤 |
| リハビリ | 専門職を配置 | 必須ではない | 必要に応じて |
| 期間の考え方 | 原則3〜6か月ごとに在宅復帰を検討 | 長期 | 長期 |
確認しておきたいこと
- 入所の申し込み方法と、待機の状況
- 在宅復帰に向けた支援の内容と、退所後の見通し
- 医療的なケアがどこまで受けられるか(喀痰吸引、経管栄養、インスリンなど)
- リハビリの頻度と、担当する職種
- 看取りへの対応方針
- 面会の方法
- 費用の総額(施設サービス費・居住費・食費・日常生活費の合計)
よくある疑問
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| 特養との違いは | 老健は在宅復帰を目指す通過点、特養は生活の場という位置づけの違いがあります |
| ずっといられるか | 原則として、定期的に在宅復帰の可能性が検討されます |
| 入所の順番は | 申込順ではなく、必要性を踏まえて決まるのが一般的です |
| 要支援でも入れるか | 要介護1以上が対象です |
| どんな職種が働いているか | 医師、看護師、介護職員、理学療法士等、支援相談員、介護支援専門員、管理栄養士など |
※加算・減算の要件は改定のたびに見直されます。算定の可否は、最新の告示・通知および保険者(市区町村)の運用を必ずご確認ください。本記事は一般的な考え方を整理したものです。
老健で働く職種と、仕事の中身
| 職種 | 主な仕事 |
|---|---|
| 医師 | 入所者の健康管理、診療、看取りの判断、他医療機関との連携 |
| 看護職員 | 健康管理、服薬管理、医療的ケア(吸引、経管栄養、褥瘡処置など) |
| 介護職員 | 食事・入浴・排泄の介助、生活支援、レクリエーション |
| 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 | 機能訓練、在宅復帰に向けた動作練習、家屋評価 |
| 支援相談員 | 入退所の相談、家族対応、地域の関係機関との連携 |
| 介護支援専門員 | 施設サービス計画の作成、多職種の調整 |
| 管理栄養士 | 栄養管理、食形態の調整 |
老健は医療・介護・リハビリの職種がそろっているのが特徴です。在宅復帰を目標にするため、家族との調整や住環境の評価も業務に含まれます。
在宅復帰の流れ
- 入所時にアセスメントを行い、在宅復帰の見込みと課題を整理する
- 施設サービス計画を作成し、多職種で目標を共有する
- リハビリと生活の中で、必要な動作の獲得を進める
- 家屋評価を行い、住環境の課題を洗い出す
- 福祉用具・住宅改修・在宅サービスをケアマネジャーと調整する
- 外泊・試験外泊で確認する
- 退所し、在宅サービスへ引き継ぐ
入所を検討するときに見学で聞くこと
- 在宅復帰率と、実際の平均的な在所期間
- リハビリの頻度(週何回、1回何分、誰が担当するか)
- 医療的ケアの対応範囲(吸引、経管栄養、インスリン、酸素、褥瘡処置)
- 夜間の職員配置と、急変時の対応
- 退所後に利用できる在宅サービスの相談に乗ってもらえるか
- 費用の総額(施設サービス費・居住費・食費・日常生活費)
- 面会・外出・外泊の扱い
家族が知っておきたいこと
| 場面 | 考え方 |
|---|---|
| 「3か月で出される」と聞いた | 定期的に在宅復帰の可能性が検討されますが、状態により継続することもあります |
| 在宅に戻せる自信がない | 支援相談員に相談します。在宅サービスの組み立てを一緒に考えてもらえます |
| 特養の待機中に使いたい | 本来の目的とは異なりますが、実態として使われることがあります。施設の方針を確認します |
| 医療的ケアが必要になった | 対応範囲を超える場合、医療機関や介護医療院への移行が検討されます |
| 費用が想定より高い | 負担限度額認定の対象になるか、市区町村へご相談ください |
在宅復帰までの流れ
- 入所時に在宅復帰に向けた目標を設定する
- リハビリ・介護・医療的ケアを提供する
- 定期的にカンファレンスで在宅復帰の可否を検討する
- 自宅環境の調整や家族への助言を行い、復帰につなげる
よくある質問(追加)
Q. 入所期間の目安は?
A. 数か月単位が一つの目安ですが、状態により異なります。定期的に在宅復帰を検討します。
Q. 医療的ケアは受けられますか?
A. 医師が常勤し看護職員も配置されているため、一定の医療的ケアに対応できます。
記録・カンファを効率化する
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老健の特徴と役割
介護老人保健施設(老健)は、在宅復帰を目指してリハビリと医療的ケアを提供する施設です。特徴を整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 在宅復帰・在宅生活の支援 |
| 特徴 | 医師・看護・リハビリ職が配置され医療的ケアとリハビリが受けられる |
| 対象 | 要介護1以上で、リハビリや医療的ケアが必要な方 |
| 期間 | 在宅復帰を目指すため入所は原則一時的 |
よくある質問(FAQ)
老健と特養の違いは?
どんな人が対象ですか?
入所期間は?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
ずっと入所できますか?
入所から在宅復帰までに作る書類
在宅復帰を目的とする施設なので、「入所中の記録」と「帰るための記録」が両方必要になります。
| 場面 | 書類 | 残すこと |
|---|---|---|
| 入所前 | 面接記録 | 本人・家族の希望、生活の状況 |
| 入所時 | 施設サービス計画(原案) | 課題、目標、サービス内容 |
| 入所時 | リハビリテーション計画 | 評価、目標、内容、頻度 |
| 入所時 | 栄養ケア計画 | 低栄養のリスク、目標 |
| 入所時 | 口腔衛生管理計画 | 口腔の状態、実施内容 |
| 入所中 | ケアカンファレンスの記録 | 出席者、検討内容、結論 |
| 入所中 | 支援経過 | 日々の状態と、対応 |
| 入所中 | 在宅復帰・在宅療養支援等の評価 | 在宅復帰の可否の検討 |
| 退所前 | 退所前訪問指導の記録 | 住環境、必要な改修・用具 |
| 退所前 | 退所前カンファレンスの記録 | 出席者、在宅での支援体制 |
| 退所時 | 退所時情報提供書 | 状態、投薬、リハビリの内容 |
| 退所後 | 退所後訪問指導の記録 | 在宅での状況、追加の助言 |
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
