今回の取り組みは、沖縄タイムスにも取り上げられました。
AIでケアプラン作成支援「介護のマナ」/従来のアナログ業務を大幅に効率化
日本は超高齢化社会に突入し、介護サービスのニーズは年々増加しています。その中で必要不可欠な「ケアプラン」(介護サービス計画書)の作成ですが、ケアマネージャーの不足やアナログ業務の多さが現場の負担となり、長時間労働や業務の非効率化を招いています。南城市に拠点を構える株式会社ライフシフト(代表:嶺井政哉)は、沖縄県ICTビジネス高度化支援事業の助成を活用し、ケアプラン作成支援システム「介護のマナ」にOCR機能やAIによる文書生成機能、クラウドストレージ機能を追加。これにより業務効率を劇的に向上させる取り組みを行いました。
嶺井代表の家族は南城市で介護施設を運営しており、日々の介護記録業務が大きな負担である様子を見てきました。2020年に会社を設立し、介護業界の課題解決を目指して開発されたのが「介護のマナ」です。
通常、介護保険サービスを利用するには市町村での申請からケアプラン作成、サービス契約まで複数のプロセスを経ますが、各事業所ではケアマネージャーの人手が不足しており、ケアプラン作成には80〜100時間もの時間がかかることも。さらに、一部事業所ではファクスを利用して情報共有しているため、利用者にサービスが届くまでの遅延も課題となっています。
「介護のマナ」は、①紙データをOCRでテキスト化、②AIによるケアプラン自動生成、③クラウドでのデータ管理が可能な機能を搭載しています。スマートフォンやタブレットで撮影した介護保険証などの画像データをOCRで読み取り、利用者の情報をAIプロンプトに組み込むことで、ケアプランを自動生成します。
実証試験では、沖縄市、宜野湾市、南城市、与那原町の居宅介護支援事業所でケアマネージャー30名に実際にシステムを使ってもらい、従来80〜100時間かかっていた業務を1/10まで短縮することに成功しました。また、生成データはクラウド上で保存・編集が可能で、ファクスの代わりにメールで情報共有することで、事業者間の連携も円滑に進みました。
システムの利用者からは「メモを取る手間が減り、利用者の話に集中できる」「AIによる提案の確認・修正だけで済むため、文書作成の労力が大幅に減った」「若手のサポートにかかる時間が減った」など、8割以上から高評価を得ました。
現在、介護事業所の約7割が業務ソフトを導入していますが、その効果は限定的です。嶺井代表は「簡単に使える操作性と導入しやすい価格が、効率化には欠かせない要素」と語り、シンプルなUIで競合との差別化を図っています。 「介護に関わる皆さんの負担を軽減し、生まれた時間を利用者とのふれあいに活かしてほしい。これからも現場を全力で支援していきます。」
現在はさらに、iPadでの操作・RPAによる介護ソフトとの連携など、さらに進化を続けております。
嶺井政哉さんによる介護のマナ_ケアプランAI説明資料
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