グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症の方が少人数で家庭的に暮らす住まいです。特徴と入居の条件、記録のポイントを整理します。
グループホームとは
認知症のある方が、1ユニット(おおむね5〜9人)の少人数で共同生活を送る、地域密着型のサービスです。家庭的な環境の中で、なじみの関係を大切にしながら支援します。
特徴
- 少人数・家庭的な環境
- できることを活かし、役割を持って生活する
- なじみのスタッフ・なじみの関係
- 地域とのつながりを重視
入居の条件
医師に認知症と診断され、原則として要支援2以上で、原則その市町村の住民が対象です。
記録・書類のポイント
一人ひとりの暮らしに寄り添う記録が大切です。行動の背景や本人の思いを捉え、できたこと・変化を残します。
どんな方が対象になるか
- 要支援2または要介護1以上の認定を受けている方
- 医師により認知症の診断を受けている方
- 原則として、施設と同じ市区町村に住民票がある方(地域密着型サービスのため)
- 少人数での共同生活を送ることができる方
費用の考え方
| 費目 | 内容 |
|---|---|
| 家賃・管理費 | 施設によって幅があります |
| 食材料費 | 実費 |
| 光熱水費 | 実費 |
| 介護サービス費 | 要介護度に応じた額。原則1割(所得に応じて2〜3割)負担 |
| その他 | おむつ代、理美容代など。※特養等と異なり、居住費・食費の負担限度額認定の対象外です |
人員・設備の基準(事業者向け)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 入居定員 | 1ユニット5〜9人。1事業所あたり原則2ユニットまで |
| 介護職員 | 日中は利用者3人に対して1人以上。夜間はユニットごとに1人以上 |
| 計画作成担当者 | ユニットごとに1名(うち1名は介護支援専門員) |
| 管理者 | 認知症介護の経験と、所定の研修修了が要件 |
| 設備 | 居室(原則個室)、居間、食堂、台所、浴室、消火設備 |
似たサービスとの違い
| グループホーム | 特養 | 小規模多機能型居宅介護 | |
|---|---|---|---|
| 対象 | 認知症の診断がある方 | 原則 要介護3以上 | 要支援1〜要介護5 |
| 住まい方 | 入居(共同生活) | 入居 | 自宅で暮らしながら利用 |
| 規模 | 1ユニット5〜9人 | 数十人〜 | 登録29人以下 |
| 地域の制限 | 原則 同一市区町村 | なし | 原則 同一市区町村 |
| 特徴 | 少人数で家庭的な環境 | 手厚い介護 | 通い・訪問・泊まりを組み合わせ |
確認しておきたいこと
- 夜間の職員配置と、緊急時の対応
- 医療的なケアがどこまで受けられるか
- 看取りへの対応方針
- 状態が重くなった場合に住み続けられるか
- 費用の総額(介護保険外の費用が中心になります)
- 入居者同士の関係づくりへの配慮
- 家族の関わり方(行事、面会、運営推進会議)
よくある疑問
| よくある疑問 | 考え方 |
|---|---|
| 要支援1でも入れるか | 要支援2以上が対象です |
| 他の市区町村からでも入れるか | 原則として同一市区町村の方が対象です。例外の可否は保険者にご確認ください |
| 認知症の診断が必要か | 医師の診断が要件です |
| 費用は特養より高いか | 居住費・食費の負担軽減制度の対象外のため、負担が大きくなることがあります |
| 重度になったら退去か | 施設の方針によります。看取りまで対応する事業所もあります |
※加算・減算の要件は改定のたびに見直されます。算定の可否は、最新の告示・通知および保険者(市区町村)の運用を必ずご確認ください。本記事は一般的な考え方を整理したものです。
グループホームの1日と、暮らし方
グループホームは「介護してもらう場所」というより、職員と一緒に暮らしをつくる場所という設計になっています。
- 朝——起床、身支度、朝食の準備を一緒に行う
- 午前——洗濯、掃除、買い物などの家事を役割として担う
- 昼——昼食の準備と片付け。できることを続けてもらう
- 午後——散歩、趣味活動、地域との交流
- 夕方——夕食の準備。包丁を使う方もいます
- 夜——入浴、就寝。夜間はユニットごとに職員1名
「できないから代わりにやる」のではなく、できることを続けてもらうことが、認知症の進行を緩やかにすると考えられています。
運営推進会議という仕組み
地域密着型サービスには、運営推進会議の設置が求められています。利用者・家族・地域住民・市町村の職員・地域包括支援センターの職員などが参加し、活動状況を報告して意見を聞く場です。
- 定期的に開催することが求められます
- 家族が施設の運営に関われる数少ない機会です
- 地域に開かれていることが、閉鎖性による問題を防ぎます
- 会議の記録を公表することが求められます
見学で聞くこと
- 夜間の職員配置(ユニットごとに1名以上が基準です)
- 医療的ケアの対応範囲と、協力医療機関
- 看取りへの方針
- 状態が重くなった場合に住み続けられるか
- 費用の総額と、その内訳
- 入居者が日常でどんな役割を持っているか
- 運営推進会議の開催状況と、家族の参加
- 職員の入れ替わりの状況——なじみの関係が支援の前提になります
費用が特養より高くなる理由
グループホームは、特養などの施設サービスと違い、居住費・食費の負担限度額認定の対象外です。そのため、所得が低い方でも軽減を受けられず、負担が大きくなることがあります。
| グループホーム | 特養 | |
|---|---|---|
| 家賃・居住費 | 施設が設定(軽減制度の対象外) | 負担限度額認定の対象 |
| 食費 | 実費(軽減制度の対象外) | 負担限度額認定の対象 |
| 介護サービス費 | 要介護度に応じた額 | 要介護度と居室の種類に応じた額 |
| 月額の目安 | 施設により幅が大きい | — |
高額介護サービス費など、他の軽減制度の対象になる部分もあります。総額と、使える制度を市区町村に確認してから判断してください。
グループホームのケアの工夫
- 料理や掃除などの役割を一緒に行い、できることを活かす
- なじみの関係・なじみの環境で安心感を保つ
- 行動・心理症状(BPSD)の背景を捉えて関わる
よくある質問(追加)
Q. 医療が必要になったら?
A. 訪問看護や協力医療機関と連携して対応します。状態によっては住み替えを検討することもあります。
Q. 費用は?
A. 介護保険の自己負担に加え、家賃・食費・光熱費などがかかります。
認知症ケアの記録を効率化する
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」の記録機能(施設記録マナ)は、日々の様子や変化の記録を効率化し、ユニットでの共有を助けます。利用者さま3名まで、期限なく無料でお試しいただけます。
グループホームの特徴
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、認知症の方が少人数で共同生活を送る住まいです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 認知症の要支援2・要介護1以上の方 |
| 特徴 | 5〜9人の少人数ユニットで家庭的な生活 |
| ケア | なじみの関係のなかで役割をもち生活を続ける |
| 地域 | 原則その市町村の住民が対象(地域密着型) |
よくある質問(FAQ)
グループホームとは?
どんな人が対象ですか?
特徴は?
カイポケを使っていないのですが、どうすればよいですか?
看取りはできますか?
入居から日々の運営で残す記録
グループホームは運営推進会議が2か月に1回以上と、他のサービスより頻度が高くなります。
| 場面 | 記録 | 残すこと |
|---|---|---|
| 入居前 | 面接記録 | 認知症の状態、生活歴、家族の希望 |
| 入居時 | 契約書・重要事項説明書 | 説明日、同意、交付 |
| 入居時 | 認知症対応型共同生活介護計画 | 課題、目標、支援の内容 |
| 日々 | 介護記録 | 食事、排泄、入浴、睡眠、その日の様子 |
| 日々 | 服薬の記録 | 与薬した人、時間、残薬 |
| 随時 | 事故・ヒヤリハット | 日時、状況、対応、家族への連絡 |
| 随時 | 身体的拘束の記録 | 態様、時間、心身の状況、緊急やむを得ない理由 |
| 随時 | 受診・往診の記録 | 受診日、医師名、指示 |
| 2か月に1回以上 | 運営推進会議 | 出席者、議題、意見、公表 |
| 随時 | 消防訓練 | 夜間想定を含む実施記録 |
| 随時 | 虐待防止の委員会・研修 | 開催記録、参加者 |
| 随時 | 身体的拘束適正化委員会 | 3か月に1回以上 |
| 見直し時 | 計画の見直し | モニタリングの結果、変更の理由 |
| 退居時 | 退居の記録 | 理由、引き継ぎ先 |
この記事の執筆・編集
介護のマナ編集部(株式会社ライフシフト)
介護記録AI「神マナ(介護のマナ)」を開発・提供する株式会社ライフシフトの編集部。訪問看護ステーションを運営する看護師(CSO)をはじめ、介護・看護の現場とともに、記録・書類・制度の実務情報を発信しています。
